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IRUCAA@TDC : Genome-wide association study identifies polymorphisms associated with the analgesic effect of fentanyl in the preoperative cold pressor-induced pain test

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Academic year: 2021

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(1)

Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

Genome-wide association study identifies

polymorphisms associated with the analgesic effect

of fentanyl in the preoperative cold

pressor-induced pain test

Author(s)

髙橋, 香央里

Journal

歯科学報, 120(2): 230-231

URL

http://hdl.handle.net/10130/5148

Right

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 モルヒネやフェンタニルなどのオピオイドは強力な鎮痛薬として広く用いられるが,その効果や副作用には 個人差が大きい。オピオイドなどの鎮痛薬の感受性の評価方法としては,寒冷刺激誘発痛を生じるまでの時間 の変化を計測する方法がある。過去において我々は,その評価方法を用いることにより,フェンタニル感受性 の指標となる疼痛感受性の変化と関連する遺伝子多型について報告してきた。しかしそのような評価方法に基 づく鎮痛薬感受性と関連する遺伝子多型については,これまで網羅的な探索研究は行われていなかった。近年 の遺伝子多型解析技術の進歩により,個別遺伝子多型のみならず様々な遺伝子領域および遺伝子間領域におけ る100万単位の SNP(single-nucleotide polymorphisms)遺伝子型判定を短期間で行うことが可能となった。そ れを基にして各種疾患または様々な形質との関連性を解析する GWAS(Genome-wide associtation study)が行 われている。本研究では約30万 SNP を対象として,疼痛感受性およびフェンタニルの鎮痛効果の個人差に関 連する遺伝要因のヒトゲノム全体に渡る網羅的探索を行った。 2.研 究 方 法 東京歯科大学(承認番号86号)および東京都医学総合研究所(承認番号15−6号)の倫理審査委員会の承認を得 た後,下顎枝矢状分割術の術前導入時にフェンタニルを投与された355名を対象とした。術前のフェンタニル 投与前後に,0℃に調整された氷水に手指を浸漬し疼痛を感知するまでの時間を計測する冷水誘発疼痛試験を 行い,疼痛感受性およびフェンタニルの鎮痛効果を測定した。 全ゲノムジェノタイピングは Illumina 社のプラットフォームによりビーズアレイを用いて行い,多段階 GWAS においては合計約30万の SNP を対象として additive,dominant および recessive の各種遺伝様式モデ ルごとに疼痛感受性およびフェンタニルの鎮痛効果との関連性を検討した。 3.研究成績および結論 GWAS 解析の結果,フェンタニル投与前の疼痛感受性において GWAS レベルに関連性を認めた遺伝子多型 は認められなかった。一方で,フェンタニル鎮痛効果による疼痛感受性の変化に対する GWAS 解析の結果, 3番染色体短腕領域(3p11.1)における rs13093031,rs12633508および7番染色体長腕領域(7q36.3)におけ 氏 名(本 籍) たか はし か お り

香 央 里

(長野県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 2210 号(甲第1406号) 学 位 授 与 の 日 付 平成30年3月31日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 目 Genome-wide association study identifies polymorphisms associated with the analgesic effect of fentanyl in the preoperative cold pressor-induced pain test

掲 載 雑 誌 名 Journal of Pharmacological Sciences 2018年

論 文 審 査 委 員 (主査) 福田 謙一教授 (副査) 一戸 達也教授 柴原 孝彦教授 東 俊文教授 笠原 正貴教授 歯科学報 Vol.120,No.2(2020) 230 ―128―

(3)

る rs6961071遺伝子多型が同定された。フェンタニルの鎮痛効果と有意な関連性が示された rs13093031および rs12633508は,互いに強い連鎖不平衡を示し両者ともに pseudogene である LOC728432領域上に位置してい た。また,rs6961071は tcag7.1213領域上に位置していた。rs13093031多型と rs6961071多型の G アレルのホ モ接合保有者では,他の遺伝子型の患者に比べ鎮痛薬の効果が有意に低かった。 これまで LOC728432および tcag7.1213の機能に関してフェンタニルによる疼痛感受性の変化についての報 告はないが,今回の結果から LOC728432および tcag7.1213の機能に関して今後の更なる検証を行う価値があ ると考えられる。同時に,今回同定された同多型の判定を行うことでフェンタニル感受性を予測でき,テー ラーメイド疼痛治療の向上に繋がることが期待される。 論 文 審 査 の 要 旨 本研究は約30万 SNP を対象として,疼痛感受性およびフェンタニルの鎮痛効果の個人差に関連する遺伝子 多型のヒトゲノム全体に渡る網羅的探索を行った。GWAS 解析の結果,フェンタニル投与前の疼痛感受性に おいて GWAS レベルに関連性を認めた遺伝子多型は認められなかった。一方で,フェンタニルによる疼痛感 受性の変化に対する GWAS 解析の結果,3番染色体短腕領域(3p11.1)における rs13093031,rs12633508お よび7番染色体長短腕領域(7q36.3)における rs6961071遺伝子多型が同定された。 本審査委員会では,1)顎変形症患者に関連する遺伝子多型の報告があるが,今回同定された遺伝子多型と の関連性についてどのように考えればよいか,2)GWAS 解析を行うに当たって今回のサンプルサイズは妥当 か,3)GWAS 解析に3段階解析を行った理由,4)過去の報告は術後痛に対するフェンタニルの鎮痛効果に 関連する遺伝子多型の報告であったが,今回の報告は過去の報告とどこが異なるのか,5)解析結果に性差は なかったかなどの質問があった。これらの質問に対する回答として,1)フェンタニル鎮痛効果に関して,健 常者と顎変形症患者の両者に共通する遺伝子多型は明らかにされておらず,顎変形症患者に関連する遺伝子多 型と今回同定された多型の関連性を示す可能性は低いと考えられる,2)GWAS 解析を行うに当たって,十分 なサンプル数を得られていなかった可能性もあるので今後被験者を増やして再度検討したい,3)解析結果の 精度を上げるため多段階解析の3段階解析を行った,4)本研究は手術侵襲がない状態での冷水痛に対する フェンタニルの鎮痛効果に関与する遺伝子多型を評価した,5)rs13093031,rs12633508および rs6961071遺 伝子多型において性差はなかったなど説明があり,概ね妥当な回答であると判断された。また,英文の表現, 文献の記載方法,附図説明の表記方法について修正すべき点が指摘され,訂正が行われた。 本研究で得られた結果は,今後の歯科医学の進歩,発展に寄与するところ大であり,学位授与に値するもの と判定した。 歯科学報 Vol.120,No.2(2020) 231 ―129―

参照

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