MEMOm80F S▲G▲MI
INSTITVTE OF Tー むHNO 』OGY Vol
.
24,
No.
1,1990区 分
線
形
近
似
に
よ
る
非
線
形 回路
網
の
時 間 解 析
の
1
方
法
水
谷
光
AMethod
ofTiming
Analysis
for
Piecewise
−
Linear
Circuit
Hikaru
M
正zuTANI
This
paperdiscribes
an algorithm of timing analysisfor
nonlinear networks representedby
piecewise・
linear
function.
By
using theproposed
algorithm ,it
is
not necessary todefine
time step size.
Non・
1inear networks represented by p童ecewise−
linear canbe
analyzedby
linear−
analysis method as linear networks ,if
region of any nonlinear elementis
not changed.
If itis
changed at tb,
we can not analyze the nonlinear circuit after tb by linear−
analysis method.
In
this case, we get
V
(tb)whichis
the nodevoltage at tb
.
And we can analyze the circuit after tb using the newlincar
equation and the initiaIvalue
V
(tb).
1.
ま え が き 従来,
区 分線形近似 法は,
あらゆる非線形特性を近 似 できる方 法 と して , その解 析 法 や 応用 が研 究 さ れ て き た % こ の 区 分 線 形 近 似 法は,
非 線 形 素子の 特 性を表 現 す る た めに応 用さ れ, 区 分 線 形 近 似 法で表 現さ れ た回 路 網の 解 析 法2−
6) や,
非 線 形素 于の モ デ リング法ηが 研 究 さ れてい る。 これ らの 研 究で は, 非線形 抵 抗 と電 源で構成 される 回路 網か ら作 成された非線形回路方程 式を,
直 流 解析 するこ と が 主 な 目的と さ れ てい る。一
般に,
回 路 網 を 過 渡 解 析 する ため に は.
回路 網か ら 作 成された,
微分 方 程 式を解 析する 必要 が ある。 微分 方 程 式 を 数 値 的に解 析 する方 法 とし て,
時 間 を 離 散 化し, オイ ラー
法 等の積分 公式に従っ て解を得る方法が 知られ て い る。 こ の 方 法に従え ば,
過 渡 解 析は,
各 時間 刻み に 於て直 流解 析に帰着し,
直 流解 析法を使 っ て 回路網の過 渡 解 析を実行 できる。 し か し, オ イラー
法は,
時 間 を 離 散 化させ る た めの時 間 刻 み幅dt
を使 用 者が与えな け れ ば ならない とい う問 題 点 が ある。 与えら れた 回路 網に急 激 な 電 圧 変 化がある 場 合 な どは,
こ の 決 定が難 しい。dt
を 大 ぎ くする とt 回路の状 態が激し く変 化す る瞬間,
多量の誤 差 が発 生 し て解 析が不 安 定 と なっ て しま う。 後 退オ イ ラー
法におい * 電 気工学科 講 師 平 成 元 年10
月12
日受 付 て は,
計 算 が 陽 関 数で は あ ら わ せず,
反復法などを使っ て 陰関数を解 くが,
こ の反復法が収束し に く くな るこ と も ある。一
方,rit
を あま り小さくする と,
解析に必 要 な計 算 量が増え,
多 量の解 析 時 間が 必要 と なる とい う欠 点がある。 しか も,
こ のdt
を 回路 方程式か ら決定 する のは難 しく,
経 験 もしくは,
実 験に頼るほ か ない。 本 論 文で は,
区 分線 形 近 似に よる非 線 形回路 網に対し て,
状態遷 移行列を使っ た過 渡 解析ア ル ゴ リズ ム を提 案 する。
本ア ル ゴ リ ズ ムは,
時間 刻み を使用者が与え る 必 要が ない とい う特 徴を持つ。 区 分 線 形 近 似に よ る非 線 形 回 路 網は,
各 線 形 領 域に於て,
線 形 解 析に よる解 析が可 能 で あ る。
線 形回 路 網の過渡 解 析は 周知の よ うに,
状態 遷移 行列 を使っ て解を与えることができ9),
状 態遷移 行 列の計 算が可 能で あれば,
線 形回路 網の過 渡 解は得ら れ るs ま た,
時 刻 tbに お い て 方 程 式が切 り替わ る場 合,
tb以 後の過 渡 解析は,
v(tb)を初 期 値 として tb以 後に お い て構 成 さ れ る線形 回 路網に線形解 析法 を適用 す る こ と に よっ て なさ れ る。 こ の方法 を 繰 り返すこ とに よっ て必 要な時 間T
まで の過 渡 解 析を実 行 する。 従 来,
状 態 遷 移 行 列 を使っ た解 析法と し て, 波形緩和 法を応用 し た方 法 が発表されて い るB) 。 しか し,
この 方 法は,
各 線 形 領 域に於て、
注 目する節 点 以 外の電 圧が変 化 し ない とい う仮 定の も とに解 析され 各節 点の電 圧 が 同時に変 化 する回路 網の解 析は 多 量の 誤差を含 むこ と に な る。 本 論文で は, こ の ような 仮 定 な しに,
状態方 程式 を 利 用 して 回 路 網 を 解 析 する。 こ こで
,
状態遷移 行列 は無 限 項の和で表 現 され るが,
実 際の計 算 実 行 時に は,
途 中の項ま での計算で 打ち切られる ため,
解は計 算 誤 差 とい うを 含んで しま う問題がある。 本論文で は,
こ の問 題に対し, toの決定 方 法を非 線形素子の特性 が1
つ の 区 間か ら出て,
他の 区 間に は い るとい う条 件 以 外に 2つ の条 件を定 義し,
誤 差を少な くする方 法を適 用 する。この 2 つ の条件は
,
あ る節 点 q の節点 電 圧 Vg が定 常 解と等しく なる時 間を ら とする方 法 と,
ある節 点 q の 節 点 電圧 Vg が 極 値と な る時 間を tbとする方 法であ る。 こ こで,一
度に解 析 さ れる線 形 回 路 網の時 間の 長さ が長い ほ ど誤 差が多 く なる が9),
本方法はこ の長 さを適 当に 区切るこ とに よ り,
誤差 を少な くして い る。本論文の方 法 を
,
い くつか の例題に適 用 した ところ, 行列の 状態遷移 行 列を 2次の項ま での 計 算で打ち切っ て も後 退オ イラー
法 と か な り近い 解 が 得 られる とい う良 好 な結 果を得た。2
.
区 分 線 形近似 区 分線形 近 似は非 線 形 素 于の 特 性をい くつ か の 区 間に 分 け,
各々の 区 間 を 線 形関 数で表現 す る方法 で あ る。 例 え ば, 図1の ように,
ダ イ オー
ドの特性 を 区分線形近似 に よっ て定 義 するこ と がで きる。 この特 性は,
素子 の両 端に か か る電圧が O.
5 ボル ト以 下の とぎは,
1k オー
ム の抵抗,0.
5
ボル ト以上の是は10
オー
ム の抵 抗と一
49.
5
m ア ン ペ ア の電 流 源の 並 列 接 続に置 き換 え る。
こ の 区 1 18001V−0矗
00495 v 図 1 区 分線形 近似に よ る, 非 線 形 特 性の例 分線形 近 似の 各線形 区 間の 接続 点を プ レー
クポ イン ト (BP) と呼ぶ。 区分線形近似は,
非線形素子 の特 性を分 割す る BP と, 各 区 間の線形特性 で定 義さ れ る。 こ こ で,
非線形 素 子の特 性は, 素 子に与 える枝 電 圧の 条件に よっ て一
意 的に決定さ れるとする。 も し,
与 え る 条 件 を連続 的に変化 する と, 素子に与える条件がBP
と 等しくな り, さ らに BP を越えて と な り合う区間の条件 と なる。 本 論 文で は こ の よ うに,
素 子に与え ら れ る条 件 がBP
を越 えて,
と な り合 う区 間の特 性と な る ことを,
条 件が BP と交差 する と呼ぶ。3。 過
渡 解析
ア ルゴ リズム 3.
1 練 形 方 程 式の解 析によ る 節 点 電 圧の算 出 本 論 文で提案する,
非線形CR
回 路 網の過 渡 解 析アル ゴ リズ ム を述べ る。 こ こ で非線形CR
回路 網 とは, 非 線 形 コ ン デン サ,
非 線 形 抵 抗,
従 属 電 流 源,
独立電流源を 含む 回路である。 また,
各 非線形 素子は,
区 分 線形近 似 でその特 性が表されてい る。 本 論 文で は,
節 点 方 程 式を扱 うが,
修正節 点 方程式,
タ ブロー
方 程 式 な どの混 合 解析も.
同 様に扱 うこ とが で きる。 各 非線形 素 子の特 性がその枝 電 圧で一
意に決 まる とす れば,
非線形CR
回路の 節 点回路 方 程 式は次 式で示 され るDc
(v)窪
+G
(v>v−i
(・)
C
(V)は節 点キャ パ シ タ ン ス 行 列,
a
(V)は節 点ア ドミッ タ ン ス行列,
V は節点電圧ベ ク トル,
i は節 点 電 流 源 電 流ベ ク トル である。 本 手法では,
時間0
における節 点 電 圧 v(0) が既知と し,
(1)式を解いて 時間0
か らT
に おけ る節 点 電圧の過渡解 析を行 うことを 目的とする。 こ こ で,
次の仮 定1
を定 義 する。 仮 定 1c
(v(t))=c
(v(to)},
0(v(t));
G(v(to)),
for to<t<コr1 こ こで σ(v(to))=0
(2
)G
(v(to))≡
G (3) と定 義 する。e −
1 が存 在すると仮 定 す れぽ, 仮 定1
が成 り立つ 場 合,
(1)式の解は次 式で与えられる9)。 v(t)= ・e−
Ht(v(to)− a −
1i)十G −
tifor
’o く ’<τ (4
)一 12 一
区分 線 形 近 似に よる非 線 形回路 網の時間解析の方 法 (水 谷 光 ) た だ し
H =C −
1θ で あ り,E
を m 次の単 位行 初,
A
を m 次の正 方 行 列 と す れぽ,
状態遷移行列 は,
次 式で与え られる。 〆 一蕩
劣
一 E +A +封
+封
+表
浄 +…
(5) もし,
ぴ L が存在しない場 合で も,
V に 変 換 を 施 して, 独立 な従 属 変 数を得る こ と に よっ て,
ほ ぼ 同じ解とな る。 (5)式に示 された状 態 遷 移 行 列の計 算 方 法は次 章で 議論される が,
本 章で は,
こ の状態遷 移 行 列の解が与え られるとして議 論を進め る。 い ま, to=O
で仮 定 1が 満た さ珍た場 合,
時 間 0か ら T の 間の節点 電 圧 {v(t)[O
≦t≦T
}は (4)式で与え られ るが,
仮 定 1が 満たされ ない場合を次に 示す。まず 簡単の ため に
,
時 間0
か ら T の 間 tb で, 1
度 だ け ある1
つ の非 線 形 素 子の 条件がBP
と交 差 し, 非 線 形 素子の特性 が変 化する場 合を示 す。 こ の場 合, 時 間0 で仮 定 1 が満た され ず,
(4)式か ら節点電 圧 {v(t)[O
≦ t≦T
} を 求め るこ と はで き ない。 しか し,
時間 t を {tlO≦t≦tb}に 限れば,
仮 定1
が満た さ れ,
(4
) 式か ら {v(t)10
≦t≦te}は得られ る。 時 間 tb以後の節 点 電圧は,
時 間 {t[t,≦t≦T }の非線形 素子の状 態か ら得 られ た線形 回路 方 程 式 を 用い て,
V(tb)を初 期 値と して得 るこ と が できる。複 数の非線形 素子 が複数の BP と交 差 する場 合は
,
こ の方法 を繰り返すこ と に よっ て解 を 得 られ る。 時 間 0 と 時 間 T の間で,
ど れか の非線形 素 子の条 件がBP
と交 わ る時 間 t、,
t2,…
,ら一
、 をとするc た だ し 0= to<tl〈…
<tn_
1〈tn=T
(6
) 時間 t を tm くt<tm+ 、に限れば,
(1)式の非 線 形 方 程 式 は 線 形 方 程 式fm
と な る。 この と ぎの,C
(V)及びG
(V) をCm ,
Gm と表現 すると,
/m は次式の よ うに表 さ れ る。嬬
・ ・。
・一 ・ … tm〈 ’・t・
・1 (・) ま た,
の 式の 解は次式となる。v(t)= e
−
Hm 〔t−
em )(v(tm)− GmHii
>+Gm −
1ifor
tm く ’<tm+1 (8
) た だ し,
Hm ==
Cm ”
’
IG肌
(9) であ り, σガ 1 が 存在 すると した。 こ の た め,
n 個の時 間 区 間 {tm〈t< tm+,lm
==
O,… ,
n−
1}に おい て,
(8)式 を順 次 計 算するこ とに よっ て,
必要 な 全て の時間に おけ る節点 電 圧 {v(t)io
≦t≦tb} を 得 ることが でき る。3。
2
+1 の決 定 本アル ゴ リズ ムは,
各 時 間に於て成 り立つ 線 形 回 路 網 を 解 析 する が,
こ の とぎ,
非 線 形 素 于の条 件が, 次にBP
と交 差 する時 間 tm.
、 を求め る必 要がある。 本 章で は,
この tm.1 の計 算 方法を述べ る。 い ま,
回 路 中に k 個の非 線 形 素 子が存 在 する と す る。 こ の う ち 」番目の非線形素子 ey の 規 約 接 続ベ ク トル をbj
とす る と, ノ 番 目の非線形 素子 の の両端の電圧 Ve」 は 次 式で表 され る。Vb 」
=b
」’
。−
ll(t−
tm)(v(tm)− G
。、一
’i
)+b
」Gm−
ii (10) ま た,
ef の BP の セ ッ トをSf=
{”ル ひゴ2,’
”
tVyp,・
一
一
} とする。 各非線形 素 子の特 性 がその非 線形 素 子の端 子 間 電 圧に よっ て定 義される た め ,Ss
の要 素は枝電圧であ る。 こ の 傷 の 各 要 素 vゴp を (10)式の Vb」に代入 し, 時 間 t に 関する陰関 数を解 け ば e」 の両端の 電圧がBP
と な る時 間の セ ッ トTa =
i{’α1,
轆 ,…
t tαア,…
}が求 ま る。 こ こで,
(10) 式の 陰 関 数を解 く ため に は状 態 遷 移 行 列の 逆 行 列 を 計 算し な けれ ば な ら ないが,
こ の計 算方 法は4
章で述べ られる。
計 算 され たセ ヅ トT
。 の要 素の うち, 正で一
番 小さい 要 素が,
ed の条 件 が PB と交 差 す る実 際の 時 間 t〔m +Dゴで ある。同様1=k
個の非 線 形 素 子の 両端の 電圧がBP
と交わ る時間のセ ッ トをTc
=
{t(MT ユ)…
t( m .1)k}と す る と,Tc
の 中で一
番 小さ な要素が tm.
1 と なる。 3.
3 ア ル ゴ リ ズム次に本 論文で示 し た区分線形 近 似に よ る非 線 形 回路網 の過 渡 解 析アル ゴ リ ズ ムを図
2
に示 し, そ の説 明を行 う。L
回 路の初期節 点 電 圧 v。=
ひ(0), お よ びCv
(0),
G
(v),
i
を与 える。 v(0
),
i
は直 接 与 え,
C
(v),
G
(v)は,
各素子の 特 性
,
素 子の接 続か ら得る。 t。 ・O,
m=0
とする。 2.
3.
4.
5.
6.
C
.;C
〈v.) (11)Gm
=G
(Vm ) (12
} とする。 (8
)式を使っ て 線 形 回 路 方 程式を解 き,
v(の を得る。 〔10)式 を 使っ て tm+1 を求め る。 ス テ ッ プ4 で計算され た tm+r が T よ り大 き け れ ぽ,
tm+ エ を T と す る。
tm+ 、をス テ ッ プ3
で計 算さ れ た方程式に代入 して,
一 13 一
7.
1.Set
” o=「口 (9) ,c
(” ),G
(v ),i
andT.
m=O
.
te
=O .
2。
C
驫嵩C
(” m)
.G
購=G
(u 爾).
3,Solve
Linear
equationforv
(t
).
5
.
t
陏→1=閾in
(t
旧 ◆1,T
).
6
.
” 昂詈” (t
繭 + 1) 図2
アル ゴ リズ ム Vm=
v(tm+ 、) を 計 算 す る。 もし tm+1 が よ り小 さ け れば,
ルー
プの カ ウンター
m にを加 え, ス テ ッ プ 2 へ もどる。 そ うでな け れ ば,
計 算 終 了。4
.
状 態 遷 移 行 列 4.
1 状態遷移行列 本アル ゴ リズム で は,
ス テ ッ プ 4 とス テ ッ プ6 に おい て,
状 態遷移 行列を含む方程式を計算し な け ればな ら な い 。 特に ス テ ッ プ4
で は,
状 態 遷 移 行 列の陰関数を計 算 する必要がある。 状態遷 移行 列は,
(5)式で与え られて い るが,
無限回 反 復 す るこ とに よ り解 が 得ら れ る方 程式である た め, 現 実に は計 算できない。 本 論 文で は,
状 態 遷 移 行 列を計 算 す る た めに,
ある決め た次 数 Sで 計算を打ち切 る方 法を 提案する。 状 態遷移 行 列を計 算で きる よ う に有限 項で打 ち切 り,
近 似し た方程式を e。(・
)と表 現 す れば,
eAnA2
As
eA÷ 乳 =
濯
語
=E
+A
+ 酉+’
”
+ 豆 (13) と近似さ れ る。 最良の S の決 定 方 法は, 本 論 文では,
明 らか に さ れ ない が,
s が 4 を 越 え な け れぽ,
(13)式の 逆関数は陽的に与 え られ, tm+ 、は直 接 法で得 られる。 こ のた め, ア ル ゴ リ ズム上か らは,
s が 4を越えない こ と が望ま しい Q 4.
2 状 態 遷 移 行列の近 似 誤 差 本ア ル ゴ リ ズ ム で は,
行 列の指 数の計 算を (13)式でV
r
}一
鹽
,
.
.
t亀 腰 †1Time
Lineap
Approx
{mete SoLUttonReal Solution
−
一
一So1Ution
自t Stg 亘dyState
図3
1
次近似 曲線, 真の 解, 定 常 解 V = 胃 77胃
一一
一
P■
,
.
7,
鹽
「
.
「
t亀 t馳 国 †1Time
Ou巳
dratio
Approxi
囗 盈toSolUtlon
ReelSo
]ut :on−
一一SolUtion
Et SteadyState
図 4
2
次近似曲 線, 真の 解, 定常 解区 分 線 形 近 似に よる非 線 形 回 路 網の時 間 解 析の方法 (水谷 光 ) 行うた め
,
誤差 が発生 する。 この誤差を軽減する た め,
アル ゴ リ ズム の ス テッ プ 4 におい て,
どの非 線 形 素 子の 特性もBP
に交差 し てい な くても,
適当 な時間を,
tm +1 と し て し ま う とい う方 法を提案す る。
こ こ で,一
度に解 析さ れ る線 形区 間の時間の長さ(tm+ 、−
tm)が 長い ほ ど誤 差が多くなる が9),
こ の 方法は一
度に解 析 される線 形 区 間の長 さ を適当に 区切るこ と に な り,
誤 差 を少な くす るo 本 方 法は,
アル ゴ リズムの ステ ッ プ4
に お い て,
次の2
つ の条 件 を満たす 時 間 ta〔m + 、〉を 計 算し,
t。(m + 、)が,
tm+1 よ り小さ けれぽ,
tm+1 を ta(mt 、) に変 更 するこ と に よっ て実 現される。 条 件 1ある節 点 q の 節点電圧 Va が 定常 解と等しくな 図 5TTL イ ンバ
ー
タ 回路 11■1.6
了V−B
AB DlODEfr 呱 σ toB0.
59日1.
0DIODEfro
皿EtoB0
.
了1B1 .2
nor ロ恩1DIODE 0.
了1B1.
2
図 6 ダイ オー
ドの近似特 性V
る時間 図3を例に とっ て 説 明 する。 図 3は,
節点q
の電圧 Va の解曲線とt=O
に おける1
次 近 似 曲 線 をしめす。 こ の v4 の t= ・O
に おける 1次近似 曲線は,
状 態遷移 行列 を s=
1 と し て計 算し た結 果であるa こ の場 合,
時 間が 大 きくな るに つれ て計 算 結 果と解曲線は離れ誤 差が多 く な っ て し ま う。
こ こで,
殉 が定 常 解と等 し く な る時間 を 10 7.
25 4.
5 1.
75 0−
1 10 7.
25 4.
5 175 0−
1 10 7.
25 4.
5 1.
75 0−
1 (上) (中 ) (下 ) o O.
5 1 1,
5 2 ×10醫
7 0 O.
5 1 1.
5 2 ×10−
7 O O.
5 1 1.
52
×10−
7 図7TTL
イ ン バー
タ 回 路 の入 出 力特性 本アル ゴ リ ズム (行 列の指 数 関 数を1次の 項 まで 計算) 本ア ル ゴ リズム (行 列の 指 数関数 を2
次の 項 まで 計 算 ) オ イ ラー
法5V
図8MOS
インバー
タ直 列回路b
図9FET
の近 似 特 性2
(V61e躅
O。
oelVs 1くV6≦21 ●=O.
0005V● V● ta(m +1)と し,
その時間 に於て各 節点 電 圧を計 算し,
その 後の 計算はその 時間 を初期 値とし て得る。 回路 網の各 節 点電 圧の定 常 解 V(。。)は,
回路網からコ ン デン サ を取 り 去 っ た回路 網の直 流 解 析を実 行す れ ば得られ,
v(QQ)t=
Gm−
Li (14) である。 こ の た め,
taCm+1)は,
v(t)−
v(Oo }= ee(− Hm
(t−
tm)X
り(tm)− G
.−
ii ) (15) の各要素が0
に な る 時 間であ る。 条件2
ある節 点 q の節 点 電 圧 Vq が 極値と なる時 間 図4
を例に取っ て説 明 する。 図 4は,
節 点 q の 電 圧 Ve の 解 曲線と t=0
に おける2
次近 似曲線をし めす。 こ の Vq の t=0
に おける2
次 近 似曲線は,
状 態 遷 移 行列 を s=2
として計 算した 計 算 結 果であ る。 t=
taで2
つ の 曲 線が交 差 し た後,
時間 が 大 き く な る につ れ て計 算結 果 と解曲線は離れて し まう。 また,
計算結 果 と 定 常 解は交 差 しない ため,
条 件1
は満 た さ ない。 その ため,
Va が 極 値 と等 し くな る時 間 を t。(m +D とし, その後の過渡解 析は,
t。(m + 、) を初 期 値 として行 う。 こ の 場 合禦
L
ゴ (ee(一
即一
’螺
ω (t・)”G
・“
’i
)) (・6
) 10 7.
254.
5 1.
75 0−
1 10 7.
25 4.
5 民 》01
7一
1 10 7.
25 4,
5 1,
7501一
■
■
■
噛
噛
■
■
o 2550
75100
×IO−
o.
.
,
.
.
’
鹽
甲
,
’
鹽
,
.
・
,
,
鹽
.
.
’
,
.
. .
9
■
,
,
●
, ■
.
.
匸
8, .
, 曾
0 25 50 75 100 ×10−
9 0 25 50 75 て00 ×10’
9 図10MOS
イ ンtl・一
タ直 列回路の入出 力 特 性 (上 ) 本アル ゴ リズ ム (行 列の 指 数 関数を 1次 の項 ま で計 算 ) (中} 本ア ル tf リズム (行 列の指 数 関 数を2次の項 まで 計 算 ) (下) オイラー
法区 分線形 近似に よ る非 線 形 回 路 網の 時 間 解 析 の方 法 (水 谷 光) 図
11MOS
イ ンバー
タルー
プ 回 路 を計 算 し,
各 要 素が 0に なる時 間を得る。 微 分さ れ る関 数は時間 tの多項式で ある から,
その微 分は得 られ る。5
.
例 題 例 題1
本 論文の方 法 で図 5に 示 す 回路網の過 渡 解 析をお こな っ た。 図5
の回 路は,
TTL のイ ンバー
タの 出 力に,
コ ン デ ン サ の負 荷が か か っ てい る回路である。 こ の回路に ス テ ッ プ状の入 力 を入力し た ときの過渡解 析 を行っ た。 各 トラ ンジ ス タは,
エ パー
ス モ ル モ デル }こ よ り電 流 源と ダ イオー
ドにおきか え,
ダ イ オー
ドは,
図 6の よ う な 区 分 線形近似に よっ て特性を定義し た。 エ バー
ス モ ル モ デ ル 中の ベー
ス・
エ ミッ タ間に入っ て い る ダ イオー
ドの 特 性と,
ベー
ス・
コ レ ク タ間に 入っ て い る ダ イオー
ドの特 性,
及び他の ダ イオー
ドの 特 性は そ れ ぞれ図 中に示 され たパ ラ メー
タを 使 用 してい るD 本ア ル ゴ リ ズム に よ る解 析 結 果 を 図7
に示 す。 状 態 遷 移 行 列 を s= 1 で近 似 し た 場 合と s= 2 で近 似 し た場 合,
及び後 退オ イラー
法の解 析 結 果 も同時に示 す。 本ア ル ゴ リ ズ ムに よ る計 算では,
状態遷 移 行 列を 5=1
で近 似 し た場 合18
回 の反 復 計 算,
s=
2 で近 似 し た場 合, 16 回 の反復計 算であっ た。 例題2
本 論 文の方 法で図 8に示 す FET 回 路 網の過 渡 解 析 を お こ なっ た。 FET の特 性は,
ゲー
ト入 力 電 圧に よ っ て 変 化し,
図9
の ように定 義 し た。 こ の 特 性は,
ゲー
ト電 圧が0
ボル ト か ら1 ボル ト の とき, ソー
ス ・ ドレイ ン間 は オー
プ ン,
ゲー
ト電 圧が1
ボル トか ら2
ボル トの と き,
ソー
ス・
ドレイン間は 2K オー
ムの抵抗,
オー
プ ン,
ゲー
ト電 圧 が2 ボル tt以 上の と き,
ソー
ス ドレイ ン 間は オー
ム の抵 抗と近 似し てい る。 こ の回路に ス テ ッ プ 状の 入力を 入 力 し た と きの 過 渡 解 析を本アル ゴ リ ズ ム で 行っ た。 状態遷移 行 列を ∫= 1で近 似 し た場 合 とs=2
で 近 似し場 合の 各 節 点の解 析 結 果 を 図 10 に示 す。 ま た, 後退オ イ ラー
法た で行っ た解析結 果 も同 時に示 す。 本ア 10 7.
25 4.
5 1.
ア5 0−
1 10 7.
25 4.
5 1.
75 0−
1 10 7.
25 4.
5 175 0−
1 0 25 50 75 100 ×10−
“ O 25 50 75 100 ×10−
9 0 2550
75 100 ×10−
9 図 12 MOS イ ンバー
タ ルー
プ 回 路 の出 入力特 性 (上) 本ア ル ゴ リズム (行 列の 指 数関 数 を1次の項 ま で計 算 ) (中 ) アル ゴ リズ ム (行列の 指 数関数を2
次の項衷 で計 算) (下〉 オイ ラー
法ル ゴ リ ズム に よ る計 算で は
,
状 態遷移 行 列を s=1
で近 似し た場 合,29
回の 反復計 算,
s= 2 で近 似 し た場合, 131 回の反復 計 算であっ た。 例 題 3 本論文の 方 法で図 11 に 示 す FET 回 路 網の過 渡 解 析 をおこなっ た。FET
の特 性は,
前 例 と同 じ と し た。 状 態 遷 移 行列 を s= 1 と して計 算 し た 場 合 と s= 2 と して 計算した場 合の解 析 結 果 を 図12
に示 す。 また,
後 退オ イ ラー
法で行 っ た解 析 結果 も 同時に示 す。 本ア ル ゴ リ ズ ム に よる計 算では,
状 態 遷移 行列を s=1
と し て近 似し た場 合 157 回の反復 計算,
s=
2 と して近 似 した場 合,
183 回の反復計 算であう た。6
.
む す び 本 論 文では , 区 分 線 形 近 似に よ る非 線 形回路 網の過 渡 解 析を行 うア ル ゴ リ ズ ムを提案し た。 従 来の過 渡解析法 は,
時 間 を 離 散 化させ る た め に,
時 間 刻み を与え る 必要があ り,
ま たその値に よ っ ては解 析 が うま くで ぎない とい う欠 点があっ た。 本ア ル ゴ リ ズム は,
従 来の過渡 解析法と違い,
使用者が時 間 刻み幅を与 え る 必要がない とい う特徴を持つ 。 し か し,
本アル ゴ リ ズ ムは,
状 態 遷 移行 列の計 算がア ル ゴ リ ズ 厶中にあり, その 計算を 途中で打ち切る た め誤 差 を含ん で し まう。 本 論文で は,
線形 方 程 式の有 効 な 時間を,
非線形 素 子の特 性 がBP
と交わ る 以外の条 件で打ち切るこ と に よ り,
誤 差に減 らす工 夫がさ れてい る。 こ の 方 法に よ り,
例 題で は,
状 態 遷 移 行 列の 計 算を,
2 次の項 迄の 計 算で打ち切 っ て も後退オ イラー
法 とか な り近い解が得られ ることを 示 した。 また,
本 アル ゴ リズ ム では,
各 非 線形素 子の BP の数 が多く なると tm+、 を捜すア ル ゴ リズムが遅くな り,
ア ル ゴ リズ ム の反 復回 数 が 多 く な る こと が 予想さ れ る。
こ.
のため,
本アル ゴ リズ ム は, 非 線 形素子の 特性の BP の 数が少 ない回 路 網の解 析 が 向い てい る と思わ れ る。 ) 1 )2
)3
) 4 )5
) 6 ) 7 ) 8 ) 9 文 献Jacob
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‘
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