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(1)

平成15年度社会工学類都市計画専攻卒業論文発表会 2月2日

大都市圏における

常住地

従業地

通勤距離の変化要因の分析

200000967  金子卓矢

指導教官   鈴木 勉

(2)

背景

居住地

就業地

通勤距離

■通勤距離は居住地と就業地の位置関係で決定する

•通勤者はコストを考慮した上で、就業地になるべく近い居住地を選択する. •都心に近いほど高コストなので、通勤距離は増加し続けてきた

しかし、近年では特徴的な変化が生じてきた

(3)

背景【居住面】

商業 住宅

全国の住宅・商業地価の変化

※国土交通省「地価公示」より日本不動産研究所作成 1995∼     2000

■1990年代前半のバブル崩壊

による地価下落

■23区では特に大きく増加

■全国の大都市圏においても

都心部のマンション供給戸

数が増加

東京23区 5657 1都3県 20591

1992年

■マンション供給戸数の増加

2000年

31574 56964 5.6倍 2.8倍

都心回帰

東京都心部への人口回帰       ※平成12年首都圏白書     

(4)

背景【就業面】

一方、

東京区部の従業就業者が、

1995年∼2000年において、

27万人減少した(総務省統計局国勢調査報告)

■不況による倒産、大企業の集団リストラなどによる影響

■多摩ニュータウンを含む多くの郊外市区町村において東京 

  区部への通勤者数が増加

通勤者の就業地においても特徴的な変化

(5)

背景

■3大都市圏内における通勤時間減少

1995年∼2000年にかけて鉄道利用者の通勤時間は首都圏で0.7

分,中京圏で4.2分,近畿圏で2.8分減少

(国土交通省「大都市交通センサス」)

都心回帰による影響が強

いとされる.

54 56 58 60 62 64 66 68 70 85年 90年 95年 00年 首都圏 中京圏 近畿圏

(6)

背景

■近年、全国の都市圏内で地域ごとに特徴

的な居住地・就業地の変化が起こっている.

■通勤距離の変化には通勤者の居住地・就

業地の両方の変化の把握する必要性

地域別の通勤距離の変化を把握する必要性

地域別の平均通勤距離の変化を指標とし、 1995年から

2000年における都市圏内の居住地・就業地の変化を明ら

かにする

(7)

本研究の構成

都市圏平均通勤距離の変化の把握

市区町村単位での平均通勤距離の変化の把握

従業地

常住地

特徴的な市区町村を抽出

全国10都市圏

町丁目単位の平均通勤距離

【山手線沿線】,【多摩ニュータウン】

東京都市圏

個別の要因の考察

(8)

用いるデータ

【都市圏の定義】 金本(2000)による都市圏設定基準 ■中心域への通勤率10%を満たす郊外 ■近年のデータでの都市圏設定基準 ■合併は合併後にデータを統合、分区はデータを分割 【 通勤者数 】 総務省統計局国勢調査報告 平成7年度、平成12年度版 ■全国全市区町村の常住地・従業地別の通勤データを掲載 ■町丁目においては常住地のみ掲載(従業先は5区分) 【   距離   】 市区町村の役場位置間の直線距離 「日本の市区町村 位置情報要覧」 (自自治体内は0)

(9)

10都市圏における

都市圏平均通勤距離の変化

-6 -4 -2 0 2 4 福岡 北九州 広島 神戸 大阪 京都 名古屋 東京 仙台 札幌 増減率【%】

東京、京都、大阪,神戸都市圏で減少

→東京・京阪神の2大都市圏で減少

その他の地方の6都市圏では全て増加

した

減少 増加 札幌 仙台 東京 名古屋 京阪神 広島 北九州 福岡

(10)

本研究の構成

都市圏平均通勤距離の変化の把握

市区町村単位での平均通勤距離の変化の把握

従業地

常住地

特徴的な市区町村を抽出

町丁目単位の平均通勤距離

【山手線沿線】,【多摩ニュータウン】

個別の要因の考察

(11)

市区町村の常住・従業別平均通勤距離

常住距離

=市区町村から

通勤に行く

就業者の一人あたりの通勤距離

従業地

常住地

常住距離

従業距離

従業距離

=市区町村に

通勤に来る

就業者の一人あたりの通勤距離

(12)

0 10 20km N

各市区町村

の常住距離

の変化

東京都市圏

京阪神都市圏

名古屋都市圏

広島都市圏

北九州・福岡都市圏

【2大都市圏】

■都心部で

増加

■郊外部で

減少

【地方大都市圏】

■都心部で

増加

■郊外部で

減少

(13)

各市区町村

の従業距離

の変化

東京都市圏

京阪神都市圏

名古屋都市圏

広島都市圏

北九州・福岡都市圏

【地方大都市圏】

■全域的に

増加

0 10 20km N

【2大都市圏】

■0∼20kmの中心部で

減少

■郊外部で

増加

(14)

都市圏平均通勤距離増減への影響

常住地

二大都市圏

地方都市圏

都心

常住距離増加

郊外

常住距離減少

従業地

二大都市圏

地方都市圏

都心

従業距離減少

従業距離増加

郊外

全域的に増加

減少

増加

都市圏平均通勤距離

(15)

20km 10 0 N 0 10 20km N 20km 40km 60km 常住距離 従業距離 【km】 0 4 8 12 16 20 0 20 40 60 80 千代田区からの距離【km】 常 住 距 離 ︻ k m ︼ 0 4 8 12 16 20 0 20 40 60 80 千代田区からの距離【km】 従 業 距 離 ︻ k m ︼ ■従業距離は都心3区が突出して長く、 次に副都心、品川区、豊島区が長い. 都心から遠いほど短くなる ■郊外市区町村での距離の長短は常 住距離より小さい ■成田市が長い ■常住距離は都心が短く、都心から離 れるほど長い ■都心への通勤率に大小があるため 都心から約20kmで長短が出てくる ■駅の有無により長短が異なる 中心は従業常住比が最高の区

(16)

東京都市圏における通勤実態の変化

■多くの市区町村が

東京

区部への通勤者数減少

東京区部では約27万

人の従業者数減少

(国勢調査)

20km 10 0 N

東京23区への通勤者数の変化

千葉市中央区、緑区 【都心回帰】 白井市、本埜村 【千葉ニュータウン】 横浜市中区、幸区 【都心回帰】 横浜市青葉区、都筑 区、高津区、中原区

■都心への通勤者が

増加している市区町村

は、常住者数が大きく

増加した市区町村が多

(17)

0% 20% 40% 60% 80% 100% 010 1020 2030 3040 4050 5060 60∼ km

東京都市圏における

常住距離

従業距離

の関係

0 10 20km N

常住距離増加・従業距離増加

常住距離増加・従業距離減少

常住距離減少・従業距離増加

常住距離減少・従業距離減少

■都心3区では常住距離増加・従業距離減少 ■都心3区周辺区、千葉市中央区、神奈川県 中区、川崎区など従業者規模の大きい地域で は、常住・従業距離ともに増加 ■都心への通勤者率が高い10∼30kmで は常住・従業距離ともに減少 ■30∼50kmでは、東京23区への通勤者減 少が常住距離減少につながり、町村部からの 通勤者の増加が従業距離増加につながった

(18)

本研究の構成

都市圏平均通勤距離の変化の把握

市区町村単位での平均通勤距離の変化の把握

常住地

従業地

町丁目単位の常住距離

【山手線沿線】,【多摩ニュータウン】

個別の要因の考察

特徴的な市区町村を抽出

(19)

町丁目単位における分析対象地域

平均通勤距離 増減率(%) 千代田区 3.5 中央区 18.0 港区 0.7 新宿区 2.8 文京区 3.0 台東区 8.8 江東区 4.9 品川区 4.3 目黒区 -1.8 渋谷区 -0.8 豊島区 -1.6

【東京山手線沿線】

千代田区、中央区、港区、

新宿区、台東区、江東区、

文京区、品川区、目黒区、渋谷区

【多摩ニュータウン】

八王子市、町田市、

多摩市、稲城市.

増減量 総通勤距離(人×km) 常住者数(人) 都心3区 -99563 -3036 東京23区 -137372 -4979 区外県内 37473 2894 神奈川県 65841 3557 埼玉県 10697 390 従業先の変化(4市合計) 30km 40km 50km

(20)

常住者 区 町丁目 増加数 出来事 代表的なマンション名 戸数 竣工年 江東区 塩浜2丁目     1564 工場・倉庫後の開発 千代田区 一番町       1177 戸数50未満程度で、昭和後期の修繕物件 戸数規模の小さい新築物件 中央区 佃2丁目      982 大規模マンション開発 センチュリーパークタワー(大川端リバーシティ) 756 99年 江東区 東砂1丁目     932 倉庫・工場跡地における大規模マンション開発今年6000戸の住居完成 江東区 大島1丁目     888 倉庫・工場跡地における大規模マンション開発ザ・ガーデンタワーズサンライズタワー 470 98年 イーストパークス大島セントラルスクエア 644 97年 品川区 東品川2丁目    815 日本たばこ産業工場跡における 品川シーフォートタワー 139 97年 天王洲ビュータワー 403 95年 中央区 晴海1丁目     777 大規模マンション開発 海アイランドトリトンスクエアビュータワー 624 00年 大規模マンション開発 イーストタワーズII 642 95年 江東区 東雲2丁目     683 三菱製鋼工場跡地における大規模マンション開発 都営住宅開発 トミンタワー東雲 336 99年 江東区 潮見2丁目     675 大規模マンション開発 ルネ・グランマリーナ潮見 440 港区 北青山1丁目    547 都営住宅開発 都営北青山1丁目団地

常住者数の変化【山手線沿線】

■増減が混在しているが、臨海部では 倉庫・工場跡地の大規模マンション開 発による常住者数増加がみられる 4km 8km 常住者数増減 ※同心円の中心は東京駅

(21)

町丁目の常住距離【山手線沿線】

4km 8km 渋谷駅 上野駅 東京駅 常住距離(2000年) 【km】 ■乗降客数の多い駅では常住距離が短い ■東京駅に近いほど増加率が大きい. 増減率(1995∼2000) 新宿駅 市区町村の通勤距離にはどの町丁目の影響が 大きいのか

(22)

市区町村の常住距離変化への影響【中央区】

総通勤量増減 -1000 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 -500 0 500 1000 1500 常住者数増減【人】 総 通 勤 距 離 増 減 ︻ 人 × k m ︼ 常住者数 総通勤距離 名称 2000年(km) 増減率(%) 増減(人) 増減(人×km) 佃2丁目      4.37 14.5 982 5816 晴海1丁目     4.16 17.6 777 3641 日本橋浜町3丁目  3.45 50.8 209 1701 築地7丁目     2.97 61.0 138 1365 日本橋浜町2丁目  3.20 26.5 195 1269 銀座1丁目     2.83 95.1 311 1236 勝どき3丁目    3.12 19.6 210 1085 月島4丁目     3.28 20.0 17 964 勝どき2丁目    2.91 8.5 241 918 東日本橋2丁目   3.29 74.5 103 913 日本橋中洲     3.24 12.1 190 899 平均通勤距離 佃2丁目 晴海1丁目 総通勤距離増加上位10町丁目 ■大規模マンション開発のあった佃2丁目, 晴海1丁目の影響が特に大きい

(23)

多摩ニュータウン 50km 40km 30km

常住者数の変化【多摩ニュータウン】

■ニュータウン内の西部で大きく増加       (新規宅地供給地域) ■多摩市域では減少(第一期開発) 常住者数増減 名称 2000年(km増減率(%総数 自宅 自宅外自市内県内他市区 県外 別所1丁目     16.80 -11.4 2637 105 666 1565 301 上柚木3丁目    16.24 -13.6 1536 65 551 725 195 鑓水2丁目     14.08 3.6 1225 45 430 621 129 下柚木2丁目    10.69 1146 79 536 429 102 鶴間        11.66 6.8 1058 26 167 397 468 下柚木3丁目    15.72 -5.1 1026 54 287 587 98 長峰3丁目     10.75 -12.8 915 65 222 519 109 みなみ野5丁目   15.64 915 14 283 435 183 東中野       13.93 4.5 826 24 265 478 59 小山町       13.21 6.6 802 20 131 575 76 若葉台4丁目    12.40 756 33 72 575 76 南大沢2丁目    13.67 5.1 742 19 276 350 97 狭間町       11.70 -1.0 706 5 355 304 42 関戸5丁目     11.06 630 81 152 368 29 みなみ野1丁目   13.09 628 14 258 279 77 原町田4丁目    12.62 33.0 617 8 94 272 243 真光寺町      12.64 5.9 600 48 115 271 166 若葉台3丁目    12.94 534 8 46 415 65 みなみ野3丁目   12.55 511 29 205 193 84 南大沢1丁目    15.45 56.4 455 23 86 258 88 平均通勤距離 従業地別常住就業者数増減(人) ニュータウン西部 (八王子市)

(24)

町丁目の常住距離【多摩ニュータウン】

多摩ニュータウン 50km 40km 30km 常住距離(2000年) 多摩ニュータウン 50km 40km 30km 【km】 増減(1995∼2000) 【%】

市区町村

2000年の常住距離【km】

八王子市

10.2

町田市

12.0

多摩市

11.8

稲城市

9.8

多摩NT

12.9

■鉄道近くの地域が長い ■増減は、全域的に減少している. ニュータウン開発該当町丁目を集計

(25)

多摩ニュータウン 50km 40km 30km 総通勤量増減(総数)

市区町村の常住距離変化への影響

【多摩ニュータウン】

名称 2000年(km) 増減率(%) 県内他市区 県外 計 別所1丁目     16.80 -11.4 35836 7165 43001 上柚木3丁目   16.24 -13.6 16515 4714 21229 みなみ野5丁目  15.64 9974 4336 14310 鑓水2丁目     14.08 3.6 14234 3073 17307 南大沢2丁目   13.67 5.1 8012 2317 10329 南大沢1丁目   15.45 56.4 5909 2094 8003 みなみ野3丁目  12.55 4425 1990 6416 みなみ野1丁目  13.09 6397 1824 8222 別所2丁目     16.82 -4.9 2156 1491 3647 長峰3丁目     10.75 -12.8 7496 1491 8987 相原町       15.68 12.1 3156 1286 4442 みなみ野6丁目  15.83 3898 1232 5130 北野台5丁目   15.77 -12.1 4119 1194 5314 若葉台4丁目   12.40 8334 1044 9378 小山町       13.21 6.6 14244 1040 15284 相原町       14.30 0.8 1211 901 2112 若葉台3丁目   12.94 6015 893 6908 和田        11.49 -0.8 3881 848 4729 南大沢4丁目   15.61 -6.6 -2436 839 -1597 南大沢3丁目   15.23 -6.3 3174 766 3939 平均通勤距離 総通勤距離増減(人×km) ■常住者が大きく増加した八王子市開発地区の影響が大きい 総通勤距離増加20町丁目 ■区部への通勤者は減少しているので、区部外の市区町村への通勤者が増加

(26)

まとめ

①都市圏平均通勤距離は2大都市圏では減少、地方都市圏では増加 【減少に影響した地域】常住:郊外市町村   従業:0∼20kmでの従業距離減少 【増加に影響した地域】常住:中心域      従業:全域的 ②東京都市圏 【都心】就業地としての集中が弱まり、都心回帰が進む中、都心居住者の就業 地が、郊外へと移った. 【郊外】東京区部への通勤者は減少し、郊外への通勤者が増加に転じ、就業地 としての側面を強めた. ③町丁目 【山手線沿線】工場・倉庫跡地での大規模居住地開発による常住者数の増加 が、市区町村の常住距離増加へ影響した. 【多摩ニュータウン】新規開発の西部では大きく常住者増加、初期開発の多摩 市域では減少.市区町村の常住距離への影響は開発地区の影響が大きい

(27)

今後の展望

①町丁目では常住地として分析したが、オフィスの変

化など、従業地としての分析が必要

参照

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