• 検索結果がありません。

繊維集合体における放射伝熱の理論計算

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "繊維集合体における放射伝熱の理論計算"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 繊維集合体における放射伝熱の理論計算. Author(s). 菅宮, 健. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭・養護・体育編, 37(2): 1-16. Issue Date. 1987-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6651. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 昭和6 2年3月. 北海道教育大学紀要 (第2部C) 第37巻 第2号. i i lof Hokka ido Un iver i 工 tyofEducat Journa s on (Sect on l. Mar ch ,1987. l C) Vo ,37 .2 ,No. 繊維集合体における放射伝熱の理論計算 菅. 健. 宮. 北海道教育大学旭川分校家庭科教室 旭川070. icaI Calculat ion of Rad Theoret iant Heat Transfer. through Fiber Assembly. Ken SUGAMIYA l H0me Economics Laboratory, Asahikawa Col ege , ion ido University ofEducat Hokka. Asah i kawa070. Abstract. iVedfor heattransfer through a 丘ber assembl Theore i t calexPressions are der y . The ion ion wi ion i iderat i t th conduct s taken into cons combinat on of radia . The e賃ect of the ing o frad i ionby6bersi scatter sint roducedintothetheory. at. Theresul tsare asf lows ol :both. lux vary depending onthe i i ion wi ive and conductive heatf t thintheassembly rpos radi at . The former has a max imum and the latter a mlnlmum near the middl e ofthe assembly . The. ialatthe center of ighreaect ing mater iat i rad sfoundto reduce ontheinsertion ofa h ve負uxi l f i levidencefortheexce l l ionof the assembly, Thisseemsto of entthermalinsu ertheoret ca at ly deve l i l ings consisting of 行bers and me loped bat tal t recent c foi ,. Wi th an increase in the. iVef l ux decreases andthe conductive 日ux increases,sothat Packingfactor of行ber ,theradiat imum pos ion i t thetotaIHux decreases at 云rstandthenincreases after passingthe min s , Thi i i lresis- ings caIPredi ct ons concerning thetherma corresponds to exPerimental 行nd , Theoret ly we lwi iberbat ings ftheassembly arefoundto agreefai l t tanceo ththeobservedvaluesforf r .. 1. は じめ に 寝具や防寒衣料の保温用中入れ綿のよう な繊維集合体の内部では, 伝導, 放射および対流の3種 の機構による伝熱が同時におこりうる, しかし被服材料用の繊維集合体の保温力は, おもに集合体 1 8 ) 内部に含まれる静止空気によるものと考えられてきた( , 被服学は衣服の外表面で外界からの熱 放射を吸収もしくは放射することを考慮していたが, 繊維集合体内部における放射伝熱にはあまり (1).

(3) . 36. 菅. 宮. 健. 注意を払わなかっ たよう である. むしろ被服材料以外の分野で, 断熱材の研究や, 哨乳動物の温熱 生理の研究から, 繊維集合体内の放射伝熱の 重要 性が指摘されていた(1, 2, 16 ) , 最近になっ て被服材料としての繊維集合体内部の放射伝熱に関心が向けられ始めた. 熱放射を考 えた新しいタイ プの保温材料が開発されている( ) 13 14 )は , 理論的な研究も進められて いる. 野飼(. 一軸配向繊維集合体の有効放射熱伝導率を数値計算した, Famwor h(5)は伝導と放射による集合 t 体の熱抵抗を理論計算し, 中入れ綿の実験値と比較している. St l tandHo 17 )も繊維集 uar combe( 合体の熱抵抗を理論的に導出した.. これらの研究はいずれも放射伝熱と伝導伝熱が相互に影響をおよ ぼし合うものとして, 関連させ て考えている. そこが従来の研究とちがう特徴である, しかしこれらの立場を異にする 研究は, 集 合体内の放射伝熱の別個の問題をそれぞれとり扱っ ており, 放射伝熱が全般的に解明されたと はい いがたい. また, これまでの放射伝熱の研究は熱放射の射出と吸収だけを考えており, 集合体の構 成繊維によっ て熱放射が散乱される効果をとり入れてない, Strong BundyandBo )は繊維の太さによっては熱放射の散乱がおこりうることを指 16 venke rk( ,. 摘したが, 具体的なとり扱いをしなかった. Hage r randSt ee e(7)は散乱の問題を避けるため, 熱 放射の波長にくらべて充分に太 い繊維からなる繊維集合体に研究の対象を限定した. このように, 研究者は散乱の問題を意識してはいたものの問題としてとり上 げるにいたらなかっ た. 可視光 が球状粒子 に入射すると, 粒子の半径 もと入射光の波長ぇの比 も膚 が1~2のときに散乱. 強度はピークに達する(8) . この関係は赤外領域でも同様に成立するであろう. 被服材料繊維の半 径 γ は10〆m 前後のものが多い, 常温の物体から射出される熱放射 のス ペク トル強度は波長んが10 “m 付近にピークを持っ ているから, 比 γ/ぇは約1である. 常温下の集合体内部で, 熱放射は繊維に より強く散乱されると考えられる, 波長が1 0“m 近傍の赤外領域 には繊維材料高分子の吸収帯が多い. Nakagak i ( 12 )は吸収と散乱 が同時におこる場合の光散乱強度を計算し, 吸収がおこることにより散乱光が増加することを示し た. 赤タト領域でも同様であるならば, 繊維による熱放射の散乱は赤外吸収帯の存在でさらに強めら. オ亀る.. これまで放射伝熱の研究にあたり, 繊維の熱放射吸収率の値 は1に近いと仮定さ れることが多 かった. 繊維に入射した熱放射はほとんど吸収されると考えられた. これが散乱を考慮に入れない 理由のひとつであった.吸収率は Ki f fの法則により放射率 に等しいから,これは放射率が1に r chho. 近いと仮定することでもある.ところが高分子物質の放射率は物体の厚さに依存し,厚さ20〆m のポ リエステルフィ ルムの放射率は0.53である(6) . フィ ルムと繊維のちがいはあるにしても, 直径20 ”m の繊維の放射率を1に近いと仮定することには問題があろう. 以上の理由から, 繊維集合体内部の放射伝熱を考察するにあた っ ては, 構成繊維の半径と熱放射 の波長との関係, ひいては集合体の温度との関係次第で, 散乱を考慮に入れる必要があることは明. らかである, 中入れ綿のように常温付近で使用さ れる被服材料用の繊維集合体の場合にはなおさら で あ る.. そこで本報では, 射出と吸収のみではなく散乱の効果をもとり入れて, 繊維集合体内部の放射伝 熱を理論的に計算することを試みた. 計算に際して, 放射と伝導の相互関連を考慮に入れた, なお, 集合体の条件によっ ては対流がおこらないことが実験的に確かめら れているので, 対流の問題を除. 外した. 熱放射の総合的な解明を目指 して, 前述した最近の研究が個別に扱っ た諸問題に, 得られた理論 式を適用 した. なかでも, 近年開発が進められている, 熱放射反射材として金属箔や金属蒸着膜を. (2).

(4) . 繊維 集 合 体 に お ける 放 射 伝 熱. 37. 併用した中入れ綿のモデル的繊維集合体に応用し, 保温性向上をうらづ ける興味 ある結果を見出し た. また, 中入れ綿の熱抵抗として発表された実験データと理論とを比較したところ, かなりよい 一致を見ることができた,. , 1 1. 理. 論. 繊維集合体として, 構成繊維は無配向であり, その充填率P は場所によらず一定 であるものを想 定する. 伝熱の機構としては熱伝導と熱放射を考える. 空気の対流による伝熱を含めない. 厚さ L の繊維集合体が温度. ) に保たれたふたつの平面壁にはさまれている およ び 7 1(れ<7 1. ものとする. 低温側の平面壁から距離 尤 の位置における伝導熱流束は. の &』)--を も≧. (1). で与 え ら れ る. こ こ で ?( )は位置 尤 における温度である, 熱伝導率 々・は空気の熱伝導率 ね と繊維 ェ. の熱伝 導率 心 の容積分率による平均 である, すなわち 左 々= 1- 左 十か 1 ーP た た=( )鮫十 F. .. (2). まx によらず一定となる. このとき(1)式は 伝熱の機構が伝導のみであれば, 定常状態で Qc(ぬる. 簡単に積分できて. (3) )/L となる. 1一7 1 を得る. 繊維集合体内の温度は距離 尤 の一次関数となり温度勾配は一定値 (7. 繊維集合体内の温度分布を(3)式で与えられるものと仮定して放射伝熱を計算した研究(2)があ. る. この仮定は伝導熱流束が場所によらず一定 であることを仮定することと同じである. 一方, 定 常状態では全熱流束も場所によらず一定のはずである, 対流がおこらない場合には全熱流束は伝導 熱流束と放射熱流束の和である, したがって, (3)式を仮定することは伝導と放射の両熱流束がそ. れぞれ場所によらず一定であると仮定することになっ てしまう, ところが後に示すように, 全熱流 束は一定であるが, 伝導熱流束と放射熱流束は 尤 に依存して変化する, こういうわけで, (3)式を 前提とすることは合理的でない, 本報では, 射出・吸収・散乱を含んだ放射伝熱に関する微分方程式をまず記述する. そして, 全 熱流束が キ によらず一定 であるという条件の下に, この微分方程式を(1)式と連立させて解くこと と す る.. 繊維集合体内部の 工 の位置に,平面壁に平行に単位面積の面を持つ厚さ 直の体積要素を設定する F ) (i g ,1 . この体積要素の左側の空間から体積要素に対して右向きに, あらゆる角度で入射するす )で表わす, 体積要素の右側の空間から左向き にこの要素へ入射す べての放射による熱流束を 品R( %. ) とする. る全放射熱流束を同様に 溺L( # 体積要素内に右向きに入射した熱放射は, 一部は繊維により吸収される. 一部は繊維により散乱 される. 残りはそのまま直進する. 散乱された熱放射は右向きのものと左向きのものとに大 別でき る. 右向きに散乱されたものを元々直進するものに含めてしまえ ば, 右向きに入射した熱放射のう ち散乱によっ て減少するのは左向きに散乱される部分, すなわち 後方散乱″ だけである. 一方, 左向きに入射した熱放射のうちで 後方散乱″ されたものが右向きの放射につけ加わる, さらに,. (3).

(5) . 38. 菅 宮. F i ig.I. 健. ℃ ,e , 2 2 ,e A nberassemblyi sheldbetweentwoplates th thermal at temperatures Z , and 髭 wi ivi i lux into vol t emi ss ese ‐ , and 鎗, Heatf iVe aux ume element is the net radiat. 掘R(尤 )一品L(# ) and the conduc i t ve 賃ux QC( 尤),. 体積要素中の繊維が熱放射 を射出する. 結局, 右向きに入射した熱放射は, 吸収と後方散乱による 分だけ減少し, 左向き入射の後方散乱と, 繊維から射出される右向き放射の分だけ増加することに な る,. 体積要素に右向きに入射した放射 熱流束 劫R( ) が単位厚さの 間で繊維 に 吸収される割合を ” と % する. α を吸収定数と呼ぶことにする(5) , 体積要素の厚さは 赤故, 要素を通過する間に吸収され. る熱放射の量は α承溺R( 尤) となる. 猛R( ) が単位厚さの間で後方散乱さ れる割合をs とする, s を後方散乱定数と呼ぶことにする x , 体積要素を通過する間に後方散乱される熱放射の量はs放却R( ) となる. 左向き に体積要素に入射 尤 した 猛ム( ) のうち後方散乱されて右向きの放射につけ加わる量は, 同様に考えると, s伽溺ム( x )で 尤. ある. 上述 のように, 右向きの熱放射に対する体積要素の吸収率は α伽とみなせる Ki chho” の法則に . r よると, すべての物体について熱放射の吸収率と放射率は等しい したがっ て体積要素の左右 どち . ら か 一 方 向 へ の 放 射 率 は α直 に 等 し い Stefan‐Bol tzmann の 法 則 に よ り, 要 素 内 の 繊 維 から射出さ . れる 右 向 き の 熱 放 射 は α政ぴT4伝) と な る, こ こ にぴは Stefan‐Boltzmann の 定 数 で あ る. 体積要素内における右向き の放射熱流束の増減に関する以上のような考察から 嵐だ(#+ 承)- 嵐R(尤)= -”禽溺R(ェ)一 線工鷲R(尤). 十s承粘ム(x)+α禽ぴT4伝). が得られる. すなわち α拐た(ガ. ー - - - = -(α十s)嵐R(x)十s品L(尤)+αぴT % ) . (4). (5). 同様な考察により左向きの放射に関して 〆酬乙(尤) =(α+s)品L(ズ)-s劫R(%)-αぴr4(“ . が得られる. (4). (6).

(6) . 繊 維集 合 体 にお ける 放射伝 熱. 39. 全熱流束 Qr は伝導熱流束と放射熱流束の和であり,かつ定常状態では尤 によらず一定である,す. なわち. Qrニ Qc(#)+ 品R(%)- 亙L(尤)ニcons t ,. (7). この式に (1) 式を代入して微分すると. を『差も 望め‐ 望め -. o. (8). すでに述べたような本報の立場から, 基本となる方程式は 猛R(幻, 品 )および T(の に関する 尤 L( (5) , (6)および(8)式である, 問題はこれらを連立微分方程式として解くことに帰着する, そのため, まず 品R( ) を次のように変数変換する. )と品 尤 尤 L( ″r( )=帰R( )+品 ( ) 匁 % # 乙. (9). 品~(尤)= 劫た(%)一 品乙(劣). ( 10 ). 劫~( )は右向きの正味の放射熱流束を表わしている. 次に基本の方程式を温度について線型化する 尤 ため T(×)= 罷{1 十Z(尤)}. とおく, ただし 鉛は左右の平面壁の温度. (11 ). と 髭の平均値 ( 1 2 ). である. 鍔 が3 00K,温度差 7 1一7 )の大きさは高々0.1である.したがっ て云( ) 1が60K の場合,Z(# 匁 の高次項は省略できて + 4『 T4α)= 罷4{1 )} 1+4 『( %. (13). 変数変換の式(9) 1 11 ) )および( )式を用いると, 基本の方程式(5) 0 1 3 ,( ,( , (6)およ び(8)式 は次のように変形できる. すなわち d丑r(匁) . 盛 払 整 . d2云(尤) 〆尤2. = ‐(α十 2s)帰~(尤). (14). = -””式の 十 2αぴ鍔4{I 十 4云◎ }. (15). l たの o. d賜~(尤). 16 ) (. d劣. これらの方程式を解析的に解くことは容易である. 結果は -L )+β8-q ×十C工十D T(尤)=AB項×. (17). ズ ″r(ガ ニ ー(α十 2s)た{AB頃×-)+BB-q } 3 4 十 8ぴ罷 (Cx十D)- 6ぴ罷. (18). 拐 醐 -た {Aメ リ ーB 〆}- 葬 要 c q で ある. た だ し こ こ で. (5). ◎.

(7) . 40. 菅 宮. 健. q= 点 α十2s十 等 署). 20 ) (. で あ る,. 解( 17 1 21 )-( 24 )式によって定めら )-( 9 )式に含まれる定数 A,B, C およ び D は次の境界条件(. れる. 左右の壁の温度は. および 鐙故. T(0)=71. (21). T(L)=7i. (22). 平面壁に入射した熱放射の一部は壁に吸収され, 残りは反射される. 赤外領域では透過を無視でき る. 平面壁からはその表面温度に依存して熱放射が射出される. したがっ て, たとえば左の壁の位. 置では, 右向きの熱放射は壁が反射した熱放射と, 壁から射出された熱放射とからなっ ている. 吸 収率は放射率に等しいから, この場合反射率は1-放射率に等しい, 左右の壁の放射率をそれぞれ. s lお よ びe 2と す る と, ×= 0 に お い て. 4 (1 - &)猛L(0)十G Iぴ71 = 品R(0). ) ( 23. ×=L に お い て 4 )猛た(乙)+6 (1 -e 2 2ぴ71 = 揺乙(乙). 24) (. 定数 A, β, C およ び D は以上の4式を連立方程式として解くことによっ て得られる. )式で与えら 理論的な導出の結果をまとめると次のようになる. 繊維集合体内部の温度分布は( 17 れるので伝導熱流束は(1)式から. x十 C} QC(先)= -を{Aq〆×-)-βqず隻. 25) (. 放射熱流束は( 19 )式で与えられる. したがっ て全熱流束は(7)およ び( 19 )式と上式から ( 26 ) 繊維集合体の熱抵抗を 尺 とすると. ← すきを - 納 #子守 三) 売 れ. ◎. が得られる, また有効熱伝導率は( 26 )式より. 々. 静々 十 冊) 音 「 繭 );. ) ( 2 8. で与えられる,. 1 1 1 . 応用 と 考 察. 吸収定数・散乱定数 1 1で得られた理論的な結果を実際に応用するにあたっ ては, 式の中に含まれる各種の量を定めな (6).

(8) . 41. 繊 維 集 合 体に お ける 放 射伝 熱. ければならない, これらの量のうち, 吸収定数 α と後方散乱定数s に関しては検討が必要である, h(5)にならっ て次のように定める, 繊維集合体内の繊維長を 吸収定数 α については, Farnwor t. / , 半径を γ, 放射率をeとする. 単位体積内の繊維数を ” と す る と, =7 2”γ2Z. (29). 、. 単位体積内に含まれる繊維の全表面積は れ. 2ガメ=÷;÷. (30). i で与えられる,F g .1の体積要素の体積は 禽なので, その中の繊維の全表面積は(2P/γ)直 である. したがって体積要素全体の放射率は(2P/γ )e直.吸収定数を導入したとき体積要素の左右の 一方へ. の放射率が α伽 であることを示した, 要素全体の放射率は2α伽. 故に 上& α=÷;÷. (31). ‘. 熱放射の波長と繊維の半径が同程度の大きさの場合, 繊維上に入射した熱放射は吸収されるか散 乱されるかのいずれかであろう. 散乱率=1-吸収率である. 後方散乱は全散乱の半分と見なすこ とにすると, 吸収率は放射率に等しいので後方散乱率は(1-β)/2とおける. ここで吸収定数の考 え方にならえば. P(1 -e) s二 ′. ) ( 32. 27. が得られる,. 繊維集合体内部の温度o伝導・熱放射 1 25 )式を用いて繊維集合体の温度と伝導およ び放射の両熱 流束の, 位置による ( 17 ) 9 )およ び( ,( 変化の様子をしらべる. 温度2庁Cおよび3庁Cの平面壁にはさまれた厚さ1omm 充填率2%の集合体 )-( 24 )式に含まれる各種の量に数値を と, おなじく充填率0.5%のものとを考える. 境界条件の( 21. l 与えて, 定数 A, β, C およびD を数値的に定めた. 計算に必要なデータは Tab el に 示 した, ionfor Figs 5 l Tab ‐ el. Summaryofparametersusedinthecalculat .2 Fig 2 . Pac l ingfactorof行berp ( 4ュ i l Th cknessofsamp e乙 ,10 n. o.02. Fi 4 3 g . ,. Fig 5 ( a) .. Fi b) 5 ( g .. 0.005. 0,005. 0.005. 10. 10. 5. 5. l dP 1 Te eofco at e7 1 r nPeratur ,K. 298. 298. 298. 303. lat Temperatur eofhotp e 2 , K. 308. 308. 303. 308. Emi iv i l d pl ty ofco s s ates ,. 0.9. 0.9. 0.9. 0.I. l Emi iv i ty ofhotp s s ates 2. 0,9. 0.9. 0.1. 0,9. - aw/(m2・K4 f h lc i i fa i 0 2 6W/ Commonv l l 6 7XI O ) t t t t tぴ=5 t rね=0 :S e on s an e rma ond u c v a u e s a簿Bo zmannc ;t yo . . ‐ニ1 i f賃b f行b i h lcond i i f賃b 2 2 i 0×1『6m;emi (m・K) t t 7w/(m く ) t e re= ri s s v e rma u c v e r 毎=○ ad u so e ;r yo ;t yo . 5 0 . .. F i g .2 ,3に集合体内部の位置に対する熱流束の変化を示した. 集合体の中央部で伝導熱流束は極 i h(5)と同様の結果である. F 小値を, 放射熱流束は極大値をとる. これはFarnwor t g ,4には充填 率0.5%の場合の温度と位置の関係を示した,充填率が2%のとき温度変化はほとんど直線に近いの (7).

(9) . 42. 菅. 官. 健. で 図 示 して い な い. な お Tablelで繊維の熱伝導率を Fは繊維の軸方向熱伝導率を.と半径方向熱伝. 導率 喬2から次式( 15 ). I. ) ( 33. で与えられるとした. ポリエステル繊維のデータ ( 10 ) 鮫,=1. 08W八m・K)およ び 鮫2=0,16 3 , 11 u′六m・K ) を使用 した. 繊維の放射率もすでに述べたポリ エステルフィ ルムの値(6)に近い値を採 ‐ 用した.. 5 0. TOTAL. . g E. . TOTAL. 宅. ‐ E. ノ. \ . . . . 0‐ ! 2. =. :. 脚.. 1 0‐. / 0 0. COND .. i E. COND ・ .. 2. 4 6 3m) M 1 O r( .. RAD . l o. \ 8. 0. 1 o. Fig.2 Dependence ofthetotal conduct ive and , iat ive heatf lux on pos i ion wi t thin a rad. Fig.3. 1omn i bera$embl ・thicknessl y with the. 2. 4. 6 - 3m) l o ぷ(. 8. 1 0. ・ d Dependence ofthetotal ive an ,conduct iVe heatf lux on pos i ion wi t thin a radiat 1omm thickness 行ber assembly wi th the. es at packing factor of2% between plat 25and 35oC.. 0. 2. 5% betweenplatesat packingfactorofo . 25 and3庁C .. 4 6 一 3m) 1 0 工(. 8. 1 0. Fig.4 Dependence of temperature on pos i ion t i ber assembly thin a 1on wi 1n 1 thickness f ththepackingfactorofo 5% between25 wi . 0C 5 and 3 ,. Fi g ,2 ,3の比較により, 充填率が低下すると伝導熱流束が減少することがわかる, 平面壁の近く (8).

(10) . 43. 繊 維 集合 体 に お ける 放 射伝 熱. の変化は小さいが, 集合体の中央部では相当の減少である. 一方放射熱流束は充填率の低下で大幅 に増加する, この結果, 全熱流束も増加する, 集合体の熱抵抗低下である,・. 充填率の低下により全熱流束の中で伝導と放射の占める割合も変化する, 集合体の中心の位置で みると, 充填率2%の場合全熱流束の中で伝導は83%, 放射は17%である, 充填率が0. 5%になると. 伝導は56%, 放射は44%と両者の割合は接近する,. 充填率が2%から0,5%に減少するとき, 熱伝導率々の減少率は10%伝導熱流束の減少率は17% である, 伝導熱流束の減少が熱伝導率の減少より大きいのは, 放射伝熱の効果で温度勾配が Fi g .4 に示したようにゆるやかになるためであろう. 充填率の減少で放射伝熱が増加する理由は, 繊維に よっ て吸収や散乱を受ける熱放射の割合が減少し, 熱放射が遠くまで届くようになることであると. 思われる, F i g .2では放射熱流束曲線が集合体の中央部で平坦である, 充填率の上 昇で平坦部分は長くなる. i 充填率の低下で F g ,3のように平坦部分がほとんどなくなる, 充填率が上昇すると, 繊維集合体内. 部でおこる放射伝熱のうち, 左右の平面壁間の直接の伝熱が少なくなり, また平面壁と繊維の間の 伝熱もその到達距離が短くなるであろうと考えられる, それ故, 集合体中央部は繊維間の伝熱だけ. になり,したがっ て放射熱流束の位置になる変化がなくなり熱流束曲線が平坦になると解釈できる. 逆に充填率が低下すると平面壁と繊維間の伝熱は遠くまで到達し集合体中央部にまで影響をおよぼ すのであろう. 以上の推論を確かめるため, F i g .3と同様の繊維集合体の中央部に高反射率の, すなわち低放射 ・ ″ oC 率の金属箔を挿入する 模擬実験 を試みた, 実際には, 厚さ5mm の集合体が2庁Cの平面壁と30 oCの高反射率平面壁と3庁Cの平面壁にはさまれた場合 の高反射率平面壁にはさまれた場合およ び3 0 を, Tabl i elのデ」夕を利用 してそれぞれ計算した, 結果を F g .5に示した, b ( ). ( ) a 0 (4. 3o. TOTAL. TOTAL. 喜 . o 国2 . COND .. COND .. RAD .. RAD .. l o. 3m) r(m冊 .. 1 04m) r( ・. lect ing mater ialinser F g,5 Theeffect of a h i ted atthe ghref. ff i ber assembly, (a) DePendence ofthe total center o , d i ive heatHux on pos i ion wi in a t t th con uc veand radiat. 5mm thickness打berassembly wi ththePackingfactoro f b l ずC d f l i i l o t t t2 5% e weenapa ea an are ectng matera at . oC;(b) beween a ref l ing mater ial at3 30 0℃ and a ect 0 P1ateat35 C.. Fi i i g g g .5の伝導熱流束の極小値は F .3とほとんどかわらないが, F .5の放射熱流束の極大値は. (9).

(11) . . 44. 菅. 宮. 健. F i g .3の約55%に減少している. 高反射率平面壁の近く で放射熱流束がとくに小さい, 金属箔が熱 放射を反射する効果がはっ きり現れ, たいへん興味深い結果である, これにより前記の推論は正し いものと考えられる. F i g ,5の想定は, 最近開発さ れている熱放射反射材と して金属箔等 を併用 した保温用中入 れ綿. ( 13 )のひとつのモ デルと考えられる, 上記の結果は新しい中入れ綿の保温性向上の理論的うらづけ となるであろう. 上記の結果はまた, 集合体が存在せず平行平面壁だけのとき, 間に入れた金属箔が熱放射をさえ ぎる効果とよく似ている. ただしこの場合の減少率は94%にもなり(3) i g ,5のケース , 量的には F. とかなり異なる.. 充填率の効果 前節の結果から伝熱が充填率に大きく依存することが明らかになった, そこで充填率の広い範囲. にわたっ て伝熱の様子をしらべることにする,. 全熱流束, 放射熱流束および伝導熱流束の充填率依存性は( 26 19 )および( ) 25 )式で与えられる. ,( しかし集合体内の どの位置の熱流束の値をとるかという問題がある. さらに, 定数 A, β, C およ び D を定めなければならない. これらの定数を数値的に定めるのは理論的には見通しがわるい, 解. 析的に解くと非常に複雑な式が得られ, やはり見通しがよくない. ここでは次に述べるような近似 式を利用する,. 繊維集合体内の温度を表わす( 17 )式の第1項と第2項は放射伝熱に由来する, 熱放射が存在しな ければ( 17 )式は第3項と第4項だけになり, (3)式と同 じものになる. このとき ( 34 ). 熱放射が存在する場合に, 上式で与えられる C を第一近似として使うことにする.( 34 )式を( 26 ) 式に代入すると, 全熱流束に対 して. . . . 3 8 6の 0. . z 2ー z ,. ( ) 35. という見通しのよい式が得られた, ( 35 )式の第1項およ び第 2項. Q ピー一三う三 . ( 36 ) . 月〆=----■ ÷7「÷ . ( 37 ). . はそれぞれ伝導およ び放射 に由来する. すなわち, ( 3 4 )式の近似のもとで( 25 )およ び( 19 )式から指 数関数項を除いたものに等しい. 充填率P が小さくなると( 2 0 )式の q の値が小さくなるので, 上記. の指数関数項の寄与が増加する. P が大きいときは寄与は小さい, こういう事情をふまえた上で, ( 36 )および( 37 )式を充填率依存性をみるための伝導熱流束および放射熱流束 の近似式とする. 計算にあた って, (2) )およ び( 31 32 )式を用いて( )-( )式を書きかえた次のような式 35 37 ,(. Q ) p+84 サ ドラキ rキー FA十 跨 れ .. ( 38 ). を };ラ! Qピー-{ “+ 納 劾p. ) ( 39 (10).

(12) . 繊維集合体における放射伝熱. 45. ( 4 ) 0 を利用 した, 結果を Fi 2 g .6に示した, 計算に必要なデータは, 充填率以外は Fi g . ,3に使用したも. のと同じである. この結果によると,充填率P の増加とともに伝導熱流束 Qごは増 加するが,放射熱流束 帰〆は減少 する. このため全熱流束 Q〆の曲線は充填率が. ( 41 ) のところで極小値を示す. Fi 28 )式から明らかなように g .6の場合この値は2.5%であった. なお, ( 有効熱伝導率の充填率依存性は全熱流束のそれと同様である,. 繊維集合体の有効熱伝導率が充填率のある値で極小になるということは, 実験事実としてす でに 知られている. 竹中( 19 )はガラス繊維集合体の有効熱伝導率が充填率約10%のとき極小になること を見出している. 松尾・中嶋・花田(9)によると, 寝具用中入れ綿の有効熱伝導率は見かけ密度が 約4 0kg/m3のとき極小になる,極小点より低い領域で有効熱伝導率がふたた び高くなる理由は,竹中 も松尾らも空気の対流であると考えている,. しかしこの実験事実は, F i g ,6に示したように, 熱放射によっ て説明できるのである, 松尾らの 報告した極小点はポリ エステル綿の場合に充填率に換算すると約, i 3%であり, F g .6の極小点の位 置とよく 一致している.. な お, Fig .6 に お い て P が 大 き い とき は Qど, 揺対ともに両熱流束の極値のよい近似となる.P が 小さいときは両者共に,伝導熱流束の極小値 Qc馴m および放射熱流束の極大値 務~ ,卿xをそれぞれ やや高目に見積ることになる. この様子をあわせて F i 6に示した g , . 6 0. 0 5 ( . o 喜4. O . . . . も l o. 0. 0 0 2 .. 0 4 0 .. 0 0 6 .. 0 8 0 .. I 0 .. Fig,6 Dependence of the total conduct ive and , iat ive heat aux on packing factoro fa rad. ‐ assembly between 1omm thi ckness 賃be l o l l i i rc es ‐ p ates at 25 and 35 C. open c , tr d esandsquaresrepresentQれ QC angl n a m m ,. 及ん加Q x ,respectively,. 1) (1.

(13) . 46. 菅. 健. 宮. 実験との比較 Fa h(5)は繊維集合体を圧縮し, 厚さをかえながらその熱抵抗を測定した. その際, 対流 t rnwor がおこらないことを確認している. ここでは彼の実験結果と本報の理論の結果を比較検討してみる こ と に す る.. 繊維集合体を圧縮してその厚さをかえると, とうぜん充填率も変化する. 繊維の密度をp, 集合体 の面密度を 粥 とすると, 厚さ L の集合体の単位面積あたりの体積 L の中に含まれる繊維の体積は 粥/pで あ る. した が っ て. ( 42 ) 充填率は厚さ 乙 に逆比例する.. )式から 全熱流束を Q〆で近似 し上式を代入すると, (27. ★- 船 帥 亭(土 戸 8 43揚 掬 士. ( 4 3 ). が得られる, 集合体が与えられれば, 構成繊維の半径 γ , 密度p, 集合体の面密度 伽 は一定値であ ings i l berbatt Tab e2, Parameters describingthef , Polarguard and 日o l l ) o侃 (5, 17 ia l ber mat Fi er 6m i Rad r7 usofibe ilo‐. Po larguard. Hol l o6I. ter polyes. lyes ter po. ll.7. 3kg/m3 i Dens tyof賃berp,10 Therma lconduct iv i t yof賃berを凡 VV/(m・K) i ing Mas t /un tareaof6berbat s 能/m. 13.2. 1.38. 1.38. o.227. 0.227. 0.270. 0・350. ( 図 N 日 \ ≧ ) ( N a ) \ ミ ( 達ー 慮 々 ) 1 叱 \ー. 0. 5 0. 1 0 0. 0 1 5. 2 0 0. 1/乙(1/m). Fig.7 P1otsofobserVed Valuesfortwo 行berbat‐ ion re‐ ingsin order to tes inear relat t tal id l ines are presented by Eq . (43), Sol drawnby us ingtheleas tsquares method .. 2) (1.

(14) . 47. 繊 維集合 体 にお ける 放 射伝 熱. る. したがっ て上式は, 左辺の量が厚さの逆数1/L に対し直線的に変化すること, ならびにその勾 配は ねで, 縦軸の切片は8ぴ鍔3〆/粥 であることを示している, 以上の理論の予測と実験値を比較するため,1/L を横軸に( 43 )式の左辺の量を縦軸にとり,Farn ‐. hの実測値(5, 17 t )を, 一部の乱れた値を除いて, プロッ トした (F i ) r wo g ,7 . 試料は市販の保温. 用中入れ綿 Polarguard お よ び Hollom の 2 種 で あ る.Farnworth は Thinsulate に つ い て も 実 験 し ているが, この中入れ綿を構成するポリ プロ ピ レン繊維の熱伝導率のデータとして適当なものが見 当らないので,考察の対象に加えなかった.試料の性質を示すデータを Tab l e2に示した.また 鉛=. 303K で あ り, 観 とびの 値 は Tabl el に か か げて あ る,. 図によると各試料の実測値を示す点は直線的変化をして いることは明らかである. 実験結果と理 論の結果はまず定性的に一致したということができる. 定量的比較のため, F i g .7のそれぞれの試料の実測値につき最小自乗法で直線を引いた, 図上に. 実線で示したこれらの直線の勾配と切片を Tab l 43 )式から Table2 e3にかかげた, 理論式である(. のデータを用いて計算した勾配と切片の理論値をあわせてこの表にかかげた.. Tabl e3, Comparison ofexperimentalvaluesshownin Fi g .7 i ththeoret i i ( 43 ) wi calp r rom Eq ed ct onsf . Po l arguard. Ho l l o6I. S1 ope , W 尺 m ・K). 0.024. 0.023. 2 1ntercept , W 六 m ・K). 1.2. 0.83. S1 ope , W/(m ・K). ○.026. 0・026. 2 1nt ercept , W 尺 m ・K). 0.73. 0.64. Expe imenta l r. Theore i I t ca. こ れらの デ 」 夕 に よ る と. larguard l oi1と も に 実 験 値 と 理 論 値 が よ く 一 , 勾 配 に つ い て は Po , Hol. 致 して い る, 切片の比較では, Po l l l rgua rdの場合やや差が大きいが, Ho a o鉦 の場合理論値が実験. 値に近い値となっている,. 43 ( )式の切片を示す項は熱放射にもと づくものである. ( 27 )式から( )式へ誘導する間で, 吸収 43 び 定数と散乱定数の表現を( 31 )およ ( 32 )式によっている. 勾配よりも切片の場合の方が実験と理論 の一致がよくないのは, ひとつにはこのためと考えられる, 全般的にみれ ば, 理論は実験値をある 程度定量的に説明したということができる,. 有効放射熱伝導率 繊維集合体の放射伝熱に対する有効熱伝導率々 A R Dを理論的に計算することは, 以前からいろいろ な研究者によっ て試みられてきた, これらの計算の結果は 4 4 ) ( と いう 形 に ま と め る こ と が で き る. St 16 )は定数′ に対し8ガパ36)を与えている rong ら(. r . Hage. ら(7)は′ の理論値を8あるいは9であると報告している. ′ に対する DavisandBi rkebak(4)の 結 果 は St rong らと同様の値 8 3 で ある.. (36)で あ る, Cenaand Monte i th(1, 2)に よ る と 定 数 ′ は 4〃/. 3) (1.

(15) . 48. 菅. 宮. 健. 以上の研究はいずれも放射と伝導を互 いに独立なものとして扱っている. これに対し繊維集合体 内部の放射と伝導の関連を考慮に入 れた理論計算により,Farnwor h(5)は定数′ が8/eであると t 報 告 し て い る. Stuar t ら( 17 )も相互関連をとり入れた計算により, ′ の値 として3262 /3を導いた. 本報においても, 放射熱流束に( 40 )式の近似を使うならば. ねD=86罷 を. ( 45 ). が得られる. ′ の値は Hage rらと同様8である,. このように有効放射熱伝導率を近似的に導くことはできるが, 放射熱流束が集合体内部で一定で. なく, 位置によっ て大きく変化することの問題は残っ ている.Fi g ,6に関連 して指摘した通り,P が ′は放射熱流束の極大値 月 小さいとき 霧~ よ り も した が っ て, 従 来 の 研 究 によ る た 大 き い R ADの ~ . ,,解. うちの多くのものは, ( )式の 鮫A 45 pも含めて, P の小さいときには実際の伝導率よりも大きめの値 になっ てしまう. このような事実は, ( 45 )式を導く過程から明らかなように, 放射と伝導が互いに 独立であると結果的に仮定したことによるのである. 有効放射熱伝導率に関する上述の分析が可能 になることも, 本報の理論のひとつの特徴である.. 考. 察. ここではまず, 被服材料用の繊維集合体における放射伝熱に関する 最近の研究と本報との関係を 検討する. 野飼( 1 4 )は一 軸配向繊維集合体の放射伝熱を数値計算し, 有効熱伝導率の極小点はP=0. 05付近 になること, 平面壁と繊維間の放射伝熱の寄与が大きいことを報告している. 有効熱伝導率に極小 が存在する点は F i 44 )式の組合せからすでに g .6と同様である. 極小の存在は, しかし, (2)式と(. 予想されたことでもある. 極小点の P の値は集合体の構造な どによっ て異なるものであろう, i 野飼の第二の結果は,Dav sら(4)によっ ても報告されている. 本報では平面壁と繊維の間, 繊維 同士の間というように熱放射を区分して計算するやり方をとっ ていないので, 彼らの結果に対応す ・ ″ るものは得られない. しかし Fi g ,5の 金属箔 が熱放射をさえぎる効果は, 充填率の低いとき平 面壁から射出された熱放射がかなり遠くまで到達することを示すものと考えられる, Farnwor h(5)は熱放射の繊維による射出と吸収を考慮して, 繊維集合体の放射伝熱に関する理 t 論を発表した, 本報の理論は散乱の効果を考えて彼の理論を発展させた形になっ ている. 本報の理. 論で散乱定数s をゼロとおけば彼の理論の式と同じ形になる. ただし, これは吸収定数 α を α十2s で置きかえただけのものではない. (5)およ び(6)式で明らかなように理論の出発点で散乱をくみ こんでいる. 本報の理論は Farnwor hの理論を包含し, それをさらに発展させたものといえる, t Farnwor hは繊維集合体を圧縮して厚さを変化させながら熱抵抗を測定した. この実験データを t. 理論と比較する際, 彼は本報の理論における A, β, C およ び 刀 に相当する量を厚さに依存しない 定数として扱った. しかし充填率は厚さと共に変化するから, 充填率に依存するこれらの量はもは. や定数ではない. 彼の扱い方には問題がある. この点を考慮して, 本報では近似ながら C が 乙 に依 存 す る も の と して い る,Farnwor th は ま た, 放 射 率βを 実 験 に 合 わ せ る た め の パ ラ メ ー タ と して い る. が, 本報では実験値と独立に理論値を出している. その意味で, 本報の理論は実験値をかなりよく 再現しているといえよう.. 繊維集合体内部の熱流束の様子については,Fa hの報告は Fi t rnwor g .2およ び3のような典型的 に場合に限られている, これに対し本報で示した F i 5の結果は あらたな例としてたいへん興味 g . , 4) (1.

(16) . 繊 維 集 合 体に お ける 放 射伝 熱. 49. 深 い,. Stuar t ら( 17 )は2物体間の熱放射の直接交換の式から出発し, 物体間に介在する繊維によって放. 射が途中でさえぎられる効果をとり入れて繊維集合体の熱抵抗を計算し, ( 43 )式とよく似た理論式 を提出した. ただし彼らの結果では, ( 43 )式右辺第1項に対応する項が熱放射のすべてを表わすこ とになっ ている. ところが, ( 43 )式右辺第1項は放射熱流束を表わす( 19 )式の右辺第2項だけに由 来 す る の で あ る か ら, 熱 放 射 の す べ て で は な い こ と に な る, こ れ が Stuar t らの式の意味するところ であ る,. Stuar t らが主張した介在繊維が熱放射をさえぎる効果については, 本報の理論に自然に含まれる. もので, とくに考える必要はないといえよう, 以上3者の研究結果の特徴を要約すると次のようになる, すなわち, Farnwo hは集合体内部の t r. 熱流束の変化の様子を示した, 野飼は熱流束の充填率依存性を示した. Stua )式で表わさ 43 tらは( r れるような直線関係を提出した, これらはいずれもそれぞれ独立な理論計算の結果である. 本報の. 理論は, 散乱の効果をとり入れた上に, 以上の結果をすべて示すことができた, さらにあらたに, ・金属箔″ による熱放射をさえぎる効果を示すことができた . 本報の理論の内容についていえば, 散乱定数の( 32 )式による表現に問題が残っている, そこでは 単純な仮定を採用 しているが, 実際はもっ と複雑であろう. 理論式が実験値の定量的再現にやや不 充分である理由のひとつと考えられる. 棒状粒子の光散乱に関する理論的成果などを活用 して検討 を加える必要がある, 定数 C の近似式として導入した( 34 )式は, 充填率が低いとき, すでに述べたように, よい近似と. いえなくなる. 実験値の定量的再現における問題にはこの近似式も関与している, 定性的な目的で 利用するのであればこの近似式で充分であるにしても,定量的にはさらによい近似式が必要である. 定数 A, β, C および D を解析的に定める境界条件の( 21 )-( 24 )式から出発して, もっ と近似度を あげることが今後の課題である.. IV. ま と め. 繊維による熱放射の射出, 吸収に加えてさらに散乱の効果をとり入れて, 繊維集合体内部の放射 伝熱の理論計算をおこなった. 計算にあたり対流は除くこととし, 伝導と放射の関連を考慮に入れ. た. 理論式の応用により次のような結果が得られた, 集合体内部で全熱流束は一様であるが, 伝導およ び放射の両熱流束は一様でなく場所によっ て変. 化する, 伝導熱流束の値は集合体の両端部で高く, 中央部で極小になる. 反対に放射熱流束の値は 両端部で低く, 中央部で極大値をとる,. 繊維集合体中央部に熱放射反射材を挿入すると放射熱流束が大幅に減少することが明らかになっ た. これは最近の金属箔を併用した保温用中入れ綿の理論的うらづけとして興味深い結果である,. 伝導熱流束と放射熱流束はそれぞれ集合体の繊維充填率に依存する,前者は充填率と共に増加し,. 後者は減少する. 充填率の低いところでは全熱流束に対する放射の寄与が大きい, 全熱流束は充填 率のある値で極小となり実験事実と一致する,. 繊維集合体の熱抵抗に関する理論式から実験値とまったく独立に計算した理論値を用い, 理論と. 実験の比較をおこなった, 理論式に含まれる近似にもかかわらず, 理論と実験はかなりの 一致を示 した.. (15).

(17) . 50. 菅. 健. 宮. さらに, 従来の理論による有効放射熱伝導率の分析をおこない, その近似の程度を明らかにした.. 文. 献. i iat 1) Cena fer processes in anima l coats, 1. Rad ive th .L. (1975) Trans , K. and Monte ,J transfer 7 2〆 , Pmc . 尺. Soc . 上o , β. ,377-393 ,188 .. 2) Cena i ion 1,Conduct th 1975 ) Transfer processesinanimalcoats .L.( , 1 , K,and Monte ,j 尺 L β S d 1 8 8 3 9 5 ‐ 4 1 1 and convection, P〆oc o c D 7 2 . . . . . , , .. 3) 千輝淳二;伝熱計算法, 工学図書, 東京 ( )p 1981 9 .26 .. 4) Davi iona lradiative energy transferin sJr rkebak, R,C. (1973) one …dimens . , L, B.and Bi i ial th nlayers of6brous mater s . / , Aロメ. P毎s . ,44 ,4585-4587 . lothinginsu lat i 5) Farnworth 1983 ) Mechani smsofheatHow throughc on . ,B. ( 1 - 7 7 7 2 5 Z,53 , .. g財Z彰 尺B S .. 6) 藤倉嘉昭・鈴木孝制・松本昌一 ( ) ポリマーのふく射率. 繊維学会誌, 31 1 975 , T381‐388 , N E d Steere R R i C ( 1 d f i 賃 b h l i l ion 9 6 7 ) 7) HagerJr th t t t n t a n a a e a r a n s e r n r o u s e r ma n s u a . . . , , , , ,. ノ APのZ .P勿. 38 ,4663‐4668 .. 8) 半田 隆:分散コロイ ド. 中垣正幸・稲垣 博編, 光散乱実験法, 南江堂, 東京 ( 1965 143 )p . . 9) 松尾み どり・中嶋朝子・花田嘉代子 ( 1978 ) 寝具材料の保温性に関する研究, 家政学雑誌, 29 , 152‐156 .. 三郎・鎌田佳伸 ( 1973 ) 繊維の軸に垂直方向熱伝導率測定. 繊維機械学会誌, 2 6 3-48 , T4 , 三郎・鎌田佳伸・吉野次朗 ( 1 T 974 ) 繊維の軸方向熱伝導率の測定. 繊維学会誌, 30 9 , -16 . 12) Nakagaki i l i l idal systems. 1. Theoret 1958 ) opt cal properties of co ored col cal o , M,(. 10 )仲. 11 )仲. i lspher i i l tudi t s esontheextinctionofl calpar c es ghtbythesystem ofsmal . β“仏 c庵のれ .soc . 超めαれ ,980-985 ,31 .. 13 1981 ) 西桜光 一 ( ) 新しい保温中入れ綿の動向について. 繊維製品消費料学会誌, 22 , 446‐449 . 1980 ) 一軸配向繊維集合体の繊維軸に垂直方向の有効熱伝導度の評価. 繊維学会誌, 14 ) 野飼 享 ( 36, T389-396 ,. 15 ) 繊維学会:繊維便覧原料編, 丸善, 東京 ( 1 978 )p 257 . .. 16) St ) F1at panel vacuum thermal rong , H, M. , Bundy , F. P. and Bovenkerk, H. P. (1960 insu lat ion , Z APが. P勿sり 31 ,39-50 . 17) Stuar ion t combe at , M.and 日ol ,1 , B. V, (1984) Heattransferthrough 賃ber beds by radi 1総務Z ing and conduction. 7 thshad wi B Re s ,/,54 ,149-157 ,. 18 1981 ) 杉山博茂 ( ) 合繊ふとんわた. 繊維製品消費科学会誌, 2 2 , 92‐97 . 19 ) 竹中はる子 ( 1975 ) 繊維集合体の物性に関する研究, 家政学雑誌, 26 , 14-26 ,. 6) (1.

(18)

参照

関連したドキュメント

[r]

The followings were obtained : the compression has three characteristic stages , in the first and third of which linear approximations are valid, and in the second of which

 

本案における複数の放送対象地域における放送番組の

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

1.管理区域内 ※1 外部放射線に係る線量当量率 ※2 毎日1回 外部放射線に係る線量当量率 ※3 1週間に1回 外部放射線に係る線量当量