理学療 法 学 第 19巻 第 6号 546
〜
550頁 （1992 年）報 告
パー
キ
ンソ
ン病及
び
パー
キ
ンソ
ン症 候群
患
者
の
重 心
位 置
，重 心
移 動
，重
心
動揺
の
変 化
＊井
上
隆
三 ＊ ＊ 要 旨 本 研 究で は，
A°
一
キンソ ン病 （PD
）患者パー
キン ソ ン症 候 群 （PS
） 患 者の平 衡 障 署の特 徴につ い て，
重 心 位 置，
前 方 重 心 移 動，
重 心 動 揺を指 標と して検 索を行っ た。 PD 群は，
自然な立 位で閉 眼時に，
健常群 〔p〈 0．
Ol），
PS 群 〔p〈0，
05
）よ り有 意に重 心 位 置が後 方 へ 偏 し た。
PD 群，
PS 群と も，
重 心の前 方 移 動は，
健 常 群より開 眼 閉 眼とも，
有 意に少な かっ た （pくO．
el
）。PD
群は，
重 心の前 方 移 動 時に，
重 心 動 揺 軌 跡 長が開 眼 閉 限とも，
健 常 群より有 意に少ない値 を 示 した （p＜ 0．
05）。
以上の こと か ら，
PD 群，
PS 群に共通する平 衡 障 害が存 在する一
方，
PD 群に は，
PS 群とは異なる 平衡 障 害が存 在 す ること が示 唆さ れ た。 キー
ワー
ド パー
キンソ ン病，
パー
キンソン症 候 群，
重心位 置 は じ め に パー
キ ン ソ ン病 （以 下PD と略 ），
パー
キ ンソ ン症 候 群 （以下 PS と略）で はと もに， 特異な平衡 障害， すく み足，
小 刻み歩行，
突 進 現象が見られ る。
PD は，
中脳 黒質緻密層の ドー
パ ミンニ ュー
ロ ンの脱 落を伴い，
黒質 線 条 体 系の ドー
パ ミン欠 乏を背 景と して起こる，
基 底 核 変 性 疾 患で ある1）。
PS は，
脳 血 管障害，
薬剤，
中 毒 性 物質， 正常圧 水頭症， PD 以外の中 枢 神 経 系の変 性疾患 な ど多種の原 因に よっ てパー
キ ン ソ ン症 状が現 れる症 候 群であ り，
必 ずしも大脳基底 核に主病変があるとは限ら ないz〕。 PD 患者，
PS 患 者の平 衡障害につ い て は重 心 動揺分 析，
筋 電 図に よ る解 析などが行 われて きた鋤 。 最 近の 研 究で は，
PD患 者の重心位 置は後 方へ 偏す ることや5），
PD
患 者で は，
姿 勢の調 整に必 要な種々の知 覚 運 動 情 報 を，
新た な状 況に対 して，
再 調 整 すること が困 難で ある’
Changes in the Position and Shift of the Cerlter of Gra・
vity and BQdy Sway in Patients with Parkinson Dis
．
ease and Parkinson
Syndrome
”
虎ノ門病 院リハ ビリテ
ー
シ ョ ン部Ryuzo Inoue
，
RPT ：Dept，
of Rehabilitation，
Torano−
mon Hospital （受付日1991年12月20日／受 理日1992年2月8口） こと6）などが 報 告 さ れて い る。 本研究で は， 同じパ
ー
キンソン症状を示 すが， 原 因の 異な るPD
患者群とPS
患 者 群とに分けて，
そ れ ぞ れの 平 衡 障害の特 徴につい て検 索 を 行っ た。 自然な立 位 と重 心 を前 方 移 動し た時の重 心 位 置，
それ ぞ れの重 心 位 置で の重 心 動 揺 軌 跡 長，
前 後 方 向重 心 動 揺 分 散 を 測定 し解析 を行っ た。 対 象と方 法 対 象は，
PD 患 者 22例 （平 均 65．
3± 10．
4歳 ：男 13 例，
女9
例 ），PS
患 者 22例 （平 均69．
O±8．
8歳 ：男14
例， 女8
例 ），
健 常成人10
名 （平均63．
6
±8．
2 歳：男6
名，
女 4名 ）か らな る。 PS 患者の診 断 名 は，
脳血管障 害17
例 （7
例は多発性脳梗塞の診 断）， 純粋アキ ネ ジァ 2例，
正 常 圧 水 頭 症と前 頭葉のクモ膜下嚢腫が各 1例ず っ であっ た。 明らか な運動麻 痺，
感覚 障害を有する症例 は除外し た。 PD 群， PS 群にお け る，
Yahr の分類に よ る重 症 度 別 例 数，
及 び両群にお け るすく み足，
小 刻み歩 行， 突進 現象の見られ た例数は， 表 1に示す如くであ る。 以 上 を対象 と して，
以下に示す5
種類の 条件下で，
静 止 立位を そ れ ぞ れ20
秒ずっ と ら せて重心位置， 重心動 揺を測定し た。 測定にはアニ マ 社製グラ ビコー
ダーSGl
Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service Japanese Physioal Therapy Assooiation
パ
ー
キ ソ ン病及びV・“
・一
一
キソ ン症候群 患者の 重 心 位 置，
重 心 移 動，
重 心 動 揺の変化547
表1
開
眼
ト→− 1
健 常群P
D
群P
S
群 皿Yahr
の 分 類 皿 す く み 足 小 刻 み 歩 行 突 進 現 象50702
∩ σ1
11
R ） 7「
904
向 D11
ト ●− lPD
群 ト ○− IPS
群40 50 60 70 80
％ を用いた。 この際， 左右の踵は接し， 両足 尖が30
度に 開いた姿 位で立た せ た。A ．
開眼で の 自然な立 位B
．
閉 眼で の 自然な立 位C
．
開 眼で最 も重 心 を前 方 移動さ せ た立位D ，
閉眼で最も重 心 を前 方移動さ せ た立 位E ．
開眼で重 心 を前 方 移 動さ せ，
踵 が床か ら離れる か 離れ ないかの立 位 E の立 位は健常群で は， 全て介 助なしで可能であっ た が，
PD 群で は 20／22
例で，
PS 群で は15
／22
例で介 助が必要だっ た。 重心位置は， 前後 方 向の重心位 置を指 標と して，
足底 面踵後 縁を 0，
足趾先 端を100 と して基 準化し，
百 分率で表示し た。 重 心 動 揺 測 定は，
それ ぞ れ の立位で の，
重心勤 揺 軌跡長と前後方 向重 心 動揺分散を 指 標として評 価 した。
重 心動 揺軌跡長は，
次の式に従っ て算定し た。閉
眼
開
眼
p〈・・
一
・1［
＝
鑓
一［
H → ps 群40 50 60 70 80
％ 図1
重心位置 自然な立 位 pく0 001 ト ●一
腱 常 群 P くO OOL トー一
●一一IPD
群 トー
→一一
HPS 群40
50
60
70
80
％μ
割
・（
審
叛
X
は左右方 向， ｝厂
は前後方 向の重心 位 置の座標を示し，
tlは取り込み時間で，
本 研 究では20
秒に設定し た。 但 しE
の立 位で は，
PD 群，
PS 群の ほ と ん どの患 者で介 助が必 要だ っ たため，
重 心 位 置の測 定のみ と した。
統 計 学、
E
の処 理は t検 定 を 用い，
危 険 率 5％ を有意水 準と した。 結 果1．
自然 な 立位で の重心位置 図1
に自然 な立位での重 心位 置を示 す。 開 眼で は，
健 常群43．
2
％， PD
群40．
4
％，
PS
群43．
8
％で，
PD
群は 他の群に比べ，
重 心 位 置が後 方へ 偏 して いた が，
各 群 間 に有意差は認め ら れ な かっ た。
閉 眼で は，
健 常 群44．
1％，
PD 群 39．
2％，
PS 群閉
P＜0 01眼
トー
●− i
健 常 群 Pく0 0Q ］ トー
●一一
IPD 群 ←一
●−HPS
群40
50 60 70 80
％ 図2 重 心 位 置 ：重 心前方 移動42．
3
％で，
PD 群は他の群に比べ，
有意に重 心位置が後 方へ 偏 して いた。 PD 群の中で， Yahr ・ll
の 群の重 心 位 置 は，
健 常 群 と比べ，
有意 差は認 められな か っ た。 2．
最 も重心を前方 移 動さ せ た立 位で の重心位 置 図 2に，
最も重 心を前 方移 動 さ せ た 立位で の重 心位 置 を 示 す。
開 眼で は，
健 常群71．
4
％， PD
群56．
8
％，
PS
N工 工一
Eleotronio Library548 理 学 療 法 学 第 19 巻第 6 号 群
56．
4％ で， PD 群，
PS 群とも健 常 群に比べ，
有意に 重 心位 置が後 方へ 偏 して い た。
PD 群 PS 群の中で，
Yahr 皿 の群の重心位置は，
健常群と比べ ， 有意 差は認 め られ な かっ た。
閉眼 で も
，
健 常 群 64．
6％， PD
群49．
0
％，
PS
群 52，
8
％で，
PD 群 PS 群とも健常 群に比べ，
有 意に重心 位 置が後方へ 偏して いた。PS
群の中で， Yahr 且，
皿 の 各群の重 心 位 置は，
健 常 群と比べ，
有意差は認め ら れ な かっ た。
3 ，E
の立位で の重心位 置 健 常 群68．
5
％， PD 群 66．
2％， PS 群 66．
3％ と各 群 間 に有 意 差は認め ら れ な かっ た。 但し，
PD 群の YahrN の群は健常 群に比べ，
有 意に重 心 位 置が後方へ 偏して い た （p＜0．
Ol）。
4 ．
重心動揺軌 跡長 自然な立 位で は， PD
群，
PS 群は開眼 閉眼ともに， 健 常 群に比べ，
大 きな値を示し た が，
各群 間に有意 差は 認 め ら れな かっ た。
図
3
に，
最 も重 心 を前 方 移 動させ た立 位で の重心動揺 軌跡長を示 す。PD
群は，
健 常 群に比べ開 眼 閉 眼 と も，
有 意に重 心 動 揺 軌 跡 長が少ない値を示し た。 PD 群の中 で，
開 眼で は YahrH，
皿 の各群，
閉眼で はYahr
且の 群の重 心 動 揺 軌 跡 長は，
健 常 群と比べ，
脅意 差は認め ら開
眼
一［
＝ 野
1− 一一一
●一一 一一lPS
群 れ な か っ た。5 。
前 後方向重心動 揺分散 重心動 揺 分 散は，
重 心動揺によっ
て生じ る重 心位 置の バ ラッキの大 き さ を 示 す もの で，
統 計学上の分散と同様 に算定し た。 図4
に，
自然 な立位で の前 後 方 向 重 心 動 揺 分 散 を 示 す。
PS 群は，
開 眼で健常群に比べ 前後 方 向重 心動揺分 散が， 有意に大 きな値 を 示したが，
他の場 合は有 意差 は認め ら れ な かっ た。
考 察 PD 群の重 心 位 置は，
自然な立位で 開 眼 閉 眼とも， 他 の群よ り後方へ 偏 し，
閉 眼で は有 意に後 方へ 偏して いた。Schieppati
らの最 近の研 究5）でも，
PD 群の重 心 位 置は，
健 常 群の開 眼での重心位置に比べ ， 開眼閉眼ともに有意 に後 方へ 偏し，
閉 眼で より後 方へ 偏してい る と報 告さ れ て い る。 自然な立 位での，
閉 眼で より強 調さ れ る重心位 置の後 方偏位は， PD 群に特徴的な現象と言え る。 重 心の 前方移 動は，
PD 群 PS 群 と もに，
健 常 群に比 べ 有意に少なく，
より重度な群に この傾 向が強く， PD 群 ps 群に共 通 する特 徴で あっ た。 これ は，
小脳性運動 失 調 症 患 者 や感 覚 障 害 患者に も見ら れ る特徴であ る。 重 心の 前方移動が少ない傾 向は，
PD 群 PS 群に限 らず，
開
眼
［
500 く P トOH 健常群 トー一
→一
一一一一
lPD
群 トー
→一一
→PS 群10
20 30 40 50M 聡EC 20 4060
80
100
閉
眼
一 1［
認
鏘 トー一一一
●一一一一一
→PS
群閉
眼
トー
●一・
一
畳健常 群1− 一一
●一 一HPD
群 トー一一
●一一一
→PS 群10
20 30 4050M
聡EC 図3重心動 揺 軌跡長 ：重 心 前 方 移 動 20 40 60
80
100 図4 重心動揺分散 ：自然な立 位Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service Japanese Physioal Therapy Assooiation
パ
ー
キソ ン病 及びパー
キソ ン症候 群患者の重心位置 重 心 移動，
重 心 動 揺の変化 549 平衡 障害を有 する患者に見ら れ る一
般 的な傾向と考え ら れる。
E の 立位での重 心 位 置は，
PD 群 PS 群とも健 常 群と 比べ，
有 意 差は認め られな かっ たが，
PD 群の YahrlV の群は， 健常群に比べ 重 心 位 置が，
有意に後 方へ 偏して いた。
PD 群の重 度な群で は，
E
の立 位で の重 心 位 置が 異常を 示 すよ う に な ることが明 らか に な っ た．
重 心 動 揺 軌 跡 長は，
自然 な 立 位で はPD 群 pS 群 と も，
健常 群に比べ 開眼閉眼で大き な値を示した が ， 各群問に 有意 差 は 認 め ら れ ず 他の 報告の 結 果5−
7）と も一
致 して い る。 このこと は，PD
群PS
群の平 衡障害は，
静 的な姿 勢 保 持の際に，
重 心が動 揺 す ること が原 因で は ない こと を示 して い る。
最 も重心 を前方移動さ せ た立位で は，
PD 群 は健 常 群に比べ開 眼 閉 眼とも，
重心動 揺 軌 跡 長が 有 意に少な い値を示した。
PD 群の重心の前 方 移 動が少 ない原 因は， 健 常 群や小 脳 性 運 動 失 調 症のように，
重心 動揺が大 き くな り不安定性が増 大 する為で はなく，
異な る原因に よ ると考えられる。 PD 群とPS 群は類 似し た臨床 症状を 示 すに もか かわ らず，
本研究では姿勢調 節の上でい くっ かの異 なる特徴 を示し た。PS
群の歩行障害は， 大脳 基底核と補足運動 野の間の disconnection に よ る とい う考え が あ る8）。
PS
群の平 衡 障 害は，
大 脳 基 底核の障害の み が原 因で は な く，
他の多 くの 部位の病 変が 重 な り あっ
て いる と考え ら れ， PS
群の平衡障害の特徴が，
PD
群と異な るの は こ の為と思 わ れる。 近 年の，
大 脳 基 底 核の機 能に関 する 幕礎 的 研 究9−
ll）や，
PD 患者に関する研究12）か ら，
大脳 基 底 核は，
状 況に適した運 動や姿勢を，
多 くの レパー
ト リー
の巾か ら，
選択する働き を持っ と考え ら れて い る。 こ の機 能の 障 害が，
PD 患 者の重 心 位 置 異 常の原 因に なっ て いると思 われ る。 ま と めPD
患者，
PS
患 者の 平衡 障 害の特 徴にっ い て，
重 心 位置， 前方重心移動， 重 心動揺を指標と して，
検索を 行っ た。 その結果，
健常群と 比較して認め ら れ た 異常を 以．
トに 示 す。 1．
PD 群のみに認め られ た 異 常 （1） 自然な立 位 （閉 眼）で の重心位 置の後 方 偏 位 （2｝重心前方移動 （開眼）で の重心動揺軌跡長の減 少 〔3） 重 心 前 方 移 動 （閉 眼 ）で の重 心 動 揺 軌 跡 長の減 少 2．
PD 群のみに認めら れた 異常 〔1） 自然な立位 （開 眼 ）での重 心 勤 揺 分 散の増 加 3．
PD 群PS 群に共 通 した異常 （D
重 心 前方 移 動 （開 眼 ）で の重 心 位 置の後 方 偏 位 （2｝ 重 心 前方 移 動 （閉 眼 ）での重 心 位置の後方偏 位 以．
E
の こ と か ら，
PD 群 PS 群に共 通 する平 衡 障 害が 存在 する一
方，PD
群に は，PS
群と は異な る平衡 障害 が存 在す るこ と が 示唆さ れ る。 本論文の要旨は，
第26
回目本理学療法学 会に て 口演 したv 稿を終え るにあ たり，
本 研 究の御 校 閲を頂いた当リハ ビ リ テー
ショ ン 部部長，
三E
凱 久 先 生，
副 部 長，
黒 岩 義 之 先 生，
並 びに御 協 力 頂いたス タッ フの方々に深 謝い た し ます。 引 用 文 献 1） 今 井 壽正 ：基 底核 疾 患の起 立・
歩 行 障 害．
神 経 研 究の進 歩 35（2〕：265−
274，
1991．
2） 佐々木秀直，
田代邦雄 ：Parkinson 病の鑑 別 診 断，
内 科 63（5〕：865−
871，
1989．
3）中野 知幸，
柳 沢信夫・
他 ：パー
キンソ ニ ズム の姿勢保 持 障 害にっ い て，
臨床 神 経 学 20〔IV：924−
931，
1980，
4）室賀辰夫：重心動揺よりみ た脳幹・
小脳障害．
神経内科 13（G｝二502−
509，
1980．
5）Schieppati M
，
Nardone A ：Free and supportcd stancein Parkinsorfs discase
，
Brain l l4：1227−
1244，
1991．
6）Bronstein AM
，
Hood JD，
et al．
：Visual corltrol of bal・
ancc in cerebellar and Parkinsonian syndromc
．
Brain ll3：767一
了79，
1990．
7） 奥 壽郎
，
網 本 和・
他 ：パー
キン ソニ ズム の平 衡 障 害．
理学 療 法 学 18〔2｝：125−
130，
1991．
8）FitzGerald PM
，
Jankovic
J
：Lower body Parkinsonism．
evidence for vascular etiology
．
Movement Disorders4 ：249
−
260，
1989．
9）木村 実：四肢運動と被殻・
淡蒼球 系．
神経研 究の進歩 34（6）：945−
952，
1990．
10）陣内皓之祐 ：四肢運 動と淡菅球・
視床・
大脳皮 質投射系．
神 経 研 究の進 歩 34（6）；937−
945，
1990．
11） 彦 坂 興 秀：眼 球 運 動 と大 脳 幕 底 核．
神 経研 究の進歩 34 〔6）1953−
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1990．
12）Harrinton DL
，
Haaland KY ：Sequencing in Parkinson’
sdisoase
．
Brairl 114：99 115，
1991．
550
ve*ffza\
ag
19#eg
6
e
<Abstract>
Changes inthe Position and Shiftof the Center of Grayity and
Body
Sway
in
Patients
withParkinson
Disease
and ParkinsonSyndrome
Ryuzo INOUE,
RPT
DopL
of
Rehabigitation,Clloranomonffbspitat
This
study was conducted toinvestigate
equilibriumdisturbance
in
patientswithParkin-son
Disease
(PD)
and ParkinsonSyndrome
(PS),
in regardto
the position andforward
shift of the center of gravity(COG)
and body sway. Abnormalities inthese patientswere asfol-lows.
1. Abnormalities inPD patients
(1)
Backwarcl shift ofCOG
innatural standing with the eyes closed.(2)
Decrease
in
body
swayin
forwarcl
standing with the eyes open.(3)
Decrease
in
body
swayin
forward
standing with theeyes closed.2, Abnormalities in PS patients
(1)
Increase in body sway innatural standing with the eyes open.3,
Abnormalities
in
PD
andPS
patients(1)
Backward
shift ofCOG
in
forward
standingwith the eyes open.
(2)
Backward
shift ofCOG
in
forward
standing with the eyes closed.InPD
patients,
equiliburium disturbance would thus appear to differfrom thatinPSpa-tients,
The equilibrium disturbance in both PD and PS patientsisapparently the same. Thereason
for
these
differences
maybe
due
to
anatomicaldifferences
responsiblefor
the
diseases
in
both
groups,
