説明書
研究課題 「2 型糖尿病患者の歯周治療による血糖改善効果」 にご協力ください。 2 型糖尿病とは ① インスリンの出る量が少なくなって起こる病気。 ② 肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じなくなる(インスリ ンの働きが悪い)ために、ブドウ糖がうまく取り入れられなくなって起こ る病気。 インスリンとは からだの中で唯一血糖を下げるホルモンで、食後に血糖が上がらないように、 調節するはたらきがあります。それに、血液中のブドウ糖をからだの細胞に送 り込んで、活動エネルギーに変えたり、脂肪やグリコーゲンというものに変え て、エネルギーとしてたくわえておくようにする働きがあります。 研究の目的 糖尿病患者は歯周病(歯槽膿漏)を高頻度に発症することから糖尿病の合併 症として捉えられています。2 型糖尿病は、血糖を下げる唯一のホルモンである インスリンの分泌量が低下する、もしくはインスリンの効きが悪くなること(=インスリン 抵抗性)が原因です。歯周病と糖尿病の関連としては、糖尿病患者が合併してい る歯周病が、インスリン抵抗性を介して糖尿病治療時の血糖コントロールを妨 げることがわかっています。実際に重度に進行した2 型糖尿病患者に対して歯 周治療を行うことでHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー;過去 1~2 ヶ月間の 平均的な血糖値を反映する糖尿病の指標)は1%前後改善するといわれていま す。この研究は、血糖降下薬を使用している患者様について、歯周治療の糖尿病に 対する改善効果を調べます。 研究の概要 研究へのご参加をご同意いただいたあなたには、まず糖尿病の状態と歯周病の 状態を把握するため ① 採血 ② 食事負荷試験 ③ 歯周基本検査 ④ 口臭測定 を受けていただきます。 糖尿病の病状と口腔内の状態を説明した上で、歯周治療が必要と判断された患 者様には治療の概要および負担額をお話させていただきます。説明後、治療を受 けない選択も可能です。治療の承諾が得られた患者様は、歯周病治療を行います。 歯周治療を受けない選択をされた場合、3 か月後に採血、食事負荷試験、歯周基 本検査、口臭測定を行い病状が悪化していないかどうかを確認させていただきます。 その後治療希望がありましたら、研究対象外となりますが治療をうけることは可能で す。
3 か月後 基準に合致し試験に参加することの同意を得られた患者に食事負荷試験、3 日間 連続の 1 日 7 回の血糖測定(毎食前、毎食 2 時間後、寝る前)を 1 週間以内に行 います。採血の目的は糖尿病の評価(血糖値など)、糖尿病に影響を与える因子 (炎症の程度、歯周病菌の血清抗体の程度など)の評価を行うためです。 低血糖または本試験に伴う何らかの異常や不都合があった場合は試験を中 止致します。
(歯周基本検査)
歯周病は歯の根もと『歯根』と歯肉の すきまである『ポケット』の深さと関連 健康な歯ぐき;1~2mm 歯周病;4mm 以上 があります。 もし歯ぐきから出血があれば、このように 器具を使ってポケットの深さをはかって 歯周病の度合いを検査します。検査時に 痛みがあること歯肉からの出血や、歯の ぐらつき度を調べます。 ① 採血 ② 食事負荷試験 ③ 歯周基本検査 ④ 口臭測定 歯周治療開始 3 か月週間 糖尿病治療中 糖尿病治療中 ⑤ 採血 ⑥ 食事負荷試験 ⑦ 歯周基本検査 ⑧ 口臭測定(口臭測定)
↑シリンジ(小さな筒)に息を少しとり、機械に注 入して分析します
(歯周治療)
歯石が多く沈着しており、歯肉に炎症 が がある状態。 歯石沈着 (歯周治療前) 歯石除去が行われ、歯肉の炎症が 改善した状態。 (歯周治療後) 期待される利益/予想される不利益 歯周病が改善することで糖尿病の状態も改善することが期待されます。歯周治療 のため外来通院が必要です。歯周治療は保険の範囲内で治療費がかかりますので、 治療前に治療費の説明をさせて頂きます。歯周治療を受けない選択をされた場合 は、歯周病が悪化する可能性がありますが 3 か月後に再度歯周病の状態、糖尿病 の状態を再度説明させて頂きます。その後でも歯周病の治療を受けることは可能で す。また、本試験に参加しない場合でも歯周治療を受けることも可能です。 あなたのデータの取り扱いについて この調査の結果は、医学の向上のために、学会や論文等で発表させていただきま す。その際には、患者様のデータは個人情報保護法に則って取り扱いますので、あな たを特定できる情報が第三者に知られることはありません。また、個人が特定される情 報は一切開示しません。 研究から生じる知的財産権の帰属について 研究の結果として特許権などが生じる例がありますが、その権利は国、研究機関、 民間施設を含む共同研究機関および研究遂行者などに属し、試料提供者には生じま せん。その特許権などをもとにして経済的利益が生じても、これも試料提供者には帰
属しません。 解析に関する費用負担と試料等の提供に対する報酬について あなたの医療費の負担については、通常の保険診療行為に対するご負担のみとな ります。なお、試料等の提供に対する報酬はございません。食事負荷試験および自己 血糖測定に関する費用は研究費で負担をさせていただきます。 利益相反について 鳥取大学では、より優れた医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進 しています。そのための資金は、公的資金以外に企業や財団からの寄付や契約でま かなわれることもあります。現代社会では医学研究の発展にとって、企業との連携は必 要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。 一方で、産学連携を進めた場合、臨床研究が企業の利益のためになされるのでは ないかとか、研究についての説明が公正に行われないのではないかといった疑問が 生じることがあります。このような状態を「利益相反」―あなたの利益と研究者や企業の 利益が相反(衝突)している状態―と呼びます。本試験に係わるすべての関係者には 利益相反はありません。 不同意および同意撤回による不利益がないことについて 今回の研究に協力するかどうかは、あなたの自由です。協力を辞退することによ ってあなたが不利益を被ることは一切ありません。同意した場合でも、いつでもその同 意を撤回することができます。そして、その場合でも、あなたが不利益を被ることはあり ません。 この研究内容について、ご理解いただけましたでしょうか。何かわからないこと、説明 してほしいことがありましたら、どんな小さな事でも結構ですので主治医にご質問下さ い。そして、この研究の内容をよく理解していただき、十分に時間をかけて検討した上 で、研究に協力いただけるかどうかをお決め下さい。研究内容の詳細についてさらに 確認したい場合には、「研究計画書」を読むことができますので、希望される方はご遠 慮なく申し出てください。 研究責任者 鳥取大学医学部 口腔顎顔面外科学 教授 領家 和男 TEL 外来 0859-38-6687