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Microsoft Word - 新防衛大綱:0610(PDF版).doc

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(1)

新 た な 防 衛 大 綱

(「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」)

(2)

目 次

22大綱策定までの経緯 ・・・・・・・・・・・・・・ 1

22大綱策定の背景となった安全保障環境 ・・・・・・ 4

22大綱が示す防衛力の在り方 -動的防衛力- ・・・ 9

22大綱の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

平成22年度の防衛力整備等について ・・・・・・・・・・ 31

(平成21年12月17日 安全保障会議決定・閣議決定)

平成23年度以降に係る防衛計画の大綱について ・・・・・ 33

(平成22年12月17日 安全保障会議決定・閣議決定)

内閣官房長官談話 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43

(平成22年12月17日)

防衛大臣談話 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46

「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」及び 「中期防衛力整備計画(平成23年度~平成27年度)」の決定について (平成22年12月17日)

(参考)防衛計画の大綱に示す防衛力構想の変遷 ・・・・・ 50

(3)

22大綱策定までの経緯

1 これまでの防衛計画の大綱 「防衛計画の大綱」(防衛大綱)は、我が国の安全保障の基本方針、防衛力の意義 や役割、さらに、これらに基づく自衛隊の具体的な体制、主要装備の整備目標の水準 といった今後の防衛力の在り方等について基本指針を示すものです。 防衛大綱は「昭和52年度以降に係る防衛計画の大綱」(昭和51年に策定された ので、以下「51大綱」と呼びます。)、「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱」(0 7大綱)、「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱」(16大綱)、とこれまで3度策 定されました。 今回策定した「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」(22大綱)は4つ目の 防衛大綱となります。 2 16大綱の見直しの方針の決定(平成21年12月) 16大綱には、策定から5年後には、その時点における安全保障環境、技術水準の 動向等を勘案し検討を行い、必要な修正を行うことと明記されていることから、その 見直しは、当初、平成21年中に行われる予定でした。 しかしながら、平成21年夏に実施された総選挙の結果、政権交代があり、16大 綱の見直しという国家の安全保障にかかわる重要な課題については、新しい政府とし て十分な検討を行うことになりました。このため、平成21年12月17日の閣議決 定「平成22年度の防衛力整備等について」によって、16大綱の見直しは、(平成 21年中ではなく)平成22年中に結論を得ることとしました。 また、この閣議決定においては、次の中期防衛力整備計画は16大綱の見直しの議 論を踏まえて策定することとしましたが、これにより、中期防衛力整備計画がない中 で平成22年度防衛予算を編成することとなりました。この点に対応するため、政府 はこの閣議決定において、平成22年度の防衛予算と16大綱との関係、中期防衛力 整備計画がない中で適切に防衛力の整備を行うための方針を示しました。この方針 (平成22年度の防衛予算の編成の準拠となる方針:31、32頁参照)は、平成2 昭和32 年 「国防の基本方針」(32.5.20) 33 33 35 35 37 41 42 46 47 51 -「防衛計画の大綱」策定(51.10.29)- 55 55 59 58 62 61 2 3 7 -「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱」策定(7.11.28)- 8 12 13 16 -「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱」策定(16.12.10)- 17 21 10 15 20 13中期防(政府5か年計画)(12.12.15) 17中期防(政府5か年計画)(16.12.10) 40 45 50 60 平成 元年 5 61中期防(政府5か年計画)(60.9.18)(GNP比1.02%) 03中期防(政府5か年計画)(2.12.20) 08中期防(政府5か年計画)(7.12.15) 一次防(政府3か年計画)(32.6.14) 二次防(政府5か年計画)(36.7.18) 三次防(政府5か年計画)(41.11.29) 四次防(政府5か年計画)(47.2.8) 53中業(防衛庁内部資料) 56中業(防衛庁内部資料) 08中期防(政府5か年計画)見直し(9.12.19) 03中期防(政府5か年計画)修正(4.12.18) 「弾道ミサイル防衛システムの整備等について」(15.12.19) 「当面の防衛力整備について(GNP1%枠)」(51.11.5) 「今後の防衛力整備について」(62.1.24) 「平成3年度以降の防衛計画の基本的考え方について」(2.12.19) 17中期防(政府5か年計画)見直し(20.12.20) 「平成22年度の防衛力整備等について」(21.12.17) 22 -「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」策定(22.12.17)- 23中期防(政府5か年計画)(22.12.17) 23 27 これまでの防衛力整備計画の推移 これまでの防衛力整備計画の推移

(4)

2年度の防衛力整備について、16大綱の考え方に基づき行うこととした上で、我が 国を取り巻く安全保障環境を踏まえ、①各種事態の抑止及び即応・実効的対応能力の 確保、②地域の安全保障環境の一層の安定化、③グローバルな安全保障環境の改善に 向けた取組の推進、④効率化・合理化に向けた取組といった四つの重点事項を示しま した。これらの重点事項は、22大綱が打ち出した防衛力の在り方(Ⅲ及びⅣで紹介) への連続性を有していたと言えるでしょう。 3 「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」(平成22年2月~8月) 平成22年2月16日、政府として行う16大綱の見直しの検討に資するため、関 係する分野の有識者を委員等とする「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談 会」((座長:佐藤茂雄 京阪電鉄代表取締役CEO)以下「懇談会」と呼びます。) の開催が決定されました。 懇談会は、同月18日の第1回会合以降、同年5月までに8回開催され、防衛省を 含む関係省庁からのヒアリングも行いつつ、委員間で精力的な議論が行われました。 その後、論点整理等の作業を経て、同年8月27日に開催された会合において、報告 書が佐藤座長から菅内閣総理大臣に提出されました。 この報告書では、まず、日本がこれからとるべき安全保障戦略として、日本の安全 と繁栄、日本周辺地域と世界の安定と繁栄、自由で開かれた国際システムの維持とい う3つの安全保障上の目標を示し、そのための戦略及び手段として、日本自身の取組、 同盟国との協力、多層的な安全保障協力を提示するとともに、「平和創造国家」との 日本のアイデンティティーを提唱しています。 また、防衛力の在り方については、従来の装備や部隊の量・規模に着目した「静的 抑止」に対し、平素から警戒監視や領空侵犯対処を含む適時・適切な運用を行い、高 い部隊運用能力を明示することによる「動的抑止」の重要性が高まっていると指摘し ています。その上で、従来の「基盤的防衛力構想」から脱却し、16大綱が示した「多 機能・弾力的・実効性を有する防衛力」を引き続き目指しつつ、多様な事態への対処 能力に裏打ちされた、信頼性の高い、動的抑止力を構築すべきことや、陸上・海上・ 航空それぞれの防衛力について、必要とされる能力を高める一方で、優先度の低い装 備等を見直す「選択と集中」を進めるべきことなどを述べています。 新たな時 代 の安全保 障 と防衛力 に 関する懇 談 会 【委員】 佐 藤 茂 雄(座長) 京阪電気鉄道株式会社 代表取締役CEO 取締役会議長 岩 間 陽 子 政策研究大学院大学 教授 白 石 隆(座長代理)独立行政法人日本貿易振興機構 アジア経済研究所 所長 添 谷 芳 秀 慶應義塾大学法学部 教授 中 西 寛 京都大学大学院法学研究科 教授 広 瀬 崇 子 専修大学法学部 教授 松 田 康 博 東京大学東洋文化研究所 准教授 山 本 正 財団法人日本国際交流センター 理事長 【専門委員】 伊 藤 康 成 三井住友海上火災保険株式会社 顧問 (元防衛事務次官) 加 藤 良 三 日本プロフェッショナル野球組織 コミッショナー (前駐米大使) 齋 藤 隆 株式会社日立製作所 特別顧問 (前防衛省統合幕僚長) 【委員】 佐 藤 茂 雄(座長) 京阪電気鉄道株式会社 代表取締役CEO 取締役会議長 岩 間 陽 子 政策研究大学院大学 教授 白 石 隆(座長代理)独立行政法人日本貿易振興機構 アジア経済研究所 所長 添 谷 芳 秀 慶應義塾大学法学部 教授 中 西 寛 京都大学大学院法学研究科 教授 広 瀬 崇 子 専修大学法学部 教授 松 田 康 博 東京大学東洋文化研究所 准教授 山 本 正 財団法人日本国際交流センター 理事長 【専門委員】 伊 藤 康 成 三井住友海上火災保険株式会社 顧問 (元防衛事務次官) 加 藤 良 三 日本プロフェッショナル野球組織 コミッショナー (前駐米大使) 齋 藤 隆 株式会社日立製作所 特別顧問 (前防衛省統合幕僚長) これまでの議論の論点についての全般的な整理 22.5.28 8 国際社会の課題と日本の対応 22.3.9 3 周辺諸国の軍事動向 22.2.24 2 これまでの防衛計画の大綱の考え方 22.2.18 1 「自衛隊の将来体制」及び「財政事情」 22.4.27 6 防衛力を支える基盤(①防衛生産・技術基盤、②人的基盤) 22.4.8 5 米国の安全保障戦略と日米同盟 22.3.17 4 報告書の取りまとめ及び総理への提出 22.8.27 9 情報と情報保全(サイバー攻撃対処を含む) 22.5.12 7 議題 開催日 回次 これまでの議論の論点についての全般的な整理 22.5.28 8 国際社会の課題と日本の対応 22.3.9 3 周辺諸国の軍事動向 22.2.24 2 これまでの防衛計画の大綱の考え方 22.2.18 1 「自衛隊の将来体制」及び「財政事情」 22.4.27 6 防衛力を支える基盤(①防衛生産・技術基盤、②人的基盤) 22.4.8 5 米国の安全保障戦略と日米同盟 22.3.17 4 報告書の取りまとめ及び総理への提出 22.8.27 9 情報と情報保全(サイバー攻撃対処を含む) 22.5.12 7 議題 開催日 回次

(5)

4 政府における検討(平成22年2月~12月) 懇談会の第1回会合が開催された平成22年2月18日、防衛省では、防衛大臣を 議長とする防衛会議が開催され、今後の防衛力の在り方等について専門的な検討を行 っていくこととしました。この会議以降、大臣、副大臣、政務官のリーダーシップの 下、省を挙げての総合的な検討が進められました。その中では、安全保障環境認識、 防衛力の役割及び自衛隊の体制といった中核的なテーマのほか、定員と実員の乖離や 年齢・階級構成の在り方といった「人」をめぐる問題、装備品等の取得の一層の効率 化、防衛生産・技術基盤の在り方等、防衛省・自衛隊が直面する多様な課題にも力点 が置かれました。こうした防衛省における検討の成果は、平成23年度防衛予算の概 算要求の基礎となるとともに、安全保障会議を中心とする政府全体としての検討に活 かされました。 政府全体としての検討は、平成22年9月から12月までの間に9回開催された安 全保障会議(注)を中心に、懇談会の報告書も検討材料の一つとしつつ、精力的に行 われました。特に、論点整理や意見集約のため、外務大臣、財務大臣、防衛大臣、官 房長官等の関係閣僚が頻繁に協議を行ったことは、22大綱の検討プロセスの一つの 特徴であったと言えるでしょう。 このような検討を経て、平成22年12月17日に開催された安全保障会議と閣議 において22大綱が決定されました。 (注)07大綱策定時には安全保障会議を10回開催。 16大綱策定時には安全保障会議を5回開催。 大綱見直しに係る政府における検討のプロセス(平成22年) 大綱見直しに係る政府における検討のプロセス(平成22年) 4月 3月 2月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 懇談会提言(8/27) ★ 安保会議(防衛計画の大綱の見直し等に関する検討の進め方)(9/14) ● ★懇談会第1回(2/18) (参考)「平成22年度の防衛力整備等について」 ⇒ 平成21年12月17日安保会議・閣議決定 安保会議(新たな安全保障環境等)(10/1) ● 安保会議(我が国の安全保障の基本方針)(10/19) ● 安保会議(防衛力の役割等)(11/5) ● 安保会議(防衛生産・技術基盤等)(11/16) ● 安保会議(論点整理)(11/30) ● 安保会議(防衛計画の大綱①)(12/10) ● 安保会議(防衛計画の大綱②、中期防衛力整備計画)(12/14) ● 安保会議・閣議(防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画決定)(12/17) ● 関係閣僚による協議

(6)

22大綱策定の背景となった安全保障環境

今日の安全保障環境下では、我が国の存立を脅かすような外部からの侵略が起こる可 能性は低いものの、16大綱策定以降、我が国を取り巻く安全保障課題や不安定要因は、 多様で複雑かつ重層的なものとなっています。また、地域とグローバルな安全保障課題 に対し、同盟国、友好国その他の関係各国と協力して積極的に取り組むことが重要にな っています。 以下、22大綱策定にあたって考慮した事項につき説明します。 1 グローバルな安全保障環境(安全保障課題に一国で対応することがますます困難に) 今日の国際社会では、国家間の相互依存関係の進展により、一国で生じた混乱や安 全保障上の問題の影響が直ちに世界に波及するリスクが高まっています。また、民 族・宗教対立等による地域紛争に加え、領土や主権、経済権益等をめぐる対立や争い が平時・有事とも言い難い緊張下に置かれることが多くなっています(いわゆる「グ レーゾーンの紛争」の増加)。このような中、中国、インド、ロシア等の国力の増大 や米国の影響力の相対的変化により、グローバルなパワーバランスに変化が生じてい ますが、米国は引き続き世界の平和と安定に最も大きな役割を果たしています。 国際社会では、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散、国際テロ組織、海賊行為等へ の対応といった16大綱策定時から引き続く課題に加え、地域紛争、統治機構が弱体 化又は破綻した国家の存在もグローバルな安全保障環境に影響を与え得る課題とな っています。さらに、海洋、宇宙、サイバー空間の安定的利用に対するリスクが新た な課題となってきており、長期的には、気候変動の問題が安全保障環境にもたらす影響 にも留意する必要があります。 このようなグローバルな安全保障課題は、一国で対応することは極めて困難であり、 利益を共有する国々が平素から協力することが重要となっています。 こうした中、国際社会における軍事力の役割は一層多様化しています。武力紛争の 抑止・対処、国家間の信頼醸成・友好関係の増進のほか、紛争の予防から復興支援等 の平和構築、さらには非伝統的安全保障分野において、非軍事部門とも連携・協力し つつ、軍事力が重要な役割を果たす機会が増加しています。 2 アジア太平洋地域 (1)国家間の協力関係が充実・強化 この地域では、相互依存関係が拡大・深化する中、安全保障課題の解決のため、 国家間の協力関係の充実・強化が図られています。特に人道支援・災害救援、海賊 対処等の非伝統的安全保障分野を中心に、問題解決に向けた具体的な協力が進展し つつあります。 ○グローバルなパワーバラ ンスの変化 ○「グレーゾーンの紛争」 ○地域における協力関係充 実・強化 ○複雑さを増す我が国周辺 の軍事情勢 ○国際テロや弾道ミサイル 等の新たな脅威 ○世界の平和が日本の平和 に直結する状況 ○抑止重視から対処重視に 転換する必要性 ○東西冷戦の終結 ○不透明・不確実な要素が ある国際情勢 ○国際貢献等への国民の期 待の高まり ○東西冷戦は継続するが緊 張緩和の国際情勢 ○我が国周辺は米中ソの均 衡が成立 ○国民に対し防衛力の目標 を示す必要性 背景 22大綱(2010年) 16大綱(2004年) 07大綱(1994年) 51大綱(1976年) ○グローバルなパワーバラ ンスの変化 ○「グレーゾーンの紛争」 ○地域における協力関係充 実・強化 ○複雑さを増す我が国周辺 の軍事情勢 ○国際テロや弾道ミサイル 等の新たな脅威 ○世界の平和が日本の平和 に直結する状況 ○抑止重視から対処重視に 転換する必要性 ○東西冷戦の終結 ○不透明・不確実な要素が ある国際情勢 ○国際貢献等への国民の期 待の高まり ○東西冷戦は継続するが緊 張緩和の国際情勢 ○我が国周辺は米中ソの均 衡が成立 ○国民に対し防衛力の目標 を示す必要性 背景 22大綱(2010年) 16大綱(2004年) 07大綱(1994年) 51大綱(1976年)

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(2)複雑化する我が国周辺地域の情勢 我が国周辺地域には、依然として核戦力を含む大規模な軍事力が集中しており、 多数の国が軍事力を近代化し、各種の活動を活発化させています。 また、領土や海洋をめぐる問題や、朝鮮半島や台湾海峡等をめぐる問題が存在す るなど不透明・不確実な要素が残されています。 西沙問題 竹島問題 沖ノ鳥島 尖閣諸島 我が国のシーレーン グアム島 南沙問題 J-10 キロ級潜水艦 DF-31大陸間弾道ミサイル 露Tu-95が伊豆諸島沖を領空 侵犯(08年2月) 「第 二 列 島 線 」 「第 一 列 島 線 」 ソブレメンヌイ級駆逐艦等4隻が 中国海軍戦闘艦艇として初めて 津軽海峡を通過し、我が国を周回 (08年10月) 沖縄近海と伝えられる国際水域で、 中国ソン級潜水艦が米空母キティ ホーク近傍に浮上(06年10月) キロ級潜水艦、ソブレメンヌイ級駆逐 艦等中国艦艇10隻が沖縄本島と宮古 島の間を抜けて太平洋に進出。海自 護衛艦に対して中国艦載ヘリが近接 飛行(10年4月) 韓国海軍哨戒艦 「天安」沈没事件 (10年3月) 極東ロシア軍による活動の活発化 中国海軍による遠方海域 での作戦遂行能力の向上 朝鮮労働党代表者会で、金正恩氏が 党の役職に公式に就任(10年9月) 中台軍事バランスの 変化(中国側に有利に) 朝鮮半島の緊張の高まり 中国国防費の増大 2,100億元 (04年) →5,191億元 (10年) 中国の軍事力 の更なる近代化 北朝鮮の後継体制構築の動き 大規模演習「ボストーク2010」 を実施(10年6月~7月) 北方領土問題 メドヴェージェフ露大統領、 国後島訪問 (10年11月) 複数の中国H-6爆撃機が、 日中中間線付近まで進出 (07年9月) 樫(天外天)ガス田付近を中国 ソブレメンヌイ級駆逐艦が航行 (05年9月) 中国公船2隻が尖閣諸島周辺 の我が国領海に侵入 (08年12月) 尖閣諸島周辺の我が国領海内 で、中国漁船が海保巡視船に 衝突(10年9月) 中国による我が国近海な どにおける活動の活発化 北朝鮮による韓国 延坪島砲撃事件 (10年11月) 我が国周辺の安全保障事象(2004年~2010年) 我が国周辺の安全保障事象(2004年~2010年) 我が国上空を超えるミサイルの発射(09年4月) 核実験実施の発表(06年10月、09年5月) 北朝鮮による核実験、弾道ミサイル能力の増強 中国による海洋調査(台湾 問題への対処以外の任務の ための能力の獲得) 日本 中国 韓国 インド 豪州 ロシア 米国 ニュージーランド ADMM (ASEAN国防相会議) ( ブルネイ インドネシア マレーシア タイ フィリピン シンガポール ベトナム ラオス カンボジアミャンマー 日本 韓 国 中国 EU ペルー メキシコ チリ 香港 台湾 太平洋諸島フォーラム(◆) ASEAN事務局(◆) カナダ 豪州 ニュージーランド インド ASEAN+3 EAS(東アジア首脳会議) ASEAN・PMC(ASEAN拡大外相会議) (◆)は、オブザーバー参加 ASEAN 日中韓協力 ARF(ASEAN地域フォーラム) カナダ EU モンゴル 北朝鮮 パキスタン 東ティモール バングラデシュ スリランカパプア・ニューギニア ブルネイ インドネシア マレーシア タイ ラオス カンボジア ミャンマー フィリピン シンガポール ベトナム 貿易・投資、金融、保健、環境、エネルギー等の 様々な分野における地域協力の進展 安全保障分野における域内枠組 ADMMプラス (拡大ASEAN国防相会議) (米国) (ロシア) ADMMプラスの下に以下の5分野を中心 として、安全保障上の課題を議論するため、 各分野毎に専門家会合(EWG)を設置 ①人道支援・災害救援 (中国・ベトナム) ②海上安全保障 (豪州・マレーシア) ③防衛医学 (日本・シンガポール) ④テロリズムへの対応 (米国・インドネシア) ⑤平和維持活動 (ニュージーランド・フィリピン) ※( )内は共同議長国 ※( )内は2011年から正式に参加する国 地域協力枠組の現状 地域協力枠組の現状 APEC(アジア太平洋経済協力) 注:中国軍関係者は、海軍の作戦海域上の概念として「列島線」を想定していると指摘されている。 (「列島線」の位置は、米国防省「中華人民共和国の軍事・安全保障の進展に関する年次報告2010年版」中の図表等を参考)

(8)

① 北朝鮮 北朝鮮は、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発、配備、拡散等を継続するとと もに、大規模な特殊部隊を保持しているほか、朝鮮半島において軍事的な挑発行 動を繰り返しています。このような軍事的な動きは、我が国を含む地域の安全保 障における喫緊かつ重大な不安定要因であるとともに、国際的な拡散防止の努力 に対する深刻な課題となっています。 ② 中国 中国は、世界と地域のために重要な役割を果たしつつある一方で、国防費を継 続的に増加し、核・ミサイル戦力や海・空軍を中心とした軍事力の広範かつ急速 な近代化を進め、戦力を遠方に投射する能力の強化に取り組んでいるほか、周辺 海域において活動を拡大・活発化させています。このような動向は、中国の軍事 や安全保障に関する透明性の不足とあいまって、地域・国際社会の懸念事項とな っています。 ③ ロシア ロシアは、極東地域における軍事力の規模を冷戦終結以降大幅に縮減している ものの、軍事活動は引き続き活発化の傾向にあります。 (3)米国の姿勢 このような中、米国は、日本、韓国、オーストラリア等の同盟国及びパートナー 国との協力を一層重視して、二国間・多国間の枠組みを活用した安全保障関係の強 化を図るなど、この地域への関与を強めています。このような取組は、アジア太平 洋地域の平和と安定に重要な役割を果たすとともに、米国がグローバルな安全保障 課題に取り組むための基盤ともなっています。 テポドン キテリョン 約540km 0km 平壌 テポドン2 テポドン2 ノドン ノドン スカッド スカッド テポドン1テポドン1 93 年 98 年 06 年 09 年 06年7月5日にテポドン 地区から発射された 93年5月下旬の 日本海に向けた 発射で使用され た可能性が高い 09年7月4日にキテリョン地区から 計7発の弾道ミサイルが発射され たと考えられ、それぞれスカッドま たはノドンであった可能性がある 06年7月5日にキテリョン地区から 発射された計6発の弾道ミサイル は、スカッドおよびノドンであった と考えられる 09年4月5日にテポドン 地区からテポドン2また は派生型を利用したも のとみられる発射が行 われた 98年8月31日にテ ポドン地区から発射 された弾道ミサイル の基礎となったと考 えられる テポドン2 テポドン2 ノドン ノドン スカッド スカッド テポドン1テポドン1 93 年 98 年 06 年 09 年 06年7月5日にテポドン 地区から発射された 93年5月下旬の 日本海に向けた 発射で使用され た可能性が高い 09年7月4日にキテリョン地区から 計7発の弾道ミサイルが発射され たと考えられ、それぞれスカッドま たはノドンであった可能性がある 06年7月5日にキテリョン地区から 発射された計6発の弾道ミサイル は、スカッドおよびノドンであった と考えられる 09年4月5日にテポドン 地区からテポドン2また は派生型を利用したも のとみられる発射が行 われた 98年8月31日にテ ポドン地区から発射 された弾道ミサイル の基礎となったと考 えられる は物体の落下推定地点、各距離はテポドン地区からの距離を示す 危険区域 危険区域1 3,000km以上 09年4月の発射 98年8月の発射 2段目以降の部分 1段目の推進装置 とみられる物体 残余の物体 先端部の外郭覆い の可能性 1段目の推進装置 と考えられる物体 約1,100km ミサイル発射状況(イメージ) 約180km 約1,600km 核実験実施発表 プンゲ 50km 震源とされる位置の状況(09年と06年の比較) USGS(米地質調査所)(2009年) 0954 M4.7 深度0㎞ 気象庁(2009年) 0955 M5.3 深度0km 気象庁(2006年) 1035 M4.9 深度不明 USGS(米地質調査所)(2006年) 1035 M4.3 深度0km CTBT機関準備委員会(2009年) 0954 M4.52 深度0.1㎞ (06年(M4.1)とほぼ同位置) +0.4 +0.4 +0.4 12900N 12930N 13000N テポドン 50km 50km 震源とされる位置の状況(09年と06年の比較) USGS(米地質調査所)(2009年) 0954 M4.7 深度0㎞ 気象庁(2009年) 0955 M5.3 深度0km 気象庁(2006年) 1035 M4.9 深度不明 USGS(米地質調査所)(2006年) 1035 M4.3 深度0km CTBT機関準備委員会(2009年) 0954 M4.52 深度0.1㎞ (06年(M4.1)とほぼ同位置) +0.4 +0.4 +0.4 12900N 12930N 13000N テポドン 北朝鮮による核実験実施発表とミサイル発射状況 北朝鮮による核実験実施発表とミサイル発射状況

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ソブレメンヌイ級DDG 排水量: 7,940t(満載) 初就役: 1999年 キロ級SS ジン級SSBN ルージョウ級DDG 排水量: 7,000t (満載) 初就役: 2006年 排水量: 2,325t(水上)、3,076t(潜没) 初就役: 1995年 排水量: 8,000t 初就役: 2007年

(Jane’s Fighting Ships 2010(電子版)、ミリタリーバランス各年版) ※ ルフ・ルーハイ・ソブレメンヌイ・ルーヤン・ルージョウの各級駆逐艦及びジャンウェイ・ジャンカイの 各級フリゲートの総隻数 30 20 10 (隻数) 0 91 93 95 97 99 01 03 05 07 10 新型駆逐艦・ フリゲート艦隻数 ※ ジン・シャン・ソン・ユアン・キロの各級潜水艦の総隻数 20 10 (隻数) 91 93 95 97 99 01 03 05 07 10 33 0 30 新型潜水艦隻数 35 中国の海軍力の近代化 中国の空軍力の近代化 2010年 J-10: 120機 Su-30:97機 Su-27:166機 計 383機 92年、Su-27調達開始 01年、Su-30 調達開始 0 383 (ミリタリーバランス各年版) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 91年 93年 95年 97年 99年 01年03年 05年 10年 第4世代戦闘機機数 J-10戦闘機 中国の公表国防費 国防費対前年 度伸び率 % 国防費対前年度伸び率 億元 公表国防費額 億元 公表国防費額 88 年 90年 95年 00年 05年 09年 22年で24倍以上 約215億元 約5,191億元 10 年 21年連続で2桁の伸び ※ 日本 の 防衛 関 係費 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 0 5 10 15 20 25 公表国防費額 緊急発進の対象となったロシア機の経路 (平成21年度) 緊急発進の対象となったロシア機の経路 (平成21年度) 対馬 海峡 津軽海峡 宗谷海峡 我が国周辺におけるロシア軍の動向 我が国周辺におけるロシア軍の動向 地上兵力 兵員数(万) 約39万人 約9万人 0 20 40 60 1976 1989 1990 1995 2005 20100 20 40 60 航空兵力 作戦機数 約2,430機 約570機 0 1000 2000 3000 1976 1989 1990 1995 2005 2010 海上兵力 左:主要水上艦艇 右:潜水艦 約20隻 約20隻 0 50 100 150 1976 1989 1990 1995 2005 2010 約100隻 約140隻 国際3海峡を通峡したロシア戦闘艦艇数の推移 (延べ隻数) ※2010年は9月末現在 0 5 10 15 20 2010 宗谷海峡 津軽海峡 対馬海峡 宗谷海峡 津軽海峡 対馬海峡 2009 2008 2007 2006 極東における ロシア軍の軍事力 ロシア機に対する空自戦闘機の 緊急発進回数の推移 (回数) 0 50 100 150 200 250 300 2001 02 03 04 05 06 07 08 09 10

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3 我が国の特性 我が国は、広大な海域を有し、外国からの食糧・資源や海外の市場に多くを依存す る貿易立国であり、我が国の繁栄には海洋の安全確保や国際秩序の安定等が不可欠で す。 また、我が国は、四方を海で囲まれ長大な海岸線と多くの島嶼を有するという地理 的要素を持つ一方、災害が発生しやすいことに加え、都市部に産業・人口・情報基盤が 集中する上、沿岸部に重要施設を多数抱えるといった安全保障上の脆弱性を持ってい ます。 ●

IMB(International Maritime Bureau) より、2009年データ ●は海賊襲撃事例の起こった場所 △は海賊襲撃未遂事例の起こった場所 ● 海上輸送路 (シーレーン) 海上輸送路(シーレーン ) マラッカ・シンガポール海峡 ロンボク海峡 ホルムズ海峡 バシー海峡 マカッサル海峡 アデン湾 は2009年に日本関係船舶が襲撃を受けた場所(5件) ● ● ● ● ● △ ● ● ● ● △ △ △ ● △ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●●●●●●● △ ●●● ● ● ● ● ●●● ●●●● △ △△ △ △ ● ●● ● ● ● ●● △ △ △ △ ● ●△ ● ● ● ● ● △ △ △ ● △ △ △ ソマリア周辺海域 ナイジェリア バングラデシュ マレーシア インドネシア ペルー インド その他 217(54%) 28(7%) 17(4%) 2009年の海域別の海賊発生件数 16(4%) 15(3%) 13(3%) 12(3%) 88(22%) △ △ △ △ ● ● ● ● ●● △ △ △△ ● △ ● ● △ ● ● △△ △ △△ △ △ △△△△ △ △ △△ △ △ △ △ △ △ △ △ ● ●△ △△ ● ● △ △△●●△ △ △ ● ● △ △ △△ ●△● △ △△ △ △ タンザニア、 ガーナで1件ずつ ※日本関係船舶:日本船籍及び日本の事業者が運航する外国籍船 日本のシーレーンと周辺の海賊発生状況(2009年) 日本のシーレーンと周辺の海賊発生状況(2009年)

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22大綱が示す防衛力の在り方 -動的防衛力-

22大綱においては、新たな安全保障環境にふさわしい防衛力の役割を果たすため、 防衛力の存在自体による抑止効果を重視した、従来の「基盤的防衛力構想」によること なく、「動的防衛力」を構築することとしていることが大きな特徴となっています。 1 動的防衛力とは 動的防衛力とは、我が国を取り巻く安全保障課題や不安定要因に起因する様々な事 態に対し、より実効的な抑止と対処を可能とし、アジア太平洋地域の安全保障環境の 一層の安定化とグローバルな安全保障環境の改善のための活動を能動的に行い得る 動的なものとして、即応性、機動性、柔軟性、持続性及び多目的性を備え、軍事技術 水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた防衛力をいいます。 「基盤的防衛力構想によることなく、動的防衛力を構築する」とは、どういう意味ですか? 新しい安全保障環境の下で、今後の防衛力の目指すべき方向性をより徹底して追求する ため、51大綱以来の基盤的防衛力構想にとらわれずに取り組む、という意味です。 基盤的防衛力構想にとらわれるべきでないと考えた理由は、基盤的防衛力構想は、防衛 力の存在による抑止効果に重点を置いていますが、新たな安全保障環境では、防衛力の運 用を重視し、抑止の信頼性を高めることなどが重要となっているためです。 また、動的防衛力の構築に向けては、厳しさを増す財政事情の下、防衛力の構造的な変 革を図ることが不可欠ですが、基盤的防衛力構想を今後の方向性として掲げていては、標 準的な装備の部隊をまんべんなく配置すればよい、という発想になりやすいことも考慮し ました。 「動的防衛力」を構築する狙いはなんですか? 22大綱では、将来に向けて、我が国が持つべき防衛力の基本的方向性として「動的防衛 力」を構築するとの方針を示しました。これは、安全保障環境の変化(周辺国の軍事力近代 化や活動活発化、国際協力の重要性増大)等を踏まえ、①情報収集・警戒監視等の平素の活 動の常時継続的な実施、②各種事態への迅速かつシームレスな対応、③諸外国との協調的活 動の多層的な推進を重視し、「運用」に焦点をあてた防衛力を実現しようとする考え方です。 動的防衛力は、このような「運用」を重視し、これまでに構築された防衛力を前提に、こ れに対して更に構造的な改革を行いつつ、より効果的・能動的に活用することに力点を置い ています。 動的防衛力を実現するためには、統合的・横断的な観点から、自衛隊全体にわたる装備、 人員、編成、配置等の抜本的な効率化・合理化を図り、真に必要な機能に資源を選択的に集 中して、防衛力の構造的な改革を行うことが必要です。また、装備の質や量の確保というハ ード面のみならず、防衛力の運用を支える各種制度の見直しといったソフト面の取組も必要 となります。 このため、平成22年12月、防衛大臣指示を発出し、これに基づき、副大臣を委員長と する「防衛力の実効性向上のための構造改革推進委員会」及び「人的基盤に関する改革委員 会」等において、防衛省全体として総合的な検討を実施することとしています。 【防衛力の構造改革における検討項目】 ・統合による機能強化・部隊等の在り方の検討 ・横断的な視点による資源配分の一元化・最適化の検討 ・人的基盤に関する抜本的な制度改革の推進 ・防衛装備品をめぐる国際的な環境変化に対する方策の検討や総合取得改革の推進 ・衛生機能の強化に関する検討

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2 今までの防衛大綱に示す防衛力の在り方との違い 22大綱に至る前に、3つの防衛大綱が策定されましたが、それぞれその時代と安 全保障環境の中で最も適した考え方が採用され、我が国の平和と安全に大きく貢献し てきました。(防衛計画の大綱に示す防衛力構想の変遷:50~52頁参照) 51大綱では、東西冷戦の下、自衛隊の「存在による抑止」を重視した基盤的防衛 力構想を打ち出し、全国に部隊を均衡配備していくなど防衛力(自衛隊)を構築する ことに力点を置いていました。 07大綱では、東西冷戦終結後の不透明・不確実な状況下で「力の空白」を生じさ せないよう、基盤的防衛力構想を基本的に踏襲し、一方、大規模な災害等の多様な事 態への「対処」や国際貢献等にも言及しました。 16大綱では、基盤的防衛力構想の有効な部分を継承した(取り込んだ)上で、 テロ等の新たな脅威等を踏まえ、「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」という新 たな方向性を打ち出し、「抑止」に加え、「対処」と「国際協力」を重視しました。 ○ 戦略環境や地理的特性を踏まえた防衛力を保持すべきことといった考え方など こうした流れの中で、22大綱では、「動的防衛力」という方向性を打ち出しまし た。これは、周辺国の軍・関係機関による各種活動が活発化する中、平素の情報収集・ 警戒監視等がより重要となっており、また、特にアジア太平洋地域の一層の安定化の ため、国際協力の重要性がより高まっているなどの新たな安全保障環境の下、自衛隊 の「運用」を重視し、「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」を発展させた考え方 です。 自衛隊の「運用」に焦点を当て、 ○ 事態発生時の対処のみならず、平素からの常時継続的な防衛力の運用による「動的 な抑止力」を重視 ○ 「アジア太平洋地域の安保環境の一層の安定化」を役割として明確化 ○ 従来に増して即応性、機動性等を向上 ○ 防衛力が備えるべき要素として、自衛隊の各種活動の常時継続的な実施を支える「 持続性」にも着目 【基盤的防衛力構想の有効な部分】 【「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」から発展した点】 16大綱の「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」の記述と比べると、「動的防衛力」 には『持続性』が加わっています。これは何故ですか? 新たな安全保障環境の下では、事態発生時の対処だけではなく、安全保障上の目標の 達成に向けて効果的・能動的に防衛力を運用することが重要です。 このため、22大綱では、多様な活動を継続的・同時並行的かつシームレスに(切れ 目なく)行うことにより一定の負荷がかかった状態を、バランスよく長期にわたり維持 できるという「持続性」を防衛力の備えるべき要素としました。 なお、16大綱でも挙げられていた即応性・機動性等も、従来にも増して高めること が必要です。 【22大綱で重視されている活動のうち、「持続性」が特に求められるもの】 ・平素からの国として総力を挙げた取組及び事態の推移に応じたシームレスな対応 ・常時継続的な情報収集・警戒監視・偵察活動や訓練・演習等の適時・適切な実施 ・複数の事態の連続的・同時的生起(複合事態)への対応 ・幅広い分野での二国間・多国間協力の多層的推進

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3 動的防衛力のイメージ -「運用」重視の意味- 動的防衛力の考え方の下、情報収集・警戒監視等の平素の活動から、事態発生時の 対処まで、シームレスに(切れ目なく)効果的に自衛隊を運用します。さらに、国際 協力にも自衛隊を積極的に活用することで、我が国の安全保障を確保していきます。 22大綱策定時に発出した防衛大臣談話では、①情報収集・警戒監視等の平素の活 動の常時継続的かつ戦略的な実施、②各種の事態への迅速かつシームレスな対応、③ 諸外国との協調的活動の多層的な推進を重視して、防衛力を運用することとしていま す。これに即してその具体的なイメージを挙げると、次のとおりです。 ・ 情報収集・警戒監視・偵察活動等の平素の活動の常時継続的かつ戦略的な実施 我が国周辺で軍や関係機関による活動が活発化する中、平素の活動を常時継続的 かつ戦略的に実施することは、我が国周辺の環境が望ましくないものへ変化するこ との防止にも寄与するものです。 (例)平素から航空機、艦艇、地上レーダーを運用して、我が国の周辺海空域や沿 岸部で情報収集や警戒監視を行うことにより、周辺国の活動状況やその意図等 をできるだけ早く正確に把握するとともに、我が国の意思と高い防衛能力を示 しておく ・ 各種の事態への迅速かつシームレスな対応 軍事科学技術等の進展に伴い、兆候が現れてから事態が発生するまでの間は短く なる傾向にあることなどから、国内外における突発的な事態に適切に対応すること が重要です。 (例)島嶼部が何らかの危機におちいった場合には、陸海空の部隊を迅速かつ機動 的に統合運用し、即座にそれに対処する ・ 諸外国との協調的活動の多層的な推進 多様化・複雑化する安全保障上の課題や不安定要因への対応に不可欠であり、ま た、諸外国との協調的関係の発展や我が国の国際社会における存在感を高めること にも寄与するものです。 (例)国外における大規模災害等に際して、自衛隊の特性を活かしつつ、可能な限 り迅速に展開し、医療活動、援助物資等の輸送活動を効果的、効率的に実施す ることや、PKO、海賊対処、能力構築支援(キャパシティ・ビルディング支 援)等において多様でかつ長期的な任務を実施する ◆軍事情勢は複雑さを増大 ・未解決の問題の存在(例:朝鮮半島、 台湾海峡) ・軍事力近代化に加え、活動も活発化 ◆関係国と協力して対応する必要 ・ 中・印・露の国力増大に伴う変化 ・ 特に非伝統的安保分野での具体的 協力の進展 ◆各国が平素から協力して取り組むこと が不可欠 ・複数の問題が絡み合いながら、国境 を越えた問題に発展 我が国周辺 アジア太平洋地域 グローバル 「装備の質・量」 +「自衛隊の活動」 = より大きな効果 存在による抑止を重視 した従来の「基盤的防衛 力構想」によらず 「平時/有事」二分論 ⇒ 「グレーゾーンの紛争」 ハード中心 ⇒ ソフトも重視 我が国防衛中心 ⇒ 海外活動常態化 「平時/有事」二分論 ⇒ 「グレーゾーンの紛争」 ハード中心 ⇒ ソフトも重視 我が国防衛中心 ⇒ 海外活動常態化 「平時/有事」二分論 ⇒ 「グレーゾーンの紛争」 ハード中心 ⇒ ソフトも重視 我が国防衛中心 ⇒ 海外活動常態化 「 動 的 防 衛 力 」 「運用」に着眼した防衛力の在り方 アジア太平洋地域の 安全保障環境の一層の安定化 各種事態に対する より実効的な抑止と対処 グローバルな 安全保障環境の改善 情報 能力 即応性 多目的性 技術 力 柔軟性 機動 性 持続性 「 動 的 防 衛 力 」 「運用」に着眼した防衛力の在り方 アジア太平洋地域の 安全保障環境の一層の安定化 各種事態に対する より実効的な抑止と対処 グローバルな 安全保障環境の改善 情報 能力 即応性 多目的性 技術 力 柔軟性 機動 性 持続性 各種の 事態へ 迅速 かつシーム レスな対 応 平素の活動の常時 継続的かつ戦略的な実施 諸外国と の協調的活 動 の多層的 な推進 ( 運 用 ) (役割 )

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22大綱の内容

1 我が国の安全保障における基本理念 22大綱においては、我が国の安全保障における基本理念を冒頭で述べています。 これは、安全保障環境認識を冒頭で示していた16大綱とは異なる22大綱の特徴の 一つです。以下にその内容を紹介します。 まず、安全保障の目標として以下の3つを掲げています。 ・ 我が国に直接脅威が及ぶことを防止し、脅威が及んだ場合にはこれを排除すると ともに被害を最小化すること(もって我が国の平和と安全及び国民の安心・安全を 確保すること) ・ アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化とグローバルな安全保障環境の 改善により脅威の発生を予防すること(もって自由で開かれた国際秩序を維持強化 して我が国の安全と繁栄を確保すること) ・ 世界の平和と安定及び人間の安全保障の確保に貢献すること そして、これらの目標を達成するため、我が国自身の努力、同盟国との協力、国際 社会における多層的な安全保障協力を統合的に推進することとしています。 また、我が国防衛の基本方針(日本国憲法の下、専守防衛に徹し、他国に脅威を与 えるような軍事大国とならないとの基本理念に従い、文民統制を確保し、非核三原則 を守りつつ、節度ある防衛力を整備する)を引き続き堅持することとしているのは、 これまでの防衛大綱と変わりませんが、それと同時に、国際平和協力活動により積極 的に取り組むとの姿勢を打ち出しています。 さらに、核兵器の脅威に対しては、2本の柱からなる方針を掲げました。 ・ 長期的課題として核兵器のない世界の実現へ向けて、核軍縮・不拡散のための取 組に積極的・能動的な役割を果たしていくこと ・ 同時に、現実に核兵器が存在する間は、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止は 不可欠であり、その信頼性の維持・強化のために米国と緊密に協力していくととも に、併せて弾道ミサイル防衛や国民保護を含む我が国自身の取組により適切に対応 すること これは、我が国が弾道ミサイル対処能力を有するようになったことなど、16大綱 策定後の進展を踏まえたものです。 (参考:「人間の安全保障」とは) ・ 国家の安全保障を補完するものであり、人間の生存、生活、尊厳に対する脅威から各個人を守り、 それぞれの持つ豊かな可能性を実現するために、一人ひとりの視点を重視する取組を強化しようとい う考え方 ・ 我が国は、平成10年12月に小渕総理(当時)がベトナム・ハノイで行った演説を受け、平成1 1年3月に国連「人間の安全保障基金」の設置を主導した。さらに、平成12年9月の国連ミレニア ム・サミットの演説において、森総理(当時)は、人間の安全保障を外交の柱と位置付けることを発 表し、以降我が国は同概念の普及及びその現場における実践を推進している。 2 我が国の安全保障の基本方針 (1)我が国自身の努力 22大綱においては、我が国の安全保障の目標を達成するための根幹となるのは 自らが行う努力であるとの認識に基づき、同盟国等とも連携しつつ、平素から国と して総力を挙げて取り組むとともに、各種事態の発生に際しては、事態の推移に応 じてシームレスに(切れ目なく)対応することとしています。 また、以下の事項に国として統合的かつ戦略的に取り組むこととしています。 ・ 関係省庁における情報収集・分析能力の向上、政府横断的な情報保全体制の強 化、情報収集及び情報通信機能の強化等(宇宙の開発及び利用の推進、サイバー 攻撃への対処態勢及び対応能力の総合的な強化) ・ 関係機関の平素からの連携、事態発生時の政府一体となった対応、各種事態の シミュレーションや総合的な訓練・演習の平素からの実施、意思決定及び対処に

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係る機能・体制の検証、法的側面を含めた必要な対応についての検討 ・ 安全保障に関する内閣の組織・機能・体制等の検証、関係閣僚間の政策調整と 総理への助言等を行う組織の官邸への設置 ・ 各種災害への対応や国民の保護のための体制整備、国と地方公共団体等との緊 密な連携 ・ 国際平和協力活動への効率的かつ効果的な対応、非政府組織等との連携・協力、 国連平和維持活動の実態を踏まえた我が国の参加の在り方の検討(PKO参加五 原則等) ・ 安全保障・防衛政策をより分かりやすくするための努力、国際社会における理 解促進のための対外情報発信の強化  アジア、中東、アフリカ、中米など、アジア、中東、アフリカ、中米など、約約330の国際活動0の国際活動を実施を実施   のべのべ約約44万人万人のの自衛隊員を派遣自衛隊員を派遣 (国際緊急援助活動) トルコ(99.9-99.11) ・海上輸送部隊 (国際緊急援助活動) イラン(03.12-04.1) ・空輸隊 (人道的な国際救援活動) アフガニスタン(01.10) (パキスタンに派遣) ・難民救援空輸隊 (国際緊急援助活動) インド(01.2) ・物資支援隊 ・空輸隊 (国連政治ミッション) ネパール(07.3-11.1) ・軍事監視要員 (PKO) ゴラン高原(96.2-継続中) ・派遣輸送隊 ・司令部要員 (人道的な国際救援活動) イラク(ヨルダンに派遣) イラク難民救援(03.3-03.4) ・難民救援空輸隊 イラク被災民救援(03.7-03.8) ・被災民救援空輸隊 (イラク人道復興支援特措 法に基づく対応措置) (03.12-09.2) ・復興業務支援隊 ・復興支援群 ・復興支援派遣輸送航空隊 ・派遣海上輸送部隊 (PKO) スーダン(08.10-継続中) ・司令部要員 (人道的な国際救援活動) ルワンダ(ザイールに派遣) (94.9-94.12) ・難民救援隊 ・空輸派遣隊 (PKO) モザンビーク (93.5-95.1) ・輸送調整中隊 ・司令部要員 (国際緊急援助活動) インドネシア・ジャワ島(06.6) ・医療援助隊 ・空輸部隊 (PKO) カンボジア(92.9-93.9) ・施設大隊 ・停戦監視要員 (国際緊急援助活動) タイ(04.12-05.1) ・派遣海上部隊 (旧テロ対策特措法に基 づく協力支援活動等) (01.11-07.11) ・海上自衛隊 ・航空自衛隊 (補給支援特措法に基づ く補給支援活動) (08.1-10.1) ・海上自衛隊 (国際緊急援助活動) インドネシア・西スマトラ州(09.10) ・医療援助隊 (人道的な国際救援活動) 東ティモール(インドネシアに派遣)(99.11-00.2) ・救難民援助空輸部隊 (PKO)(02.2-04.6) ・施設部隊 ・司令部要員 (国際緊急援助活動) ホンジュラス(98.11-98.12) ・航空援助隊 ・空輸部隊 (国際緊急援助活動) パキスタン(05.10-05.12) ・航空援助隊 ・空輸部隊 (国際緊急援助活動) インドネシア(05.1-05.3) ・医療・航空援助隊 ・海上輸送部隊 ・空輸部隊 (国際緊急援助活動) ロシア(05.8) ・海上派遣部隊 (PKO) ハイチ(10.2-継続中) ・施設部隊 ・司令部要員 (国際緊急援助活動) パキスタン(10.8-10.10) ・航空援助隊 ・空輸部隊 ・海上輸送部隊 (PKO) 東ティモール(10.9-継続中) ・軍事連絡要員 (国際緊急援助活動) ハイチ(10.1-10.2) ・空輸部隊 ・医療援助隊 自衛隊による国際平和協力活動(1992~2010年度) 自衛隊による国際平和協力活動(1992~2010年度) (国際緊急援助活動) ニュージーランド(11.2-11.3) ・空輸部隊 活動 内容・期間 年 東ティモ ール避 難民救 援国際 平和協 力 業務 ( 99年 11月 -00年 2月 ) トルコ国 際緊急 援助活 動 ( 99年 9月 -99年 11月 ) 99 ホンジュ ラス国 際緊急 援助活 動 ( 98年 11月 -98年 12月 ) 98 ゴラン高 原国際 平和協 力業務 ( 96年 2月 - 継続 中 ) 96 95 ルワンダ 難民救 援国際 平和協 力業務 ( 94年 9月 -94年 12月 ) 94 モザンビ ーク国 際平和 協力業 務 ( 93年 5月 -95年 1月 ) 93 カンボジ ア国際 平和協 力業務 ( 92年 9月 -93年 9月 ) 92 ニュージ ーラン ド国際 緊急援 助活動 ︵ 11年 2月 -11年 3月︶ 東ティモ ール国 際平和 協力業 務︵ 10年 9月 -継続中︶ パキスタ ン国際 緊急援 助活動 ︵ 10年 8月 -10年 10月 ) ハイチ国 際平和 協力業 務︵ 10年 2月 - 継続 中 ︶ ハイチ国 際緊急 援助活 動︵ 10年 1月 -10年 2月︶ インドネ シア国 際緊急 援助活 動︵ 09年 10月︶ スーダン 国際平 和協力 業務︵ 08年 10月 - 継続 中︶ 補給支援 特措法 に基づ く補給 支援活 動 ︵ 08年 1月 -10年 1月︶ ネパール 国際平 和協力 業務︵ 07年 3月 -11年 1月︶ インドネ シア国 際緊急 援助活 動 ( 06年 6月 ) パキスタ ン国際 緊急援 助活動 ( 05年 10月 -05年 12月 ) ロシア連 邦カム チャッ カ 半島 沖国際 緊 急 援助 活 動 ( 05年 8月 ) インドネ シア国 際緊急 援助活 動 ( 05年 1月 -05年 3月 ) タイ国際 緊急援 助活動 ︵ 04年 12月 -05年 1月 ) イラン国 際緊急 援助活 動 ( 03年 12月 -04年1 月 ) イラク人 道復興 支援特 措法 に 基づく 対 応 措置 ( 03年 12月 -09年 2月 ) イラク被 災民救 援国際 平和協 力業務 ( 03年 7月 -03年 8月 ) イラク難 民救援 国際平 和協力 業務 ( 03年 3月 -03年 4月 ) 東ティモ ール国 際平和 協力業 務 ( 02年 2月 -04年 6月 ) 旧テロ対 策特措 法に基 づく協 力支援 活 動等︵ 01年 12月 -07年 11月 ) アフガニ スタン 難民救 援国際 平和協 力 業務 ( 01年 10月 ) インド国 際緊急 援助活 動 ( 01年 2月 ) 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 活動 内容・期間 年 東ティモ ール避 難民救 援国際 平和協 力 業務 ( 99年 11月 -00年 2月 ) トルコ国 際緊急 援助活 動 ( 99年 9月 -99年 11月 ) 99 ホンジュ ラス国 際緊急 援助活 動 ( 98年 11月 -98年 12月 ) 98 ゴラン高 原国際 平和協 力業務 ( 96年 2月 - 継続 中 ) 96 95 ルワンダ 難民救 援国際 平和協 力業務 ( 94年 9月 -94年 12月 ) 94 モザンビ ーク国 際平和 協力業 務 ( 93年 5月 -95年 1月 ) 93 カンボジ ア国際 平和協 力業務 ( 92年 9月 -93年 9月 ) 92 ニュージ ーラン ド国際 緊急援 助活動 ︵ 11年 2月 -11年 3月︶ 東ティモ ール国 際平和 協力業 務︵ 10年 9月 -継続中︶ パキスタ ン国際 緊急援 助活動 ︵ 10年 8月 -10年 10月 ) ハイチ国 際平和 協力業 務︵ 10年 2月 - 継続 中 ︶ ハイチ国 際緊急 援助活 動︵ 10年 1月 -10年 2月︶ インドネ シア国 際緊急 援助活 動︵ 09年 10月︶ スーダン 国際平 和協力 業務︵ 08年 10月 - 継続 中︶ 補給支援 特措法 に基づ く補給 支援活 動 ︵ 08年 1月 -10年 1月︶ ネパール 国際平 和協力 業務︵ 07年 3月 -11年 1月︶ インドネ シア国 際緊急 援助活 動 ( 06年 6月 ) パキスタ ン国際 緊急援 助活動 ( 05年 10月 -05年 12月 ) ロシア連 邦カム チャッ カ 半島 沖国際 緊 急 援助 活 動 ( 05年 8月 ) インドネ シア国 際緊急 援助活 動 ( 05年 1月 -05年 3月 ) タイ国際 緊急援 助活動 ︵ 04年 12月 -05年 1月 ) イラン国 際緊急 援助活 動 ( 03年 12月 -04年1 月 ) イラク人 道復興 支援特 措法 に 基づく 対 応 措置 ( 03年 12月 -09年 2月 ) イラク被 災民救 援国際 平和協 力業務 ( 03年 7月 -03年 8月 ) イラク難 民救援 国際平 和協力 業務 ( 03年 3月 -03年 4月 ) 東ティモ ール国 際平和 協力業 務 ( 02年 2月 -04年 6月 ) 旧テロ対 策特措 法に基 づく協 力支援 活 動等︵ 01年 12月 -07年 11月 ) アフガニ スタン 難民救 援国際 平和協 力 業務 ( 01年 10月 ) インド国 際緊急 援助活 動 ( 01年 2月 ) 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 (注)ペルシャ湾での機雷除去のため掃海艇等を派遣(91.4 - 91.10) (注)ペルシャ湾での機雷除去のため掃海艇等を派遣(91.4 - 91.10)

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(2)同盟国との協力 我が国の平和と安全を確保するためには、今後とも日米同盟は必要不可欠であり、 また、在日米軍の軍事的プレゼンスは、アジア太平洋地域の諸国に大きな安心をも たらしています。さらに、我が国が多国間の安全保障協力やグローバルな安全保障 課題への対応を効果的に進める上でも日米同盟は重要です。これらの日米同盟の意 義を踏まえ、日米同盟を新たな安全保障環境にふさわしい形で深化・発展させてい くことが必要です。このため、以下のような取組を進めることとしています。 ・ 戦略的な対話及び具体的な政策調整への継続的な取組(共通戦略目標及び役 割・任務・能力に関する検討) ・ 従来の分野における協力(情報能力、計画検討作業の深化、各種の運用協力、 弾道ミサイル防衛における協力、装備技術協力)の推進 ・ 拡大抑止の信頼性向上、情報保全のための協議の推進 ・ 日米協力の充実を図るための措置の検討(地域における不測の事態に対する米 軍の抑止及び対処力の強化) ・ 平素からの各種協力(共同訓練、施設の共同使用等)の強化 ・ 地域的及びグローバルな協力(国際平和協力活動等、宇宙・サイバー空間、海 上交通の安全確保等、気候変動等)の推進 また、こうした取組と同時に、在日米軍の兵力態勢の見直し等についての具体的 措置を着実に実施するとともに、接受国支援をはじめとする在日米軍の駐留をより 円滑・効果的にするための取組を積極的に推進することとしています。 計画検討作業の深化 拡大抑止の信頼性確保 平素からの日米共同活動の強化 ・ 警戒監視、共同訓練、共同使用等 ・ 装備技術協力 非戦闘員退避 弾道ミサイル攻撃への対処における運用協力 情報保全・情報共有 米軍再編 在日米軍駐留経費負担 実効的な抑止及び対処 同盟等のネットワーク化・防衛協力の推進(日米韓、日米豪等) 多国間の枠組み(EAS、ADMMプラス等)における日米協力 地域の安全保障環境の 一層の安定化 国際平和協力活動における日米協力 (テロ・海賊対策、破綻国家 対策への貢献) 核軍縮・核拡散への取組み 海洋安全保障・気候変動・宇宙・サイバー攻撃対処等グローバル な課題への対応 グローバルな安全保障 環境の改善 共通戦略目標 役割・任務・能力 日米防衛協力のための指針 総論 計画検討作業の深化 拡大抑止の信頼性確保 平素からの日米共同活動の強化 ・ 警戒監視、共同訓練、共同使用等 ・ 装備技術協力 非戦闘員退避 弾道ミサイル攻撃への対処における運用協力 情報保全・情報共有 米軍再編 在日米軍駐留経費負担 実効的な抑止及び対処 同盟等のネットワーク化・防衛協力の推進(日米韓、日米豪等) 多国間の枠組み(EAS、ADMMプラス等)における日米協力 地域の安全保障環境の 一層の安定化 国際平和協力活動における日米協力 (テロ・海賊対策、破綻国家 対策への貢献) 核軍縮・核拡散への取組み 海洋安全保障・気候変動・宇宙・サイバー攻撃対処等グローバル な課題への対応 グローバルな安全保障 環境の改善 共通戦略目標 役割・任務・能力 日米防衛協力のための指針 総論

日米同盟の深化のための協力項目(例)

日米同盟の深化のための協力項目(例)

注:EAS(東アジア首脳会議)、ADMMプラス(拡大ASEAN国防相会議)

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(3)国際社会における多層的な安全保障協力 ① アジア太平洋地域における協力 アジア太平洋地域において、二国間・多国間の安全保障協力を多層的に組み合 わせてネットワーク化することは、この地域の安全保障環境の一層の安定化に効 果的に取り組むために不可欠であるとの認識の下、以下の取組を進めることとし ています。 ・ 韓国、オーストラリア、ASEAN諸国、インド等との安全保障協力の強化 ・ 中国及びロシアとの信頼関係の増進と、協力関係の構築・発展 ・ 中国が国際社会において責任ある行動をとるよう積極的な関与 ・ ASEAN地域フォーラム(ARF)や拡大ASEAN国防相会議(ADM Mプラス)等を通じ、多国間の安全保障協力関係の構築に向け、適切な役割を 果たすこと ② 国際社会の一員としての協力 グローバルな安全保障環境を改善し、我が国の安全と繁栄の確保に資するよう、 以下の取組を進めることとしています。 ・ 政府開発援助(ODA)を戦略的・効果的に活用するなどの外交活動の積極 的な推進 ・ 外交活動と一体となった国際平和協力活動への積極的な取組 ・ 欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)や欧州諸国との協力関係 強化 ・ 海洋、宇宙、サイバー空間の安定的利用といった国際公共財の維持・強化、 大量破壊兵器やミサイル等に関する軍縮・拡散防止への積極的な取組 ・ 大規模災害やパンデミックに際しての人道支援・災害救援等への積極的取組 ・ 国連改革への積極的な取組 ・同盟国・友好国 との緊密な連携 ・多国間の安全保障 協力の推進 各種課題に対す る実際的な協力 関係の構築 同盟等の ネットワーク化 安全保障環 境の一層の 安定化

国際社会における多層的な安全保障協力

国際社会における多層的な安全保障協力

未来志向の視点で 二国間・多国間の 交流・対話を実施 対立感や警戒感を低減し協力的・ 協調的雰囲気を醸成 戦略的協力 パートナーシップ 未来志向の グローバル な関係 戦略的協力 パートナーシップ アジア太平洋 地域における パートナー 戦略的互恵関係 周辺諸国との相互理解 ・ 信頼醸成の強化 周辺諸国との相互理解 ・ 信頼醸成の強化 防衛協力の推進・同盟等のネットワーク化防衛協力の推進・同盟等のネットワーク化 ASEAN 日米豪安保・防衛協力会合日米豪三ヶ国防衛相会談 日米韓三ヶ国防衛相会談 日米韓防衛実務者協議 NATO NATONATO NATO ブルネイ、カンボジア、 インドネシア、ラオス、 マレーシア、ミャンマー、 フィリピン、シンガポール、 タイ、ベトナム

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3 防衛力の在り方 (1)防衛力の役割 動的防衛力という考え方の下、「実効的な抑止及び対処」、「アジア太平洋地域の 安全保障環境の一層の安定化」及び「グローバルな安全保障環境の改善」を防衛力 の役割としています。 ① 実効的な抑止及び対処 我が国周辺における各国の軍事動向を把握し、各種兆候を早期に察知するため、 平素から我が国及びその周辺において常時継続的な情報収集・警戒監視・偵察活 動による情報優越を確保するとともに、各種事態の展開に応じ迅速かつシームレ スに対応することとしています。 また、本格的な侵略事態への備えについて、不確実な将来情勢の変化への必要 最小限の備えを保持することとしています。 実効的な抑止及び対処に際しては、特に以下の点を重視することとしています。 ア 周辺海空域の安全確保 周辺海空域の安全確保に努め、我が国の権益を侵害する行為に対して実効的 に対応 イ 島嶼部に対する攻撃への対応 機動運用可能な部隊を迅速に展開し、平素から配置している部隊と協力して 侵略を阻止・排除 ウ サイバー攻撃への対応 自衛隊の情報システムを防護するために必要な機能を統合的に運用して対 処、サイバー攻撃に関する高度な知識・技能を集積し、政府全体として行う対応 に寄与 エ ゲリラや特殊部隊による攻撃への対応 機動性を重視しつつ即応性の高い部隊により迅速かつ柔軟に対応 オ 弾道ミサイル攻撃への対応 常時継続的な警戒態勢を保持、多層的な防護態勢により迎撃回避能力を備え 防 衛 力の 役割 防 衛 力の 役割 51大綱 07大綱 16大綱 22大綱 【基盤的防衛力構想】 防衛力の役割の変化 防衛力の役割の変化 侵略の未然防止・ 侵略対処 (限定小規模侵略独力対処) 【動的防衛力】 災 害 救 援 等 より安定した安保環境構築へ の貢献 -PKO、国際緊急援助活動 -安保対話、防衛交流等 大規模災害等各種の事態へ の対応 -大規模自然災害・テロ -周辺事態 新たな脅威・多様な事態への 実効的対応 -弾道ミサイル -ゲリラ・特殊部隊等 -島嶼部侵略 -ISR、対領侵、武装工作船等 -大規模・特殊災害等 国際安保環境改善への主体 的・積極的な取組 -国際平和協力活動の本来 任務化 -安保対話・防衛交流 本格的侵略事態への備え (最も基盤的な部分を確保) (基盤的防衛力構想の 有効な部分は継承) 実効的な抑止・対処 -周辺海空域の安全確保 -島嶼部攻撃 -サイバー攻撃 -ゲリラ・特殊部隊 -弾道ミサイル -複合事態 -大規模・特殊災害等 ※本格的侵略事態への備え (不確実な将来情勢変化への 必要最小限の備えを保持) アジア太平洋地域の安保環境の 一層の安定化 -防衛交流、域内協力 -能力構築支援 グローバルな安保環境の改善 -国際平和協力活動への取組 -軍備管理軍縮、能力構築支援 -テロ対策・海上交通の安全確保等 我が国の防衛 -侵略の未然防止 -侵略対処 ・ 防衛上必要な各種の機能を 備え、後方支援体制を含めて その組織・配置において均衡 のとれた態勢を保有 ・ 限定的かつ小規模な侵略ま での事態に有効に対処 ・ 災害救援等を通じて国民の 民生安定に寄与 ・ 「限定小規模侵略独力対処」 との表現は踏襲せず ・ 防衛力の役割として「我が国 の防衛」に加え、「大規模災害 等各種の事態への対応」及び 「より安定した安全保障環境の 構築への貢献」を追加 ・ 新たな脅威や多様な事態に実効的 に対応するとともに、国際安保環境改 善に主体的かつ積極的に取り組み得 るもの ・ 各種事態に対して実効的な抑止と対処 を可能とし、アジア太平洋地域の安保環 境の一層の安定化・グローバルな安保環 境の改善のための活動を能動的に行い 得るもの ・ 多機能で弾力的な実効性のある防衛力 を発展させたもの (基本的に踏襲) 【多機能で弾力的な 実効性のある防衛力】 (基盤的防衛力構想にはよらず)

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た弾道ミサイルにも実効的に対応、万が一被害が発生した場合には、被害を局 限すべく事後対処 カ 複合事態への対応 複数の事態の連続的又は同時的生起も想定し、事態に応じ実効的な対応 キ 大規模・特殊災害等への対応 地方公共団体等と連携協力し、国内のどの地域においても災害救援を実施 ② アジア太平洋地域の安全保障環境の一層の安定化 我が国周辺においては、常時継続的な情報収集・警戒監視・偵察活動や訓練・ 演習等の各種活動を適時・適切に実施することにより、我が国周辺の安全保障環 境の安定を目指すこととしています。 また、アジア太平洋地域の安定化を図るため、以下の取組を行うこととしてい ます。 ・ 二国間・多国間の防衛協力・交流、共同訓練・演習の多層的な推進 ・ 非伝統的安全保障分野における地雷・不発弾処理等を含む自衛隊が有する能 力を活用した実際的な協力の推進 ・ 域内協力枠組みの構築・強化や域内諸国の能力構築支援への取組 ③ グローバルな安全保障環境の改善 グローバルな安全保障環境の改善のため、以下の取組を行うこととしています。 ・ 人道復興支援をはじめとする平和構築や停戦監視を含む国際平和協力活動 ・ 軍備管理・軍縮、不拡散等の分野における諸活動や能力構築支援 ・ 国際テロ対策、海上交通の安全確保や海洋秩序の維持のための取組

能力構築支援とは

近年の国際情勢の変化に伴い、人道支援・災害救援、海賊対処等の非伝統的安全保障分野における課題に 国際社会が一致して取り組むことが不可欠となっている。そのため、自国の防衛能力といった従来の伝統的 安全保障分野における施策に加え、非伝統的な脅威や不安定性に対し、開発途上国の対処能力を向上させる ための支援を行い、自らその解決策を講じるよう促す。 専門家の派遣、研修員の受入れ等 非伝統的安全保障分野 (人道支援・災害救援、 海賊対処、 地雷・不発弾処理等) 開発途上国等の軍又は軍人の対処能力向上(キャパシティ・ ビルディング)を支援 目 的 分 野 内 容 具体例 「平素」から継続的に非伝統的安全保障分野に おける人材育成や技術支援等を通じて途上国自 身の対処能力を向上させるという取組を行うこ とにより、地域内における安定を積極的・能動 的に創出し、国際的な安全保障環境を改善する という、新たな発想に基づく取組み。 防衛省・自衛隊は、国際平和協力活動の一環 として、①国連PKO、②国際緊急援助活動、 ③ソマリア沖・アデン湾における海賊対処活動 等を行ってきた。 こうした活動は、紛争や大規模災害など実際 に生起した安全保障上の問題への「事後的」な 対応。 従来の政策 能力構築支援

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