-441-
小学校3年生を対象にしたプログラミングの授業実践
†
藤沼 航
*
・坂本 弘志
**
・松原 真理
*
宇都宮大学教育学部
*
宇都宮市立城東小学校
**
新学習指導要領から,中学校技術科だけでなく小学校でも情報分野の必修化が検討されている.特にプロ
グラミングは論理的思考力や問題解決能力が得られる教材として期待されている.しかし,小学校における
プログラミング教育の授業実践の例は少数である.そこで,本研究者らは小学校におけるプログラミング教
育の授業計画を提案することを目的し,今回,小学校3年生を対象にしたプログラミング教育の授業実践を
行った.その授業の様子とアンケート結果を報告する.
キーワード:小学校, 授業実践, プログラミング, ロボット教材,新学習指導要領
1. はじめに
2020 年から実施される学習指導要領で,小学校
段階で論理的思考力や創造力,問題解決能力といっ
た資質・能力を育む側面をもつ,プログラミング教
育の必修化の検討が始まった.
プログラミング教育とは,コンピュータに意図し
た指示をするために,どのような命令の組み合わせ
が必要で,一つ一つの命令をどのように合わすこと
ができたらいいのか,命令の組み合わせをどうする
ことで,意図したことを達成することに近づくのか
を考えていく力が必要になる .
文部科学省では,小学校教科の科目で,プログラ
ミングを体験することを紹介している[1]
.しかしな
がら,小学校においてプログラミングの授業などを
行った事例もあるが,一部に留まっている.近い将
来正式に学校教育でプログラミング教育が開始した
場合,どんな教材で,どの教科でねらいを達成する
のかは実践例が少ないのが現状である.
そこで,本研究では小学校で実践可能なプログラ
ミング教育の授業計画を立てることを目的とし,小
学校3年生を対象にプログラミング教育の授業実践
を行った.
本報では,教材の選定,授業実践の様子,アンケー
ト結果などについて報告する.
2. 授業について
今回の実践は総合的な学習の時間のうち6時間で
行う.総合的な学習の時間は,探究型の学習を行う
時間であり,年間 70 時間程度行われている.情報
の授業もこの時間で行われているようだ.
プログラミングの教材には SCRATCH などヴィ
ジュアルプログラミング[2]
,コンピュータを使わな
いアンプラグド[3]
,ロボットなどが考えられる.ロ
ボット教材は値段の高さに問題があるが,試行錯誤
しながらプログラミングが学べ,思い通りに動いた
時には達成感があるなどの長所がある.ロボット教
材のうちレゴ社の EV3 はプログラムが簡単である
が,センサーの種類が多く組み立てができるなど応
用も広い.全世界で大会が行われ,近年では習い事
としても人気がある.本技術科でも小学生を対象に
したプログラミング教室を行っていて人気が高い.
小学校での実践しやすさは,前者のものかもしれな
いが,宇都宮市の教育委員会は20台貸出可能であり,
ソフトも業者のインストールが可能ということで,
こちらを用いることにした.
筆者らが行っているプログラミング教室は小学校
4年生以上を対象にしている.パソコンの操作がで
きる子供についてのみ,3 年生も受け入れている.
今回の授業は 3 年生にした.小学校 3 年生にあたる
年齢(8-9歳)の特徴として,・思考が具体から抽象
† Wataru FUJINUMA* , Hiroshi SAKAMOTO**
and Mari MATSUBARA*: Practice report of
the computer programing class for Third
grade elementary school student
* School of Education, Utsunomiya University
** Joto Elementary School, Utsunomiya City
-442-
へ移行していく時期・自立へ出発(自分を認識)す
る時期・集団自治の出発の時期,さらに,教科の面
であらわれる特徴について述べている.・話し言葉
から書き言葉へ移行する時期・掛け算割り算思考を
作る時期,と言われている[4]
.このように,9 歳の
頃の時期という時期は,子どもにとって思考の発達
の大きな時期である.暗記力と計算力だった授業が,
3・4 年生から考える力を養っていく内容に変わる.
よってこの時期にロボットを用いた授業を行うこと
で考える力を養い,科学技術に興味を持ち,理科離
れを防ぐのではと考えた.
3. 授業実践
3.1 概要
実践は市内の公立小学校の3年生の総合的な学習
の時間を用いて2クラス(1クラス約30名)2時間連
続で3週間にわたり行った.パソコン室には,デス
クトップPCが人数分あり,多目的室と隣接してい
るので,ロボットを動作させるのに十分なスペース
がある.ロボットは,2人で1台用いる.TAは,学
生や現役の教員が1時間につき2 ~ 4人程度ついた.
また,児童はPCを扱う授業が本年度初めてであった.
今回授業の目標を以下に示す.
(1) アルゴリズムとプログラムに関する処理につい
て理解することができる・・・1つの問題を解
決するために,いくつかの手順にわけることが
できることを目標にする
(2) コンピュータの基本的な操作を通じて,コン
ピュータの面白さに気付くことができる・・・
コンピュータに意図した処理を行うように指示
することができることを目標にする
(3) プログラムについて,学ぶことができ・・・結
果を予想し,失敗を恐れずに試行錯誤しながら,
プログラムを作成することができることを目標
にする
この目標に対応した授業計画表を表1に示す.
3.2 授業の展開
3.2.1 1時間目
本時は多目的室においてグループ毎に着席させ
た.まずはガイダンスとして児童の‘プログラム’と
う言葉を確認した.次に,このプログラムは動作を
指摘する命令がプログラムとして示されていること
を説明した.授業の様子を図1に示す.
プログラムを学ばせる際,図2のようなアルゴリ
ズムを用いた.自動車をスタート位置からゴール位
置まで命令で動かすというもので1マスすすむため
には ‘ す ’,左を向く場合は ’ 左 ’ という命令で行う.
説明する際,自動車が見た左右と,自分が見た左右
は異なることを伝えた.その結果,消しゴムを自動
大きな時期である.暗記力と計算力だった授業が,3・4 年
生から考える力を養っていく内容に変わる.よってこの
時期にロボットを用いた授業を行うことで考える力を養
い,科学技術に興味を持ち,理科離れを防ぐのではと考え
た.
3. 授業実践
3.1 概要
実践は市内の公立小学校の3年生の総合的な学習の時
間を用いて 2 クラス(1 クラス約 30 名)2 時間連続で3
週間にわたり行った.パソコン室には,デスクトップPCが
人数分あり,多目的室と隣接しているので,ロボットを動
作させるのに十分なスペースがある.ロボットは,2人で
1台用いる.TA は,学生や現役の教員が 1 時間につき 2~
4 人程度ついた.また,児童は PC を扱う授業が本年度初
めてであった.
今回授業の目標を以下に示す.
(1) アルゴリズムとプログラムに関する処理について理解
することができる・・・1つの問題を解決するために,いく
つかの手順にわけることができることを目標にする
(2) コンピュータの基本的な操作を通じて,コンピュータの
面白さに気付くことができる・・・コンピュータに意図した
処理を行うように指示することができることを目標にする
(3) プログラムについて,学ぶことができ・・・結果を予想し,
失敗を恐れずに試行錯誤しながら,プログラムを作成す
ることができることを目標にする
この目標に対応した授業計画表を表 1 に示す.
表 1 授業計画
3.2 授業の展開
3.2.1
1 時間目
本時は多目的室においてグループ毎に着席させた.ま
ずはガイダンスとして児童の‘プログラム’とう言葉を
確認した.次に,このプログラムは動作を指摘する命令
がプログラムとして示されていることを説明した.授業
の様子を図1に示す.
図1 授業の様子(多目的室)
プログラムを学ばせる際,図2のようなアルゴリズム
を用いた.自動車をスタート位置からゴール位置まで命
令で動かすというもので 1 マスすすむためには‘す’,左
を向く場合は’左’という命令で行う.説明する際,自動
車が見た左右と,自分が見た左右は異なることを伝えた.
その結果,消しゴムを自動車に見立てて児童が学習をす
る様子も見受けられた.
図2 本時で用いたアルゴリズム
3.2.2 2 時間目
時数 学習内容
1(1)
ガイダンス
プログラムのシミュレーション
簡単な手書きのアルゴリズム(事前アンケート)
1(2)
パソコンの扱い方
ロボットとソフトウェアの扱い方
2(4)
前時の確認
シーケンス制御の課題の取り組み
2(6)
センサーを使った課題の取り組み
まとめ
事後アンケート
表1 授業計画
大きな時期である.暗記力と計算力だった授業が,3・4 年
生から考える力を養っていく内容に変わる.よってこの
時期にロボットを用いた授業を行うことで考える力を養
い,科学技術に興味を持ち,理科離れを防ぐのではと考え
た.
3. 授業実践
3.1 概要
実践は市内の公立小学校の3年生の総合的な学習の時
間を用いて 2 クラス(1 クラス約 30 名)2 時間連続で3
週間にわたり行った.パソコン室には,デスクトップPCが
人数分あり,多目的室と隣接しているので,ロボットを動
作させるのに十分なスペースがある.ロボットは,2人で
1台用いる.TA は,学生や現役の教員が 1 時間につき 2~
4 人程度ついた.また,児童は PC を扱う授業が本年度初
めてであった.
今回授業の目標を以下に示す.
(1) アルゴリズムとプログラムに関する処理について理解
することができる・・・1つの問題を解決するために,いく
つかの手順にわけることができることを目標にする
(2) コンピュータの基本的な操作を通じて,コンピュータの
面白さに気付くことができる・・・コンピュータに意図した
処理を行うように指示することができることを目標にする
(3) プログラムについて,学ぶことができ・・・結果を予想し,
失敗を恐れずに試行錯誤しながら,プログラムを作成す
ることができることを目標にする
この目標に対応した授業計画表を表 1 に示す.
表 1 授業計画
3.2 授業の展開
3.2.1
1 時間目
本時は多目的室においてグループ毎に着席させた.ま
ずはガイダンスとして児童の‘プログラム’とう言葉を
確認した.次に,このプログラムは動作を指摘する命令
がプログラムとして示されていることを説明した.授業
の様子を図1に示す.
図1 授業の様子(多目的室)
プログラムを学ばせる際,図2のようなアルゴリズム
を用いた.自動車をスタート位置からゴール位置まで命
令で動かすというもので 1 マスすすむためには‘す’,左
を向く場合は’左’という命令で行う.説明する際,自動
車が見た左右と,自分が見た左右は異なることを伝えた.
その結果,消しゴムを自動車に見立てて児童が学習をす
る様子も見受けられた.
図2 本時で用いたアルゴリズム
3.2.2 2 時間目
時数 学習内容
1(1)
ガイダンス
プログラムのシミュレーション
簡単な手書きのアルゴリズム(事前アンケート)
1(2)
パソコンの扱い方
ロボットとソフトウェアの扱い方
2(4)
前時の確認
シーケンス制御の課題の取り組み
2(6)
センサーを使った課題の取り組み
まとめ
事後アンケート
図1 授業の様子(多目的室)
大きな時期である.暗記力と計算力だった授業が,3・4 年
生から考える力を養っていく内容に変わる.よってこの
時期にロボットを用いた授業を行うことで考える力を養
い,科学技術に興味を持ち,理科離れを防ぐのではと考え
た.
3. 授業実践
3.1
概要
実践は市内の公立小学校の3年生の総合的な学習の時
間を用いて 2 クラス(1 クラス約 30 名)2 時間連続で3
週間にわたり行った.パソコン室には,デスクトップPCが
人数分あり,多目的室と隣接しているので,ロボットを動
作させるのに十分なスペースがある.ロボットは,2人で
1台用いる.TA は,学生や現役の教員が 1 時間につき 2~
4 人程度ついた.また,児童は PC を扱う授業が本年度初
めてであった.
今回授業の目標を以下に示す.
(1) アルゴリズムとプログラムに関する処理について理解
することができる・・・1つの問題を解決するために,いく
つかの手順にわけることができることを目標にする
(2) コンピュータの基本的な操作を通じて,コンピュータの
面白さに気付くことができる・・・コンピュータに意図した
処理を行うように指示することができることを目標にする
(3) プログラムについて,学ぶことができ・・・結果を予想し,
失敗を恐れずに試行錯誤しながら,プログラムを作成す
ることができることを目標にする
この目標に対応した授業計画表を表 1 に示す.
表 1 授業計画
3.2
授業の展開
3.2.1
1 時間目
本時は多目的室においてグループ毎に着席させた.ま
ずはガイダンスとして児童の‘プログラム’とう言葉を
確認した.次に,このプログラムは動作を指摘する命令
がプログラムとして示されていることを説明した.授業
の様子を図1に示す.
図1 授業の様子(多目的室)
プログラムを学ばせる際,図2のようなアルゴリズム
を用いた.自動車をスタート位置からゴール位置まで命
令で動かすというもので 1 マスすすむためには‘す’,左
を向く場合は’左’という命令で行う.説明する際,自動
車が見た左右と,自分が見た左右は異なることを伝えた.
その結果,消しゴムを自動車に見立てて児童が学習をす
る様子も見受けられた.
図2 本時で用いたアルゴリズム
3.2.2 2 時間目
時数 学習内容
1(1)
ガイダンス
プログラムのシミュレーション
簡単な手書きのアルゴリズム(事前アンケート)
1(2) パソコンの扱い方
ロボットとソフトウェアの扱い方
2(4)
前時の確認
シーケンス制御の課題の取り組み
2(6)
センサーを使った課題の取り組み
まとめ
事後アンケート
図2 本時で用いたアルゴリズム
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車に見立てて児童が学習をする様子も見受けられ
た.
3.2.2 2時間目
本時ではパソコン室に移動し,児童に EV3 とマ
インドストームの扱い方を説明した(図 3).教師
のパソコン画面でソフトウェア使い方を映し,前方
のスクリーンと,児童はそのスクリーンを見ながら
同じようにマウスを操作し,ついていけないことが
ないように配慮した.また,TAも複数人いたため,
随時,児童の様子を確認する環境は整っていた.し
かしながら対象がパソコン機器を扱う学習は,本年
度初めてということもあり,マウスの操作やキー
ボードの操作が出来ていない児童が多く見られた.
図3 授業の様子(パソコン室)
3.3.3 3・4時間目
まず前時に行った,EV3の使い方の復習をし,シー
ケンス制御に関する課題を実施した.
「車庫入れだいさくせん」と題し,ロボットを車
に見立て,車庫入れをする(図 4).前進・後進・
右に曲がる・左に曲がるを用いたシーケンス制御で
EV3をスタート位置からゴール位置に動かす.
図4 3・4時間目の課題
児童の様子を図5に示す.何秒前進したら,どれ
くらいの距離進むのかを考えていた.小さい数字か
ら何度も試す児童や,大きい数字から試す児童と
様々なプログラムと EV3 を見ることができた.こ
の課題は,1 組・2 組どちらも,三分の二以上の児
童は達成できていた.
図5 授業の様子(3時間目)
3.3.4 5・6時間目
本時では,前時に行った課題を発展させ,シーケ
ンス制御から,自動制御に近い課題を与えた.
「すりぬけだいさくせん」と題し,図 6 のコース
を完走する.前時に行った,前進・後進・右に曲が
る・左に曲がるに加え,センサーで停止をするとい
う命令が加わった課題である.それは,スタート位
置から数十 cm 離れた位置にブロック(1)が置い
てあり,その目の前で一度停止をする.その後,ブ
ロック(2)の前まで移動をして,この目の前で停
止をする.その後,ゴール位置まで移動をする.
今回もすぐにパソコンを操作させるのではなく,
最初は鉛筆でロボットがどの道を通過したが,ゴー
ルに辿り着けるのか,また,そのプログラムを手書
きで書かせることにした.
図6 5・6時間目の課題
授業の様子を図7に示す.本時では,センサーを
理解することができた児童とそうではない児童にわ
本時ではパソコン室に移動し,児童に EV3 とマインド
ストームの扱い方を説明した(図 3).教師のパソコン画
面でソフトウェア使い方を映し,前方のスクリーンと,児
童はそのスクリーンを見ながら同じようにマウスを操作
し,ついていけないことがないように配慮した.また,TA
も複数人いたため,随時,児童の様子を確認する環境は整
っていた.しかしながら対象がパソコン機器を扱う学習
は,本年度初めてということもあり,マウスの操作やキー
ボードの操作が出来ていない児童が多く見られた.
図 3 授業の様子(パソコン室)
3.3.3 3・4時間目
まず前時に行った,EV3 の使い方の復習をし,シーケン
ス制御に関する課題を実施した.
「車庫入れだいさくせん」と題し,ロボットを車に見立
て,車庫入れをする(図4).前進・後進・右に曲がる・
左に曲がるを用いたシーケンス制御で EV3 をスタート位
置からゴール位置に動かす.
図4 3・4時間目の課題
児童の様子を図 5 に示す.何秒前進したら,どれくら
いの距離進むのかを考えていた.小さい数字から何度も
試す児童や,大きい数字から試す児童と様々なプログラ
ムと EV3 を見ることができた.この課題は,1 組・2 組ど
ちらも,三分の二以上の児童は達成できていた.
図5 授業の様子(3時間目)
3.3.4 5・6時間目
本時では,前時に行った課題を発展させ,シーケンス制
御から,自動制御に近い課題を与えた.
「すりぬけだいさくせん」と題し,図6のコースを完走す
る.前時に行った,前進・後進・右に曲がる・左に曲がる
に加え,センサーで停止をするという命令が加わった課
題である.それは,スタート位置から数十 cm 離れた位置
にブロック(1)が置いてあり,その目の前で一度停止をす
る.その後,ブロック(2)の前まで移動をして,この目の
前で停止をする.その後,ゴール位置まで移動をする.
今回もすぐにパソコンを操作させるのではなく,最初は
鉛筆でロボットがどの道を通過したが,ゴールに辿り着
けるのか,また,そのプログラムを手書きで書かせること
にした.
図6 5・6時間目の課題
授業の様子を図7に示す.本時では,センサーを理解
することができた児童とそうではない児童にわかれた.
駐車場
(1)
(2)
ゴール
スタート
本時ではパソコン室に移動し,児童に EV3 とマインド
ストームの扱い方を説明した(図 3).教師のパソコン画
面でソフトウェア使い方を映し,前方のスクリーンと,児
童はそのスクリーンを見ながら同じようにマウスを操作
し,ついていけないことがないように配慮した.また,TA
も複数人いたため,随時,児童の様子を確認する環境は整
っていた.しかしながら対象がパソコン機器を扱う学習
は,本年度初めてということもあり,マウスの操作やキー
ボードの操作が出来ていない児童が多く見られた.
図 3 授業の様子(パソコン室)
3.3.3 3・4時間目
まず前時に行った,EV3 の使い方の復習をし,シーケン
ス制御に関する課題を実施した.
「車庫入れだいさくせん」と題し,ロボットを車に見立
て,車庫入れをする(図4).前進・後進・右に曲がる・
左に曲がるを用いたシーケンス制御で EV3 をスタート位
置からゴール位置に動かす.
図4 3・4時間目の課題
児童の様子を図 5 に示す.何秒前進したら,どれくら
いの距離進むのかを考えていた.小さい数字から何度も
試す児童や,大きい数字から試す児童と様々なプログラ
ムと EV3 を見ることができた.この課題は,1 組・2 組ど
ちらも,三分の二以上の児童は達成できていた.
図5 授業の様子(3時間目)
3.3.4 5・6時間目
本時では,前時に行った課題を発展させ,シーケンス制
御から,自動制御に近い課題を与えた.
「すりぬけだいさくせん」と題し,図6のコースを完走す
る.前時に行った,前進・後進・右に曲がる・左に曲がる
に加え,センサーで停止をするという命令が加わった課
題である.それは,スタート位置から数十 cm 離れた位置
にブロック(1)が置いてあり,その目の前で一度停止をす
る.その後,ブロック(2)の前まで移動をして,この目の
前で停止をする.その後,ゴール位置まで移動をする.
今回もすぐにパソコンを操作させるのではなく,最初は
鉛筆でロボットがどの道を通過したが,ゴールに辿り着
けるのか,また,そのプログラムを手書きで書かせること
にした.
図6 5・6時間目の課題
授業の様子を図7に示す.本時では,センサーを理解
することができた児童とそうではない児童にわかれた.
駐車場
(1)
(2)
ゴール
スタート
本時ではパソコン室に移動し,児童に EV3 とマインド
ストームの扱い方を説明した(図 3).教師のパソコン画
面でソフトウェア使い方を映し,前方のスクリーンと,児
童はそのスクリーンを見ながら同じようにマウスを操作
し,ついていけないことがないように配慮した.また,TA
も複数人いたため,随時,児童の様子を確認する環境は整
っていた.しかしながら対象がパソコン機器を扱う学習
は,本年度初めてということもあり,マウスの操作やキー
ボードの操作が出来ていない児童が多く見られた.
図 3 授業の様子(パソコン室)
3.3.3 3・4時間目
まず前時に行った,EV3 の使い方の復習をし,シーケン
ス制御に関する課題を実施した.
「車庫入れだいさくせん」と題し,ロボットを車に見立
て,車庫入れをする(図4).前進・後進・右に曲がる・
左に曲がるを用いたシーケンス制御で EV3 をスタート位
置からゴール位置に動かす.
図4 3・4時間目の課題
児童の様子を図 5 に示す.何秒前進したら,どれくら
いの距離進むのかを考えていた.小さい数字から何度も
試す児童や,大きい数字から試す児童と様々なプログラ
ムと EV3 を見ることができた.この課題は,1 組・2 組ど
ちらも,三分の二以上の児童は達成できていた.
図5 授業の様子(3時間目)
3.3.4 5・6時間目
本時では,前時に行った課題を発展させ,シーケンス制
御から,自動制御に近い課題を与えた.
「すりぬけだいさくせん」と題し,図6のコースを完走す
る.前時に行った,前進・後進・右に曲がる・左に曲がる
に加え,センサーで停止をするという命令が加わった課
題である.それは,スタート位置から数十 cm 離れた位置
にブロック(1)が置いてあり,その目の前で一度停止をす
る.その後,ブロック(2)の前まで移動をして,この目の
前で停止をする.その後,ゴール位置まで移動をする.
今回もすぐにパソコンを操作させるのではなく,最初は
鉛筆でロボットがどの道を通過したが,ゴールに辿り着
けるのか,また,そのプログラムを手書きで書かせること
にした.
図6 5・6時間目の課題
授業の様子を図7に示す.本時では,センサーを理解
することができた児童とそうではない児童にわかれた.
駐車場
(1)
(2)
ゴール
スタート
本時ではパソコン室に移動し,児童に EV3 とマインド
ストームの扱い方を説明した(図 3).教師のパソコン画
面でソフトウェア使い方を映し,前方のスクリーンと,児
童はそのスクリーンを見ながら同じようにマウスを操作
し,ついていけないことがないように配慮した.また,TA
も複数人いたため,随時,児童の様子を確認する環境は整
っていた.しかしながら対象がパソコン機器を扱う学習
は,本年度初めてということもあり,マウスの操作やキー
ボードの操作が出来ていない児童が多く見られた.
図 3 授業の様子(パソコン室)
3.3.3 3・4時間目
まず前時に行った,EV3 の使い方の復習をし,シーケン
ス制御に関する課題を実施した.
「車庫入れだいさくせん」と題し,ロボットを車に見立
て,車庫入れをする(図4).前進・後進・右に曲がる・
左に曲がるを用いたシーケンス制御で EV3 をスタート位
置からゴール位置に動かす.
図4 3・4時間目の課題
児童の様子を図 5 に示す.何秒前進したら,どれくら
いの距離進むのかを考えていた.小さい数字から何度も
試す児童や,大きい数字から試す児童と様々なプログラ
ムと EV3 を見ることができた.この課題は,1 組・2 組ど
ちらも,三分の二以上の児童は達成できていた.
図5 授業の様子(3時間目)
3.3.4 5・6時間目
本時では,前時に行った課題を発展させ,シーケンス制
御から,自動制御に近い課題を与えた.
「すりぬけだいさくせん」と題し,図6のコースを完走す
る.前時に行った,前進・後進・右に曲がる・左に曲がる
に加え,センサーで停止をするという命令が加わった課
題である.それは,スタート位置から数十 cm 離れた位置
にブロック(1)が置いてあり,その目の前で一度停止をす
る.その後,ブロック(2)の前まで移動をして,この目の
前で停止をする.その後,ゴール位置まで移動をする.
今回もすぐにパソコンを操作させるのではなく,最初は
鉛筆でロボットがどの道を通過したが,ゴールに辿り着
けるのか,また,そのプログラムを手書きで書かせること
にした.
図6 5・6時間目の課題
授業の様子を図7に示す.本時では,センサーを理解
することができた児童とそうではない児童にわかれた.
駐車場
(1)
(2)
ゴール
スタート
-444-
かれた.センサーを理解することができた児童は,
問題なく課題に取り組むことができるが,そうでな
い児童は前時で行った,前進と左右に曲がるだけを
使って課題に取り組む様子が見受けられた.この課
題は,1 組は 30%,2 組は 25% 程度の児童が達成で
きた.センサーを用いた課題は苦手だったと推測す
る.
図7 5・6時間目の様子
4.アンケート結果について
4.1 概要
授業の最後に①授業に関する興味・関心②授業中
の協力について五件法でアンケートを行った.①に
ついては,ほぼすべての児童が楽しいと答えた.
②については分かれた。
また授業の理解度を調べるために授業の最後に1
時間目に行ったアルゴリズムと同様な試験(図 8)
を行った.表2に正答率を示す。
図8 授業後の試験
この結果から,殆どの児童がアルゴリズムを理解
できたと考えられる.1 組の 1 限目の正答率が高く
なっている.これは,1限目にはグループで着席し,
相談したためだと思われる.2組も同じ条件であっ
たが,正答率は低い.この理由をアンケート②と正
答率を比較すると,1組の授業後の正答率が高い児
童は協力したと回答した者が多い.一方,2組は正
答率が高い児童は1人で進める傾向があったからだ
と思われる.しかしながら,また,試験の結果が良
かった児童は,授業中のプログラミングも良く出来
ていた.
表2 児童の正答率と割合
5.まとめ
本授業は,ロボットを用いて小学校3年生を対象
に授業実践を行った.アンケートの検証結果や授業
での様子などから児童たちは楽しみながらプログラ
ミングの授業に取り組むことができることが分かっ
た.しかしながらPCの扱いに慣れていない児童が
いること,センサーを理解することが難しいことが
分かった.
今後も授業実践を通し,小学校で実践可能なプロ
グラミングの授業を提案したい.
参考文献
[1] 文部科学省:小学校段階におけるプログラミング教
育の在り方について,http://www.mext.go.jp/b_menu/
shingi/chousa/shotou/122/attach/1372525.htm(2016)
[2] 山本利一 他:ScratchとWeDoを活用した小学校に
おけるプログラム学習の提案,教育情報学会,日本教
育情報学会誌Vol.30 No.2 pp21-29 (2014)
[3] 石塚丈春 他 ,小学生に対するアンプラグドコン
ピュータサイエンス指導プログラムの実践と評価,情
報処理学会,情報処理学会論文誌教育とコンピュータ
(TCE)1巻2号pp19-27 (2015)
[4]稲波悠季 他:物理教育 “9歳の壁”,日本物理教育学
会,物理教育学会誌Vol.55 No.3 pp268-271(2007)
平成29年3月31日 受理
センサーを理解することができた児童は,問題なく課題
に取り組むことができるが,そうでない児童は前時で行
った,前進と左右に曲がるだけを使って課題に取り組む
様子が見受けられた.この課題は,1 組は 30%,2 組は
25%程度の児童が達成できた.センサーを用いた課題は
苦手だったと推測する.
図7 5・6時間目の様子
4. アンケート結果について
4.1 概要
授業の最後に①授業に関する興味・関心②授業中の協
力について五件法でアンケートを行った.①について
は,ほぼすべての児童が楽しいと答えた. ②について
は分かれた。
また授業の理解度を調べるために授業の最後に1時間
目に行ったアルゴリズムと同様な試験(図8)を行った.
表 2 に正答率を示す。
図8 授業後の試験
この結果から,殆どの児童がアルゴリズムを理解でき
たと考えられる.1 組の 1 限目の正答率が高くなってい
る.これは,1限目にはグループで着席し,相談したため
だと思われる.2 組も同じ条件であったが,正答率は低い.
この理由をアンケート②と正答率を比較すると,1 組の授
業後の正答率が高い児童は協力したと回答した者が多い.
一方,2 組は正答率が高い児童は 1 人で進める傾向があっ
たからだと思われる.しかしながら,また,試験の結果が
良かった児童は,授業中のプログラミングも良く出来て
いた.
表 2 児童の正答率と割合
5
まとめ
本授業は,ロボットを用いて小学校3 年生を対象に授
業実践を行った.アンケートの検証結果や授業での様子
などから児童たちは楽しみながらプログラミングの授業
に取り組むことができることが分かった.しかしながら
PC の扱いに慣れていない児童がいること,センサーを理
解することが難しいことが分かった.
今後も授業実践を通し,小学校で実践可能なプログラ
ミングの授業を提案したい.
参考文献
[1]文部科学省:小学校段階におけるプログラミング教育の在
り方について,
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/122/attach/13725
25.htm(2016)
[2] 山本利一 他:Scratch とWeDo を活用した小学校における
プログラム学習の提案,教育情報学会,日本教育情報学会誌
Vol.30 No.2 pp21-29 (2014)
[3] 石塚丈春 他 ,小学生に対するアンプラグドコンピュータサ
イエンス指導プログラムの実践と評価,情報処理学会,情報処理
学会論文誌教育とコンピュータ(TCE)1 巻2 号pp19-27 (2015)
[4] 稲波悠季 他:物理教育 ”9 歳の壁”,日本物理教育学会,
物理教育学会誌Vol.55 No.3 pp268-271(2007)
割合
1 組 2 組
1 時間目 授業後 1 時間目 授業後
20%未満 0 7.7% 14.30% 0%
20-39 6.9% 7.7% 21.40% 11.1%
40-59 3.4% 0% 10.70% 0%
60-79 13.8% 19.2% 10.70% 37.%
80-100 75.9% 65.4% 42.90% 51.9%
平均 85.1% 73.3% 55.3% 78.3%
センサーを理解することができた児童は,問題なく課題
に取り組むことができるが,そうでない児童は前時で行
った,前進と左右に曲がるだけを使って課題に取り組む
様子が見受けられた.この課題は,1 組は 30%,2 組は
25%程度の児童が達成できた.センサーを用いた課題は
苦手だったと推測する.
図7 5・6時間目の様子
4. アンケート結果について
4.1 概要
授業の最後に①授業に関する興味・関心②授業中の協
力について五件法でアンケートを行った.①について
は,ほぼすべての児童が楽しいと答えた. ②について
は分かれた。
また授業の理解度を調べるために授業の最後に1時間
目に行ったアルゴリズムと同様な試験(図8)を行った.
表 2 に正答率を示す。
図8 授業後の試験
この結果から,殆どの児童がアルゴリズムを理解でき
たと考えられる.1 組の 1 限目の正答率が高くなってい
る.これは,1限目にはグループで着席し,相談したため
だと思われる.2 組も同じ条件であったが,正答率は低い.
この理由をアンケート②と正答率を比較すると,1 組の授
業後の正答率が高い児童は協力したと回答した者が多い.
一方,2 組は正答率が高い児童は 1 人で進める傾向があっ
たからだと思われる.しかしながら,また,試験の結果が
良かった児童は,授業中のプログラミングも良く出来て
いた.
表 2 児童の正答率と割合
5
まとめ
本授業は,ロボットを用いて小学校3 年生を対象に授
業実践を行った.アンケートの検証結果や授業での様子
などから児童たちは楽しみながらプログラミングの授業
に取り組むことができることが分かった.しかしながら
PC の扱いに慣れていない児童がいること,センサーを理
解することが難しいことが分かった.
今後も授業実践を通し,小学校で実践可能なプログラ
ミングの授業を提案したい.
参考文献
[1]文部科学省:小学校段階におけるプログラミング教育の在
り方について,
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/122/attach/13725
25.htm(2016)
[2] 山本利一 他:Scratch とWeDo を活用した小学校における
プログラム学習の提案,教育情報学会,日本教育情報学会誌
Vol.30 No.2 pp21-29 (2014)
[3] 石塚丈春 他 ,小学生に対するアンプラグドコンピュータサ
イエンス指導プログラムの実践と評価,情報処理学会,情報処理
学会論文誌教育とコンピュータ(TCE)1 巻2 号pp19-27 (2015)
[4] 稲波悠季 他:物理教育 ”9 歳の壁”,日本物理教育学会,
物理教育学会誌Vol.55 No.3 pp268-271(2007)
割合
1 組 2 組
1 時間目 授業後 1 時間目 授業後
20%未満 0 7.7% 14.30% 0%
20-39 6.9% 7.7% 21.40% 11.1%
40-59 3.4% 0% 10.70% 0%
60-79 13.8% 19.2% 10.70% 37.%
80-100 75.9% 65.4% 42.90% 51.9%
平均 85.1% 73.3% 55.3% 78.3%
センサーを理解することができた児童は,問題なく課題
に取り組むことができるが,そうでない児童は前時で行
った,前進と左右に曲がるだけを使って課題に取り組む
様子が見受けられた.この課題は,1 組は 30%,2 組は
25%程度の児童が達成できた.センサーを用いた課題は
苦手だったと推測する.
図7 5・6時間目の様子
4. アンケート結果について
4.1 概要
授業の最後に①授業に関する興味・関心②授業中の協
力について五件法でアンケートを行った.①について
は,ほぼすべての児童が楽しいと答えた. ②について
は分かれた。
また授業の理解度を調べるために授業の最後に1時間
目に行ったアルゴリズムと同様な試験(図8)を行った.
表 2 に正答率を示す。
図8 授業後の試験
この結果から,殆どの児童がアルゴリズムを理解でき
たと考えられる.1 組の 1 限目の正答率が高くなってい
る.これは,1限目にはグループで着席し,相談したため
だと思われる.2 組も同じ条件であったが,正答率は低い.
この理由をアンケート②と正答率を比較すると,1 組の授
業後の正答率が高い児童は協力したと回答した者が多い.
一方,2 組は正答率が高い児童は 1 人で進める傾向があっ
たからだと思われる.しかしながら,また,試験の結果が
良かった児童は,授業中のプログラミングも良く出来て
いた.
表 2 児童の正答率と割合
5
まとめ
本授業は,ロボットを用いて小学校3 年生を対象に授
業実践を行った.アンケートの検証結果や授業での様子
などから児童たちは楽しみながらプログラミングの授業
に取り組むことができることが分かった.しかしながら
PC の扱いに慣れていない児童がいること,センサーを理
解することが難しいことが分かった.
今後も授業実践を通し,小学校で実践可能なプログラ
ミングの授業を提案したい.
参考文献
[1]文部科学省:小学校段階におけるプログラミング教育の在
り方について,
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/122/attach/13725
25.htm(2016)
[2] 山本利一 他:Scratch とWeDo を活用した小学校における
プログラム学習の提案,教育情報学会,日本教育情報学会誌
Vol.30 No.2 pp21-29 (2014)
[3] 石塚丈春 他 ,小学生に対するアンプラグドコンピュータサ
イエンス指導プログラムの実践と評価,情報処理学会,情報処理
学会論文誌教育とコンピュータ(TCE)1 巻2 号pp19-27 (2015)
[4] 稲波悠季 他:物理教育 ”9 歳の壁”,日本物理教育学会,
物理教育学会誌Vol.55 No.3 pp268-271(2007)
割合
1 組 2 組
1 時間目 授業後 1 時間目 授業後
20%未満 0 7.7% 14.30% 0%
20-39 6.9% 7.7% 21.40% 11.1%
40-59 3.4% 0% 10.70% 0%
60-79 13.8% 19.2% 10.70% 37.%
80-100 75.9% 65.4% 42.90% 51.9%
平均 85.1% 73.3% 55.3% 78.3%