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大学生・大学院生におけるCMCを利用した友人関係のバウムテストによる検討

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Academic year: 2021

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(1)大学生・大学院生におけるCMCを利用した友人関係のバウムテストによる検討                                       学校教育学専攻                                      臨床心理学コース.                                         lM10057A                                           谷川梓         【問題と目的】.  A県の教育系大学の大学生および大学院生66.  五十嵐・吉田(2003)によると,携帯メールは,. 名(男性15名,女性51名)を対象に,授業終了. コンピューターを介したコミュニケーション. 後に教室にて集団実施した。さらに調査協力者を. (ComputerMeaiated Communication:CMC). 募集し,協力者の希望日時に個別(一部集団)実. の一種に分類され,対面状況(Fa㏄一to・Face:FTF). 施した。実施内容は,フェイスシート,「携帯メー. のコミュニケーションと比べ,非対面性,個別性,. ル依存尺度の短縮版」(吉田ら,2005),「『mixi』. 非言語的手がかりが伝達されない,距離的・時間. の利用傾削(小寺,2009),「友人関係尺度」(岡. 的な制約の解放などの特徴がある。一方で,吉日ヨ・. 田,2007),「自尊感情尺度」(山本・松井・山成,. 高井・元吉・五十嵐一(2005)は,公共の場におけ. 1982),自由記述及び,バウムテストは,A4の画. る社会規範を逸脱した携帯メールの利用や,目の. 用紙に2Bまたは4Bの鉛筆と消しゴムを使用し. 前にいる相手とのコミュニケーションよりも携帯. た。「できるだけ丁寧に木を1本描いてください」. メールを優先するなどの,若年層の携帯メールに. と教示した。. 対する依存も大きな問題となりつつあることを指.          【結果】. 摘している。近年,他者とのコミュニケーション. 「m虹」利用者は40名(61%)であった。尺度. を行うサービスであるSNS(socia1networhng. 間の相関を検討したところ,r携帯メール依存尺. siteまたはsocia1networking sewice)も若者の. 度」と「『m虹i』の利用傾向尺度」の合計の間に. 間で普及している。小寺(2009)は,「mixi」は. 有意な正の相関が見られた(戸.37,ρ〈.05)。次. 新たなコミュニケーション空間を付加している可. に,「携帯メール依存尺度」及び『『miXi』の利用. 能性を推察している。. 傾向」と,r友人関係尺度」との関連を検討したと.  これまでの携帯電話と友人関係に関する研究は. ころ,携帯メール依存尺度の合計と「傷つけられ. 質問紙調査によるもののみであるが,投影法など. ることの回避」の間にのみ有意な正の相関が見ら. の中に表れるような個人が無意識に捉える友人関. れた(r.32,ρ〈.01)。下位因子ごとでは,「携. 係を検討することが必要であると考えられる。そ. 帯メール依存尺度」の下位因子である「情動的な. のため,本研究において,投影法として,バウム. 反応」とr傷つけられることの回避」との間に有. テストを用いて,友人関係との検討を行った。. 意な正の相関が見られた(r=.39,ρ<.01)。また,.  仮説として,以下のことが考えられた。1)自. 「『m㎞』の利用傾向」の下位因子である「情動. 他への傷つきを回避し,円滑な関係を志向する群. 的な反応」とr傷つけられることの回避」との間. は,携帯メール(「mixi」)依存得点が高い。2). に有意な正の相関が見られた(r:.35,ρ<.01)。. 内面的友人関係を取る傾向が高い群は,携帯メー.  バウムテストについては,まず,全体の約20%. ル(rmki」)依存尺度得点が低い。3)自他への. を2人で評定し,84%と高い一致率であったため,. 傷つきを回避し,円滑な関係を志向する群におい. 以降は筆者のみでサインの有無のチェックを行っ. ては,バウムテストにおいて,軒先端処理に特徴. た。次に,一谷・津田(1982)の作成したバウム. が見られる。. テスト整理表を用いて,携帯メール依存傾向の島.          【方法】. 群と低群の間で,サインの出現率を検討したとこ. 一122一.

(2) ろ,r刀型抜」にのみ有意傾向が見られた(パ=.         【総合考察】. 3.74,d倖1,pく.10)。次に,「m㎞」の依存傾向の.  本研究において,大学生及び,大学院生という. 高低とバウムテストの各指標の出現率を検討した. CMCでのやり取りが活発な年代の友人関係がバ. ところ,「丸い形の枝」において,パ乗値は3,59,. ウムテストにおいて,どのような特徴が見られる. 自由度1,10%水準で有意傾向が見られた(パ=. のかを検討した。携帯メール依存傾向やrm㎞」. 3.59,af≡1,pく.10)。. 依存傾向と「友人関係尺度」との関連を検討した.          【考察】. ところ,r携帯メール依存尺度」の合計得点とr情.  尺度間の相関の結果から,CMCを利用する背. 動的な反応」,「「miXi」の利用傾向」の下位因子. 景には,やり取りをする相手から傷つけられるこ. である「情動的な反応」において,「友人関係尺度」. とを恐れ,相手からの反応が気になっているのだ. の下位因子である「傷つけられることの回避」と. と考えられる。. の間に有意な正の相関が見られた。すなわち,携. 「刀型枝」は攻撃性や感受性を示し,「傷つけられ. 帯メールや「miXi」への依存傾向は,友人関係に. ることの回避」との相関と合わせて考えると,他. おいて,相手からどう思われるか,といった懸念. 者の反応を意識することは,感受性の高さによる. が影響していると思われる。. ものであると考えられる。そのため,本研究にお.  また,今回の結果から,バウムテストを用いた. いて,携帯メール依存傾向の島群の人に感受性を. 検討では,ほとんどのバウムテストのサインで携. 意味する「刀型枝」のサインの出現率に有意傾向. 帯メール依存傾向とm虹i依存傾向の高低で差が. があったのだろう。「mki」は,小寺(2009)に. 見られなかった。その理由として,調査の実施方. よると,既存の関係を前提としながらも,日常的. 法の問題が挙げられる。順序効果の影響や,集団. なコミュニケーションをオンラインで行うもので. 実施において,近くに友人や知人がいる可能性の. あると指摘されている。つまり,携帯メールのよ. 高い状況での実施となったため,防衛が働きやす. うに1対1の関係ではなく,大勢と広くつながれ. くなり,描画の中での表現が妨げられたのではな. ることから,r丸い形の枝」のサイン表す,社交性. いかと考えられる。. や開放的な人ほど,SNS「mixi」でのやり取りが.  本研究において,サインの出現率に有意差が出. 多いと考えられる。. なかったことから,改めて,高橋(2010)が指摘.  また,友人関係の特徴において,現代青年に特. しているように,他の心理テストとテスト・バッ. 有な友人関係の傾向が高い人は,低い人に比べ,. テリーを組む必要性,TATや人物画テスト,HTP. r枝」に何らかの特徴が見られるのではないかと. やSCTなど,対人関係を見ることができるテス. 仮説を立て,その検証を行った。しかし,本研究. トを用いる必要性が示された。. においては,島群と低群において,出現率に有意.  今回,使用しているCMCでのやり取りするこ. な差は見られなかった。. とについて,利用者はどう感じているのかを調査.  本研究における現代青年に特有な友人関係の傾. することができなかったが,今後は,半構造化面. 向は,岡田(2007)と必ずしも同じ特徴をもつ群. 接による調査で,CMCに対する感じ方,考えを. 分けであるとは言い難い。サンプル数の違いや,. 自由に話してもらうことで,CMCと友人関係と. サンプルの属性に偏りもあるため,その影響も考. の関連について,より正確な理解が可能になると. えられる。そのため,本研究においては,推測の. 思われる。. 域を出ないが,自他への傷つきを回避し,円滑な 関係を志向する群の高低と,「枝」の項目における. 主任指導教員 遠藤裕乃. 出現率は,直接関連しない可能性が推察された。.   指導教員 遠藤裕乃. 一123一.

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