大学女子サッカーチームの合宿がコミュニケーション力やチーム力に及ぼす影響 : メタ認知学習とアドベンチャープログラムを取り入れた合宿の効果
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第67巻 第₂号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 67, No.2. 平 成 29 年 ₂ 月 February, 2017. 大学女子サッカーチームの合宿がコミュニケーション力やチーム力に及ぼす影響 ― メタ認知学習とアドベンチャープログラムを取り入れた合宿の効果 ―. 濱 谷 弘 志 北海道教育大学岩見沢校 自然体験活動研究室. The influence of the college women’s soccer team camp for the communication ability and team power ― The effect of the camp including meta recognition learning and adventure programs ―. HAMATANI Hiroshi Department of nature experience activity, Iwamizawa Campus, Hokkaido University of Education. 概 要 本研究は,1泊2日で行われた大学女子サッカー部の合宿において,「普段の自分のコミュ ニケーションスタイルをふりかえる」ことをねらいとしたメタ認知学習とチームビルディング を目的としたアドベンチャープログラムが,女子サッカー部のコミュニケーション力やチーム 力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。調査は筆者が作成した10項目からなる質問 紙調査を用い,合宿の開始前と終了後に行われた。その結果,全学年でのPRE-POSTの調査 時期での比較では,個人のコミュニケーション力に関する項目「自分は人見知りである」「自 分は人の話が聞ける」に効果が見られた。また,チーム力に関する項目「チームとして目標を 共有できている」「チームとしてコミュニケーションが良い」「お互いを尊重できている」につ いても効果が見られた。. 1.研究の背景. 1) とされている。 面の連携を高める様々な手法」. Jリーグを始め,サッカー界でいち早く導入され,. 近年,スポーツのトレーニングに「チームビル. その後チームで競技を行うスポーツに徐々に広. ディング」という手法が取り入れられるように. まっている。また,バンクーバー,ロンドン,ソ. なった。 「チームビルディングとは『チームを組. チオリンピック前には代表候補選手を対象に,競. み立てる,築き上げる』という意味であり,目標. 技種目を超えた一体感(チームジャパン)を創造. を達成するために,メンバー全員の技術面や精神. する合宿が開催され,チームビルディング活動が. 257.
(3) 濱 谷 弘 志. 行われた2)。さらに,個人種目である競泳では,. らかにすることとした。. 代表選手達を「トビウオジャパン」と呼び,世界 水泳などの事前合宿ではチームビルディング活動 を取り入れ,チームとして一体感を持ち戦う意識. 2.先行研究. を高め挑んでいる。このように,現在チームビル. 5) 福富ら(2004) は,サッカー選手に必要とさ. ディングはチームスポーツにとどまらず,個人競. れるoff the pitchでの行動・態度を測定する尺度. 技や国際大会の日本選手団といった範囲にも取り. (off the pitch行動評定尺度)を開発し,サッカー. 入れられている。. クラブの中学生を対象に,キャンプ経験がサッ. 星野3)によると,「個と集団は相容れない要素. カーチームのパフォーマンスに及ぼす影響につい. を抱えたものであるが,それぞれ独立してあり得. て調査を行った。その結果,キャンプ後サッカー. るものではない」としている。また,「集団の中. のパフォーマンスはコミュニケーションやチーム. にいて,自立した個が集まった時,集団が『ほん. の雰囲気,課題発見・解決に関する点で改善が見. とうの集団』になったと言う事ができる。集団が. られたと報告している。. 成長するためには,個の自立が必須であるし,個. また,キャンプを実施した実験群と実施をしな. が集団の中で自立するためには,集団の成長が必. い統制群を比較した調査を行い,キャンプ参加者. 須条件であり,両者が関係しながら,共に成長し. 群はキャンプ前後において,「非依存」「明朗性」. ていく」とされている。. 「まじめ・勤勉」 「思いやり」 「現実肯定」 「視野・. 福富 によると,「チームを構成するのは1人. 判断」において有意な向上が見られた6)と報告し. 1人の個人であり,結局は個の意識改革がない限. ている。. り,チーム全体もレベルアップしない」とされて. 高山7)は,大学生が授業として行われた組織. いる。. キャンプに参加することで,どのようなライフス. チームスポーツではその競技の専門知識・技. キルを獲得するか調査を行った。その結果,他者. 術,戦術,体力などの直接的スキルを向上させる. とのコミュニケーションを含む対人関係スキルの. のは当然であるが,コミュニケーション力,課題. 向上が見られたと報告している。. 4). 解決力,協調性などの間接的スキルが低ければ, 個々の能力をチームとして機能させたり,チーム 力の向上が難しいことがある。その中でも,コミュ. 3.研究方法. ニケーション力はチームスポーツにおいてなくて. 3.1.調査対象. はならない重要なスキルであり,具体的には相手. 調査は,平成24年4月20日~22日に兵庫県香美. に伝えようという気持ちを持ち,「話す」 「聴く」. 市美方高原で行われた大阪国際大学女子サッカー. 「視る」を行う能力である。しかしながら,コミュ. 部合宿参加者32名を対象とした。参加者は1年生. ニケーションを良くすることを掲げることはある. が10名,2年生が8名,3年生が5名,4年生が. が,実際にこれらのスキルを高めるトレーニング. 9名という構成であった。大阪国際大学女子サッ. はあまり行われていないのが現状である。. カー部は,関西の上位8チームで構成される関西. 本研究の目的は,大学女子サッカーチームの合. 学生女子サッカーリーグ1部に所属し,ここ数年,. 宿において, 「普段の自分のコミュニケーション. 全国大会であるインカレにあと一歩及ばずという. スタイルをふりかえる」ことをねらいとしたメタ. 成績で終わっている。そのため,チームとしての. 認知学習とチームビルディングを目的としたアド. 目標を,インカレ出場権を与えられる関西学生女. ベンチャープログラムが,女子サッカー部のコ. 子サッカー1部リーグ3位以内として練習に励ん. ミュニケーション力やチーム力に及ぼす影響を明. でいた。. 258.
(4) 大学女子サッカーチームの合宿がコミュニケーション力やチーム力に及ぼす影響. 3.2.合宿の概要. 表1.トレーニングにおける話し合いのテーマ. 合宿はインカレ出場を目標として, 「リスペク ト&チャレンジ」をテーマに2泊3日で行われた。 初日は大学のある大阪府内から午後現地に移動 し,その夜は施設に宿泊した。 2日目は2チームに分かれて,その日の宿泊に 備えテント設営を行い,昼食は野外炊事のためメ ンバーが協力して調理を行った。昼食後,翌日に 使用するMTBの試乗を行い,その後室内にて, 自分のコミュニケーションをふりかえるメタ認知 学習を行った。メタ認知学習は,話し合いのテー マ(表1)について,A尋ねる役,B答える役の. 1回目 1.私のふるさと 2.私の子どもの頃の遊び 3.私がもう一度行ってみたいところ 2回目 1.私が一番関心のあること 2.私がこれからぜひやってみたいこと 3.私の理想の女性像・男性像 3回目 1.私にとって,最も大切なもの 2.私が影響を受けた人は 3.私が最も尊敬している人は. 二人で10分間会話をし,C観察役が客観的に観察 を行った。 会話終了後,各役割でコミュニケーショ. 3.3.調査内容・調査方法. ンについて気づいたことを話し合い,役割を交代. 調査は著者が作成した個人のコミュニケーショ. して合計3回実施した。また,最後は全体で,各. ン力とチーム力を測定する調査用紙を使用し,合. グループの中で出てきたことを発表し,学びの共. 宿初日(PRE)と合宿後(POST)に実施した。この. 有を行った。. 調査用紙は,個人のコミュニケーション力とチー. 3日目は午前中に2グループでMTBとランニ. ム力に関する各5項目の質問群から成り,「そう. ングによる距離約12km,標高差約720mのルート. 思わない」から「少しそう思う」「まあまあそう. のタイムトライアルを行い,昼食後,最終チャレ. 思う」「とてもそう思う」までの4段階評定で回. ンジとしてウォールを行った。. 答を求めた。 質問項目は以下の通りである。. A 尋ねる役(Bに尋ねることしかできない) B 答える役(Aの質問に,答えることしかできない) C 観察者役(AとBの会話を観察する). ① 自分は人見知りである ② 自分はコミュニケーションが取れる ③ 自分は人の話が聴ける ④ 自分の思ったことを話せる. A. ⑤ 自分の本音を伝えることができる. C. ⑥ チームとして目標を共有できている ⑦ チームとしてコミュニケーションが良い ⑧ お互いを尊重できている. B. ⑨ チームのために自分がやらなくてはと思う ⑩ チームの中での役割を理解している. 図1.コミュニケーショントレーニングでの役割. 259.
(5) 濱 谷 弘 志. 3.4.分析方法. 4.結 果. 回答は「そう思わない」…1点,「少しそう思 う」…2点, 「まあまあそう思う」…3点,「とて. 4.1.全学年の比較. もそう思う」…4点と得点化し,調査対象者のう. 全学年の調査時期における調査項目ごとの平均. ちデータに欠損のない31名を分析対象とした。. と標準偏差を表2に,分散分析表を表3に示す。. PREとPOSTの調査時期での得点変化について,. 分析の結果,個人のコミュニケーション力に関. 1要因参加者内分散分析を用いて個人のコミュニ. する項目のうち「自分は人見知りである」 (F(1,30). ケーション力とチーム力の変化を分析・検討し. =10.43, p<.01), 「自分は人の話が聞ける」 (F(1,30). た。 分析は全学年で行い,その後学年ごとでも行っ. =18.03, p<.01)において調査時期の効果は有意. た。. であった。 表2.全学年の調査時期における平均と標準偏差 Pre. 個人 チーム. N=31 人見知りである 人とコミュニケーションが取れる 人の話が聞ける 思ったことを話せる 本音を伝えることができる 目標を共有できている コミュニケーションが良い お互いを尊重できている 自分がやらなくてはと思う 役割を理解している. M 2.74 2.42 2.65 2.35 2.32 2.61 2.58 2.32 2.77 2.58. Post SD 1.08 0.79 0.86 0.90 0.78 0.79 0.83 0.59 0.91 0.91. M 2.35 2.68 3.16 2.52 2.39 3.19 3.16 3.00 3.03 2.77. SD 1.06 0.89 0.81 0.95 0.87 0.93 0.85 0.76 0.90 0.87. 表3.全学年の調査時期の分散分析表 人見知りである 人とコミュニケーションが取れる 個人. 人の話が聞ける 思ったことを話せる 本音を伝えることができる 目標を共有できている コミュニケーションが良い. チーム. お互いを尊重できている 自分がやらなくてはと思う 役割を理解している. 変動要因 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差. 平方和 2.32 6.68 1.03 14.97 4.13 6.87 0.40 6.10 0.06 8.94 5.23 15.77 5.23 12.77 7.11 6.39 1.03 14.97 0.58 11.42. 自由度 1 30 1 30 1 30 1 30 1 30 1 30 1 30 1 30 1 30 1 30. 平均平方 2.32 0.22 1.03 0.50 4.13 0.23 0.40 0.20 0.06 0.30 5.23 0.53 5.23 0.43 7.11 0.21 1.03 0.50 0.58 0.38. F 10.43 2.07 18.03. **. 1.98 0.22 9.94. **. 12.27. **. 33.41. **. 2.07 1.53. +. p<.10 *p<.05. 260. **. **. p<.01.
(6) 大学女子サッカーチームの合宿がコミュニケーション力やチーム力に及ぼす影響. チーム力に関する項目については, 「チームと. と標準偏差を表4に,分散分析表を表5に示す。. し て 目 標 を 共 有 で き て い る 」(F(1,30)=9.94, p. 個人のコミュニケーション力に関する項目のう. <.01) , 「チームとしてコミュニケーションが良. ち「 自 分 は 人 見 知 り で あ る 」(F(1,9)=5.00, p. い」 (F(1,30)=12.27, p<.01),「お互いを尊重でき. <.10), 「自分は人とコミュニケーションが取れ. ている」 (F(1,30)=33.41, p<.01),についても調査. る」(F(1,9)=3.86, p<.10)において調査時期の効. 時期の効果は有意であった。. 果は有意傾向であった。 チーム力に関する項目については,いずれの項. 4.2.学年別の比較. 目においても調査時期の効果は有意でなかった。. 1年生の調査時期における調査項目ごとの平均 表4.1年生の調査時期における平均と標準偏差 Pre. 個人 チーム. N=10 人見知りである 人とコミュニケーションが取れる 人の話が聞ける 思ったことを話せる 本音を伝えることができる 目標を共有できている コミュニケーションが良い お互いを尊重できている 自分がやらなくてはと思う 役割を理解している. M 2.40 2.90 3.00 2.50 2.30 2.90 2.90 2.70 3.10 2.50. Post SD 0.92 0.83 0.89 0.50 0.64 1.04 1.14 0.64 1.04 0.92. M 1.90 2.30 3.30 2.40 2.20 3.00 3.20 3.00 2.90 2.40. SD 0.70 1.10 1.01 0.92 0.75 1.26 1.17 1.10 1.14 0.92. 表5.1年生の調査時期の分散分析表 人見知りである 人とコミュニケーションが取れる 個人. 人の話が聞ける 思ったことを話せる 本音を伝えることができる 目標を共有できている コミュニケーションが良い. チーム. お互いを尊重できている 自分がやらなくてはと思う 役割を理解している. 変動要因 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差. 平方和 1.25 2.25 1.80 4.20 0.45 2.05 0.05 1.45 0.05 6.45 0.05 7.45 0.45 6.05 0.45 3.05 0.20 8.80 0.05 6.45. 自由度 1 9 1 9 1 9 1 9 1 9 1 9 1 9 1 9 1 9 1 9. 平均平方 1.25 0.25 1.80 0.47 0.45 0.23 0.05 0.16 0.05 0.72 0.05 0.83 0.45 0.67 0.45 0.34 0.20 0.98 0.05 0.72. F 5.00. +. 3.86. +. 1.98 0.31 0.07 0.06 0.67 1.33 0.20 0.07. +. p<.10 *p<.05. **. p<.01. 261.
(7) 濱 谷 弘 志. 次に,2・3年生の調査時期における調査項目. チーム力に関する項目については,「チームと. ごとの平均と標準偏差を表6に,分散分析表を表. し て 目 標 を 共 有 で き て い る 」(F(1,12)=8.53, p. 7に示す。今回3年生は5名であったため,2年. <.05),「チームとしてコミュニケーションが良. 生と一緒にして分析を行った。. 「お互いを尊重できて い」(F(1,12)=8.65, p<.05),. 分析の結果,個人のコミュニケーション力に関. いる」(F(1,12)=45.47, p<.01),「チームのために. する項目のうち「自分は人とコミュニケーション. 自 分 が や ら な く て は と 思 う 」(F(1,12)=11.64, p. が取れる」 (F(1,12)=10.29, p<.01),「自分は人の. <.01),「チームの中での役割を理解している」. 話が聞ける」(F(1,12)=14.00, p<.01)において調. (F(1,12)=6.35, p<.05)と全項目において調査時. 査時期の効果は有意であった。. 期の効果は有意であった。. 表6.2・3年生の調査時期における平均と標準偏差 Pre. 個人 チーム. N=13 人見知りである 人とコミュニケーションが取れる 人の話が聞ける 思ったことを話せる 本音を伝えることができる 目標を共有できている コミュニケーションが良い お互いを尊重できている 自分がやらなくてはと思う 役割を理解している. M 2.92 2.15 2.31 1.85 1.92 2.31 2.46 2.08 2.23 2.23. Post SD 1.00 0.66 0.72 0.95 0.62 0.72 0.63 0.62 0.70 0.80. M 2.69 2.62 2.85 2.15 2.08 3.00 3.00 3.00 2.85 2.69. SD 0.91 0.62 0.86 0.86 0.83 0.78 0.55 0.39 0.66 0.72. 表7.2・3年生の調査時期の分散分析表 人見知りである 人とコミュニケーションが取れる 個人. 人の話が聞ける 思ったことを話せる 本音を伝えることができる 目標を共有できている コミュニケーションが良い. チーム. お互いを尊重できている 自分がやらなくてはと思う 役割を理解している. 変動要因 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差. 平方和 0.35 2.15 1.38 1.62 1.88 1.62 0.62 2.38 0.15 1.85 3.12 4.38 1.88 2.62 5.54 1.46 2.46 2.54 1.38 2.62. 自由度 1 12 1 12 1 12 1 12 1 12 1 12 1 12 1 12 1 12 1 12. 平均平方 0.35 0.18 1.38 0.13 1.88 0.13 0.62 0.20 0.15 0.15 3.12 0.37 1.88 0.22 5.54 0.12 2.46 0.21 1.38 0.22. F 1.93 10.29. **. 14.00. **. 3.10 1.00. +. 8.53. *. 8.65. *. 45.47. **. 11.64. **. 6.35. *. p<.10 *p<.05. 262. **. p<.01.
(8) 大学女子サッカーチームの合宿がコミュニケーション力やチーム力に及ぼす影響. 最後に,4年生の調査時期における調査項目ご. であった。. との平均と標準偏差を表8に,分散分析表を表9. チーム力に関する項目のうち「チームとして目. に示す。. 「チー 標を共有できている」 (F(1,7)=5.65, p<.05),. 個人のコミュニケーション力に関する項目のう. ムとしてコミュニケーションが良い」(F(1,7)=. ち「自分は人の話が聞ける」 (F(1,7)=5.73, p<.05). 24.65, p<.01), 「お互いを尊重できている」(F(1,7). において調査時期の効果は有意であった。 「自分. =14.91, p<.01)において調査時期の効果は有意. は人とコミュニケーションが取れる」(F(1,7)=. であった。. 4.83, p<.10)において調査時期の効果は有意傾向 表8.4年生の調査時期における平均と標準偏差 Pre. 個人 チーム. N=8 人見知りである 人とコミュニケーションが取れる 人の話が聞ける 思ったことを話せる 本音を伝えることができる 目標を共有できている コミュニケーションが良い お互いを尊重できている 自分がやらなくてはと思う 役割を理解している. M 2.88 2.38 2.75 3.00 3.00 2.88 2.38 2.13 3.25 3.25. Post SD 1.27 0.86 0.83 0.71 0.71 0.33 0.48 0.33 0.43 0.66. M 2.38 3.25 3.50 3.25 3.13 3.50 3.50 3.00 3.50 3.38. SD 1.41 0.66 0.50 0.66 0.60 0.50 0.50 0.71 0.71 0.70. 表9.4年生の調査時期の分散分析表 人見知りである 人とコミュニケーションが取れる 個人. 人の話が聞ける 思ったことを話せる 本音を伝えることができる 目標を共有できている コミュニケーションが良い. チーム. お互いを尊重できている 自分がやらなくてはと思う 役割を理解している. 変動要因 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差 調査時期 誤差. 平方和 1.00 2.00 3.06 4.44 2.25 2.75 0.25 1.75 0.06 0.44 1.56 1.94 5.06 1.44 3.06 1.44 0.25 1.75 0.06 1.44. 自由度 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7 1 7. 平均平方 1.00 0.29 3.06 0.63 2.25 0.39 0.25 0.25 0.06 0.06 1.56 0.28 5.06 0.21 3.06 0.21 0.25 0.25 0.06 0.21. F 3.50 4.83. +. 5.73. *. 1.00 1.00 5.65. *. 24.65. **. 14.91. **. 1.00 0.30. +. p<.10 *p<.05. **. p<.01. 263.
(9) 濱 谷 弘 志. 5.考 察. 6.まとめ. 全学年において,「自分は人見知りである」「自. 本研究の目的は,大学女子サッカーチームの合. 分は人の話が聞ける」の項目に有意な向上が見ら. 宿において,普段の自分のコミュニケーションス. れたのは,メタ認知学習によって,普段の部活動. タイルをふりかえることをねらいとしたメタ認知. では聴くことができないそれぞれの考え方や価値. 学習とチームビルディングを目的としたアドベン. 観に触れたことで,部員間の距離が近くなったこ. チャープログラムが,女子サッカー部のコミュニ. と,また,普段以上に意識してお互いの話を聞こ. ケーション力やチーム力に及ぼす影響を明らかに. うとする姿勢ができたことが影響したと考えられ. することであった。. る。. その結果,上級生のコミュニケーション力や. 次に「チームとして目標を共有できている」. チーム力の向上に有効であることが明らかとなっ. 「チームとしてコミュニケーションが良い」「お. た。しかしながら,新入生である1年生において. 互いを尊重できている」の項目に有意な向上が見. は課題発見の機会となったが,十分な効果は見ら. られたのは,メタ認知学習での学習効果のベース. れなかった。. ができたうえで,困難な課題解決に挑戦するアド ベンチャープログラム体験により,個人のコミュ ニケーション力向上のみならず,チーム内でのコ. 7.今後の課題. ミュニケーション,お互いの尊重,目標の共有化. 今回の調査結果の信頼性を増すためには,更な. などが促進されたと考えられる。. る調査が必要不可欠と言える。今後の調査の検討. 学年別の結果について,1年群が,各項目にお. 課題として以下のことが挙げられる。. いて有意な向上が見られなかった要因として,合. 1.上級生に加え,新入生にも効果的なチームビ. 宿の時期が入部間もない時期で,まだチームのメ. ルディング活動の検討. ンバーとして溶け込んでいないこと,合宿の内容. 2.より信頼性を増すための調査項目の再検討. がそれを踏まえて効果を上げるまでの内容に至ら. 3.複数チームでの調査を行い,一般化すること. なかったことが挙げられる。今回の合宿では,メ タ認知学習を通して自分のコミュニケーションに. 註. ついて課題が明確となり,今後に向けての課題発 見の機会となったが,1年生にとっては,あまり. 1)福富信也(2013)個を生かすチームビルディング . 効果がなかったと言える。2-4年群において有. チームスポーツの組織力を100倍高める勝利のメソッ. 意な向上が見られた要因として,サッカー部員と してすでに活動をする中で,チーム内の人間関係 や,コミュニケーションなどチームの問題につい て普段から課題意識を持っていたことが挙げられ る。特に2・3年生は,自分たちがチームの中心. ド,カンゼン 2)鶴川高司(2010)いま一度“アイスブレイキング” について考える,野外教育情報18[プログラムづくり], 財団法人日本教育科学研究所,64-71 3)星野欣生(2003)個を生かす集団・集団を生かす個, 復刻版クリエイティブO. D. VolⅣ,行動科学実践研究 会27-35. 選手であり,課題意識を強く持っていたと考えら. 4)福富信也(2015)1人1人の意見が尊重され自主性. れ,それに対して今回の合宿内容が効果的に働い. を伸ばすチームをつくる,コーチング・クリニック,. たと考えられる。. ㈱ベースボール・マガジン社,10-13 5)福富信也・平野吉直(2004)キャンプ経験がサッカー チームのパフォーマンスに及ぼす影響,日本野外教育 学会第7回大会プログラム・研究発表抄録集,90-91 6)福富信也(2005)キャンプ経験がサッカーチームの. 264.
(10) 大学女子サッカーチームの合宿がコミュニケーション力やチーム力に及ぼす影響. パフォーマンスに及ぼす影響⑵,日本野外教育学会第 8回大会プログラム・研究発表抄録集,42-43 7)高山昌子(2009)大学生の組織キャンプに関する一 考察,太成学院大学紀要,85-95. (岩見沢校 准教授). 265.
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