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急性期病院における高齢者のせん妄と認知症初期状態の対応

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Academic year: 2021

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急性期病院における高齢者のせん妄と認知症初期状態の対応

社会医療法人 製鉄記念広畑病院 老人看護専門看護師 森山 祐美 せん妄とは、軽い意識混濁を背景としながら、注意力、集中力、認知機能、記憶力、判断力、 見当識などが障害され、これらの変化が一過性かつ急速に現れる病態を示す。せん妄は、高齢者 に発症しやすいことが知られており、それは、人が加齢によって恒常性を維持しようとする力(防 衛力・予備力・適応力・回復力)が低下することが大きく影響しているものと思われる。 また、せん妄は、認知症を患う人がその他の因子の影響を受けることによって発症しやすいこ とも知られている。いわゆる、BPSD(認知症の行動・心理症状)の一つとしてのせん妄であ る。 当院に緊急入院となる高齢者に、せん妄の発症をきっかけに自宅での生活の様子を確認してい くと、認知症の初期状態にあるのではないかと感じる情報をスタッフが入手することがある。そ の場合、老人看護専門看護師に相談となることが多く、そこからさらに情報を収集する中で、認 知症の原因となる疾患の絞込みを行い治療へと結び付けたり、近隣の認知症疾患医療センターの 受診へとつなげている。それと同時に、高齢者の人生史(生き方、生活史など)や高齢者の持て る力にも着目しながら、せん妄が落ち着くよう、認知機能の低下や生活能力の低下が起こらない、 もしくは最小限となることを意識したケアを行っている。 私が就職した9年前は、当院でもせん妄の治療・ケアは十分なものではなく、高齢者・医療者 共に苦しむ状況があった。しかし、多職種連携での「せん妄回診」の実施をきっかけとして、医 療者がせん妄を理解し、せん妄を発症する高齢者を理解し、認知症を理解することでその苦しみ は和らぎ、高齢者を尊重したケアができつつあると感じている。 当院での取り組みもまだまだ発展途上ではあるが、老人看護専門看護師としての活動を通して 見える現状と目指すところを、今回はお伝えしたいと考えている。 11

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