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多糖類を基材として金属・金属酸化物の多孔質材料を開発

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Academic year: 2021

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多糖類を基材として金属・金属酸化物の多孔質材料を開発

物質・材料研究機構-英国・ブリストル大学の国際共同研究の成果 平成15年5月26日 独立行政法人物質・材料研究機構 [概 要] 独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:岸 輝雄)生体材料研究センター(センタ ー長:田中 順三)は、英国・ブリストル大学の Stephen Mann(ステファン・マン)教授 と共同で、生物原理に基づいた多糖類を基材とした金属・金属酸化物の多孔質材料の開発 に成功した。 今回開発した多孔質材料は、デキストラン1)という多糖類の水溶液に金属塩を溶解させ たペーストを熱分解法により大気中で作製する方法である。従来の方法に比べて、支持材 料を必要とせずコスト面でも優れている。また比表面積が従来品(0.1m2/g)と比較して 5 倍以上高い。デキストランが燃焼時に膨潤し、泡状の中間物が相互に結合した金属/金属酸 化物の自己支持枠を形成し、高比表面積を持つ多孔体が得られる。焼成温度を制御するこ とで、結晶粒の大きさを 1∼20μm(100万分の 1∼20 メートルのオーダー)にすること が可能である。マクロ孔径をもった金属・金属酸化物の触媒材料は、エポキシ反応2)を始 めとしてさまざまな化学分野に応用が期待される。 なおこの成果は、英国の科学誌「Nature Materials」印刷版の掲載に先立ち、米国東海 岸時間の5月26日に同誌の Web サイトで公開される。 1.研究の背景 金属(銀・金)は触媒や電気科学の広い分野で使われている。特に銀はエポキシ反応の 触媒材料として用いられている。例えばエタンやペンタンの精製、さらにメタノールの部 分酸化反応によるホルムアルデヒド精製に重要である。従来の金属多孔質材料は、不溶性

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かとなった。また、熱分解法の反応は以下の過程で生じていた。 2AgNO3 → 2AgNO2 + O2

3AgNO2 → 3Ag + 2NO + O2

支持物質であるデキストランは、次の反応で消失する。 C + O2 → CO2 本材料は、熱分解法により得られるため純度が極めて高いことが特徴である。加えて、 銀多孔質材料の組成は、多孔質構造を変化させることなく簡単に変化できる。例えば、銀 多孔質材料の触媒促進効果を高めるため、硝酸銅を添加して同様に処理しても、大きさ 1 ∼2μm の酸化銅が均一に分散した多孔質材料が合成できる。このように従来法と比較して 今回開発した方法・材料は、環境に安全であり、簡便・安価な方法で容易にスケールアッ プが可能である。 3.研究の意義と今後の展開 今回の研究結果により、デキストランによる骨組み構造を上手に利用し、金・銀からな る堅固なマクロ多孔質スポンジを製造することが可能になった。今後、触媒・分離・精製 などの工業的な利用が拡大すると期待される。 (問い合わせ先) 独立行政法人 物質・材料研究機構 広報室 〒305-0047 茨城県つくば市千現 1-2-1 TEL:029-859-2026 (研究内容に関すること) 独立行政法人 物質・材料研究機構 生体材料研究センター センター長 田中 順三 〒305-0044 茨城県つくば市並木 1-1

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用語解説 1)デキストラン 組成:(C6H10O5)n 、D-グルコースからなる多糖類。・1→6 結合を主鎖とする。 ショ糖を含む溶液を酵素デキストランスクラーゼの作用で合成される粘物質。わずか に水に溶ける。 2)エポキシ反応 オレフィン 2 重結合に酸素をふかしてエポキシドを形成させる反応。 例えば、エチレンを銀触媒上で酸素とともに加熱するとエチレンオキシドを生ずる。 エポキシドは 3 員環であるため反応性に富み、アルコール・アミンなどと反応して エーテル・アミノアルコールを生成する。熱硬化性のエポキシ樹脂の原料になる。

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図1 各焼成温度で合成した銀多孔質体の走査型電子顕微鏡写真;(a)600℃、(b)700℃、 (c)800℃、(d)900℃

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