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海からの視点を生かした歴史の教育内容開発 : 高校歴史単元「東アジアの地中海」の場合

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Academic year: 2021

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(1)海からの視、点、を生かした歴史の教育内容開発.      _高校歴史単元1東アジアの地蜘の場創.

(2) 序 本研究の目的と方法…一……一一一一……一…一一一一…一一一一一…一…一……一.   1.研究の目的と動機一一一一…………一一一…一一一…一一噂…一一一一一  2◎研究の方法一…一一一…一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一…一…・. 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義一一一……一……一一… 第1節 高校生の歴史授業観…一一一…一一一…一一一一一一一一一一一一一一一一・.   1.どの教科が役に立つか一……一…一…一一一一一一一一……一一一…一…   2.地歴・公民科は好きか。一…一一一一一一…一…一一一一一一一一一一…一””   3.. 地歴・公民科のイメージー暗記することが多い………一一一…一一…一.  4.望ましい授業方法一一一…一………一…一一…一…一…一一一…一一一   5.アンケート結果の考察一一一一……一一…一一一一一…一……一。一……・. 第2節 グローバリゼーションの進展と歴史学研究の新しい動向一一一一一一…   1.グローバリゼーションの進展と歴史学研究一一一一一…一……一一一一一一・.   2.マルクス主義的な進歩史観一一一…………一一一一一一一…………一一一   3.実証主義史学…一一一……一一一一一一一一一一一一一一。一一………一一一  4.社会史の登場…一…一一一一一一一一………一一一一一一一一一一…一一一一.  第3節 新学習指導要領に見られるr海からの視点」と教科書の記述の変化一一   1.新学習指導要領に見られる新しい視点一一一…一一一一一一一一……一…一   2.高校歴史教科書の記述内容の変化……・一一一一一一一一一一一一一……一…. 第2章 海からの視点を生かした歴史の歴史学的意義一………………一一一一  第1節 社会史における海からの視点一ブローデル・網野善彦一……一一…一・   1.. Q1 1 1 2 3 3 3 3 4 5 6 889 6011                      11 11 22 49 40 53 53 58 66 6.               目  次. ブローデルの視点一▼…一…一一一一…一一一一一一…一一一一一一一………26.   1.濱下武志の視点…一一一一一一一一一一一一一一一一一……一一一…一…一一   2.村井章介の視点一一一一一………一一一一一一…一一一……一……一一一…   3.地域史の視点と歴史学習一…一一一……一一一一一一一一一一……一一…….  第3節 グローバル史における海からの視点一川勝平太・ウォーラーステインー.   1.川勝平太の視点一一一……一一一一一一一…一一一一一…一一…一一……   2曝ウォーラーステインの視点…………一…一一一一……一一一一…一一一…. 第3章 海からの視点を生かした歴史の教育内容構成一…一…一………一一一  第1節. 3969Q!5門ノ.   2.網野善彦の視点一一……………。一………一……一一一一一一一一一一一                              33   3.社会史の視点と歴史学習一一一一一一…一…一…一…一一一……一一一一                              40  第2節  地域史における海からの視点一浜下武志・村井章介………一…一一…・43. 「東アジアの地中海」の時空間の定義…一一一一一…一一一一一一…一…一67.   1.「東アジアの地中海」の空間設定……一一一一一一一一一…一膚一一…一…                             67   2.「東アジアの地中海」において近世を扱う意義一一一一一一一一一一一一一一一                             68. 単元構成の原理p…一…一一一一一一一…一一一一…一一一一一…一一一… 6g.   1.世界史A・B、日本史Bでの位置付け…一一一…一一一一…一一…………   2.単元構成の視点と方法一一一一一一一一一一一・一…一…一………一一一一一一・.  第3章  「東アジアの地中海」授業モデル…………一…一・一……一一一一一   1−単元の概要一一…”樽。一””一”一一”’”’””””””一甲””膚歯””り”””…   2.. 6月ノ酊ノ月ノ.  第2節. 指導計画…8時間のあらまし…一一…一一一一…軸一一一…一…一…一一一71.   3.「東アジアの地中海」授業モデルの展開…一一…一一……一…………                              73   4。 授業モァルの資料…一…一一一一…一一…一一一一一一一…一一一一……一89       調.       ●畠価り一一顧一一一一一唱騨噂噂一一一閣喝一一一一廟一騨晒聯卿轍顧顧噂一剛一q甲甲燗囎“申一一“9一塵糟一一一一一 137 結 研究の成果と課題.

(3) 序 本研究の目的と方法. 序 本研究の目的と方法 ここでは、研究の動機と目的、研究方法を示し、研究の概要を明らかにする。. 1.研究の目的と動機.  冷戦の終結や科学技術の急速な進歩により、近年ますます社会全般にわたってグローバ リゼーションが進展し、世界の相互依存関係が深まってきた。しかしながら同時に民族・. 地域紛争、南北問題や地球的環境問題、人権の抑圧・侵害や文化間摩擦など、文字通り地.                1). 球的規模での課題が深刻化しつつある。また様々な分野においてアメリカのヘゲモニー が揺らぐなか、例えばメジャー・リーグでの目本人プレイヤーの活躍がリアルタイムで伝.                            2). えられ、イラク復興問題では戦時下の他国領土へ日本の自衛隊が派遣されるなど、国際. 社会における日本の位置付けもかわりつつある。.  日本社会は、第二次世界大戦後豊かさに向かって遙進していき、経済大国を謳歌するに 至って、「現在」しかない苛烈な現在主義の風潮が浸透した。これが若者たちの「歴史離 れ」を引き起こすとともに、マルクス主義と近代市民主義とを両輪に形成された戦後歴史.              3) 学を揺るがせたとも言われている。.  教育の現場においても学習指導要領の改訂に伴い、本年度から新教育課程が実施され、 教科書の内容も改訂された。.  今、歴史教育に携わる一教師に求められるのは、単に新しい教科書に対応するというの ではなく、地球時代の到来という認識を踏まえた上での授業内容の改善であろう。ところ がこれまでの歴史学習は、目本史・世界史を問わず概して一国史的な枠組みの下で、通史. 的構成にもとづく授業展開を行うところが多く、高校生にとっては膨大な歴史事実の暗記 を迫られるものに終始する、といった印象も否めないのではなかろうか。.  反面、グローバリゼーション=一体化という認識のもとで世界史の巨視的な把握をめざ すあまり、欧米中心の世界システム論にとらわれてしまい、却って地域の独自性や地域の. 歴史的一体性を無視した授業展開になっている可能性も考えられる。また、「問題史」的 なアプローチにのみ終始して、通史的な理解を妨げてはいないか、といった疑問も浮かん でくる。.  こうした現状を踏まえると、歴史教育においても近年のアジア史研究の成果も取り入れ、. 幅広い視野から内容の再構成に取り組む必要性があろう。それゆえ、本研究では東アジア. 地域の全体史的な取り組みとして、近世の東アジア海域世界を取りあげ、その授業モデル を提示する。近世を扱うのは、それが国家や制度の枠組みの固まっていない時代から、か.                                   4). なりしっかりとした枠組みをもつ時代へと移る東アジアの変革期に当たるからである。 一1一.

(4)                             序 本研究の目的と方法.                                  5).  また、アジアの近代化をウェスタン・インパクトの観点から捉えるのではなく、強い 地域主義の存在も視野に入れながら、内部に独自のダイナミズムを持った東アジア世界の近. 世の全体像を描き出してみたい。そのためにはこの海域世界における環境的な要因を重視 し、海を介した具体的な物の移動とそれに関わった人の動きを通じて、形成されたネット. ワークを把握させ、その上で、東アジアにおける近世国家形成の過程を見てゆくことが必 要であろう。. 2.研究の方法  前述の研究目的を達成するためには、まず高校生の歴史学習への取り組みや歴史学研究 の動向を踏まえ、新学習指導要領に見られる新しい視点と教科書の記述内容を分析するな. かで新しい視点を見いだす必要がある。これを第1章で述べる。  次に、第2章では、最近の歴史学研究の成果から、現代的課題に応える研究者として、. 社会史・地域史・グローバル史のそれぞれから2名ずつ取り上げ、歴史教育に適用できる ものを抽出する。.  それをもとに、第3章では、東アジア海域世界の近世を舞台とした授業モデルを開発す る。.  以上の研究の流れを整理すると、次のようになる。. (1)高校生の歴史授業観のアンケート調査をもとに歴史教育の現状を把握し、最近の歴史. 学研究の動向を踏まえ、海からの視点で近世r東アジア海域世界」に着目する意義を明  らかにする。. (2)新学習指導要領に見られる新しい視点と教科書記述の変化の分析・考察を通して、近 世「東アジア海域世界」の教育内容を構成していく上での課題を明らかにする。. (3)海からの視点の鮮明な、社会史・地域史・グローバル史の研究者をそれぞれ二名ずっ  とりあげ、高校段階の歴史教育内容に示唆するものを明らかにする。 (4)以上の研究成果をもとに、「東アジアの地中海」と題する授業モデルを開発する。.  【註】. 1)川北稔他編『新編高等世界史B』(新訂版)帝国書院、2003、pp.2−5 2)神戸新聞朝刊、2004/2110、p.1 3)安田常雄「方法にっいての断章」(歴史学研究会編『戦後歴史学再考』青木書店、2000)、 PP,3−27. 4)村井章介『海から見た戦国日本一列島史から世界史へ』1997、p.34 5)濱下武志『朝貢システムと近代アジア』岩波書店1997、p.24・25 一2・.

(5) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義. 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義  本章では、海からの視点を生かした歴史の教育的意義を明らかにするため、高校生の歴 史授業観の考察を行い、社会の変化に対応した歴史学研究の動向を踏まえ、新学習指導要 領に見られる新しい視点とそれによる教科書記述内容の変化を把握する。. 第1節 高校生の歴史授業観 本節では、ベネッセ教育研究所が、1998年に行ったアンケート調査「高校生の教科観」. の集計結果を分析する。これは新潟県・東京都・埼玉県の公立普通科高校5校の高校1・. 2年生1,718名を対象に1998年2月∼3月にかけて学校を通した質問紙調査を行った結 果を集計したものである。本サンプルは4年生大学進学希望者の多い「進学校」の生徒た ちであると思われる。.  本調査は歴史科目のみを対象としたものではないが、英語、地歴・公民、音楽、家庭科. について1700名以上のサンプルをとって様々な角度からデータを集めており、とくに地 歴・公民科に関しては、望ましい授業方法も調査している。以下、本研究に参考となる分 析結果のみを取り上げる。                    1).                    表1 教科への評価                            (数字は%)  1、どの教科が役に立っか. 社会で役立つ教科. 受験に役立っ教科. 1位. 英語(46.0). 英語(54.3). 2位 3位. 家庭科(19.6). 数学(34.2).  表1によると、社会に出てから役立. 地歴・公民(12.5). 理科(3.9). っ教科の1位は「英語」、2位は「家. 4位 5位. 国語(9,3). 国語(3.7). 理科(4.3). 地歴・公民(2.3). 6位. 数学(4。1). 芸術(0.7〉. 7位. 体育(2.6). 家庭科(o.5). 8位. 芸術(L6). 体育(0.4). 庭科」となっている。受験に役立つ教 科は、1位は「英語」、2位は「数学」. である。ちなみにr数学」は得意な教 科、苦手な教科ともに1位であった。. 8教科から1教科を選択した場合。. 2.地歴・公民科は好きか.  たくさんの科目がある地歴・公民科を教科として生徒が好きであるかどうかという問い に対する回答が表2(次頁)である。「とても」と「かなり』と「やや」好きを合わせる. と72.2%となり、概して地歴・公民科は好きな科目であることが分かる。性別では男子 75,4%に対して女子67.8%と、男子の好感度の方が高い。とくに積極的に好きな層(「と. ても」+「かなり」好きな割合)では、男子40.1%に対して女子24.6%と1割以上の差 があり、この性差は旧課程以来の一般的傾向と言える。学年別では、ほとんど差がない。. 、3隔.

(6)         第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義.            2) 表2 地歴・公民科は好きか       (%) まったく好きでない とても好き かなり好き      やや好き     あまり好きではない ε . 灘……、垂,1… 璽………難  ・…. 3麟. 8.0. 全  体. 19.8 、魁. 72.2 ’7りつ. 、 、. 75.4. 、. 子子. 男女. 〆 難i.[    ・妬識      曇iiiliiiii・i. ’:3鎚..    露 灘、・、鰐叢…. 16.8   7.8. …灘籔嚢. ”』. 難liil,1、…,…、,灘. 嬢. 23.9    8.3 、、. K79 67,8. 、 、. 灘. 、. 漿黙纏…. 轟ケ.. 畿撃i…嚢. …1……1………叢. 20.5. 蕪譲=. 騒叢舗  』   皿. 8.0. 1…灘…i…ii灘.    !==.… .字・・. ※1. 肇藷灘.     嗣. 8.0. 年年. 12. 71.5. 菱…i灘…雛…i…叢……蓑…. 19.4. …li1萎i…ii…ii’i. 3.地歴・公民科のイメージー暗記することが多い                           3).  レ    4    8    9 ︶.  そう’巽鍵㎜⋮  ’    2.              表3 地歴・公民科のイメージ. 1 暗記すること.  が多い. 2 先生だけが説  明している. 3 教えられるこ  とが多すぎる ノ ’. 4 専門的な知識  が得られる. 5 社会の動きに 関心を持てる ! ’. 6 受験を意識し.  た内容が多い. 醗. 糞灘. 5. 46.9 」. 7 先生はいろい. ろ工夫している 8 内容に興味を. 持てない. 謙  1黙  魏難. 44.4. 舶.自、障撫F 、r難. 一4繭. 2LO.

(7) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義.  地歴・公民科という教科に対して生徒たちの持つイメージを問うた結果が表3(前頁). である。それによると高校生の大部分は、地歴・公民科を暗記物(96,8%、「とても」+ 「少し」そう思う割合、以下同じ)・講義中心(82.5%)・教えられることが多すぎる(692. %)と思っているが、教科内容に興味を持てない(34.6%)ということはなく、専門的な 知識が得られる(63.5%)し、わりと社会の動きに関心を持てるようになった(52.1%). とのプラスイメージも持っていることが分かる。ただし、授業内容や方法にっいて先生は. いろいろ工夫しているかというと、必ずしも満足しているわけではない(465%)といえ よう。. 4.望ましい授業方法.  最後に、地歴・公民科の授業方法としては、どのようなものが生徒たちにとって望まし いかをたずねたものが表4である。授業の内容としては、「受験対策中心の授業」(5L3%、. 「とても」+「少し」よい割合、以下同じ)よりも「教養を高められる授業」(87.9%). や「いろいろと考えさせられる機会のある授業」(83.2%)や「専門的な知識を得られる 授業」(71.0%)を望む声が強い。授業方法としては、「講義中心の授業」(44,6%)や「問. 題演習中心の授業」(36.3%)よりも、rビデオなど視聴覚教材を使った授業」(82。8%). や「問題解決型学習とも言える「生徒同士の討論や話し合いのある授業」(59、1%)を支 持している。ただし、「生徒による発表や報告のある授業」(48.9%)の支持率は過半数に 達していない。. 欝い, 潟  く  な8 よく.  ヤ  .         4). 表4 望ましい授業方法 少し. 1 教養を高めら.  . れる授業 2 いろいろ考える. 機会がある授業 3 ビデオなど視. 聴覚教材の利用 4 専門的な知識. が得られる授業 5 討論や話し合. いのある授業 ノ. 6 受験対策中心 の授業 ノ. 7 生徒による発. 表や報告 ’. 8 講義中心の授. .,欝護…』.     1. 〒F. 42.7. i;=■■. .誰誰. 業. 馴■’. 謹、. rl. 9 問題演習中心 の授業. 一装≡;誓』. ’萎. l. ”. ,難勲.・.r  . 42.8.  1 11. 一5一. 12.7. 20.9.

(8) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義. 5.アンケート結果の考察.  アンケート調査をもとに、高校生の地歴・公民科の教科観をみてきたが、これから言え ることは、視覚世代の高校生たちにとっては、明治以来の伝統的な講義中心の授業は望ま. ないが、かといって事前学習のかなり必要な発表形式の授業もあまり望んでいない。つま. るところ自習するよりも手っ取り早く教師から要点を整理した知識を伝授してもらいたい.                            5). と考えているのではないだろうか。ただし、1991年の類似の調査項目と比較すると、明 らかに自学自習型の授業への支持率が高まっていることが分かる。これは旧課程から小・. 中学校での調べ学習がかなり定着し、問題解決型学習に生徒が慣れてきたことと関係があ ると思われる。.  また、情報化時代を反映して、ビデオなど視聴覚教材の利用を望む声も高いが、実物の 写真や生の映像などに触れたいという思いと、安易に受け身で授業時間を過ごせればよい という思いとに二分されるのではないだろか。確かに通信技術の進歩によって教具(教授.                6〉. メディア)の進歩は目を瞠るものがあり、視聴覚機器等の教具を工夫して用いることは極 めて有効であろうが、使用を誤ると返って逆効果になる怖れもある。.  筆者は高等学校の現場で20年近く教鞭を執り、主に世界史を担当してきたが、先史時 代から21世紀の現代まで全時代の歴史を扱おうとするあまり、板書中心の講義形式の授 業形態をとってきており、関連する視聴覚教材を利用することはあっても、それを的確に 1時間の授業の中で講義内容と一体化させるには至らなかった。.  それゆえ、生徒の期待する歴史授業に近づけていくためには、内容面においては現実の 生活に役立てられ、歴史的な社会の変化に応え得る質の高い知識を獲得できるように内容 の精選を図るべきであろう。また、視聴覚教材は講義や史料では語り尽くせない資料を提 示することができので、写真・映像等をプロジェクターを用い、普通教室で見せて随所で 考えさせるというような授業構成を考えていきたい。. 一6一.

(9) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義  【註】. 1)蒲生真紗雄他編「生徒の社会科観と望ましい授業方法」(『モノグラフ・高校生VOL.54』. ベネッセ教育研究所、1998)TOPIC1 2)同、P、30 3)同、P,31. 4〉同、P.34. 5)蒲生真紗雄他編「生徒の社会科観と社会科の役割」(『モノグラフ・高校生VOL33』ベネ  ッセ教育研究所、1991、p.55)の類似の調査結果を見ると、.   1.エピソードや余談をたくさん話してほしい            73.9%   2。教科書は最後まで終わるようにしてほしい            69、7%.   3.ビデオをたくさん見せてほしい                58.9%   4.資料をたくさん使って授業をしてほしい     ’     58.3%   5.板書はもっとていねいにしてほしい              55。2%   6.受験中心の講義をしっかりとしてほしい            54.0%   7.先生の価値観をおしつけないでほしい             48.6%   8.プリントを使って授業をしてほしい              40,6%   9.教科書は最後まで終わらなくてもよいからゆっくりとやってほしい 27.8%   10.討論を中心とした授業をしてほしい              13.6%   11,生徒の発表をたくさんやらせてほしい              9.7%  となっている。(「とても」+「わりと」そう思う割合). 6)中村哲『社会科授業実践の規則性に関する研究』清水書院、1991、pp.329・331. 鮪7一.

(10) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義. 第2節グローバリゼーションの進展と歴史学研究の新しい動向  本節では、グローバリゼーションの進展による社会の変化と、それが歴史学研究の流れ にどのような影響を及ぼしたのかを見ていき、そこから歴史教育に取り入れるべき新しい 視点を明らかにする。. 1.グローバリゼーションの進展と歴史学研究.  1989年のベルリンの壁の崩壊、東欧諸国の民主革命に続き、91年のソ連の解体によっ て、マルクス・レーニン主義に基づく社会主義の「実験jは、目的を実現することなく幕 を閉じた。それとともにアメリカ・ソ連という、ともに核兵器を保有して破壊力を誇示し てきた両超大国の対決構図が消え、人類滅亡の危機は回避され自由主義と社会主義という.                 1). イデオロギー上の対立に終止符が打たれた。一方、近年の交通・通信技術の発達は、生. 産・商業活動の在り方に変化をもたらし、今や市場経済が世界的に普及する中で多国籍企 業が大きな力を発揮し、貿易関係も多様化している。金融面も貿易決済の額より遙かに大 きな額の金融取引が行き交い、また世界各地の金融市場はほとんど同時に反応している。. このように冷戦終結後の世界は、一体化が加速度的に進展し、世界各地がますます密接に.                              2) 結びついて相互依存を深めるという、グローバリゼーションの動きを強めている。  冷戦は終わったが、「文明の衝突」を喧伝し、「悪の枢軸」を名指しするなど、世界の至. る所に不安の材料は事欠かない。流通の自由化によって土地に根ざした文化と一体になっ. た生産と消費の結びつきは寸断されつつある。世界各地の観光旅行者の数はうなぎ登りだ が、市民権を持たぬ居住者や移民に対する圧迫はますます強まっている。カネの動きはか つてなく投機的となり、ささいなことで大量の資本が一斉に移動するため、一国経済はお ろか世界経済全体までも破壊しかねない危険をはらんでいる。酸性雨や温暖化といった地 球環境の破壊や伝統的な社会の中で培われてきた家族制度の崩壊の問題に至るまで、グロ.                       3). 一バリゼーションに伴う危険性もまた拡大していると言える。.  このような社会の変化が、最近の歴史研究の動向にも影響を与えている。すなわち、1970. 年代まではマルクス主義的な進歩史観が主流を占めていたが、一方で実証主義史学による.                        4) 研究の深化のなかで単線的な発展段階論の限界が露呈していく。そして、1980年代に入 ると社会主義の挫折は動かし難いものとなり、単線的発展論はもはや終焉を迎え、代わっ て最近注目されるようになってきたのが社会史である。以下、簡単にマルクス主義史観と. 実証主義史学の流れをふり返り、さらに社会史の分野から歴史教育に取り入れるべき視点 を探ってみたい。. 一8卿.

(11) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義. 2.マルクス主義的な進歩史観.  18・19世紀のヨーロッパにおいては、その近代化の中で文明の進歩発展を確信する単 線的世界史観を形成していった。唯物史観を構築したカール・マルクスによれば、生産力 と生産関係の矛盾から発生する階級闘争を社会発展の原動力であるとする前提に立ち、「ア. ジア的、古代的、封建的および近代ブルジョワ(市民)的生産諸関係が経済的社会構成の あいつぐ諸時期」とされ、「ブルジョワ的生産諸関係は、社会的生産過程の最後の敵対関.        6) 係」であるという。.  マルクスは世界をヨーロッパ中心に見ており、アジア的というのは旧約聖書のふるさと (オリエント)であり、古代的というのはギリシア・ローマ世界、封建的はヨーロッパ中. 世にほかならず、近代ブルジョワ的は西欧近代社会である。そして当時の進化論の強い影 響の下、ヨーロッパの過去の諸段階は、現在の遅れた諸社会に見いだされると考えた。こ うした世界観が、へ一ゲル的な人類の普遍史と重なりあい、基本的にはすべての社会・民. 族がこれらの「発展段階」を経過するという一国発展史観(単系発展段階説)に結びつい ていく。そしてスターリンに至って、原始共産制・古代奴隷制・封建制・資本主義・社会.              7) 主義という5段階に図式化された。.  またマルクス以前にも、理性の発達と科学の進歩を伴う人間精神の進歩が、人間の道徳 的進歩や幸福をもたらすのであり、直線的であれ、螺旋状であれ、人類社会は無限に進歩 発展するという西欧近代がもたらした歴史観もある。これは歴史の原動力を商業精神とキ リスト教に認める立場から、戦争や通商による諸国民の歴史を語り、科学・宗教・道徳・ 習俗の発展の中で普遍史を把握しようとした。.  これらはいずれもヨーロッパ近代を無条件で肯定するもので、ヨーロッパ近代の優越意 識に根ざしたものであり、非ヨーロッパ世界への低評価と、r文明化の使命」という19世 紀の帝国主義をもたらした。社会主義の「実験」がその理想を実現することなく幕を閉じ、. あるいは「成長の限界」や環境と調和した「持続可能な発展」が語られる今目でも、進歩.              8) パラダイムは根強く存在している。. 3.実証主義史学.  実証主義とは、一般的には所与の事実だけから出発し、それらの取り結ぶ関係や法則性 を厳密な史料批判を用いて明らかにし、一切の先験的思弁を排する立場であり、歴史学で は歴史研究者の態度や手法を表す表現として用いられている。. 一9囎.

(12)                   第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義.  目本近代史学はルートビッヒ・リース仁よるランケ史学の移植によって始まり、厳密な. 史料批判と事実にもとづいた客観的叙述という特質をもっている。そして、古文書・金石 文など第一次資料の重視とその真偽判定、および記録・史書の品位や伝来の尊重と厳密な. 校訂を根幹とした。研究や叙述では、ランケのいう「本来それはどうあったか」を追求す.                          9) るため、事実の確定と網羅を至上価値とし、考証を重視している。.  実証主義の歴史家たちは、どこまでも史料に忠実であろうとし、一切の主観を排して文 書に向かうことで必ず科学的真理に到達できるという信念を抱いていたが、歴史をひたす ら史実権定の作業とし、歴史学の方法を単なる史料操作の技術に倭小化した嫌いがある。. また、史料を偏狭に定義し、歴史的事実を知るための手段として、その方法に適合する文 書資料だけを過度に優先するようになった。.  このような歴史研究の方法をつきつめれば、文書のかたちで記録に残りやすい、政治や 外交の領域の、歴史の表層にあらわれる「事件」だけが注目されていく。歴史がもっぱら. 政治史や外交史として構成されがちとなり、歴史が時間的前後関係のなかで事実の連続を.                      10). 記述するだけのr物語史」になってしまったのである。. 4.社会史の登場.  社会史を政治史や経済史などと同じく歴史学の一分野と考えることもできるが、ここで は「社会」を人問活動の総体であるとし、人間のさまざまな活動がつくりあげる歴史的現 実の総体的な把握をめざすものを社会史とする。つまり、政治史、経済史、文化史…等の. 枠を越えた総合的な視角から、人間や人間集団を「全体的に」とらえようとする研究と捉      11) えるのである。.  近代歴史学が実証主義に傾斜する中で、ドイツでは政治史として制度化され、専門分化. していったが、フランスでは20世紀前判こ伝統的な政治史を批判する社会史へとパラダ イム転換を遂げ、全体史・学際性・非記述資料の利用・構造史・問題史など多岐にわたっ. た。1970年代以降の歴史学の動向は、この社会史の定着と成長の過程と言えるかも知れ ない。社会史は、唯物史観に立つマルクス主義に代表されるグランド・セオリーヘの懐疑 や皮相な政治史への反発をバネに発達してきたが、特に日本では、大塚史学に代表される.                     12) 戦後歴史学の呪縛から解き放たれる時期と重なった。. 一10一.

(13) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義.  社会史研究の推進においては、フランスのアナール派の果たした役割が大きい。彼らは、. 歴史学が専門分化し、それぞれの小さな領域に隔離されている状況を憂え、学際性を推し. 進め、人間諸科学の統合を促進しようとした。そのため、歴史学に社会学と地理学の方法 を取り入れ、仮説・検証の作業を行ったり、また人間と環境との長期にわたる関係の視点. を取り入れるとともに、現代の光に照らして過去を理解することをめざし、しかも社会や.                                13) 文化の多様性を多面的に考察し、常に問題提起的で学際的な歴史研究を行った。.  こうしたアナール派の革新運動は、第二次世界大戦後フェルナン・ブローデルの下で最 盛期を迎え、グローバルな世界史への視点と歴史の時間を長期・中期・短期の三つに分か ち、長期に持続する時間(地理的時間)をもとに壮大なスケールの歴史世界を構想したこ とである。こうしたブローデルの見解は、アメリカの歴史学者ウォーラーステインの「世. 界システムj論に大きな示唆を与えた。ブローデルが第一線を退いた70年代には、研究 動向も様変わりし、全体や構造よりも個別の事象に目を向け、社会経済史よりも新しい研 究やアプローチに重心を移し、日常生活の歴史、歴史人類学、計量史、地域=時系列史、.                            14) 心性史などに研究領域も拡大しており、いわば百花線乱の現状にある。.  目本でも70年代初めに高度経済成長は終焉を迎え、資本主義的成長を至上価値と見て きたナショナルな単位の歴史観に対する懐疑から社会史への傾斜が進み、「近代知」の認. 識・枠組みの全面的転換をめざすこととなった。そして、それまでの歴史学がほとんどか えりみなかった諸問題に光を当てるようになり、歴史学は人類学、民俗学、社会学に接近 し、「国家」によって均質化されない地域民衆の生活・文化・心性などを含む民衆世界の 歴史のあり方や、周縁地域の歴史的変遷にも目を向けることとなった。.  そして、既成の国家なり民族なりの枠を超えて行き交うヒト・モノ・資金・情報・文化 に目を向け、それらの流れによって結びつけられたさまざまなネットワークを解明しよう とする動きも見られる。.  この視点は、グローバル化の時代に生きる我々にとっても必要であり、歴史教育におい ても、あとで述べるように新学習指導要領においても「海域のネットワーク」や「諸地域. 世界の交流」としてそのr内容」に盛り込まれている。. 一11一.

(14) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義.  【註】. 1)西川長夫「戦後歴史学と国民国家論」(歴史学研究会編『戦後歴史学再考』青木書店2000)  P.95. 2)川北稔他『新編高等学校世界史B』帝国書院、2003、p.373 3)アンソニー・ギデンス『暴走する世界』ダイヤモンド社、2001、pp.1−9 4)石井寛治「戦後歴史学と世界史」(歴史学研究会編『戦後歴史学再考』青木書店2000)p、41 樺山紘一他編『世界史へ』山川出版社、1998 5)熊野聰「マルクス主義歴史学」(『歴史学事典6・歴史学の方法』弘文堂、1998)pp.600・601 6)浜林正夫「唯物史観」(『歴史学事典6・歴史学の方法雌弘文堂、1998)pp.631−633. 7)渡辺和行「進歩史観」(『歴史学事典6・歴史学の方法』弘文堂、1998)pp.325・327 8)原秀三郎「実証主義』(『歴史学事典6・歴史学の方法』弘文堂、1998)pp,245−246 9)竹岡敬温「実証主義批判」(『社会史への途』有斐閣選書、1995)pp.7−9. 10)中野隆生「社会史」(『歴史学事典6・歴史学の方法』弘文堂、1998)pp261−263 11)渡辺和行ヂ歴史学(現代の)」(『歴史学事典6・歴史学の方法』弘文堂、1998)pp。650−651 13)竹岡敬温「『アナール』の誕生」(『社会史への途醤有斐閣選書、1995)pp.3−6. 14)阿河雄二郎rアナール派」(『歴史学事典6・歴史学の方法』弘文堂、1998)pp.7−9. 一12。.

(15) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義. 第3節 新学習指導要領に見られるr海からの視点」と教科書記述の変化  前節で明らかとなった歴史学研究の動向は、新学習指導要領の改訂にも少なからず影響 を及ぼしており、それを受けて教科書記述にも変化が見られるようになった。本節では新 学習指導要領の新しい視点を明らかにするとともに、教科書の記述がどのように変わった のかを見ていく。. 1.新学習指導要領に見られる新しい視点.  新学習指導要領の高校歴史科目のうち、世界史A・B及び日本史Bにおいて見られる新 しい視点の分析に入る。日本史Aを除いたのは、研究領域である近世を含む前近代が大幅 に削除されているからである。.  まず、世界史Aの内容(1)のオの(エ)では「目本列島を含む東アジア海域世界の交流圏と.           1) しての成長を把握させる』とし、世界史Bでも(3)でrユーラシアの内陸及び海域のネッ トワークを背景に、諸地域世界の交流が一段と活発になり、新たな地域世界の形成や再編.           2). を促したことを把握させる」とした。また、目本史Bでも「中世」に関する内容(3)で「東.                  3). アジア世界の動向と関連づけて理解させる」とし、「近世」に関する(4)でも「国際関係.                   4) の変化とその影響にも触れながら理解させる」としており、アジアの中の日本という視 点が明確化された。.  さらに内容構成においては、世界史Bでは文化圏別の通史的構成から地域世界別の同時 代史的構成に改めることで、地球的視野に立つ時間と空間の把握、日常生活への着目、世.                   5) 界の中の日本の位置付けを図ろうとしている。目本史Bにおいても主題学習の内容を明 記し、国際環境との関わりに重点をおきつつ、周縁の歴史にも目を向けさせようしている.      6) ことがわかる。すなわち歴史科目においては、「海からの視点」を取り入れて学習内容の 再構成を図り、目本史・世界史ともに地球・地域の両面から見ていこうとする姿勢が窺え る。. (1)世界史改訂の趣旨.  今回の世界史改訂の趣旨は、①内容精選の徹底、②我が国の歴史との関連や地理的条件.                     7). の重視、③主題学習の充実、の三点にまとめられる。.  ①については、世界史Aでは前近代史の内容をより精選し、近現代の一体化する世界に. 重点化し、事件史より構造史を重視した。世界史Bは、「世界の歴史の大きな枠組みと流 れを理解させる」科目であり、従前の文化圏別の通史的構成から地域世界別の同時代史的 構成に改め、世界史の流れをより動態的に把握し、同時代の世界の全体像をとらえやすく した。. 一13。.

(16) 1 :. R cOU+ ,} . t t A ・ B iC. t. t・・.... r. :. }c :. o). :7. 7 :t)x;lhX. c. I. (1) t :. :7 ;7 C I ! a), ; C! a) b 7 ;7t : q),. V. 1. ]a). ( 3). i. !#.. t. ; : f. j. b -i f ec. ;. --. ( 3 ). ( 5) i tf ; t. ). a). :. l 7 V;. a) L. * i !S ( 6 ) 20 t :. bec. 7. F I. CR!. r. rf yt :ih ; S t. 7;ey; ^*. Ic 3ly 1cJ L. ; 7e;7・77y;. ( 7 ). :f (D. : j ic) ;. l. I. lS. I. b. C L >ba)t. : ,. a). fr. Ut・・*. 9. iin. t : c) ^*. *. t : a). :Oa);k. *. 1. :t. rt : s BJ. t. j. t :. t z2: I. ;. Zc q). t. t. ・ba)i. l. ;f :5C. B;. I ; :o) flEltb t. ec. lcp l. ,t. RIc v. I . r t 5t BJ. ri. ;. bR; 5:. 7f. y h v-. EL. 7 ;7a) b l. 7. fa. c. a)5:. ! E t : q) *. ( 5 ). 2:ti. t :. l. 7 7,;7 t : ta) i 4 - y・ (D ;k ; : i: t : =-*., ・7・t); a) I ; = t : f a) 7 ;7 !. 7 ;7・f7);fy ea) :. );. ,. (4). ;. 7 7i i {: :t. t :. 7 4i : -A a) ; 4 -*y・ t : a). 7-S/'7 i l S-1::y' a) ;S. t. "=F. j 7 ;7 : e) J K7 ;7 ・ F 7e;7t : a). ii. a). /7a) K. 4 7; V;ty**. 5 C5l .. F. t!!: a). f7 ;7・. 4. (4) S-12 y' 5 E ia) 7 fS- y' t :S a),f i 4 SI-12y' a) j i:? f V 17・18t e ) -lzy' t :. 4 +. ] h> 5 t. e:: 5$t. ( 2 ). 7. f7S>7 ・ lfe;7( )5C I l K. :. c o). j. ;2 ;. 7 4; 5?A : e) f ; 4 ; ?Ai (1) i i7 ;7 ・ K 7 ;7t :. il)t・・*. P 1. E'" a) l. -q) !. 7 t :. l :. * H' i5C j. (2) 7. ,o). 7. a). 4:lP CR. : f }. < }c 16 t. h> U t・・* i. :FI l ll# S ! tl. (1) 5C l ) }C. E f :o) :. ;4 ; f P 1. > b O :; ; :. :. v. .. t. :A ・ BJ. f. r(D t t. :-o). 130) :f o) ;. fic. j. -o) ! ). it J. . f rb >a). 3lc. U.. 1*i , f. :.. 8) t ec. l. lec. (2) t :. t. S. l. Se BO)P ] =1C. ・ !:T.. 5'/J'. :. ft. rL. :j : rt :. < b tyft . A.. i i. i. f : :1. /fe. /)* b. b tvt・-.. .. O). ;. ! BJ ) r2. lo). :o) <Jl:'・.; :> <. r. l;. J }cOly+ ,. 16 t. :. 1970 LFa). c. :> <. ,. 4. r. *>. ,. C <. E. (D fy : i. L. ,C.}c. : v C t・-*X4. :i. j o) '・・;. l. >. lr. 9). 5 J; 5 }c. ; : ;4s;. l q)R 4 f. : :. lbOo). o)Of. a) f :. }c;t;. ly J. . f. -y p. }c J; -C :. !. i , :. ;1. Lt・・* .. U C} :.. : t. r(Dt t. : j. c. : /I i. r# rft. tut・・*.. ・. 1 -a). c c l ;.. /. i 1 lc. /7. o) t. t・-* t --:. J a). lc. r. cj : ;rf. t・-.. :. f. i:.. t. :. :. Ut・-*; :. t. . ) v. :q)J. :. 5. l. ro). ) c. H :. : ;. b. I ・. 1. a) **. t c. . o) ]i. 7. -・ lvf. ec. t-・._. ft +. Ut=・._ c. E a)fl 4 :a). t・-* i. ;. -. .. 16 t ," E ( a) t. 4 -. c. ). .. :. : , t :. l. : ;Ic) tuC. b A.

(17) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義.  r(3)諸地域世界の交流と再編」のrウ内陸アジアの動向と諸地域世界」では、モンゴ ル帝国により、ユーラシアの陸上のネットワークとインド洋から東シナ海の海上のネット. ワークとが連結され、東アジア海域世界の交流と再編がうながされたこと把握させ、目本. や東南アジアなど直接モンゴル支配の及ばなかった地域でも、国家や社会の変容や再編が                   11) うながされたことも気付かせるとしている。  「(4)諸地域世界の結合と変容」では、近代の起点を大航海時代にまで引き下げるとと. もに、その期間を16世紀から20世紀初期までとし、これにより近代に占める欧米世界の 位置を従来より相対化し、前近代と近代との連続性や、アジア諸地域の主体性・多様性を       12). 強調している。とくに「アアジア諸地域世界の繁栄と成熟」では、中華秩序の動揺が目. 本の朝鮮出兵や女真による清帝国の建設など東アジアの緊張と再編をもたらしたことに気. 付かせるとともに、日本が16世紀後半から17世紀にかけて莫大な銀を中国に輸出したこ とや、鎖国後も長崎や琉球などを通じて外の世界とつながっていたことに着目させ、東ア. ジアや東南アジアの海域を中心に活発な交易が営まれ、社会の流動化が進んだことを理解        13〉 させるとしている。. (3)世界史Aの内容に見られる海からの視点.  今回の世界史Aの内容の改                平成元年度版学習指導要領の内答                           平成11年度版学習指導要領の内容 善点のうち、「世界の一体化の               (1)諸文明の歴史的特質.                ア 文明と風土                           (1)諸地城世界と交流騒                イ 東アジアと中国文化 過程の理解」と「地理的条件                           ア 東アジア世界.                ウ 南アジアとインド文化                           イ 南アジア世界                工 西アジアとイスラム文化                           ウ イスラーム世界 や我が国の歴史との関連付け」                オヨーロッパとキリスト教文化                           エ ヨーロツパ世界               (2)諸文明の接触と交流                           オ ユーラシアの交流圏 に注目したい。世界の一体化.                ア 2世紀の世界                イ 8世紀の世界                           (2)一体化する世界 の起点を、従前は19世紀の市                ウ 13世紀の世界                           ア 大航海時代の世界                工 16世紀の世界                           イ アジアの諸帝国と 民革命と産業革命以降ととら                オ 17・18世紀の世界                             ヨーロッパの主権国家体制               (3)19世紀の世界の形成と展開                           ウ ヨーロッパ・アメリカの諸革命                ア 19世紀のヨーロッパ・アメリカ えていたが、近年の歴史学界                           ェ アジア諸国の変貌と日本.                イ 産業革命と世界市場の形成                ウ アジア諸国の変貌と日本                           (3)現代の世界と日本 の動向も踏まえ、16世紀から               (4)現代世界と日本                           ア 急変する人類社会                ア ニつの世界大戦と平和                           イ ニつの世界戦争と平和 18世紀の世界史を重視した。                イ アメリカ合衆国とソビエト連邦                           ウ 米ソ冷戦とアジア・アフリカ諸国                ウ 民族主義とアジア・アフリカ諸国                           工 地球社会への歩みと日本 そして、「(1)諸地域世界と交.               エ 地域紛争と国際社会                           オ 地域紛争と国際社会                オ 科学技術と現代文明                           力 科学技術と現代文明 流圏」において、諸地域世界                力 これからの世界と日本. の風土や交流の場となった海       r世界史A」学習指導要領の新旧比較. 洋・砂漠に着目させ、(1)のオの「(エ)東アジア海域とユーラシア」においては中世の目. 本を取り上げ、東シナ海・南シナ海のネットワークの広がりと交易の様相を把握させるよ                                    14) う工夫したことで、近世の日本を世界史の動向との関連で扱うことが可能となった。. 一15騨.

(18) 1. : U.. . 5t/ lc} :*-. fsl. (7). ・ 4 :/. .J IcJ. a). ,. f. x; ;J :q). tu.. ;. o). y h. i:) t・-._c. 7 7. t・・._c EE liC. /7q) i. ? ;. ec. O/. .. .i.. :q)z /v h /vq) :7s27. -( ). ;. t・-,_. tl. f. ・. ; :. 1A*. ) /. J :. .C.ec i 1 /. a). . 16 i. :. ,. t: i .. r ;, ?. i. i :q). lh ). c :. 4 .. t・.,_ :. {. t・-*. 5ta). : , i ;. L 1iC: ; :. :. tv .. L . E i} i. : t . c ) ,J. - 7. >ba) :, : t * l. ・i.. E}c). 2io). :. i -. ; :. z. *. . R 1l. P lo) ' +. f7. 7. 15). l(7) fy. ;}c f - t-・,- c. (4) E1 :5. A* e. BE: --. "--Ta) ; f(. Io) ; ;5 : l. c l. ;1. ro) ! 1. o) l ). R; s:Ao)=F. i. :. >. fr. l* fC. -. b. ly. .. rL. . (!). 70*b. 4 ・ j. a) ]7 ・"="- ). i. .. R f o) I. ;1. a). F. '. a)$ :. efbtv. .. o) ib. . @ l* a) 1 .4 . C < tc I. :. }c. . t. 5 :. f lc. lec. /. :; ;ec. *・ :. 16). B l o)j 5 :. 5c(. 2 ; F. ,. t. jb. q) iv.. ft・-*}c. ' * e. c. /. -t・・* .. (1). 5cdb(D i. q2. c; 1. .. 7. tvt・-* r(1) : 5,. r4. : U. . ; o). 7 >7. j iC. S (D. r (4) A ;j. ). f J a). a)#. , :.. I. ( 2). 4. o) > ・b. Ic. l. c ii. f. 0)) / ・ i. tt-・*. .. t. l. a) /t. c/izq). t i (z) i. t. t. ・. a). !Ja). (D. !io,. = l. o). i. q) e. k. I. 7f {b. ; F. IJe) i. z. q) iS. (2). '. 7. ;5Clbc). 4. { (D. e : C. (4). c. o). 4. ); :. ly +C ; i :. i. ・. ecOly ;. 1. 1. .. q). L. c. a) {. If f-'*. :. lo)) 4 (7). t .. f{ 5c{ba). ?. c ? : !.. (6). tl. i. ;7. 4. V r5 : r ,D. (7). ; ( a)i. 7 rf. ; : c{to.,. :o) e I ] : a) ) l. V :f e) ( 8 ). c. ). (7) 7. :. C. 17). -. 6 -. !. I. ; e. Cfi ( )5 l. ::. i S j #t ;k r a) b I. {b. .. 1 7. T. e). (b. IE. i. t :a) /b. B. a)B: ; t : t. :. t R : a)E. :. t/. 1 Ti. f a). e) f q). rB2 s BJ. ICv. 7. tte). ;k: L #;. 4. I '. q). (6) T C !. -. C4. : : ・5C{b. (5) i { ;q),Ii". : 7 )7 7 l f jt 9f !i(D : 4 I i ( ) ; Z j I e) i { a) ii i5:f 5C4b. Je) t. * f o ;A 1 .'. i. e. t. ra) c4b. :T A e) . ;b7・ 7. 7 4. J i. c{b(D 5 4 (D en I. ! o (5). ia)p l. 4 / ! I ), ; 7 ;7 V f i ), j : e) { (3) t e) ' (b K7 ;7 7 t t e ) ; Z. R. cfba) ?. -*y・ 5t{ f. i. 4 E 5 :a). ;. c{te. t (D :.P L I. (4) 4. ;j ?'*+ i. rf. 7 4. 7. B. : i !. T. #. i. Ze ). ,c sit 5A Xfbq). ) 5. ** lJ ) { c4 e),f ; > 5c/b(D I Lfb a a)Qt I. ( 3). U , r :. li. 4. ll. ( I ). (D ilBtt. t :. :a) ; : : t4te). : e) ;4 i!tSit E i.

(19) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義.  「(3)中世の社会・文化と東アジア」の「イ武家政権の展開と社会の変化」では、「日本. の諸地域の動向3に新たに着目し、交通の発達により流通経済が進展し、rアイヌとの交 流や琉球の中継貿易が果たした役割jにも留意し、目明貿易が我が国の貨幣流通に与えた.                                    18) 影響や朝鮮からの木綿の輸入により衣料として使用されたことを理解させるとしている。.  「(4)近世の社会・文化と国際関係」の「ア織豊政権と幕藩体制の形成」では、中世か ら近世への時代の転換を大きくとらえさせるための工夫がなされている。そのうち本研究. に関連する部分は「キリスト教などのヨーロッパ世界との接触とその影響」や「秀吉の朝. 鮮出兵など東アジアにおける国際関係」を理解させるところである。また鎖国政策につい ては、対外貿易の完全な断絶を意味するのでなく「オランダとは長崎、中国とは長崎及び 琉球、朝鮮とは対馬、北方貿易は松前藩やアイヌを通してそれぞれ交易があったこと」に 留意させるとしている。「イ産業経済の発展と都市や村落の文化」では、「農業技術や流通. した商品にはアジアやヨーロッパとの関連を示すものもあり、鎖国下での海外とのつなが.              19) りを見る視点」も指摘されている。. (5)学習指導要領の分析結果.  世界史では、A・Bとも世界の一体化を重視し、地域世界問の交流やネットワークに着 目して、グローバルな視野から世界史の同時代史的な全体像を動的に把握させることを目. 指している。目本史Bでは主題学習の内容への明記、列島諸地域の個性や海を介した交流 圏への着目などに見られるように、国際環境との関わりに重点をおきつつ、周縁の歴史に も目を向けさせようとしている。そして四つの時期区分についても古代、中世、近世・近 代、現代とすることで目本史・世界史ともほぼ共通するようになった。  新学習指導要領の分析によって、世界史・日本史とも共通して近世の位置付けが強調されて おり、日本と大陸あるいは世界とのつながりを列島の周縁部に着目させて、日本海、東シナ海、. 南シナ海、オホーツク海を媒介とした交流を通じて広い視野で日本の歴史を捉えさせようとし ている。とくに地域世界ごとの動態的な同時代史の把握のためには、その時代を代表する具体 的な物に焦点を定め、その交流に携わった人、集団、そして彼らによって形作られたネットワ ークを解きほぐすことで、それが可能となるのではなかろうか。.  それゆえあとで述べるように、東アジアの海域世界における物の移動、すなわち交易とそれ に携わった商人をはじめさまざまな人間集団の動き、物をめぐる利害対立、そしてその掌握を めざしての権力統合という流れで、近世の東アジア世界の全体像をとらえさせてみたい。. 一17一.

(20) i 1. 2 .. l a *4 q) e E l *q). :4P. .. ) r. f. o) ). t t i 7 tf. +. 4 0). r. :J IcO + a). : lcI. !JJ f. t・-,_. O. ){ : :4 ft. . r. ,;7 . T t. U ,a)i I{ a). r } ;. jC /;. t・-,-.. jC. rt. +bq). t. :,. t. *l. ec v+. :- ) J. fLly ,. P. D .. >f. 1. . r B : l; F. ). < }. D. ly. .. . B;4 :. q). t :. Se. ,d i,,. ・. epl997. ) 7/. : #. {. :-o). ;RJ. j r. 5. ; rl :. IJ q)J :. c(D. ?I iB. IE 4. 4. K7 ;7t. 8. C. K : cf. n. q). i :. O 1a) t h c. . R; :. a). t. :. J. X. 4. -. I a) l l-o). . r. IJ 1(7) l l. btv. ;. :. S U 02003 s. J; 5. t. a)/. h>e) ct;t・-*i. E ( )/ ・a) p *=f E a) /; h・o) #5 :. S a)t :. 5 4; - t : a), ; 6 s-*y・ t! a) ;. J. )5. 7. i ;. C. (. n. t :. i. i. e) :. 1 ]. -1 y・ a) i. ro : s- y・ i! { 1 a)1 11 7S;7 !a)g: * i 12 7 ; : a) j. :. i 14. t. -* y・. C15 m I 1S] E a). ie)7 ;7. 9. i. f. ro. 14. O )t :. 17. t : t. ;. Lf ;q)t :;. t :z. i. 17. z I. *t:: s t i! fl. # tla) t a) i. c I }c 5tt i :fI I. 13. 7 ;7. ,b / C i 111 131. ;k ; K. I. i. - y・ (T). 3-* y・. 11. zL7s;7e). 16. 18. ; : ). -v). 12. f ec. r '*-* I. 1 : ;ty=yh a ;t : L 2 7 ;7 ・7;(yfaa)1 fl 5c : q) ; j! J F3 iK7s;7i 7-'/'7t : (D. S). 9. > b. : :. / C 1 3]. 6 : 4; 7-At! a)?f 7 -*y・ t a) l. .. : fl. ・ a) ; :. ec 1 lo). - t. F. FiF :. ). i 3 7 ;7(D fl 5c 4 F, l 7 ;7a). ,Ut・・,_. rt. ・. f. T C I. :. o)f. :B P !t.. Rt : t :. <. fa ?-a) l. J r. ). : >Ic/ O ly t**. . A* l. (t : !5 B) O) :*?f p ・. IB. ! A ・ B. a);j y h 7-P?cJ. Q)t :. D .. l. tvbtL :v+f : >Ot・・*. t!. 4 :t・-,_'t ,. ;. t :. J rl i. EE I ・ 74;(ec ]t. t : 5. > U t・・*i i s : q). .J : z ) v. 7s 7 ) )ly+1 :t. :l}t. F :;. :. '(-1rbtvt・・.... c. :a). I F :1; F. :a). (1) LLl']Id:I. .. :,. (t. 5 4 o)3: i: , z 1 O Cly. J r. h. 7. > b (D. j. 7 ;7a). q) I i. I e)5. g 1. 15. (Dl. 16. 7 ;7 ・ 17 ) ;!;i : a). :. B. :. f a) !:. :. j R = a) i :f 5c R CtL > t! A. :. ) i. vJlnttlHittT# at. E. totE :- lBtt#. 22). t :. .. > f. t・・,_. IB. < o:) r. r2. Vo) )c f lcOly+ v 5 J 5. c .. p i. : 5Cf o))(:. 8. : f. lk iC :. /. ly^ . i:J i : f :. ( (7) )(: f J } t r2 i a). , : r f 7. :q). >tulCv+t・-* ) ) . :7S;>7 ・ 4 7. e: zl. l. lc. )tvt・-*.. -. 8 -. fi J. - '. i t. f. o)(x: :. i(D5C4 g. t :o) )ci. J. ).

(21) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義.  とくに中国沿海から南シナ海で活躍したジャンク船、ペルシャ湾からインド洋で活躍し たダウ船が新たに登場し、交易品目では従前強調されてきた胡椒のウェイトを抑え、陶磁. 器のウェイトをやや高め、バランスをとった。その上で、明の海禁政策による交易の縮小 を補完した琉球王国の役割、倭冠の活動、朱印船貿易についても触れ、ヨーロッパ勢力の アジア進出以前の東アジア・イスラームの地域ネットワークの形成がわかりやすくなって. いる。地中海世界に関しても従来のイタリア商人に加え、カイロのムスリム商人の活躍に.                               23) も触れ、イスラーム文化の地中海世界への影響がよくわかる記述になっている。.  さらに、旧版ではこの後「第∬部第9章近代ヨーロッパの誕生」となっていたが、新 版ではr第8章 アジア諸地域の繁栄」となり、章ごとの連接もよくなり、従来のヨーロ ッパ史の流れにr東西交流」が割り込んだような印象はなくなった。ここでは特に東アジ アにおける中国一辺倒の記述が、東アジアの他の国々の位置付けとともに相対化されるよ うになった。目本に関する記述も、従前は明の側から「豊臣秀吉の侵略に苦しむ朝鮮への. 援軍派遣」だけであったが、交易の活発化・火縄銃の伝来による新興勢力の成長、織豊政 権による目本統一、豊臣秀吉の朝鮮侵略と李舜臣等の抵抗、徳川家康の朱印船貿易と日本 人の東南アジア進出、目中の銀・生糸貿易、鎖国体制等に見られるように内容も豊かにな った。「2清代の中国と隣接諸地域」では、従前の琉球の記述になかった日・中「両属」. 状態、鎖国後の長崎・対馬・琉球を通じての隣接諸国との交流の継続にまで言及してい  24) る。.  そして、「第10章 ヨーロッパ主権国家体制の展開」の「2ヨーロッパ諸国の海外進出」. では、ポルトガル人の種子島漂着による平戸貿易、目本の鎖国体制完成後のオランダとの 通商関係に関する記述も見られ、全般的に従前の「中国中心の東アジア史」観を払拭しよ      25) うとしている。. (2)帝国盧院『新編高等世界史B』の記述内容分析.  この教科書は、旧版でも「世界システム」「ネットワーク」「アジア」「環境」の4つの. 視点から記述されていたのが特徴的で、今回の改訂では編・部・章の三段階の章立てを改 めて部・章の二段階にし、章の内容が分かりやすいタイトルになっている。以下、内容分 析に入る。.                               さんとめ  まず「世界史の扉」のr④日本と世界のつながりを調べてみよう」では、「桟留」を取 り上げ、江戸時代の目常生活にも遠くインドの綿織物がオランダを介して流入していたこ       26) とに触れている。. 一19顧.

(22) 第1章 海からの視点を生かした歴史の教育学的意義. 第2部第4章のr2 ユーラシア大交流圏の形成」では、モンゴル帝国の全域で銀貨と 紙幣が流通し、大都を中心とした陸海の交通網の整備がなされ、14世紀前半にはアジア                                           27). からヨーロッパにまたがる超広域の交流圏が成立したことを分かりやすく説明している。. 第3部第1章のr2 海洋アジア交易圏の繁栄と東・東南アジア」では、目本のアジア 海上交易圏への参入について詳しく説明しており、12・13世紀の日本・朝鮮・中国の交 易の拡大から中国・朝鮮の国家の貿易管理と民間利害との衝突、前期倭窟の出現、明の海. 禁策と冊封体制の下での海上交易のネットワークの変遷、15世紀の琉球王国の繁栄ぶり            28). についても触れている。第3章の「1 目本銀・アメリカ銀と東アジア」では、中国経. 済の銀需要の高まりと日本銀の輸出、綿布や生糸の輸入にっいての説明の後、明の対外消. 極策や戦国期の勘合貿易の途絶による後期倭冠の激化、豊臣秀吉の対外政策、江戸幕府の 朱印船貿易についての記述も見られる。「2 東アジア社会の統制と成熟」では、日本の. 鎖国体制の下での長崎口・対馬口・琉球口・蝦夷地の口の「四つの口」での対外貿易にっ いて分かりやすく説明している。さらに幕藩体制下の国内経済の発展、朝鮮通信使を通じ                   29). ての目朝交流についても言及している。. すなわちアジアに関する記述については、近代におけるアジアの独自性と世界史におけ る目本の役割が、より理解しやすいように配慮されていると言えよう。                   旧課程『新編高等世界史B』1997年度版 序章 歴史からなにを学ぶか 第1編 自然に適応しながら生きていた時代. 第1部生活文化圏と諸文明  第1章 人類の誕生と文明の芽生え  第2章 多様な文明群 第2部文明圏の出会いと広域ネットワーク.  第1章ユーラシアの変動と再編  第2章 イスラムネットワークの生成  第3章 変化するユーラシア.  第4章ユーラシア大交流圏の成立 第2編 自然環境への挑戦の時代 第1部 海洋による世界の一体化  第1章 アジアの栄華と変容  第2章 近代世界システムの形成 第2部 工業文明による世界支配の時代.  第王章工業化と民主主義の波及  第2章  「パックス=ブリタニカ」の盛衰. 第3部世界システムの拡大  第1章 「西洋の衝撃』とアジアの改革  第2章 植民地化の進展と地域変容 第3編環境問題の出現と社会の調和 第1部世界戦争の時代.  第1章第1次世界大戦  第2章第2次世界大戦と核の時代のはじまり  第3章冷戦の時代一核の脅威のもとに 第2部ポスト冷戦時代の世界とわたしたち.                  ヨぬ    新課程『新編高等世界史B』2003年度版 世界史への扉…表見返し 歴史から何を学ぶか. 序章人類の誕生 第1部 諸地域世界の形成 第1章 東アジア世界と中央ユーラシア世界. 第2章 西アジア・地中海世界の成立 第3章南アジア世界の形成 第4章 東南アジア世界と海の道 第5章アフリカ・オセアニア・南北アメリカ 第2部 地域世界の再編と広域ネットワーク. 第1章 ユーラシアの変動と再編 第2章 イスラーム世界の形成と広域ネットワーク. 第3章ユーラシア西方の変貌 第4章ユーラシア大帝国の誕生 第3部 海洋による世界の一体化 第1章 アジアの栄華とヨーロッパのr大航海時代」 第2章 近代世界システムの成立 第3章 アジアの成熟と変容 第4章 ヨーロッパの危機と環太平洋地域の結びっきの強化 第5章環大酉洋革命∼工業文明とナショナリズムの誕生 第4部 工業文明の世界支配と諸国民の総力戦の時代 第1章 rパックス諺ブリタニカ」と欧米諸国の国民統合. 第2章 「西洋の衝撃」とアジア 第3章 全世界をおおう近代世界システム 第4章 世界戦争の時代 第5部 地球社会の到来.  第1章 冷戦の終結. 第1章 アメリカの覇権の盛衰と帝国主義の終焉.  第2章 工業文明をこえて. 第2章相互依存と世界政治.  第3章 21世紀の入り口に立っわたしたち. 帝国書院『新編高等世界史B選教科書の構成一新旧地較. 一20一.

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