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高等教育機関における聴覚障害学生のための情報保障の取り組み : 聴覚障害学生本人の視点から検討

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(1)平成23年度. 学位論文. 高等教育機関における聴覚障害学生のための      情報保障の取り組み  一聴覚障害学生本人の視点から検討一. 兵庫教育大学大学院 特別支援教育学専攻. M110093H. 学校教育研究科 心身障害コース. 小河雄嗣.

(2) 目 次. 第1章問題と目的   1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  1   2.聴覚障害学生の高等教育機関への進学の歴史・・・・・…  2   3.情報保障体制の課題・・・・・・・・・・・・…  ’’’5   4.支援体制上の課題・・・・・…  ’.’’’’’’’’’6   5.本研究の目的・・・・・・・・・・・・・・…  ’・’.8. 第2章方法・・・・・・…. ・・・・・・・・・・・・・…. @ 9.   1.調査対象者   2.手続き.   3.調査内容. 第3章結果   1、対象者の基本属性・・・・・・・・・・・・・・・・…  10   2.情報保障の認知度・・・・・・・・・・・・・・・・…  12   3.所属する大学での聴覚障害学生人数や情報保障制度・…  13   4.情報保障制度の満足度について・・・・・・・・・・…  17.   5.情報保障制度の理解度について・・一・・・・・・…  21   6.理想の情報保障制度について・・・・・・・・・・・…  25   7、理想の学習支援について・・・・・・・・・・・・・…  26   8.自由記述について・…  .....’’’’’’’’’’27   9.クロス集計による分析・・・・・・・・・・・・・・…  28 第4章考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  49 引用文献・参考文献 巻末資料 謝辞.

(3) 第1章. 問題と目的. 1.はじめに  文部科学省学校基本調査の聴覚特別支援学校高等部 卒業後の進路調査(2005∼2010)や日本学生支援機構 による障害学生就学調査(2006∼2010)によると、聴 覚特別支援学校高等部卒業生や地域の普通学校に通う 聴覚障害生徒の中で大学や短期大学など高等教育機関 へ進学する数が増加している。現在、大学や短期大学. など高等教育機関に在籍する聴覚障害学生は1527名 いる。また、日本学生支援機構による障害学生就学調. 査(2006∼2010)によると、2006年は1174名、2007 年は1326名、2008年は1422名、2009年は1482名、 2010年は1527名いるとされており、ここ5年間で353 名と増加傾向であった(図1)。 1800. 11600=              1482   1527.             1422 1326 1400 1200. 1174. 1000.. 800. 6001 400=. 200.  0…. 図1. 2006         2007        2008         2009         2010. 高等教育機関に在籍する聴覚障害学生数の変化    (日本学生支援機構,2011). ・1・.

(4)  聴覚障害学生が在籍する高等教育機関は377校あり 全体の30.9%で、その内の285校(75.6%)の大学で 何らかの聴覚障害学生支援が行われている(日本学生 支援機構,2011)。.  大学の講義は、高等学校までの授業とは違い、教科 書や板書など視覚的な情報が少なく、専門的な内容を 少ない資料で、また音声のみで行われる場合が多い(菊 川ら,2009)。そのため、情報保障のない聴覚障害学生. は、口話のみで講義が理解できず、講義終了後に友達 にノートを見せてもらったりして、自分で勉強するし かない。聴覚障害学生の学習の権利を保障するために、. 情報保障は必要不可欠なものである。また、情報保障 が行われている場合であっても、被保障者である聴覚 障害学生の二一ズの把握、保障者である支援学生の要 請、ノートテイクやパソコンテイクをはじめとする情 報保障手段の検討、各関係者間の連携、講義担当教員 の聴覚障害についての理解や授業での配慮など、課題 は多い。また、講義以外の各種ガイダンス、各種実習、. 学生生活全般にわたる聴覚障害学生への支援も必要不 可欠であるが、十分な支援体制が整えられている大学 は少ない現状にある(浦部ら,2011)。. 2.聴覚障害学生の高等教育機関への進学の歴史  小畑(1991)によると、聴覚障害学生の高等教育進 学のきっかけは、聴覚障害者を聾学校の教員に登用す. 一2・.

(5) るため、聾学校教員養成機関に特別に入学が許可され たことに始まるとされる。聴覚障害学生の高等教育機 関への進学が進んだのは、東京教育大学付属聾学校(現 筑波大学付属聾学校)高等部で普通科教育が本格化し た1960年代に入ってからである。しかし、受験するの も難しく、入学を認められない場合も多かった。また、. 進学後は情報保障などの受け入れ態勢が整備されてい なかったなど、聴覚障害学生の学習上の困難さの問題 が目立った。.  1970年代には、聴覚障害学生はr板書をノートに書 く」「友人のノートを見る」ことで講義内容を一部理解. し、あとは教科書・参考書でなんとか講義内容を理解 していた。補聴器などの性能も上がってきたとはいえ、 講義内容を完全に理解することは困難であった。また、. 大学側は文部省や日本学術会議などの専門機関での動 きを受けて身体障害者の受け入れを検討する委員会を 設置するなど、重度の障害者が高等教育機関に受け入 れられていく状況が作られつつあった。.  1980年代になると、r友人のノートを見る」r友人に 手話通訳を依頼する」などの支援を受ける聴覚障害学 生が増え、手話通訳やノートテイクなどの情報保障手 段が講義を理解する方法の一つとして挙げられるよう になった。しかしながら、なお講義の情報保障を行う 大学はまだまだ少なかった。施設などの整備が自明で ある車椅子使用者や盲学生と比べて、聴覚障害学生へ. ・3・.

(6) のサポート方法が確立出来ていなかったため、学生自 身から要求がなされないことや、要求しても認められ ないことが多く、聴覚障害学生本人や親しい友人らの 努力に負っていた。.  このような状況から、1950年代に入って、聴覚障害 学生の情報保障を求める運動が活発になってきた。情 報保障などの学習支援を行っていなかった大学で学ぶ 聴覚障害学生本人が、講義における情報の入手のハン ディキャップを問題視し、聴覚障害学生本人の学習権 に基づき、大学側に情報保障を求める当事者団体の運 動を始めたのである。. 表1 聴覚障害学生当事者団体の活動の沿革    (全目本ろう学生懇談会,2001) 1959年近畿ろう学生懇談会設立 1961年関東ろう学生懇談会設立 1975年近畿聴覚障害学生懇談会に改称 1976年関東聴覚障害学生懇談会設立 1981年第1回全国聴覚障害学生の集い開催 1984年関東学生情報保障者派遣委員会設立    (現関東聴覚障害学生サポートセンター) 1985年東海聴覚障害学生懇談会設立 1986年全目本聴覚障害学生懇談会連合設立 1993年近畿聴覚障害学生懇談会派遣局設立 1997年全日本ろう学生懇談会設立. 一4・.

(7)  表1のように、大学で学ぶ聴覚障害学生とその支援 者が中心となって情報保障を求める運動が始められた。 1959年にr近畿ろう学生懇談会」が設立された。それ を契機に運動を活発になり、以降関東・東海地域にも 学生懇談会が設立された。1986年には、「全国聴覚障 害学生懇談会連合」が設立された。また、関東・東海・. 近畿以外の聴覚障害学生も増え、北海道・四国・九州 地域にも学生懇談会を設立しようと動きが大きくなっ た。1997年には、北海道から九州まで全国各地に学生 懇談会を持つ団体「全目本ろう学生懇談会」が設立さ れ、全国的な運動へと広がっていった。現在では、聴 覚障害学生当事者たちと大学側の双方の努力の結果、. 多くの高等教育機関では聴覚障害をはじめ障害学生に 対する学習支援の取り組みが行われるようになり、情 報保障の体制が構築されつつある。. 3.情報保障体制の課題  聴覚障害学生の情報保障の手段として、多くの大学 で行われているのが、教員の話をルーズリーフなどに 書き取るノートテイクがある。白澤(2005)によると、. 現在または過去に聴覚障害学生が在籍している・在籍 していた大学が講義上でのサポートとしてノートデイ カーを配置しているところは、44.4%あるとされてい る。.  ただ、白澤(2008)によると、聴覚障害学生は、聴. 一5・.

(8) 覚に障害を持っため、なお様々な困難さに遭遇してい ることが報告されている。具体的には、講義やゼミ、. 実験、演習といった学習場面における情報保障の不整 備、教員や他の学生とのコミュニケーションの難しさ、 社会への理解のなさなどである。.  聴覚障害学生から、講義やゼミ、実験、演習といっ た学習場面での情報保障の要望が高まり、手話通訳、 文字通訳(要約筆記、ノートテイク、パソコンテイク). など、それなりの支援体制が整備されつつあるが、情 報保障者の不足や高度な内容を含む専門科目での情報 保障の困難さなどから、聴覚障害学生が必ずしも十分 な支援を受けられずにいるのが現状である(石原ら, 2001;加藤ら,2008)。. 4.支援体制上の課題  日本においても、古くより障害学生を積極的に受け 入れている私立大学や、聴覚障害学生を受け入れる国 立筑波技術大学がある。しかし、総じて大学における 障害学生支援への取り組みは、まだ始まったばかりで あり、試行錯誤の段階である(石田,2005)。支援体制、. 方法、意識など、様々な見地から今後検討すべき課題 が数多く残されている。例えば、石原ら(2001)は、 手話通訳、リアルタイム文字呈示、要約解説という 3. 種類の講義支援法を取り上げ、学習場面における情報. 保障について方法論的に検討した。その結果、受講学. ・6・.

(9) 生の手話及び口話の読み取りや情報保障の方法に対す る個人差に配慮しなければならないこと、板書やプリ ント、字幕といった文字情報に関しては多くの聴覚障 害学生がこれを望んでいることが示された。一方、講 義内容の理解をはかるために教員自身が障害に配慮し た授業展開をすることの必要性も示唆された。.  また、日本学生支援機構(2005)によると、障害の ある学生に対する支援策が標準化されておらず、整備 水準が明確でない状況にある。さらに、障害学生受け 入れのノウハウもなく、その対応が求められている。. その他にも、大学などにおける障害学生の修学支援に かかわる専門的な知識と技能を持っ障害学生修学支援 コーディネーターの配置の必要性や、支援学生の安定 的確保と、質の向上などといった支援体制上の課題も ある。また、上記のような情報保障が十分に得られず にいる聴覚障害学生もなお多くおり、彼らに対する心 理的な支援も充実しているとはいえない。例えば、大 学に入ってはじめてサポートを受ける聴覚障害学生が 大半であり、未知の経験に対する戸惑いが大きく、最 初からスムーズに支援を受けることができる学生はま れであろう。また、サポートを受けて授業を理解でき るようになる半面、サポートによって自身の障害とも 向き合わざるを得なくなり、その結果心理的葛藤が生 じてくることもあるだろう (吉川,2008)。. 一7・.

(10) 5.本研究の目的  高等教育機関に在籍する聴覚障害学生が満足した授 業を受けられるためにはどのような配慮や工夫が必要 なのだろうか。それにはまず、講義やゼミのあり方・. 演習など様々な場面ごとで望ましい情報保障や学習支 援のあり方について、明らかにする必要があるだろう。. また、聴覚障害学生自身がそれらをどう捉えているの か、聴覚障害学生がおかれている状況や困難さに則し て課題を明らかにする必要があろう。  そこで本研究では、まず高等教育機関に在籍する聴覚. 障害学生に対する情報保障体制の現状を明らかにする。 そして、聴覚障害学生自身の学習の現状も明らかにし、 聴覚障害学生にとって望ましい情報保障体制・学習支援 のあり方について、自身の経験を踏まえ、聴覚障害学生 の視点から考察していくことを目的とする。. ・8一.

(11) 第2章 方法 1.調査対象者  高等教育機関(大学、大学院、短期大学)に在籍す る聴覚障害学生63名であった。 2.手続き.  調査実施期間は、平成23年7月から9月であった。 主として、全目本ろう学生懇談会という聴覚障害学生 団体を通して調査協力を依頼し、協力の意向を示して くれた聴覚障害学生に調査用紙を直接酉己布して回収し た。また、それ以外にも協力の意向を示してくれた聴 覚障害学生には、直接配布して後日回収した。合わせ て100部が配布され、63部が回収された(回収率63%)。. 3.調査内容  質問紙の主な内容は、以下のとおりであった(調査 用紙は巻末資料に示した)。. ①基本属性(性別、地域別、文理別、学年、平均聴力  レベル、失聴時期、ろう学校の経験の有無、普通学  校の経験の有無、難聴学級の経験の有無など) ②情報保障の認知度・利用頻度 ③高等教育機関に在籍する聴覚障害学生の人数 ④情報保障制度(通常講義、語学系、演習、実技、実  験)とそれぞれの情報保障制度の満足度・不満 ⑤望む情報保障体制と学習支援について ⑥情報保障や学習支援に対する意見についての自由記述. ・9一.

(12) 第3章 結果 1、対象者の基本属性  対象者の性別は、男性28名(44%)女性35名(56%). であった。対象者が在籍している大学の地域を図2に示. した。北海道2名、東北2名、関東20名、北信越4名、. 東海13名、近畿12名、四国3名、中国1名、九州6名 であった。対象者は、特定の地方に偏らず全国に渡って いる。. O%          20%         40%          60%          80%.   ■北海道■東北6関東国北信越口東海口近畿團四国国中国困九州.    図2 対象者の在籍する大学の地域別  対象者の在籍する大学・学科を文理別に図3に示した。 文理別では、文系47名(74.6%)、理系16名(25.4%). であった。内訳は、文系では、福祉系20名、文学系10 名、教育系3名、社会系3名、芸術系3名、その他8名、. 理系では、情報系5名、理学系4名、工学系2名、薬学 系2名、その他3名であった。在籍する大学・学科は、 広範囲にわたっていたが、文系が4分の3を占め、その 中でも福祉系に多く在籍していることが分かった。. ・10・.

(13) O%          20%         40%          60%          80%         100%.    ■福祉系 ■文学系密教育系口社会系 口芸術系 日その他. 0%   20%  40%  60%  80%  100%1      ■情報系■理学系図工学系図薬学系口その他.  図3 対象者の在籍する大学・学科の文理別.  対象者の学年は、1回生7名、2回生11名、3回生 20名、4回生19名、5回生!名、院1回生4名、院3回 生1名であった。.  対象者の平均聴力レベルは、100dB以上が46名、 90dB以上が12名、80dB以上が4名、不明1名であっ た。重度の聴覚障害学生が半数以上を占めていた。. 対象者の失聴時期は、生後(生まれつき)∼3歳未満. が55名、3歳以降が8名、不明!名であった。比較的 早期に失聴した聴覚障害学生が多かった。.  対象者の高等教育以前に在籍した教育機関の回答結 果を図4に示した。小学校レベルでは普通学校が多く、. ・11・.

(14) 高等学校レベルではろう学校が多かった。また、普通 学校(小学校・中学校・高等学校)に一貫して在籍し た聴覚障害学生は、23名(37%)、ろう学校(小学部・ 中学部・高等部)に一貫して在籍した聴覚障害学生は、. 24名(38%)であった。小学校や中学校で通常学級や 難聴学級に在学していた聴覚障害学生が、中学校や高 等学校でろう学校に転校する傾向が見られた。 39. 小学校. 25 30. 中学校. 26. 1高等学校. 0     5     10    15    20    25. 30 35 40 451.       ■■普通学校 回ろう学校. 図4 高等教育以前に在籍した教育機関 2.情報保障の認知度  「情報保障」という言葉の認知に関しては、「知ってい る」が62名、「知らない」が1名であった。「情報保障」. という言葉を知った時期に関しては、小学校時代が3 名、中学校時代が7名、高等学校時代が32名、大学時. 代が19名、無回答1名であった。半数が高等学校時代 に知り、また大学生になってから知る聴覚障害学生も 多くいた。. ・12・.

(15)  知ったきっかけに関しては、r学校の先生から」16 名、「大学入学後」10名、r団体から」9名、rオープ ンキャンパスで」7名、「先輩・友人から」5名、「小 学校・中学校・高等学校の取り組みから」4名、r本・ TV・インターネットから」3名、「家族から」2名、「覚. えていない」2名、不明4名であった。このように、 様々なきっかけからr情報保障」という言葉を知った ことが分かった。高等学校時代では、大学受験という きっかけ(学校の先生や取り組み、大学のオープンキ ャンパス)で「情報保障」という言葉を知った聴覚障 害学生が多く見られた。大学時代では、入学後のオリ エンテーションや聴覚障害学生団体からなどで「情報 保障」という言葉を知った聴覚障害学生が多く見られ た.。. 3.所属する大学での聴覚障害学生の人数や情報保障 制度について.  所属する大学・大学院内に在籍する自分以外の聴覚. 障害学生の人数は、大学生では、1人が5名、2∼5 人が16名、6∼10人が7名、11人以上が25名、不明 が2名、「いない」が7名、無回答が1名であった。11 人以上在籍している大学は、筑波技術大学、筑波大学、. 帝京大学、淑徳大学、長野大学、日本福祉大学、四国 学院大学の7大学であった。逆に、rいない」あるいは. 1人在籍している大学では、国公立大学で占められて. 一13一.

(16) いる傾向が見られた。大学院生では、1人が2名、2. ∼5人が8名、6∼1O人が2名、11人以上が0名、不 明が5名、「いない」が45名、無回答が1名であった。. 大学院生は、筑波技術大学と筑波大学、教育系大学院 で占められている傾向が見られた。.  所属する大学・大学院の情報保障制度に関しては、 「制度がある」59名(93.7%)、「制度がない」4名(6,3%). であった。また、その内の58名が情報保障制度を受け、 5名が受けていなかった。.  大学の情報保障の方法に関して図5に示した。ノー. トテイク54名、パソコンテイク34名、手話通訳36 名、その他(遠隔地情報保障7名、文字起こし20名、. 0HP5名、FM補聴器3名、OHC3名、講義ノート2名、 板書1名、音声認識人力ソフト1名)であった。ノー トテイクとパソコンテイク、手話通訳の3つの制度が 主流であることが分かった。. 160154         36      34               20.  イ“/   !♂〆“ m   〆 、・. 1  。一〕.    1^.     図5 大学における情報保障の方法. ・14・.

(17) 各講義ごとの情報保障制度について図6に示した。 31. 60・49. 501. 251. 31. 301 101. …止’、. 9. 51. 0一.      ≡         η      {      1        ト      、      一      {        イイ      .      ■      一      ]      1 \一」      5      −.   つ   ト.  イイ  \一」 ノ 〃 1■.     蝉.      1/”      一■      1 1. 1. ■語学系. ■通常講義. 19. 20」19 15≡. .U…∴上.∴二、吉、1.. 16= 14:. 14. 13. 12110. 15 j 10. 10=. 101. 51. 雌1べ.   刊   ト.  イイ  \一」.   ノ 〃 11。一〕. / 〃. 1。一〕.      一      一      一      「      =      コ      1      一      一. l 1・. r.. ■実技(体育など). ■演習(ゼミ) 一・・一・. q・… 一・  一・. 22. 151  110.      1      一      ■      一.   つ   ト.      ■      一      「      」      一      ■      一      一      ■      ■.  イイ  \一」 ノ 〃. r。一〕. 1   一. ●実験. 図6. 各講義ごとの情報保障制度. ・15・.

(18)  通常講義での情報保障制度に関しては、ノートテイク. 49名、パソコンテイク31名、手話通訳14名、遠隔地情. 報保障6名、文字起こし11名、OHP3名、FM補聴器2 名、講義ノート2名、プリント2名、OHC1名であった。 通常講義では、半数以上がノートテイクとパソコンテイ クで講義を受けていることが分かった。.  語学系〔英語、中国語などの外国語授業〕の講義での 情報保障制度に関しては、ノートテイク 31名、パソコ. ンテイク9名、手話通訳0名、遠隔地情報保障1名、文 字起こし3名、0HP2名、ポイントテイク1名、友人の 通訳1名、ネイティブの先生とマンツーマン1名、パワ ーポイント1名、未経験9名であった。語学系の講義で は、ノートテイクという制度が半数近く占め、手話通訳 という制度を使っていないことが分かった。.  演習〔ゼミ〕では、ノートテイク 19名、パソコンテ. イク13名、手話通訳19名、遠隔地情報保障3名、文字. 起こし1名、OHPO名、講義ノート2名、FM補聴器1 名、未経験14名であった。演習では、ディスカッショ ンなど討論が多く、手話通訳の制度を他の講義と比べて とても使っていることが見られた。.  実技〔体育、コンピュータなど〕では、ノートテイク. 10名、パソコンテイク5名、手話通訳10名、遠隔地情. 報保障1名、文字起こし1名、0HP2名、友人の通訳3 名、ポイントテイク1名、AT(聾)1名、PPT1名、未 経験15名であった。体育、コンピューターなどを実技. ・16・.

(19) としてまとめられているので、判別は出来なかったが、. 体育では手話通訳という制度を、コンピューターではノ ートテイクやパソコンテイクという制度を多用していた のではないかと読み取れる。.  実験では、ノートテイク10名、パソコンテイク2名、. 手話通訳5名、遠隔地情報保障1名、文字起こし0名、. 0HP0名、FM補聴器1名、未経験22名であった。実験 は、講義として履修している対象者が少なかったが、ノ ートテイクやパソコンテイク、手話通訳で受講している ことが分かった。. 4.情報保障制度の満足度について.  情報保障制度の満足度を図7に示した。とても満足 6名(10.2%)、やや満足26名(44.1%)、どちらでも ない20名(33.9%)、やや不満6名(10.2%)、とても. 不満1名(1.7%)であった。半数以上が満足している ことが分かる。 「. O%          20%         40%          60%          80%         1OO%.   ■とても満足 ■やや満足 園どちらでもない 日やや不満 認とても不満. 図7 情報保障制度の満足度. ・17一.

(20)  満足度の理由を、表2に示した。rとても不満」の理. 由については、r大学側がFM補聴器で十分だと思って いる」、r自身の障害(伝音性難聴と感音性難聴の違い). についての理解を深めてもらえるように啓発活動をし ているが、なかなか理解してもらえない」、r以前に、 パソコンテイクを付けたが、キーボード音がうるさい という苦情でやめた」、「遠隔地支援、音声認識などと いった情報保障方法のPR活動を行っているが、変化は ない」という実態があった。他にも、r一部、費用を聴. 覚障害学生が負担している。また、支援学生を探した り、情報保障機材の準備も聴覚障害学生当事者が中心 になって動いたりしなければならない」、「聴覚障害学 生にも、健聴学生と平等に学ぶ権利がある以上は、大 学側がすべての費用を負担することと大学側が支援コ ーディネーターを置いての業務を望む」という理由で 満足していないことも明らかになった。. ・18一.

(21) 表2 情報保障制度に対する満足度の理由 とても満足. やや満足. どちらでもない. やや不満. ● 情報保障制度が 令て揃っている. ● 大学側が情報保障に関する業務(コー. ● 支援者の技術不足、人数不. ● 支援者の人数不. ディネート、講習会、相談など)を全. 足、態度の問題、交流不足. ● とても便利で講 義が分かりやす い[2名コ. [8名]. て行っている[5名コ. [3名コ ●. 情報保障制度が全て揃っている[4 名コ. ●. 少しの情報・サポートが入るだけでも 嬉しい[4名コ. ● 必要な情報保障制度が付けられない [3名コ. ● 支援者の質の低下と技術不足、数不足 [3名コ. ● 聴覚障害に対しての理解不足(大学、 教員)[3名コ. ● 聴覚障害学生の意識低下[2名]. ● 良い面もあれば悪い面も ある[4名コ. ● 今の情報保障では情報が 足りない[1名コ. ● 大学側の理解不 足[2名コ. ● 情報保障制度が ない[1名]. 向いていない[1名]. ● 学生主体のコー ティネーターは. ● ゼミなどの演習形式の講. 限界[1名]. ● 情報保障を受ける環境に. 義では限界[1名]. ● 学生主体のコーディネー ターは限界[1名コ. ● 聴覚障害学生の意識問題. ● 支援者の努力(手話取得)[1名コ. ● 工業系の情報保障不要[1名]. 足、技術不足[3 名コ. [!名コ. ● 情報保障制度と聴覚障害 に対しての理解不足(大 学、教員)[1名コ. ・19・. とても不満 ●. 情報保障制. 度がない [1名].

(22)  受講時における不便や不満・悩みに関する設間の回 答を図8に示した。  「不便や不満がある」は42名(66.7%)、「不便や不. 満がない」は16名(25.4%)、無回答が5名(7.9%). であった。不便や不満・悩みを持っている聴覚障害学 生が半数以上いることが分かった。 「                       一一1. 0%     10%    20%    30%    40%    50%    60%    70%    80%    90%    100%.         ■はい8いいえ口無回答.  図8 受講時における不便や不満・悩みの有無  どのような不便や不満・悩みがあるかに関する設間 の回答を図9に示した。r支援者・支援学生の技術レベ ル」24名、「授業担当教員の対応」20名、「支援者・支. 援学生との関係」13名、r授業内容と支援・配慮方法 の不一致」12名、「職員の対応」10名、「その他」7名 であった。特に、「支援者・支援学生の技術レベル」と 「授業担当教員の対応」への不便・不満が多かった。. 一20一.

(23) 図9 受講時における不便や不満・悩みの要因 5.情報保障制度の理解度について  情報保障体制に対して、聴覚障害学生や支援者・支 援学生で反省会や振り返る機会を実施しているかに関 して、「実施している」36名(57.1%)、「実施してい ない」18名(28.6%)、「無回答」9名(14.3%)であ. った。多くが、何らかの形で、情報保障の後、振り返 る機会があることが分かった。.  支援者の属性については、図10に、支援を通した授 業内容理解度を図11に示した。 ノートテイク. パソコンテイク. 手話通訳. O%        20%       40%       60%       80%.  ■学生■外部口職員口講師国学校の薬剤師. 図10 支援者の属性. ・21一. 100%1.

(24) 1ノートテイク 1パソコンテイク. 1 手話通訳. 1         一   ・一一…. ,            O%        20%       40%       60%       80%       100%. ミ  6とても理解できる 国やや理解できる 国どちらでもない □やや理解できない L一___.一.、」_._一I.I.一一一__    一__      __    一一_______一.        図11 授業内容理解度.  ノートテイクの支援者は、学生44名、外部5名、学 校の薬剤師1名であった。また、ノートテイクによる 授業内容理解度に関しては、とても理解できる4名、や や理解できる31名、どちらでもない9名、やや理解で きない1名、とても理解できない0名であった。  パソコンテイクの支援者は、学生25名、外部6名、 職員1名、講師1名であった。また、パソコンテイク による授業容理解度に関しては、とても理解できる6名、. やや理解できる20名、どちらでもない4名、やや理解 できない0名、とても理解できない0名であった。  手話通訳の支援者は、学生8名、外部12名、職員1 名、友人1名であった。また、手話通訳による授業内 容理解度に関しては、とても理解できる5名、やや理解 できる11名、どちらでもない3名、やや理解できない 3名、とても理解できない0名であった。. ・22一.

(25)  ノートテイクやパソコンテイクは、聴覚障害学生に 依存する割合が高いが、手話通訳はその専門性ゆえに 外部の専門家に依頼する場合が多いこと、理解度につ いてはノートテイクやパソコンテイク、手話通訳の三 者で大きな違いが見られなかったことである。  情報保障制度を受けていない聴覚障害学生対象に対 して、その理由を尋ねた。.  r大学側が支援制度・配慮の内容を知らない」3名、 「情報保障らしい情報保障を受けていない」2名、「周. 囲に障害を知られたくない」1名、r他の障害者は軽度 難聴であったため情報保障はない」1名であった。  今後、何か情報保障制度を取り入れたいかに関して は、「取り入れたい」6名、「どちらでもない」1名、「取. り入れたくない」2名であった。情報保障制度を取り. 入れたい聴覚障害学生は、ノートテイク5名、パソコ ンテイク5名、手話通訳4名、遠隔地情報保障2名、. 文字起こし1名、OHPO名、自動文字起こし1名であ った。それらの理由を、表3に示した。. ・23・.

(26) 表3 情報保障制度を取り入れたい理由 ●やはり細かな情報までは伝わってこないため。. ●ノートテイクを付けてほしい。パソコンテイクはデ  イスカッションで必要。手話通訳は授業についてい  けないためっいたほうがいい。 ●後輩のために、世界を変えるために、この大学には  情報保障があるということを広めたい。そして薬剤  師になりたい人の為にもサポートしたい。 ●様々な選択肢が欲しい。 ●手話通訳の方が伝わりやすいから。集中できるため。 ●全くないよりは助かる。.  また、情報保障制度の取り入れたくない理由を、表 4に示した。.   表4 情報保障制度の取り入れたくない理由 ●今以上よくなることは多分ないから。 ●手続きが面倒くさいのと自分でしたいと思っていた  から。友達に助けてもらうつもり。.  情報保障制度を受けていない、取り入れたくないと いう背景に、周りに自分の障害を知られたくない、自 由がなくなるといった回答があったことは、単に情報 保障制度の問題でなく、心理的支援にも関わることが 示唆される。. ・24一.

(27) 6.理想の情報保障制度について  あなたの睾む情報保障はどのようなものかに関して は、自由に記述してもらった。.と.ても満足とやや満足. を「満足」、やや不満ととても不満をr不満」と分けた 結果、3つに分類できた。r満足j,r不満」、r制度.がな. い」である。それぞれについての記述を表5に示した。.  文系では、専門用語をよく使う。理系では、専門用 語、数式、記号などをよく使う。どちらも高度な内容 を含む専門科目が多く、情報保障の困難さが.表れ、自 分に合った情報保障制度を求.められている。. 表5. 望む情報保障はどのようなものか 不満. 満足. ○ 曽分に合った情報保障制度を選択. 。 ●. 全ての講義に構鞭保障が付く. ○. 障害の有無関係なく、誰でも等しく構. ○ 構識保障(技術不足、方法、二一ズ) ○ ゼミなどの顧習に手書舌適訳導入を. ○. 情報保障がいらない状態が一番の理. ○ 情報裸障に対する蛾撃(大学、教員、学生). 想(ユニバーサル化). ○ 教貴の講義に対する工夫(パワーポイ. 二一ズ、資金、認知度の艦さ). ● 大学側からの支援. ○. ○   人閥開青系. ● ○. 聴覚緯審学生・利用学生・教員の三者. ●. 教.員の講義に対する二磨廷(パフ』ポイント). ○. 教員の請. ○ 構餓保隣がいら勾い状態が一番(ア)理.  懲(ユニバーサル化). ○. 制度がない. ○  リアルタイムで惰鰯を得ること. ○ 意識の問題(聴覚障害学生、支援者、教員). 一25・. る工夫 (パワー. ポイン ト、配布.

(28) 7・理想の学習支援について.  あなたの望む学習支援はどのようなものかに関して は.、自由に記述してもらった。とても満足とやや満足 を「満足」、やや不満とと.ても不満を「不満」と分けた 結果、3つに分類できた。r満足」、r不満」・、r制度がな い」一で一ある。それ一それについての記述を表6に示した。. 大部分の回答が、r友人によるノ.一ト」、「教員の一講義. に対するエ.夫」による学習支援が目立った。情報保障 を受けている学生は、前.方への席などが決まっ一ている. ことから、「友人」と一緒に雑談しながら受けたいとい う学生も多いだろう。「教員の講義に対する工夫.」につ. いては、聴覚障害学生は視覚的資料を重視する傾向に あることから、パワーポイントや配布資料を多用して ほ しい と 読Iみ取れる。. 表6. 望む学習支援はどのようなものか 不満. 満足 ○ 情報イ呆障の使い方(リアルタイムで理 解→見。落とし一た部.分をビデオで理解). ○ 教員の講義.に対する工.夫(パフーポイ ソト、配布資料). ◆ 友人(ノート、一締に受ける) ○ 教員の言鯵義に対する工夫(パワーポイ. 制度がない ○ 一友一」人(ノ. 一ト、湘. ソト、配布資料). ○ 情報保障(記録の保存、二一ズ). ● 自力で努. ○ 友人(.ノート、手書番遜訳). ○ 大学の管轄問題(講義と講座). ● ユニバーサル化(聴覚障害σ)理解、手. ○ 大学側からの支援(惰織保障、連絡体節I」〕. に網談、. ○ 情報保障だけではなく、学生への教. 独学). 話、緊急放送). ● 情報保障の提供ライン(雑談も必要、 不要な情報は省く). 育・指導 ○ 学生支援ゴーディ。ネーターの配蟹. ● 大学の管轄問題(講義と講座). ○ 清報保障の二・ニバーサル化(雑談など). ●   キ大主兄{こ応じブこI1青幸量舌果置藁. ●  レポート(’一)締め・切り内容などを提示. ・26・. 力(教員.

(29) 8. 自由.記述に?一いて. 最.後に、情一報保一障や・学習支援に対する意見一1を自申に記. 述し一でも.らっ一た。とても満足とやや満一足を「満足」、や や不一満とと一 コ.も不満を・一「不.満」と一分.け仁・結果・・.・つに 分類できた。一一.そ・.れぞ.れについ・て一・の記一述を表7.に・ま・とめ た。.  r一満足」、r不満.」の2つとも、どちらも大学全体へ. の情報保障に対する認知度や聴覚障害・学生や支援学生、 大学教員.、職員の。意識.問題、格差などの意見が目立っ. た。また、情報保障コーディネーターを.学。生主体から. 大学主体にして欲しい、講.義だけではなく生活面での. 情報保障が欲しいといった要望もあった。情報保障の あり方を変えてしまう事例もあった。. 情報保障や学習支援に対する意見. 表7. 不満. 満足. 量より質の時代(それぞれσ)大学が受け.入れ態. ○. 備一報保障の認鋤,度を広める. ○. 二一ズに合わせた情報保1薄. 勢を整える義務がある。ただ限界もあるのは事. ○. 情報保障の重複度. 実なので、それを見越した全体釣な法整備も榎. ○. 構・報保身牽¢)方法. 野に入れ.てよい時代1こなっていると思う。). ○. 情報保障制度の格.差. ○. 情報保障ヴ)認知痩I. ●. 情’轍保障に対する意識闇」題. ●. 学校f則の都合で惰鞭保障のあり方を変えられる. ○. 講義だけではなく生活面での情報保障. ○. 大学生俸ではないので、大学に専濡の担当者. ○. を設置し、大学生体で運営して頂きたい ○. 惰轍保障に対する講.座. ●. 講座に対する清轍保障. ○. 学校側への要望. ・27一.

(30) 9.クロス集計による分析  「聴覚障害学生にとって望ましい情報保障・学習支 援のあり方に関するアンケート」の集計結果をもとに、. (1)聴覚障害学生が今の情報保障制度に満足してい るかどうか、(2)聴覚障害学生が情報保障を利用して 理解しているかどうか、という点についてクロス集計 を用いて検討したい。.  情報保障制度の満足度に関して、アンケート集計結 果では、とても満足6名(10.2%)、やや満足26名 (44,1%)、どちらでもない20名(33.9%)、やや不満. 6名(10.2%)、とても不満1名(1.7%)であった。. とても満足とやや満足をr満足」、どちらでもないをrど. ちらでもない」、やや不満ととても不満をr不満」と分 けて、分析を進めてみた。. (1)情報保障制度の満足度と理解度.  情報保障制度の満足度ごとによって、授業内容理解 度(ノートテイク、パソコンテイク、手話通訳)の違 いがあるかどうかについてクロス集計による分析をし た。.  情報保障制度の満足度とノートテイクによる授業内容 理解度のクロス集計を表8に示した。. ・28・.

(31)  表8 情報保障制度の満足度と ノートテイクによる授業内容理解度 情報保障制. どちらでも. 情報保障制. 度に満足. ない. 度に不満. (%). (%). (%). 20. 13. 2. (57.1). (37.1). (5.7). どちらでも. 2. 4. 2. ない. (25.0). (50.0). (25.0). 理解. 0. 0. 1. できない. (O). (0). (100). 理解できる.  授業を理解できている人は、57.1%が情報保障制度に 満足しているのに対して、不満は5.7%のみ。それに対. して、授業を理解できない人やどちらでもない人は、情. 報保障にr満足」よりもrどちらでもない」、r不満」の 人が増加している。授業を理解できることが情報保障の 満足度を増加させていると考えられよう。. 情報保障制度の満足度とパソコンテイクによる授業内 容理解度のクロス集計を表9に示した。. 一29・.

(32) 表9 情報保障制度の満足度とパソコンテイクによる          授業内容理解度 情報保障制. どちらでも. 情報保障制. 度に満足. ない. 度に不満. (%). (%). (%). 18. 8. O. (69.2). (30.8). (O). どちらでも. 1. 1. 2. ない. (25.0). (25.0). (50.O). 理解. 0. 0. 0. できない. (O). (O). (0). 理解できる.  ノートテイクと同様の傾向が見られる。授業が理解で きる方が、情報保障制度の満足度が高い。. ・30・.

(33)  情報保障制度の満足度と手話通訳による授業内容理解 度のクロス集計を表10に示した。. 表10情報保障制度の満足度と手話通訳による        授業内容理解度 情報保障制. どちらでも. 情報保障制. 度に満足. ない. 度に不満. (%). (%). (%). 7. 8. 1. (43.8). (50.O). (6.3). どちらでも. 2. 1. 0. ない. (66.7). (33.3). (0). 理解. 0. 1. 2. できない. (0). (33.3). (66.7). 理解できる.  ノートテイクとパソコンテイク同様の傾向が見られ る。授業が理解できる方が、情報保障制度の満足度が高 くなる。. 一31・.

(34) (2)文系・理系と情報保障制度の満足度、理解度  文系と理系によって、情報保障制度の満足度の違い があるかどうかについてクロス集計による分析をした。  文系・理系と情報保障制度の満足度のクロス集計を表 11に示した。. 表11 文系・理系と情報保障制度の満足度. 文系. 理系. 情報保障制. どちらでも. 情報保障制. 度に満足. ない. 度に不満. (%). (%). (%). 23. 18. 5. (50.O). (39.1). (10.9). 9. 2. 2. (69.2). (15.4). (15.4).  文系と理系によって情報保障制度に対する満足度が. 異なるだろうかと推測した。結果的に、2つのグルー プに大きな傾向の違いは見られなかった。. ・32・.

(35)  文系・理系とノートテイクとパソコンテイクによる授. 業内容理解度のクロス集計を表12・表13に示した。. 表12. 文系・理系とノートテイクによる授業内容理解度 どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). 29. 8. 1. (76.3). (21.1). (2.6). 6. 1. 0. (85.7). (14.3). (O). 理解できる (%). 文系. 理系. 表13. 文系・理系とパソコンテイクによる授業内容理解度 どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). 21. 3. O. (87.5). (12.5). (0). 5. 1. 0. (83.3). (16,7). (O). 理解できる (%). 文系. 理系.  文系でも理系でもノートテイクやパソコンテイクに よる授業内容の理解度が高いことが分かった。. ・33・.

(36)  文系・理系と手話通訳による授業内容理解度のクロス 集計を表14に示した。. 表14 文系・理系と手話通訳による授業内容理解度 どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). 13. 2. 3. (72.2). (11.1). (16.7). 3. 1. 0. (75.0). (25.0). (0). 理解できる (%). 文系. 理系.  文系と理系で、ノートテイク、パソコンテイク、手 話通訳のそれぞれの制度による授業内容の理解度には 差がなかった。. ・34・.

(37) (3)在籍学生人数の多い大学・少ない大学と情報保 障制度の満足度、理解度.  在籍学生人数(11人以上と6∼10人、1∼5人、い ない)ことによって、情報保障制度の満足度の違いが あるかどうかについてクロス集計による分析をした。  在籍学生人数と情報保障制度の満足度のクロス集計を 表15に示した。. 表15 在籍学生人数と情報保障制度の満足度 どちらでも. 満足. ない. (%). 不満 (%). (%). 11人以上. 6∼10人. 1∼5人 いない. 18. 5. 1. (75.O). (20.8). (4.2). 2. 2. 1. (40.0). (40.0). (20.0). 10. 10. 4. (41.7). (41.7). (16.7). 1. 3. 2. (16.7). (50.0). (33.3).  在籍学生人数11人以上の大学では、情報保障制度が 十分に整備され、満足度が高かった。これと比べ、在 籍学生人数が少なくなると、不満度が高くなった。. ・35・.

(38)  在籍学生人数とノートテイクによる授業内容理解度の クロス集計を表16に示した。. 表16 在籍学生人数とノートテイクによる       授業内容理解度 どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). 13. 2. 0. (86.7). (13.3). (0). 3. 2. O. (60.0). (40.0). (0). 14. 4. 1. (73.7). (21.1). (5.3). 4. 1. 1. (66.7). (16,7). (16.7). 理解できる (%). 11人以上. 6∼10人. 1∼5人 いない.  在籍学生人数とノートテイクによる授業内容の理解 度の関係については、必ずしも在籍人数が多い方が授 業が理解できているという傾向ではなかった。. ・36・.

(39)  在籍学生人数とパソコンテイクによる授業内容理解度 のクロス集計を表17に示した。. 表17 在籍学生人数とパソコンテイクによる.       授業内容理解度 どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). 14. 1. O. (93.3). (6.7). (0). 2. O. 0. (100). (0). (O). 10. 2. 0. (83.3). (16.7). (0). O. 1. 0. (0). (100). (O). 理解できる (%). 11人以上. 6∼10人. 1∼5人 いない.  ノートテイクと同様、在籍学生人数が多いことと授 業内容の理解度は関連していない。. ・37・.

(40)  在籍学生人数と手話通訳による授業内容理解度のクロ ス集計を表18に示した。. 表18 在籍学生人数と手話通訳による授業内容理解度 どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). 6. 3. 1. (60.0). (30.O). (1O.O). 2. O. 0. (100). (0). (0). 7. O. 2. (77.8). (O). (22.2). 1. O. 0. (100). (O). (0). 理解できる (%). 11人以上 6∼1O人.. 1∼5人 いない.  先のノートテイクやパソコンテイクと同様の傾向が 見られる。授業が理解できる方が、情報保障制度の満足 度が高い。.  聴覚障害学生が他に多くいることは、授業内容理解 度よりも満足度に影響を及ぼしていそうだ。. ・38・.

(41) (4)平均聴力と情報保障制度の満足度、理解度.  平均聴力100dB以上と100aB以下ことによって、情 報保障制度の満足度の違いがあるかどうかについてク ロス集計による分析をした。.  平均聴力と情報保障制度の満足度のクロス集計を表 19に示した。. 表19平均聴力と情報保障制度の満足度 情報保障制. どちらでも. 情報保障制. 度に満足. ない. 度に不満. (%). (%). (%). 平均聴力. 22. 18. 2. 100dB以上. (52.4). (42.9). (4.8〉. 平均聴力. 10. 2. 5. 100dB未満. (58.8). (1!.8). (29.4).  平均聴力が100aB以上になるほど情報保障制度に対 して満足する傾向が高い。逆に100dB未満になるほど、 情報保障制度に不満する傾向が表れている。あるいは、. 100aB未満は満足と不満に二極化する傾向がありそう だ。. ・39・.

(42)  平均聴力とノートテイクとパソコンテイクによる授業. 内容理解度のクロス集計を表20と表21に示した。. 表20. 平均聴力とノートテイクによる授業内容理解度 理解できる. どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). (%). 平均聴力. 27. 5. 0. 100aB以上. (84.4). (15.6). (0). 平均聴力. 8. 4. 1. 100dB未満. (61.5). (30,8). (7.7). 表21. 平均聴力とパソコンテイクによる授業内容理解度 理解できる. どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). (%). 平均聴力. 20. 2. 0. 100aB以上. (90.9). (9.1). (0). 平均聴力. 6. 2. 0. 100dB未満. (75.O). (25.0). (0).  平均聴力が100dB以上になるほどノートテイクとパ ソコンテイクによる授業内容理解度で理解できるが8 ∼9割を占めた。. 一40・.

(43)  平均聴力と手話通訳による授業内容理解度のクロス集 計を表22に示した。. 表22 平均聴力と手話通訳による授業内容理解度 理解できる. どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). (%). 平均聴力. 12. 3. 2. 100d−B以上. (70.6). (17.6). (11.8). 平均聴力. 4. O. 100dB未満. (80.0). (0). !. (20.O).  平均聴力レベルと授業内容理解度の関係に特徴的な 傾向は見られなかった。. (5)高等教育以前に在籍した教育機関と情報保障制 度の満足度、理解度.  高等教育以前に在籍した教育機関ごとによって、情 報保障制度の満足度の違いがあるかどうかについてク ロス集計による分析をした。.  高等教育以前に在籍した教育機関と情報保障制度の 満足度のクロス集計を表23に示した。. 一41・.

(44) 表23. 高等教育以前に在籍した教育機関と.  情報保障制度の満足度 どちらでも 満足(%). ない. 不満(%). (%). 11. 7. 2. (55.O). (35,0). (10.0). Uターン. 11. 5. 2. 経験※. (61.1). (27.8). (11.1). 10. 8. 3. (47.6). (38.1). (14.3). ろう学校. 普通学校. ※Uターン:ろう学校の幼稚部等から普通学校に就学した児.      童・生徒が、情報不足による学力の伸び悩みや      コミュニケーション不足による人間関係のトラ.      ブルなどにより、中学部や高等部段階でろう学      校に戻るケース。あるいは、高等部段階で、は       じめてろう学校の門をたくケースも含める。.  ろう学校出身の聴覚障害学生は、情報保障制度に満 足しており、逆に普通学校出身の聴覚障害学生は、情 報保障制度にやや満足していない傾向が見られた。. ・42一.

(45)  高等教育以前に在籍した教育機関とノートテイクに よる授業内容理解度のクロス集計を表24に示した。. 表24 高等教育以前に在籍した教育機関と   ノートテイクによる授業内容理解度 どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). 14. O. O. (100). (0). (0). Uターン. 9. 2. 1. 経験. (75.O). (16.7). (8.3). 12. 7. O. (63.2). (36.8). (0). 理解できる (%). ろう学校. 普通学校.  ろう学校出身の聴覚障害学生は、回答者全員がノー トテイクによる授業内容理解の高さがうかがえた。逆 に普通学校出身の聴覚障害学生は、授業内容理解でき るがどちらでもないと回答も多くあった。. ・43一.

(46)  高等教育以前に在籍した教育機関とパソコンテイク による授業内容理解度のクロス集計を表25に示した。. 表25 高等教育以前に在籍した教育機関と   パソコンテイクによる授業理解度 どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). 9. 1. 0. (90.O). (10.O). (O). Uターン. 9. 0. 0. 経験. (100). (0). (0). 8. 3. 0. (72.7). (27,3). (0). 理解できる (%). ろう学校. 普通学校.  ろう学校出身、Uターン経験、いずれもパソコンテイ クによる授業内容に理解する割合が高かった。それに比 べ、普通学校出身がやや理解度が低かった。. ・44・.

(47)  高等教育以前に在籍した教育機関と手話通訳による 授業内容理解度のクロス集計を表26に示した。 表26 高等教育以前に在籍した教育機関と.   手話通訳による授業内容理解度 どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). 6. 1. 4. (54.5). (9.1). (36.4). Uターン. 7. 1. O. 経験. (87.5). (12.5). (0). 3. 1. 1. (60.O). (20.O). (20.0). 理解できる (%). ろう学校. 普通学校.  ろう学校出身の手話通訳による授業内容理解では、. 理解できないが表れた。ろう学校出身と普通学校出身 の手話通訳に対する見方が表れていることが分かる。.  3つのグループに、特に差は見られなかったが、ろ う学校出身の学生でも、手話通訳の支援のある授業が 理解できないと答えた学生が多くいたことは特徴的で ある。ノートテイクやパソコンテイクと比べても、理 解できない割合が高いことが示された。. 一45一.

(48) (6)不便・悩みの有無と情報保障制度の満足度、理 解度.  不便・悩みの有無によって、情報保障制度の満足度 の違いがあるかどうかについてクロス集計による分析 をした。.  不便・悩みの有無と情報保障制度の満足度のクロス 集計を表27に示した。 表27 不便・悩みの有無と情報保障制度の満足度 どちらでも. 満足(%). ない(%). 不満(%). 不便・悩みが. 20. 16. 6. ある. (47,6). (38.1). (14.3). 不便・悩みが. 11. 4. 1. ない. (68.8). (25.0). (6,3).  不便や悩みがない方が、情報保障の満足度が高かっ た。理想的なのは、不便・悩みがなく情報保障制度に 満足している回答である。しかし、不便・悩みがある にも関わらず、情報保障制度の満足度が高かった。. ・46・.

(49)  不便・悩みの有無とノートテイクとパソコンテイク、. 手話通訳による授業内容理解度のクロス集計を表28、 表29、表30に示した。. 表28. 不便・悩みの有無とノートテイクによる     授業内容理解度 理解できる. どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). (%). 不便・悩みが. 24. 7. 1. ある. (75.0). (21.9). (3.1). 不便・悩みが. 11. 1. 0. ない. (91.7). (8.3). (O). 表29. 不便・悩みの有無とパソコンテイクによる.     授業内容理解度 理解できる. どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). (%). 不便・悩みが. 18. 3. O. ある. (85.7). (14.3). (O). 不便・悩みが. 7. 1. O. ない. (87.5). (12.5). (0). 一47・.

(50) 表30 不便・悩みの有無と手話通訳による授業内容理解度 理解できる. どちらでも. 理解. ない. できない. (%). (%). (%). 不便・悩みが. 12. 1. 3. ある. (75.0). (6.3). (18.8). 不便・悩みが. 4. 2. 0. ない. (66.7). (33.3). (0).  ノートテイク、パソコンテイク、手話通訳において も理解度が高く、不便・悩みの有無との関係は見られ なかった。これも不便・悩みがあるにも関わらず、授 業内容には理解できるという回答が多かった。. 一48一.

(51) 第4章 考察  授業を理解できている人は、57.1%が情報保障制度に 満足しているのに対して、不満は5,7%のみ。それに対. して、授業を理解できない人やどちらでもない人は、情 報保障に「満足」よりも「どちらでもない」、「不満」の. 人が増加している。授業を理解できることが情報保障の 満足度を増加させていると考えられる。また、ノートテ. イクとパソコンテイク、手話通訳も同じ傾向が見られ る。授業が理解できる方が、情報保障制度の満足度が高 くなっている。.  文系と理系によって情報保障制度に対する満足度が. 異なるだろうかと推測した。結果的に、2つのグルー プに大きな傾向の違いは見られなかったが、文系でも 理系でもノートテイクやパソコンテイクによる授業内 容の理解度が高いことが分かった。また、文系と理系 で、ノートテイク、パソコンテイク、手話通訳のそれ ぞれの制度による授業内容の理解度には差がなかった。.  在籍学生人数11人以上の大学では、情報保障制度が 十分に整備され、満足度が高かった。これと比べ、在 籍学生人数が少なくなると、不満度が高くなった。在 籍学生人数とノートテイク、パソコンテイク、手話通 訳による授業内容の理解度の関係については、必ずし も在籍人数が多い方が授業が理解できているという傾 向ではなかった。授業が理解できる方が、情報保障制度 の満足度が高い。聴覚障害学生が他に多くいることは、 一49一.

(52) 授業内容理解度よりも満足度に影響を及ぼしていそう である。.  平均聴力が100dB以上に行くほど情報保障制度に対 して満足する傾向が高い。逆に100aB未満になるほど、 情報保障制度に不満する傾向が表れている。あるいは、. 100aB未満は満足と不満に二極化する傾向がありそう. である。平均聴力が100dB以上に行くほどノートテイ クとパソコンテイクによる授業内容理解度で理解でき るが8∼9割を占めたが、手話通訳では、平均聴力レ ベルと授業内容理解度の関係に特徴的な傾向は見られ なかった。.  ろう学校出身の聴覚障害学生は、情報保障制度に満 足しており、逆に普通学校出身の聴覚障害学生は、情 報保障制度にやや満足していない傾向が見られた。.  ろう学校出身・Uターン経験・普通学校出身の3つ のグループに、特に差は見られなかったが、ろう学校 出身の学生でも、手話通訳の支援のある授業が理解で きないと答えた学生が多くいたことは特徴的である。. ノートテイクやパソコンテイクと比べても、理解でき ない割合が高いことが示された。  不便や悩みがない方が、情報保障の満足度が高かっ た。理想的なのは、不便・悩みがなく情報保障制度に 満足している回答である。しかし、不便・悩みがある にも関わらず、情報保障制度の満足度が高かった。.  ノートテイク、パソコンテイク、手話通訳において ・50・.

(53) も理解度が高く、不便・悩みの有無との関係は見られ なかった。これも不便・悩みがあるにも関わらず、授 業内容には理解できるという回答が多かった。  質問紙調査から見えてきた課題、そして筆者自身の 体験から聴覚障害学生にとって望ましい情報保障制度 のあり方を考察する。.  高等教育以前の教育機関や平均聴力など聴覚障害学 生一人ひとりの二一ズが異なるので、個別に支援体制を. 検討する必要がある。講義やゼミ、実習など全ての講義 においてノートテイクそのものだけでは満足できない。 また、それぞれの講義形式によって、適切な情報保障手 段が変わってくる。一人ひとりの二一ズに合わせた情報 保障制度を作るならば、大学内の学生によるノートテイ クやパソコンテイクの情報保障者の確保・養成だけでは. なく、外部である地域の要約筆記、パソコン要約筆記、 手話通訳養成団体などの協力を得て、聴覚障害学生も積 極的にかかわっていく必要がある。そして、専門科目に. 対して情報保障者が十分な理解をしていないと聴覚障 害学生に対して十分な情報保障を望めないことを考え ると、大学内の学生であれば履修済で講義内容が理解し. ている情報保障者、専門科目における専門の情報保障者 を揃えることが理想である。ただ、これについては大学. 単位だけでは十分な取り組みが出来にくいことを考え ると公的レベルでの取り組みも必要になる。つまり、文. 部科学省や日本学生支援機構などが聴覚障害者団体な ・51・.

(54) どの協力の元に聴覚障害学生に対する配慮についての専 門的なチームなどを作り、法的な保障をも含めた基本的 なガイドラインを作るということが求められる。その上 で全国の各大学が聴覚障害学生一人ひとりの二一ズに合 わせた配慮・取り組みを行っていくことが望まれる。.  また、「学生主体のコーディネーターは限界」という. ことから、大学側が責任を持って聴覚障害学生の立場 を十分に理解しつつ、情報保障制度をどのように作っ ていくかを考えながら、聴覚障害学生が何の制約も受 けずに学べることが理想である。情報保障制度が聴覚 障害学生や教員を含めた周囲の協力が必要であるなら ば、もちろん聴覚障害学生当事者として自らこれらの 問題について取り組んでいかなければならない。こう いったハード面及び、ソフト面などの整備を整えていく ことにより、聴覚障害学生をいつでも受け入れる体制を 作っていくことが出来ると考える。  本研究では、全目本ろう学生懸.談会という聴覚障害学. 生団体を通して質問紙調査を行ったため、サンプルが偏 っていることが考えられる。特に対象者は、聴力レベル が重度である学生が多く、軽度や中等度の学生が少ない。. 軽度や中等度の聴覚障害学生の場合、情報保障に対する. 異なった二一ズを持っている可能性がある。今後、広範 囲な対象者に対する調査が必要であろう。.  最後に、聴覚障害学生支援は、高等教育機関に進学す る聴覚障害学生の増加とともに、情報保障や学生生活友 一52・.

(55) 援などが充実するようになった。また、新たに聴覚障害 学生を受け入れた大学が、聴覚障害学生支援の先進的な 事例を参考にし、障害学生支援体制を取り組んだ大学も 見られるようになった。こういった取り組みが徐々に発 展しているが、大学によっては聴覚障害学生支援の取り 組みに格差は依然として残っている。.  アンケートに寄せられた63名の聴覚障害学生の回答 は、真剣に記入されたものであり、大学側の情報保障体. 制に対する不満と期待が強く表れていた。本論文の執筆 者自身も聴覚障害学生である。本論文で述べたように、 聴覚障害学生東接の課題ち山積みである。この調査で得 た結果をもとに、今後もより聴覚障害.学生支援の研究・. 実践が深まり、より多くの高等教育機関で、聴覚障害学 生にとって望まれる情報保障体制の検討を願っている。. 一53・.

(56) 引用文献・参考文献 石田久之(2005)大学紀要に見る障害学生支援の取り組み. 大学等における障害学生の修学支援の在り方について 日本学生支援機構 pp.35・40. 石原保志・小林正幸・内藤一郎・村上裕史・加藤伸子・ 皆川洋喜(2001)大学等の講義における聴覚障害者を対象と. した情報保障の方法論的検討一手話通訳・リアルタイム. 文字呈示・要約解説の比較一 r電子情報通信学会技術 研究報告」 100(600) pp.7’13. 浦部奈津美・岩田吉生(2011)日本の高等教育機関における. 聴覚障害学生の受け入れ状況の現状と課題「障害者教 育・福祉学研究」 第7巻 pp.17・24. 太田琢磨・北野庸子(2008)高等教育における聴覚障害学生. 支援 一情報保障の現状と課題一  r東海大学健康科学 部紀要」 第14号 pp.27−37. 小畑修一(1991)高等教育の現状と展望  「新しい聴覚障害. 者像を求めて」編集委員会(編) 財団法人全日本ろう あ連盟出版局pp,48−57.

(57) 加藤伸子・河野純太・若月大輔・塩野目剛亮・黒木速 人・村上裕史・西岡知之・皆川洋喜・白澤麻弓・三好茂 樹・内藤一郎(2008)講義の情報保障におけるキーワード提. 示タイミングに関する基礎的検討  「電子情報通信学会 技術研究報告」 108(170) pp.51−56. 菊川佳苗・高橋信雄(2009)聴覚障害学生への情報保障に対. する大学教員の意識について「愛媛大学教育学部紀要」 第56巻  PP.101・109. 白澤麻弓(2005)一般大学における聴覚障害学生支援の現状. と課題∼全国調査の結果から∼  「第2回「障害学生の 高等教育国際会議」(於・早稲田大学) 予稿集」 PP.9’10. 白澤麻弓(2005)高等教育期間における情報保障. 「全国手. 話通訳問題研究会会報」 第92号 pp.44・47. 白澤麻弓(2008)高等教育における聴覚障害学生支援① PEPNet・Japan TipSheet. 全日本ろう学生懇談会(2001)「第20回全国ろう学生の集い 報告集」 pp.71−73.

(58) 日本学生支援機構(2007)r平成18年度(2006年度)大学、短. 期大学および高等専門学校における障害のある学生の修 学支援に関する実態調査報告書」 日本学生支援機構(2008)「平成19年度(2007年度)大学、短. 期大学および高等専門学校における障害のある学生の修 学支援に関する実態調査報告書」 日本学生支援機構(2009)r平成20年度(2008年度)大学、短. 期大学および高等専門学校における障害のある学生の修 学支援に関する実態調査報告書」 日本学生支援機構(2010)r平成21年度(2009年度)大学、短. 期大学および高等専門学校における障害のある学生の修 学支援に関する実態調査報告書」 日本学生支援機構(2011)r平成22年度(2010年度)大学、短. 期大学および高等専門学校における障害のある学生の修 学支援に関する実態調査報告書」 文部科学省 学校基本調査(2005)「聴覚特別支援学校高等. 部卒業後の進路調査」 文部科学省 学校基本調査(2006)「聴覚特別支援学校高等. 部卒業後の進路調査」.

(59) 文部科学省 学校基本調査(2007)「聴覚特別支援学校高等. 部卒業後の進路調査」 文部科学省 学校基本調査(2008)「聴覚特別支援学校高等. 部卒業後の進路調査」 文部科学省 学校基本調査(2009)「聴覚特別支援学校高等. 部卒業後の進路調査」 文部科学省 学校基本調査(2010)「聴覚特別支援学校高等. 部卒業後の進路調査」 吉川あゆみ(2008)聴覚障害学生の心理的支援⑱ PEPNet−Japan TipSheet.

参照

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