クリティカル・シンキングの因果関係決定方略を用いた社会科授業設計
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(2) ①単元名 「日本の地域間の結び付き」. 2 クリティカル・シンキングの因果関係決定方 略を用いた検証. ②授業内容. 共変関係,時間的順序関係,もっともらしい他. 交通網の発達を日本の交通網の中心である東. の原因の排除の三点が,クリティカル・シンキン. 京を事例として明らかにする。また,同じく地域. グにおける因果関係を証明するための規準とし. の中心地となっている大阪府と別の原因・結果が. て設けられており,この三点を満たさない限りは. 生じている鳥取市とを比較し,交通網の発達につ. 因果関係があると認めることはできない。. いての説明的知識を獲得する。. 真の因果関係を決定するためのより客観的で 科学的な方法は「一致法」と「一致と差異の併用. lV研究の成果と課題. 法」が具体的な方略である。. 本研究の成果は,次の3点である。 第一にクリティカル・シンキングにおける因果. 3 クリティカル・シンキングの因果関係設定方. 関係を決定する手順と内容的枠組みを検討し,因. 略を用いた授業分析. 果関係を科学的に明らかにする方略を理論とし. クリティカル・シンキングの因果関係決定方略. て示したことである。. を用いた社会科授業設計の在り方を明らかにす. 第二に,クリティカル・シンキングの要素から. るために,分析フレームワークを作成し,先行授. 抽出したフレームワークを用いて先行授業実践. 業実践および授業モデルの分析を行った。その結. および授業モデルの分析を行った結果,クリティ. 果,4つの視点を抽出した。. カル・シンキングの因果関係決定方略を用いた社. ①探究のサイクルの中で主となる問いを設定し,. 会科授業設計における具体的な視点を明らかに. 下位の問いによって習得した記述レベルの知. したことである。. 識を説明するレベルに高め,再び主となる間い. 第三に,明らかにした授業設計の視点をもとに,. を提示すること。. 中学校社会科地理的分野における授業モデルを. ②仮説の設定段階では,主となる問いに対して学. 開発,提案したことである。. 習者に複数の仮説を設定させること。. 今後の課題は次の3点である。. ③因果関係を明らかにするとき,原因と結果の相. 第一に,クリティカル・シンキングの因果決定. 関関係,時間的順序関係の双方を把握すること. 方略を用いた授業を他の単元で開発,提案するこ. が可能である資料の提示が必要であること。. とである。. ④真の因果関係を決定するためには一致法と差. 第二に,一致法,差異法を用いることにより,. 異法を用いる事例を扱い,演繹的・帰納的な検. 少なくとも3つの事例が必要であるため,どのよ. 証を行うこと。. うな事例を対象とし,比較すればよいのか検討す る必要があることである。. 4 クリティカル・シンキングの因果関係決定方. 第三に,開発,提案した授業モデルにおいて,. 略を用いた社会科授業設計. 子どもたちがクリティカル・シンキングの因果関. これまでの研究成果をもとに,クリティカル・. 係決定方略に基づいて,説明的知識を獲得できる. シンキングの因果関係決定方略を用いた中学校. のかについて授業実践による検証が必要である。. 社会科地理的分野における「地域間の結び付き」 を事例に授業モデルを提案した。. 主任指導教員 原口ヨ智仁. 以下に単元の概要を示す。. 指導教員吉水裕他 一291一.
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