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Disruption of circadian clockwork in in vivo reprogramming- induced mouse kidney tumors.

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Academic year: 2021

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博士論文審査結果の要旨

学位申請者

大 橋 宗 洋

主論文 1編

Disruption of circadian clockwork in in vivo reprogramming-induced mouse kidney tumors.

Genes to Cells 23(2);60-69,2018

審 査 結 果 の 要 旨

約 24 時間の自律振動を刻む概日時計は,個体レベル,諸臓器そしてほぼ全ての細胞にも備わって いる普遍的な機能の一つであり,多くの生理機能に関わっている.がんと概日時計の関連についてこ れまで多く報告があるものの,未だ不明な点が多く統一した見解を得るに至っていない.申請者はが んと概日時計の関連について細胞分化制御との関係性という視点から検討した. まず概日時計と細胞分化の関係について,概日時計の振動を認めないマウスES 細胞を in vitro で 分化誘導することによって細胞自律的に概日リズム振動が形成される一方で,分化した細胞をリプ ログラミングすると概日時計の振動が再消失することを見出し,概日時計と細胞分化とが密接な共 役関係にあることが明らかになった.近年,DNA メチル化酵素群ノックアウトなどの遺伝子改変マ ウス ES 細胞の分化誘導培養では,概日時計形成の阻害が生じることが明らかとなり,概日時計形成 には適切な細胞分化過程制御が必要であることが示された.一方で,細胞分化過程の異常,すなわち エピゲノム制御異常は,発がんと関連があると言われている.特に小児がんにおいて遺伝子変異率が 非常に低いがん腫が報告され,エピゲノム変化を発がん要因として考える動きがあり,その中でリプ ログラミング 4 因子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)による in vivo reprogramming マウスモデルを用いた異 常な細胞分化制御を病因とするエピゲノム発癌が報告された.この不完全な in vivo reprogramming によって形成されるマウス腎腫瘍は,ヒト胎児性腎腫瘍 Wilms tumor と酷似しており,ある種のがん においてはリプログラミングによる発がんプロセスを経ている可能性が示されている. 申請者は,概日リズムレポーターとして,マウス時計遺伝子(mPer2)プロモーターにホタルルシフ ェラーゼ遺伝子を挿入したmPer2:luc 遺伝子を,ドキシサイクリン依存性にリプログラミング可能な ES 細胞(tet-OSKM ESC)に導入した.この ES 細胞が寄与するキメラマウスを作成し,正常に発達し た腎組織では明瞭な概日リズムが形成される一方で,partial な in vivo reprogramming という異常な細 胞分化制御によって形成されたマウス腎腫瘍では,概日リズムが障害されていることを示した.概日 リズム障害の要因として,マウス腎腫瘍細胞において,転写後調節メカニズムによってコア時計タン パク質CLOCK が発現抑制されていることを見出した.さらにこれらの転写後調節による CLOCK の 発現消失はヒトWilms tumor にも共通して認められた.また小児腎腫瘍の中で,エピゲノム発癌であ ることが示されているmalignant rhabdoid tumor(MRT)においても同様の所見が示された.これらのこ とから,時計タンパク質CLOCK の消失という特徴は,腫瘍細胞における概日時計発振抑制を示すだ けでなく,エピゲノム制御による細胞分化制御異常という発がんプロセスを反映している可能性が 示唆された. 以上が本論文の要旨であるが,概日時計とがんとの関連について,細胞分化制御との関連性とい う新たな視点による病理学的意義を示した点で,医学上価値のある研究と認める. 平成 30 年 11 月 15 日 審査委員 教授 橋 本 直 哉 ○印 審査委員 教授 黒 田 純 也 ○印 審査委員 教授 松 田 修 ○印

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