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練習停止期における精神内界の変化 : 事例M.O.を通して

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(1)Title. 練習停止期における精神内界の変化 : 事例M.O.を通して. Author(s). 中込, 四郎. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭・養護・体育編, 31(2): 43-50. Issue Date. 1981-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6605. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 1巻 第2号 北海道教育大学紀要 (第2部C) 第3. i i doUn i i Se i l t t lo fHokka IC)Vo r s on( c onl Jour na ve yofEducat .31 .2 ,No. Ma h r c ,1981 昭和56年3月. 練習停止期における精神内界の変化 --事 例M, 0. を通して--. 中. 込. 四. 郎. 北海道教育大学旭川分校体育学教室. A. prel i lninary Report on the Changes to the lntra‐psychic Wror ld during Exercise lnterruption --一Through Case 4 ○ . , Sh i ro NAKAGOMI. Phys i IEducat i ca i on Laboratory l l i do Un i i gawa Co ege tyofEducat i vers ,Asah on , Hokka , Asah igawa 070. Abstract. i The purpose ofth tudyi ss sto examine the features ofthe change to the intra‐psychic i l i i i tes jur worddurng exercseinterrupton caused byin ject es or di seaseinathle . Thecasesub l l l l l l l o b l i d2 1 T h R h h a T ma ec o e ev o e a a i i e ra e s 4 t t e o r g y s c a c - p y es wasgven w ce once g , , , , ion and once during recovery period-to n4 ○ dur ing exerci se interrupt t was es . , , The t tered and scored according tothe method deve loped by Kataguchi admini s. , As aresult,thechange occuringi ld during exerciseinterruptioni ntheint c wor ra‐psychi s. ion period decrease of R(numbero ident i f i f seinterrupt ed by Rorshach responses .inexerci .e ,i , l i lar i ion t response) and 2C( ime ty of R.T( ) chromat c response) rregu react , sowness andi ,and ion o deteriorat fF‐L( form l l )arefoundinthe Rorshach protocols. eve. Theresultsseem tosuggestthatハ4 iorat ionofpsych i tasebothofdeter sinas cfunction .○.i l i i i d d i i A t t t h d f i an emo ona res ra n cause by exerc se nterrupton. n ,onthe ot erhand ed ,the modi BRSscored(-1→ 十36 ld has occurredin M, ) al soshow thatthe change ofintra‐psychic wor T h i i h i 0, i i l lbe made tudy st efrs tstepforfur therexperiments wi thers tud ss es n wh chfur . . ,i. 1. は じめ に. 本来スポーツは, 喜び・楽しみ, そして健康のために行われるものであると, 多くの人達によっ て考えられてきている, ところが, より高度化し, 競技化されたその世界(競技スポーツ)でスポー ) ( 43.

(3) . 中. 込. 四. 郎. ツにかかわり合っている人達(選手)にとって, スポーツは不安や緊張, そして心身の疲労を経験す }も指摘しているように 専門とする個々のスポーツ種 る場ともなっ ているよう である,小川( 1976 )4 , 目の中で良い成積を納めようとすることは, 願望と現実との間に生じる ギャッ プをうめることであ }は 円 谷 選 l f i ion)の 過 程 と 言 え る ま た 長 田( り, そ れ は と て も 辛 い 自 己 実 現(Se ‐actual zat 1976)5 , , .. 手の自殺に対して興味深い考察をしている.「弱い選手の走力は個人のものに過 ぎないが, 強い走力 はかく して個人の意志を離れ, 管理されるようになる. …」 このように, レクリエーショ ンとして l ing)の 対 象 と な る よ の ス ポー ツ と 区別 し て, 競 技 ス ポ ー ツ の 世 界 の 中 に は カ ウ ン セ リ ン グ(Counse. うな問題が内在されているよう である, コーチ・監督は, ケガや病気等で練習を中断しなければならなく なった選手に対して, 次のよう な内容の ガイ ダンスをすることがある.「個々の種目において激しい練習が できないならば, 上体あ るいは下肢の補強をしなさい. 体を動かすことができないのなら, その間イメージ作りをしなさい. t 」このような指導は, 決して誤っ たものではない, しかしながら, 当事者達は, わかっていても e c な か な か 行 動 を 起 こ す こ と が で き ず, 無 為 に 日 を 送 っ て し ま う こ と が あ る ま た, Segal ,B.E. ,R. , 8 6 ) ) i ) や Pi J ( 1965 1969) が 報 告 し て い る よ う に, 運 動 選 手 は 一 般 学 生 erce ss . We ,& R.Sokol ,R.A.(. に比べて, 心理的な悩みを訴えて治療にやって来ることが少ないといった, 心理・社会的特性÷“= えば, 運動選手は, 心理臨床家の働きに対して積極的なとらえ方をしていない, また彼等は, 情緒 的な問題は治りにくいものであると決めつける傾向がある, その他, パーソナリティ や認知型等の 差異からも説明 している. -をもっていることも, さらに問題を複雑に しているよう である, 1 スフン プ(S )を経験すると, 選手達は諸々の心理的変化を訴えてく る. しかしながら, それに ump 関する実証的研究はまだ少ないよう である. 本研究で報告される, 運動選手のケガ・病気 等による 練習停止の心理的影響に ついても, あまり手の つけられていない分野と言えそうである. 本研究意 }に よ る 報 告 に 注 目 す る こ と が で き る そ こ 図 と は 若 干 異 っ た も の で あ る が, Baekland )1 ,F.(1970 .. i では, 通常 トレーニン グを行っている運動 者に 対 し, 強制 的 な運動停 止をさせること(Exe r c s e dep i i t )が生理・心理的に どんな影響を与えるかを, 運動者の睡眠生活を中心として明らかにし r va on て い る. 運 動 停 止 に よ っ て, 睡 眠 パ タ ー ン(S1 t t eeppa )の中に不安反応の増加を検出することが e rns でき, さらに質問紙によって, 寝つきが悪く なる, 性的緊張の増加, そして対人関係への欲求の増 加等を確かめている. ・疾病によっ て練習の継続を停止せ ざるを得なくなっ た一人の運動選手を事例としてと . , 本研究は, りあげ, ロールシャッハ反応(以下, ロ・反応とする)を手がかりとして, 彼の精神内界の変化を明 らかにしようとしたものである. 言うまでもなく, このロ・反応を分析することによっ て, 人格に つ い て の 推 論 をく だ す の は, ロ ー ル シ ャ ッ ハ ・ テ ス ト(以 下, ロ ・ テ ス ト と す る)に 用 い ら れ る 図 版 の プ ロ ッ ト の 多様 性 ・ あ い ま い さ に よ っ て, 一 つ の プ ロ ッ ト が, 同 一 個 人 に よ り, ま た 個 人個 人に. ・ 彼の経験・知識・興味・ よ って種々 のものに見えてくる. そして被験者が何をどのように見るかが, 気分・欲求・1 価値体系その他の人格機能によっ て決定されて ・くるといった事実に基づくもの である. 一つのサ ン ,ブルから得られた知見だけ で, ここで取り上げられる問題が片付けられるとは思って はいない. またさらに, ロ・テストを学ぶ過程にある初学者が, このような報告をすることは冒険 的であると言われてもしかたがない. 今後さらに一連のケーススタディ による分析を重ねばならな いことを踏まえながら, 予報としてここに報告するものである.. ) ( 4 4.

(4) . 練習停止期における精神内界の変化. 2, 事. 例. M.○.. 舎. 21 歳. バ レ ー ボ ー ル選 手. 検査施行日:第1回目(練習停止期)-19 79年5月19 日, 5 月 5, 6 日の春季リー グ戦を最後に 5 M 0 月 7 日より練習停止期に入っ た. , .は以前から, バセ ドウ氏病の疑いありと診断され, いくつ かの自覚症状を認めている. 検査施行時は, 通院を続けている状態で, クラ ブの練習への参加は中 止しており, また専攻の体育実技の授業も見学することが多いよう である. 昨年度は1年生ながら もスタメンとして出場し, エースアタッカーであった. 他の運動種目での授業参加ができなくとも, さ ほ ど焦 燥 感 は な い が, バ レ ー ボ ー ルに 関 し て は, でき な い こ と に 対 して か な り シ ョ ッ ク を 受 け て. いるよう である. 第2回目(回復期)-19 8 0年4月 3 0 日. 昨年秋頃よりクラ ブの練習に参加するようになり, 今回 の検査施行は完全とまではいかないが, 練習・試合等にほとんど参加することができる程に回復し た時期である. 「病気中のことを今思えば, もう過去のこととして….」と前置きをし, 「昨年, チー ムの成積が比較的良い方であっ たのに, 自分の調子が悪か ったのはとても残念であっ た,」と, M.○. は振り返っている. このように故障中のことを冷静に振り返えることができ たのは, 安定期に入っ たことを物語っているよう である, また, 2, 3のチームメートから 「病気前よりも動きに幅がで きたよう である.」 と言われたことを報告している, 数日後行われた春季リー グ戦において, M.○. の所属する部は優勝することができた. )に従っ て筆者によっ てなされた テスト施行前に本研 ロ.テストの施行法及び記号化は全て片口法3 . 究の研究意図の概略について 話すと同時に, 本検査への協力を要請した. 1回目のロ・テスト終了 後, 次回のテスト実施について説明 をした. つまり, 第2回目のロ・テスト施行は, 故障が治り, 以前のように練習できるようになった比較的安定している時期と指定 した. したがって, 1回目ロ・ テスト施行時では, 相方共に2回目の日時を知ることができないが, 被験者より了解を得ることが でき た.. 両テスト施行間には, 約1ヶ年の間が生ずることになるわけであるが, 本研究でとり上げられる 事例 M.0 と筆者の間には, その間カウンセリン グ的かかわり合いはなかった.. 3. 結果と考察 上述 したように, M.○.に対して 2 回 の ロ ・ テ ス ト を 施 行 した そ れ ぞれ の ロ ・ 反 応 プ ロ ト コ ル , 及びスコア比を表にして並記した これらの表をもとにして考察を進め ていくことになるが その . , 前に付記しておかなければならない若干の問題がある それは本事例 である M 0 と テ ス タ ー であ , , . る筆者とが, 専攻領域の教官と学生の関係にあったこと そして 約1ヶ年の間をおいて同一テス , , トを実施したこと である. 検査状況に対して この前者のような関係的要素が入り込んでいること , は否定できない. また, テストの操り返しによ る練習効果や 前回テストの反応の記憶な どが影響 , しているものも事実である, これらの条件を考慮 しながらロ・反応の比較 を行わねばならないが 本事例にお いてそのことが , テストとしての公共性と客観性を著しく損傷することには至っていないものと筆者は考えて いる , ( 45 ).

(5) . 中. 表. 1. 込. 郎. 四. 練習停止期の プロ トコ ル. カ ー ド1 1. 2α 〈. キツ ネに 見えま す。 な んか 目 がおか しい。 (1 段 階 : 怒 っ て. いる。 狙っている目に感じる。) 〉. イ ン ベ ー ダー ゲー ムに 出てく る U FO。. 1 カ ー ド1 1, 30″ へ ヘ 2.. こ こ がな ん と なく カ ブ ト ガニに 見え る。 クマ が 手 を 合 わせ て いる。. 2.. 3.. V. -60″. W, S W. D. FM 千. Ad. F十. ob i. F±. A. FM ±, FC. D. A. 白 い とこ ろ が ジ ェ ッ ト 機。 赤 いと こ ろ が 火を ふ い て いる よう ′25 ′ ′ ÷ -1 た 。. i S, D Fm ±, CF 0b. 人が 何か を 二 人 で持 っ て い る。. W. M±. H. W. M±. H. 無 理 して み た ら、 木の 幹。 普 通 の とこ ろに ある 木 では なく、. W. I F±, FC. ′50″ -1. d. F±. Ad. W. M千. (H). W. FM十. A. d. F干. Ad. 1 1 カ ー ド1 1. 1牢 へ V 2. カ ー ド肌 1. 70″ へ. 2.. 〈. ′33 ′ -1. 逆に 見る と 跳 び箱 を 人がとん でい る と こ ろ。. ヨウカイが出そうな所にはえている木のイメー ジ。(1:ヨ ウカイデムというマンガに出てくるよう。) (一 部 だけ でも良 い ですか。) エ ビの し っ ぽ。. P. PI. カ ー ドV 1. 2ザ へ 2.. V. カ ー ドW 1, 90″ へ. 羽 根 があ っ て 飛ん でいるイ メ ー ジ。 (1 : 今 思 い つ い た の で. すが、 ヨウセイのようなものが飛んでいる。弱々しい飛び方。) チ ョ ウ チ ョ が飛 ん でい る よう に も 見え る。. ′05″ -1. (何 も 見え な い です。 T : もう 少 し 見て下 さ い。). ヘビの頭に見えます。. P. 〈. 昆虫 の し っ ぽ。 (1 : カ ブ ト 虫 のよう な も の の 尻のと こ ろ。) ′40″ -1. d. F±. Ad. 1. 5び へ. 何か マ ン ガに 出てく る い ろ い ろ な 顔。 下 が 怒 っ て いる。 上 が. D,de. M≠. (Hd). D. FM十. 2. カ ー ドW. 笑 っ ている。. -r3す. カード皿 1, 5ぴ <. ヒ ョ ウ が岩 の 上か ら 獲 物を ね ら っ て いる 感 じ。 (1 : 下 を 向. A. P. いている感じから獲物をねらっていることを連想する。) 2.. V. 見よう と 思 っ た らチ ョ ウチ ョ の羽 根に 見える。 (1 : 柔 ら か. D. FC千, Fc Ad. い感じがする。 ) 火山、 マ グマ。 地学 の 教 科 書に の っ て いる 火山 の 絵に 似て い ′50″ -1 る。. D. 火 が燃 え て いる 感 じ。 (1 : 雲 が 赤 く な っ て い る。 夕 焼け み. D. 2.. たい。 ) 〉 世界地図に見える。 上が北半球 で下が南半球に 見える。 (I グリーンがヨーロッパ、 オレンジが南半球。 ). D. F工 Csym. 3.. 〉. ち ょ っ と 極 端か も し れな い が、 グリ ー ンの と こ ろ が女 性 の 髪 ) -ZOO に 見 える。 ここ が目。. D. F十. Hd. 昆虫 が たく さ ん いる み た い。 クモ、 カ エ ル。 (や っ ぱ り 昆 虫 ′40″ -1. D. F十. A. 3.. 〈. カ ー ド以 1. 35″ 〉. FC±, m. Lds. i I r e mF千, CF, FK F ,C Map. カ ー ドx 1. 2坪 へ. ) に しか 見え な い。. ) ( 46.

(6) . 練習停止期における精神内界の変化. この第1回目(練習停止期)のプロトコルにおいて注目されることは R,T(初発反応時 間)が比較 , 的長くムラがあること である. またR(反応数)も正常成人における20~45の範囲に含まれるもの の, 少 な い 方 と い え る よ う で あ る さ ら に 表 3 に は 示 さ なか っ た が R T(AV N C)と R T(AV , . . . , , . .. C .C)との差がやや大き いことにより,“濃淡ショック”(前者の方が大き い)を疑うことが できる, こ のこ と は Card VIに 対 し て R,T 13αという反応の困難を示し またその反応内容に 「ヘビの頭に , 見えます」 に不快感がうかがわれることより, さらに裏づけることができるよう である M ○ は . . . 検査状況に対して, やや防衛的・警戒的な態度でのぞんでいたよう であるとも考えられるが 心的 , 機能の低下や 情緒的抑制状態を考慮することも必要 であろう . )は 目印う つ的な 色彩反応の少ないことも本事例の特徴と言えるよう である Ror 1921 )7 s chach( , , 気分の変調にある人は, すべて色彩の貧困を示しており, 高揚性気分変調の人は すべて数多くの , 色彩反応を与える. …・ ・情緒が固定しているという特徴をもった被験者は すべて色彩反応をわず ・ , か しか な いか, 全く 示 さ な い な か であ る 」 と 述 べ て い る CardVmに 対 し て 2 つ の FC を示した . , ,. にすぎず, しかも1つは形態水準の低いものであった M.○ . が本来, 感受1生の乏しい情緒的表現 . を抑制するよう にな パーソナリティ 傾向の強い人であるかについては 第2回目のロ,反応プロト , コ ル(FC: 8, CF:2.5)と の 比 較 に よ っ て わ か る こ と であ る 運 動 反 応 の 内 容 の 中 に Card l「な , , ん か 目 がお か し い. 1 : 怒 っ て い る 狙 っ て い る 目 に 感 じる 」 CardV I 1「 か 何 ガに ン マ 出 てく る い . , ろ いろ な顔, 下 が 怒 っ て い る , 上 が笑 っ て い る 」 CardV m「ヒョ ウが岩の上から獲物をねらってい . .,. る感じ. 1:下を向いている感じから……」 といっ たものがある この両反応特徴を考え 合わせる , と, M.○.は練習停止において, 現実場面から退り ぞくことを余儀なくされ 抑うつ的になった , , しかしながら, 対人関係への 欲求が強く潜在していることから 現実生活との間に葛藤(Con f l i t )を c , 引き起こし, その結果このような攻撃的傾向をもった反応を示したと考え られる . )の値(-1)は 当初予想されたよりもかなり低い値が得 られた この結果をそのま 修正 BRS2 ま , , Buh l rの統合水準評定表にあてはめ てみることによって結論づけることは避けた方が良 いよう で e ある, むしろ, 後述される第2回目のロ・反応結果と比較 しながら 相対的変化を知る手がかりと , して利用した方 が良いように思われる. 第2回目(回復期)のロ・反応 プロトコルの解釈にあたっては, 第1回目のプロトコルの比較を行 い な がら 進 め て いく こ と に す る.. 第2回目(回復期)のプロトコルでは, まず反応数の増加, そして初発反応時間が短かく なり, し か も ム ラ が なく ス ム ー ズに 答 え る よ う に な っ た こ と が 注 目 さ れ る こ の こ と が 全 てく り 返 しに よ . ,. る練習効果によ ってもたらされたものであると決めつ けてしまう ことは, 本事例においては控えね ばならないよう である. 以後ふれられるいく つかの プロトコルの変化を考え合わせるならば, M.○, の両方テスト時における精神内界の変化 によるものと考えねばならない, 反応数の増加は, De ‐ , 及び形態水準の上昇を共っていることが わかる, これらのことから, 練習停止期にみられたような心的機能の低下や精神的抑制状態が, 回. terminantRa nge(決定因カテ ゴリーの種類の数)の増加. 復期では援和され現実吟味が的確になされるようになっ たことが予想される, A%(動物反応)の減 少も顕著ではないが, 精神活動のそう快な気分に近づいたことを物語るものと考えられる. また. FC の増加も著しいことがわかる, この FC 反応は, 情緒的衝撃に対する統制さ れた, しか も敏活な反応性を示すと言われている. したがって, M.○ .が情緒的に安定し, 外界の情緒的要求 に適切な方法で反応し, 他の人と円滑につきあえるようになったものと予想できる M反応の数は , 変化していないが, 質的な面から見ると, M.○.の内界あるいは精神機能の向上的変化をさらに裏 ( 47 ).

(7) . 中. 表. 口. 込. 四. 郎. 回復期 のプロ トコ ル. カ ー ド1 1. 1び へ 2. 〈. 前 と 同 じ でオ オカ ミに 見 える。 ( ) 1 : 目の 雰 囲 気 が似 て い る。 ′05″ 昆 虫 のお 尻の あ た り。 -1. W, S d. F十. Ad. F±. Ad. 1 カ ー ド1. ″ へ 超音速旅客機 ( ) L 7 。 1:火をふき出しながらとんでいる感じ。 2. 3.. S i ,D Fm±,CF 0b. 〈. ウ サ ギに 見える。 手 を 合わせ て い る。. D. 〈. カ ブト ガニ。 (1 : ほ ん と う は こ ん な 色 では な い が、 でも、. D. FC十. FM ±. A. W. M±. H. W. M±. H. A. P. -Z2び. ) この赤色からも少し連想される。 1 1 カ ー ド1 1. lr ヘ 2, 〉 3. 〉. カ ゴを持 っ た 人。 女性。 跳 び 箱を とん でい る。 ・ チ ョ ウ ネ クタイ に 見える。. D. 4.. 花の よう に 見え る。 何 て い う か 南 米 産 の 花 の よ う。 (1 : 特. D. <. FC士 FC干, Csym. P. ob j pl. ) 別名前は思い浮かばない。 赤色から南米産のよう。 5. 6.・. 〉. タツ ノ オ トシ ゴ. D. 〈. (部 分 的 でも 良 い の です ね。) 馬 の ひ づ め。 あ る いは 女性 の. d. F± F十. 7.. 〈. D. FK十. A ob i. ハイヒールにも見える。 人工 衛星 か ら 見た 地球 の 一 部 分。. -30O. Lds. カー ドW W. 1. 2r へ 2. 〈. 大き な 木の 感 じ。 エ ビの し っ ぽ。 背 中 の 部分 か ら先 の 方ま で見え る。. D. 3. 4.. 〈. 悪 魔 の 耳 のよ う。. d. 〈. 白鳥 が首 を下 げて いる と こ ろ。. カ ー ドV 1. 10″ 〈 2. 〈 3.. 〈. -翌oo. d. F十 F土, FC FC≠. P1 Ad ) (Hd. FM+. FM十. A. コ ウ モリ。 羽 根 を ひ ろ げて とん でい る よ う。. W. 人の フ クラハ ギに 見 える。. d. F±. Hd. A. 習 字 の 筆 で線 を引 い た よう。 (1 : こ の 白 い と こ ろ が筆 の 先 -Z55″ で黒 いす じが 線に 見える。. i d ,S. F土, Fc. ob j. 獣 の 敷き 皮。 (1 : ま わ り が ギ ザ ギザ して いる か ら。 色の ま. W. P. カー ド班 1. 1. V. F±, Fc. ob i. p. だらのところも関係しているよう。 ) 2.. <. 恐 竜 が 水面に 顔を 出 して いる。 (1 : 反 対 側 は 水 面に 映 っ て ) いる と こ ろ。. 3,. 〉. カ ー ド珊 1, 18″ へ 〉 2. カ ー ドVm 1,. 8″ へ 2, 〈 3. 4.. ′20″ -2. FM 土. d. F十. {A) Ad. 人の 顔 が6 つ あ る。 笑 っ て い る 顔。 怒 っ て いる 顔。 マ ン ガに 出 てく る よう な円 盤 ある い は ロ ケ ッ ト が着 陸 して い ′15″ る。 -3. D. M十. Hd. S. F±. od j. 獲 物を ね ら っ て いる ヒ ョ ウ。 ある い は トラ のよう。. D. 火山 の 噴 火の 断 面 図。. W. V. 花 でなく て 花 びらに 見え る。. 〈. 宇 宙 か ら 見た 地 球 の 感 じ。. X カ ー ド1 I. 8″ 〉 2. 〉 3. 4.. 昆虫 のお 尻。. D. D -31. D. 赤 い の が 爆 発 し た よう。. D. 南ア メ リカ 大 陸と ヨー ロ ッ パあ る いは ユ ーラ シア 大 陸. D. V. カ キ を 2つに 割 っ たと こ ろ。. D. ヘ. モモ。. D. ( 4 8 ). FM十. A. P. Lds CF一・ I FC土, FC P 1 FKキ. Lds. CF, m Exp 1 F千, Csym Map FC十 P1 FC±. P1.

(8) . 練習停止期における精神内界の変化. 5. 6.. 〉 〈. カ ー ドX ″へ 1, 12 2, 〈. 人が向 い 会 っ て いる。 針に 植え て ある 花。. d r D. 一32ぴ. たく さ ん 虫 がい る よう に 見える。 カ ブト 虫 が 木を 上 っ て いる よう。. D de D. D. 3, 4.. 〈. 女 の子 の 横 顔に 見える。. へ. 部 分 的に 言う と こ こ がカ ニに 見える。. 5.. へ. 青虫. D. -翌0O. M±, Fc FC±. F十. Hd PI. A. FM十, FC’ A F十 Hd F土. A. FC±. A. 表 1 1 1 スコア -比 テスト 第 1 回 目 第 2 回 目 テスト 第 1 回 目 第 2 回 目 \\ *二 カテコ (停止期) (回復期) カテ 刃 こ\\ (停止期) (回復期) R( lr t t ) o a esponse. Re Re i l /Fa ) i( i RT(AV ) . R,T(AV ) .. 0 (/). FC:CF十C. 39. ’ 0 (/) FC十CF十C:Fc十c+C. 2: 1. 8 :2.5. 3:1,5. 10.5: 5. ′34 ″ 1. ′57″ 2. F~ 1:M. 4:4. 6: 4. ″ 41. 11.9″. F%/XF%. 43/95. 36/95. 汎/:D. 7:13. W %. 33. 18. Dd%. 0. 8. 帆r:M. 7: 4. 7: 4. P(%). 2.25: 4. 8: 4. Con t ent Range. 7. 8. 1,5:6.5. 6,5: 8. Det 1 er r 丁 . nam Range. 5. 9. 33%. 38%. -l. 十36. ZC:M E ,B. 21. ’ F c十c+C :FM十m 皿十豆十X/R. 67/65/72. 93/87/85. A%. 48. 38. At%. 0. 0. 7:23 F+%/2F+%/R+%. 修正 BRS. 4( 19%). 3%) 5 (1. づ け る こ と が でき そ う であ る. 1 回 目 の プ ロ ト コ ル に は 4 つ の M があ り, そ の う ち 2つは形態水準 のや や 低 い も の であ り, さ ら に Card Vに対する反応内容の中に 「1:ヨウセイのようなものが飛 ん でい る. 弱々 しい 飛 び方.」と い っ た 屈 曲 的 な M を 見 た. と こ ろ が 2 回 目 の プ ロ ト コ ル では, 4 M. ともに形態水準が満足され, 屈曲的Mは見られなかっ た. このことからも, M.○. が以前より も他 l f ‐ の人とのよい共 感的な関係をもちう るようになったこと がうか がわれる. また, 自 己概 念(Se t )に対する手がかりが, このM反応の性質や内容から推測することができると言われている cep con ことから, 自己概念の変化についても確めることができるよう である. しかしながら, 自己概念の 変化に関しては, 質問紙調査等によって得られる資料をさらに付け加えることによっ て断定すべき と こ ろ の よ う であ る.. 運動因子Mと色彩因子 X Cとの相互関係より, Jungの言う ところの外向一内向の概念と対 応す ることのできる 精神活動の方向性にふれることができること を Rorschach は 主 張 し, それを彼は i l i typus:exper )と名 づ け て い る. i C : M の 比 率 に 関 して M.○. 《 体 験 型 》(Er encebalance ebn s は,2.25: 4,か ら 8:4に変化しており, 内向的体験型より外拡的体験型に変わったことがわかる, ):(FM 十 m)は, 1.5:6.5 より6 他 方, 第 2 の 比 率(Fc十 c + C’ .5:8と, 極端な内向的ないし内. 向的傾向を示している,この両者の 比にみられる食い違いが特定の意味を有しているの かどうかは, ( ) 4 9.

(9) . 中. 込. 四. 郎. さらに検討してみなければならないよう である, 修 正 BRS は - 1 か ら 十36 へ と 大 き な 上 昇 を し て い る, ロ・反 応 プ ロ ト コ ル の 比 較 か ら, M.○.に. とって疾病による練習停止が心的機能に影響を及ぼしたことを客観的に把握することができた. し かしながら, さらに深く問題を探ると同時に, 多くの事例の分析を進めねばならないよう である.. 4, 要. 約. 疾病によ って練習の停止を余儀なくされた, 一人の運動選手を症例に, ロ・テストを施行した. 得られたロ・反応を手がかりにして, 練習停止期における彼の精神内界の変化を探ってきた. 練習停止期と回復期の2回にわたって施行されたロ・反応を比較した結果, 練習停止期において 事例 M.○.は, 反応数の低下, 初発反応時間が長くムラのあることが認められた. そして, 色彩反 応の数の少ないことも特徴的であっ た. これらのロ ・反応結果から, 練習停止によ っ て M.○.が, 心的機能の低下や情緒的抑制状態をも たらされたことに触れることができた. さらに, このよう な練習停止による精神内界の変化につい て は, 修 正 BRS の - 1 か ら 十36 の 変 化 に よ っ て も 全 般 的 に 知 る こ と が でき た.. 文. 献. 1. Baekland i ivat i l log i lr i c sedepr ons t eepand pycho i ca eac ons .Exer ch ,F. ,1970 ‐ at,22365 .Ar .Gen .Psych 369 . 2. 片口 安 史. 1959 183 ‐ , 修正 BRS に つい て, ロ ー ルシ ャ ッ ハ 研究, 2 159 .. 3. 片口安史. 1 97 4 . 新・心理診断法. 金子書房, 4. 小川梅之. 19 7 6 0一3 4 . 勝利志向の構造-心理学的考察-. 新体育, 46 3 ,. 5. 長 田一 臣. 1976 . スラ ン プ に 挑む. 講談 社, 東 京. 190 頁. 6, Pi l t er ce e esinpsychotherapy ? l l l :howl nany i ion thAs .Ath egeHea ,R.Aリー969 s c at .J .Amer ,Co ,howcome , 17 244-249 .. 7. Ror iagnont ik.Bern s chach tBi :Eruns rcher .Psychod ,Hり1921 . 片口安 史(訳)1976 精神診断学(改訳版)金子. 書房 2 4一25頁.. l 8. Sega i i lad s s tment i jus i lot ona i alorgani zat ,B.E. onandpsychi ,R.J .We at r c .En ,1965 ,and R.Sokol ,soc t i reatmentrat 3 0 es 5 4 8-5 5 6 ol .Amer .Soc .Rev . , .. ( ) 5 0.

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