絵看板 軽業・足芸一座(国立民族学博物館蔵) 2016 年 10 月 3 日 変幻自在!いつの時代も人々を魅了してきた見世物の世界へようこそ
国立民族学博物館 特別展「見世物大博覧会」
2016 年 9 月 8 日(木)~11 月 29 日(火) 国立民族学博物館(大阪府吹田市千里万博公園 10-1)では、特別 展「見世物大博覧会」を 2016 年 9 月 8 日 (木)から開催します。 日本では、細工物・軽業・曲芸・動物見世物といった様々なジャンル の見世物の興行が都市の盛り場や社寺の祭を中心に盛行し、人々を 魅了してきました。 本展では、こうした江戸から明治・大正・昭和を経て現代に至る多種 多様な見世物の姿を、絵看板、錦絵、一式飾や生人形(いきにんぎょ う)などの資料をとおして紹介します。展覧会の見どころ
1. 関西初!見世物の世界が大集結
軽業や演戯などの技芸見世物、一式飾や生人形などの細工見世物、ラクダやゾウなどの動物見世物、そ して欧米から伝来したサーカスや、電気機器などの科学的な見世物と、見世物が隆盛を誇っていた幕末~ 明治時代を中心に、多種多様な見世物を紹介します。 このように、見世物の世界を網羅的に一堂に会して展示するのは、関西では初の試みです。(東京名所)東京の大遊楽地浅草公園 第六区の賑ひ(国立歴史民俗博物館蔵) 仏蘭西大曲馬(スリエ一座)(国立民族学博物館蔵)
2. 現代の様々なエンターテインメントや科学技術の原点がここに
身体の鍛錬によって技巧を演じた軽業や曲芸には、身体を駆使するスポーツの原点が見て取れます。ま た、動物見世物は、イルカショーのような動物園や水族館での興行とよく似ています。 一方、エックス線装置などの科学装置は、当初は見世物として観衆の目に供せられました。そして、見世 物で培われた「魅せる」(人びとを魅了し好奇心を惹起する)趣向や技術は、博覧会や博物館の展示へとつな がっていきます。 寺山修司が「『血湧き肉おどる』幻想の世界」と呼んだ見世物の世界をご覧いただきながら、現代に息づく 様々なエンターテインメントや科学技術のルーツを探ることができます。展示内容
Ⅰ プロローグ 見世物の世界へ
実際の見世物小屋の入り口の様子と、入り口に据え られた「グラシ」 (客をつかむネタ)や呼び込みによって、 観客を見世物の世界へと誘います。Ⅱ 見世物とカラダ
身体の鍛錬によって超絶技巧を演じた軽業や曲芸や大力芸、人間が火や水や物品を自由自在に飲み込 んだり吹き出したりする、虚実の判断が容易ではない見世物小屋の芸、歌舞伎や講談などの物語世界を下 敷きに演じられたのぞきからくりなど、人間によって演じられた様々な見世物を紹介します。 Ⅱ-1 軽業 江戸時代から明治にかけて人気を博した軽業・曲 芸の一座の系譜と技芸の内容、明治以降に外来のサ ーカスの技芸を取り入れた軽業・曲芸一座の動向、各 地に広まり自ら演じる芸能として定着した軽業系統の 民俗芸能を紹介します。 Ⅱ-2 見世物小屋へようこそ 生身の人間が火を吹いたり物品を飲み込んで 自在に出し入れしたりする技芸をはじめ、虚実の判断 が困難な様々な技芸が演じられた見世物小屋の様相 を、「人間ポンプ」でお馴染みの安田興行社を中心に紹介 します。 Ⅱ-3 演戯 歌舞伎や人形芝居などの芸能、講談や落語などの語り物、読本や滑稽本などの文学といった様々なジャ ンルを通じ、人々の衆知のものとなっていた物語世界を下敷きに展開した見世物の様相を紹介します。今昔未見 生物猛虎之真図 (国立歴史民俗博物館蔵) 東京名所の内 浅草区金龍山浅草寺境内一覧(国立歴史民俗博物館蔵) 電気諸器械教開展観(国立歴史民俗博物館蔵)
Ⅲ 見世物とトコロ
見世物興行の場となった都市の盛り場や 社寺の境内、辻の様相を、見世物小屋やそ れに集う見物人を描いた錦絵や盛り場の様 子を写した写真などで紹介します。Ⅳ 見世物とモノ
見慣れた生活世界に存在する品々を創意工夫で想定外の造形に変化させたり、卓越した技術で本物以 上に本物らしい造形を作ったり、未知の世界の動物を出現させたりと、普段見られない珍奇な事物を見せる ことで人々の好奇心をかき立て魅了した、様々なモノの見世物の様相を紹介します。 Ⅳ-1 細工 人々が日常接するモノを素材に様々な造形を作り出したり、同類 のモノを、機知を働かせて組み上げて様々な造形を作り出したり、 動くはずのないモノを動かしたりと、様々な趣向を凝らして製作され た細工見世物の様相を紹介します。 Ⅳ-2 人形 人間の一瞬の表情、架空の人物、歴史上の人物、殺人などの残 忍な光景など、現実では見ることができない人間の様々な姿を、生 きた人間以上に生きているように見える人形を用いて表現した人形 見世物の様相を紹介します。 Ⅳ-3 動物 海外から渡来した珍獣や珍禽が、各地で見世物興行として人気 を博した様相を紹介します。 Ⅳ-4 異国 様々な見世物のジャンルにおいて、主要なテーマの1つとなり 人気を博した異国のイメージの展開について紹介します。Ⅴ エピローグ 見世物の成長
明治以降、欧米から伝来した新たな内容や表現を取り込 みつつ人々の好奇心をかき立てた見世物と、科学的な知識 や情報の普及の場となった博物館などとの関わりや、演劇 や映画などの創作活動に与えた影響を紹介します。関連イベント
みんぱくゼミナール「軽業の系譜と民俗芸能―特別展「見世物大博覧会」から」 会 場 国立民族学博物館 講堂 日 時 9 月 17 日(土) 13:30~15:00 (13:00 開場) 講 師 笹原亮二(国立民族学博物館教授) 参加方法 申込不要(定員 450 名)、参加無料 内 容 古来演じられてきた軽業は、その後田楽や 大神楽に引き継がれ、やがてそれに魅了 された各地の人びとが自ら演じ、民俗芸能 として伝来するに至りました。そうした軽業 の系譜と民俗芸能について考えます。 みんぱくウィークエンドサロン-研究者と話そう 「魅せるモノ・魅せられるモノ 見世物のおもしろさを巡って」 会 場 国立民族学博物館 第 5 セミナー室 日 時 10 月 9 日(日) 14:30~15:00 講 師 笹原亮二(国立民族学博物館教授) 参加方法 申込不要、参加無料 内 容 かつて、全国各地の都市の盛り場や大社 寺の境内には見世物小屋が立ち並び、 様々な趣向を凝らして演じる「者」や細工を 施して作られた「物」が、大勢の見る「者」を 魅了して賑わっていました。演じる者や細 工された物のなにが見る者を魅了したの か。見世物に魅せられた人びとの心性に ついて考えます。 みんぱくウィークエンドサロン-研究者と話そう 「博物学と見世物―珍獣幻獣大集合」 会 場 国立民族学博物館 特別展示館 日 時 11 月 27 日(日) 14:30~15:00 講 師 山中由里子(国立民族学博物館准教授) 参加方法 申込不要、要特別展示観覧券 内 容 駱駝、象、虎、鰐、駝鳥など、外国からもた らされた珍しい動物は江戸の人々の好奇 心を刺激し、見世物の対象となりました。 一方、人魚のミイラは、日本から輸出され 欧米でも見世物として大流行した幻獣で す。博物学と娯楽のこの境界には、たこ娘 にかに男といった、妖しいハイブリッド獣た ちも生息しているのです。「人間ポンプ 安田里美 浅草木馬亭公演」上映会 会 場 国立民族学博物館 講堂 日 時 10 月 16 日(日) 14:00~16:00 (13:30 開場) 司 会 笹原亮二(国立民族学博物館教授) 解 説 鵜飼正樹 (京都文教大学総合社会学部教授) 参加方法 申込不要(先着順、定員 450 名)、参加無料 内 容 「最後の見世物小屋芸人」とも呼ばれた人 間ポンプ・安田里美氏が 1991 年 10 月に浅 草木馬亭でおこなった、芸術祭参加公演 の公演記録映像を上映します。 「伊勢大神楽の獅子舞と放下芸―伊勢大神楽講社による総舞」 会 場 国立民族学博物館 前庭 (雨天時:本館エントランスホール) 日 時 10 月 22 日(土) 13:30~15:40 司会・解説 笹原亮二(国立民族学博物館教授) 出 演 伊勢大神楽講社 山本勘太夫社中 参加方法 申込不要、参加無料 内 容 家々を巡り、獅子舞を舞って祓い、御札を 配り、余興に放下芸と呼ばれる曲芸を演じ る伊勢大神楽の社中の一つである、伊勢 大神楽講社・山本勘太夫社中による総舞 の実演をおこないます。