- 理科 11 - 第1 学年 C 組 理科学習指導案 指導者 川本 晃裕 展開場所 第1理科室 1 単元名 植物の体のつくりとはたらき 2 単元について ( 1 ) 単元観 この単元では,身近な生物について植物を中心に観察し,いろいろな生物が環境とかかわりをもちな がら,様々な場所に生活していることに気付かせ,生物とそれを調べることに対する興味・関心を喚起 する。その上で,植物の体のつくりと働き,種類などについて,身近な植物の観察,実験を通して理解 させることが主なねらいである。 小学校では,第3 学年で「昆虫と植物」,「身近な自然の観察」,第 4 学年で「季節と生物」,第 5 学年 で「植物の発芽,成長,結実」,第6 学年で「植物の養分と水の通り道」について学習している。また, 中学校2 年生では動物に関する内容を,中学校 3 年生では食物連鎖や遺伝に関する内容を学習する。よ ってこの単元では,まず導入において小学校の学習内容にふれることが必要であり,また,中学校の学 習内容を丁寧に説明することで,中学校1年生以降の学習につなげていきたい。 また,本単元においては観察,実験を行う際の器具の扱い方を身に付けさせたい。観察,実験では, 得られた情報を処理させ,結果を分析して解釈させたり,レポートの作成や発表を行わせたりすること により,思考力,表現力などを育成する。継続的な観察の機会を設けることで,植物の生活や種類への 理解を深めさせたい。 ( 2 ) 生徒の実態 1 年 C 組は 30 名が在籍している。観察・実験の際は学級の席順をもとに生徒を 9 つのグループ に分けている。授業へは落ち着いて取り組むことができ,実験等へも意欲的に取り組んでいる。し かし,知識の定着という面では差が見られ,個別に支援を必要とする生徒も見られる。 理科についての事前調査アンケートを5 月中旬に実施したので以下に記す。 ( 事前調査結果 ) 調査人数 30 名 ① 理科は好きですか。 はい・・・・24 名 いいえ・・・ 6 名 ② 植物に興味はありますか。 はい・・・・19 名 いいえ・・・11 名 ③ 植物の茎について知っていることはありますか。 水の通り道である・・・・・13 名 栄養分の通り道である・・・ 2 名 他 ④ 植物の茎に関する実験は行ったことがありますか。 ホウセンカと色水を用いた実験・・・16 名
- 理科 12 - アンケート1 から分かるように,理科が好きな生徒は多いクラスである。しかし,アンケート 2 の結果を見ると,理科は好きでも植物には興味がない生徒も多いことが分かった。よって,植物分 野が終わったときに再度アンケートをとり,どれほど植物に関する興味が高まったかを調べたいと 思う。アンケート3・4 からは,小学校における生徒の学習状況の実態がわかった。アンケートか ら,約半分の生徒が「ホウセンカを色水につけてから茎を観察する実験」を行っているため,道管 という言葉は知らなくても,茎が水の通り道であることは理解していると分かる。しかし,小学校 の学習状況には違いがあり,約半分の生徒は実験も行っておらず,茎に関する知識もない。このよ うな現状での授業となるため,クラス全員の小学校までの知識を統一することと,小学校での学習 内容を発展させた中学校での学習内容の理解につなげることが必要である。 ( 3 ) 指導観 本単元の特徴は,小学校3 年生から 6 年生までの各学年の学習内容が中学校の本単元と多くが重 なっていることにある。よって,「小学校で学習したことを思い出してみよう」といった呼びかけ による小学校の学習内容との関連を大切にしたい。具体的には「どのような植物を観察したか」「植 物の種子が発芽するのに必要な条件は何だったか」「肥料や日光は植物の成長とどのようにかかわ っていたか」「植物はどこから水を取り入れていたか」「取り入れた水はどうなったか」といった問 いかけである。また,アンケート調査を定期的に行うことで,小学校における学習内容の違いにつ いても把握したうえでの授業づくりを行いたい。植物への興味が少ないことに関しては,ルーペや 顕微鏡を用いてできる限り実物を観察したりふれたりすることにより,身近な植物への関心を高め るほか,化学や地学分野の話をすることにより,理科の教科内における他の分野との関連も図りた い。実験観察においては,顕微鏡やルーペの使い方をはじめとする実験技能の向上を図る一方で, ペア活動やグループ活動を積極的に取り入れ,協力しながら課題解決に臨むことから思考・表現の 活性化を促すとともに,課題について意欲的に考えようとする姿勢を身につけさせたい。 3 単元の目標 ・ 生物の観察や植物の体のつくりと働き,植物のなかまに関する事物・現象に関心をもち,意欲 的にそれらを探求すると共に,生命を尊重し,自然環境を保全しようとする。 ( 自然事象への関心・意欲・態度 ) ・ 生物の観察や植物の体のつくりと働き,植物のなかまに関する事物・現象の中に問題を見いだ し,解決方法を考えて観察,実験を行い,事象の生じる要因やしくみを分析的,総合的に考察 し,表現できる。 ( 科学的な思考・表現 ) ・ 生物の観察や植物の体のつくりと働き,植物のなかまに関する事物・現象についての観察,実 験を行い,観察,実験の基本操作ができるともに,観察,実験の計画,実施,結果の記録,考 察など,探求する過程を通して,規則性を見いだしたり,自らの考えを導き出したりして創意 ある観察,実験報告書の作成や発表ができる。 ( 観察・実験の技能 ) ・生物の観察や植物の体のつくりと働き,植物のなかまに関する事物・現象について理解すること ができる。 ( 自然事象についての知識・理解 )
- 理科 13 - 4 指導計画 ( 13 時間 ) 時配 学習内容と学習活動 評価規準 ( 方法 ) 1 ・ アブラナの花を解体し,各部分の名称を 知り,セロテープを使った標本を作製す る。 ・ アブラナの花の各部位の名称を理解でき る。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 ・ アブラナの花を解体し,標本を作製でき る。 ( 観察・実験の技能 ) 【ワークシート】 ・ 実験に積極的に取り組もうとしている。 ( 関心・意欲・態度 ) 【行動観察・ワークシート】 2 ・ アブラナの標本をもとに,アブラナの各 部位をスケッチする。 ・ ツツジの花を解体し,アブラナの花のつ くりと比較する。 ・ アブラナの花の各部位をスケッチできる。 ( 観察・実験の技能 ) 【ワークシート】 ・ ツツジの花を解体し,アブラナの花との違 いや花弁の違いを記述できる。 ( 思考・表現 )【ワークシート・ペーパーテスト】 3 ・ 受粉,花から果実への変化について,花 粉や種子の運ばれ方について知る。 ・ 受粉について説明することができる。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 ・ 花から果実への変化や花粉・種子の運ばれ 方を理解できる。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 4 ・ 裸子植物のつくりについて理解し,アブ ラナの花とのつくりの違いから,裸子植 物と被子植物に分類できる。 ・ マツの花のつくりについて理解する。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 ・ 裸子植物と被子植物の違いをつくりの違 いから説明できる。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 学習課題 アブラナの花はどのようになっているのだろうか。 学習課題 花のつくりは植物の種類によって違いはあるのか。 学習課題 植物はどのようにして子孫を残すのだろうか。 学習課題 マツの花とはどのようなつくりをしているのだろうか。
- 理科 14 - 5 ・ オオカナダモの葉にヨウ素液をかけたプ レパラートを作製し,顕微鏡観察から光 合成する場所を見つける。 ・ オオカナダモのプレパラートを作製し,顕 微鏡観察してスケッチできる。 ( 観察・実験の技能 ) 【ワークシート】 ・ 葉の葉緑体で光合成が行われることを理 解する。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 6 ・ オオカナダモに光を当て,BTB 液の色の 変化を調べる実験から,二酸化炭素の出 入りを理解する。 ・ 光合成により出入りする酸素や水につい て知る。 ・ BTB 液の変化から,二酸化炭素の出入り を理解できる。 ( 思考・表現 )【ワークシート・ペーパーテスト】 ・ 光合成により出入りする物質を理解でき る。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 7 ・ 植物が呼吸していることを,オオカナダ モとBTB 液を用いた実験から理解する。 ・ BTB 液の色の変化から,呼吸により二酸 化炭素が出ることを理解する。 ( 思考・表現 )【ワークシート・ペーパーテスト】 ・ 光合成により出入りする物質を理解でき る。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 8 ・ 身近な葉を観察し,葉脈が平行脈か網状 脈かを調べる。 ・ 葉の表皮と断面について知る。 ・ 葉を見て平行脈か網状脈かを判断できる。 ( 思考・表現 )【ワークシート・ペーパーテスト】 ・ 葉の表面の気孔や,細胞の中の葉緑体につ いてはたらきも含めて理解できる。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 学習課題 光合成は葉のどこで行われているのだろうか。 学習課題 植物の光合成において水や酸素,二酸化炭素はどのように関わっているのだろうか。 学習課題 植物も動物と同じように呼吸するのだろうか。 学習課題 植物の葉はどのようなつくりをしているのだろうか。
- 理科 15 - 9 ・ 葉の裏側に気孔が多いことから,蒸散も 盛んになることを知る。 ・ 蒸散が葉の裏では主に多く行われるため, 葉の裏からの蒸散量が多くなることを理 解できる。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 10 本時 (10/13) ・ 着色した植物の茎のつくりを観察し,茎 の断面図からつくりについて理解する。 ・ 茎のつくりを顕微鏡を用いて観察できる。 ( 観察・実験の技能 ) 【ワークシート】 ・ 植物により,2 種類の茎の維管束の並びが あることを理解できる。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 11 ・ 根のつくりやはたらきを知り,根のつく りから植物を分類できることを知る。 ・ 主根と側根を持つ植物と,ひげ根の植物に 分類することができる。 ( 思考・表現 )【ワークシート・ペーパーテスト】 12 ・ 植物の体の中をデンプンがどのように運 ばれて貯蔵されるかを理解する。 ・ デンプンの植物の体内における変換につ いて理解できる。 ( 知識・理解 )【ペーパーテスト】 13 ・ ワセリンを葉にぬった蒸散の実験結果を 用いて,葉のどこからどれだけの量の蒸 散が行われているのかを計算する。 ・ ワセリンを葉にぬった蒸散の実験結果か ら,葉のどこからどれだけの量の蒸散が行 われているのかを計算できる。 ( 思考・表現 )【ワークシート・ペーパーテスト】 学習課題 植物で作られたデンプンはどうなるのか。 学習課題 茎の内部のつくりはどうなっているのだろうか。 学習課題 植物が行う蒸散とはどのようなはたらきなのか。 学習課題 根のつくりやはたらきはどうなっているのだろうか。 学習課題 葉の表と裏の蒸散の量を計算してみよう。
- 理科 16 - 5 本時の指導 ( 1 ) 目標 茎の維管束のつくりを理解する。( 知識・理解 ) ( 2 ) 展開 時配 学習内容と学習活動 指導・支援 〇評価 資料 10 1 植物における茎のはたらきには何がある のかを考え,ワークシートに記入する。 2 赤色に着色した水にホウセンカをつけた ところ,赤く染まったのはなぜかを考え, ワークシートに記入する。 ・ 個 人 で 植 物の 茎 の はた ら きを 考 え,ワークシートに記入させる。 ・予想 水を運ぶ 体を支える 栄養分を運ぶ ・ 赤色に着色した水にホウセンカを つけたときの,赤く染まった理由 をワークシートに記入させる。 ワークシート ホウセンカ 三角フラスコ 食紅 20 生徒実験 3 ホウセンカの茎をカッターナイフで横に 切り,その切り口をルーペで観察し,ワ ークシートにスケッチする。 4 顕微鏡を用いて,トウモロコシの茎の横 断面を観察し,ワークシートにスケッチ する。 ※この観察は2 人組で行い,3 と 4 は入れ替 えで行う。 ○ホウセンカの茎を切った試料を観察 し,ワークシートに簡単にスケッチ できる。 ( 観察・実験の技能 ) 【ワークシート】 ※ カッターナイフの使い方を注意する。 ○顕微鏡を用いてトウモロコシの茎の 横断面を観察し,ワークシートにス ケッチできる。 ( 観察・実験の技能 ) 【ワークシート】 ホウセンカ カッターナイフ 顕微鏡 トウモロコシの 横 断面 の プレパラート 15 5 道管・師管・維管束に関して説明を聞く。 ・ 板書をワークシートに書く。 6 ホウセンカとトウモロコシの維管束の違 いについて考えてワークシートに記入す る。 ・ 道管と師管,維管束に関しての説 明を板書する。 ○ ホウセンカとトウモロコシの維管 束の違いを考察できる。 ( 思考・表現 ) 【ワークシート】 5 7 まとめをする 学習課題 茎の内部のつくりはどうなっているのだろうか。 まとめ 植物の茎には道管と師管を合わせた維管束があり,その並び方は植物によって異なる。
- 理科 17 - ( 3 ) 板書計画 学習課題 ( 茎のはたらき ) 水を運ぶ 体を支える 栄養分を運ぶ ( 赤く染まる理由 ) 茎の中を水が通るから 道管…茎や根にある水などの通り道 師管…葉で作られた養分の通り道 維管束…道管と師管の集まり ( ホウセンカの維管束 ) 輪状に並んでいる ( トウモロコシの維管束 ) 散らばっている まとめ 茎の内部のつくりはどうなっているのだろうか。 植物の茎には道管と師管を合わせた維 管束があり,その並び方は植物によって 異なる。