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教師が作成したシティズンシップ実践カリキュラム構成とその特質 : カリキュラム作成に関するイングランドの教師への調査を手がかりに

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全文

(1)

『社

第22

号 2010

(pp.141-150)

教師が作成したシティズンシップ実践カリキュラム構成とその特質

−カリキュラム作成に関するイングラン

ドの教師への調査

を手がか

りに−

The Characteristics of Citizenship School C

Ⅲrriculum in Engl

皿d:

Based on the Research of Teachers' Perceptions about

]urn Development

川 

囗 

広 

(広

I。問題の所在

社会科教育学における外国カリキュラム研究に

おいて匚

カリキ

ュラム

」とされ

てきたもの

とは,

国家基準

(ナ

ョナル

・カ

リキュラム

など)や教

科書といった固定

されたカ

リキュラム

であった

こう

した固定され

たカリキ

ュラムは

,国家規準は

導入者側

,教科書は教科書製作者の意図を明らか

にする研究には適

して

いるが

,該当国の実際の教

・授

業での

カリキュラムの具体

を解明すること

できないのではないか

なぜ

なら学校の教育実践現場では

,固定化され

リキ

ュラム

が直接伝

えられ

るの

では

なく

,様

な制約のもとで各学校の教師に

よって構成され

生徒の前に示される

ことになるためである

Oこの

うに教師によって作成

されたカ

リキュラム

を実

践カリキ

ュラム

と呼ぶ

ことに

しよ

。この傾向は

日本にも同様であるといえるが

,教

育実践におけ

る教科書の役割が

日本よ

り高

くない欧米諸国では

固定されたカ

リキュラム

と実践との違いはより大

きなものに

なる

。そのため,実践カリキ

ュラムか

らの視点で吟味

され

ることで

,当該国の

リキュ

ラム

実践

上の教育的価値が

正当に評価され

るの

はないか

このような問題意識にたち

,本研究は教師が固

定化され

たカ

リキュラム

を参照

しなが

,各学校

のシティズンシ

ップ教育カ

リキュラム

を構成する

プロセス

を明らかに

,教師が作成

した実践カ

キュラム

の特質

を解

明す

O教師が構成する実践

カリキ

ュラムには

,計画段階のもの

,実施

したも

,点検

・評価

したもの

,改善

したもの

などが

げられる

り扱う。教師が

。中でも,本研究では計画段階のもの

固定されたカ

リキュラム

をどう

解釈

,生徒に学習させ

ようと

しているか

を解明

していきたい。

そのため

,本研究では2009

年3∼6月にイング

ラン

ドのシティズ

ンシップ教育の

3名の中等学校

担当教

員を調査

した

。この教師達が作成

した計画

段階の実践

カリキ

ュラムの構成

とその特質はどの

うなものか

を明らかに

,さらに,教師達がそ

ぞれ

どの

ように

この

リキ

ュラム

を作成

してい

るかについても検討を進めてゆ

イング

ラン

ドのシティズ

ンシッ

プ教育を取

り上

げた理由は

2点ある

。第

1は,それが近年社会科

育学で注

目が集まっている

トピックの

1つだか

らである

(池野,

2009

など)

。また,第2に,イ

ングラン

ドは伝統的にカ

リキュラム

の制度的自由

が強く

(柴田,

2000),

学校の教師自身が重要な

役割を占めている点である

。これ

らの特色は実践

リキュラム

研究

して有効に働

くと期待

できる

本研究の意義

を2点指摘

しておきた

。第

1は

これ

まで社会科教

育学でも度々取

り上げられ

てき

たイングラン

ドのシティズンシップ教育現場の実

を目標

・内容

・方法の観点か

ら詳細に解明でき

る点

。第

2は

,社会科教

育学の

カリキュラム研究

に新たな研究方法論

を提供できる点である。

。研

方法

1.研

対象

で取

り上

,分

る実

リキ

ラム

とは

,教

作成

した計

段階の

リキ

ラム

ある

。具体

には

,コー

ィネー

ター

7∼

年か

らな

るキ

ース

テー

(以下

,KS

と略

)3

(11

∼16

∼14

)用

)及び

シテ

,10

ィズ

・ 11

年か

プ教

らなるKS

リキ

4

ュラム

(14

−141−

(2)

と し て 準 備 し た も のを さ す 。 そ の 際, デ ー タ は, ① 筆 者 が 教 師 に 対 し て 行 っ た イ ン タ ビ ュ ー デ ー タ ≒ ② 教 師 か ら 提 供 さ れ た 指 導 案 や 学 校 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 カ リ キ ュ ラ ム計 画 で あ る。 こ の 2つ を 併 用 し た理 由 は , イ ン タ ビ ュ ー の み だ と具 体 的 学 習 内 容 ・ 方 法 に 関 す る デ ー タ と し て 不 十 分 で あ り, ま た カ リ キ ュ ラ ム 計 画 案 の みで は各 学 校 の フ ォー マ ット が異 な る た め, 比 較 が 困 難 に な る 場 合 が あ る た め で あ る。 イ ン タ ビ ュ ー は , 筆 者 と対 象 教 師 と の 対 面 式 で 行 っ た 。 形 式 と し て は, 半 構 造 化 イ ンタ ビ ュ ーを 採 用 し た。 そ の た め, 学 習 目 標 ・ 内 容 ・ 方 法 と そ の 決 定 理 由 と い っ た 質 問 項 目 を 予 め 決 め た上 で , 適 宜 繰 り 返 し や 追 加 な ど を 行 っ た 。 2.調 査 対 象 者 ・ 学 校 調 査 対 象 者 3人 ( 教 師 A∼C) は イ ン グ ラ ン ド の教 師 か ら ラ ンダ ム に抽 出 し た も ので は な い が , よ り イ ン グ ラ ンド を 包 括 す る よ う な 考 え 方 を 獲 得 で き る よ う , 少 数 な が ら も多 様 な 背 景 を 有 し た 教 師 か ら 有 意 抽 出 し た。 表 1 に は調 査 者 及 び 調 査 者 の 勤 務 す る学 校 の背 景 を ま と め た。 教 師 A∼C は 全 て シ テ ィ ズ ン シ ッ プ ・ コ ーデ ィ ネ ータ ー の 地 位 にあ る。 コ ー デ ィ ネ ータ ー と は, 公 的 な 教 科 書 が 存 在 し な い イ ン グ ラ ンド で, 各 教 科 の カ リ キ ュ ラ ム構 成 に 責 任 を 持 つ 教 師 を さ す 。 ま た, 教 師 A∼C は, シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 師 と し て の 専 門 教 育 を 受 け て は い な い。 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ ・ コ ーデ ィ ネ ー タ ー と し て の 経 験 年 数 は, 教 師 A は 4年 , 教 師 B は 1 年 未 満 , 教 師 C は 8年 間 とな る。 つ ま り , 教 師 C は シテ ィ ズ ン シ ップ 教 育 が 導 入 さ れ た2002 年 以 降 コ ー デ ィ ネ ー タ ー と し て 勤 め て お り, 一 定 の経 験 が あ る 。 教 師 B は き わ め て 経 験 が 浅 く, 教 師 A は B ・C 表1 調 査対 象者・学 校 の 中 間 と捉 え ら れ る 調 査 対 象 者 の 勤 務 す る学 校 の背 景 につ い て。 対 象 とな っ た 学 校 は す べ て 共 学 の公 立 中等 学 校 で あ り , イ ン グ ラ ンド 北 部 の 同 一 の 地 域 (county) に あ る 。 教 師 B の 学 校 は 郊 外 に あ り , 生 徒 の 9 割 以 上 は イ ギ リ ス生 ま れ の 白 人 で あ る。 一 方 , 教 師 A/C の学 校 は 中 心 部 に あ り , 一 定 程 度 の 人 種 ・ 民 族 的 多 様 性 が み ら れ る 。 生 徒 数 は, 教 師 B・A ・ C の 学 校 の 順 に多 い 。 特 筆 す べ き 点 と し て , 各 学 校 に お け る シ テ ィ ズ ン シ ップ 教育 の 実 施 ア プ ロ ー チ の違 い を あ げ た い 。 イ ング ラ ン ド で は, 日 本 と は異 な り,実 施 アプ ロ ー チ そ の も の も各 学 校 に 委 ね ら れ てい るo そ の た め , シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 を , 教 師 A の 学 校 で は , 学 校 独 自 の 教 科 で あ る 日固人 の 発 達 」(Personal Development) を 構 成 す る 教 科 の 1 つ と し て 位 置 づ け て い る 。 教 師 B の 学 校 で は, KS 3 と KS4 と で 異 な る 形 態 を と っ て い る が, 今 回主 対 象 とす る KS3 で は , 朝 HR の30 分 間 で の 実 施 と 年 に 1 回 の 特 別 活 動 で 構 成 し て い る 。 教 師 C の 学 校 は , PSHE ( 個 人 ・ 社 会 ・ 健 康 教 育 ) と 半 期 で 交 代 し な が ら, シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 と し て 実 施 し て い る。 3. 分 析 方 法 (1) 分 析 の 視 点 視 点 は , 次 の 3点 で あ る 。 [1]学 習 目 標 ( 教 師 の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 観 ) [2]学 習 内 容 (知 識 ・ ス キ ル ・ 態 度 ) [3]学 習 方 法 ( 教 材 ・ 学 習 活 動 ) こ の 視 点 は, 3 力 国 の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 の 比 較 研 究 を 行 っ たDavies & Issitt (2005) で 用 い ら れ た 3 つ の分 析 視 点 を 参 考 に し た 。 彼 ら の 研 究 は 国 家 横 断 的 に シ テ ィ ズ ン シ ップ 教 育 を 分 析 す る (筆者作成) 対 象 者 の背 景 対 象 者 の学 校 教 師 専 門 教 育 経 験 年 数 場 所 生 徒 数 実 施 アプ ロ ー チ A 無 5 年 目 中 心 部 1000 ∼1500 人 ・ 「 ̄個 人 の 発 達 」 と い う 学 校 設 定 科 目 の 1っ を 柤 う B 無 1年 目 郊 外(99% 以 上 が イ ギ リ ス 生 ま れ の白 人) 1000 人 未 満 ・ 朝HR の 時 間 ・ 年 1 回 の 特 別 活 動 C 無 8年 目 中 心 部 1500 人 以 上 ・ 独 立 教 科(PSHE と半 期 交 代 )

(3)

こ とを 試 み た 研 究 で あ る た め に, 一 定 程 度 の 汎 用 性 に長 け て い る と 考 え ら れ , 本 研 究 の 性 格 に 合 致 す る と 考 え た 。 加 え て , 社 会 科 教 育 学 の 従 来 の 研 究 方 法 を 踏 ま え , 名 称 を 設 定 し た 。 (2) 分 析 の 手 順 本 研 究 は, 教 師 A∼C が 作 成 し た カ リ キ ュ ラ ム を 比 較 し , 共 通 点 ・ 相 違 点 を 抽 出 し , 教 師 作 成 カ リ キ ュ ラ ム の 個 別/全 体 の 傾 向 を 導 き 出 す 帰 納 的 ア プ ロ ー チ を 活 用 し た2 . 分 析 を 行 う以 前 に, デ ー タ を 全 て 可 視 化 で き る よ う に す る 。 即 ち , イ ン タ ビ ュ ー を 文 字 起 こ し し , 指 導 案 と 共 に, 文 書 記 録 の 要 所 に そ の 内 容 を 要 約 し た 小 見 出 し を つ け る 「 オ ー プ ン ・ コ ー デ ィ ン グ」 を 行 っ た ( 佐 藤 , 2008) 。 そ の 後 , 次 の 3つ の 段 階 で 分 析 を 進 め た 。 [1] 教 師 A∼C の カ リ キ ュ ラ ムを 学 習 目標 ・ 内 容 ・ 方 法 の 各 視 点 か ら 比 較 し , 共 通 の 分 析 観 点 ( カ テ ゴ リ ー) を 抽 出 す る [2] 分 析 観 点 を 基 に, 教 師 A∼C の カ リ キ ュ ラ ム の学 習 目 標 ・ 内 容 ・ 方 法 の各 視点 か ら 比 較 し , そ れ ぞ れ の 共 通 点 ・ 相 違 点 を 抽 出 す る [3] 学 習 目 標 ・ 内 容 ・ 方 法 を 通 し , 教 師 A∼C の カ リ キ ュ ラ ムを 比 較 し , 共 通 点 ・ 相違 点 を 抽 出 し , 対 象 教 師 の 作 成 し た カ リ キ ュ ラ ム の 特 質 を 確 定 す る 共 通 点 ・ 相 違 点 を 導 き 出 す 際 は, ① 類 似 発 言 を 行 っ た 人 数 ( 回 答 者 数 ), ② 類 似 発 言 数 , ③ 仮 に 数 回 で も ユ ニ ー クで あ る と考 え ら れ る 発 言 数 , と い う 3点 か ら 検 討 し た 。 分 析 の 後 , 教 師 自 身 の イ ン タ ビ ュ ー 記 録 か ら カ リ キ ュ ラ ム作 成 の 理 由 を 抽 出 す る こ と で , 対 象 と し た 教 師 の 作 成 し た カ リ キ ュ ラ ム の 背 景 ・ 要 因 へ と 考 察 を 深 め た。 表 2  学 習 目 標 に つ い て の 教 師 A/B/ C 間 比 較 Ⅲ 。 調 査 結 果 1. 学 習 目 標 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 の 目 標 論 に 相 当 す る 教 師 A∼C に 関 し て , 空 間 的 視 点 ( 地 方 ・ 国 家 ・ 世 界) ・ シ テ ィ ズ ン シ ップ の性 質 ( 社 会 的 ・ 道 徳 的 責 任 , 政 治 的 リ テ ラ シ ー, コ ミ ュニ テ ィ へ の 参 加 , 多 様 性 と ア イ デ ン テ ィ テ ィ3 ) と い う 分 析 の 観 点 か ら 抽 出 し , こ れ に 準 拠 し て 分 析 を 行 っ たO 表 2 は , 学 習 目 標 に 関 す る 教 師 Å・B ・C 間 の 回 答 の 要 約 と 空 間 的 特 色, シ テ ィ ズ ン シ ッ プ の 性 質 の 観 点 か ら 分 析 し た 結 果 を 示 し た も ので あ る O 表 2 か ら, 各 教 師 の 抱 く 目標 観 は異 な る様 相 を 見 せ て は い る か , 一 定 の 合 意 も あ る こ と も見 て と れ る。 例 え ば, ①地 方 ・ 国 家 ・ 世 界 的 と い う多 元 的 な 空 間 レ ベ ル を 基 盤 と し て い る。 ま た , ② 目 標 に 政 治 的 リ テ ラ シ ー の 項 目 を 共 通 し て 含 む 点 が あ げ ら れ る 。 政 治 的 リ テ ラ シ ー に 関 し て は, 公 共 生 活 で 有 効 に 働 く た め に 必 要 な 知 識 ・ ス キ ル ・ 態 度 , と定 義 づ け ら れ(DfEE/QCA, 1998), 表 2 の 全 て の教 師 の カ リ キ ュ ラ ムで 政治 や社 会 に関 す る知 識 ・ 理 解 の 学 習 が 含 ま れ て い る こ と か ら言 え る。 し か し , 3人 の 教 師 の シテ ィ ズ ン シ ップ 観 は 1 つ に く く っ て し ま う こ と は で き ず , 教 師 ご と の 違 い も あ る。 例え ば , 教 師 B は多 楡 院/ア イ デ ンテ ィ の育 成 を 特 に 重 視 す る 傾 向 に あ る。 7 学 年 で 地 域 を 扱 う こ と につ い て,B は 匚自分 達 の コ ミ ュニ テ ィ にど の よ う に関 わ れる か, 自 分 自身 が コ ミ ュニ テ ィ の 一 員 で あ る こ とを 学 習 し て ほ し い 」 と 述 べ て い た 。 ま た , 教 師 C は 生 徒 自 身 に よ る キ ャ ン ペ ー ン の 企 画 な ど を 積 極 的 に行 い , コ ミ ュ ニ テ ィ へ の 参 加 を 目 標 段 階 で 意 識 し て い る が, 教 師 A・B は 重 視 し て い な い な ど の 違 い が み ら れ る。 以 上 の よ う に , 教 師 A は 政 治 的 リ テ ラ シ ー を , 一 方 , 教 ( 筆 者 作成) A B C ・ 社 会に 関す る多 様 な 理解 : 特 に政治 ・ 世 界 レ ベ ル を 中 心 に ・ 世 界 ・ 国 家 ・ 地 方 レ ベ ル の シ テ ィ ズ ン と は 何 か につ い て の 探 求 ・ 地 方 ・ 国 家 ・ 世 界 レ ベ ル の シ テ ィ ズ ン と は 何 か に つ い て の 理 解 ・ 7学 年 は 地 方 レ ベ ル, 8学 年 は 国 家 レ ベ ル, 9学 年 は 世 界 レ ベ ル に 焦 点 化 し て 取 り 扱 う 。 ・GCSE を パ ス す る こ と 。 国 家・レ ベ ル の 政 治 や 政 府 組 織 に つ い て のよ り 深 い 理 解 ・ 政 治 的 リ テ ラ シ ー ; 政 治 的 意 識 の 喚 起 , 王 室 の 必 要 性 の 議 論 , 政 府 の 仕 事 や そこ で 有 し て い る 責 任 の 理 解 ・ 権 利 と 責 任 : 地 方 組 織 へ の 意 識 の喚 起, 人 々 が 参 加 で き る よ う な キ ャン ペ ー ン の 企 画 , 世 界 的 問 題 へ の 関 心 と キ ャ ン ペ ー ン の理 解 -143 −

(4)

表 3  単 元 名 に つ い て の 教 師 A/B/ C 間 比 較 * O 内 は対 象 生 徒 の年 齢 を 表 す 。 教 師 B は指 定 な し 。 A B C コミ ュ ニ テ ィ/ 偏 見 (11 ∼12 ) 権 利 と 責 任 (12 ∼13 ) 政 府 (12 ∼13 ) グ ロ ー バ ル ・ コミ ュ ニ テ ィ (13 ∼14 ) 刑 事 裁 判 の仕 組 み (13 ∼14 ) 消 費 者 の 権 利 (14 ∼15 ) コミ ュニティ/アイデンティティ(14 ∼15 ) 国 会 で の 法 律 づ く り (14 ∼15 ) 社 会 を 支 え る 法 律/ 人 権 (14 ∼15 ) 政 府 の 政 策 と 経 済 (15 ∼16 ) 法 律/ 人 権/ 権 利 と 責 任 多 様 性/ 尊 重/ 理 解 法 の作 成 と 形 成 民 主 的 な 投 票 プ ロ セ ス 経 済 原 理 ボ ラ ン テ ィ ア グ ル ープ の 働 き 社 会 に お け る メ デ ィ ア 消 費 者/ 雇 用 者/ 労 働 者 ヨ ー ロ ッ パ/ 英 国 連 邦/ 国 際 連 合 国 際 相 互 依 存 中 央 政 府 (11 ∼12 ) 権 利 と 責 任 (11 ∼12 ) 地 方 政 府 (12 ∼13 ) 法 的 権 利 と 責 任 (12 ∼13 ) 公 的 消 費 (13 ∼14 ) 機 会 の平 等 (13 ∼14 ) 被 服 産 業 (14 ∼15 ) メ デ ィ ア の 影 響 (14 ∼15 ) グ ロ ー バ ル の 問 題 (15 ∼16 ) 師 B や C な ど は ア イ デ ン テ ィ テ ィ や 参 加 と い っ た 他 の ス ト ラ ン ド4 も重 視 し て い る。 以 上 か ら, 学 習 目 標 観 につ い て 各 学 校 で 共 通 す る点 と は, 地 方 ・ 国 家 ・ 世 界 と い う多 元 的 レ ベ ル に 根 ざ し , 政 治 的 リ テ ラ シ ー の 育 成 を 重 視 す る と い る 点 で あ る 。 そ の 一 方 で , 各 学 校 で ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 育 成 や 参 加 の 重 視 と い っ た, シテ ィ ズ ン シ ップ 育 成 に お け る 独 自 の 視 点 を い れ る た め , 最 終 的 に 決 定 さ れ る 学 習 目 標 の 内 容 の詳 細 や 組 み 合 わ せ 方 は, 異 な る 傾 向 に あ る。 2.学 習 内 容 カ リ キ ュ ラ ム の 内 容 に 関 し て は , イ ン タ ビ ュ ー デ ー タ か ら, KS 3 ・ 4 5 の 全 体 構 成 と 代 表 的 な 単 元 の 構 成 と い う 2つ を 抽 出 し た 。 そ の た め, 全 体 の 構 成 を 概 観 し た 後 , 指 導 案 に基 づ い て , 1 つ の単 元 に 焦 点 化 し , そ こで の 構 成 原 理 を 抽 出す る。 (1) 類 似 す る 概 念 を 用 い た全 体 構 成 教 師 A∼C が 作 成 し た 指 導 案 か ら単 元 名 を 示 し た もの が 上 の表 3で あ る 。 単 元 名 が 示 唆 す る よ う に, シテ ィ ズ ン シ ップ 教 育 の 内 容 は , ス キ ル ・ 活 動 で は な く 知 識 , 中 で も よ り 汎 用 性 の 広 い 概 念 に基 づ い て 構 成 さ れて い る。 そ の 際, 政 府 や 法 な ど 類 似 し た 概 念 が 各 学 校 で 取 り 上 げ ら れて い る 。 そ の た め, 単 元 名 だ け を 見 る と い くつ か の類 似 し た も の が あ る。 し か し, 類 似 し た単 元 名 が ど の 学 年 に 相 当 す る か, そ の 構 成 原 理 につ い て は 教 師 ご と に 異 な る。 例 え ば, 教 師 B の 場 合 , 表 3 で 示 し た10 個 の 単 元 は各 学 年 で 繰 り 返 し 用 い ら れて い た 。 そ の 際, 7年 で 地 方 , 8年 で 国 家 , 9年 で 世 界 レ ベ ルを 扱 う と い う , 空 間 的 視 点 が 内 容 構 成 原 理 に な って い ( 筆者作成) た 。 一 方 , 教 師 C は, KS 3 (11 ∼14 歳 ) で は 匚政 治 的 リ テ ラ シ ー 」 と 匚権 利 と 責 任 」 を 扱 い , KS 4 (14 ∼16 歳 ) で は コ ミ ュ ニ テ ィ へ の 参 加 に 関 連 す る 匚行 動 的 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 を 中 心 と し た 内 容 を 学 習 さ せ る と 述 べ て い た。 一 方 , 教 師 A は, 特 に 明 確 な 視 点 は な く, 他 教 科 と の 関 連 性 や 発 達 段 階 な ど を 鑑 み て 決 定 し て い た 。 従 っ て , 単 元 名 は類 似 し た 概 念 が 用 い ら れて い る が, そ れ を ど の よ う に 構 成 す る か は 教 師 ご と に異 な る ので あ る。 (2) 知 識 を 基 礎 と し た 単 元 構 成 で は, 具 体 的 に学 習 内 容 と し て , ど の よ う な 知 識 ・ ス キ ル・ 態 度 を 取 り 上 げ , そ れを ど の よ う に 組 み合 わ せ て い る の か。 単 元 構 成 か ら 明 ら か に し て い き た い 。 こ こ で は , 紙 面 の 関 係 で , 3人 の 教 師 の学 校 に共 通 す る 単 元 で あ る 匚政 府 」 を 取 り 上 げ て 比 較 し , 単 元 構 成 の特 色 を 解 明 し て い く。 圖  教 師 A : 知 識 ・ ス キ ル ・ 態 度 の 獲 得 ・ 応 用 型 内 容 構 成 表 4 は , 教 師 A の 単 元 「 政 府 」 の 授 業 の 流 れ ( 全10 時 間 ) を 示 し た も ので あ る 。 生 徒 は, 1 ∼ 3時 間 目 で 民 主 的 プ ロ セ ス や 学 習 に必 要 な ス キ ル を 獲 得 し , 4・ 5 時 間 目 で , 投 票 や 政 府 概 念 ・ 国 家 政 府 の 仕 事 と い っ た 内 容 的 知 識 や 意 識 ・ 態 度 を 学 習 し, そ れ らを 6時 間 目 で 活 用 す る。 7∼ 9時 間 目 で 地 方 政 府 と ど の よ う に 関 わ る か と い う 手 続 合的 知 識 ・ ス キ ル ・ 態 度 を 学 習 し ,10 時 間 目 で , 政 府 の 概 念 を 用 い な が ら 現 代 の 社 会 問 題 解 決 を 模 擬 的 に 実 践 す る。 実 際 の 市 民 と し て の 参 加 を 模 擬 的 に 行 う こ と で 学 習 を 進 め て い る 。 こ れ は 厂中 央 政 府 や 地 方 政 治 に 関 す る 知 識 で は 不 十 分 で あ り , 日 常 生 活 に お け る政 治 こ そ が 学 習 に 値 す る」(AS

(5)

表 4  教 師 A の 単 元 匚政 府 」( 全10 時 間) ( 網 掛 け 部 分 は 調 査 デ ー タ か ら の 引 用 。 そ れ以 外 は 筆 者 作 成) 時 数 授 業 名 学 習 内 容 内 容 構 成 の 視 点 3 投 票 と は い か に 大 切 であ る か? ・ 民 主 的 プ・ セ ス に 関 心 を 持 つ こ と ・ 探 求 & コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の ス キ ルを 発 展 さ せ る こ と 興 味 の喚起 学 習 ス キ ル の 獲 得 勦 機 づ け , 開 連 ス キ ル の 獲 得 1 政 府 へ の 導 入 ・ 政 府 と は人 々 が 国 を 動 か す た め に あ る と い う見 方 を 紹 介 す る ・ 政 府 が 有 し て い る 権 力 を 知 る ( 法 律 の 作 成 , 税 金 の 利 用 , 個 々 人 の 権 利 を 調 整 す る , 警 察 や 軍 隊 の力 を 使 用 す る こ と 政 府 概 念 や 政 府 の仕 事 の 理 解 内 容 知 識 ・ 態 度 の 獲 得 1 政 府 が 何 を し て い る の か を 考 え る ・ 異 な る 政 府 組 織 の役 割 につ い て の理 解 を 深 め る こ と ・ 地 域 ご と に政 党 が 強 調 し て い るこ と が 異 な る こ と を 自 覚 す る こ と ・ 政 党 が公 約 を 通 じ て , 有 権 者 を 魅 了 し て い る こ と を 理 解 す る こ と 1 あ る 日 の首 相 ・ 政 治 に関 す る 予 算 を 立 て る 際 の基 本 原 理 を 理 解 す る こ と ・ 政 府 に よ っ て 異 な る 意 思 決 定 がな さ れ る こ とを 理 解 ず る こ と ・ マ ニ フ ェ ス ト 公 約 と 財政 面 のず れを 認 識 す る こ と ・ 望 ま し い 結 果 を もた ら ず 意 思 決 定 プ・ セ ス案 を 発 表 ず る こ と 政 府 の仕 事 の 検 討 内 容 知 識 の相 対 化 と 関 連 ス キ ル の 獲 得 1 地 方 政 府 ゲ ー ム /= 、.IO   ・ 亠 ・ 異 な るレ ベ ル の 政 府 に 影 響 を 与 え る 様 々な 課 題 を 学 ぶ こ と ・ キ ャ ン ペ ー ン に 必 要 な タ ス クを 学 ぶ こ と( ポ ス タ ー作 りな ど ) ・ キ ャ ン ペ ー ン の 成 功 に必 要 な 考 察 や 問 題 と は 何 か を 学 ぶ こ と 政 府 に関 わ る 方 法 の 理 解 手続き的矢讖・ ス キ ル ・ 態 度 の 獲 得 丶-・ 〃 `一一l●・ / ル ー ム に て ) 1 地 方 政 府 ( パ ー ビ カ ン の 事 例 か ら ) ・ 地 方 政 府 か 供 給 し た サ ー ビ ス と は 何 か 理 解 す る こ と ・ 限 り あ る 資 源 内 で 出 さ れ た 結 果 を 誇 ら し《 思 う こ と ・ キ ャ ン ペ ー ン を 行 う 際 に 必 要 な 手 紙 を 書 く方 法 を 学 ぶ こ と ・ こ のよ う な 比 較 的 「T乾 い た 』 ト ピ ッ クに つ い て も 興 味 を 持 つ こ と 1 メ デ ィ アと 言 論 の 自 由 ・ 現 在 進 行 中 の 事 柄 につ い て 興 味を 持 つ こ と ・ 現 在 進 行 中 の 事 象 を よ り良《 伝 え る 方 法 を 実 演 す る こ と ・ 言 論 の 自 由 や 見 解 の多 様 性 , 世 論 を 伝 え 影 響を 及 ぼ す メ デ ィ ア の 役 割, 権 力 者 が 果 た す 説 明 に 関 し て の理 解を 深 め る こ と 現 在 の問 題 の 解 決 獲 得した矢[識・ 態 度 の 応 用

cited in Davies & Thorpe, 2003: 38) と い うCrick & Lister (1978) の 匚政 治 的 リ テ ラ シ ー」 の 考 え 方 を 意 識 し て い る よ う に 推 測 で き る 。 従 っ て , 教 師 A の 実 践 カ リ キ ュ ラ ム は , 知 識 ・ ス キ ル を 獲 得 し , 実 際 に 社 会 問 題 の 模 擬 解 決 と い う 形 式 で 応 用 す る と い う知 識 の 応 用 ・ 活 用 学 習 が 組 ま れ て い た と い え る。 圜  教 師 B: 知 識 獲 得 中 心 型 内 容 構 成 表 5 は 教 師 B の 単 元 匚地 方 政 府 」( 全 2 時 間 ) を示 し て い る。 本 単 元 の 中 心 は知 識 に あ り, 特 に , 内 容 的 ・ 手 続 き 的 知 識 の み に 焦 点 が 当 て ら れて い る 。 1 時 間 目 で 地 方 政 府 に 関 し て, 2時 間 目で 投 票 や 選 挙 につ い て の 内 容 的 ・ 手 続 き 的 知 識 を 獲 得 表 5 教師 Bの単元「地 方政府」(全 2時間) す る こ と が 求 め ら れ て い る。 但 し , 内 容 的 知 識 の 関 連 性 は 見 ら れ な い。 ま た , ス キ ル や 態 度 な ど は 重 視 さ れ ない 知 識 伝 達 型 の 内容 構成 で あ った従 っ て , 教 師 B の カ リ キ ュ ラ ム は, 教 師 A と 同 様 , 知 識 の 獲 得 を 重 視 し て い る も の の , そ れ は ス キ ル や 活 動 と は 切 り 離 さ れ た 形 で 教 授 す る も の と な っ て い る 。 皿  教 師 C: 知 識 ・ ス キ ル応 用 型 内 容 構 成 表 6 は 教 師 C の 単 元 厂地 方 政 府 」( 全 3時 間 ) を 示 し て い る。 こ こ で は, 最 初 の 2時 間で 内容 的 ・ 手 続 き 的 知 識 や ス キ ル を 獲 得 し, 最 後 の 1 時 間 で 知 識 や ス キ ル を 活 用 し て 匚公 的 生 活 に影 響 を 及 ぼ す た め に投 票 す る」 活 動 を 行 う こ と が 求 め ら れ て ( 網 掛 け 部 分 は 調 査 デ ー タ か ら の 引 用 。 そ れ以 外 は筆 者 作 成) 時 数 授 業 名 学 習 内 容 内 容 構 成 の 視 点 1 地 方 政 府 の 紹 介 ・ 地 方 政 府 と 連 絡 す る 方 法 を 知 る こ と ・ 地 方 政 府 の政 策 が ど の よ う に 決 定 さ れ る か を 理 解 す る こ と ・ 地 方 政 府 の 組 織 を 理 解 す る こ と 内 容 的 ・ 手 続 き 的 知 識 の 獲 得 1 ト レ ン ガ ー ス・ 夕 ウ ン ・ セン タ ー ・ ど の よ う に争 い が 起 こ る か , そ れ ら が 個 人 や コ ミ ュ ニ テ イに ど う 影 響 す る かを 理 解 す る こ と ・ 投 票 のプ・ セ ス や 様 々な レ ベ ル の選 挙 に つ い て 理 解 す る こ と - 145 −

(6)

表6  教 師 C の 単 元 「 地 方 政 府 」(全 3 時 間 ) ( 網 掛 け 部 分 は 調 査 デ ー タ か ら の引 用 。 そ れ以 外 は 筆 者 作 成) 時 数 学 習 内 容 内 容 構 成 の 視 点 1 ・ 投 票 や 選 挙を 含 む 地 方 政 府 の 主 要 な 特 徴 を 認 識 す る こ と ・ 地 域 のニ ー ズ が ど の よ う に 公 的 サ ー ビ スと 合 致 し て い る かを 認 識 す る ・ 調 査 ・ 計 画 し , 幅広 い 情 報 や 情 報 源を 用 い て 問 題 を 探 求 する よ う にす る こ と 内 容 的 ・ 手 続 き 的 知 識 の 獲 得 1 ・ 投 票 や 選 挙を 含 む , 地 方 政 府 の主 要 な 特 徴 を 認 識 す る こ と ・ 地 域 のニ ー ズ が ど のよ う に 公 的 サ ー ビ スを と合 致 し て い る か を 認 識 する ・ シ テ ィ ズ ン の 役 割 , 政 府 が 把 握 して い る 議 会 や政 府 の座 にあ る 人 を 理 解 す る こ と 内 容 的 ・ 手 続 き 的 知 識 の 獲 得 1 ・ 他 者 に 再 考 を 促 し た り, 他 者 を 変 え た り , 他 者 を 援 助 す る 際 の, 自 分 が 考 え る 意 見を 認 識 する こ と ・ 様 々 な 意 思 決 定 に 主 体 的 に 参 加 し, 公 的 生 活 に 影 響 を 与 え る た め に 投 票 を す る こ と 知 識 ・ ス キ ル の 活 用 ( 活 動 ) い る。 先 の 2 人 の 教 師 の 実 践 と は 異 な り, 厂参 加 す る こ と」 を 手 段 で な く, 内 容 と し て 設 定 し て い る と い う 点 に 特 色 が あ る 。 従 っ て , 教 師 C の カ リ キ ュ ラ ム は知 識 や ス キ ルを 獲 得 し, そ れ を 用 い て , 実 際 の 問 題 解 決 に 参 加 さ せ よ う と し て い る。 以 上 の 考 察 か ら , 3人 の共 通 点 と し て , 学 習 内 容 と し て , 匚知 識 」 の 重 視 を あ げ る こ と が で き る。 こ こ で の 「 ̄知 識 」 と は 匚政 府 」 に 関 す る 内 容 的 知 識 の みを さ す の で はな く, 政 府 に 関与 す る 方 法 な ど の 手 続 き 的 知 識 も含 ん で い る 。 相 違 点 と し て は , 教 師 A や C は ス キ ル の 獲 得 や 活 動 も 含 む が , 教 師 B は 知 識 の 獲 得 の み に 特 化 し て い る 点 で あ る。 カ リ キ ュ ラ ム に お け る 知 識 の 位 置 づ け が 教 師 に よ っ て 異 な る こ と を 意 味 し て い る 。 こ の よ う に, 知 識 ・ ス キ ル ・ 態 度 の 組 み合 わ せ方 , 構 成 法 は 各 教 師 に よ っ て 異 な る ので あ る。 3.学 習 方 法 学 習 方 法 に 関 し て は, 教 材 ・ 学 習 活 動 の点 か ら 検 討 し た。 (1) 現 在 進 行 中 で , 生 徒 を 刺 激 する 教 材 表 7 は 教 材 につ い て の 教 師 の 回 答 の 要 約 を 比 較 し た も の で あ る。 3人 と も共 通 し て , 特 定 の 教 材 を 用 い る こ と は せ ず , 多 様 な 教 材 を 組 み合 わ せ て 使 用 し て い た 。 ま た , 教 科 書 を 用 い て い な い と い う 点 で も共 通 し て い る。 例 え ば, 教 師 C の 単 元 匚地 方 政 府 」 の 1 時 間 表 7 教材につ いての教師 A/B/C 間の比較 目 の場 合 , 生 徒 達 は 「 ̄投 票 や 選 挙 を 含 む , 地 方 レ ベ ル の 政 府 の 主 要 な 特 徴 を 認 識 す る こ と 。 地 域 コ ミ ュニ テ ィ の ニ ー ズ と ど の よ う に そ れ が 公 的 サ ー ビ ス と 合 致 し て い る の か を 認 識 す る こ と 。 調 査 し 計 画 し , 幅広 い 情 報 や 情 報 源 を 用 い て 問 題 を 探 求 す る よ う に す る こ と 。」 と い う 学 習 内 容 を 習 得 す る た め に, 新 聞 記 事 や イ ンタ ー ネ ット の 検 索 な ど を し な が ら ,A 3の 紙 に マ イ ン ド マ ッ プ を 書 い て い く と い っ た 活 動 が 行 わ れ て い る 。 で は , な ぜ 教 科 書 を 用 い ず , 多 様 な 教 材 を 多 く 使 う の か 。 教 師 C は 次 の よ う に述 べ て い る 。

常 に物事 は変動 して います。 そ のた め,政 府

が何を してい るの かを 生徒達 は ウェブ サイト

を 用い たりし なが ら調 べ るのです …(中 略)

活 動的 かつ楽 しい授業づ くりとい うの は, 生

徒 達 が主 体的 に役割を 果た せた時 にはじ めて

達 成でき る ので す。

教 師 は , 現 在 , 係争 中 の 問 題 を 積 極 的 に用 い た り , 生 徒 の主 体 的 学 習 を 促 す た め に , ビ ジ ュ ア ル 教 材 や 地 元 の 教 材 な ど を 多 く 用 い た り し て い る こ と が 分 か る。 個 々 の 教 師 に よ っ て , 取 り 上 げ ら れ る 問 題 事 例 は 異 な る 。 表 4∼ 6で 説 明 し た 各 教 師 の 匚政 府」 の 単 元 事 例 で は , 教 師 A は, 実 際 , 学 校 の 周 辺 (筆者 作成) A B C ・ 教 科 書 は 一 切 使 用 し な い ・多 様な 教 材を用 いる( コン ピ ュータ ー, ウ ェブ サ イ ト, 地 域 教 材 な ど ) ・ 学習 活 動 に応 じ てな ん でも 使う ( ワ ー クシ ート , デ ィ スカ ッ シ ョン シ ー ト, テレ ビ ) ・ 教 科 書 はKS3 で は 用 い な い。 ・多 様 な 教 材を 用 いる ( ウ ェブ サ イ ト, マ ニ フ ェ スト , 投 票 用 紙 な ど) ・ 教 科 書 は 一 切 使 用 し な い 。

(7)

地域

で問

なった

ビカン

う娯楽

設の

閉鎖

をめ

ぐる問題

を取

り上

,現

実の

論争

問題

多く取

り上

げて

いる

。一方

,教師

Bは

,地方政

府の

組み

,現

行の

会構

を詳細

に説

たもの

,教師

Cは

くつかの

状況

を設定

しそれ

ぞれ

状況

での

処法

を考

させ

とい

うよ

,仮

上の

争問

く取

り上

げて

いる

って

,教材

点か

らは

,各

教師

多様

な問

事例

を用

いて

らで構

した

教材

を用

いて

を進

して

とい

える

(2

)コ

ミュ

ニケ

ョン

を重

した

習活

活動の

面か

らみ

,教

達は

,①

生徒

主体

的な

動や

,単

ごとに

多様

学習

いる

を重視

して

いた

。②

ィベー

トや

カッシ

ョン

,他

との

コミュ

ニケー

ョン

を重視

る傾

向に

った

。実

3人の

して

,グル

プ活

く用

られ

いる

した傾

向の

景には

,匚

他者の

なる意

ことが

認識

を深

るの

(教

A)

くよ

りも

,生徒

達が

しむ

(教

B)

どの

主体

学習へ

肯定

な意見

してあ

しか

した

動の

づけ

,各

学校

なる

。例

えば

「 ̄

政府

」単

元の

場合

,教

Aで

,グ

ルー

プ活

動は

,地方

政府

供給

サー

ビス

調べ

,メ

ィアの

調

をす

ど,

調

それ

に基

く発

どで

く使わ

いた

教師

Bでは

,地

方政

府の

策の

理解

票の

ロ,

セス

ある

してグ

プ活

られ

いた

。教

Cで

,個

での

処法

を考

えた

,ク

ラス

で妥

当な解

を吟

味す

とい

うよ

うに

,意

定に

ロセス

で用

られ

いる傾

向が

強か

った

この

うに

類似

した活

動が

られ

なが

らも

,そ

意図

は教

師に

て異

って

いた

特質

以上の

を踏

えて

,シテ

ィズ

ンシ

プ教

リキ

目標

・内

・方

違点

を示

した

もの

1で

ある

。明

らか

た特

を説

してお

こう

形態

各学校

で異

って

いた

,実践

ラム

容に

くの

共通

点が

一定程

度の

ンセ

ンサ

とが

った

それ

目標

レベル

では

,シテ

ィズン

シッ

プを地方

・国

世界

レベルという空間的に多元的なもの

して捉

えてお

,政治的

リテラシー

を基本的に踏まえて

いる

。また,学習内容

レベルでは,類似

した概念

をベ

ースに

した単元が行われ

てお

り,知識

を基盤

した内容構

成が

とられ

いる

。方法

レベルでは

生徒の

主体

的な学習を促進

しようと

していること

があげられ

。従って

,対象となったイング

ラン

ドの教師達は

,多様

な空間

レベルの

シティズン

主体

・能動的になるよう,多様な学

習方法を用

いて育成

しようと

してお

,類似

した概念を共通

基盤と

して有

しているといえる

こう

した共通点は

,シティズンシップ教育導入

以前の

イング

ラン

ドの状況

を調査

した

2つの研究,

Davies et al.

(l

999)

及びKerr

(1999)

と異なるも

となっている

。 Davies et aL(1999)

では,イン

グラン

ドの教師が

目標

して抱

,学校で育成す

きシティズンシ

ップのお

り方は匚

感情」を中心

した道徳的要素が強

いことを明らかに

した

。ま

た,

Kerr

(1999)

,学習方法において,イング

ラン

ドの教師は比較的保守的傾向が強

,伝統的

講義法をその代表的方法と

していた

。従って

,3

人の教師に見

られ

た共通点は

,シテ

ィズ

ンシップ

教育導入後

,新たに教師間に浸透

した傾

向である

といえるのでは

ないか

次に相違点に注目

しよ

。学習目標

においては

ゆるやかな共通

点はあるが

,各学校で独

自の視

が加えられ

ている点が

あげられ

。例

えば

,教師

Bはアイデンティティ育成重視の傾向

,教師C

は参加重視の傾向である

。また,学習内容

・方法

ついては

,類似

した概

念や

多様

な教材

・学習活

動などを用いながらも

,それ

らの構成の仕方は各

学校

で異なるもの

とな

っていた。

最後に

,学習

目標一

学習内容

学習方法とで比べ

てみ

ると

,各教師の学習目標の

多楡陛に比べ

て,

学習内容

・方法が類似

した傾

向に

あるといえる。

つま

,学習目標が

どうであるかに関わ

らず

,学

習内容面では類似

した概念

を取

り上げ

,学習方法

面では生徒が

主体的

・能動的に取

り組む活動が行

われ

いるという点で類似

した傾

向を有

して

いた

本来

,目標か

ら学習内容

・方法は決定

される

考えられ

るため

,学習内容

・方法と行くほど差異

― 147

(8)

図1 

対象教師の

カリキュラムの特質

大す

と考

られ

しか

し,本調

査の

,実践

リキ

ラム

は内

・方

法の

は各教

で異

るが

,内

・方法の

全体

方向性

それ

自体

類似

した

もの

を見

いた

この

うに教

師が

ィズ

プ教

育の

学校

した

リキ

ュラム

主体

性の

重視

うよ

うな

一定の

共通

性は

して

るが

,学

内容

・方法の

法は

師間

く異

うと

ころが

とい

える

IV.考察

では

,なぜ

,教師達はこうしたカ

リキュラム

作成

したのか

。この

共通点

・相違点を,教師が各

項目の

設定の

理由と

して回答

したもの

を手がか

に考察

しよう

1.共通点の背景

調査の結果

,3人の教師達のカ

リキュラム

には

多楡歐が

ある

ことが分かったが

,一定の共通点も

られ

。その

要因と

して考

えられ

るのが

,ナ

ナル

・カ

リキュラムの存在である。例

えば,学習

目標に

ついて匚

なぜ選んだか?

」についての教師

Cの回答は次の

ようなものであった。

:ナ

ョナ

・カ

リキ

ラム

よれ

(筆者作成)

,私

カバー

しな

いけ

い色々

なポ

:それ

トが

あるの

らか

です

にナ

ョナ

・カ

キュラムの影響です

:学

目標

,例

えば匚

主主

正義

まれ

とか匚

すが

これ

と責

らはナ

ョナ

いった

・力

こと

リキ

ュラム

に書かれ

いる

ことと同

じです

(下線部は筆者による)

以上か

らナシ

ョナル

・カリキ

ュラムが各教師の

リキ

ュラム作成に強

く作用す

るといえるだ

ろう。

。相

点の

しか

,3

人の

共通

るの

,大

まか

枠組

のみ

,その

法や

容の

一部

各教

って異

って

いる

。で

,各教

どの

うに

それ

らを決

して

いるか

。紙

面の

なぜ

この

うな単

元名に決

したか

事例

にす

ことで

,その

一端

を探

りた

師Aはナ

ョナル

・カ

リキ

ュラム

以外の

いて

次の

うに

述べ

いた

教師A

:概念的により難

しくなるよ

うに配

(9)

しています

(ナシ

ョナル

・カ

リキ

ュラ

)には

7年

・8年

・9年で学習すべ

きこ

とが書かれ

てあ

ります

。その中から,9年

には最も難

しい概念をあてています

。同時

9年生はキャ

リア学習を行わ

ないといけ

ないので

,他学年と比べて少

(シテ

ィズ

ンシップの

)内容

を減

らす

ことにな

ります

,①

師の

いる子

どもの

習観

,キ

リア

学習

を9

年で

とい

う②

学校

どが決

反映

して

いる

これ

に対

して

・Cは

次の

うに答

えて

いる

:私

ちは

,どの

トピックが

どの

年の

生徒の

くか

を検

します

。な

,それ

主体

に学

に取

り組

む際

非常

重要

と考

えるか

らです

教師

:K

3の

生徒

と比

して,

KS 4の

生徒

り成

して

います

(…)その

め,

KS 4の

生徒

では

,政

治的

リテ

ラシー

ことよ

りも

,どの

うに

キャ

ンペー

った

,政府

対抗

るた

めに

う参

すべ

きか

を考

えた

りす

るの

つま

,教師

・Cは教師の子

ども観やシティ

ズンシップ教育は活動的であるべきという教師自

身のシティズンシップ教育観に基づいて

,決定

ているといえる。

以上の

考察か

,教

師A

Cの

作成

した

リキ

ラムの相違点はこう

した学校の状況や教師の子ど

も観などの要

因を基に判断

しているのではないか

つま

,イングラン

ドのシティズ

ンシ

ップ教師は,

ョナル

・カ

リキュラムのユーザー

ではなく,

生徒の

主体性や学校の状況

を鑑みなが

,自らの

シテ

ィズ

ンシッ

プ教

育観

を踏ま

えて

自らの

リキ

ラム

を構成するデザイナーであることが要請され

いるのである。

。研

究の

と課

究で

,イ

ング

ドの

シテ

ィズ

ンシ

を行

3人の

教師

への

調

を分析

した

研究の結果

,3人の教師はそれ

ぞれ異なる目標観

を持っているものの

,学習内容

・方法は類似

した

内容の要素を見せ

,それ

らの要素を用いて個々の

カリキ

ュラム構成を行

うことが明らかになった

具体的には

,多様な空間

レベルに基づ

くシティズ

ンを

,知識

をベースに

しなが

らも,主体

・能動

的に育成

しよ

うとする点である

。また

,こう

した

実践カ

リキュラムの構成の

共通基盤にはナシ

ョナ

・カ

リキュラム

が影響

を与えており,各教師は

個々の学校や子

どもの状況を踏まえてそれ

らを取

捨選択

,編成

していくことが明らかになった。

従来の

研究で扱われ

てきた固定

されたカ

リキュラ

ムは

あくまで基盤であ

,それ

らは教師によって

再構成されているといえる。

最後に

,研究とその成果が

日本の社会科教育学

に与える示唆

をまとめ

ておきた

。イングラン

など諸外国と比較すると

,日本の実践現場では,

教科書が実践カ

リキュラムに

与える影響が大

きい

ため

,画一的な学習内容が提示され

ているのでは

ないかとみなされ

てきた

。 

しか

し,近年岩田ら

(2008

)の研究か

,社会科教科書が実践カ

リキ

ラムに与える影響は教師

ごとに異なることが明

かに

され

。そのため,学習指導要領や教科書が

実践に与える影響は強いとはいえ

,各教師が各学

校で行

う社会科カ

リキュラム構成やその

主張は

様な要因に依拠

していると予想できる

。その際

本研究の

方法論

を援用す

ると

,各教師が独

自に行っ

ている実践カ

リキュラムの作成

プロセス

を明らか

にす

ることが

できる

。これは

,学習指導要領や教

科書

を実践現場の視

点か

ら見直す

ことを可能にす

るだ

ろう

。また

,本研究で得

られた調査結果との

比較で

,日本の実践

リキ

ュラムの特質も明

らか

にで

きるのでは

ないか

本研究が

したものは

,実践

カリキュラム研究の

一段階目にす

ぎない

。そのため

,今後の

研究課題

して

2点をあげておきたい。

① 

授業実践上の記録か

らの検討

。授

業実践現場

では

,教師と子どもの相互作用に

より教師の

組み

を超

えた新たなカ

リキ

ュラム

が作成され

業実践記録か

らの

吟味が必要であろうO

② 

関係の

教師作成カ

吟味。今回は,サ

リキュラムと教師

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・学校の背景

― 149

(10)

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・学校

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1 

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2 

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ビン,

1999)

3 

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・カ

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ュラム

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・内容

・方法

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リキ

ュラム

の軸

テー

マと

して

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である

。(DfEE / QCA,

1998)

4 

トラ

ドとは

,註

3で述べ

た2007

年版ナ

ョナ

・カ

リキ

ュラム

構成

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5 

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ィズ

プ教

育が

定教

して設

され

いる

は,

KS

3

・ 4

(11

∼16

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表 3  単 元 名 に つ い て の 教 師 A/B/ C 間 比 較 * O 内 は対 象 生 徒 の年 齢 を 表 す 。 教 師 B は指 定 な し 。 A B C コミ ュ ニ テ ィ/ 偏 見 (11 〜12 ) 権 利 と 責 任 (12 〜13 ) 政 府 (12 〜13 ) グ ロ ー バ ル ・ コミ ュ ニ テ ィ (13 〜14 ) 刑 事 裁 判 の仕 組 み (13 〜14 ) 消 費 者 の 権 利 (14 〜15 ) コミ ュニティ/アイデンティティ(14 〜15 ) 国
表 4  教 師 A の 単 元 匚 政 府 」( 全10 時 間) ( 網 掛 け 部 分 は 調 査 デ ー タ か ら の 引 用 。 そ れ以 外 は 筆 者 作 成) 時 数 授 業 名 学 習 内 容 内 容 構 成 の 視 点 3 投 票 と は い か に 大 切 であ る か? ・ 民 主 的 プ・ セ ス に 関 心 を 持 つ こ と ・ 探 求 & コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の ス キ ルを 発 展 さ せ る こ と 興 味 の喚起 学 習 ス キ ル の 獲 得 勦 機

参照

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