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震災後の児童のメンタルヘルスに関する心理学的研究 : 日本と台湾におけるキャンペーンの効果について

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(1)震災後の児童のメンタルヘルスに関する心理学的研究. 一日本と台湾におけるキャンペーンの効果について一.      学校教育専攻   教育臨床心理コース. 学籍番号:MO2089F     氏名:小川晃.

(2) はじめに. 目次. 問題と目的. 震災直後の精神保健活動. 方法. 結果. a)自記式質問紙法調査 b)面接調査. 考察. 結語. 謝辞. 引用文献. 附録資料.   資料1. (自記式質問紙調査用紙).   資料2   資料3   資料4. (面接調査用紙). (承諾書一調査者用). (承諾書一調査協力者用).

(3)               はじめに.  目本は,台風による水害や火山の噴火災などの自然災害を多々被って おり,防災の先進国といわれるにもかかわらず,一部地域を除いて特異 な災害文化が生じることは少なく,災害医学が全面に取り上げられるこ ともなく経過してきた(中根,2002)..  しかしながら,1995年1,月17日午前5時46分,淡路島北端を 震源とするマグニチュード7.2,最大震度7の阪神大震災が発生した.. この地震は,淡路北部を横切る野島断層が動いたもので,明石市から尼. 崎市までの兵庫県の沿海部とその周辺地域,および淡路島北部が最大震 度7の激しい揺れに襲われ,各地で甚大な被害が発生した.実にそれは. 6,400名を超える死者と,4万人以上の負傷者,および24万軒(約 44万世帯)の家屋倒壊などであった..  その後,心の傷や外傷後ストレス障害の発症が早くから懸念され,被 災者への物理的支援のみならず,心理的支援が精神科医師,心理士らに. より行われてきた.またそれに平行し,マスメディアがこぞってPTSD を中心とした「心の問題」にっいての報道を頻繁に行い,数多くの情報. が伝達された.それまで日本には他国と比べ,心の問題を抱える者に対            ど する根強いスティグマが残ってだり,今日の社会・文化的問題ともいえ たが(山本,1996)リアルタイムで心理的支援の必要性に関する報道が. なされてきたことにより,社会全般の「心の問題」への関心が一気に高 まってきた..  その後,1999年9月21目午前1時45分頃,台湾中央部を縦断 する最大の車籠哺断層がずれることで台湾大震災が発生した.被害は中 部台湾に集中し,特に断層の上に乗っていた山間部が甚大な被害を受け,. 台湾全土で2,300名を超える死者,10万におよぶ家屋の倒壊など の被害があった.震災発生直後より台湾には,日本における精神保健活. 1.

(4) 動を踏まえた多くのボランティアグループが訪れ,被害者に対して物理 的,心理的支援が行われてきた.神戸からも精神科医師,臨床心理士,、. 養護教諭,保健師,看護師らが当地を訪問し,学校教師および保護者に 対しては講演を行い,被災児童に対してはフィンガーペインティングな どのアートセラピーの施行といった地域支援活動を行ってきた.私自身 もその過程においてさまざまな活動を行うにつれて,震災以降我が国で. 行われてきた精神保健活動の効果や,今後活動を一層効果的に進めてい くにあたって考慮すべき点にっいて,興味を持っに至った.また,兵庫. 県明石市で発生した歩道橋事故や,大阪府池田市の大阪教育大学付属池 田小学校で起こった事件など,子どもを巻き込んだ様々な事件が多発す る現代において,特に子どもへのr心のケア」の重要性を感じた,・.  しかしながら,元来日本においては子どものQOLについての意識は 低く,重要視されずにきたという歴史があり,児童精神保健についての 知識や関心は決して高いとは言えない状況にある.一方,子どもの心の 問題は以前にも増して多様化しており,児童精神保健についてより幅広 い理解が求められるようになってきている..  以上のような状況下,児童精神保健に関する知識の啓蒙や適切な支援            ‘ 活動を進め,コミュニティの二」ズに即した児童精神保健サポートシス テムを早急に構築する必要性を強く感じた次第である.. 1.問題および目的  災害と児童精神保健関係を検討した研究には,Burker,Boris,Bums. (1982)のアメリカ合衆国での洪水についての調査や Shannon,Lonigan,Finch(1994)のハリケーンに関する調査,また pynoos,Goenjian,Tashjian(1993)のアルメニアの大震災についての調査. などがある、また,国内においては,植本,井出,高宮(2000)の阪神. 2.

(5) 淡路大震災が子どもたちにもたらした精神医学的影響とその経過につい ての調査などがある.しかし,これらは精神的問題の発生率に関する研. 究が中心であり,災害後の児童精神保健活動の評価についての既存の研 究は未だ例をみない..  また,特に日本を含むアジア諸国の社会環境や文化的背景を考慮した 研究は殆ど存在せず,よって今後,当該領域において適用性,拡張性と もに高い先行研究になると期待される..  本研究は,大規模自然災害を被った目本と台湾を対象地域とし,家族 の次に児童との接触が多い学校教師を対象に,児童精神保健に関する認 識とそれに対する震災の影響,現在のサポートシステムの評価について 自記式質問用紙調査および面接調査を行う.さらに目本と台湾での震災. 後の精神保健活動の効果にっいて,社会的・文化的背景を考慮し比較検. 討を行う.さらに,これらの結果を踏まえ,目本における児童精神保健 サポートシステムについての提言を行いたい.. H.震災直後の精神保健活動 1.阪神・淡路大震災            盆.  阪神・淡路大震災における精神’救護活動は困難を極めた.震災ダメー. ジにより都市機能がほとんど失われていた上,斯様に大規模の災害は目. 本において前例がなく行政,医療機関ともに想定外であり,人的・物的 な準備対策が一切なされていなかったためである.そのような状況下,. 震災直後に当該活動の中心的な役割を果たしたのは,神戸市内の保健所 を核とする震災前からの精神医療ネットワークであった。これに被災地. 外からの応援チームが参加し,最終的には市内10カ所の保健所に「精 神科救護所」が設置された..  活動の中で,精神科への入院適応ケースが少なからず見いだされたも. 3.

(6) のの,当時市内にあった精神病院はほとんど機能していなかった.そこ. でこの二一ズに応えるために精神科医療体制が拡充され,3っの民間病 院が24時間体制で精神疾患患者の救急入院受け入れを開始した。.  また,全国から集まった精神科医師や臨床心理士が独自にホットライ. ンなどの電話相談を開設したり,パンフレットを配布したり,心理的支 援にっいての講演を開催するなどサポートが行われていた..  このように,阪神・淡路大震災においてはシステマティックな対応が とられていたとは言えず,支援者各自の判断に基づく暗中模索的な支援. が提供されていたと言える(参照:財)長寿社会研究機構 こころのケ ア研究所2001,災害後のメンタルヘルス活動に関する国際比較:阪神・ 淡路大震災と台湾大地震の比較を通して).. 2.台湾大地震  台湾大震災においては,被害は台中県および南投県に集中した.しか し,台中や台北など大都市が機能を失わなかったこと,大陸との緊張関. 係を背景として日常的に政府・軍を中心とした危機管理体制が確立され ていたことなどから,初動は迅速であった.震災発生後数時間以内に,            魂 まず軍が救援活動を開始した.rけ央政府もいち早く動き,地方政府がそ れに従うなど指揮系統も明確であったため,混乱も少なかったとされる..  また,震災直後より心理的支援の必要性が注目され,台湾政府は早期. に方針を打ち出し支援体制を整えた.それは台湾中の22の公的医療機 関を指定し,被災地域を32に分割して担当させるというものであった..  各機関は専門の相談所や移動診療所を設置し,訪問活動にあたるなど の支援を行った.このような活動は1年にわたって継続されたが,これ らの費用や人的資源は国がすべて補完することが明言されたため,現場. では多少の混乱はあったものの,統制のどれた活動が行われていたとい. 4.

(7) う.(図一1参照)このように,両震災における復興プロセスの最大の 違いは,日本では各地方自治体がイニシエイティブを取ったのに対し,. 台湾では中央集権的なシステムが遂行されたという点であろう.(参 照:財)長寿社会研究機構 こころのケア研究所2001,災害後のメンタ. ルヘルス活動に関する国際比較:阪神・淡路大震災と台湾大地震の比較 を通して).. 5.

(8) 福祉. 医療(身体・心理面). 内政部. 教. 云目. 中央政府. 重建推委員会     1. 教育部. 社. △六. 児童局. 司.   ハコ      ハぼ   ロロ ロ  ロロユリリ ロロ. 県政府. 賓. 社会局. 衛生局. 民間ボランティア. CCF     も. 教育局. ③草屯TTPC. (失親児童). II. ①生活重建中心. 衛生所. 病院. 学校補導室. ②心理衛生中心 図1 台湾の行政組織と精神保健施設. ①生活重建中心:台湾全域で40ヶ所作られた。スタッフの殆どはソーシャルワーカーである。被災者の生活面(住居、経済面など)のサポートを行って.  いる。震災直後に立ち上げられ、2003年12月まで活動を行う。費用は台湾政府がサポートしている。 ②心理衛生中心:南投県、台中県の2ヶ所に作られた。スタッフは、医師(精神科含む〉、看護師、ノーシャルワーカーが在中。被災者の心理的サ術一ト.  を行っている。震災直後に立ち上げられ、2004年まで活動を行う。費用は台湾政府がサポートしている ③草屯TTPC:草屯病院のバックアップのもと、精神科医師、看護師、心理士がボランティアで草屯地域の5ヶ所の小・中学校の被災児童のサポートを行  っている。・週に1回学校を訪問している。.

(9) 皿.方法.  自記式質問紙調査法と面接調査を実施した。それぞれの詳細は以下の 通りである.. 1.調査対象. a)自記式質問紙調査法  調査対象者は,児童に密接な関わりを持つ幼稚園,小学校教師とした.. 日本では阪神淡路大震災において最激震地域であった神戸,淡路の5っ. の小学校の教師79名(調査総数105名・回答率75.2%)に,台湾で は台湾大地震において最激震地域であった南投県哺里の2つの小学校と. 3つの幼稚園の教師86名(調査総数110名・回答率78.1%)が本研 究に調査者として参加した。. b)面接調査.  調査対象者は,1)と同様に幼稚園,小学校教師とした.目本では神. 戸,淡路の5つの小学校教師30名(調査総数105名・回答率28.6%) に,台湾では南投県哺里の2っの小学校と3っの幼稚園の教師41名(調            ‘ 査総数110名・回答率37.3%)添本研究に調査者として参加した・. 2.調査材料.  調査内容については,事前に予備調査を実施し加筆修正を行った,. a)自記式質問紙調査法  社会統計学的属性7項目(所属,年齢,性別,教師経験年数,震災時 の担当学年,震災時の住まい,自宅の被災程度)の確認と,質問4項目 (①児童の精神的問題の認知に対する震災の影響,②震災後の児童精神. 保健に関する考えの形成要因,③児童精神保健のサポートシステムの現. 6.

(10) 状に対する評価,④精神的問題を持っ児童の事例に対する認識,原因・ 成り立ちに関する考え,治療・対処法,偏見)で構成した..  ④では,児童精神保健で重要な精神障害であり,災害と関連の高い PTSDの事例を提示した.この事例は,DSM−IV(精神疾患の診断・統計. マニュアル)を参照に,経験豊かな児童精神科医師5名,臨床心理師1 名の助言を得て作成された.. b)面接調査.  質問5項目(①児童精神保健に関する考えが変化した時期,②変化し たきっかけ,③変化内容,④自ら体験した具体的な事例,⑤児童精神保 健サポートシステムの具体的な活用状況について)で構成した.. 3.調査期間.  2001年6月∼2002年5月 4.調査手続き a)自記式質問紙調査法            ‘  幼稚園,小学校を訪問して,げ答者全員に調査の趣旨を説明した上で. 調査用紙を配布し,その場で回答を求めた.台湾にて使用した調査用紙 はあらかじめBack Translationを行っており,目本で使用された調査用 紙と内容が同一となるよう留意されている.. b)面接調査.  質問者と回答者の対面形式で,個人が経験した具体的な事例にっいて 半構造化面接を行った。台湾においては通訳者を介して施行した。その 際,質問内容の意図が調査対象者に正確に伝わるよう,事前に通訳者と. 7.

(11) 入念な打ち合わせを行った..    。灘嚢漿鐸 憾棲・一嚇. 灘難灘灘. 馨鍵灘欝難.   驚i難櫻     _輔       撒 図2 (日本全図および神戸の位置(0印). (台湾全図および哺里の位置(O印). 5.分析方法. a)自記式質問紙調査法  得られた回答を数量化し,各項目の関連性を検討するためκ2乗検定 を行った。なお分析には統計ソフ,♪SPSS10.OWindows版を用いた.. b)面接調査.  インタビュー内容を文書化し,. KJ法を用いてカテゴリー化した.. 6、倫理的配慮  調査結果は本研究以外の用途に使用しないこと,回答を拒否しても不 利益は一切生じないことを調査前に対象者に説明した.その上で調査に 同意が得られた場合は,調査協力同意書を取り交わした.調査結果は,. 個人が特定されないようコード化して処理し,個人情報の保護には十分. 8.

(12) 留意した.また,調査過程において何らかの心理的問題が対象者に見出 された場合は,必要に応じてメンタルサポートを行った、更に様々な心 の問題を抱えた児童に対する具体的な支援について,児童精神科医師, 臨床心理師,看護師らの協力のもと指導・助言を行った..  調査終了後,調査協力機関と協力者に対しては,本研究の成果に関す る報告書を配布する予定である.. 9.

(13) W.調査結果. 調査対象者の特性. 1)性別(表1)  日本における調査対象者の性別は,男性28名(35.4%),女性51名 (64.6%)であった..  台湾における調査対象者の性別は,男性16名(18.6%),女性70名 (81.4%)であった.. 表1:調査対象者の国×性別 女性. 男性 日本. 台湾. 合計. 28 16 44. 合計. 70. 79 86. 121. 165. 5 1. 2)年齢(表2).            膣               じチ.  目本における調査対象者の年齢は,20∼29歳が12名(15.2%),. 30∼39歳が13名(16。5%),40∼49歳が31名(39.2%),50 歳以上が23名(29.1%)であった..  台湾における調査対象者の年齢は,20∼29歳が23名(26.7%),. 30∼39歳が29名(33.7%),40∼49歳が24名(27.9%),50 歳以上が8名(10.0%),無回答が2名(2.3%)であった.. 10.

(14) (表2:調査対象者の国×年齢). 日本. 台湾. 合計. 20∼29. 30∼39. 40∼49. 50+. 無回答. 合計. 12 23 35. 13. 31 24. 23. 0. 8. 2. 79 86. 3 1. 2. 165. 29 42. 55. 3)自宅の被災程度(表3)  日本における調査対象者の被災の程度は,「全壊」が13名(16.5%),. r半壊」が17名(21.5%),r一部損壊」が28名(35.4%),rなし」が 21名(26.6%)であった。  台湾における調査対象者の被災の程度は,「全壊」が10名(11.6%),. r半壊」が26名(30.2%),r一部損壊」が32名(37.2%),rなし」が 17名(19.8%),無回答が1名(1.2%)であった.. (表3:調査対象者の国×自宅の被災程度). 目本. 台湾. 合計. 全壊. 半壊. 一部損壊. なし. 無回答. 合計. 13 10 23. 17. 28 32 60. 21 17 38. 0 1. 79 86. 1. 165. 2ぽ6. 43. a)自記式質問紙調査法結果 設問1)震災後,子供の心理的な問題にっいて,あなたの考えは変わり ましたか」.  「変わった」/「変わらなかった」と回答したのはそれぞれ,目本で は53名/25名(67.1%/31.6%),台湾では65名/21名(75.6%/24.4%). であった.κ2乗検定の結果によれば,目本一台湾間で有意差はみられ なかった,. 11.

(15) 設問2)「子どもの心理的な問題にっいて,サポートシステムの現状は 満足の行くものですか?」 (図3,4).  目本においては,「とても満足」0名(0%),「満足,まあまあ満足」. 32名(40.5%),「やや不満足,不満足」42名(53.2%),無回答6名 (6.3%)という回答状況であった.(図3).  台湾においては,rとても満足」0名(0%),r満足,まあまあ満足」. 75名(87.2%),「やや不満足,不満足」10名(11。6%),無回答1名 (1.2%)という回答状況であった.(図4).  κ2乗検定の結果によれば,r満足,まあまあ満足」とrやや不満足, 不満足」において,日本一台湾間で有意差が見られた(κ2=36.368,df=1, P<。01).  これらのことから,現状のサポートシステムに対しては日本より台湾 においての方が満足度は高いと言える.. ……,…礎ii. 無. 回隅. 無農答iiii. iiii鎌iii勤 ■ρ. 不縮. や不錫 や.5  満. iiii欝iiii. (図3 日本). (図4:台湾). 設問3)「新たに加えるべき施設・サービスなどがあるとすれば,何で しょうか?」(複数回答可) (図5).  日本においては,rカウンセラー」62名(78.5%),r教師が定期的に 12. 答.

(16) 専門家と相談できる機会」56名(70.9%),「保護者を対象とした心理 の研修」49名(62.0%),「教師を対象とした心理の研修」44名(55.7%),. 「児童相談センター」31名(39.2%),「保護者のための電話サービス」. 26名(32.9%),「精神科診療所」24名(30.4%),「教師のための電話 サービス」9名(11.4%)という回答状況であった..  台湾においては,「児童相談セン’ター」55名(64.0%),「保護者を対 象とした心理の研修」44名(51.2%〉,「教師を対象とした心理の研修」 35名(40.7%),「保護者のための電話サービス」34名(39.5%),「カ. ウンセラー』32名(37.2%),「教師のための電話サービス」28名 (32.6%)「教師が定期的に専門家と相談できる機会」27名(31。4%),. r精神科診療所」.18名(20.9%)という回答状況であった..  κ2乗検定の結果によれば,「児童相談センター」,「教師のための電話 サービス」において日本一台湾間で有意差が見られた(κ2=10。077,dfニ1,. pく.05)また,r教師が定期的に専門家と相談できる機会」,rカウンセラ ー」においても目本一台湾間で有意差が見られた(κ2ニ25.687,df=1, P<。01).  これらのことから,日本においてはカウンセラーの常駐や専門家の定            ぽ 期的な支援,そして保護者・教師チに対する研修などに二一ズが高いこと がわかった.一方,台湾においては児童相談センターなどの行政施設に. 対する期待が高い事がわかった,日本と同様に保護者・教師に対する研 修に対する二一ズも高い.しかしカウンセラーの常駐,専門家の定期的 な支援に対する期待は低い.. 13.

(17) S.    80    70    60    50    40    30    20    10    0 (%).           D           て           い           つ           に           ス 精神科診療所    ビ           一. 教師の電話サービスサ.           ● 保護者の電話サービ.     ス    設.           施. 児童相談センターき.           べ. 教師の心理研修る.           え 保護者の心理研修   日           力           に. 専門家との相談機会た.           新 カウンセラ!    ﹁.           5           図           ︵. 設問4)精神的問題を持っ児童の一事例に対する認識,原因・成り立ち に関する考え,治療・対処法,偏見. 提示された事例: 『小学校5年生の女児.数ヶ月前’こ,自宅が火事で全焼した.それ以来,. 突然火事の事を思い出しては,怖そうにその時の事を話したり,火事の 夢を見たと訴えることがある.現在は,別の家に住んでいるが,火事に あった自宅の近くに行きたがらない.小さな物音に敏感で,眠りも浅く,. よく目を覚ます。好きだった学校も,あまり楽しくなさそうで,火事の 前に比べると学校の成績も下がった』. (1)「これは精神的な病気だと思いますか」. r思う」/r思わない」それぞれの回答数は,目本では68名/10名 (86.1%/12.7%),台湾では76名/10名(88.4%/11.6%)であった.κ2. 乗検定の結果によれば,目本一台湾間に有意差はみられなかった. 14.

(18) (2)「その病気は何だと思いますか」(複数回答可) (図6).  日本では,「精神分裂病(統合失調症)」0名(0%),「自閉症」0名(0%),. 「躁欝病」0名(0%),「神経症(ノイローゼ)」3名(3.8%),「PTSDj. 68名(86.1%),「ADHD(注意欠損/多動性障害)」0名(0%),rLD (学習障害)」0名(0%),r精神発達遅滞」0名(0%),rわからない」 1名(1.3%)という回答状況であった,.  台湾では,r精神分裂病(統合失調症)」1名(L2%),r自閉症」1名 (1.2%), 「躁欝病」13名(15.1%), 「神経症(ノイローゼ)」34 名(39.5%),「PTSD」57名(66.3%),「ADHD(注意欠損/多動性障害)」. 0名(0%),rLD(学習障害)」2名(2.3%),r精神発達遅滞」0名(0%),. 「わからない」1名(1.2%)という回答状況であった..  κ2乗検定の結果によれば, 「躁欝病」 r神経症(ノイローゼ)」 「PTSD」において,目本一台湾間で有意差が見られた(冗2=12.461,df=1, P<。01)..        90・        s ….        80        70        60          『歩        50 i           S        40        30 S        20        10         0 ∼. □目本 台湾.          統自躁神PAL精分          合閉欝経TDD神か 発ら          失症病症SH .          調       D D    達 な          症              遅 い                       滞. (図6 「その病気は何だと思いますか」). 15.

(19) (3)「その原因はどのようなことだと思いますか」(複数回答可) (図7).  日本では,「災害によるストレスj73名(92.4%),「性格の弱さ」1 2名(15。2%),「対人的ストレス」12名(15。2%),「遺伝」が3名(3.8%),. 「感染・アレルギー」1名(L3%),「たたり・呪い」0名(0%)という 回答状況であった..  台湾では,r災害によるストレス」80名(93.0%),r性格の弱さ」5 3名(61.6%),「対人的ストレス」37名(43.0%),「感染・アレルギー」. 16名(18.6%),r遺伝」7名(8.1%),rたたり・呪い」1名(1.2%) という回答状況であった..  κ2乗検定の結果によれば,「性格の弱さ」「対人的ストレス」「感染・ アレルギー」において,日本一台湾間で有意差が見られた.(κ2=30.776, df=1,Pく,01).  これらのことから,日本,台湾ともに高い割合で原因を災害によるス トレスと考えていることがわかった.また,台湾では性格の弱さ,対人 的ストレスが原因であると考えている教師も多いことがわかった.. 16.

(20) 100 90 80 70 60 50 40 30. S. たたり・呪い. 感染・アレルギー. 遺伝. 対人的ストレス. 性格の弱さ. ミ. 災害によるストレス. 0. 台湾. S. 20 10. o目本. 避. (図7:rその原因はどのようなことだと思いますか」). (4)「その対処方法として何が有効だと思いますか」(複数回答可) (図8).  日本においては,「温かく接し,よく話を聞く」77名(97.5%),「カ. ウンセラーに相談する」73名(92.4%),「精神科を受診する」66名 (83。5%),r保健(養護教諭)の先生に相談する」65名(82.3%),r生. 活指導主任に相談する」41名(51.9%),『「活発に運動させる」35名 (44,3%),「小児科・内科を受診する」28名(35.4%),「ソーシャルワ. ーカーに相談すう」20名(25。3%),「漢方医(中医)を受診する」8 名(10.1%),「気功を受ける」8名(10.1%),「薬局で薬を買い,飲ませ. る」3名(3.8%),「お祓い・占いに連れて行く」0名(0%)という回. 答状況であった.ちなみに,「薬局で薬を買い,飲ませる」rお祓い・占. 17.

(21) いに連れて行く」の2っの回答に関しては「有害である」と答えた人が それぞれ9名(11.4%),14名(17.7%)みられた.  台湾においては,「温かく接し,よく話しを聞く」80名(93.0%),「カ. ウンセラーに相談する」80名(93.0%),「精神科を受診する」79名 (91.9%),「活発に運動させる」69名(80.2%),「生活指導主任に相談 する」62名(72.1%),「ソーシャルワーカーに相談する」62名(72.1%),. r保健(養護教諭)の先生に相談する」51名(59.3%),r気功を受け. るj16名(18.6%),r小児科・内科を受診する」11名(12.8%),r漢. 方医(中医)を受診する」14名(16。3%),「薬局で薬を買い,飲ませ る」8名(9.3%),「お祓い・占いに連れて行く」22名(25.6%)とい. う回答状況であった.ちなみにr薬局で薬を買い,飲ませる」rお祓い・. 占いに連れて行く」に関しては日本と同様「有害である」と答えた人が それぞれ23名(26.7%),1名(1.2%)みられた..  κ2乗検定の結果によれば,「保健(養護教諭)の先生に相談する」「生. 活指導主任に相談する」 「活発に運動させる」「小児科・内科を受診す る」「ノーシャルワーカーに相談するj「お祓い・占いに連れて行く (有 効)」において,目本一台湾間で有意差がみられた(κ2ニ9.690,dfニ1,.            虞 pく.01).「精神科を受診する」においても同様に有意差が見られた(κ2 ニ5.015,dfニ1,pく.05).これらのことから,日本,台湾ともにカウン. セラーに対する信頼が高いこと,また自らの子どもたちへの関わり方と しては温かく接し,よく話を聞くといった姿勢をとることが望ましいと. 考えていることがわかった.さらに日本においては保健(養護教諭)の 先生に,台湾においては生活指導主任に信頼が大きいことがわかった. 加えて,台湾ではお祓い・占いが有効であるという考えも無視できない.. 18.

(22) ロ日本 圃台湾. 薬. 活発な運動. 暖かい態度・傾聴. お祓い・占い. ソーシヤルワーカーに相談. カウンセラーに相談﹄. 生活指導主任に相談. 保健教諭に相談. 気功. 漢方医受診. 精神科受診. 小児科・内科受診. 0. (図8:rその対処方法として何が有効だと思いますか」). (5)rそのような場合(事例のような子どもが身近にいるという事を 想定して),保護者や世問の人はどうすると思いますか」(複数回答可) (図9).  目本においては,r世間の人は,この子どもを助けてあげたいと思う」 62名(78.4%),「世間の人は,この子どもの家族を助けてあげたいと. 思う」49名(62.1%),「保護者は,世問にこの状態を知られることが. 子どもにとってマイナスだと思う」10名(12.6%),「保護者は,この 子どもの状態を世間から隠そうとする」5名(6.3%),「保護者は,この 子どもが駄目になってしまったと思う」5名(6.3%),「保護者は,この 子どもが家族の結婚の差しさわりになると考える」5名(6.3%),「世間 の人は,この子どもの家族と関わりを持ちたがらない」3名(3.8%),「世. 19.

(23) 間の人は,自分の身内をこの子どもの家族と結婚させたがらない」3名 (3.8%),「世間の人は,この子どもと関わりを持ちたがらない」が2名 (2.5%〉という回答状況であった..  台湾においては,「世間の人は,この子どもを助けてあげたいと思う」. 53名(59.3%),r世間の人は,この子どもの家族を助けてあげたいと. 思う」が46名(53。3%),r保護者は,世間にこの状態を知られること が,子どもにとってマイナスだと思う」24名(27。9%),r保護者はこ. の子どもの状態を世間から隠そうとする」19名(22.1%),r保護者は この子どもが駄目になってしまった,と思う」5名(5.8%),「保護者は, この子どもが家族の結婚の差しさわりになると考える」14名(16.3%),. 「世間の人は,この子どもの家族と関わりを持ちたがらない」8名 (9.3%),「世間の人は,自分の身内をこの子どもの家族と結婚させたが. らない」14名(16.3%),「世間の人は,この子どもと関わりを持ちた がらない」8名(9.3%)という回答状況であった..  κ2乗検定の結果によれば,「世間の人は,この子どもを助けてあげた いと思う」,r保護者はこの子どもの状態を世間から隠そうとする」にお いて,目本一台湾間で有意差が見られた.(x2=8.063,df=1,p<.01).  また「保護者は,世間にこの状チ態を知られることが,子どもにとって. マイナスだと思う」「世間の人は,自分の身内をこの子どもの家族と結 婚させたがらない」においても,同様に有意差が見られた.(κ2ニ6.798, df=1,Pく。05).  これらのことから,日本ではrこの子どもとその家族を助けてあげた いと」と考える割合が台湾より高いと言える.逆に台湾では「この子ど もの状態が世間に知られることが子どもにとってマイナスである」「こ の子どもの家族と身内を結婚させたがらない」と考える割合が日本より 高いと言える,. 20.

(24) S 80『“. 70. 60. 30 20. S S    慧. 10. 台湾. si 蓬i.     くない. 世.身内をこの子どもの家  族と結婚させたくない 世.この子どもの家族と関    わりたくない. 醸..蔵   …謹i. 世..この子どもと関わりた. 世.この子どもの家庭を助    けたいと思う.      思う. 保..家族の結婚に差し障る. 保..知られると子供にマイ.     と考える.    ナスだと思う.     たと思う. 保、.この子供はダメになつ. 保,.子供の状態を世間から.      隠す. 0. □日本. 、藻煙醇麗. 40. 墨糞∼配 世.この子供を助けたいと. 50. (図9:「そのような場合,保護者や世間の人はどうすると思いますか」). b)面接調査結果. 1)「震災後,子どもの心の問題にっいて,あなたの考えは変わりまし たか」.  「変わった」と回答したのは日本では18名(60.0%),台湾では23 名(56.0%)であった.. 2)「あなたの考えはいっ頃変わりましたか」.  目本においては,r1ヶ月以内に変化した」11名(61.1%),r3ヶ月 以内に変化した」1名(5.6%),r半年以内に変化した」1名(5.6%),rそ. れ以上の期問を要した」1名(5.6%),rわからない」4名(22.2%)と. 21.

(25) いう回答状況であった.(図10).  台湾においては,r1ヶ.月以内に変化した」14名(60.9%),r3ヶ月 以内に変化した」4名(17.4%),「半年以内に変化し’た」0名(0%),「そ. れ以上の期間を要した」2名(8.6%),「わからない」3名(13.0%)と. いう回答状況であった.(図11).  これらのことから,両国ともに震災発生後1ヶ月以内に子どもの心の 問題に対する考えが変わったと認識する人が多いと考えられる.. 分から ない. 分から ない. 13%. それ以. 22%. それ以.  上  9%. iiiil聯iiii. 上 6%. iil謝ii. 3ヶ月以. 導…i…….  内 17%. 6%. 3ケ月以.:.  内  6%. (図11 台湾〉. (図10:目本). 3)rどのようなきっかけで考えが変化しましたか」  日本においては,r子どもの変化を見て」7名(25.0%),r講演会,研 修会の影響」5名(20.8%),「マスコミの影響」5名(20.8%),「保護者 より相談を受けて」4名(16.7%),「自分自身の体験」2名(8.3%),「同. 僚との情報交換」2名(8.3%)という回答状況であった.(図12)  台湾においては,「子どもの変化を見て」18名(60.0%),「講演会,. 研修会の影響」2名(6.7%),rマスコミの影響」2名(6。7%),r保護者 より相談を受けて」2名(6.7%),「自分自身の体験」が6名(20%),r同. 僚との情報交換」0名(0%)という回答状況であった.(図13) 22.

(26)  自記式質問用紙調査の結果と異なり,台湾においても考えが変わった きっかけとして「子どもの変化をみて」が高い値を示した.. (図13 台湾). (図12 日本). 4)rあなたの考えはどのように変化しましたか」  目本においては,「子どもの心理面への洞察が深まった」8名(34。8%),. 「子どもの生活環境への関心が高まった」5名(21.7%),「学外の専門            イ 家の知識・支援を求めるようになった」5名(21.7%),「子どもの心の 病気への関心が高まった」2名(8.7%),「子どもの言動をみて災害の影. 響だと考えるようになった」3名(13.0%)という回答状況であった.  台湾においては,r子どもの心理面への洞察が深まった」8名(38.1%), 「子どもの生活環境への関心が高まった」1名(4.7%),「学外の専門家. の知識・支援を求めるようになった」0名(0%),r子どもの心の病気へ の関心が高まった」4名(19.0%),「子どもの言動をみて災害の影響だ と考えるようになった」8名(38.1%)という回答状況であった..  これらのことから震災後,日本,台湾ともに教師らは子どもの心理面 への洞察が深まったと自己評価していると言える.また目本では教師が 23.

(27) 高まる・i…i・.  9%.  学外の  専門家  の支援  求める   22%. (図14. になってきた. と. ようになったこ. 台湾では子どもの. が伺える. も動害響る% ど言災影え8 子のにの考3. の関心:i:::i.. 考え. こと. も動害響る%. ど言災影え3 子のにの考−”. 蓉髭i. るよ. う る. 言動をみて災害の影響だ. め と. 学外の専門家に支援を求. 子ども の心理 への洞 察深ま  る 34%. 子ども= の生活: 環境へ: の関心: 高まる=    ’ 22%. 子ども の心理 への洞 察深ま  る 38%.    19%. (図15:台湾). 目本). 24.

(28) V.考察. 1. 両国間の児童精神保健に関する認識の現状.  自記式質問用紙調査法の結果では,両国ともに過半数の教師が,震災 後子どもの心理的な問題に対する考えが変化したと認識していた。また,. PTSDの事例については,両国ともに8割以上の教師が,これは精神的 な病気であると回答していた.しかし,具体的な病名の認識については 両国間に有意差がみられ,台湾においては躁欝病や神経症(ノイローゼ). と認識する教師もいた,また発症の要因としては,両国ともに高い割合. で災害によるストレスを挙げていたものの,台湾では性格の弱さ,対人 的ストレスと考えている教師も多かった.これらのことから,震災後,. 両国ともに精神保健に対する関心は高まってきているものの,PTSDに ついての認識,理解は台湾より日本の方が比較的良好であると言える.  この背景には,2つの要因が考えられる、.  第1は,震災から調査に至るまでの経過時間の差である。本調査は目. 本では震災の6年後に施行されている.この間,目本においては少年犯. 罪の低年齢化や,子どもを巻き込んだ様々な犯罪の多発に伴い,PTSD.            イ に関する多くあ情報が新聞など6ヴマスメディアを通じて伝達された.例. えば表一4のように,日本の主な新聞(朝目,毎日,読売,産経)にお いてPTSDに関する記事は,震災以前は1件しか掲載されていなかった.. しかし震災以降の1年間でその数は126件と急増し,2000年以降は年. 間平均350件以上の記事が数えられている.このことがPTSDに関す る社会的啓蒙の深化にっながるであろうことは,想像に難くない..  一方,台湾においても震災以降マTSDに関する情報が新聞などで取り. 上げられ始めた.しかし震災後の経過時簡が調査時点で2年と比較的短 いことから,マスメディアを通じた情報の浸透度は目本に比べて未だ低. 25.

(29) いと推測される.事実,面接調査にてrマスメディアの影響を受けた」 と回答した教師はごくわずかであった.. 年代. 件数. 1. 1994 1995 1996 1997. 126 105 130. 1998 1999 2000 2001 2002 2003. 168 192 352 511 417 356. その年のトピックス 阪神淡路大震災. 地下鉄サリン事件 磨児童殺傷事件. 西鉄バスジャック事件 池田小学校児童殺傷事件 明石歩道橋事件 長崎児童殺傷事件.     (表一4 PTSDに関する新聞見出し記事件数) (「NIKKEI Goo」http//epo.goo.皿e.jp/PPv/new_title_charge.cgiより).  第2は,震災後に教師が研修を受ける機会の差である.面接調査の結 果において,「震災後子どものメンタルヘルスの問題についてどのよう. に考えが変化したか」という問いに対し,両国の教師の多くが「子ども. の心理面への洞察が深まった」と自己評価していた,しかし,台湾では 「子どもの言動をみて災審の影響だと考えるようになった」という回答. が先の回答と同じ割合を占めており,児童精神保健に関する理解はPTSD に留まっていることも伺えた..  日本では震災後,先述の理由により教師を対象とした子どもの心理的 支援に関する研修会が定期的に行われるようになった.そこで精神科医 師,臨床心理士ら専門家による講演会に参加することに加え,具体的な 事例の検討会も積極的に行われてきている..  一方,台湾では各学校内に生活指導主任(大学卒業後,心理学を1年 間履修した教師)がおり,心の問題を抱えた児童に対する支援の中心的. 役割を担っている.さらに,生活指導主任は学外の講演会・研修会への. 26.

(30) 参加が義務付けられている。反面,他の教師については,そういった領. 域における貢献が期待される度合いが低く,児童精神保健に関する知識 を得る機会も彼らには少なくなる.これらのことから,台湾の教師一般. の傾向として,PTSD以外のメンタルヘルスの問題についての知識不足 や,それに伴う関心の低さがあるのではないかと思われる.. 2.r心の病気」の対処法について.  自記式質問紙調査法の結果によると,両国ともに多くの教師が,「暖 かく接し,よく話を聞く」,「カウンセラーに相談する」と答えた.次に 信頼が高かったのは「精神科を受診する」であった。.  Jorm,Korten,Jacomb(1997)は,オーストラリアにて精神疾患の適切. な療法についての一般の考え方についての調査を行った.その結果,一 般の人は医学療法に対し否定的な考えを持ち,心理療法やライフスタイ. ル療法に対し肯定的な意見を持っているという2点について報告してい る.その一方で, Priest,Vize,Roberts,Roberts,Tylee(1996) は先. 進国ほど精神科医の評価が高いという結果を報告している..  これらのことから,「心の問題」への対処法として,両国ともに未だ                チ 心理的アプローチヘの信頼が高いものの,被災者への支援を通し,自ら. そのアプローチの限界を感じたこと,また「心の病気」に対する理解が. 深まってきたことにより,医学療法への期待が高まってきているのでは ないかと思われる..  また,「お祓い,占い∫が有効であると回答した教師は,日本では0% であったのに対し,台湾では25。6%であった,Razali(1996)は,マレー. シアにて精神疾患患者に対し質問紙調査を施行した.その結果,精神疾. 患の原因を超自然のカに求める人が多く,このような場合,医療ではな く呪術などを頼ることになる,という報告を行っている.. 27.

(31)  以上のことから,台湾に限らず,r心の病気」の発症要因を超自然的 なものと考え,その対処法を西欧医学以外に頼る教師は少なからず存在 するものと思われる..  加えて,「活発に運動させる」ことが有効であると台湾の多くの教師 は考えており,日本の教師の回答と有意差がみられた。これは,背景に. 東洋医学モデルが存在し,台湾ではr体を動かす」ことが,精神に良い 影響を及ぼすと考えられているためであると思われる.. 3. 精神保健活動を提供する効果的な時期.  面接調査においては,両国ともに,子どもの心の問題に対する考えが 変わったのは「震災発生後1ヶ月以内」と認識されていた.うつ病に対 する一般の態度の変化を調査したPykel(1998)は,啓蒙キャンペーンに よって,うっ病や抗うっ薬に対する態度,うつ病で一般医を受診するこ. とに対する意識に変化が見られたと述べている.よって,精神保健教育 活動は災害後できるだけ早い時期に始めることが重要と思われる..  ただし同時に,その態度変容はキャンペーン期間もしくは終了直後に 限られることから(Pyke1,1998),知識の啓蒙活動においてはその継 続性も重要であると考えられる。. 4. 心の問題に対する態度  自記式質問用紙調査法の事例の子どもと家族に対する態度については 日本では,「この子どもとその家族を助けてあげたい」と回答する教師 が多かった.一方,台湾では,「この子どもの状態を世問から隠す」,「保. 護者は,世間にこの状態を知られることが,子どもにとってマイナスだ と思う」,「世間の人は,自分の身内をこの子どもの家族と結婚させたが らない」と回答する教師が多かった,. 28.

(32)  この背景には2つの要因が考えられる..  まず第1に,「心の問題」の個人的体験と,知識の欠如である. Wolffe,Pathare,Craig (1996)の「コミュニティーの精神疾患に対する. 知識と精神疾患に対する反応」についての調査では,精神疾患患者に対 する否定的態度は,知識の欠如によるものであると述べられていた。ま た,Angermeyer,Matschinger(1996)の「精神疾患の個人的体験の,精神. 疾患患者に対する態度の影」についての調査によると,何らかの形で個 人的に精神疾患を体験した人ほど,精神疾患に対し肯定的な感情を抱い ているとのことであった..  以上のことから,両国ともに震災により様々なダメージを受けて「心. の問題」を経験したものの,先述した通り日本は台湾よりPTSDに対す る認識,理解がやや良好であったためPTSDをより身近な心の問題と捉 える結果に繋がったと思われる..  第2に,両国での精神科医療事情の影響があるものと思われる..  目本の精神科医療は,大正8年の精神病院法から始まり,昭和25年 の精神衛生法の制定,昭和63年の精神保健法への改定など様々な変遷 をたどった.そして現在では,平成8年に改訂された精神保健福祉法の            イ 概念に基づき,地域社会と病院が5協同し,精神疾患患者の社会復帰を進 めている状況にある..  一方,台湾では1985年の大改革が行われるまでは,精神科医療の 発展は遅れていた.現在では行政の強いイニシエイティブのもとで,精 神保健システムの整備を行っており,医療スタッフの育成にもカを入れ ている.しかしながら,目本とは異なり,地域住民をも巻き込んだ精神 科医療に対する意識は低い..  社会的背景のもと,台湾では精神科医療を各々が身近に体験しておら ず,それが「心の問題」に対する偏見に繋がっていると思われる.. 29.

(33) 5.現在の支援内容の評価.  自記式質問用紙調査法の結果では,日本では41%の教師が現状のサ ポートシステムに対し満足しており,台湾では87F%の教師が満足して. いた。 この結果の背景には,両国のサポートシステムの現状が影響し ているものと考えられる..  日本では,震災から6年が経過し,先に述べたように,子どもの心の. 問題はPTSDに限らず多様化してきている.そのため,震災後,地方自 治体がイニシエイティブをとって提供してきた精神保健活動では,現在 の問題に対応しきれていない可能性があり,それが今回の結果に繋がっ ているのではないかと思われる。.  その一方で台湾では,図一1で示したように,国がイニシエイティブ をとり,早期にシステマティックな支援を提供したという点が大きいの ではないかと思われる..  また,新たに加えるべき施設・サービスなどの二一ズについては,目. 本はカウンセラーの常駐や専門家の定期的な支援,そして保護者・教師 に対する研修などに二一ズが高かった.一方,台湾においては児童相談. センターなどの行政施設に対する期待が高く,カウンセラーの常駐,専            イ 門家の定期的な支援に対する期待な低かった.  このことから,台湾では行政によるシステマティックな支援に対する 期待が高く,目本では個別的な支援を求めていることが伺われた.. 6.日本におけるサポートシステムの構築  自記式質問紙調査法の結果では,子どもの心の問題への対処法として,. 日本,台湾ともにカウンセラーに対する信頼が高く,また自らの子ども. たちへの関わり方としては温かく接し,よく話を聞くといった姿勢をと. ることが望ましいと考えていることがわかった.加えて,目本において. 30.

(34) は保健(養護教諭)の先生に,台湾においては生活指導主任に信頼が大 きいことがわかった..  これらのことから,日本における新たなサポート・システムの構築にっ いての提言を行う..  まず一っには,養護教諭を軸とする学校内の連携の強化とスクールカ ウンセラーの普及の必要性である.近年,子どもの心の問題は多様化し. ており,早期からの関わりが今後の子どもの成長・発達に大きく影響を. 与えると言っても過言ではない.また,子どもの心の問題に対し,従来 よりも個々の子どもへの関わりや,家庭を含む地域社会との環境調整の. 必要性が指摘されている.これらのことから,子ども本人への個別的な ケア,または子どもをとりまく環境の調整に対し,スクールカウンセラ. ーの普及や,養護教諭の役割に期待するところが大きくなるのではない かと思われる..  次に,学校,医療機関,地域社会間のサポートシステムの確立である.. 現在,学校だけでは問題を抱えきれず,医療機関,行政機関と連携をと って支援を行う必要性のある子どもが増えっつある.そのため,教師,. 保護者の児童精神保健に関する知識の向上や,災害などが起こった際の            叔 迅速な対応に備えて,普段からぞの地域を担当する医療機関を定め,そ. れらが密接に協調態勢をとっておく必要があると思われる.その際,学. 校,医療機関,地域社会の連携において,「橋渡し」的な役割を養護教 諭がとっていくことが今後の課題であると思われる.. 31.

(35) 匿療機関 懸灘 甕綴箋欝. 蒙獲. 養護教諭 賦. 『学校. 図16 学校内の連携・地域との連携. VI.結語  今回の調査において以下のことが明らかとなった.. 1. 教師の「心の問題」に対する認識を理解する際には,文化的背景,.   医学的知識の有無,個人的要因などの背景を考慮することが重要と   いえる.. 2. 震災以降,両国ともに児童精神保健全般への関心が高まってきて   いるが,台湾の方が知識においてやや偏りがある.. 3. 両国ともに,震災直後に心の問題に対する考えが変化してきてい.   ることから,できるだけ早い時期の精神保健教育活動(キャンペー   ン教育活動)が求められる.            護                び 4. 台湾より日本の方が,PTSDをより身近な心の問題と捉えている.. 5. 台湾では,現在のサポートシステムを高く評価しており,日本に.   おいては,新たな児童精神保健サポートシステムの構築が求められ   ている.. 皿.謝辞.  本稿を終えるにあたり,お忙しい中,調査にご協力いただいた教師の 方々にこの場をお借りして心よりお礼申し上げます.また,台湾での調. 査においてご指導頂いた台湾大学精神科胡教授をはじめスタッフの皆. 32.

(36) 様方に感謝申し上げます.さらに,本研究を施行するにあたり数々のご 指導を頂きました神戸市看護大学の植本教授,川口助手,鈴木助手,大 阪少年鑑別所精神科医師 車谷先生,兵庫教育大学の浅川教授,古川教 授,鈴木教授に厚くお礼申し上げます.. 33.

(37) 皿.引用文献  ・AngermeyerMC,MatschingerH。1996PublicaUitudetowardspsychiatric  treatment.Acta Psychiatry Scand,94,326−336  ・Burker JD,Boris JF,Bums BJ.1982Changes in children’s behavior after a.  natural disasteLAm J Psychiatry,139,1010−1014.  ・財)長寿社会研究機構 こころのケア研究所.2001災害後のメンタル.  ヘルス活動に関する国際比較:阪神・淡路大震災と台湾大地震の比較  を通して,旭成社  ・Jorm AF,Korten AE,Jacomb PA,1997 Helpfulness of intervemion for  mental disorders:beliefs ofhealth professionals compared with the general  public.Br J Psychiatry,171,233−237.  ・中根充文.2002 自然災害とPTSD。臨床精神医学,増刊号,125430  。「NIKKEl Goo」http//epo.goo.ne.jp/ppv/new_title_charge.cgi.  ・Priest RG,Vize C,Roberts A,Roberts M,Tylee A。1996 Lay people’s  attitudes to treatment of depression:results of opinion poll for Defeat  Depression C&mpaign lust before its launch。BMJ,5,858−859.  ●Pykel ES.1998Changes in public attitudes to depression during the.            イ  DefeatDepressi。nCampaign,r㌔r」psychiatry,173,519−522.  ・Pynoos RG,Goenjian A,Tashjian M.1993Post−traumatic stress reaction in.  children after the1988Armenian earthquake.Br j Psychiatry,163,239−247  ・Razz&li SM,Khan UA,Hasanah CL。1996 Belief in supematural causes of.  mental illnes smong Malay patients:impact on treatment,Acta  Psychiatrica Scandinavica,94,229−233..  ・Shamon Mp,Lonigan CJ,Finch AJ.1994Children exposed to disaster:I  epidemiology of posUraumatic symptoms and symptom profiles・  J Am Acad Child Adolesc Psychiatry,33,80−93. 34.

(38) ・植本雅治,高宮静男,井出浩。2000 阪神大震災が子どもたちにも たらした精神医学的影響とその経過,臨床精神医学,29(1),17−21 ・Wolffe G,Pathare S,Cmig T。1996Community knowl¢dge of menta田lness and reactionto mentally ill people,BrJ Psychi&try,168,191−198. ・山本和儀. 1996 精神障害に対する医学生の態度の形成一医学教育 の場における国際比較一.日本社会精神医学会雑誌,5,129−135. 35.

(39) 付録資料. 資料1.. 自記式質問紙調査用紙. 資料2.面接調査用紙. 資料3.承諾書:調査者用. 資料4.承諾書:調査協力者用. 36.

(40) 轟旺誕瓢帽需皿H菓慰. 1.所属   (     )ノ」、学校.幼稚園’ 2.年齢       20∼29歳・30∼39歳・40∼49歳・50∼59歳・60歳以上. 4.教員経験年数(     )年   震災時の担当学年(     )年. 5.地震が起こったときどちらに住んでいましたか?.          (                ,) 6.自宅の被災程度    全壊 ・半壊 ・ 一部損壊 ・ なし.

(41) 1。1.震災後、子どもの心理的な問題について、あなたの考えは変わりましたか?.    変わった   ・  変わらない 2.「変わった」と答えた方にお尋ねします。以下の各質問項目にっいて、どのくらい影響したか、あてはまるところにO印をつけて下さい.また他に影響した.  ものがあれば挙げてください。 子どもの様子を見て. 影響を受けた. やや影響を受けた. 影響なし. 親戚・知人より話を聞いて. 影響を受けた. やや影響を受けた. 影響なし. 新聞・雑誌を証んで. 影響を受けた. やや影響を受けた. 影響なし. テレビ・ラジオ見て、聞いて. 影響を受けた. やや影響を受けた. 影響なし. 専門書を読んで. 影響を受けた. やや影響を受けた. 影響なし. パンフレットを読んで. 影響を受けた. やや影響を受けた. 影響なし. 地域・学校の講演会に参加して. 影響を受けた. やや影響を受けた. 影響なし. その他:. H.1.子どもの心理的な問題にっいて、サポートシステムの現状は満足の行くものですか?    とても満足  ・ 満足  ・ まあまあ ・ やや不満足  ・ 不満足. 2。新たに加えるべき施設・サービスなどがあるとすれば、何でしょうか?あなたが必要と思われる施設・サービスすべてに○印をつけて下さい。.  児童相談センター・精神科診療所・保護者を対象とした心理の研修・教師を対象とした心理の研修・保護者のための電話サービス  教師のための電話サービス     ・教師が定期的に専門家と相談できる機会           ・カウンセラー.  その他施設・サービスなど:.

(42) 皿。子どもに次の様子が見られるときのことを想像してください。 ケース.  小学校5年生の女児。数ヶ月前に、自宅が火事で全焼した。それ以来、突然火事のことを思い出しては、怖そうにその時のことを話したり、火事 の夢を見たと訴えることがある。現在は別の家に住んでいるが、火事にあった自宅の近くに行きたがらない。小さな物音に敏感で、眠りも浅く、よ く目を覚ます。好きだった学校も、あまり楽しくなさそうで、火事の前に比べると学校の成績も下がった。. 1.これは精神的な病気だと思いますか?    思う ・ 思わない. 2.「精神的な病気と思う」と答えた方、その病気は、以下のどの病気だと思いますか?   精神遅滞 ・ 精神分裂病 ・ 自閉症 ・ 躁うっ病 ・ 神経症(ノイローゼ) ・一ADHD(注意欠陥/多動性障害) ・ LD(学習障害).   PTSD(心的外傷後ストレス障害)     ・その他(   )  ・ 判らない. 3、その原因はどのようなことだと思いますか?.     感染・アレルギー    はい ・ いいえ ・ 判らない     遺伝          はい ・ いいえ ・ 判らない     性格の弱さ       はい ・ いいえ ・ 判らない     対人的ストレス     はい ・ いいえ ・ 判らない     災害によるストレス   はい ・ いいえ ・ 判らない     たたり・呪い      はい ・ いいえ ・ 判らない. 4。上の状態が見られるとき、その対処法として以下は有効だと思いますか?.     小児科・内科を受診する       有効 ・ 無効 ・ 有害 ・ 判らない     精神科を受診する          有効 ・ 無効 ・ 有害 ・ 判らない.

(43) 有効 ’. 気功を受ける. 有効 ・. 保健(養護)の先生に相談する. 有効 ・. 生活指導主任に相談する. 有効 ・. カウンセラーに相談する. 有効 ・. ソーシャルワーカー(社会福祉士)に相談する. 有効 ・. お祓い・占いに連れて行く. 有効 ・. 温かく接し、よく話を聞く. 有効 ・. 薬局で薬を買い、飲ませる. 有効 ・. 活発に運動させる. 有効 ・. 効 効無 効無 効無 効無 効無 効無 効無 効無 効 無無. 漢方医(中医一)を受診する. ・ 有害 ・ 判らない ・ 有害 ・ 判らない ・ 有害 ・ 判らない ・ 有害 ・ 判らない. ・ 有害 ・ 判らない ・ 有害 ・ 判らない ・ 有害  ・ 判らない ・ 有害  ・ 判らない. ・ 有害 ・ 判らない ・ 有害  ・ 判らない. その他:. 5.子どもが上の状態になった時、保護者や世問の人はどうすると思いますか。. 保護者はこの子供の状態を世問から隠そうとする。. あるいはそうである ・. おそらくそうである. ・ きっとそうである. そうではない ・. あるいはそうである ・. おそらくそうである. ・ きっとそうである. 世間の人は、この子どもを助けてあげたいと思う。. そうではない  ・. あるいはそうである ・. おそらくそうである. ・ きっとそうである. 世間の人は、この子どもの家族を助けてあげたいと思う。. そうではない ・. あるいはそうである ・. おそらくそうである. ・ きっとそうである. 保護者は、世問の人にこの状態を知られることが、子どもにとってマイナスだと思う。. そうではない ・. あるいはそうである ・. おそらくそうである. ・ きっとそうである. 世間の人は、この子どもと関わりをもちたがらない。. そうではない  ・. あるいはそうである ・. おそらくそうである. ・ きっとそうである. 世問の人は、この子どもの家族と関わりをもちたがらない。. そうではない  ・. あるいはそうである ・. おそらくそうである. ・ きっとそうである. 保護者は、この子どもが家族の結婚の差しさわりになると考える。. そうではない ・. あるいはそうである ・. おそらくそうである. ・ きっとそうである. 世問の人は、自分の身内をこの子どもの家族と結婚させたがらない。. そうではない  ・. あるいはそうである ・. おそらくそうである. ・ きっとそうである. 保護者はこの子供がダメになってしまった、と思う。. そうではない  ・.      ㌢.

(44) 資料2聞き取り調査用紙 あなた自身について伺います。. 所属  (            )小学校 ・ 幼稚園. 年齢 (    )歳. 性別男・女 教員経験年数    (      )年. 震災時の担当学年  (      )年生 地震が起こったとき、どちらに住んでいましたか?( 自宅の被災程度はどうでしたか?. 全壊 ・ 半壊 ・ 一部損壊 ・ なし. ).

(45) 1.こどもの心の問題に対する意識の変化 (1)震災後・子供の心の問題について・あなたの考えは変わり.    いいえ → Hのインタビューへ.    はい・→ (2)へ (2)いつ頃変化しましたか?. (3)どのようなきっかけで、変化しましたか?. (4)どのように変化しましたか?. (5)どの部分が変化しましたか?. したか?.

(46) n,こどもの心の問題とその対処方法 (1)あなたが受け持たれた子どもに、震災を受けたことによる心の問題に関わり合いを.   持ったことがありますか?    いいえ → インタビュー終了.    はい → (2)へ (2)それは、どのようなことでしたか?. (3)その時、どのような対応をとりましたか?. (4)どのような結果になりましたか?. (5)どのような施設、サービスまたは援助がありましたか?またはあればよかったと思.   いますか? 児童相談センター ・ 精神科診療所 ・ 保護者を対象とした心理の研修. 教師を対象とした心理の研修 ・保護者のための電話サービス 教師のための電話サービス・ 教師が定期的に専門家と相談できる機会 ・ その他 施設・サービスなど1. カウンセラー.

(47) 資料3承諾書1. 研究協カーの依頼. 調査者用.  今回の調査は、災害を契機に子どもたちの心の問題への考え方が、どのように変わって きたかを中心にお尋ねするものですが、今後、子どもたちの心の健康を支えてゆくために、 どのような点に留意する事が必要かを知る手がかりとなるものです。心の健康は、台湾、 日本に限らず、世界的な課題です。また、災害はいつどこで起こるかわかりません。時代 をになう子どもたちの精神保健を、よりよくするために調査へのご協力をお願いいたしま す。. 〈ご協力いただきたい内容> 聞き取り調査.  今回の調査に関しましては、協力しないことで皆様が不利益をこうむることはありませ ん。調査にあたりましては秘密保持を厳守し、皆様にはいっさいご迷惑がかからないよう に致します。質問項目で答えたくない内容がありましたら、無理に答える必要はございま せん。なお、面接内容を記録したものは厳重に保管し、他に漏れないようにいたします。  この研究結果はまとまり次第皆様にお知らせする予定です。また、学会あるいは雑誌な どで発表させていただくことも考えております。  以上の説明をご理解いただき、研究へのご協力をお願い申し上げます。. <同意文>  私は、研究内容についての説明を理解し、下記の研究に参加することに同意します。. 平成  年  月. 日. 研究協力者署名 調査者署名. *今回の調査についてのご質問、ご意見、その他お問い合わせは下記にお願い致します。                  神戸市看護大学 保健看護学講座   鵜川 晃.                      〒651−2103 神戸市西区学園西町3−4.                      TEL&FAX   O78−794−8079                          E−mail:ukawa@tr.kobe−ccn。ac4p.

参照

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