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算数科における「プログラミングの授業」のあり方に関する一考察 : 問題解決的な学習とプログラミング的思考の関連に着目して

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(1)Title. 算数科における「プログラミングの授業」のあり方に関する一考察 : 問題解決的な学習とプログラミング的思考の関連に着目して. Author(s). 谷地元, 直樹; 西條, 俊介; 三村, 仁. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 71(2): 99-109. Issue Date. 2021-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/11711. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第71巻 第2号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 71, No.2. 令 和 3 年 2 月 February, 2021. 算数科における「プログラミングの授業」のあり方に関する一考察 ― 問題解決的な学習とプログラミング的思考の関連に着目して ―. 谷地元直樹・西條 俊介*・三村 仁* 北海道教育大学旭川校 *. 北海道教育大学附属旭川小学校. A Study on the Expectation of “Programming Lesson” in Mathematics in an Elementary School ― Focusing on the Relationship between Problem-solving Learning and Programming Thinking ―. YACHIMOTO Naoki, SAIJYOU Syunsuke* and MIMURA Hitoshi* Asahikawa Campus, Hokkaido University of Education *. Hokkaido Elementary School Attached Hokkaido University of Education. 概 要 学習指導要領にプログラミング教育が位置付けられ,算数科はその授業を行う代表的な教科 としてあげられている。本研究では,算数科における「プログラミングの授業」のあり方を検 討するために,算数科の単元指導計画の構成に着目し,2つの授業実践から数学的活動に与え る効果や改善点を分析・考察することを研究のねらいとした。 授業実践からは,単元全体を問題解決の過程を通して学んでいる児童が,プログラミング的 思考を通して,単元のつながりを意識しながら論理的思考力を身に付けようとする姿が見られ た。また,問題解決的な学習の流れの中でコンピュータを操作する活動を行うことで,数学的 活動を通して深い学びに向かうことが分かった。先行研究並びに2つの授業実践から, 算数科 で単元指導計画に「プログラミングの授業」を位置付けるためには,「単元の中盤から終盤に 意図的・計画的に設置する」,「学びの深化を育む解決過程を重視する」ことが重要であること が確認できた。. 1.研究の目的と方法 プログラミング教育の導入が小学校で始まる. が,算数科はその代表的な教科に位置している。 問題解決的な学習の過程に位置する数学的な試行 錯誤は,算数科の目標を達成するためにも価値あ. 99.

(3) 谷地元直樹・西條 俊介・三村 仁. る数学的活動であるため, 「プログラミング的思. 習の時間を活用して指導している。. 考の育成をねらいとした授業(以下,プログラミ ングの授業) 」の取り入れ方については,慎重に 検討すべき点がある。つまり,算数科で求められ ている「問題解決的な学習を基本とした数学的活. 2.算数科におけるプログラミングの授業 ⑴ 数学的な見方・考え方に与える影響. 動を確実に遂行すること」を前提とし, 「プログ. プログラミング教育とは,「コンピュータに意. ラミングの授業」を行う単元を見定めていくこと. 図した処理を行うよう指示することで,問題解決. が最優先すべき課題である。. に必要な論理的思考力を身に付けるための学習活. 算数科におけるプログラミング教育の先行研究. 動」である。もちろんコーディングだけを学ぶわ. は多数あり,書籍や論文等でその具体が示されて. けではなく,算数科に特化した学習とは限らない。. いる。例えば,プログラミングの活用授業や教材. 例えば,プログラミング教育には,次のような利. 開発については,杉野(2014,2013他),小泉他. 点がある。. (2016) から, その必要性は明らかにされている。. ・処理した結果が速やかにかつ正確に現れる. 一方,各学校では算数の学びの本質である数学 的活動に適した形で, 「プログラミングの授業」. ・操作を通じて試行錯誤が容易に行える ・児童の関心・意欲を高めるような素材としての. をどのように位置付ければよいのかを具体化する. 魅力. ことが急務とされている。プログラミング教育が. プログラミングで養われる論理的思考力は,算. 必修化されたからといって,新しい教科ができる. 数科にどのような効果をもたらすのか。例えば,. わけではない。既にある教科の中で実践されるの. 上出他(2017)は,図形の回転移動の単元におい. で,具体的にどの学年の教科・単元でどの程度の. て動的な表現を含む普通教室専用のScratchを用. 時間数で「プログラミングの授業」を扱うかを具. いた「MSC (Mathematical Simulation of Concept). 体化することに価値がある。. アニメーション」の具体的な教材を制作し,「教. このような背景から,算数科における「プログ. 科書では不可能な数学的概念の深い理解が得ら. ラミングの授業」のあり方を検討することが必要. れ,結果としてプログラミングへの興味・関心を. である。そこで,本研究では,算数科の単元指導. 持てる」ことを示している。また,中村(2016). 計画の構成に着目し,具体的な授業実践から数学. は,アメリカの初等中等教育においてSTEM教育. 的活動に与える効果や改善点等を分析・考察する. の教材として活用される教育用ロボットSPRK. ことを研究のねらいとする。. (Schools, Parents, Robots, Kids)を用いた速さ. 研究の方法は,プログラミング教育のねらいを. の実践から,「プログラミング的思考と数学的な. 踏まえ, 先行研究から算数科で求められている「プ. 見方・考え方の両方を育て,概念の深い理解を促. ログラミングの授業」について明らかにする。ま. すことが可能である」と述べている。. た, 「プログラミングの授業」を位置付けた単元. 双方に共通しているのは,算数科での数学的な. 指導計画を作成し,授業での児童の発言や記述,. 見方・考え方の素地を育成し,数学そのものの概. 活動の様子を基に,単元全体への理解が促された. 念理解に効果的という点である。文部科学省は,. かどうかを分析・考察する。. プログラミング教育のあり方について,各教科等. なお,授業実践は国立大学附属小学校で行い,. における教育の強みとプログラミング教育のよさ. 第4学年「垂直,平行と四角形」(15時間扱い). が相乗効果を生むような指導内容を具体化するこ. で単元指導計画を作成し,2カ年計画で分析・考. とを求めている。特に,算数科で行うプログラミ. 察を行った。なお,基本的なパソコンの動作方法. ング教育に関しては,プログラミングを体験する. やソフトの使い方は,他教科の時間や総合的な学. ことが,算数の学びの本質である数学的活動とし. 100.

(4) とほぼ一致する。 ける教育の強みとプログラミング教育のよさが相 算数科における「プログラミングの授業」のあり方に関する一考察 乗効果を生むような指導内容を具体化することを. て適切に位置付けられるようにするとともに,子. 求めている。特に,算数科で行うプログラミング. ども一人ひとりに探究的な学びが実現し,一層充. 文科省の定義や杉山,大場他の考察から,プロ. 容の確かな理解が深まるものと考えられる。. グラミング的思考と数学的な見方・考え方は,双. 教育に関しては,プログラミングを体験すること. 方を働かせた数学的活動を通して,相互に関連付. が,算数の学びの本質である数学的活動として適. けられ育成されるとともに,それによって学習内 3.単元指導計画の構成と授業実践. 実するものとなるようにすることが重要となる。. つまり, 「プログラミングの授業」を経て,児童 切に位置付けられるようにするとともに,子ども が数学的活動を通して数学的な見方・考え方を伸 一人ひとりに探究的な学びが実現し,一層充実す ばすきっかけとなることが期待できる。 るものとなるようにすることが重要となる。つま ⑵ 問題解決的な学習とプログラミング的思考 り,「プログラミングの授業」を経て,児童が数 学的活動を通して数学的な見方・考え方を伸ばす 文部科学省(2016a)は,プログラミング的思 きっかけとなることが期待できる。 考について次のように定義している。 (2)問題解決的な学習とプログラミング的思考 自分が意図する一連の活動を実現するため 文部科学省(2016a)は,プログラミング的思 に,どのような動きの組合せが必要であり, 考について次のように定義している。. 容の確かな理解が深まるものと考えられる。. ⑴ 単元指導計画の枠組みと授業の構想 3.単元指導計画の構成と授業実践. 算数科では,問題解決的な学習が日常的に行わ れる。単元の目標を達成するために, 「プログラ (1)単元指導計画の枠組みと授業の構想 算数科では,問題解決的な学習が日常的に行わ ミングの授業」を意図的・計画的に位置付けた単 れる。単元の目標を達成するために,「プログラ 元指導計画の枠組みを検討した。 ミングの授業」を意図的・計画的に位置付けた単 図1の単元指導計画の枠組みは,算数科の単元 元指導計画の枠組みを検討した。 指導計画に, 「プログラミングの授業」を位置付 図1の単元指導計画の枠組みは,算数科の単元. 一つ一つの動きに対応した記号を,どのよう. けたものである。この枠組みでは,単元の扉とな. に組み合わせたらいいのか,記号の組合せを. る導入場面や知識や技能の習得場面で「プログラ. どのように改善していけば,より意図した活. ミングの授業」を位置付けるのではなく,数学的. 動に近づくのか,といったことを論理的に考. な見方・考え方を養うための補助的役割として,. えていく力(下線は筆者). 単元の中盤に適宜入れ込むことを想定している。. 自分が意図する一連の活動を実現するた. めに,どのような動きの組合せが必要であ り,一つ一つの動きに対応した記号を,ど のように組み合わせたらいいのか,記号の 組合せをどのように改善していけば,より. 一方,数学的な見方・考え方は,次のように再 意図した活動に近づくのか,といったこと. 着目して捉え,論理的,統合的・発展的に考 定義されている(文部科学省,2016b)。 事象を数量や図形及びそれらの関係など えること(下線は筆者) に着目して捉え,論理的,統合的・発展的 杉山(2017)は, 「プログラミング」と「指導 に考えること(下線は筆者) 技術」と「各教科の内容」の三者の良き関係を考 杉山(2017)は,「プログラミング」と「指導 えて授業を構想することが必要であることを指摘 技術」と「各教科の内容」の三者の良き関係を考. している。杉山が指す指導技術とは,算数科でい. る導入場面や知識や技能の習得場面で「プログラ ミングの授業」を位置付けるのではなく,数学的 な見方・考え方を養うための補助的役割として, 単元の中盤に適宜入れ込むことを想定している。. 1. 2. 3. 4. ・・・・・・・・・・. 12. 「問題解決的な学習」の日常化 紋 プログラミン の授業. プログラミン の授業. 13. 【単元の終末】. 事象を数量や図形及びそれらの関係などに 一方,数学的な見方・考え方は,次のように再. けたものである。この枠組みでは,単元の扉とな. 【単元の導入】. 定義されている(文部科学省,2016b) 。 を論理的に考えていく力(下線は筆者). 指導計画に,「プログラミングの授業」を位置付. 14. 図1 単元指導計画の枠組み 図1 単元指導計画の枠組み 文部科学省初等中等教育による算数科の評価の. えて授業を構想することが必要であることを指摘. 観点及びその趣旨についての通知(平成 22 年 5. している。杉山が指す指導技術とは,算数科でい. 月 11 日)では,数学的な見方や考え方は「日常. う問題解決的な学習における指導法そのものと解. 文部科学省初等中等教育による算数科の評価の. 釈できる。つまり,単元指導計画に「プログラミ. 観点及びその趣旨についての通知(平成22年5月. ングの授業」を位置付けることは,児童の算数の. 11日)では,数学的な見方や考え方は「日常の事. 理解に重要な役割を果たす可能性が高いと考えら. ングの授業」を位置付けることは,児童の算数の. 象を数理的にとらえ,見通しをもち筋道立てて考. れる。また,大場他(2015)は,大学生への調査 理解に重要な役割を果たす可能性が高いと考えら. え表現したり, そのことから考えを深めたりする」 通じて論理的思考力が養われることは,算数科に. から論理的な文章作成力とプログラミングスキル れる。また,大場他(2015)は,大学生への調査. と示されている。プログラミング的思考を通じて おける内容の理解を一層深めるための素地とな. には相関があることを明らかにしている。論理的 から論理的な文章作成力とプログラミングスキル. 論理的思考力が養われることは,算数科における り,児童の問題解決に相乗効果をもたらすことか. な文章作成力には, 「相手が正しく理解できる」 「曖 には相関があることを明らかにしている。論理的. 内容の理解を一層深めるための素地となり,児童 ら,図1の枠組みを用いた単元指導計画を作成す. な文章作成力には, 「相手が正しく理解できる」 昧性がない」 「論理の組み立てが適切である」な. ることにした。 の問題解決に相乗効果をもたらすことから,図1. 「曖昧性がない」「論理の組み立てが適切であ どがあり,算数科で求められる論理的思考とほぼ. 本研究では2カ年計画で授業実践を行い,その の枠組みを用いた単元指導計画を作成することに. る」などがあり,算数科で求められる論理的思考 一致する。. 結果を分析・考察した。研究計画の概要は,次の した。. う問題解決的な学習における指導法そのものと解 釈できる。つまり,単元指導計画に「プログラミ. の事象を数理的にとらえ,見通しをもち筋道立て て考え表現したり,そのことから考えを深めたり する」と示されている。プログラミング的思考を. 文科省の定義や杉山,大場他の考察から,プロ. 本研究では2カ年計画で授業実践を行い,その. グラミング的思考と数学的な見方・考え方は,双. 結果を分析・考察した。研究計画の概要は,次の. 方を働かせた数学的活動を通して,相互に関連付. 通りである。. けられ育成されるとともに,それによって学習内. 101.

(5) 谷地元直樹・西條 俊介・三村 仁. 【実践した単元】. できる段階になっている。なお,学習指導案は1. ・第4学年: 「垂直,平行と四角形」. 年次のものを資料として添付する。. 【対象児童】. ⑵ 1年次の授業実践の概要と考察. ・国立大学附属小学校第4学年. ①1年次の授業実践の概要. 1年次・・・授業者:三村 仁(児童35名). 本実践は平成30年度に三村が実施した(10/15. 2年次・・・授業者:西條俊介(児童35名). 時間目)。本時は平行四辺形の作図を学習する授. 「プログラミングの授業」に関わる先行研究や. 業の前時として,単元指導計画に位置付けた。授. 授業実践は,図形領域で行われることが比較的多. 業の概要は次の通りである。. い。本単元には,見いだした性質を基に作図する. 【本時の目標】. 学習活動があり,コンピュータを用いることで,. ・辺の始点や終点の位置に着目することにより,. 意図した作図を行うために必要な手順や直線の組. コンピュータを操作することを通して,平行四. み合わせを論理的に考えることが可能となると想. 辺形や台形の作図の手順を考えることができる。. 定している。具体的な単元指導計画は,表1の通 りである。 本実践で使用したソフトウェアはフリーソフト 「Processing」である。このソフトはオフライン で も 使 用 可 能 で あ る。 本 時 ま で に, 児 童 に は 「point」 「line」のコマンドのみを与えており, 自らがコードを入力することで簡単な図形を作図. 【問題提示】 Processingを使って,平行四辺形ABCDを . かこうと思います。. 頂点Aと頂点Cが次の位置にあるとき,平行 四辺形はかけるでしょうか。 問題文を提示した後,頂点Aと頂点Cの座標を 入れた図を提示した(図2参照)。. 表1 「垂直,平行と四角形」の単元指導計画 時. 学習内容. 1. ○垂直の意味を理解する。. 2. ○平行の意味,性質を理解する。. 3. ○平行の性質を理解する。. 4 5. ○垂直や平行の関係にある直線を作図する。. 6. ○垂直,平行な直線の作図の仕方を基に,長 方形を作図する。. 7. ○台形,平行四辺形の意味を理解する。. 8. ○平行四辺形の意味,性質を理解する。. 9. ○ひし形の意味,性質を理解する。. 10 ○平行四辺形や台形,ひし形を作図する。 本時 11 ※適宜,コンピュータも用いる。 12. ○対角線の意味,四角形の対角線の性質を理 解する。. 13. ○ひし形などの図形の性質について理解する。. 14. ○平行四辺形や台形を敷き詰めた図形につい て考察し,図形についての感覚を豊かにす る。 ※適宜,コンピュータも用いる。. 15. ○単元のまとめをする。. 102. 児童からは「頂点Bと頂点Dの位置が分かれば かけそうだ。」という気付きが生まれ,点Bと頂 点Dの位置の予想を始めた。 数名の児童の予想を聞く中で,「頂点Bと頂点 Dの位置は一つじゃないのでは?」という意見が 出された。そこで,図2のワークシートを配付し, 頂点Bと頂点Dの位置を書き入れながら推測させ た。完成させたい平行四辺形のイメージをもたせ るための段階として,意図的にフリーハンドでか くように指示した。 「pointを使えばかけそうだ。」 「頂点Dはpoint (●, 20)とすればよさそうだ。」と言いながら, 各々がワークシートに完成図を記入し始めたとこ ろで,本時の課題「頂 点Bと頂点Dの位置 を決めて,平行四辺 形をかこう。」を確 認した。 個人思考で活用す るために,児童用コ. 図2 児童に提示した図.

(6) 算数科における「プログラミングの授業」のあり方に関する一考察. ンピュータに図2のデータファイルを送付した。. たので,図4のようにホワイトボードに板書し,. また,平行四辺形をかくにはline(直線を引く). 全員でコードに着目することにした。. も使えそうなこと,配付したデータの枠に入る範 囲であれば平行四辺形の向きや大きさは自由であ ることを確認し,個人思考を設定した。 【個人思考】 多くの児童は,point(頂点となる座標)を使っ て頂点Bと頂点Dの位置を入力し作図を進めた。 また,ワークシート上で明確なイメージをもつこ と が で き た 児 童 は,pointを 用 い る 段 階 を 省 略 し,lineを用いて作図を進めた(図3参照)。キー ボードを打つ速さに個人差があるため,平行四辺 形の作図を完. C1 やっぱり平行四辺形だ。 C2 辺の長さが同じだよ。 T どうして同じ長さと言えるの? C1 辺ADは,頂点Dが右に70,頂点Aは右に 20だから差が50。 T この続き,言えるかな? C3 辺BCの頂点Bは,縦は上から80で頂点C と変わらないけど,横は右に30のところで, 頂点Cは右に80のところ。80から30を引く と,50だから,辺ADと辺BCは長さが同 じだと思う。. 成させるまで. T どうしてこれで平行四辺形だと言えるの?. に至らなかっ. C4 平行四辺形は,2組の向かい合った辺の長. た児童もいた. さはそれぞれ等しいから。. が,直線を引 く前の段階で. 向かい合う辺の数値. ある頂点Bと. の差に着目し,ともに. 頂点Dの位置. 図3 個人で作図する様子. 50であることを見いだ. を決める段階. したことで,平行四辺. までは,ほとんどの児童が進めることができた。. 形の性質に迫ることに. 【集団解決】. つながった。. 集団解決では,ある児童が作図した平行四辺形. 児童のやりとりは,. を全員のモニターに提示した。 「自分の平行四辺. 図5のようにホワイト. 形と似ている。 」「きれいにかけている。」という. ボードに板書した。他. 声があがると同時に, 「どんなコードを入力した. の児童とお互いに長さ. のだろう?」という疑問も生じた。そこで,頂点. の関係を確認すること. Bと頂点Dをどのように決めたのか,そもそも本. で,児童の説明を補助した。. 当に平行四辺形と言えるのかどうかを確かめる場 面を設定した。. T 辺ADと辺BCは辺の長さが同じだと分かっ たけど,もう一組はどうかな?. 「定規で測った. C5 斜めの辺だから,コマンドを見ただけで. ら向かい合った辺. は分からない。. が同じ長さだっ. C6 いや,斜めでもコマンドから同じと言える. た。 」という声に. よ。頂点Aは上から20,頂点Bは上から. 対 し て, 「定規で. 100のところにあるから,100から20を引. 測 ら な く て も,. く と 幅 が80。 横 は50-20だ か ら30。. コードを見れば分. C7 確かに。頂点Dと頂点Cも幅が80で,横. か る よ。 」という 児童の意見があっ. 図5 平行四辺形の確認. 図4 板書したコード. に30というのも同じだ。. 103.

(7) 谷地元直樹・西條 俊介・三村 仁. C5 これなら同じ長さになっている。 T では,自分の図形は平行四辺形と言える? 頂点の位置を確認してみよう。. がいたことは,課題に由来する。 ・完成した図形が平行四辺形であるのかを確認す るためには,「向かい合う辺の長さが等しい。」 という性質を示すしかない限定的な流れに留. 自分の入力したコマンドから値を求めて,平行. まってしまった。教師が一律に決めた図形を再. 四辺形となっていることを確認した。頂点Aと頂. 現するなど,コンピュータのよさを生かしなが. 点Cの位置を基に,残りの頂点Bと頂点Dの位置. ら,「作図の手順」に焦点化する学習展開を考. を決めたこと,それらが決まれば,頂点を結ぶ辺. える必要がある。. がかけることを本時のまとめとした。最後に,. ⑶ 2年次の授業実践の概要と考察. lineは直線の始点と終点(今回の学習で言うとこ. ①2年次の授業実践の概要. ろの頂点)を決めることで入力できる仕組みであ. 本実践は令和元年度に西條が実施した(11/15. ることを振り返り,その作業を辺の数だけ繰り返. 時間目)。本実践は前実践の成果と課題を生かし,. していくことを確認した。. 「作図の手順」に焦点化するために,10時間目か. ②1年次の授業実践の成果とその考察. ら11時間目に位置付けを変更した。さらに「座標. 単元指導計画の枠組みと本実践の児童の様子か. の位置を求める。」「作図の手順を考える。」とい. ら,得られた成果を次の2点に整理した。. う両方を扱うことが. ⅰ)作図をプログラムすることにより,作図の手. 児童にとってハード. 順を試行錯誤しながら思考できたこと。. ルが高いという前実. 命令した結果をコンピュータで迅速かつ正確に. 践での課題を踏ま. 示すことで,正確さを要する作図を簡潔に繰り返. え,問題提示では図. し行うことができた。このことにより,意図した. 6のような平行四辺. 結果となるよう,手順を考えながら作図の仕方を. 形の4つの頂点の座. 考える児童の姿があった。. 標を全て与える問題. ⅱ)コンピュータによる作図をノート上の作図の. に変更した。授業の概要は,次の通りである。. 図6 問題設定の再検討. 前時に位置付けたことにより,ノートでの作. 【本時の目標】. 図の学習とのつながりが生じたこと。. ・細分化された命令をどのような順序で打ち込む. 次時の学習では,平行四辺形や台形を作図する とき,示されている辺の長さや角の大きさを基に 「どこから作図を始めたらよいのか。」「どの辺の. とよいのかを考えることを通して,平行四辺形 の作図及び手順についての理解を深める。 【問題提示】. 長さや角の大きさを調べたら作図できるのか。」. まず教師が作図した平行四辺形(辺ADと辺BC. など,意図した作業に必要な手順を自分で考える. が赤,辺ABと辺DCが青)を提示した(図7参. 姿があった。 これらの作図に共通していたことは,. 照)。図のみを提示すると,児童からは「平行四. 「頂点はどこにあるのか(どこにすべきか)。」で. 辺形だ。」「向かい合う辺で色が違う。」といった. ある。これは, 「プログラミングの授業」により,. 気付きが表出し. 最初の命令を決める必要があることを学んだ成果. た。この図形は平. である。. 行四辺形であるこ. 一方,次の2つの課題が明らかとなった。. とを確認した上. ・頂点の位置を決め,直線も引くという作業は手. で,「Processing. 順が複雑であり,困難に感じていた児童も少な. を使って,同じ平. くなかった。図形を完成させるに至らない児童. 行四辺形をかけそ. 104. 図7 提示した問題(画面).

(8) 算数科における「プログラミングの授業」のあり方に関する一考察. うかな?」と投げ掛けた。すると,児童は「頂点の 位置を知りたい。 」と言い始めた。図形を作図する に当たって,頂点の位置(座標)をどう決めるかが 重要であることは,三角形の作図でも同様であった ことを想起させ,図形の作図とは全ての頂点の位 置を見付けることとほぼ同義であることを確認した。. の順がやりやすい。』って言うけど,やり やすい作図の順というのがあるのかな? C1 あったよ。(数多くの児童が発言) T じゃあ,どんな手順がやりやすいのかを, 改めてみんなで考えようか。. 頂点の座標は,全てを教えることとした。加え. こうしたやりとりをした上で,「どんな手順が. て,使用するlineと新たに必要なコマンドstroke. 作図しやすい?」と板書して集団解決に入った。. (色を変える)も確認した。これらを踏まえた上. コードを順に言わせて,その都度全員に確認を. で,本時の課題「作図の手順を考えよう。」を提. 促し, 「なぜその順なのか。」 「なぜその辺なのか。」. 示した。 「平行四辺形を作図できるかどうか。」で. を話し合い,理解を深めることをねらった。. はなく, 「どのような手順で平行四辺形を作図し. 指 名 し た あ る 児 童 は,「 ①strokeで 線 を 赤 →. たか(しようとしたか)。」が重要であることを児. ②lineで上の横線(辺AD)→③lineで下の横線. 童に伝えた上で個人思考に入った。. (辺BC) 。 」と発表した。stroke以降に入力した. 【個人思考】. 図形に色が付くことは既習であることを確認し,. 頂点の座標と2つのコマンドを使って,児童は 作図を始めた。図. T 辺AD,辺BCという順で作図した人は. 8のように,提示. どのくらいいるのかな?. された図の周りに. C (8割程の児童が挙手). 集まり,指さしな. T どうして,この2つの辺からかいたの?. がら話し合う姿が. C2 その方が分かりやすいと思ったから。. あった。. C3 斜めの辺をかくよりもまっすぐの方がい. 打ち込む速さに 個人差はあるもの. ②と③の手順について, 次のようなやりとりをした。. 図8 作図を確認し合う様子. の,ほとんどの児. いと思った。 T なるほどね。じゃあ,この順でかかなかっ た人はいるかな?. 童が作図を完成させることができた。早く終わっ. C4 辺BC,辺ADの順でかきました。. た児童には,ノートに自分が作図した手順を書く. C2 あっ,逆だ。(複数の児童も発言). ように促した。 コードをそのまま書いてもよいし,. T どうしてこの順にしたの?. 文章で説明できるのであればそのように書いても. C4 だって,ノートにかくときは,この順番. よいと伝えたところ,多くの児童が自分の作図の 手順を文章表記した。 【集団解決】 机間指導の最中に,ある児童に「どうしてその 順に辺をかいたの?」と問うと,「やりやすいか ら。 」という答えが返ってきた。ここで,個人思 考に一区切り付けて,全員をモニター付近に集合 させた。 T 様子を見ていると,同じような順番で作図 している人が多いね。Aさんに聞くと, 『こ. でかいたから。 C5 あぁ,なるほど。 T みんなは,この気持ち分かるかな。 C うん,分かる。 C6 パソコンでは上からだったけど,ノート は下からだった。 T 2通りの考えが出たけど,どちらも辺AD と辺BCからかいたところは同じだね。こ の2つの辺には何か関係があるのかな? C7 平行な辺同士だよ。 C8 向かい合った辺同士は絶対に平行になる。. 105.

(9) 谷地元直樹・西條 俊介・三村 仁. ここまでで,図形の半分の作図について交流が. されたことで,コンピュータ上の作図とノート上. できた。この後は,辺ABと辺DCが対象に変わ. の作図をリンクさせながら進めることができた。. り,手順は反復となる。板書(図9参照)にある. その結果として,既習である作図の意味や手順等. ように,まずstrokeを用いて色を青に設定し,辺. への理解をより一層深めることにつながったとい. AB,辺DCの順. える。. に作図をしたこと. ⅱ)本実践を単元指導計画に位置付けたことで,. を交流し,先程と. 平行四辺形そのものへの理解を深めたこと。. 同様に「平行な辺. Processingを用いた作図を扱った本実践は,. 同 士。 」 を セ ット. ノート上での作図を学習した後に位置付けた。コ. で作図したことを. ンピュータ上で作図することができた児童は,全. 確認した。なお, 斜辺については,. て辺ADと辺BCの組をかくところから始め,次 図9 ボードで確認した手順. に辺AB,辺DCの組という順で作図していた。. 全員が辺AB,辺. これは,実際に三角定規を使ってノートに平行四. DCの順に作図していた。. 辺形を作図した際に,この手順で作図をしたこと. Processingを用いた作図の手順が確認できたと. に依存したと推測できる。. ころで,ノートを用いた作図の手順との比較を促. 全ての頂点の座標が分かっているため,どの辺. した。すると, 「手順がよく似ている。」という児. から作図してもよいのにも関わらず,既習である. 童の気付きが表出した。似ているところとして,. 作図の手順を振り返り,それをコンピュータ上の. 「頂点の位置が分かればかける。」「平行な辺同士. 作図にも適用していた。児童は「平行線の組を1. を1組ずつかく。 」という2点に整理することが. 組ずつ引いて作図する。」という既習事項を改め. できた。集団解決の序盤で,児童の「ノートにか. て想起し,コンピュータ上での作図に活用したの. くときはこの順番でかいたから。 」という考えを. である。このことは,平行四辺形の性質を振り返っ. 共有したことで,他の児童もコンピュータ上の作. ていると考えることもできる。つまり,プログラ. 図とノート上の作図とを比べながら,作図の手順. ミング的思考を通じて,平行四辺形の作図につい. について考えることができ,平行四辺形の作図の. てのみならず,平行四辺形そのもの(平行四辺形. 手順について改めて理解を深めることにつながっ. とはどのような図形であるのか)についての理解. たといえる。. を深めたといえる。. ②2年次の授業実践の成果とその考察 単元指導計画の枠組みと本実践の児童の様子か ら,得られた成果を次の2点に整理した。 ⅰ)頂点の座標及び使用するコマンドを全て与え ることにより,児童の目的意識を,解決過程 に焦点化できたこと。. 4.研究のまとめと今後の課題 ⑴ 算数科「プログラミングの授業」のあり方 算数科における「プログラミングの授業」のあ り方を検討するために,2つの授業実践から数学. 問題提示の際に,頂点の座標及び使用するコマ. 的活動に与える効果や改善点等を分析・考察し. ンドを全て与えることにした。それにより作図が. た。本研究から算数科で単元指導計画に「プログ. できるかどうかという結果ではなく, 「どのよう. ラミングの授業」を位置付けるための要点を2つ. な手順で入力すると,平行四辺形の作図はしやす. 確認することができた。. いのか?」 という解決過程に授業が焦点化できた。. ⅰ)中盤から終盤に意図的・計画的に設置する. 集団解決では,手順について交流する中で,既. プログラミングにおける「順次処理」や「繰り. 習であるノート上での作図を想起する考えが共有. 返し」といった論理的思考は,算数の学習と非常. 106.

(10) 算数科における「プログラミングの授業」のあり方に関する一考察. に親和性が高い。こうした思考を児童が働かせる. を深化させ,プログラミング的思考を育むことは. ためには,単元の序盤ではなく,中盤から終盤に. 十分に可能である。. かけて「プログラミングの授業」を位置付けるこ とが効果的であると考える。. 算数・数学の図形や関数の学習については,教 科書では動的な考え方や場面が推測しにくいこと. 本実践では,1年次の10/15時に,2年次の11. や可視化しにくいことで,他者に意図を伝えにく. /15時に「プログラミングの授業」を実践した。. い等の短所が浮き彫りになることもある。この授. 児童が単元の学習に対して見通しをもち,学習内. 業実践では,他の児童が作成したコードから完成. 容をある程度身に付けたところで「プログラミン. する平行四辺形を推測したり,出来上がった平行. グの授業」を位置付けることにした。意図的・計. 四辺形から入力したコードを推測したりする活動. 画的に単元指導計画を構成することによって,そ. が取り入れられている。プログラミング的思考の. れまでの理解をより確かにするとともに,数学的. よさの1つは,図形等を動的に捉えながら試行錯. な見方・考え方の素地を育成することが可能にな. 誤する活動が重視できることである。Processing. ると考える。. を用いて論理的に考察した経験は,次時にコンパ. ⅱ)学びの深化を育む解決過程を重視する. スと定規で実際に平行四辺形を作図する上で,確. 作図の学習において,「~な図形をかこう。」と. かな知識や技能,そして数学的な見方・考え方の. いった問題提示をすると,その学習では「図形を. 育成において効果的だと考えられる。. かくこと」すなわち「問題解決の結果」が目的と. ⑵ 本研究の成果と課題. なってしまう。そうではなく,「~な図形はかけ. 本研究では,算数科における「プログラミング. るだろうか?」や「~な図形はどうしたらかける. の授業」のあり方として,単元指導計画の構成に. のだろうか?」といった問いによって,図形をか. 着目した。2つの授業実践の授業記録や児童の. く過程に目を向けさせることができる。そうする. ワークシート,学習の感想から,プログラミング. ことにより, 「図形がかけたら終わり。」ではなく,. 的思考を通して,児童が問題を解決する場面での. 「どうやってかいたのか。」「他のかき方はないの. 論理的に考えるきっかけとなることが確認できた。. か。 」といった解決過程への追究が可能になり,. さらに本研究では,小学校の図形指導に着目し,. 学びの深化につながると考える。. 問題解決的な学習とプログラミング的思考の関連. 作図の手順を考える1年次の授業実践でも,作. を考察した。プログラミング的思考を通して,図. 図する手順の理解を深める2年次の授業実践で. 形の構成要素やそれらの相等関係,位置関係を考. も,Processingを用いて,解決過程を重視した授. 察することにより,図形的な見方や考え方が次第. 業づくりをしたことにより,プログラミング的思. に養われていくことは間違いない。単元全体を問. 考の育成に一定の成果を得ることができた。本実. 題解決の過程を通して学んだ児童が,「プログラ. 践で用いたProcessingは,コードという形で解決. ミングの授業」により如何に論理的思考力を身に. 過程を可視化することができる。さらには,図形. 付け,今求められている深い学びへの接続がなさ. 領域との親和性が高く,様々な学習で幅広く活用. れているのかを,今後は他領域や他学年に研究を. することが可能である。例えば,第3学年におけ. 広げながら明らかにする必要がある。. る「円の性質」では,正確な作図ができるという コンピュータの強みと,座標を基にして長さや角 度を捉えるProcessingの強みを生かすことで,学 びの深化を生むことが可能であるだろう。本実践 で扱った第4学年「垂直と平行,四角形」以外の 単元でも,解決過程を重視することによって学び. 【引用・参考文献】 ・大場みち子,伊藤恵,下郡啓夫,薦田憲久(2015) .論 理的な文章作成力とプログラミング力との関係の分析. 情報処理学会.研究報告コンピュータと教育,1-5.. 107.

(11) 谷地元直樹・西條 俊介・三村 仁. ・上出吉則,辰己丈夫,村上祐子(2017).プログラミン グの算数数学教育での効果と検証:生徒の創作した Scratchプログラム教材を授業で活かす.情報処理学会 コンピュータと教育学会,239-246. ・小泉真也,濱田百代,佐藤元彦,澁谷久(2016).プロ グラミング的文脈が数学の理解に及ぼす影響.日本数 学教育学会.第49回秋期研究大会発表集録,123-126. ・杉野裕子(2014).プログラミング活用環境下の授業に おける活動が,図形概念の認識過程に与える影響: LOGOコンテンツ開発と授業実践を通して.日本数学 教 育 学 会 誌. 数 学 教 育 学 論 究, 第96巻( 臨 時 増 刊), 89-96. ・杉野裕子(2013).図形概念のイメージを育て,言語的 表現とつなげるプログラミング活用コンテンツの開発. 日本数学教育学会.第46回秋期研究大会発表集録, 383-386. ・杉山一郎(2017).算数科×プログラミングの可能性を 探る.日本デジタル教科書学会発表予稿集,Vol.6, 35-36. ・中村好則(2016).算数科におけるプログラミング的思 考 と 数 学 的 な 見 方・ 考 え 方 の 育 成 に 関 す る 考 察: Sphero SPRK Editionを活用した「速さ」の指導事例を 通して.日本科学教育学会.研究会報告,第31巻3号, 9-12. ・古市文章(2019).小学校におけるプログラミング的思 考の導入にかかるジレンマ:小学校におけるプログラ ミング教育の現状と課題.佛教大学教育学部学会紀要 ⒅,43-54. ・文部科学省(2016a).小学校段階におけるプログラミ ング教育の在り方について(議論の取りまとめ). ・文部科学省(2016b).算数・数学ワーキンググループ における審議の取りまとめについて. ・文部科学省(2017).小学校学習指導要領解説算数編. 日本文教出版. ・文部科学省(2018).小学校プログラミング教育の手引 (第二版). ・文部科学省初等中等教育局(2010).小学校,中学校, 高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習 評価及び指導要録の改善等について(通知). ・文部科学省,総務省,経済産業省.小学校を中心とし たプログラミング教育ポータル.未来の学びのコンソー シアム https://miraino-manabi.jp/.. . (谷地元直樹 旭川校准教授) . . (西條 俊介 附属旭川小学校教諭). . (三村 仁 附属旭川小学校教諭). 108.

(12) 算数科における「プログラミングの授業」のあり方に関する一考察. 付録1 <第4学年 算数科学習指導案(1年次)> 1 単 元 名:「垂直,平行と四角形」 2 本時の目標:辺の始点や終点の位置に着目することにより,コンピュータを操作することを通して,平 行四辺形や台形の作図の手順を考えることができる。 3 本時の展開 3 本時の展開 段階. 教師の働き掛け. 学習活動. ○問題を提示する。 「Processing」を使って,平行四辺形ABC Dをかこうと思います。 頂点Aと頂点Cが次の位置にあるとき,平 行四辺形はかけるでしょうか。 問題把握. ○頂 点 Bと頂 点 Dの 位 置 を予 想 させ る。 ・何名かの予想を取り上げ,ホワイトボ ードで確認する。 ・その後,ワークシートを配付する。. 〔予想される児童の反応〕 ・頂点Bと頂点Dが分かればばかけそ う。 ・頂点Dの位置は「(●,20)」にすれば よさそう。. ○課題を設定する。 頂点Bと頂点Dの位置を決めて,平行四辺形をかこう。 ○使用するコマンドを確認する。 ・直線を引くコマンド「line」を使用する ことと,枠に入る範囲であれば,どの ような平行四辺形をかいてもよいこ とを確認する。. ・前時で使用した point を入力する。 ・lineを新たに入力して,線の引き方 を知る。. 留意点 ・「Processing」を起動さ せて,基本の設定を 済ませておく。 ・頂点Aと頂点Cの座標 は隠しておく。 ・直観的に予想させ,ホ ワイトボードに点を取ら せる。. ・ ワーク シ ー トに は, 頂 点Bと頂点Dの位置を 予想させ,作図したい 平行四辺形をフリーハ ンドでかかせる。 ・事前に用意したデー タファイルを開くように 指示する。. ○個人思考 ・頂点Bと頂点Dを見付 〔予想される児童の考え〕 けるために,コマンド ① 頂 点 A の 位 置 「 (20,20) 」 を 基 に 「point」を使用してもよ いことを伝える。 ○ワークシートの図を参考にしながら, 100をたして「(120,20)」にしよう。 コードを入力するよう促す。 ② 頂 点 C の 位 置 「 (100,80) 」 を 基 に 【評価】平行四辺形の 100をひいて「(0,20)」にしよう。 性質を基に頂点を見 ○どのように図形をかき上げたのかを ③ 頂 点 Bは頂 点 Aから横 に20,縦 に つけ,平行四辺形の ワークシートにメモするよう指示す 70進む位置にする。 かき方を考えてい る。 ④ 頂 点 Dは頂 点 Cから横 に20,縦 に る。 70戻る位置にする。 (考観察, 「Processing」で作図した図形は,本当に平行四辺形といえるのかな? ノート,PC画面) ○集団解決 ○先に図形を見せてから,入力した ・平行四辺形といえるかどうかを,平 コードに着目させる。 行 四 辺 形 の性 質 を想 起 しながら確 ・作図を取り上げる児童 かめる。 は1~2名とする。 ○「思うようにかけなかった」場合は,ど ・①〜④は,平行四辺形の性質を基 のように進めればよかったのか,手 に作図していることをおさえる。 ・大型液晶画面に投影 順に着目させる。 ・頂点の位置を決めることと,辺を引く する。 ことの手順について整理する。 ○配付したデータの続きを入力してい くよう促す。. 個人思考・ 集団解決 学 びの活 用 ・振 り返 り. 作図するためには必要な作業を考え,順番を整理することが大切である. ・ファイル名 を変 えて, データの保存をする。. ○本時の問題で使用したデータを使. ・事前に用意したデー. い,台形をかくことを練習問題とし て設定する。 ○平行四辺形の作図の手順と比較さ せ,その違いに気付かせる。. 〔予想される児童の反応〕 ・向かい合った辺の1組の長さを,ち がう長さにすれば台形になる。 ○台形の定義に基づいて,台形かど うかを確かめる。. タファイルを開 くように 指示する。 ・ファイル名 を変 えて, データの保存をする。. 109.

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参照

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