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決済システムレポート2006

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2006

決済システムレポート

日本銀行

2007年7月

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本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行決済機構局 までご相談ください。

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目 次 要 旨 第1部 主な決済システムにおける 2006 年中の決済の動向... 1 第1章 概況... 1 第1節 資金決済の動向 第2節 証券決済の動向 第2章 決済リスクへの対応状況... 9 第1節 日銀当座預金決済における対応状況 第2節 民間決済における対応状況 第3節 当面の課題 第2部 決済システムの改善に向けた動き... 20 第1章 日銀ネットの改善... 20 第1節 ネットワークインフラの高度化 第2節 次世代 RTGS の推進 第2章 証券決済システムの改善に向けた動き... 24 第1節 証券決済制度改革の動向と日本銀行の取組み 第2節 日本銀行の運営する証券決済システムの動向 第3節 民間証券決済システムの動向 第3章 業務継続体制の強化に向けた取組み... 32 第1節 日本銀行における業務継続体制の充実に向けた取組み 第2節 金融市場、金融機関の業務継続力強化の動き 第3部 小口決済における特徴的な動き... - 電子マネーの利用拡大および小口決済のセキュリティ - 34 第1章 電子マネーの利用拡大... 34 第1節 電子マネーの利用拡大を後押しした要因 第2節 電子マネーの今後の動向を考えるうえでの留意点

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第2章 キャッシュカードやインターネット・バンキングの情報セキュリティ強化に向けた動き... 44 第1節 キャッシュカードの情報セキュリティ 第2節 インターネット・バンキングの情報セキュリティ 第4部 日本銀行当座預金・現金供給サービスの見直し... 47 第1章 概要... 47 第2章 最近の環境変化... 48 第 1 節 現金事務の営業店からの切離し 第2節 現金事務の警備輸送会社への委託 第3章 日本銀行サービスの見直しの必要性... 49 第4章 日本銀行当座預金・現金供給サービスの具体的な見直し策... 50 第1節 取引拠点の柔軟化 第2節 現金授受事務の担い手の拡大 第3節 新たな現金受払請求手段の導入 第5章 スケジュール... 56 付属論文... 「OTC デリバティブ取引の約定後の事務処理を巡る動き - BIS 支払・決済システム委員会による検討報告書 - 」 58 資料編... 64 図表1:わが国決済システムの鳥瞰図... 65 図表2:わが国決済システムに関する主な動き(年表)... 66 決済システムに関する参考文献... 72 統計編... 74

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■ 要 旨 ■ 「 決 済 シ ス テ ム レ ポ ー ト 」 は 、 最 近 の わ が 国 決 済 シ ス テ ム の 動 き を 概 括 し 、 今 後 の 課 題 を 把 握 す る こ と を 目 的 に 、2006 年 3 月 、創 刊 号 を 発 刊 し た 。 創 刊 号 で は 各 決 済 シ ス テ ム の 決 済 の 仕 組 み や リ ス ク 管 理 策 を 網 羅 的 に 解 説 す る こ と を 一 つ の 狙 い と し た が 、2 回 目 と な る 今 回 は 、 そ の 後( 主 と し て 2006 年 中 )の 特 徴 的 な 動 き に 焦 点 を あ て 、決 済 を 巡 る 環 境 変 化 が ど の よ う な 新 た な 課 題 を 提 起 し て い る か を 探 る こ と に 力 点 を 置 い て い る 。 Ⅰ . 主 な 決 済 シ ス テ ム に お け る 2006 年 中 の 決 済 の 動 向 2006 年 入 り 後 、わ が 国 の 各 決 済 シ ス テ ム が 取 り 扱 う 決 済 金 額 ・件 数 は 、 量 的 緩 和 政 策 の 解 除 や 政 策 金 利 の 引 上 げ と い っ た 金 融 政 策 の 変 更 や 景 気 拡 大 を 背 景 と し た 各 種 金 融 市 場 に お け る 取 引 増 加 等 か ら 、 増 加 あ る い は 高 水 準 で 推 移 し た 。 日 本 銀 行 当 座 預 金 決 済 は 、2002 年 を ボ ト ム に 緩 や か な 増 加 傾 向 に あ っ た が 、2006 年 3 月 の 量 的 緩 和 政 策 の 解 除 以 降 、国 債 レ ポ な ど 市 場 取 引 の 活 発 化 に 伴 い 、 そ の 水 準 を 大 き く 切 り 上 げ て き た 。 外 国 為 替 円 決 済 制 度 、 CLS( 円 取 引 分 ) の 取 扱 金 額 は 、 と も に 外 為 取 引 の 拡 大 を 背 景 に 増 加 基 調 で 推 移 し た 。 全 国 銀 行 内 国 為 替 制 度 の 取 扱 金 額 は 、 2003 年 以 降 、 漸 増 傾 向 を 辿 っ て い る 一 方 、 手 形 交 換 の 動 向 ( 東 京 手 形 交 換 所 の 交 換 高 ) を み る と 、 内 為 制 度 な ど に 決 済 方 法 を 変 更 す る 動 き が 続 い て お り 、 取 扱 金 額 は 趨 勢 的 に 減 少 し て い る 。 国 債 決 済 は 、国 債 発 行 額 の 増 加 や レ ポ を 含 む 国 債 取 引 の 増 加 に よ り 、 金 額・ 件 数 と も に 増 加 を 続 け た 。短 期 社 債( 電 子 CP)決 済 は 、発 行 お よ び 現 先 取 引 の 活 発 化 を 映 じ て 大 幅 な 伸 び を 記 録 し た 。 社 債 等 一 般 債 決 済 は 、 既 発 債 の 一 般 債 振 替 制 度 へ の 移 行 が 進 む 中 、 増 加 傾 向 で 推 移 し た 。 株 式 決 済 は 、 株 式 市 場 の 活 況 が 一 服 し た こ と か ら 、 前 年 比 や や 減 少 し た も の の 、 依 然 高 水 準 で 推 移 し た 。 こ の 間 、 日 本 証 券 ク リ ア リ ン グ 機 構 お よ び ほ ふ り ク リ ア リ ン グ の 清 算 対 象 取 引 高 も 、 株 式 決 済 と ほ ぼ 同 様 の 動 き と な っ た 。 以 上 の よ う な 決 済 の 増 加 が 各 決 済 シ ス テ ム や 金 融 機 関 に 与 え た 影 響 と 対 応 状 況 に つ い て み る と 、 全 体 と し て は 、 厳 格 な リ ス ク 管 理 策 を 維

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持 し な が ら 、 円 滑 な 決 済 の 進 捗 を 達 成 す る な ど 、 決 済 の 増 加 と い う 環 境 変 化 に 順 応 し て き た 。 も っ と も 、 個 別 金 融 機 関 の レ ベ ル で は 、 決 済 用 資 金 の 調 達 や 決 済 の 進 捗 管 理 に 工 夫 が 必 要 と な っ て い る 。 ま た 、 民 間 決 済 シ ス テ ム で も 、 リ ス ク 管 理 策 の 実 効 性 維 持 や 事 務 処 理 能 力 の 確 保 に 向 け た 取 組 み が 必 要 と な っ て き て い る 。 日 本 銀 行 で も 、 こ う し た 決 済 を 巡 る 環 境 変 化 を 踏 ま え 、 円 滑 な 決 済 を 実 現 し て い く た め の 仕 組 み や 体 制 作 り に 継 続 的 に 取 り 組 ん で い く 方 針 で あ る 。 Ⅱ . 決 済 シ ス テ ム の 改 善 に 向 け た 動 き ( 日 銀 ネ ッ ト の 改 善 ) 日 本 銀 行 は 、 ネ ッ ト ワ ー ク 技 術 の 進 展 や 標 準 化 な ど に 積 極 的 に 対 応 す る 観 点 か ら 、 日 本 銀 行 金 融 ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム ( 日 銀 ネ ッ ト ) の ネ ッ ト ワ ー ク イ ン フ ラ の 高 度 化 を 進 め て い る 。 2006 年 11 月 よ り 、 日 銀 ネ ッ ト の 新 端 末 の 利 用 が 開 始 さ れ 、 利 用 先 が 順 調 に 増 加 し て お り 、 2008 年 4 月 頃 ま で に 移 行 が 完 了 す る 予 定 で あ る 。日 銀 ネ ッ ト と 金 融 機 関 と の コ ン ピ ュ ー タ 接 続 に つ い て も 、TCP/IP プ ロ ト コ ル を 用 い た 新 た な 接 続 方 式 へ の 移 行 が 進 ん で お り 、 次 世 代 RTGS 構 想 の 第 1 期 対 応 の 稼 動 開 始 ( 2008 年 10 月 予 定 ) ま で に 移 行 が 完 了 す る 予 定 と な っ て い る 。 ま た 、 日 本 銀 行 は 、 次 世 代 RTGS 構 想 の 実 現 に 向 け 、 シ ス テ ム 開 発 等 を 進 め て い る 。2006 年 度 は 、流 動 性 節 約 機 能 の 導 入 と 外 為 円 取 引 の 完 全 RTGS 化 す る 第 1 期 対 応 に つ い て 、 日 銀 ネ ッ ト の 仕 様 等 の 検 討 を 進 め 、 稼 働 開 始 予 定 日 等 の 具 体 的 な ス ケ ジ ュ ー ル を 決 定 ・ 公 表 し た 。 ま た 、 短 期 金 融 市 場 取 引 活 性 化 研 究 会 や 東 京 銀 行 協 会 と 連 携 し つ つ 次 世 代 RTGS 後 の 市 場 慣 行 の 検 討 を 進 め て い る 。 ( 証 券 決 済 シ ス テ ム の 改 善 に 向 け た 動 き ) 日 本 銀 行 が 運 営 す る 国 債 振 替 決 済 制 度 の 参 加 者 を み る と 、 外 国 間 接 参 加 者 の 数 が 一 貫 し て 増 加 し て い る 。 ま た 、 2006 年 度 後 半 に は 、 2 つ の 国 際 証 券 集 中 保 管 機 関 が 相 次 い で 外 国 間 接 参 加 者 と し て 同 制 度 に 参 加 し た 。

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民 間 証 券 決 済 シ ス テ ム の 動 向 を み る と 、2006 年 中 も 証 券 の 完 全 ペ ー パ ー レ ス 化 、 DVP 決 済 の 対 象 証 券 拡 大 、 STP の 推 進 に 向 け た 取 組 み が 続 け ら れ た 。2006 年 1 月 に は 一 般 債 が 、2007 年 1 月 に は 上 場 投 資 信 託 を 除 く 投 資 信 託 が 完 全 ペ ー パ ー レ ス 化 さ れ た 。現 在 は 、上 場 投 資 信 託 、 株 式 等 の 完 全 ペ ー パ ー レ ス 化 に 向 け た 取 組 み が 進 め ら れ て い る 。 DVP 化 に 向 け た 動 き を み る と 、2006 年 1 月 に 一 般 債 、2007 年 1 月 に 投 資 信 託 に つ い て DVP 決 済 が 実 現 し た 。証 券 決 済 の STP 化 に つ い て は 、証 券 保 管 振 替 機 構 が 提 供 す る 約 定 ・ 決 済 の 照 合 シ ス テ ム の 業 務 拡 充 が 行 わ れ た ほ か 、 同 シ ス テ ム と 他 の 清 算 ・ 決 済 シ ス テ ム と の 接 続 に よ る 新 サ ー ビ ス の 提 供 が 開 始 さ れ た 。 ( 業 務 継 続 体 制 の 強 化 に 向 け た 取 組 み ) 日 本 銀 行 は 、 2006年 中 、 日 本 橋 本 店 が 使 用 不 能 と な る 場 合 を 想 定 し た 代 替 業 務 拠 点 の 設 備 お よ び 運 用 体 制 の 整 備 ・ 拡 充 を 行 っ た ほ か 、 災 害 等 緊 急 時 の 業 務 継 続 要 員 の 参 集 体 制 を 強 化 し た 。 ま た 、 コ ン ピ ュ ー タ ・ シ ス テ ム の バ ッ ク ア ッ プ に つ い て も 、 そ の 対 応 力 の 一 層 の 強 化 に 取 り 組 ん だ 。 こ う し た 体 制 面 の 整 備 の ほ か 、 各 種 訓 練 の 実 施 に よ り 運 用 面 の 強 化 に も 注 力 し た 。 市 場 参 加 者 の 間 で は 、 災 害 そ の 他 の 危 機 時 に あ っ て も 金 融 市 場 の 機 能 が 確 保 さ れ る よ う 、 被 災 時 の 情 報 共 有 体 制 や 市 場 慣 行 変 更 の 推 奨 の あ り 方 な ど 被 災 時 の 業 務 継 続 力 強 化 に 向 け た 体 制 整 備 ・ 運 用 面 の 強 化 が 進 め ら れ て い る 。 ま た 、 金 融 機 関 の 業 務 継 続 体 制 に つ い て も 、 近 年 、 着 実 に 整 備 が 進 展 し て い る 。 日 本 銀 行 と し て は 、 市 場 の 業 務 継 続 力 強 化 に 向 け た 検 討 ・ 体 制 整 備 に 参 画 し 、 市 場 参 加 者 の 取 組 み を 積 極 的 に 支 援 す る と と も に、 考 査 や オ フ サ イ ト ・ モ ニ タ リ ン グ 等 の 場 を 通 じ て 、 金 融 機 関 と の 間 で 業 務 継 続 に 関 す る 議 論 を 深 め 、 一 層 の 連 携 強 化 に 努 め て い る 。 Ⅲ . 小 口 決 済 に お け る 特 徴 的 な 動 き ( 電 子 マ ネ ー の 利 用 拡 大 ) 近 年 、 電 子 マ ネ ー の 利 用 が 拡 大 し て い る 。 電 子 マ ネ ー 保 有 者 側 、 小 売 店 等 の 加 盟 店 側 の 要 因 、 技 術 進 歩 に よ る 迅 速 な 決 済 処 理 等 の 複 数 の 要 因 が 重 な り 合 っ て 利 用 拡 大 を 後 押 し し た と み ら れ る 。 こ の 先 も 当 面

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は 、 電 子 マ ネ ー 発 行 体 の 新 規 参 入 や 利 便 性 の 更 な る 向 上 等 に よ り 、 電 子 マ ネ ー の 利 用 拡 大 が 続 く と み る 向 き が 多 い 。 将 来 、 電 子 マ ネ ー が ど の よ う な 成 長 軌 道 を 辿 る の か に つ い て は 、 今 後 の 競 争 環 境 や 社 会・技 術 環 境 な ど に 大 き く 左 右 さ れ る 可 能 性 が 高 く 、 か な り の 幅 を も っ て み る 必 要 が あ る 。 今 後 、 発 行 体 同 士 の 競 争 環 境 が よ り 厳 し く な る 中 で 、 電 子 マ ネ ー の 各 発 行 体 ・ 運 営 体 は 、 電 子 マ ネ ー の 安 定 性 や 信 頼 性 を 維 持 し 、 技 術 革 新 に 応 じ て セ キ ュ リ テ ィ を 強 化 す る よ う 努 力 を し て い く こ と が 求 め ら れ る 。 電 子 マ ネ ー が 、 安 心 ・ 便 利 に 利 用 で き る 状 況 が 維 持 さ れ る の で あ れ ば 、 将 来 的 に マ イ ク ロ ・ ペ イ メ ン ト と し て 一 定 の 地 歩 を 築 く 可 能 性 が あ る 。 た だ 、 そ の 場 合 で あ っ て も 、 現 金 選 好 が 際 立 っ て 高 い わ が 国 に お い て 、 現 金 需 要 全 体 に ま で 大 き な 影 響 を 及 ぼ す か ど う か は 、 現 時 点 で は 見 定 め 難 い 。 日 本 銀 行 は 、 電 子 マ ネ ー の 持 つ 潜 在 成 長 性 と 、 リ ス ク や 課 題 の 双 方 を 念 頭 に 置 き つ つ 、 現 金 等 そ の 他 の 決 済 手 段 を 含 め 、 小 口 決 済 手 段 が 全 体 と し て 安 全 で 効 率 的 に 利 用 さ れ る よ う 、 必 要 な 働 き か け を し 、 ま た 、 日 本 銀 行 自 身 の 取 組 み を 行 っ て い き た い と 考 え て い る 。 ( キ ャ ッ シ ュ カ ー ド や イ ン タ ー ネ ッ ト ・ バ ン キ ン グ の 情 報 セ キ ュ リ テ ィ 強 化 に 向 け た 動 き ) 2006 年 中 、キ ャ ッ シ ュ カ ー ド の 情 報 セ キ ュ リ テ ィ を 強 化 す る 観 点 か ら 、 金 融 機 関 で は 、 IC カ ー ド 化 、 生 体 認 証 を 導 入 す る 動 き が 続 い た 。 ま た 、 普 及 率 の 引 上 げ を 図 る た め 、 こ う し た 新 た な セ キ ュ リ テ ィ 手 段 間 で の 相 互 運 用 性 を 改 善 す る 動 き が み ら れ た 。 イ ン タ ー ネ ッ ト ・ バ ン キ ン グ 犯 罪 に つ い て は 、 被 害 件 数 は 漸 増 傾 向 に あ る 中 、 金 融 機 関 の 間 で セ キ ュ リ テ ィ 確 保 を 経 営 戦 略 と と ら え 、 本 人 認 証 強 化 等 に よ り 差 別 化 を 図 ろ う と す る 動 き が み ら れ て い る 。 Ⅳ .日 本 銀 行 当 座 預 金 ・ 現 金 供 給 サ ー ビ ス の 見 直 し 金 融 機 関 の 現 金 取 扱 い を 巡 る 環 境 は 、 現 金 事 務 の 営 業 店 か ら の 切 離 し や 現 金 事 務 の 警 備 輸 送 会 社 へ の 委 託 の 拡 が り な ど 、 近 年 、 大 き く 変 化 し て き て い る 。こ う し た 状 況 を 踏 ま え て 、日 本 銀 行 は 、2006 年 7 月

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に 設 置 し た 「 当 座 預 金 ・ 現 金 供 給 サ ー ビ ス の 見 直 し に 関 す る タ ス ク フ ォ ー ス 」 に お い て 、 こ れ ら サ ー ビ ス に 関 す る 見 直 し 案 を 検 討 し て き た が 、2007 年 5 月 、市 中 協 議 を 踏 ま え 、現 金 供 給 を 始 め と す る 当 座 預 金 サ ー ビ ス を 、よ り 柔 軟 に 利 用 可 能 な よ う 、「 取 引 拠 点 の 柔 軟 化 」と「 現 金 授 受 事 務 の 担 い 手 の 拡 大 」 を 2 つ の 柱 と す る 新 た な 仕 組 み を 導 入 す る こ と と し た 。 ( 取 引 拠 点 の 柔 軟 化 ) こ れ ま で 日 本 銀 行 は 、 取 引 先 金 融 機 関 に 当 座 預 金 サ ー ビ ス を 提 供 す る に 当 た っ て は 、 当 座 預 金 口 座 を 開 設 す る 日 本 銀 行 本 支 店 の 業 務 区 域 内 に 、 当 該 取 引 先 金 融 機 関 の 「 本 店 ま た は 支 店 」 が 存 在 す る こ と を 求 め 、 こ れ を 、 日 銀 小 切 手 の 振 出 し を 始 め と す る 各 種 取 引 の 拠 点 と し て 扱 っ て き た 。 今 回 、 金 融 機 関 の 拠 点 が 多 様 に な っ て い る こ と に 対 応 し て 従 来 の 扱 い を 見 直 し 、「 当 座 預 金 口 座 の 開 設 に 当 た っ て は 、勘 定 店 の 業 務 区 域 内 に『 一 定 の 条 件 を 満 た し た 取 引 拠 点 』が 存 在 す れ ば 足 り る 」 と す る こ と と し た 。 ( 現 金 授 受 事 務 の 担 い 手 の 拡 大 ) こ れ ま で 日 本 銀 行 は 、 取 引 先 金 融 機 関 が 勘 定 店 と の 間 で 現 金 を 授 受 し よ う と す る 場 合 、 取 引 先 金 融 機 関 自 身 の 職 員 が そ の 事 務 を 行 う か 、 仮 に 他 者 に 委 託 す る 場 合 で も 、 原 則 と し て 「 当 該 取 引 先 金 融 機 関 の 100% 事 務 子 会 社 」に 限 る 扱 い と し て い た 。日 本 銀 行 で は 、現 金 輸 送 事 務 を 警 備 輸 送 会 社 に 委 託 す る 金 融 機 関 が 一 段 と 増 加 し て い る こ と を 踏 ま え 、現 在 の 取 扱 い を 見 直 し 、「 取 引 先 金 融 機 関 が 、そ の 取 引 拠 点 と 勘 定 店 と の 間 の 現 金 授 受 事 務 を 委 託 で き る 者 の 範 囲 を 、『 一 定 の 条 件 を 満 た し た 警 備 輸 送 会 社 等 』 に ま で 拡 大 す る 」 こ と と し た 。 こ れ に よ り 、 例 え ば 、 取 引 先 金 融 機 関 と 資 本 関 係 の な い 警 備 輸 送 会 社 等 の 職 員 が 、 単 独 で 、 当 該 取 引 先 金 融 機 関 が 振 出 し た 日 銀 小 切 手 を 勘 定 店 に 搬 送 ・ 呈 示 し 、 現 金 を 持 ち 帰 る こ と が 可 能 と な る 。

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第 1 部 主 な 決 済 シ ス テ ム に お け る 2006 年 中 の 決 済 の 動 向 第 1 章 概 況 2006 年 入 り 後 、 わ が 国 の 各 決 済 シ ス テ ム ( 資 料 編 ・ 図 表 1 を 参 照 ) が 取 り 扱 う 決 済 金 額 ・ 件 数 は 、 量 的 緩 和 政 策 の 解 除 や 政 策 金 利 の 引 上 げ と い っ た 金 融 政 策 の 変 更 や 景 気 拡 大 を 背 景 と し た 各 種 金 融 市 場 に お け る 取 引 増 加 等 か ら 、 増 加 あ る い は 高 水 準 で 推 移 し た 。 以 下 、本 章 で は 、日 本 銀 行 が 運 営 す る 日 本 銀 行 当 座 預 金 決 済( 以 下 、 「 日 銀 当 座 預 金 決 済 」 と い う ) お よ び 国 債 決 済 と 、 民 間 の 資 金 ・ 証 券 決 済 シ ス テ ム に お け る 決 済 動 向 を 概 観 す る 1 。 第 1 節 資 金 決 済 の 動 向 1 . 日 銀 当 座 預 金 決 済 日 銀 当 座 預 金 決 済 は 、 金 融 機 関 間 で 行 わ れ る 資 金 取 引 の 決 済 や 、 国 債 等 証 券 取 引 の 代 金 決 済 、 民 間 時 点 ネ ッ ト 決 済 シ ス テ ム の 最 終 尻 の 決 済 な ど に 利 用 さ れ て い る 。 同 決 済 は 、 日 本 銀 行 が 運 営 す る 日 本 銀 行 金 融 ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム( 以 下 、「 日 銀 ネ ッ ト 」と い う )に よ っ て 処 理 さ れ て い る 。 日 銀 当 座 預 金 決 済 は 、2002 年 を ボ ト ム に 緩 や か な 増 加 傾 向 に あ っ た が 、2006 年 3 月 の 量 的 緩 和 政 策 の 解 除 以 降 、国 債 レ ポ な ど 市 場 取 引 の 活 発 化 に 伴 い 、そ の 水 準 を 大 き く 切 り 上 げ て き た 。2006 年 中 の 決 済 金 額 は 前 年 比+15.8% の 102 兆 円 、 決 済 件 数 は 同 +3.4% の 2.2 万 件 と 、 大 幅 な 伸 び を 記 録 し た 2 。 ま た 、2007 年 入 り 後 も 、 決 済 金 額 に つ い て は 3 月 に 、2001 年 1 月 の 即 時 グ ロ ス 決 済( Real Time Gross Settlement、以 下 、「RTGS」 と い う ) へ の 変 更 後 の 既 往 ピ ー ク ( 188 兆 円 ) を 記 録 し た ほ か 、 決 済 件 数 も 1 月 の 投 資 信 託 の 証 券 資 金 同 時 受 渡 ( Delivery versus Payment、 以 下 、「 DVP」 と い う ) の 開 始 も あ っ て 大 き な 伸 び を 示 す な ど 、 増 勢 が 続 い て い る ( 図 表 1-1、 後 掲 BOX1-1 参 照 )。 1 各 決 済 制 度 に 関 す る 詳 細 な 解 説 、 お よ び 1990 年 代 以 降 の 長 期 的 な 決 済 金 額 ・ 件 数 の 推 移 に つ い て は 、日 本 銀 行「 決 済 シ ス テ ム レ ポ ー ト 2005」( 2006 年 3 月 )を 参 照 。日 本 銀 行 ホ ー ム ペ ー ジ (http://www.boj.or.jp/) に 掲 載 。 2 本 文 お よ び 図 表 中 の 計 数 は 、 特 に 断 り の な い 限 り 、 1 営 業 日 平 均 、 片 道 ベ ー ス ( 振 替 で あ れ ば 、 入 金 か 引 落 し の い ず れ か )。 な お 、2007 年 中 の 計 数 は 、 2007 年 1~ 3 月 の 実 績 に 基 づ く 。

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図 表 1-1 日 銀 当 座 預 金 決 済 の 推 移 ( 注 )折 れ 線 グ ラ フ は 各 月 の 1 営 業 日 平 均 、 水 平 線 は 期 間 中 の 1 営 業 日 平 均 を 表 す 。 以 下 同 じ 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 50 60 70 80 90 100 110 120 130 01 02 03 04 05 06 07 1.7 1.9 2.1 2.3 2.5 2.7 2.9 3.1 3.3 兆円 万件 年 金額(左目盛) 件数(右目盛) 量的緩和解除 2006 年 中 の 決 済 金 額 の 内 訳 を み る と 、国 債 決 済 に 連 動 す る 資 金 決 済 ( 国 債 DVP) の 寄 与 ( 前 年 比 寄 与 度 +7.4% ) が 顕 著 な ほ か 、 コ ー ル 取 引 等 の 資 金 決 済 ( 振 替 決 済 )、 外 国 為 替 円 決 済 制 度 ( 以 下 、「 外 為 円 制 度 」 と い う ) の も と で の 資 金 決 済 ( 外 為 円 決 済 )、 振 替 社 債 等 ( 電 子 CP、社 債 等 )取 引 に 関 す る 資 金 決 済( 振 替 社 債 等 DVP)の 寄 与( そ れ ぞ れ 同+3.3% 、 +2.0% 、 +3.6% ) が 目 立 つ ( 図 表 1-2)。 図 表 1-2 日 銀 当 座 預 金 決 済 の 内 訳 ( 注 )「 振 替 決 済 」 は 主 に コ ー ル 取 引 の 資 金 決 済 、「 国 債 DVP」 は 国 債 DVP に 伴 う 代 金 決 済 、「 振 替 社 債 等 DVP」 は 振 替 社 債 等 DVP に 伴 う 代 金 決 済 、「 外 為 円 決 済 」 は 外 為 円 制 度 の も と で の 資 金 決 済 、「 集 中 決 済 」は 民 間 資 金 決 済 シ ス テ ム ( 除 く 外 為 円 制 度 ) の 最 終 尻 の 決 済 、「 そ の 他 」 は 金 融 機 関 と 日 本 銀 行 と の 資 金 決 済 等 を 表 す 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 0 20 40 60 80 100 120 140 01 02 03 04 05 06 07 振替決済 国債DVP 振替社債等DVP 外為円決済 集中決済 その他 年 兆円

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2 . 民 間 資 金 決 済 外 為 取 引 に 関 す る 円 決 済 は 、 主 に 、 東 京 銀 行 協 会 ( 以 下 、「 東 銀 協 」 と い う )が 運 営 す る 外 為 円 制 度 と 、ド ル/円 取 引 な ど の 2 通 貨 取 引 を 対 象 と す る ク ロ ス ボ ー ダ ー の 多 通 貨 決 済 シ ス テ ム で あ る CLS( Continuous Linked Settlement) を 通 じ て 行 わ れ て い る 。 外 為 円 制 度 、CLS( 円 取 引 分 ) の 取 扱 金 額 は 、 と も に 外 為 取 引 の 拡 大 を 背 景 に 増 加 基 調 で 推 移 し 、2006 年 中 は 、外 為 円 制 度 の 取 扱 金 額 が 前 年 比+8.6% の 18 兆 円 、CLS が 同 +31.7% の 30 兆 円 と な っ た 。外 為 円 制 度 は 、2002 年 以 降 、CLS へ の 対 象 取 引 の 移 行 が 続 く 中 、減 少 傾 向 を 辿 っ て き た が 、 こ う し た 移 行 が ほ ぼ 一 巡 し た こ と に 加 え 、 外 為 円 制 度 の 対 象 で あ る ユ ー ロ 円 取 引 が 活 発 化 し た こ と も あ り 、5 年 振 り に 増 加 し た 。2007 年 入 り 後 は 、両 決 済 シ ス テ ム と も に 一 段 と 増 勢 を 強 め て い る ( 図 表 1-3)。 図 表 1-3 外 為 決 済 の 推 移 ( 出 所 ) 東 銀 協 、CLS 0 10 20 30 40 50 01 02 03 04 05 06 07 兆円 年 CLS(円取引分) 外為円制度 量的緩和解除 全 国 銀 行 内 国 為 替 制 度( 以 下 、「 内 為 制 度 」と い う )は 、振 込 、送 金 な ど 国 内 の 為 替 取 引 の た め 、 参 加 者 間 の 為 替 通 知 の 授 受 お よ び 資 金 決 済 を 集 中 的 に 行 う 制 度 で あ り 、 東 銀 協 が 運 営 す る 全 銀 シ ス テ ム に よ っ て 処 理 さ れ て い る 。内 為 制 度 の 取 扱 金 額 は 、2003 年 以 降 、漸 増 傾 向 を 辿 っ て い る 。 ま た 、2005 年 以 降 は 、 1 件 当 り 金 額 が 緩 や か に 増 加 す る な ど 、 大 口 取 引 が 増 加 し て い る 様 子 が 窺 わ れ る ( 図 表 1-4)。

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図 表 1-4 内 為 決 済 の 推 移 ( 出 所 ) 東 銀 協 2 4 6 8 10 12 14 01 02 03 04 05 06 07 150 175 200 225 250 275 300 兆円 年 取扱金額(左目盛) 1件当り金額(後方12か月移動平均、右目盛) 万円 手 形 交 換 制 度 に つ い て 、 全 国 の 手 形 交 換 の 約 7 割 を 取 り 扱 う 東 京 手 形 交 換 所 の 動 向 を み る と 、取 扱 金 額 は 趨 勢 的 に 減 少 し て い る( 図 表 1-5)。 こ れ は 、 企 業 等 に お い て 、 印 紙 税 負 担 や 手 形 ・ 小 切 手 の 管 理 ・ 受 渡 負 担 を 軽 減 す る た め 、 内 為 制 度 な ど に 決 済 方 法 を 変 更 す る 動 き が 続 い て い る こ と に よ る 。 図 表 1-5 手 形 交 換 高( 東 京 手 形 交 換 所 )の 推 移 ( 出 所 ) 東 銀 協 0 1 2 3 4 5 6 01 02 03 04 05 06 07 400 500 600 700 800 900 1000 兆円 年 取扱金額(左目盛) 1枚当り金額(後方12か月移動平均、右目盛) 万円 第 2 節 証 券 決 済 の 動 向 1 . 国 債 決 済 国 債 決 済( 日 銀 ネ ッ ト に お け る 国 債 の 振 決 口 座 振 替・移 転 登 録 )は 、 国 債 発 行 額 の 増 加 や レ ポ を 含 む 国 債 取 引 の 増 加 に よ り 、 金 額 ・ 件 数 と も に 増 加 を 続 け た 。2005 年 5 月 か ら 日 本 国 債 清 算 機 関( 以 下 、「JGBCC」

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と い う ) が 清 算 業 務 を 開 始 し た こ と で 、 国 債 決 済 の 増 加 ペ ー ス は 幾 分 緩 和 さ れ た も の の 、2006 年 中 の 決 済 金 額( 額 面 ベ ー ス )は 前 年 比 +13.9% の 75 兆 円 、決 済 件 数 は 同 +9.3% の 1.5 万 件 と 、既 往 ピ ー ク を 記 録 し た 。 2007 年 入 り 後 は 、金 額・件 数 と も に 一 段 と 増 勢 を 強 め て い る( 図 表 1-6)。 図 表 1-6 国 債 決 済 の 推 移 ( 注 ) 国 債 決 済 は 、 振 決 口 座 振 替 と 移 転 登 録 の 合 計 を 表 す 。 金 額 は 額 面 ベ ー ス 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 20 30 40 50 60 70 80 90 100 01 02 03 04 05 06 07 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 件数(右目盛) 金額(左目盛) 兆円 万件 年 量的緩和解除 な お 、 国 債 取 引 全 体 に 占 め るJGBCCの 清 算 対 象 取 引 高 の 割 合 ( 額 面 金 額 ベ ー ス ) 3 は 、2006 年 中 は 31% と 、 前 年 か ら 7% ポ イ ン ト 拡 大 し て お り 、仮 にJGBCCが 清 算 業 務 を 行 っ て い な け れ ば 、2006 年 中 の 国 債 決 済 金 額 は 前 年 比+20.4% の 90 兆 円 と な っ て い た 計 算 に な る( 図 表 1-7)。 図 表 1-7 国 債 決 済 の 内 訳 ( 注 )「DVP( う ち JGBCC)」 はJGBCC を 相 手 方 と す る 国 債 DVP 、「 DVP ( 除 く JGBCC)」は そ れ 以 外 の 国 債 DVP を 表 す 。ま た 、「JGBCC 圧 縮 分 」は JGBCC の 清 算 対 象 取 引 高 と 清 算 後 決 済 高 の 差 額 を 表 す 。 い ず れ も 額 面 ベ ー ス 。 ( 出 所 )JGBCC、 日 本 銀 行 0 20 40 60 80 100 120 140 05 06 07 非DVP JGBCC圧縮分 DVP(うちJGBCC) DVP(除くJGBCC) 兆円 年 JGBCC 関連 3 JGBCCを 相 手 方 と し な い 国 債 決 済 と 、 JGBCCの 清 算 対 象 取 引 高 の 合 計 を 国 債 取 引 全 体 と 単 純 に み な し て 試 算 。

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2 . 民 間 証 券 決 済 短 期 社 債 決 済 ( 証 券 保 管 振 替 機 構 ( 以 下 、「JASDEC」 と い う ) に お け る 電 子 CP の 振 替 )は 、手 形 CP か ら の 移 行 に よ り 大 幅 増 と な っ た 2005 年 に 続 き 、 発 行 お よ び 現 先 取 引 の 活 発 化 を 映 じ て 大 幅 な 伸 び を 記 録 し た 。2006 年 中 の 決 済 金 額 ( 額 面 ベ ー ス ) は 前 年 比 +67.9% の 4.6 兆 円 、 決 済 件 数 は 同+62.6% の 953 件 と な っ た 。2007 年 入 り 後 も 、伸 び 率 は 鈍 化 し て い る も の の 、 増 加 傾 向 が 続 い て い る ( 図 表 1-8)。 図 表 1-8 短 期 社 債 決 済 の 推 移 ( 出 所 )JASDEC、日 本 証 券 業 協 会 0 1 2 3 4 5 6 02 03 04 05 06 07 兆円 年 売買金額(含む手形CP) 決済金額 一 般 債 決 済(JASDEC に お け る 一 般 債( 社 債 、地 方 債 、政 府 保 証 債 、 円 建 外 債 等 )の 振 替 。2006 年 1 月 か ら 開 始 )は 、2008 年 1 月 の 登 録 社 債 等 に 関 す る 税 制 優 遇 措 置 の 廃 止 を 控 え 、 既 発 債 の 一 般 債 振 替 制 度 へ の 移 行 が 進 む 中 、 増 加 傾 向 で 推 移 し た 。2006 年 中 の 決 済 金 額( 額 面 ベ ー ス ) は 0.4 兆 円 、 決 済 件 数 は 746 件 と な っ た 。 2007 年 入 り 後 も 、 金 額 ・ 件 数 と も に 増 加 傾 向 が 続 い て い る ( 図 表 1-9)。 こ う し た 中 、1997 年 以 降 、社 債 等 登 録 制 度 の も と で 登 録 機 関 と 証 券 会 社 等 を 結 ぶ オ ン ラ イ ン ・ ネ ッ ト ワ ー ク (JB-Net) を 運 営 し て き た 債 券 決 済 ネ ッ ト ワ ー ク は 、 一 般 債 振 替 制 度 へ の 移 行 処 理 の 完 了 に 伴 い 、 2007 年 4 月 27 日 を も っ て 業 務 を 終 了 の う え 、 解 散 し た ( 第 2 部 第 2 章 第 3 節 1.(1)を 参 照 )。

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図 表 1-9 一 般 債 決 済 の 推 移 ( 出 所 )JASDEC、 JB-Net 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 01 02 03 04 05 06 07 兆円 年 JASDEC JB-Net 2006 年 中 の 株 式 決 済 ( JASDEC に お け る 株 式 の 振 替 ) は 、 株 式 市 場 の 活 況 が 一 服 し た こ と か ら 、 前 年 比 や や 減 少 し た も の の 、 依 然 高 水 準 で 推 移 し 、 決 済 件 数 は 41 億 株 ( 前 年 比 ▲ 0.7% ) と な っ た 。 2007 年 入 り 後 は 、 再 び 増 勢 が 強 ま っ て い る 。( 図 表 1-10)。 こ の 間 、6 つ の 証 券 取 引 所 ( 東 京 、 大 阪 、 札 幌 、 名 古 屋 、 福 岡 、 ジ ャ ス ダ ッ ク ) 取 引 の 清 算 業 務 ( 取 引 所 取 引 分 ) を 行 っ て い る 日 本 証 券 ク リ ア リ ン グ 機 構 ( 以 下 、「JSCC」 と い う ) と 、 取 引 所 取 引 以 外 の 取 引 の 清 算 業 務( 一 般 振 替 分 )を 行 っ て い る ほ ふ り ク リ ア リ ン グ( 以 下 、 「JDCC」と い う )の 清 算 対 象 取 引 高 も 、株 式 決 済 と ほ ぼ 同 様 の 動 き と な っ た 。 図 表 1-10 株 式 決 済 の 推 移 ( 注 )「 振 替 高 」 の う ち 、 取 引 所 取 引 分 は 、 渡 し 方 か ら JSCC お よ び JSCC か ら 受 け 方 へ の 振 替 株 数 、一 般 振 替 分 は 、渡 し 方 か ら 受 け 方(DVP で あ れ ば JDCC) へ の 振 替 株 数 を 計 上 。 ( 出 所 )JASDEC、JSCC、JDCC 0 10 20 30 40 50 60 01 年 02 03 04 05 06 07 億株 振替高 (取引所取引 および一般振替) 清算対象取引高(取引所取引) 清算対象取引高(一般振替)

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【 BOX 1-1】 証 券 決 済 の D V P 国 債 決 済 は 、1994 年 に 日 本 銀 行 が 日 銀 ネ ッ ト で の 資 金 決 済 と 国 債 決 済 を 連 動 さ せ る こ と に よ り DVP を 実 現 し て い る 。2006 年 中 の 国 債 DVP 決 済 金 額 は 、前 年 比+18.5% の 42 兆 円 と な っ た 。 国 債 以 外 の 証 券 に つ い て も 、証 券 決 済 制 度 改 革 の も と 、日 銀 ネ ッ ト( 資 金 決 済 ) と 民 間 証 券 決 済 シ ス テ ム の 連 動 に よ り 、DVP 対 象 取 引 が 順 次 拡 大 し て い る( 第 2 部 第 2 章 第 3 節 2.を 参 照 )。2006 年 中 の 証 券( 除 く 国 債 )DVP 決 済 金 額 は 、短 期 社 債 分 を 主 因 に 増 加 し た( 図 表 B1-1-1)。ま た 、振 替 社 債 等( 短 期 社 債 、一 般 債 、 投 資 信 託 )DVP 決 済 件 数 は 、2007 年 入 り 後 、投 資 信 託 の DVP 開 始 に 伴 い 、 大 き な 伸 び を 示 し た ( 図 表 B1-1-2)。 図 表 B1-1-1 証 券( 除 く 国 債 )DVP の 推 移 ( 出 所 )JSCC、 JDCC、 JASDEC、 JB-Net 0 1 2 03 04 05 06 07 3 4 5 6 投資信託 一般債(登録債) 一般債(振決債) 短期社債 株券等(一般振替) 株券等(取引所取引) 兆円 年 図 表 B1-1-2 振 替 社 債 等 DVP の 推 移 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 0 2 4 6 8 10 12 14 01 02 03 04 05 06 07 振替決済 国債DVP 振替社債等DVP 千件 年

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第 2 章 決 済 リ ス ク へ の 対 応 状 況 本 章 で は 、 第 1 章 で み た 決 済 の 増 加 が 各 決 済 シ ス テ ム の リ ス ク 管 理 の 枠 組 み や 運 営 に 与 え た 影 響 と 対 応 状 況 に つ い て 点 検 し て い く 。 第 1 節 日 銀 当 座 預 金 決 済 に お け る 対 応 状 況 1 . 決 済 進 捗 の 管 理 日 銀 当 座 預 金 決 済 に 利 用 さ れ る 決 済 用 資 金 に は 、 金 融 機 関 の 手 持 ち の 日 銀 当 座 預 金 の ほ か 、 日 本 銀 行 が 提 供 す る 日 中 当 座 貸 越 が あ る 。 日 銀 当 座 預 金 は 、 量 的 緩 和 政 策 の も と 、 そ の 残 高 の 目 標 値 が 順 次 引 き 上 げ ら れ 、2004 年 1 月 か ら 2006 年 3 月 ま で の 間 は 30 兆 円 を 上 回 る 水 準 と な っ て い た 。こ の 間 、日 中 当 座 貸 越 は 20 兆 円 程 度 で 推 移 し 、決 済 用 資 金 は 、ピ ー ク 時 に は 50 兆 円 を 超 え る 水 準 に 達 し た 。量 的 緩 和 政 策 の 解 除 後 は 、 一 転 し て 日 銀 当 座 預 金 の 水 準 が 切 り 下 げ ら れ た こ と で 、 決 済 用 資 金 は 、30 兆 円 程 度 ま で 減 少 し た 。 こ う し た 決 済 用 資 金 の 減 少 と 並 行 し て 、 日 銀 当 座 預 金 決 済 金 額 が 増 加 し た 結 果 、 決 済 用 資 金 の 回 転 率 (=決 済 金 額 /決 済 用 資 金 ) は 、 量 的 緩 和 政 策 の 解 除 直 後 に 大 き く 上 昇 し 、 そ の 後 も 緩 や か な が ら 上 昇 を 続 け て い る ( 図 表 1-11)。RTGS の も と で は 、回 転 率 が 高 く な る ほ ど 、決 済 用 資 金 の 確 保 や 決 済 進 捗 の 管 理 な ど に つ い て 、 各 金 融 機 関 の よ り き め 細 か な 対 応 が 求 め ら れ る こ と と な る 。 図 表 1-11 決 済 金 額 と 決 済 用 資 金 の 関 係 ( 注 )「 日 銀 当 座 預 金 」 は 積 み 期 間 中 の 1 営 業 日 平 均 、「 日 中 当 座 貸 越 」 は 利 用 額 の 日 中 ピ ー ク の 1 営 業 日 平 均 、 「 回 転 率 」 は 日 銀 当 座 預 金 決 済 と 決 済 用 資 金 ( 日 銀 当 座 預 金 と 日 中 当 座 貸 越 の 合 計 ) と の 比 を 表 す 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 0 20 40 60 80 100 120 140 01 02 03 04 05 06 07 0 1 2 3 4 5 6 7 日銀当座預金 日中当座貸越 日銀当座預金決済 回転率(右目盛) 兆円 倍 年

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こ う し た 中 、 コ ー ル 取 引 等 の 資 金 決 済 ( 振 替 決 済 ) の 進 捗 状 況 を み る と 、 取 引 ・ 決 済 の タ イ ミ ン グ に 関 す る 市 場 慣 行 が 基 本 的 に 遵 守 さ れ て お り 4 、 決 済 用 資 金 の 回 転 率 が 大 き く 上 昇 し て い る 環 境 下 に あ っ て も 、 始 業 直 後 に 短 期 集 中 的 に 決 済 す る パ タ ー ン が 維 持 さ れ て い る ( 図 表 1-12)。 図 表 1-12 振 替 決 済 の 決 済 進 捗 ( 注 )1 日 の 振 替 決 済 金 額 を 100 と し た と き の 累 積 決 済 率 を 表 す 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 06/1月 4 7 10 07/1 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 90% 70% 50% 決済金額(右目盛) 兆円 一 方 、 国 債 取 引 に 関 す る 決 済 ( 国 債 DVP) で は 、 国 債 決 済 が 急 増 し た 2006 年 夏 に か け て 、参 加 者 の オ ペ レ ー シ ョ ン が 決 済 の 増 加 に 追 い つ か ず 、 全 体 的 に 決 済 が 後 ず れ す る 傾 向 が み ら れ た 。 も っ と も 、 夏 場 以 降 は 、 遅 延 の 主 因 だ っ た 参 加 者 の オ ペ レ ー シ ョ ン に 改 善 が み ら れ た こ と か ら 、 決 済 が 後 ず れ す る 傾 向 に は 歯 止 め が か か っ て い る 。 こ の よ う に 、 日 銀 当 座 預 金 決 済 で は 、 決 済 用 資 金 の 回 転 率 が 上 昇 す る も と で も 、 金 融 機 関 に よ る 日 中 の 決 済 進 捗 の 管 理 は 適 切 に 行 わ れ て お り 、 全 体 と し て み れ ば 、 引 き 続 き 円 滑 な 決 済 を 実 現 し て い る 。 4 9:00 以 降 遅 く と も 10:00 ま で の 返 金 や 、 約 定 後 1 時 間 以 内 の 資 金 放 出 な ど 。 こ う し た 市 場 慣 行 に よ り 、 振 替 資 金 を 受 け 取 る タ イ ミ ン グ の 不 確 実 性 が 管 理 さ れ て い る 。

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図 表1-13 国 債 DVP の 決 済 進 捗 ( 注 )1 日 の 国 債 DVP 件 数 を 100 と し た と き の 累 積 決 済 率 を 表 す 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 9:00 9:30 10:00 10:30 11:00 11:30 12:00 06/1月 4 7 10 07/1 2 4 6 8 10 12 14 90% 70% 50% 決済件数(右目盛) 千件 2 . 金 融 機 関 ・ 業 態 別 に み た 決 済 の 動 向 日 銀 当 座 預 金 決 済 で は 、 全 体 と し て み れ ば 、 引 き 続 き 円 滑 な 決 済 を 実 現 し て い る 。 し か し 、 こ の 間 に 市 場 参 加 者 が 多 様 化 し 、 決 済 の ネ ッ ト ワ ー ク 構 造 が 変 化 し て き た 結 果 、 決 済 金 額 の 増 加 が 顕 著 な 外 国 銀 行 等 で は( 図 表 1-14)、担 保 制 約 も あ っ て 資 金 調 達 負 担 が よ り 明 確 に 意 識 さ れ る よ う に な っ て き て い る 。 図 表 1-14 業 態 別 の 日 銀 当 座 預 金 決 済 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 0 5 10 15 20 25 30 01 02 03 04 05 06 07 都長銀 地銀 信託 外銀 短資 証券 兆円 年 す な わ ち 、 金 融 機 関 別 に 、2006 年 初 と 2007 年 初 の 振 替 決 済 金 額 を 比 較 す る と 、 こ の 1 年 の 間 に 決 済 金 額 が 増 加 し た 先 は 数 多 く み ら れ る ( 図 表 1-15 中 の 45 度 線 の 上 側 の 点 )。そ の 中 で も 、外 国 銀 行 や 証 券 会 社 の 先 数 の 増 加 が 目 立 つ 。 こ の よ う な 先 で は 、 従 来 よ り も 、RTGS の た め に 必 要 と な る 決 済 用 資 金 が 増 加 し て お り 、 日 中 当 座 貸 越 の 利 用 額

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が 大 き く 拡 大 し て き た ( 図 表 1-16 中 の 棒 グ ラ フ )。 ま た 、 限 界 的 で は あ る が 、 外 国 銀 行 を 中 心 に 、 始 業 直 後 に 集 中 す る コ ー ル マ ネ ー 返 金 の た め の 資 金 調 達 負 担 を 軽 減 す る た め 、 標 準 物 よ り も 返 済 時 限 を 遅 ら せ た コ ー ル 取 引 や 、 外 為 円 制 度 で 決 済 が 行 わ れ る ユ ー ロ 円 取 引 で の 資 金 調 達 を 増 や す 動 き が み ら れ る 。 図 表 1-15 振 替 決 済 の 分 布 ( 注 ) 振 替 決 済 を 対 象 に 、06 年1 月( 横 軸 )と 07 年 1 月 ( 縦 軸 ) に つ い て 、 金 融 機 関 ご と の 決 済 金 額 を 算 出 。 45 度 線 の 上 側 に 位 置 す る 金 融 機 関 は 、1 年 前 と 比 べ て 決 済 金 額 が 増 加 し た 先 を 表 す 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 地銀 短資 信託 証券 外銀 都銀等 系統 10兆 1年前と比べて決済 金額が増加した先 07年 06年 1億 1兆 10兆 1000億 100億 10億 1000万 1億 10億 100億 1000億 1兆 図 表 1-16 業 態 別 の 日 中 当 座 貸 越 の 利 用 状 況 ( 注 ) 棒 グ ラ フ は 、 プ ラ ス の 場 合 、 こ の 間 に 日 中 当 座 貸 越 の 利 用 額 が 増 加 し た こ と を 、 ○ 印 は 、 各 営 業 日 の ピ ー ク 時 利 用 額 の 期 間 中 平 均 値 を 表 す 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 外銀 証券 信託 都銀 その他 短資 06年第4四半期と第1四半期の変化幅 06年第4四半期ピーク額 兆円 第 2 節 民 間 決 済 に お け る 対 応 状 況 1 . 決 済 リ ス ク の 管 理 外 為 円 制 度 は 、 指 図 交 換 の 受 払 尻 を 一 括 し て 決 済 す る 時 点 ネ ッ ト 決 済 と 、指 図 交 換 の 都 度 、日 銀 当 座 預 金 決 済 と し て 即 座 に 決 済 す る RTGS

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の 、2 つ の 決 済 方 式 を 兼 ね 備 え て い る が 、 基 本 的 に は 、 資 金 調 達 負 担 の 少 な い 時 点 ネ ッ ト 決 済 が 大 部 分(2006 年 中 の 取 扱 金 額 の 73% )を 占 め て い る 。 ま た 、 内 為 制 度 は 、 時 点 ネ ッ ト 決 済 の み に よ っ て 処 理 を 行 っ て い る 。 こ れ ら の 時 点 ネ ッ ト 決 済 は 、 参 加 者 の う ち 1 先 で も 決 済 不 履 行 に 陥 る と 、 そ の 時 点 に 予 定 さ れ て い た 全 て の 参 加 者 の 全 て の 決 済 を 実 行 で き な く な る と い う リ ス ク を 内 包 し て い る 。 そ の た め 、 両 制 度 で は 、 時 点 ネ ッ ト 決 済 の も と で の 参 加 者 の 決 済 不 履 行 に 備 え 、 決 済 エ ク ス ポ ー ジ ャ ー を 一 定 範 囲 に 限 定 す る 、 仕 向 超 過 限 度 額 を 設 定 し て い る 。 各 参 加 者 は 、 当 該 限 度 額 の 範 囲 内 で 指 図 の 授 受 を 行 っ て お り 、 万 が 一 、 不 払 い が 発 生 し た 場 合 に は 、 予 め 選 定 さ れ て い る 流 動 性 供 給 銀 行 が 、 流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 額 の 範 囲 内 で 所 要 の 流 動 性 を 供 給 し 、 当 日 中 に 決 済 を 完 了 す る 仕 組 み ( 流 動 性 供 給 ス キ ー ム ) を 用 意 し て い る 5 。 両 制 度 で は 、 こ れ ま で 金 融 機 関 の 合 併 ・ 統 合 や 外 国 銀 行 か ら 大 手 金 融 機 関 へ の 決 済 委 託 の 増 加 を 背 景 に 、 一 部 の 参 加 者 に 取 扱 い が 集 中 す る 傾 向 が 強 ま っ て き て い る( 図 表 1-17)。こ う し た 中 、取 扱 金 額 が 増 加 す る に つ れ 、 取 扱 い が 集 中 し て い る 先 を 中 心 に 仕 向 超 過 限 度 額 に 抵 触 し 、 指 図 を 一 時 的 に 送 信 で き な い ケ ー ス ( 送 信 遅 延 ) が 増 え て い る 。 図 表 1-17 上 位 3 行 の 取 扱 金 額 シ ェ ア ( 出 所 ) 東 銀 協 0 10 20 30 40 50 60 70 01 年 02 03 04 05 06 % 外為円制度 内為制度 5 外 為 円 制 度 お よ び 内 為 制 度 の リ ス ク 管 理 策 の 詳 細 は 、前 掲 脚 注 1 の 日 本 銀 行「 決 済 シ ス テ ム レ ポ ー ト 2005」( 2006 年 3 月 ) を 参 照 。

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参 加 者 の 仕 向 超 過 限 度 額 を 引 き 上 げ る 場 合 に は 、 引 上 げ 額 に 見 合 う 追 加 担 保 の 差 入 れ を 行 う 必 要 が あ る ほ か 、 こ れ に 伴 っ て 流 動 性 供 給 銀 行 も 流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 額 を 引 き 上 げ る 必 要 が 生 じ 得 る ( 流 動 性 供 給 ス キ ー ム の 課 題 に つ い て は 、BOX1-2 を 参 照 )。 担 保 ・ 資 金 制 約 の 両 面 か ら 限 度 額 の 恒 常 的 な 引 上 げ は 難 し い た め 、 仕 向 超 過 限 度 額 に 抵 触 す る 参 加 者 の 間 で は 、 以 下 の と お り 、 追 加 的 な 資 金 調 達 負 担 を 負 う こ と で 、 時 点 ネ ッ ト 決 済 で の 送 信 遅 延 を 緩 和 し よ う と す る 動 き が 拡 が っ て い る 。 外 為 円 制 度 で は 、 大 幅 な 仕 向 超 過 先 と な る 参 加 者 は 、 限 度 額 管 理 の 対 象 外 と な るRTGSを 利 用 す る こ と で 、時 点 ネ ッ ト 決 済 の 仕 向 超 過 額 が 限 度 額 に 抵 触 し な い よ う に 調 整 し て お り 、 時 点 ネ ッ ト 決 済 の 送 信 遅 延 は 幾 ら か 緩 和 さ れ て い る 6 。RTGSは 、時 点 ネ ッ ト 決 済 よ り も 資 金 調 達 負 担 が 嵩 む た め 、従 来 、時 点 ネ ッ ト 決 済 の 入 力 締 切 時 刻(13:45)に 間 に 合 わ な か っ た 場 合 やCLSの 受 払 尻 決 済( 基 本 的 に 15:00~ 18:00)な ど 、 限 界 的 に 利 用 さ れ る に 止 ま っ て い た が 、 上 位 行 へ の 取 扱 い が 一 段 と 集 中 し た 2006 年 入 り 後 に は 、 そ の 利 用 額 は 著 増 し た ( 図 表 1-18)。 図 表 1-18 時 間 帯 別 の 外 為 円 制 度 RTGS ( 出 所 ) 日 本 銀 行 0 1 2 3 4 5 6 7 8 02 03 04 05 06 07 15:00-13:00-15:00 11:00-13:00 9:00-11:00 兆円 年 6 外 為 円 制 度 に お け る ネ ッ ト 決 済 指 図 の 送 信 率( 2006 年 12 月 の 11 時 時 点 )は 、金 額 ベ ー ス が 34% 、 件 数 ベ ー ス が 70% と な っ て い る 。 外 為 円 制 度 が 定 め て い る 目 標 送 信 率 が 金 額 ベ ー ス 65% 、 件 数 ベ ー ス 55% で あ る こ と を 踏 ま え れ ば 、 参 加 者 に は 、 特 に 金 額 ベ ー ス で 指 図 送 信 を 一 段 と 前 倒 し す る こ と が 求 め ら れ る 。

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内 為 制 度 は 、 前 述 の と お り 時 点 ネ ッ ト 決 済 の み で の 処 理 と な っ て お り 、 全 て の 取 引 を 仕 向 超 過 限 度 額 の 範 囲 内 に 収 め る 必 要 が あ る 。 こ の た め 、 限 度 額 に 抵 触 す る 可 能 性 の あ る 参 加 者 は 、 日 中 に 現 金 担 保 7 を 差 し 入 れ 、 限 度 額 を 一 時 的 に 引 き 上 げ る こ と で 、 送 信 遅 延 を 緩 和 し よ う と す る 動 き を み せ て い る 。 更 に 、 取 扱 い が ピ ー ク と な る 月 末 決 済 日 に は 、 決 済 日 の 前 日 か ら 当 日 に か け て 現 金 担 保 を 差 し 入 れ る 対 応 が と ら れ て い る 。 こ の 結 果 、 決 済 日 の 前 日 ま で に 指 図 の 授 受 を 行 う 先 日 付 取 引 や 、 決 済 日 当 日 の 早 朝 か ら 指 図 の 授 受 を 行 う 取 引 が 仕 向 超 過 限 度 額 に 抵 触 す る 頻 度 は 抑 制 さ れ て い る 。 こ う し た 現 金 担 保 の 差 入 れ は 年 々 増 加 す る 傾 向 に あ る ( 図 表 1-19)。 図 表 1-19 内 為 制 度 の 現 金 担 保 差 入 れ ( 注 ) 水 平 線 は 期 間 中 の 月 中 平 均 を 表 す 。「O/N 差 入 額 」 は 、「 現 金 担 保 差 入 額 」 の う ち 、 決 済 日 の 前 日 か ら 決 済 日 当 日 ま で 差 し 入 れ ら れ た 分 を 表 す 。 ( 出 所 ) 東 銀 協 0 1 2 3 4 5 6 7 8 01 02 03 04 05 06 07 現金担保差入額(月中合計) O/N差入額 年 兆円 こ の よ う に 、 外 為 円 制 度 、 内 為 制 度 で は 、 一 部 の 参 加 者 が 追 加 的 な 資 金 調 達 負 担 を 負 う こ と で 、 時 点 ネ ッ ト 決 済 に 関 す る 厳 格 な リ ス ク 管 理 策 を 維 持 し つ つ 、 制 度 全 体 と し て 円 滑 な 決 済 進 捗 を 実 現 し よ う と し て い る 。 7 現 金 担 保 を 差 し 入 れ る 場 合 は 、証 券 担 保 と 異 な り 、当 該 担 保 を 不 払 い 時 の 流 動 性 と し て そ の ま ま 利 用 で き る た め 、 流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 額 の 引 上 げ は 不 要 と さ れ て い る 。

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【 BOX 1-2】 流 動 性 供 給 ス キ ー ム 各 民 間 決 済 シ ス テ ム に お け る 金 融 機 関 等 の 流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 額 を 単 純 に 合 計 す る と 、 約 4 兆 円 に 上 る ( 図 表 B1-2-1)。 仮 に 、 こ れ ら の 流 動 性 供 給 ス キ ー ム が 全 て 同 時 に 発 動 さ れ た と す る と( 実 際 に は 各 決 済 シ ス テ ム の 決 済 時 刻 が 異 な る た め 、 同 時 に 発 動 さ れ る こ と は な い )、 マ ク ロ 的 に は 、 流 動 性 供 給 銀 行 の 日 銀 当 座 預 金 残 高 と ほ ぼ 同 額 の 資 金 が 必 要 と な る 。流 動 性 供 給 銀 行 の 中 に は 、自 身 の 日 銀 当 座 預 金 残 高 を 上 回 る 流 動 性 供 給 を 約 束 し て い る 先 も 少 な く な く 、市 場 か ら の 機 動 的 な 資 金 調 達 や 日 本 銀 行 か ら の 補 完 貸 付 な ど に よ る 追 加 資 金 な く し て は ス キ ー ム が 成 立 し な い 状 況 と な っ て い る 。 図 表 B1-2-1 流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 39,151 2,208 36,943 日銀当座 預金残高 (07年初) 41,241 5,860 2,000 25,381 8,000 合計 3,540 970 0 2,316 254 その他 37,701 4,890 2,000 23,065 7,746 銀行 合計 その他 CLS 内為 制度 外為円 制度 流動性供給コミットメント額(06年度) 流動性 供給銀行 39,151 2,208 36,943 日銀当座 預金残高 (07年初) 41,241 5,860 2,000 25,381 8,000 合計 3,540 970 0 2,316 254 その他 37,701 4,890 2,000 23,065 7,746 銀行 合計 その他 CLS 内為 制度 外為円 制度 流動性供給コミットメント額(06年度) 流動性 供給銀行 ( 注 ) 単 位 は 億 円 。 ( 出 所 ) 東 銀 協 、CLS、 東 京 金 融 先 物 取 引 所 、 JDCC、 JSCC、 JGBCC こ の た め 、 今 後 、 流 動 性 供 給 銀 行 で は 、 緊 急 時 の 資 金 調 達 の フ ィ ー ジ ビ リ テ ィ を よ り 確 実 に し て い く 必 要 が あ る ほ か 、 各 決 済 シ ス テ ム に お い て も 、 エ ク ス ポ ー ジ ャ ー を 削 減 す る こ と で 、流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 額 自 体 を 縮 小 す る よ う な 取 組 み が 求 め ら れ る 。現 在 、日 本 銀 行 が 進 め て い る 次 世 代 RTGS 構 想 で は 、 外 為 円 制 度 の 完 全 RTGS 化 と 、 内 為 制 度 に お け る 大 口 取 引 の RTGS 化 を 標 榜 し て い る ( 第 2 部 第 1 章 第 2 節 を 参 照 )。 こ れ が 実 現 す れ ば 、 外 為 円 制 度 に つ い て は 流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 自 体 が 不 要 と な る ほ か 、 内 為 制 度 に お い て も 、 仕 向 超 過 額 の 増 加 に つ な が り 易 い 大 口 取 引 が 時 点 ネ ッ ト 決 済 の 対 象 か ら 外 れ る 結 果 、 流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 額 の 大 幅 削 減 が 可 能 と な る 見 込 み で あ る 。 2 . 事 務 処 理 シ ス テ ム 面 の 対 応 状 況 2006 年 中 は 、決 済 の 増 加 に 伴 い 、処 理 時 間 の 確 保 や 事 務 処 理 能 力 の 引 上 げ を 迫 ら れ る 資 金 決 済 ・ 証 券 決 済 シ ス テ ム が み ら れ た 。 内 為 制 度 で は 、 商 慣 習 も あ っ て 、 内 為 決 済 の 月 末 日 へ の 集 中 が 強 ま っ て お り 、 繁 忙 日 と 通 常 日 の 取 扱 量 の 乖 離 が 拡 大 す る 傾 向 に あ る ( 図

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表 1-20)。 ま た 、 日 中 で も 、 始 業 後 の 2~ 3 時 間 に 取 引 が 集 中 す る 傾 向 が み ら れ 、 内 為 決 済 を 処 理 す る 全 銀 シ ス テ ム の 処 理 能 力 に 対 す る 負 荷 が 高 ま っ て い る 。 こ の た め 、 全 銀 シ ス テ ム で は 、2006 年 5 月 か ら 、月 末 日 の 稼 働 開 始 時 刻 を 従 来 の8:30 か ら 7:30 に 1 時 間 繰 り 上 げ る こ と で 、 始 業 直 後 に 集 中 し て い る 指 図 の 送 信 を 分 散 ・ 平 準 化 し 、 こ う し た 負 荷 を 緩 和 し て い る 。 ま た 、1 営 業 日 当 り の 取 扱 件 数 の 増 加 に 対 応 す る た め 、2007 年 中 に も フ ァ イ ル 容 量 の 拡 張 を 予 定 し て い る 。 図 表 1-20 全 銀 シ ス テ ム の ピ ー ク 日 取 扱 量 ( 注 )「 平 均 件 数 」「 平 均 金 額 」 は 送 信 日 ( 全 銀 シ ス テ ム が 指 図 を 受 け 付 け た 日 ) ベ ー ス 、「 ピ ー ク 日 件 数 」「 ピ ー ク 日 金 額 」 は 決 済 日 ( 最 終 尻 の 決 済 を 行 っ た 日 ) ベ ー ス 。 ( 出 所 ) 東 銀 協 0 5 10 15 20 25 91 96 01 06 0 20 40 60 80 100 百万件 兆円 年 ピーク日件数 (左目盛) ピーク日金額 (右目盛) 平均金額(右目盛) 平均件数(左目盛) 一 方 、 証 券 決 済 で は 、 東 京 証 券 取 引 所 の 取 引 が 活 況 と な る 中 、2005 年 後 半 に 株 式 の 売 買 注 文 ・ 約 定 件 数 が 急 増 し た 際 、 そ の 清 算 業 務 を 受 け 持 つ JSCC 側 の シ ス テ ム 増 強 が 間 に 合 わ ず 、2006 年 1 月 18 日 に は 処 理 能 力 を 上 回 る お そ れ が 生 じ た た め 、14:40 以 降 の 売 買 を 停 止 し た 。そ の 後 も 同 4 月 21 日 ま で の 間 、後 場 の 取 引 開 始 時 刻 を 繰 り 下 げ て 、取 引 時 間 を 30 分 短 縮 す る 措 置 を と っ た 。同 5 月 に は 、清 算 シ ス テ ム の 処 理 能 力 が 大 幅 に 引 き 上 げ ら れ た た め 、 現 在 は 十 分 な 余 力 が 確 保 さ れ て い る ( 図 表 1-21)。

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図 表 1-21 東 京 証 券 取 引 所 の 約 定 状 況 と 清 算 シ ス テ ム 能 力 ( 注 )06 年 4 月 以 降 の 「 約 定 件 数( 月 中 ピ ー ク )」は 非 公 表 。 ( 出 所 ) 東 京 証 券 取 引 所 0 2 4 6 8 10 01 02 03 04 05 06 約定件数(1営業日平均) 約定件数(月中ピーク) 清算システム能力 年 百万件 第 3 節 当 面 の 課 題 第 2 節 で み た よ う に 、 日 銀 当 座 預 金 決 済 で は 、 各 金 融 機 関 に よ る 日 中 の 決 済 進 捗 の 管 理 が 適 切 に 行 わ れ て お り 、 全 体 と し て 、 引 き 続 き 円 滑 な 決 済 を 実 現 し て い る 。 ま た 、 各 民 間 決 済 シ ス テ ム で も 、 厳 格 な リ ス ク 管 理 策 を 維 持 し な が ら 、 円 滑 な 決 済 進 捗 を 達 成 す る な ど 、 こ れ ま で の と こ ろ 、 全 体 と し て み れ ば 、 決 済 の 増 加 と い う 環 境 変 化 に 順 応 し て き て い る 。 も っ と も 、 各 金 融 機 関 の レ ベ ル で は 、 決 済 用 資 金 の 調 達 や 決 済 進 捗 の 管 理 に は 、 量 的 緩 和 期 と は 違 っ た 工 夫 が 必 要 と な っ て き て い る 。 ま た 、 民 間 決 済 シ ス テ ム で は 、 決 済 の 増 加 に 伴 い 、 処 理 能 力 の 確 保 に 向 け た 運 用 や シ ス テ ム 対 応 が 必 要 と な っ て き て い る 。 日 本 銀 行 は 、 こ の よ う な 決 済 の た め の 資 金 調 達 負 担 、 決 済 リ ス ク 管 理 負 担 、 事 務 ・ シ ス テ ム 処 理 負 担 が 増 大 す る と い っ た 環 境 変 化 や 、 将 来 予 想 さ れ る 取 引 ・ 決 済 状 況 の 変 化 を 踏 ま え 、 以 下 の よ う な 円 滑 な 決 済 を 実 現 し て い く た め の 仕 組 み や 体 制 作 り に 継 続 的 に 取 り 組 ん で い く 考 え で あ る 。 ま た 、 金 融 機 関 や 決 済 シ ス テ ム 運 営 者 に 対 し 、 リ ス ク 管 理 能 力 や 事 務・シ ス テ ム 処 理 能 力 の 強 化 を 働 き か け て い く 方 針 で あ る 。 1 . 決 済 の た め の 資 金 調 達 負 担 の 観 点 日 本 銀 行 は 、 日 銀 当 座 預 金 決 済 に 関 す る 資 金 調 達 負 担 を 抑 制 し な が ら 、 金 融 機 関 間 で 決 済 用 資 金 を 効 率 的 に 繰 り 回 す 仕 組 み と し て 、 次 世 代 RTGS 構 想 で 掲 げ た 流 動 性 節 約 機 能 の 導 入 を 推 進 し て い く 考 え で あ る 。 こ れ に よ り 、 決 済 用 資 金 の 回 転 率 が 一 段 と 高 ま っ た と し て も 、 円

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滑 な 決 済 が 実 現 す る こ と が 期 待 で き る 。 決 済 用 資 金 を 効 率 的 に 繰 り 回 す た め に は 、 決 済 段 階 だ け で は な く 、 取 引 段 階 で あ る 短 期 金 融 市 場 の 機 能 向 上 に 向 け た 取 組 み も 不 可 欠 で あ る 。こ う し た 観 点 か ら 、日 本 銀 行 は 、短 期 金 融 市 場 の 活 性 化 を 通 じ て 、 市 場 の 厚 み を 確 保 す る 取 組 み を 支 援 し て い く 考 え で あ る 。 2 . 決 済 リ ス ク 管 理 負 担 の 観 点 前 述 の と お り 、 次 世 代 RTGS 構 想 で は 、 外 為 円 制 度 お よ び 内 為 制 度 で 処 理 さ れ て い る 大 口 取 引 を RTGS 化 す る こ と で 、 両 制 度 に お け る 仕 向 超 過 限 度 額 の 削 減 、 ひ い て は 流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 額 の 削 減 を 展 望 し て い る 。 こ の 措 置 に よ り 、 外 為 円 制 度 の 限 度 額 管 理 は 不 要 と な る ほ か 、 内 為 制 度 の 限 度 額 は 大 幅 に 削 減 さ れ る 見 込 み で あ る 。 も っ と も 、 流 動 性 供 給 コ ミ ッ ト メ ン ト 額 が 削 減 さ れ て も 、 各 流 動 性 供 給 銀 行 の 役 割 の 重 要 性 に は 変 わ り は な い 。 日 本 銀 行 は 、 各 流 動 性 供 給 銀 行 が 緊 急 時 の 資 金 調 達 の フ ィ ー ジ ビ リ テ ィ を 確 保 し 、 流 動 性 供 給 ス キ ー ム の 実 効 性 が 保 た れ る よ う 、 今 後 も 働 き か け を 行 っ て い く 考 え で あ る 。 3 . 事 務 ・ シ ス テ ム 処 理 負 担 の 観 点 金 融 市 場 取 引 の 更 な る 活 性 化 の ほ か 、 次 世 代 RTGS 構 想 や 証 券 DVP が 進 展 す る こ と で 、 日 銀 当 座 預 金 決 済 が 今 後 一 段 と 増 加 す る こ と が 見 込 ま れ て い る 。 決 済 量 の 増 加 に 確 実 に 対 応 す る た め 、 日 銀 当 座 預 金 決 済 や 国 債 決 済 を 扱 う 日 銀 ネ ッ ト で は 、 必 要 な 処 理 能 力 が 確 保 で き て い る か 絶 え ず 確 認 を 行 い 、所 要 の 対 応 を 図 っ て い く 方 針 で あ る 。同 様 に 、 全 銀 シ ス テ ム な ど の 民 間 決 済 シ ス テ ム に つ い て も 、 取 扱 い の 増 加 等 を 踏 ま え 、 十 分 な 処 理 能 力 を 確 保 し て お く こ と が 求 め ら れ る 。

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第 2 部 決 済 シ ス テ ム の 改 善 に 向 け た 動 き 第 1 章 日 銀 ネ ッ ト の 改 善 第 1 節 ネ ッ ト ワ ー ク イ ン フ ラ の 高 度 化 日 本 銀 行 は 、 ネ ッ ト ワ ー ク 技 術 の 進 展 や 標 準 化 な ど に 積 極 的 に 対 応 す る 観 点 か ら 、 日 銀 ネ ッ ト の ネ ッ ト ワ ー ク イ ン フ ラ の 高 度 化 を 進 め て い る 8。 1 . 日 銀 ネ ッ ト 新 端 末 の 利 用 開 始 2006 年 11 月 よ り 、日 銀 ネ ッ ト の 新 端 末 の 利 用 が 可 能 と な っ た 9 。新 端 末 で は 、 操 作 性 の 向 上 、 導 入 期 間 の 短 縮 、 調 達 費 用 の 軽 減 等 を 企 図 し 、従 来 の 専 用 端 末 に 代 え て 、汎 用 の パ ソ コ ン を 使 用 し て い る 。ま た 、 端 末 か ら の 取 付 け ・ 取 外 し が 容 易 な 端 末 認 証 装 置 (USBト ー ク ン ) を 活 用 し て 利 用 先 を 特 定 し 認 証 す る 仕 組 み を 採 用 し て い る 。 こ の た め 、 端 末 認 証 装 置 を 差 し 替 え る こ と で 、 他 の 端 末 あ る い は 予 め 通 信 回 線 を 敷 設 し て お い た 他 店 舗 の 端 末 を 活 用 し た 業 務 継 続 が 可 能 と な っ て お り 、 障 害 ・ 災 害 時 に お け る 業 務 継 続 体 制 の 一 段 の 整 備 に も 資 す る も の と い え る 。 2007 年 3 月 末 現 在 、 日 銀 ネ ッ ト の 利 用 先 金 融 機 関 等 約 420 法 人 の う ち 、約 260 法 人 が 新 端 末 の 利 用 を 開 始 し て お り 、2008 年 4 月 頃 ま で に 全 て の 先 に つ い て 新 端 末 へ の 移 行 が 完 了 す る 予 定 で あ る 。 2 . TCP/IP プ ロ ト コ ル に よ る コ ン ピ ュ ー タ 接 続 へ の 移 行 状 況 2005 年 以 降 、日 銀 ネ ッ ト と 金 融 機 関 と の コ ン ピ ュ ー タ 接 続 10 に つ い て は 、 従 来 の 全 銀 協 プ ロ ト コ ル 11 を 用 い た コ ン ピ ュ ー タ 接 続 に 代 わ る も の と し て 、 新 た に 標 準 技 術 で あ るTCP/IPプ ロ ト コ ル12を 用 い た コ ン 8 「 日 銀 ネ ッ ト の ネ ッ ト ワ ー ク イ ン フ ラ の 高 度 化 に つ い て 」( 2002 年 1 月 )、「 日 銀 ネ ッ ト の ネ ッ ト ワ ー ク イ ン フ ラ の 高 度 化 に つ い て ─ 関 係 者 の ご 意 見 ・ ご 提 案 を 踏 ま え て ─ 」 ( 同 年 3 月 ) を 参 照 。 い ず れ も 日 本 銀 行 ホ ー ム ペ ー ジ ( http://www.boj.or.jp/) に 掲 載 。 9 「「 次 期 日 銀 ネ ッ ト 端 末 」の 利 用 開 始 に つ い て 」2006 年 10 月 )。日 本 銀 行 ホ ー ム ペ ー ジ (http://www.boj.or.jp/) に 掲 載 。 1 0 日 本 銀 行 セ ン タ ー と 利 用 先 コ ン ピ ュ ー タ セ ン タ ー を 回 線 接 続 す る こ と に よ り 、 端 末 装 置 を 介 さ ず に 直 接 デ ー タ の 送 受 信 を 可 能 と す る 接 続 方 式 。 1 1 日 本 独 自 の 通 信 手 段 で あ る 全 銀 協 標 準 通 信 プ ロ ト コ ル 。

1 2 Transmission Control Protocol/Internet Protocolの 略 。現 在 国 際 標 準 と し て 広 く 利 用 さ れ て い る イ ン タ ー ネ ッ ト の 標 準 通 信 プ ロ ト コ ル 。

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ピ ュ ー タ 接 続 の 利 用 も 可 能 と し て い る 。2007 年 3 月 末 時 点 で は 、既 に コ ン ピ ュ ー タ 接 続 を 利 用 す る 金 融 機 関 45 先 の う ち 約 8 割 に 当 た る 35 先 が 新 方 式 の 利 用 を 開 始 し て お り ( う ち 5 先 は 新 規 に コ ン ピ ュ ー タ 接 続 の 利 用 を 開 始 )、 残 る 先 に つ い て も 、 後 述 す る 次 世 代RTGS構 想 の 第 1 期 対 応 の 稼 動 開 始( 2008 年 10 月 予 定 )ま で に TCP/IPプ ロ ト コ ル を 用 い た コ ン ピ ュ ー タ 接 続 へ の 移 行 が 完 了 す る 予 定 で あ る 。 こ う し た ネ ッ ト ワ ー ク イ ン フ ラ に お け る 標 準 技 術 の 採 用 は 、 利 用 可 能 な ハ ー ド ウ ェ ア お よ び ソ フ ト ウ ェ ア の 選 択 肢 を 拡 げ 、 日 銀 ネ ッ ト と 利 用 先 シ ス テ ム 間 の 親 和 性 向 上 や 接 続 費 用 の 削 減 と い っ た 効 果 を も た ら す こ と が 期 待 さ れ る 。 第 2 節 次 世 代 RTGS の 推 進 日 本 銀 行 は 、 ① 日 銀 当 座 預 金 上 の RTGS 処 理 に 流 動 性 節 約 機 能 を 導 入 す る こ と ( 図 表 2-1)、 ② 現 在 、 民 間 決 済 シ ス テ ム を 通 じ て 時 点 ネ ッ ト 決 済 で 処 理 さ れ て い る 大 口 資 金 取 引 に つ い て も 、 流 動 性 節 約 機 能 を 備 え た 日 銀 当 座 預 金 上 で RTGS 処 理 で き る よ う に す る こ と( 図 表 2-2)、 の 2 点 を 内 容 と す る 次 世 代 RTGS 構 想 の 実 現 に 向 け 、 シ ス テ ム 開 発 等 を 進 め て い る 。 図 表 2-1 流 動 性 節 約 機 能 に よ る 決 済 の 例 二 参 加 者 間 の 場 合 多 参 加 者 間 の 場 合 二 参 加 者 間 の 決 済 可 能 な 組 合 せ の 探 索 は 、 新 規 支 払 指 図 の 投 入 の 都 度 、 多 参 加 者 間 は 一 定 時 刻 に 行 う 。 上 の 例 で は 、 支 払 指 図 を 単 独 で 決 済 し よ う と し た 場 合 は 残 高 不 足 と な る が 、 受 取 予 定 資 金 も 含 め る と 決 済 が 可 能 と な る こ と が わ か る 。 A 銀 行 残 高 1 0 B 銀 行 残 高 0 3 0 の 支 払 2 0 の 支 払 同 時 決 済 B 銀 行 残 高 0 C 銀 行 残 高 2 0 A 銀 行 残 高 1 0 3 0 の 支 払 4 0 の 支 払 2 0 の 支 払 同 時 決 済 次 世 代RTGSが も た ら す 効 果 は 、単 な る 流 動 性 の 節 約 や 時 点 ネ ッ ト 決 済 に 内 在 す る シ ス テ ミ ッ ク・リ ス ク の 削 減 に 止 ま ら ず 、す く み の 解 消 、

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日 中 エ ク ス ポ ー ジ ャ ー の 削 減 、 流 動 性 シ ョ ッ ク へ の 耐 性 向 上 、 大 口 資 金 の ( 日 銀 当 座 預 金 で の ) 一 体 処 理 に よ る 資 金 繰 り の 効 率 化 な ど 多 岐 に わ た る 。 こ れ ら の 効 果 が 十 分 に 発 揮 さ れ れ ば 、 決 済 に 要 す る 流 動 性 の 節 減 を 図 り つ つ( 効 率 性 の 向 上 )、日 中 エ ク ス ポ ー ジ ャ ー の 削 減( 安 全 性 の 改 善 ) を 同 時 に 達 成 す る こ と が で き る 13。 図 表 2-2 RTGS の 対 象 範 囲 拡 大 の イ メ ー ジ 計 数 は 2 0 0 6 年 中 の 1 営 業 日 平 均 の 決 済 金 額 次 世 代 RTGS で は 、 関 係 者 の 負 担 や リ ス ク を 考 慮 し 、 2 段 階 で の 対 応 を 予 定 し て お り 、2006 年 度 は 、主 に 第 1 期 対 応( 流 動 性 節 約 機 能 の 導 入 と 外 為 円 取 引 の 完 全 RTGS 化 ) に 関 す る 日 銀 ネ ッ ト の 仕 様 や 、 次 世 代 RTGS 後 の 市 場 慣 行 の 検 討 を 中 心 に 作 業 が 進 展 し た 。 第 2 期 対 応 ( 大 口 内 為 取 引 の RTGS 化 ) は 、 2007 年 度 中 に 予 備 検 討 を 開 始 す る 予 定 で あ る 。 日 本 銀 行 は 、2006 年 12 月 に 日 銀 ネ ッ ト の 仕 様 等 を 公 表 す る と と も に 、 2007 年 1 月 に は コ ン ピ ュ ー タ 接 続 に 関 す る 仕 様 書( 暫 定 版 )を 開 示 し た 。 ま た 、2006 年 6 月 か ら 刊 行 を 始 め た 「 次 世 代 RTGS プ ロ ジ ェ ク ト 通 信 」 を 通 じ て 、 プ ロ ジ ェ ク ト の ス ケ ジ ュ ー ル 、 新 機 能 の 活 用 や 運 用 上 の 留 意 点 、 仕 様 に 対 す る 意 見 交 換 の 結 果 、 市 場 慣 行 の 検 討 状 況 等 の 情 報 提 供 を 続 け て お り 、2007 年 3 月 に は 、 稼 働 開 始 予 定 日 ( 2008 年 10 月 ) や 総 合 運 転 試 験 等 に つ い て 具 体 的 な ス ケ ジ ュ ー ル を 公 表 し た 。 1 3 「 日 本 銀 行 当 座 預 金 決 済 の 新 展 開 ─ 次 世 代 RTGS構 想 の 実 現 に 向 け て ─ 」( 2006 年 9 月)を 参 照 。 日 本 銀 行 ホ ー ム ペ ー ジ ( http://www.boj.or.jp/) に 掲 載 。 ネ ッ ト 尻 ネ ッ ト 尻 : R T G S の 対 象 範 囲 : 時 点 ネ ッ ト 決 済 の 対 象 範 囲 内 為 取 引 1 0 兆 RTGS= 約 10 0 兆円 日 銀 当 預 決 済 R T G S 1 0 2 兆 円 外 為 円 取 引 1 8 兆 現 行 イ メ ー ジ RTGS=約 130 兆 円 日 銀 当 預 決 済 R T G S 1 0 2 兆 円 小 口 内 為 取 引 大 口 内 為 取 引 外 為 円 取 引 1 8 兆 将 来 イ メ ー ジ

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こ の 間 、 短 期 金 融 市 場 取 引 活 性 化 研 究 会 ( 以 下 、「 短 取 研 」 と い う ) や 東 銀 協 で は 、 日 銀 ネ ッ ト の 仕 様 等 の 確 認 と 並 行 し て 、 次 世 代RTGS の も と で の 市 場 慣 行 の 検 討 を 進 め た 14 。 短 取 研 で は 、 市 場 取 引 に 関 す る 市 場 参 加 者 行 動 の あ り 方 に つ い て 検 討 を 行 い 、2007 年 3 月 に は 「 次 世 代 RTGS後 の 市 場 慣 行 ( 暫 定 版 )」 を 取 り ま と め た 。 同 資 料 は 、 ① 広 範 な 参 加 者 が 「 日 銀 当 座 勘 定 ( 同 時 決 済 口 )」15 を 通 じ て 、市 場 取 引 を 含 め た 幅 広 い 大 口 資 金 の 決 済 を 行 う こ と が 望 ま し い 、 ② 市 場 取 引 を 迅 速 か つ 優 先 的 に 決 済 す る こ と が 望 ま し い 、 ③ 指 図 投 入 前 に は 、 必 要 な 流 動 性 を 予 め 用 意 し て お く こ と が 適 当 で あ る 、 と い う 基 本 的 な 考 え 方 に 沿 っ て 、 具 体 的 な 対 応 を 取 り ま と め て い る 。 ま た 、 東 銀 協 で は 、 外 為 円 取 引 の 取 扱 い に つ い て 、2006 年 10 月 の 中 間 取 り ま と め で 、 外 為 円 取 引 の 決 済 方 法 (CLS関 連 取 引 を 除 き 、 日 銀 当 座 勘 定( 同 時 決 済 口 )で 決 済 を 行 う )、入 力 締 切 時 刻 や 優 先 度 指 定 機 能 の 適 用 ル ー ル 等 を 策 定 し 、 そ の 後 、 決 済 の 円 滑 な 進 捗 を 実 現 す る た め 、 現 行 の 紳 士 協 定 16 に 準 じ た 申 合 せ を 検 討 し て き た 。 日 本 銀 行 と し て は 、 取 引 先 金 融 機 関 や 民 間 決 済 シ ス テ ム の 運 営 主 体 な ど 関 係 者 と の 緊 密 な 連 携 の も と 、 引 き 続 き 次 世 代 RTGS 構 想 の 推 進 に 注 力 し て い く 方 針 で あ る 。 1 4 「 次 世 代 RTGSプ ロ ジ ェ ク ト 通 信 ( 第 3 号 )」 を 参 照 。 日 本 銀 行 ホ ー ム ペ ー ジ (http://www.boj.or.jp/) に 掲 載 。 1 5 従 来 の 当 座 勘 定 や 、 国 債 DVP同 時 担 保 受 払 機 能 を 提 供 す る 当 座 勘 定 ( 同 時 担 保 受 払 時 決 済 口 ) と は 別 に 新 設 す る 流 動 性 節 約 機 能 専 用 の 口 座 。 1 6 午 前 11 時 ま で に 1 日 の 外 為 円 取 引 の ネ ッ ト 決 済 支 払 指 図 の 取 扱 量 の う ち 件 数 の 65%、 金 額 の 55%を 送 信 す る 。

図 表 1-1  日 銀 当 座 預 金   決 済 の 推 移 ( 注 )折 れ 線 グ ラ フ は 各 月 の 1 営 業 日 平 均 、 水 平 線 は 期 間 中 の 1 営 業 日 平 均 を 表 す 。 以 下 同 じ 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 5060708090100110120130 01 02 03 04 05 06 07 1.71.92.12.32.52.72.93.1兆円万件3.3年金額(左目盛)件数(右目盛)量的緩和解除 2006 年 中 の 決 済 金 額 の 内 訳
図 表 1-4  内 為 決 済 の 推 移   ( 出 所 ) 東 銀 協 2468101214 01 02 03 04 05 06 07 150175200225250275兆円300年取扱金額(左目盛)1件当り金額(後方12か月移動平均、右目盛)万円   手 形 交 換 制 度 に つ い て 、 全 国 の 手 形 交 換 の 約 7 割 を 取 り 扱 う 東 京 手 形 交 換 所 の 動 向 を み る と 、取 扱 金 額 は 趨 勢 的 に 減 少 し て い る( 図 表 1-5)。 こ
図 表 1-9 一 般 債 決 済 の   推 移 ( 出 所 ) JASDEC、 JB-Net  0.00.20.40.60.81.01.2 01 02 03 04 05 06 07兆円年JASDECJB-Net 2006 年 中 の 株 式 決 済 ( JASDEC に お け る 株 式 の 振 替 ) は 、 株 式 市 場 の 活 況 が 一 服 し た こ と か ら 、 前 年 比 や や 減 少 し た も の の 、 依 然 高 水 準 で 推 移 し 、 決 済 件 数 は 41 億 株
図 表 1-13  国 債 DVP の 決 済 進 捗 ( 注 ) 1 日 の 国 債 DVP 件 数 を 100 と し た と き の 累 積 決 済 率 を 表 す 。 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 9:009:3010:0010:3011:0011:3012:00 06/1月 4 7 10 07/1 2468 101290%1470%50%決済件数(右目盛)千件 2 . 金 融 機 関 ・ 業 態 別 に み た 決 済 の 動 向     日 銀 当 座 預 金 決 済 で は 、 全 体 と
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