裸足によるラダートレーニングの有効性(その2) : 動作解析に基づくトレーニング効果の検討
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第71巻 第2号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 71, No.2. 令 和 3 年 2 月 February, 2021. 裸足によるラダートレーニングの有効性(その2) ― 動作解析に基づくトレーニング効果の検討 ―. 杉山 喜一・横山 規宏* 北海道教育大学岩見沢校スポーツコーチング科学コース *. 士別市立多寄中学校. Effectiveness of Bared Ladder Training on the Spot(Part 2) ― Discussion of the Training Effects on Motion Analysis ―. SUGIYAMA Kiichi and YOKOYAMA Norihiro* Course of Sport Coaching and Science, Iwamizawa Campus, Hokkaido University of Education *. Shibetsu-city Tayoro Junior High School. ABSTRACT Our previous study indicated that the ladder training by the bared foot on the spot improved the standing jump ability in physical education program for school children. The purpose of this study was to investigate the effects of the ladder training on the spot by the bared foot on the aspect of motion analysis. Participants were male and female students(n=18)of local elementary school. They were divided into control and experimental groups. The ladder exercises in physical education class were introduced under the conditions of the shod foot in control group and the bared foot in experimental group. The ladder program on the spot set 11 items consisting of sequential motions which were required for the improvement in the physical capacities of speed and agility, and performed three times a week during 3 weeks in both groups. The statistical treatment indicated that the achievement levels of standing long jump in the experimental group were significantly improved after 3 weeks. Finally one boy and two girls who were most improved in standing long jump after the bared ladder training sessions were selected to analyze their skills of standing long jump. After the training sessions, their skills of standing long jump were improved over 10% in average. The motion analysis show that their improvement of their skill in standing long jump depended upon the optimization of flight distance, take-off angle, initial velocity in. 241.
(3) 杉山 喜一・横山 規宏. take-off, and forward-bent posture. The other items of analysis were individually different. The present study shows that the benefits of the bared ladder training have a major effect on improvement of coordination of standing jumping skill for children. This finding can extract useful information for educational guideline to incorporate ladder drills into physical education program.. 緒 言 先行研究(杉山他;2020)によれば,中学校の体育授業における裸足によるその場でのラダートレーニン グでは,シューズによる場合と同様に,20m走といった走能力あるいはステッピングといった敏捷性の改善 につながる効果は見いだせなかった。しかしながら立ち幅跳びにおいてシューズ群と比べて裸足群において 有意な向上を示し,体力要素の一つとされる瞬発力を高める効果が認められた。杉山他(2013)は,小学校 4年生を対象とした授業の一部の中にラダートレーニングを導入した際に,跳躍種目を中心とした体力種目 の向上について報告しており,ラダートレーニングが跳躍動作に何らかの影響を与え,そのパフォーマンス を向上させる可能性を示唆している。その上で裸足教育が「跳ぶ」といった運動能力の発達を促すことを考 えられる(山崎他;1998)と,裸足によるラダートレーニングによって,立ち幅跳びのような跳躍能力の発 達の差を顕著にすると考えられる。 一般にラダートレーニングは,主にスピード,敏捷生,クイックネスを高めるためのトレーニングプログ ラムであり,神経系の機能と密接な関係がある巧緻性,敏捷性,平衡性,協応性といったいわゆる調整能力 を顕著に発達させる。そして次々と異なるステップを体感させ,成功体験の積み重ねの中で,運動すること の楽しさ(運動有能感)を身につけさせる有効な遊びでもある(石河他;1987)。またラダートレーニング のようなコーディネーションプログラムが素早い動きの向上に有効である(安光・野川;2010)ことを考え ると, 瞬発力よりはむしろ神経系の機能と密接な関係がある調整力が顕著に発達する可能性がある。実際に, 一般男子学生に対して,週1回のラダートレーニングを10週間にわたって体育授業で導入した結果,敏捷性 能力において改善がみられている(山本他;2011)。これらのことから,裸足によるラダートレーニングは, 瞬発力よりはむしろ調整能力を高めた可能性があり,その意味で動作分析を踏まえた動作学的視点からその 有効性について検討する意義は大きい。 これまでの報告のように,北海道のような寒冷時期においては,子ども達の体力の低下が懸念されている。 この体力の低下はスキルの低下にも左右するが,言い換えればスキルの向上は,何らかの体力的向上の所作 ともとらえることができる。したがって通常のラダートレーニングに加え,裸足によるラダートレーニング によって今回の立ち幅跳びのようなスキルの向上に対する有効性が明らかになれば,今後の体育プログラム における体力の向上の維持もしくは低下の軽減を視座した,何らかの知見が得られることになる。 そこで本研究では,体育授業における裸足によるラダープログラムを導入し,そのラダートレーニングに おける運動技能向上に伴う立ち幅跳びへの影響について分析し,学校教育における子ども達の体力向上のた めの一助としたい。. 242.
(4) 裸足によるラダートレーニングの有効性(その2). 方 法 1.対 象 体力測定の結果から,裸足によるその場でのラダートレーニング後に立ち幅跳跳びの記録が最も顕著に向 上した3名の生徒を抽出した。その3名の体格及びトレーニング前後の体力測定の結果を表1に示す。 表1 被験者3名の体格および体力測定の記録. 3 2 1. 性 別. 学 年. イニシャル K.K. H.I. K.Y.. 女 女 男. 身 長. 体 重. (㎝). (㎏). 153.8 160.0 163.4. 50.0 47.0 50.5. 立ち幅跳び. 20m走. ステッピング. Pre. Post. Pre. Post. (㎝). (㎝ ). (秒). (秒). 142 182 172. 158 200 188. 4.87 4.00 4.14. 4.84 4.00 4.20. Pre. Post. (回/6秒) (回/6秒) 62 75 66. 71 73 62. 2.分析方法 立ち幅跳びの動作分析のためのビデオ撮影については,踏切地点から着地地点の中心付近から側方15m地 点にデジタルカメラを設置して,120fpsで定点撮影を行った。定点カメラから得られたビデオ動画はコン ピュータに取り込まれ,さらに各跳躍試技に対する動作分析にあたっては,二次元動作解析ソフト「kinovea」 が使用された。 3.分析項目 立ち幅とびの動作分析ための分析項目は,以下のように,立ち幅跳びの各局面における跳躍距離,その主 要局面である滞空時移動距離に影響を及ぼす各要因,さらに跳躍距離に有利に作用すると思われる各運動学 的要因に注目した。なおこれらの分析項目にかかる定義については図1に示すとおりである。 ① 各局面の跳躍距離 離地時利得距離(局面Ⅰ),滞空時移動距離(局面Ⅱ),接地時利得距離(局面Ⅲ) ② 滞空移動距離に影響を及ぼす要因 踏切時の初速度ならびに跳躍角度 ③ 跳躍時における運動学的要因 離地時大転子高,最大大転子高,着地時大転子高 離地時の下肢前傾角度,離地時膝関節角度,接地時の下肢後傾角度,接地時膝角度. 結 果 まず3名の被験者の,裸足によるその場でのラダートレーニング前後の分析項目の結果について表2に示 した。また表2においては,動作の変化から10%以上,5%以上改善とみられるものをそれぞれ「◎」, 「〇」, 逆に低下と思われるものをそれぞれ「×」,「△」,変化なしものを「―」と表記した。 まず各局面にみられる立ち幅跳びの跳躍距離に関して,被験者K.K.は離地時の利得距離は減少したものの, それ以上に滞空時の水平移動距離が大きく伸びたことが跳躍距離の向上につながった。また被験者H.I.は,. 243.
(5) 杉山 喜一・横山 規宏. 初速. 跳躍角度 最高大転子高 離地時大転子高 さ. 接地時大転子高. 接地利得距離. 滞空時移動距離. 離地時利得距離. [局面Ⅱ]. [ 局 面 Ⅲ]. [局面Ⅰ] 跳躍距離. a.離地時下肢前傾角度 c. d.. b.離地時膝関節角度 c.接地時下肢後傾角度. b.. d.接地時膝関節角度 a.. 図図1 立ち幅跳びの分析項目 2 立ち幅跳びの分析項目 滞空時における水平移動距離の伸びによって跳躍距離が向上した。さらに被験者K.Y.については,滞空時の 水平移動距離は大きな変化がみられなかったものの,離地時ならびに着地時における利得距離の伸びによっ. 結果. て跳躍距離の向上につながった。これらのことから,各被験者とも跳躍距離の伸び方について,それぞれ異. まず 3 名の被験者の,裸足によるその場でのラダートレーニング前後の分析項目の結果について表 2. なった移動距離および利得距離の違いが認められたが,共通して滞空時移動距離(局面Ⅱ)の向上が認めら. に示した.また表2においては,動作の変化から 10%以上,5%以上改善とみられるものをそれぞれ「◎」,. れた。. 「〇」,逆に低下と思われるものをそれぞれ「×」,「△」,変化なしものを「ー」と表記した.. この滞空時移動距離に関わる初速度や跳躍角度に注目すると,初速度に関して被験者H.I.はやや低下傾向. まず各局面にみられる立ち幅跳びの跳躍距離に関して,被験者 K.K.は離地時の利得距離は減少したも. がみられるものの,被験者K.K.は大きく向上,被験者K.Y.はやや向上している。また跳躍角度に関してはい. のの,それ以上に滞空時の水平移動距離が大きく伸びたことが跳躍距離の向上につながった.また被験者. ずれの被験者も向上しているものの,特に被験者K.K.が大きな向上を示した。. H.I.は,滞空時における水平移動距離の伸びによって跳躍距離が向上した.さらに被験者 K.Y.について 次に離地時大転子高,滞空時最高大転子高,接地時大転子高に注目すると,個人差がみられた。各被験者. は,滞空時の水平移動距離は大きな変化がみられなかったものの,離地時ならびに着地時における利得距 の特徴として,被験者K.K.はトレーニング後には局面Ⅱが大きく向上,被験者H.I.についても同様に,トレー 離の伸びによって跳躍距離の向上につながった.これらのことから,各被験者とも跳躍距離の伸び方につ ニング後には局面Ⅱが大きく向上していることが示された。また被験者K.Y.については,局面Ⅰおよび局面 いて,それぞれ異なった移動距離および利得距離の違いが認められたが,共通して滞空時移動距離(局面 Ⅲにおいて大きな向上がみられた。 Ⅱ)の向上が認められた. さらに立ち幅跳びでの動作に注目すると,離地時の下肢前傾角度では,いずれの被験者もできるだけ前傾 をかけることで,改善がみられた。また離地時膝関節角度では,被験者K.K.,H.I.はほぼ変化していないが,. - 4 -. 被験者K.Y.は大きく低下した。接地時の下肢後傾角度では,被験者K.K.が,大きく改善している一方で,被. 244.
(6) 裸足によるラダートレーニングの有効性(その2). 表2 スタンディングラダートレーニング後にみられる各被験者の跳躍変化 被験者. 分析項目 ① 跳躍距離(全体). 跳躍距離(局面Ⅰ). 跳躍距離(局面Ⅱ). 跳躍距離(局面Ⅲ). ② 踏切時の初速. ③ 跳躍角度. ④ 離地時大転子高. ⑤ 最高大転子高. ⑥ 着地時大転子高. ⑦ 離地時の下肢前傾角度. ⑧ 離地時膝関節角度. ⑨ 接地時の下肢後傾角度. ⑩ 接地時脚膝角度. K.K. Pre. 142. Post. 158. Pre. 43. Post. 31. Pre. 71. Post. 96. Pre. 28. Post. 31. Pre. 275. Post. 412. Pre. 13. Post. 23. Pre. 67. Post. 68. Pre. 70. Post. 77. Pre. 44. Post. 52. Pre. 32. Post. 29. Pre. 152. Post. 154. Pre. 44. Post. 35. Pre. 133. Post. 132. 変化率 ◎. ◎. ◎. ◎. ◎. ◎. ―. 〇. ×. ◎. ―. ◎. ―. H.I. 182 200 48 46 102 122 32 32 505 489 13 15 68 68 79 77 56 49 43 34 173 171 34 36 145 121. 変化率 ◎. ―. ◎. ―. ―. ◎. ―. ―. ◎. ◎. ―. △. ×. K.Y. 172 188 46 51 94 98 32 40 360 411 16 19 63 68 75 80 63 52 35 32 166 144 38 41 138 140. 変化率 ◎. ◎. ◎. ◎. ◎. ◎. 〇. 〇. ◎. 〇. ×. △. ―. 変化率 ◎:10%以上向上,〇:5%以上向上,―:変化なし(5%未満) ,△:5%以上低下,×:10%以上低下. 験者H.I.ならびに被験者K.Y.は低下傾向がみられた。さらに接地時膝関節角度では,被験者K.K.ならびに被 験者K.Y.はほとんど変化していない一方で,被験者H.I.は大きな低下を示した。 表2のように,トレーニングによって立ち幅跳びの跳躍距離を伸ばした背景には,共通して滞空時におけ る跳躍距離を伸ばしていること,そしてそのための方策として跳躍角度が改善されていること,さらに離地 後にみられ前傾動作に改善が認められたことがあげられた。ただし踏切動作や着地動作にみられる跳躍動作 においてはそれぞれ特徴が異なり,さらなる改善点が認められる部分においても個人差が認められた。. 245.
(7) 杉山 喜一・横山 規宏. 考 察 本研究では,北海道のような積雪寒冷地域における冬期の体力測定を考慮して,室内でも容易に実施でき る助走無しの立ち幅跳びを導入して,裸足によるその場でのラダートレーニングによる体力向上を試みた。 また立ち幅跳びの分析によって,走り幅跳びのような助走をなくすことで,走力による影響や助走から踏切 時の技術的要因をある程度排除することも可能となった。 通常の立ち幅とびでは,両脚ジャンプにみられる踏切局面(局面Ⅰ),踏切後の滞空局面(局面Ⅱ),そし て着地局面(局面Ⅲ)に便宜的に分けられるが,局面Ⅰ,Ⅲの利得距離を大きくしながら,滞空時移動距離 を高めるかが大きなポイントとなる。その中でも特に滞空時移動距離は,跳躍距離に大きく影響を及ぼす局 面であるが,今回全ての被験者において,この移動距離を大きく伸ばしている点に注目したい。おそらく跳 躍時の初速や跳躍角度による影響が大きいと考えられたが,今回の分析結果によれば,共通して跳躍角度の 向上が大きく影響していた。杉本他(2016)は男子大学生バレーボール選手と短距離選手の立幅とびの研究 では,その推定最適跳躍角度は36.6度であると報告している。本研究における3名の被験者は,いずれもこ の角度を大きく下回っていたがPreよりもPostの方がより最適跳躍角度に近くなっていることから,初速の 向上の有無にかかわらず,跳躍角度の改善によって跳躍記録の向上が認められたと考えられる。 また,シューズのような足部の保護やシューズ素材による反発のない裸足条件では,足関節の動作とりわ け底屈や背屈動作にも大きく影響を及ぼすことから,跳躍角度にも少なからず影響を与えた可能性がある。 筆者らがこれまでの報告を概観する限り,この点についてはいまだ不明な部分が多いので,今後さらに詳細 に分析していきたい。さらに瞬発的な初速度を向上させるためには,今回の裸足によるラダートレーニング 期間をさらに伸ばして実施する点についてもあわせて検討すべきであろう。 さて今回の実験では,跳躍角度の向上に伴う滞空時移動距離の向上が認められたものの,それ以外の各局 面にみられる跳躍動作等においては,被験者ごとにそれぞれ特徴的な違いがみられた。例えば被験者K.K.は, ラダートレーニング前と比較して,局面Ⅰにおいては動作の改善が見られ,より上方に跳躍した。これによ り局面Ⅱの大転子高が高くなり,距離も大きくなった。しかしながら,局面Ⅲにおいては,高くなった大転 子高に対して下肢の動作が不十分で足部を十分前方に踏み出せなかった。その意味ではまだまだ着地動作の 未熟さが考えられ,改善の余地があろう。また被験者H.I.は,局面Ⅰにおいては動作の改善が見られ,より 上方に跳躍した。これにより局面Ⅱの滞空距離がより改善されたと考えられる。さらに局面Ⅲにおいては, 他の被験者と比べて利得距離が伸びていないが,接地時の膝の伸展において改善できれば,着地局面でのさ らなる利得距離が期待できるであろう。さらに被験者K.Y.は,局面Ⅰにおいてより上方へと跳躍したこれに より局面Ⅱの大転子高が高くなり跳躍距離も大きくなった。初速度や跳躍角度も改善され,跳躍の高さも含 め,踏切や滞空局面においては大幅に改善がみられたが,局面Ⅲにおける着地姿勢においてはまだまだ改善 する余地があるといえよう。 前述のように,滞空時移動距離を決定するする大きな要因として,まずは踏切時の初速度や跳躍距離が大 きなポイントである。また接地時ならびに着地時における利得距離をより大きくするためには,踏切局面や 着地局面での動作が深くかかわっている。これらの点については,離地時利得距離と大きく関係する離地時 の下肢前傾角度や,接地時利得距離と大きく関係している下肢後傾角度,あるいはこれら利得をコントロー ルする各局面の膝関節角度に基づいて分析を加えたが,この部分については個人差が認められた。 このようないわば個人差なるものは,発育・発達途上の延長線上にみられるものである。陳他(2011)は, 児童期の立幅とびにおける上肢と下肢のタイミングの取り方に関して,小学校6年児童の約半数が,未熟な がら成人と同じタイミングで行っていると報告している。中学生期においては,跳躍技能についてもまだま. 246.
(8) 裸足によるラダートレーニングの有効性(その2). だ発達途上であることが十分考えられる。また,生徒たち自身が持っている,跳躍動作に対するイメージの 持ち方によっても大きく影響する。今後は発育・発達期にみられる個人差を踏まえつつ,本実験で導入され たラダートレーニングのもつさまざまなバリエーションに注目したい。そしてそれらが発育発達刺激として, さまざまな側面からこれら個人差を凌駕していく必要性を踏まえつつ,さらに統合された跳躍動作にむけた 生徒たちの体力向上の可能性が示唆された点で,本研究成果の意義は大きいと思われる。. まとめ 裸足によるその場でのラダートレーニングの効果が立幅跳びの跳躍記録に最も顕著に表れたと考えられる 3名について,その運動学的変化について検討した。分析の観点として,まず跳躍局面を,踏切局面・滞空 局面・着地局面の3局面に分け,離地時・着地時利得距離および滞空時移動距離で構成される立幅跳びの跳 躍距離について運動学的に詳細に分析を行った。その結果,3名の被験者全てにおいて滞空時移動距離を大 きく伸ばしている。その要因として跳躍角度の向上や滞空時移動距離が大きく影響していた。跳躍動作等に おいては, 3名の被験者ごとにそれぞれ特徴的な違いがみられた。跳躍動作は三者三様で,このことは発育・ 発達途上における個人差が大きく反映していると考えられるが,踏切局面では跳躍角度や初速度が,跳躍距 離の向上に大いに貢献したことが明らかであった。積雪寒冷地に限らず,本研究で導入されたラダートレー ニングを導入することで,それが発育発達刺激として,さらに統合された跳躍動作にむけた子供たちの体力 を向上させるといった可能性を示すことができた点において,本研究成果における意義は大きいと思われる。. 参考文献・資料 ・陳周業,石井良昌,渡部和彦,上田毅,黒川隆志(2011) .児童期の立ち幅跳びにおける上肢と下肢のタイミングの取り方 に関する研究.トレーニング科学,23⑴,77-85. ・石河利寛,高田典衛,小野三嗣,勝部篤美,松浦義之,宮丸凱史,森下はるみ,小林寛道,近藤充夫,清水達雄(1987).[総 説]調整力に関する研究成果のまとめ.体育科学. 15,75-87. ・杉山喜一,神林勲,岡嶋恒,横田正義,前上里直,須田康之,及川勝也,岡安多香子,佐々木貴子,野寺克美,行徳義朗(2013). 子供の体力向上のためのラダートレーニングの有効性(その1) .北海道教育大学紀要(教育科学編) ,63⑵,85-93. ・杉山喜一,横山規宏(2020).裸足によるラダートレーニングの有効性(その1) ,―中学生の体力の向上に着目して―.北 海道教育大学紀要(教育科学編),71⑴,389-395. ・安光達雄,野川春夫(2010).小学校における業間中休みを使ったコーディネーションプログラムの効果,―すばやい動き に着目して―.スポーツパフォーマンス研究,2,233-245. ・杉本祐太,前田正登(2016).立ち幅跳における最適角度と競技種目の関連性に関する研究.トレーニング科学,27⑴,1-9. ・山崎信也,川島佳千子,清水敦彦(1998).裸足教育による幼児の運動能力の発達(幼児教育) .足利短期大学研究紀要,18 ⑴,19-25. ・山本 正彦,木村 瑞生(2011).10週間に及ぶラダートレーニングが一般男子大学生の敏捷性に及ぼす影響.東京工芸大学 工学部紀要,34⑴,27-34.. . (杉山 喜一 岩見沢校教授) . . (横山 規宏 多寄中学校教諭). 247.
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