現職教員の継続教育のための偏光顕微鏡による岩石・鉱物の観察実習(その2)
8
0
0
全文
(2) 170. 学校教育学研究, 2001,第13巻. 1.はじめに 1998年12月に新たな中学校学習指導要領が告示された (文部省, 1999)。本資料では,この告示内容中の地学 領域がどのようなものであるのかについて,それまでの ものと比較する。また,筆者は先に兵庫教育大学大学院 で開講している地殻物質科学実習の内容について紹介し た(淀江, 1999),前報では紙数の都合で実習内容の紹 介を省略した部分がある。本資料では,この点について も補足する。あわせて,偏光顕微鏡の利用についてさら に考察を行う。 まず,新しい学習指導要領の中の岩石や鉱物と関連す る事項について紹介する。中学校の理科第二分野の中の 大地の変化の単元では, 「大地の活動の様子や身近な地 形,地質,岩石などの観察を通して,地表に見られる様々 な事物・現象を大地の変化と関連付けてみる見方や考え 方を養う」 (文部省, 1999)ことが内容として掲げられ ている。 10年前に告示された学習指導要領のこの部分に 相当する内容は次の通りである。 「大地の活動の様子や 身近かな地形,地層,岩石などの観察を通して,地表に 見られる様々な事物・現象を大地の変動と関連付けてみ る見方や考え方を養うとともに,人間の生存の場として の地球について総合的に考察させる。」今回の改訂では, 最後の「人間の生存の場としての地球について総合的に 考察させる」ことが削除された以外は同じである。この 単元の具体的な内容について比較してみる。新学習指導 要領では, 「火山の形,活動の様子及びその噴出物を調べ, それらを地下のマグマの性質と関連付けてとらえるとと もに,火山岩と深成岩の観察を行い,それらの組織の違 いを成因と関連付けてとらえること」としている。そし て, 「『火山』については,代表的なものを二つ又は三つ 取り上げること。 『マグマの性質』については,粘性を 中心に取り上げ,化学組成は扱わないこと。 『火山岩』 及び『深成岩』については,それぞれ1種類を扱うもの とし,代表的な造岩鉱物にも触れること」としている。 旧指導要領でも,前半部は全く同じである。後半部の内 容については, 「『火山』については、代表的なものを2 -3取り上げ、 『マグマの性質』については粘性を中心 に扱い、化学組成などには深入りしないこと。 『火山岩』 及び『深成岩』については代表的なものを取り上げ、代 表的な造岩鉱物にも触れること」とされていた。新指導 要領では,例示するものを精選することが強調されてい る。また,マグマの化学組成が完全に削除されてしまっ た。岩石名の網羅的な記載あるいは観察よりも,火山岩 と深成岩の組織の違いに力点を置いた内容になっている と言えよう。 観察させる岩石の種類を精選することを考えると,戟. 察する造岩鉱物の種類を少なくした方が良いようにも思 える。しかし,一枚の火成岩の薄片をじっくり観察する と,細かい鉱物や風化作用で生じた鉱物も観察対象とな る。この点で偏光顕微鏡を用いる観察の場合には,観察 する造岩鉱物の種類を精選することは好ましくないと著 者は考えている。また,火成岩の薄片を偏光顕微鏡で観 察すると,様々な組織を認めることができる。斑状組織 や等粒状組織だけではない。後で示すことになるが,例 えばミルメカイト組織や前報で示した文象構造などであ る。この他にも,偏光顕微鏡で観察すると,ある鉱物が 別の鉱物の中に含まれていることを兄いだすことがあ る。例えば,後で示す燐灰石は黒雲母や角閃石中にしば しば含まれている。この現象は燐灰石がまず結晶化して その後で黒雲母や角閃石が結晶化したことで説明でき る。これは,マグマからの鉱物の結晶化が同時ではない ことを意味する。また,火成岩中の鉱物の形を比較する と,ある種の鉱物はきれいな形(あるいは多角形)を呈 するのに対して別の種類の鉱物は粒子の隙間を埋めて結 晶化しているような形を呈する。前者を自形と呼び,級 者を他形と呼ぶ。この違いは次のように説明できる。マ グマは液体であるので,早い時期に結晶化した鉱物は液 体の中で結晶成長することにあたる。このような時には, 自形を取りやすい。もし,マグマのかなりの割合が既に 結晶化してしまったとすると,新たに結晶化する鉱物は 結晶の隙間を埋めるようにして成長するしかない。つま り,他形を呈する。すると,鉱物の包含関係や形から, 結晶化の順序をある程度推定できることになる。このよ うに,注意深く観察することによってダイナミックなマ グマの圃結過程を推定することが可能である。肉眼観察 やルーペでの観察では,これらの鉱物の包含関係などは 一般に良く判らない。この点で顕微鏡観察は肉眼やルー ペでの観察に比べてより詳しい観察であると言えよう。 マグマからの鉱物の結晶化に順序があると言うことは 何を意味するのであろうか?マグマが混合溶液であるこ とで説明できる。実際,岩石は様々な鉱物から構成され ているので,混合物として取り扱うことができる。する と,岩石が固結する前のマグマは,混合物が融解してい たものに相当する。つまり,混合溶液である。純粋な物 質なら融点あるいは凝固点は一定である。混合物ではそ うはならない。一般に融点の高い物質から順に結晶化し ていく。すると,マグマが冷えていく時に固体と液体(マ グマ)が共存する状態が存在する。これは,鉱物が順に 結晶化していくことに相当する。このような観点に立て ば,岩石の偏光顕微鏡観察を第-分野で扱う物質の性質 と結びつけることが可能であるかもしれない。ただし, 中学生にはやや高度な内容ではある。 さて,岩石の観察と言う場合,主に火成岩(火山岩と.
(3) 規教職員の継続教育のための偏光顕微鏡によるkl捕・鉱物の観察実刑(その2). 深成岩)がその対象とされている。堆積岩は小学校段階 で取り扱われる関係で,中学校では地層を構成するもの として取り扱われているにすぎず,観察の対象として取 り扱われていない。堆積岩の主要なものとして,礫岩, 砂岩,泥岩,凝灰岩,石灰岩,チャートを挙げることが できよう。礫岩,砂岩,泥岩,凝灰岩を構成する物質を 肉眼あるいはルーペで観察することが/ト学校段階で行わ れている。礫岩や砂岩の場合,構成粒子が比較的大きい ので観察は容易であろう。また,一部の凝灰岩や化石を 含む石灰岩もルーペや肉眼での観察が容易であろう。し かし,泥岩などの比較的小さい粒子からできている岩石 は,ルーペを用いても構成粒子の形や大きさを把握する ことは困難である。すると,小さい粒子からできている ことを理解させること自体が極めて困難になる。例えば, 粘土工作で用いる粘土を見せて,これが細かい粘土から できていると説明しても,理解できる生徒は極めて少数 であろう。顕微鏡を用いることでこの点を解決すること ができる。すると,堆積岩を偏光顕微鏡で観察すること は小学校での学習内容を補足する意味も持つ。堆積岩を 構成する鉱物の種類は火成岩中の鉱物とほとんど同じで ある。従って,火成岩中の造岩鉱物を鑑定できれば大部 分の堆積岩中の鉱物も鑑定可能である。 本資料では,兵庫教育大学大学院修士課程において著 者が行ってきた地殻物質科学実習の内容について前報に 引き続いて紹介する。既に,偏光顕微鏡の構造,偏光顕 微鏡で観察できる事項,あるいは操作方法について記し. 直交ニコル下での斜長石のアルバイト式双晶の 顕微鏡写真O写真中でPのマークをつけた白黒の縞. 模様がアルバイト式双晶であるo斜長石とカリ長石(K の部分)の境界部にミルメカイト組織が発達している (Mの部分)。ミルメカイトの部分では,虫食い状の 石英(白い部分)が斜長石中に見られる。写真の横幅 は1.5mmに相当する。 トを示す斜長石付近に,カリ長石が認められるのが普通 である。ミルメカイト組織と類似しているものに文象構 造がある。文象構造は,カリ長石中に石英が模形状に生 成している組織(淀江, 1999,図3)であり′,ミルメカ イトとは石英を包有する鉱物の種類が異なる。 さて,しばしば斜長石中にカリ長石が析出しているこ とがある(図2)。これをアンチ・パーサイトと呼ぶ。 アンチ・パーサイトの成因は高温で均質であった斜長石. た(淀江, 1999)。そこで,これらの点については省略 する。なお,市販の偏光顕微鏡は高価であるが,手製の 偏光顕微鏡も考案されている(恩藤, 1964)ことも付言 しておく。また,地殻物質科学実習では変成岩中の鉱物 についてはあまり取り扱っていない。これは,小学校や 中学校では変成岩についての取り扱いがないためである。 そこで,実習では変成岩中で特徴的に産する鉱物のいく つかについて紹介するに止めている。 2.主要な造岩鉱物の偏光顕微鏡下での特徴 2.1石英,斜良石,カリ長石 石英と斜長石の特徴については既に示した(淀江, 1999)が,ここで多少の補足を行う。まず,斜長石の双 晶の中には, 3つ以上の結晶が接合した集片双晶(ある いは多片双晶)が見られることがある。これをアルバイ ト式双晶(図1)と呼ぶ0 2つの結晶が接合した双晶に は,いくつかの名前が付けられている。その中で代表的 な双晶のタイプであるカールスバド式双晶を図2に示す。 斜長石内部に石英が虫食い状に生成していることがあ る。この組織をミルメカイトと呼ぶ(図1)。ミルメカイ. 図2直交ニコル下でのアルバイト式双晶をなす斜長石 中のアンチeパーサイト(図中の矢印で示した部分)0 大きな矢印はカールスバド式双晶の境界面を示す。写 真の横幅は4 mmに相当する。 が低温になって不均質になったことで説明できる。 カリ長石には,いくつかの種類があることは前報で示し た。同じ化学式で書ける物質でも種類が違うことは,他に も例がある。例えば,ダイアモンドと石墨はいずれも炭素 からできているが物質としては別物である。カリ長石の中 で微斜長石(名前は斜長石に似ているが分類はカリ長石で.
(4) 172. 学校教育学研究, 2001,第13番. ある)は格子状双晶をなすことで特徴づけられる(図3)。 2.2緑泥石. 図3微斜長石の格子状双晶の顕微鏡写真(A)平行ニコ ルでの顕微鏡写真。 ㈱直交ニコルでの顕微鏡写真。白 色の鉱物はすべて石英である。写真の横幅はいずれで も4mmに相当する。 緑泥石の顕微鏡写真を図4に示す。 (1)平行ニコル 一般に無色だが,緑色あるいは褐色のこともある。色 がついている場合には弱い多色性を示す。屈折率は1.57 から1.69とやや高い。 (2)直交ニコル 斜消光で通常ではない干渉色を示すことがある。これ を異常干渉色と言い,緑泥石は暗青灰色から暗褐色を示 す。また,真っ黒な時もある。 2.3角閃石 角閃石の顕微鏡写真を図5に示す。角閃石はその化学 組成によって細かく分類されているが,火成岩中の角閃 石は,多くの場合,普通角閃石(ホルンブレンドとも言 う)である。 (1)平行ニコル 約124-で交わる2方向の努閲が見られることがある。 緑,育,褐色を呈し,多色性がある。この多色性の度合 いは黒雲母と比べてやや弱い。 (2)直交ニコル 黄色から青色の干渉色を示し,斜消光するものが多い。. 図4緑泥石の顕微鏡写真。 ㈹平行ニコルでの顕微鏡写 真。緑泥石は白に近い淡緑色を示す(B)直交ニコルに した時の顕微鏡写真。赤褐色の部分が緑泥石である。 (CXA). (B)とは異なる試料中の緑泥石について直交ニコ ルにした時の顕微鏡写真。黒色から暗青色を示す。写 真の横幅は㈱と(B)がI rani, (c)が1.4mmに相当するO ただし,角閃石の中でも直閃石などのCa, Na, Kを含 まない角閃石は直消光する。もっとも,直閃石は変成岩 中で産することが多く,火成岩で産することは珍しいO 2.4燐灰石 燐灰石の顕微鏡写真は図5に示した。岩石中に微量含 まれている鉱物であるが,燐を含む鉱物の代表例である ので取り上げている。英語名はアパタイト(apatite)であ る。歯磨粉の中に含まれているアパタイトは,この鉱物. と類似する化学組成の物質である。.
(5) 硯教職fiの継続教育のための偏光顕微錠による岩石・鉱物の観察IE潤(その2 ). i巳コ qし!`ば. 管-吉昭kN^S^^SE鞄 \. ぎ/ g *. .!. -. 図6ルチルの平行ニコル下での顕微鏡写真。矢印で示 した鉱物である。ルテルと共生する黄色の鉱物は角閃 石である。写真の横幅は4mmに相当する。 晶として産することが多く,有色のものは多色性を示す。 屈折率が極めて高い。 (2)直交ニコル 干渉色は赤色あるいはオレンジ色で輝く感じである。 一了! 、T V、こ● -1v> ▲:、:'-. 図5角閃石の顕微鏡写真。 ㈹平行ニコルでの顕微鏡 写真。角閃石は緑色の部分である。角閃石中に包有さ れている黒色の部分は不透明鉱物である。不透明鉱物. 了︰・. にした時の顕微鏡写真o写真の横幅はいずれも. に相当する。. . L  ̄. は直交ニコルにしても黒色である。また,角閃石中の 矢印で示した透明鉱物は燐灰石である(B)直交ニコル. 「・-I.. Iヽ. ∼..寸 lr 、I. ′・=、一L′. 昭、鵜15 (1)平行ニコル 無色である。六角形あるいは六角柱の断面の形を示す ものが多い。黒雲母や角閃石などの有色鉱物に通常含ま れている。屈折率は石英より高い。 (2)直交ニコル 干渉色は暗い灰色である。 2.5不透明鉱物 不透明鉱物の顕微鏡写真は図5に示した。不透明鉱物 はそもそも光を通さない。この結果,不透明鉱物の種類 を偏光顕微鏡で決定することはできない。そこで,一般 に不透明鉱物として一括されている。. 了#サ. 図7ザクロ石の平行ニコル下での顕微鏡写真。ザクロ石 はGで印した鉱物である。写真の横幅は4mmに相当する。 2.7ザクロ石 ザクロ石の顕微鏡写真を図7に示す。 (1)平行ニコル 無色のものが多いが,中には淡桃色,黄色,褐色,緑 色などを呈するものもある。多色性はない。粒状の形の. (I)平行ニコル 真っ黒である。 (2)直交ニコル 真っ黒である。 2.6ルチル. ものが多い。屈折率は高い。 (2)直交ニコル 干渉色は黒である。ただし, Caを含むものは,まれ に,暗い灰色を呈することがある。 2.8ガラス ガラスは鉱物ではないが,火山岩中に普遍的に存在す るので実習では取り上げている。非常に風化されやすく,. ルチルの顕微鏡写真を図6に示す。 (1)平行ニコル 透明あるいは黄色から赤褐色を呈する。小さな柱状結. 多くの火山岩中のガラスは粘土鉱物などに変化している (図8)0 (1)平行ニコル.
(6) 学校数if-、7-Wf兜, 2001,第13巻. 174. \、. -メ一l. ..∵ ̄I.∴、、一、. m. Yt. '. 1. ". 31・. ¥. .・ ・. s. -I. ず、J-ち ヽ. 蝣. rdP-P. ㌦-都威. /.. .∫. ・ > > f f. t・,.. 1 '. '一・. ・IJII・. 憩. .. i ' *. 図8流紋岩中のガラス。斑晶の石英は融食形を示す。 ㈱平行ニコルでの顕微鏡写真。ガラスの部分は流れた 様子を示す。ざらざらしたごみ状の部分が右下に見ら れる。この部分はガラスが粘土鉱物化した部分である。 ただし.偏光顕微鏡ではこれらの粘土鉱物の種頬を決 定することはできない。 (B)直交ニコルにした時の顕微 鏡写真。写真の横幅はいずれも1.5mmに相当する。. 図9スフ=-ンの顕微鏡写真。 ㈹平行ニコルでの顕微 鏡写真。透明で輪郭がはっきりしている鉱物がス フェーン(S)である。なお,矢印で示した六角形の透 明鉱物は燐灰石である(B)直交ニコルにした時の顕微 鏡写真。写真の横幅はいずれも4 mmに相当する。. 透明である。 (2)直交ニコル 真っ黒であるC 2.9スフェーン スフェーンの顕微鏡写真を図9に示す。 (1)平行ニコル 無色または淡黄褐色を示すことが多いが,時に褐色を 呈する。有色のものは多色性を示すC平べったい菱形を 呈することが特徴である。 (2)直交ニコル 干渉色は青色あるいはオレンジ色で輝く感じである。. 2.10方解石 方解石の顕微鏡写真を図10と図11に示すO方解石は, 石灰岩を構成する鉱物である。また,砂岩などの他の堆 積岩でも産する。火成岩中では風化や変質に伴って産す る。 (1)平行ニコル 無色である。屈折率が方向によって大きく変化する (1.49から1.66)tこのために,ステージを回転させる. 図10方解石の顕微鏡写真。視野内の鉱物はすべて方解.
(7) 規教職員の継続教育のための偏光顕微鏡による岩石・鉱物の観察実習(その2). 石であるo GA)平行ニコルでの顕微鏡写真。顕著な努 閲が見られるB直交ニコルにした時の顕微鏡写真。 写真の横幅はいずれも4 mmに相当する。. 図12緑簾石の顕微鏡写真。矢印で示した鉱物である。 ㈱平行ニコルでの顕微鏡写真(B)直交ニコルにした 時の顕微鏡写真O写真の横幅は.5mmに相当する。 丸くころころした形のものが多く,努閲が顕著である。 無色から黄緑色を呈する。色のついているものは弱い多 色性がある。 (2)直交ニコル 干渉色は黄色から青色で,一つの結晶内で不均質であ る。 2.12紅柱石 図11方解石の平行ニコル下での顕微鏡写真。 ㈱の位置 から900回転させて(B)の位置にもってくると.方解石 の輪郭や努関の見え方が違ってくる。矢印をつけた方 解石でこの特徴がよく現れている。なお.写真の横幅 はすべて1.5mmに相当する。 と輪郭や努閏が浮き上がったり消えたりするC努閑が顕 著で,菱形に交わることも多い。 (2)直交ニコル 明るく輝くオレンジ色や青色を呈する。集片双晶をな すことが多く,斜消光である。 2.11緑簾石 緑簾石の顕微鏡写真を図12に示す。縁簾石は火成岩中. では変質鉱物として産する。また,変成岩中でも産する。 図12は変成岩中の緑簾石を示す。 (1)平行ニコル. 紅柱石の顕微鏡写真を図13に示す。ほとんどすべての 紅柱石は変成岩中で産する。 (1)平行ニコル 柱状の形を呈することが多く,無色からピンク色であ る。色のついているものは弱い多色性を示す。屈折率は 1.63から1.66であって高い。 (2)直交ニコル 干渉色は灰色で,直消光に近い斜消光である。 2.13電気石 電気石の顕微鏡写真を図14に示す。電気石はホウ素を 含む鉱物の代表例で,特殊な花尚岩やホウ素を含む堆積 岩が変成作用を受けたものの中で産するe (1)平行ニコル 長柱状の形を示す。青,赤,緑色を呈し,強い多色性 がある。また,屈折率は高い。これらのために電気石は 黒雲母と見かけがよく似ている。電気石が長柱状の場合.
(8) 176. 学校教育学研究, 2001,第13巻. に,伸びている方向が顕微鏡の視野内の上下方向と一致 する時に色が淡くなる。黒雲母では,この方向で色が濃 くなる。これによって,電気石と黒雲母を識別すること ができる。 (2)直交ニコル 干渉色は青色あるいは黄色であり,直消光する。. ・・、蝣*蝣'・V. '"-、一. 武志ごV ,".ふ .I. 一・. IJ・-. 9.. wm ,r. .-. 本稿では,偏光顕微鏡による岩石・鉱物の観察の応用 例としての鉱物の結晶化順序や堆積岩の観察を論じた。 また,いくつかの代表的な鉱物について,その観察方法 を示した。. 4.. 3.まとめ. ■・. 色を示す鉱物は白雲母である。白雲母の特徴について は漉江(1999)中で触れられているので,本資料では省 略する。いずれの写真も横幅は4mmに相当する。. i_ ・Lr. 図13紅柱石の顕微鏡写真。 ㈱平行ニコルでの顕微鏡写 真(B)直交ニコルにした時の顕微鏡写真.黄色い干渉. I ∴、∴・-:". 図14電気石の顕微鏡写真(A)平行ニコルでの顕微鏡写 真。 (B)直交ニコルにした時の顕微鏡写真(Q(A)の位 置から900回転させた時の平行ニコルでの顕微鏡写真 矢印で示した電気石の多色性が良く判る。いずれの写 真も横幅は1.5mmに相当する。 参考文献 文部省(1989主中学校指導書理科編.学校図書.173p. 文部省(1999) :中学校学習指導要領(平成10年12月主解説一 理科編-.大日本図書.162p. 恩藤知典(1964):火成岩の教材における小・中・高の関 逮.地学教育, No. 55, 12-18. 淀江靖弘(1999) :現職教員の継続教育のための偏光顕微 鏡による岩石・鉱物の観察実習.学校教育学研究. 11巻. 163-170. (2000.7.31受稿, 2000.8.31受理).
(9)
関連したドキュメント
の観察が可能である(図2A~J).さらに,従来型の白
[r]
Schwann氏細胞は軸索を囲む長管状を呈し,内部 に管状の髄鞘を含み,Ranvier氏絞輪部では多数の指
その次の段階は、研磨した面を下向きにして顕微鏡 観察用スライドグラスに同種のエポキシ樹脂で付着 させ、さらにこれを
JMUでブロック(組立品)の運搬を見る JMUで建造中の船はビルのようだ!
渡嘉敷島の慰安所は慶良間空襲が始まった23日に爆撃され全焼した。7 人の「慰安婦」のうちハルコ
甲州市教育委員会 ケカチ遺跡和歌刻書土器の全体写真
専用区画の有無 平面図、写真など 情報通信機器専用の有無 写真など.