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音楽科教育における日本の伝統音楽の指導法に関する研究:―序破急を視点として―

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Academic year: 2021

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(1)音楽科教育における日本の伝統音楽の指導法に関する研究.        一序破急を視点として一          教科・領域教育学専攻           芸術系(音楽)コース.               M09187D              佐々木 恵理 はじめに. より日本の伝統音楽に関する記載の部分を.  今日の音楽科教育において学習指導要領. 抜粋し、その変遷を考察した。. に示されているように、主に中学校課程に. 第2節 日本の伝統音楽に関する指導内容. て和楽器の学習が必修となった。しかしな. の現状一アンケート調査の結果より. がら、現在学校現場で指導に当たっている.  全国47都道府県より小中学校を1つず. 教師のほとんどは西洋音楽を主に学んでき. つ無作為に選び、計94校に対しアンケート. ていて、日本の伝統音楽を中心に学んでき. 調査を実施した。その結果と自由記述から. た教師は少ないように思われる。このよう. 見る現在の日本の伝統音楽の指導実態をみ. な状況の中、いきなり和楽器を指導するよ. る。. うにといわれても難しいであろう。この結. 第3節 日本の伝統音楽の指導課題. 果からか、現在は「期待された状況とは程.  アンケート結果及ぴ学習指導案から見え. 遠く、実施されているとはいえ、和楽器の. た日本の伝統音楽に対する指導課題を分析。. 体験講座のようなものに終始しているのが ほとんどである。. 第2章 日本の伝統音楽の類型一小泉文.  日本の伝統音楽で特に能において特徴的. 夫・囲申健次の分類に基づいて一. であるのが序破急である。だが、この序破. 策1節 日本伝統音楽の類型. 急は能だけで使われたものではなく、雅楽.  日本の伝統音楽をジャンルごとに分類し、. が伝来した時に同時に入ってきたものであ. その一覧を記載した。その中から第1章の. り、日本のあらゆる伝統芸能・伝統文化に. アンケート調査より授業での使用率が高い. 影響を与えた。日本の様々な伝統音楽もこ. ものを第2節以降取り上げる。. の序破急の影響を大いに受けている。. 雅楽(成皿までとその内容).   本研究では音楽科教育における日本の. 第2節 第3節. 伝統音楽の指導法に関して序破急を視点と. 第4節. 箏曲(成立までとその内容). した指導法の開発を目的とする。. 第5節. 能楽(成立までとその内容). 第6節. 三味線音楽(成立までとその内容. 第1章音楽科における日本の伝統音楽の取り扱い. 声明(成立までとその内容). 及びジャン)に関して。.  第1節 教育課程に見られる日本の伝統 音楽の位置づけ.  南和26年試案から現行の学習指導要領. 第3章 序破急理論に関しての美学的考察 第1節 序破急の定義. 一358⊥.

(2)  序破急の歴史・発展及びその定義につい. 洋の音楽史に触れることはあっても日本の. て著書を基に定義付けされたものを論述し. 音楽史に触れることはほとんどない。その. た。. ような経験を義務教育期間及び高等学校教. 第2節  r雅楽」のなかにみられる序破急. 育において受けてきた人も多かったであろ. 第3節 「箏曲」のなかにみられる序破急. う。そんな中で必修となった和楽器の指導. 第4節 r能」のなかにみられる序破急. である。一番の混乱を招いたのはいうまで. 第5節 r三味線音楽」のなかにみられる序破急. もなく現場の教師であろう。実際に触った こともなく、演奏の仕方も分からない、楽. 第4章 序破急を視点とした日本の伝統音. 譜の読み方も違うなど大変な苦労があった. 楽の新しい指導法. ことが想像できる。. 第1節 音楽科教育における日本の伝統音.  しかし、本論で取り上げた『序破急」は. 楽の位置づけ. 全ての伝統音楽の基礎を担っているので、.  第1章第1節に記載した学習指導要領に. 伝統音楽に1つの筋が通ることになる。r序. 解説版を加えた現行の音楽科教育における. 破急」の理論を使えば、日本の伝統音楽の. 日本の伝統音楽の位置づけ及び今後の位置. 本質を教えることも可能になり、教える幅. づけを論述した。. が広がっていくものと考える。r序破急」は. 第2節 八橋検校について. 本論中でも取り上げたように、日本のあら.  今回の研究において使用する《六段の調. ゆる伝統文化・伝統芸能に影響を与え、現. 》の作曲者である人橋検校について. 代の日本人の中にもひとつの大きなリズム. 第3節  「六段の調」の教材分析. として存在しているのである。物事を話す.  六段の調の音楽科教育への適切性や六段. 時にも「序破急」が使われている。. の調全体に見られる共通事項及び序破急に.  現在では多くの学校において和楽器の音. 関してを楽曲分析から見る。. が校内に響くようにはなってきたが、これ. 第4節  「六段の調」の指導過程. からは楽器を経験するだけではなく、日本.  日本の伝統音楽の指導法に関して全4時. の伝統音楽の本質を教育していくことが必. 間と設定し、その学習指導案の展開部を考. 要となってきている。その1歩として、中. 案した。. 学校学習指導要領の共通事項にも記載され ている「序破急」が手掛かりになってくる. おわりに. のではないだろうか。.  学習指導要領にこの和楽器の指導が必修.  日本の伝統音楽の本質である『序破急」. となる記載がなされるまで、日本人であり. を理解し、日本の伝統音楽の表現、「序破急」. ながら日本の伝統音楽や楽器に触ったこと. を理解したうえでの鑑賞や創作との関連を. がないという人が多かった。西洋音楽の作. 図った実践が今後の課題である。. 曲者は知っていても、日本の伝統音楽の作 曲者は知らない。西洋の楽器は知っていて. 主任指導教員 草野次郎. も日本の楽器は実際に見たことがない。西. 指導教員岡本信一. 一359一.

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