集中治療領域における看護師のケアリングの実践
著者
田中 琢也
学位授与機関
滋賀医科大学
学位授与年度
令和2年度
学位授与番号
第255号
発行年
2021-03-09
URL
http://hdl.handle.net/10422/00013015
氏
名 田中 琢也
学
位
の
種
類 修士(看護学)
学
位
記
番
号 255
学 位 授 与 の 要 件 学位規則第3条第1項
学 位 授 与 年 月 日 令和3年3月9日
学 位 論 文 題 目 集中治療領域における看護師のケアリングの実践
審
査
委
員 河村 奈美子
遠藤 善裕
喜多 伸幸
別 紙 様 式 3
論 文 内 容 要 旨
&整理番号と
b U
$
名 田 中 琢 也 修士論文題目 集中治療領域における看護師のケアリングの実践 研 究 の 目 的 :集中治療領域に特徴的な看護師のケアリングの実践について現象学的に 明らかにする。 研 究 方 法 :対 象 は 、滋 賀 県 下 の 集 中 治 療 室 に 3 年以上携わっている看護師である。調 査 方 法 は 、非 構 造 化 面 接 を 用 い 、集中治療室におけるケアリングの実践の体験につい て質問した。分 析 方 法 は 、看護師の体験に意味づけを行うため現象学的分析方法を用 い 、集中治療領域における看護 師の ケ ア リ ン グ の 特徴 に っいて 考 察した 。 結 果 :3 名の看護師よりデータが得られた。A 看 護 師 は 4 0 代 女 性 で 経 験 年 数 1 6 年 、B 看 護 師 は 3 0 代 男 性 で 、経 験 年 数 1 4 年 、C 看 護 師 は 4 0 代 女 性 で 経 験 年 数 1 8 年であっ た。3 名 の 語 り の 記 述 か ら 、集 中 治 療 領 域 に お け る ケ ア リ ン グ の 実 践 内 容 の 1 2 のテー マが明らか となった 。さらにこれらは意味内容が類似した以下の③つのグループに分 けることができた。① 患 者 へ の 人 と し て の 積 極 的 な 関 心 と 注 目 の 【患者の示す反応を しっかりと受け止める】、【患者の性格や人柄に 対し て能 動的 に興 味、関心を寄せる】、 【患 者が感 じ て い る 苦 痛 や 不 快 に 積 極 的 に 注 目 す る 】、 【言葉で表出されない思いに 耳 を傾 ける 】、② そ の 人 の 人 生 や 経 験 を 基 に し た 感 情 の 共 有 の 【その人の辿ってきた 人 生 や 過 去 を 大 事 に し 、思 い を 沿 わ せ る 】、 【その人の五感を追体験するように感じ 取 る 】、【そ の 人 の 性 格 や人 柄を捉え な が ら 、痛みや苦痛 に 対する 感 じ方を 推 察する 】、 【その人 の 人 柄 や 人 間 性 を 基 に し て 、表出 され ない 思 い を 推 察 す る 】、③その人と共 に あ り な が ら 思 い に 沿 っ た 看 護 ケ ア の 実 践 の 【患者が感じている苦痛を看護師も感じ 取 っ て い る こ と を 伝 え る 】、【その人の思いを理解すること から 看護 ケア を実 践す る】、 【閉 塞 感 の あ る ICU の環境に変化をつけるI
、 【患者に共感 しな がら 、一緒に乗り越 えよう と劈 め る 】であった。 考 察 :集 中治 療 領 域にお ける看護 師 の ケ ア リ ン グ の 実 践 の 特 徴 は 、患者が生命危機的 状 況 下 に あ り 、意 思 疎 通 が 困 難 な 犾 態 に あ っ て も 、看護師が患者の価値観や尊厳など 人 と し て の 深 い 理 解 の た め に 、 人 と し て の 積 極 的 な 関 心 と 注 目 を 寄 せ る こ と に 始 ま り、過 去 の 経 験 や 人 生 に 目 を 向ける こ と で 患 者 の 全体性 を 理解し 、その理解を基にし て尊 厳を 守 り 高める ニーズの充 足をする看護ケアの実践であると考えられた。 ま た 、 (備考) 1 •研 究 の 目 的 ,方 法 • 結 果 • 考 察 • 総 括 の 順 に 記 載 す る こ と 。 ( 1, 200字程度) 2 . ※ 印 の 欄 に は 記 入 し な い こ と 。備 考 ) ※印の欄には記入しないこと。別 紙 様 式3 の2 (続紙) 看護師が患者の全体性に積極的に 注目 す る こ と に よ っ て、声にならなレヽ僅かな変化や バ イ タ ル サ インか ら、患者からの反応を受け取り、患者一看護師間の相互作用を可能 にしているという特徴も示された。 総 括 :集中治療領域における看護師の ケ ア リ ン グ の実 践 の特徴 は 、患者が生命危機的 状 況や 意思 疎通困難な状態にあっても、看護師が患者への人としての深い理解のため に行われる看護ケア実践までの過程であった。今 後 は ICU入室早期からの意図的な情 報 収 集 と 共 有 、症例カンファレンスなどによるケアリング実践の可視化と伝達が重要 であることが示唆された。