• 検索結果がありません。

認識を変革する文学教育に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "認識を変革する文学教育に関する研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)認識を変革する文学教育に関する研究 教科・領域教育学専攻 言語系(国語)コース. M l〇五22E 日 野 朋 子. 1 目的. 3 研究の概要.  本研究の目的は,認識の変革をめざす文学. (1)認識の変革をめざした文学教育に関する. 教育のあり方について論究することである。.  先行研究. そのため,以下の三点を課題として設定した。.  戦後の文学教育は,真実を体験させたり価. (1)戦後の文学教育について概観するととも. 値観を解放させたりする文学の機能を活かし,.  に,戦後を代表する先行研究・実践の成果. 現実認識を深化する文学的な認識の育成がめ.  と課題を確認する。. ざされた。そのために学習者の問題意識を喚. (2)・先行研究の成果と課題をふまえ,学習者の. 起し,現実の状況と関連させ,思想化や典型.  認識の変革をめざす文学の授業のあり方を. 化に導く指導がなされてきた。.  考察する。.  しかし,文学体験を誘うための指導法は明. (3)認識の変革をめざす授業のあり方を基に,. らかにされていなかったため,それを解明す.  具体的な教材を用いて,授業を構想する。. ることが課題であった。また,それは文学教 材の学習内容が明らかにされていないことと. 2 構成. 関連していると推察され,学習内容の明確化.  (1)認識の変革をめざした文学教育に関す. も課題とされた。.   る先行研究. (2)認識の変革をめざす文学の授業のあり方.   ①戦後の文学教育の概観.  文学体験を誘う文学の授業のあり方を探る.   ②認識の変革をめざした先行研究の検討. ため,文学体験を誘うための仮説的要件を設.   ③認識の変革をめざした先行研究の成果. 定した。まず,読書行為の構造と認識の変容.    と課題. 過程を明らかにした。その変容過程は,次の.  (2)認識の変革をめざす文学の授業のあり. 通りである。. 《文学体験による認識の変容過程》.   方.   ①文学体験を誘う指導のあり方.  ①読者内部に他者(内なる他者)が生まれ.   ②文学教材における学習内容の系統化.   る。【参加】.  (3)認識の変革をめざす文学の授業構想.  ②内なる他者の視点を潜り,虚構の世界に.   ①「ごんぎつね」における学習内容.   転生する。【同化】.   ②「ごんぎつね」における文学体験を誘.  ③内なる他者と既有の自己との自己内対話.    う学習指導の具体化.   によって,既有の自己を相対化したり内. 一236一.

(2) 化に向かう読みとして,語り手を読む授業を.   なる他者と葛藤したりする。【異化】. ④既有の自己が影響を受け,自己を再編成. 提案した。.   したり創造したりして新しい自己が生ま.  最後に,文学教材の学習内容として,文学.   れる。【思想化,典型化】. 的な認識に関する要素の系統案と,文学教材.  以下は,認識の変容過程を図示したもので. における学習用語の系統案を作成した。 (3)認識の変革をめざす文学の授業構想. ある。.  第二章で明らかにした文学的な認識に関す /’. る要素の系統や学習用語の系統から,rごんぎ. @読者 ’\. つね」における学習内容をいくつか示した。.        既  新        有  し.        喜⇒巨. また,テクストの内部構造における自己内対 話を促すテクストとの対話のあり方を示すと.  再編成 / 創造. ともに,語り手を読むことによる思想化の授. 自己解体  ㌔一一一一’’. 業を構想した。 図1 読者内部における認識の変容過程のモデル図. 《語り手を読むことによる思想化の例》 ・設定や構造から「語り手」の思いを考える。. (E}里予2011).  そして,文学体験による認識の変容過程と. ・最後の一文の効果とそこに表れる「語り手」. 子ども読者の読みの反応傾向の分析を基に,.  の思いを考える。. 文学体験を誘うための仮説的要件を次のよう. ・「視角の転換」による「語り手」の思いを考 える。. に設定した。. ・挿絵から「語り手」のごんへの思いを読み. 《文学体験を誘うための仮説的要件》. 取る。.  ①内な・る他者の生成.  ②虚構世界への転生  ③テクストの内部構造における自己内対話. 4 今後の課題 課題として,次の三点を考えている。.  ④テクストの外部構造における自己内対話  ⑤自己の相対化による再編成と創造.  (1)テクストや空所の特質に合わせた自己.  この仮説的要件から,「テクスト構造におけ.  内対話を促す発問のあり方を追求する。. る自己内対話の関係」を明らかにした。自己.  (2)「ごんぎつね」以外の教材で語り手を読. 内対話を促すために,テクストの仕掛けであ.  む学習活動を構想し,「ごんぎつね」との. る空所に着目した。それらは,語句・文法の.  共通点や相違点を見出し,思想化に向か. 位相,表象・形象の位相,内部構造(プロッ.   う学習活動の構造化を図る。. ト)の位相,外部構造(メタプロット)の位.  (3)文学的な認識力と文学的な表現力を関. 相があった。それに対応するように,文学テ.  速させた授業を構想する。. クストの特性と合わせて示した。また,自己.       主任指導教員  堀江 祐爾. を相対化し再編成したり創造したりして思想.       指導教員 吉」l1芳則. 一237一.

(3)

参照

関連したドキュメント

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

❸今年も『エコノフォーラム 21』第 23 号が発行されました。つまり 23 年 間の長きにわって、みなさん方の多く

3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7

関西学院は、キリスト教主義に基づく全人教育によって「“Mastery for

 履修できる科目は、所属学部で開講する、教育職員免許状取得のために必要な『教科及び

 大学図書館では、教育・研究・学習をサポートする図書・資料の提供に加えて、この数年にわ

 履修できる科目は、所属学部で開講する、教育職員免許状取得のために必要な『教科及び