Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety for the Soienoe of Design
情報
弱
者
を
支
援
す
る
情 報
シ
ス
テ
ム の
デザ
イ
ン
Design
oflnformation
System
to
Assist
lndividuals
withDisabilities
onlnformation
森 本
一
成 MORIMOTO
Kazunari
京 都工芸 繊 維 大学
Kyoto
lnstitute
of Technology1
.
は じ め に 平 成7
年の参 議 院 選 挙か ら政見 放 送に手 話 通訳 をつ ける事が認め ら れ た。 演 説 後、 通訳 者へ き ち ん と挨拶
をする候 補 者に好 感を持た れ た方も多
い か と思 う。一
方、
阪 神 淡 路 大 震 災の際、NHK
の教 育テ レビの手 話ニ ュー
ス の放送 は 中 止 され、
字幕
挿入 もさ れ な かっ た。 こ の た め 、 聴 覚 に障 害を持 つ 人は震 災 情 報を得る事が 困 難な状 況 に追い や ら れ た。 この 例か らわか る よ うに、
情 報 化社 会 の恩 恵が叫ば れ る中に おい て、
すべ て の 人 が情 報通信 の 恩 恵を平 等に受けてい る と は言 えない 。 特に、 高 齢 者や障 害 を持つ 人な ど情 報の受 発 信の利 用 性 を十 分 に活 用で き ない 、 い わ ゆ る情 報 弱 者の た め の 情 報 通 信 環 境が 十 分 に 整 備され てい る と は言 え ない。
情
報は ど の感覚
器(
視覚 、
聴覚、
触 覚、
味 覚、
痛 覚な ど)
に よ り取得され るかで、
その 与 え 方、使
い 方が異な り、
基 本 的に はハ ン デ ィ キ ャ ッ プに 応 じ た情 報の 扱い 方が存 在 する。
当 然の こ と な が ら、
惰 報は身 体 的ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ者に 限 らず 相手
との イン タラ クシ ョ ン を行い、
生活を営む 上 で 欠かせ ない。
また、
情報
はハ ン デ ィ キ ャ ッ プの有 無にか かわ らず、
すべ て の 人 に公 平 に存 在 し、
社 会 的 不 利を被
ら ない 生活
を支援
する た めの 基本的 かつ 重 要な要 素で ある。 社 会的 あ るい は経済 的 な 格 差の生 じない ような情 報バ リ アフ リー
環 境のデ ザイ ン が望まれ て お り、 以下 で は情 報 弱 者の た め の情報
シス テ ムの デザイン につ い て述べ る。2 .
情 報 弱 者 支 援プロ ジェ ク ト2.
1,
郵政 省のプロ ジェ ク ト 郵 政 省 はすべ ての 人が惰 報 通信 の 利便さ を享 受 で きる た め の 情 報バ リア フ リー
環 境の 整 備 を行っ て きてい る。1
つ は、
情 報バ リ ア フ リー
型 通 信・
放
送シス テムの研
究 開発であ り、
もう1
つ は情 報 バ リア フ リー ・
テ レワー
クセ ン ター
施 設の 整 備で あ る。
こ の プロ ジェ ク トで は、
高 齢 者・
障 害を持 つ 人の イ ン ター
ネ ッ トの 利 用促 進に有 効な シス テ ム を 作 るため に、
電 話 や フ ァ クシ ミ リに よっ て ア クセ ス 可能な イ ン ター
ネッ ト に関する実証実
験 を 行っ た り、
情 報通信を活用 す る こ と で高 齢 者や障 害を持つ 人の福 祉の 増進 を図るこ と を 目 的 に、
厚 生省 と共同で ライフ サポー
ト(
生 活 支 援)
情 報通 信シス テム の 推進研 究 会を行っ てい る。
ま た、
テ レ ビ放送 におい て、
字 幕 放 送や解 説 放 送は視 聴 覚に障 害を持つ 人 が放
送 内容
を 理 解 す る ための 不 可 欠な サー
ビス で ある が、実
施状 況 は十 分で は ない。
早 急 に この サー
ビス を 充実させ る た め に放 送 法の一
部 改正 を行っ た。
こ れ に より文 字 放 送を行っ てい る地 上民 放テ レ ビジ ョ ン放
送事
業 者 数は大 幅に増 えた。 ま た、 視 聴 覚に障 害を持つ 人 向けの放 送 番 組の ソ フ ト製 作 技術 や専 門放送 シ ス テム実 現へ の支援
も行 っ て お り、
近 年の 情 報 弱 者の ための 情 報シス テ ム 作 りに対す る施 策は 進 ん で来てい る。2,
2,
アル キメデス プロ ジェ ク ト 情 報 社 会に コ ン ピ ュー
タ は欠か せ ない 。 我々 は あら ゆ る生 活 場面 で コ ン ピュー
タの恩 恵に預かっ てい る。
しか し、
コ ン ピュー
タ に 関 する知 識の な い 人、
あ るい は高 齢 者や障 害 を持つ 人で キー
ボー
ド やマ ウス な ど を 十分に使う
こ と がで き ない 人 な ど は コ ン ピュー
タを操作 で きない 。 この た め情 報 利用 につ い て大き な不 利 益を被
るこ とにな る。
こ の よ うな状 況を改 善 する た めに、
誰も が使い や す い コ ン ピュー
タ技 術を開 発 し、
障害を持つ 人 によ る情 報アクセ ス を 支 援 する た め の プロ ジェ ク トが ス タ ン フ ォー
ド大学言 語情報 研究セ ン ター
で 進め ら れ て い る 。 ア ル キ メ デ ス プ ロ ジ ェ ク ト (Archimedes
Project
)
と呼ば れてお り、
障 害に関 連 する研 究と開 発のため にエ ンジニ ア 、 心 理 学 者、16 SPEcIAL IssuEoF JssD vol
.
ア No.
1 1999 デザ イン学 研 究 特 集 号Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service Japanese Soolety for the Solenoe of Deslgn
言 語 学 者、 障 害を持つ 人、 障 害の 専門家な ど様々 な分 野の研 究 者たちがこの プロ ジェ ク トを支 えて い る。
研 究は次の
3
つ か ら成る。 (1
)障 害を持つ 人を支援
す る 装置や シス テム の プロ トタ イ プの デザ イン、 (2
)ア クセ シ ビ リテ ィ に関 す る技
術 的 解 決策の提示 と そ れに関 連 し た科 学 的、 政 策 的な問 題を明 示 す る た めの ア クセ シ ビ リティ の問題発 掘、 (3
)関連す る科 学 的 問 題につ い て言 語 情 報 研 究セ ン ター
で行 わ れて い る他の プロ ジェ ク ト と の協 力 。(
1
)につ い てはTAS
(
ToIal
AccessSystem
)プロ ジェ ク トがあり、 誰で もがい か な る コ ン ピュ
ー
タ にもア クセ ス で きる よ うにするため の核 とな る技 術
を提 供する もの で、 音
声
認識、
頭 部や視 線 移 動 解析
、
お よ び様
々 なコ ン ピュー
タ(
PC ,
Mac ,
Sun,
SGI ,
HP )
の ア ク セス ポ イン ト技 術を開発 し てい る。 た とえば、 入 力 方 法で は目の動 きに よ りコ ン ピュー
タへ の入 力 を可能にする視 線 入 力、
手 話に よる入 力、 立体 物を触る こ と で入 力で き る触 覚入 力な ど が開 発さ れて い る。 ま た、
TAS の コ ミュ ニ ケー
タ プロ ジェ ク ト で は共 通 言 語 を持たない 者同 士、
あ るい は共 通 言 語を持っ て い て もコ ミュ ニ ケー
シ ョ ン 手 段を持た ない 者 同士 の た めの 携 帯装 置の 開発 を行っ てい る。(
2
)に関 し てはGUI
(Graphical
User
Interface)が主 要な問 題 として提 起され てい る。GUI
は直 感的でマ ウ ス に よ る直 接 操 作に適し た イ ン タフ ェー
ス で あ り、 多 くの コ ン ピュー
タア ブ リケー
シ ョ ンが採用 してい る。 し か し、
画 面表 示され る グ ラ フィ カル オ ブ ジェ ク トは視覚
に 障害を持
つ 人に とっ ては難 物で あ ること は容
易に予想でき る。 この ため、TAS
で は触覚
イ ン タ フェー
ス の 開 発を行 っ てい る。 表 示画 面の ウィ ン ドウ、
ボ タ ン、
ス ラ イ ダ、
プル ダ ウ ンメ ニ ュー
は図1
に示 すような イン タ フ ェー
ス(
2
本の振 動棒)
に よりマ ッ ピン グ さ れて い る。 将 来 はWeb
を触 覚でブラ ウジン グ の で きる イ ンタフ ェー
ス に 拡 張 する。さ ら に、
TAS
の要 素 技 術 と し て視覚
に障害を持 つ 人 が表 示装置を使 うための 支 援 装 置で ある ビデ オTAP
(
Total
Access
Point
)の開発 を行っ てい る。図
1 TAS
プロジェ ク トの開発し た触
覚イン タフェー
ス TAP は任意の コ ン ピュー
タ との接 続を 可 能にする標 準 入 出力ポー
トである。
3
. 情
報 処理機器ア ク セ シ ビ リ テ ィ指針
健常 者だけでな く身 体 的ハ ン デ ィ キャ ッ プ者に とっ て 情 報 機 器は情 報の 受 発 信の ための ツー
ル と して非 常に有
用で ある。
この ため、
使い やすい 情 報機器 の普
及が 望 ま れ て お り、
通産 省は感 覚運動 機能
障害に対す る指針 と して、
障害 者 等 情 報 処理 機器ア クセ シ ビ リ テ ィ指 針を平 成7
年に告 示(
第231
号)
した。
こ れに よれ ば利用者が情 報 機器 を使 用 す る 場合の 障 壁 と し て次の4
項目 を示 し てい る。
(1
)上 肢 機能や視力の低 下に よ る情 報 処理機 器 利 用 上の障壁(
2
)聴 覚・
言 語 障 害に よ る コ ミュ ニ ケー
ショ ン上 の障壁(
3
)情 報処理機 器を特 殊 教 育に利 用す る際の障壁(
4
)高 齢 化に伴 っ て発 生す る情 報処 理機器 利 用上 の 障 壁 この指 針 の 内容は キー
ボー
ド、
デ ィ ス プレ イ、
マ ニ ュ アル 文 章およ びその 他の4
部 構 成になっ て お り、
細 目は必須、
重要、推
奨の3
レベ ル で分 類 され て い る。
キー
ボー
ドにつ い ては、 順次 入 力、 キー
リ ピー
ト条 件 設 定 機、 キー
入 力 確 定 条 件 設 定 、 マ ウス 代 行、 トグル キー
状 態 表 示、 キー
ボー
ド接 続イ ン ター
フ ェー
ス公 開キー
ガー
ド の 提供、 キー
位置の触 覚 識 別 手 段の 提 供がある。 デ ィ ス プレイデ ザイン学 研 究 特 集 号 SPECIAL ISSUEOF JSSD Vol
.
7 No 1 1999 1ア N工 工一
Eleotronlo LlbraryJapanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety for the Soienoe of Design
に関 して は
、
画 面の 拡 大 表 示、 画 面 表 示 文 字の 音 声 化(
か な 漢 字 変 換候 補 文 字 音 声化 機能を含む)、
表 示中の 画 面 情 報 出 力 機、 出 力 情 報の多
重 表現、
表 示 色 変 更の各 機 能を、 マ ニ ュ ア ル に 関 して は電 子化 文 書の 提 供を指 摘 して い る。 その 他 に は代 替 入出 力 装 置、 記録媒 体の 取 り扱い、
電 源ス イ ッチ や リセッ トス イ ッチへ の配慮 、
問い 合わ せ 窓口の 明 確 化が記 載され てい る。
こ の指 針と障 害の対 応 を表に した もの が ホー
ムペー
ジ (こ こ ろWeb
)に掲 載 さ れてい る。 なお、 こ のWcb
に はコ ン ピュー
タ操 作 を補 助 する機 器の紹介
な ど、
ハ ン ディ キ ャ ッ プ者 の た めの 情 報が 満 載されてい る。
4
.
ハ ンディキャッ プ者と イン ター
ネッ ト イ ン ター
ネ ッ ト では 最 新の 新 聞の ニ ュー
ス、
天 気 予 報、 観 光地 案 内、
ホテル や 飛 行機の 予約 情 報、
電 車の乗 換 案 内、 辞 書の他 にディ ジ タル音 楽、 ゲー
ム の類に まで もア ク セ スで き、
情 報の 入手 も可 能 に なっ て きた。 前 述の ように、 郵 政省は イン ター
ネ ッ トとハ ン デ ィ キ ャ ッ プ者 との よ り よい 共 生 環境
作 り を 目指し、
高 齢 化 社 会に おい て高
齢 者や 障害を持つ 人々 に等 しく情 報 通 信シス テム を利用 で き る環 境の 整 備を図るこ と を目的と して、
ハ ン デ ィキ ャ ッ プ者が イ ン ター
ネ ッ ト の ホー
ム ペー
ジ に電 話 (音 声 変 換 )やFAX
(
イメー
ジ変
換)
を用 い て、
簡 単に ア ク セ ス で きる シス テ ム の 実験 を 行 っ た。 しかし、 肢 体 不 自 由 者のイン ター
ネッ ト・
アクセ スに関 する情 報 をWWW
で提 供して い るの は わずかで あ り、
情 報シ ス テ ム全 般に関する ア クセ シ ビ リ テ ィ が検
討 された こ と は少な い(
伊 藤、 1997)
。4 .
1.
視 覚ハ ンディキ ャ ップと インター
ネッ トコ ン ピュ
ー
タ に よ り本は電 子化さ れ、
音 声 合 成 や点 字デ ィス プレイで 読め る ようになっ た こ と で、
視 覚ハ ンデ ィ キャ ッ プ 者 に とっ ての 情 報ア ク セ ス の 範 囲は一
気 に広がっ た。 し か し、
視覚
ハ ン ディ キ ャッ プ者の情 報 源は こ れ まで点 字 本や 録 音 テー
プ に 限 られ てい た。 この場 合、 必 要な情 報を 健 常 者と同等の タ イ ミ ン グ で入手す るの は 困 難で あっ た。 こ うし た情 報 源 不 足 は明ら かに視覚
ハ ン ディ キ ャ ッ プ者の社会参
加にまさに大 きな障 害であっ た が、
近 年は イ ン ター
ネッ トの 普及 に より世 界 中 の種々 の情 報に ア ク セス で きる よ うに な り、 情 報 源は飛躍 的に多
くな っ て きてい る.
Web
には 画像 情 報が多
く含まれ るが,
視 覚ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ者に とっ て有効
な文 字 情 報 も多 く、
ホー
ム ペー
ジ 上の 文 字 情 報を 合 成 音声で読み 上げる こ と の できる機 器が開 発さ れて い る。 しか し、 多 く使われて い る コ メ ン ト な しの 画像 情 報を音 声 化す る こ と はで き ない ので、
こう
した画像 情 報を視 覚ハ ン ディ キャ ッ プ者の新 しい 情 報 源と して活 用で きる よう
にす る に は、 画 像に コ メ ン トをつ けてデザイン する必 要がある。一
般 的に、
視覚
ハ ンデ ィ キ ャ ッ プ者が テキス ト ベー
ス の ブラウ ザでWeb ペー
ジ を読め る ようにす る には、
(
1
)画 像リン ク に はコ メ ン ト (al嘱 性 )をつ ける(
2
)タイ トル 情報
をつ ける(
3
)ク リッ カブル マ ッ プ を使わ ない(4)文 字サ イ ズ を 強 調 な どの た め に変 えない
(
5
)表 を多 用しない こ となど が ある。 この よう
に すれ ば文 字を音 声に 変 換す るこ と がで きるの で、
Web デザイ ナは 心掛け て ほ しい 。 ま た、 表の読み 上 げソフ トは存 在 する が、
さ ら に開 発が必 要で ある。 さ らに、 ダ イア ロ グ ボ ッ ク ス や フ レー
ム、Java
を 用い た動 的な表 示など の取 扱い は難 しい が、 WAI
(
Web Accesslnitiative
)
で は、
障 害を持
つ 人 を含
む あ ら ゆる人々 が ア ク セ ス 可能なWeb の イ ン タフ ェー
ス につ い て検
討 を行っ て い る。一
方、
目が見え ない と か耳が 聞えない と い っ たハ ン ディ キャ ッ プ者の た め の 情 報が あ る だ けで は効果 は半
減し て し て お り、
そ の よう
な 人達 が どうすれ ば必 要な情 報を得る こ と がで き る か と い う情 報を与 えるこ と も重 要である。4.
2.
聴覚ハ ンディ キャ ップと手 話 通 信視 覚ハ ン ディ キャ ッ プ者に とっ て手 話は情 報 通 信の 重 要で効 果 的な手 段で あ り
、
TAS で は手 話に よ る入 出力 を研 究 対 象に して い る が、
我が国で も手 話に よ る コ ミュ ニ ケー
ショ ン支 援の 研 究が盛ん に なっ てきてい る。 た と え ば、
亀 井ら(
1996
)は イ18 sPEclAL IssuE oF JssD vol
,
7 No.
1 i999 デザ イン学 研 究 特 集 号Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety for the Soienoe of Design
ン タ
ー
ネッ ト上で音 声 標 記の 記号
列を使っ て少 量 の デー
タを送る事で手 話 通 信が で き るシ ス テム を 開 発 して い る。手
話1
単 語を数 個 の 記 号 列で表 現 で き、
記号
の種
類は150
個 程 度 と少ない の で、
メ モ リの負
担 が小 さくて済む。
この シス テ ム では3
次 元手話 ア ニ メー
ショ ンの 自動 生成 機 能を 用い てい る。 ま た、 竹 村 ら (1996)
はパ ソ コ ン を使っ た手 話 学 習シス テム につ い て検討 し て お り、
手 話コ ミ ュ ニ ケー
シ ョ ン ツー
ルの 開 発 を行 っ て い る。 池田 ら(
1996)
は手 話アニ メー
シ ョ ン の 編集ツー
ル を 開発 して お り、 これ は緊 急 情 報の 伝達 に応 用で き る。 マ ウス を使っ て表 情を付加 し た りで き、 読み 取 りや す い 手話アニ メー
シ ョ ン を作れ る とこ ろ に 特 徴が あ る。一
方、 森 本ら (1999)
は聴覚
に障 害 を 持つ 人 の早 期 胃 癌 発 見の た め に手 話アニ メー
シ ョ ン を使
っ た レ ン トゲ ン シ ス テムを 提案 して お り、 聴 覚に障害を持つ 人が安
心して 受 診で きる た めの シス テ ム を検 討 し てい る。
図2
に示す ように軽 量 の 立体 視用眼 鏡に手 話アニ メー
シ ョ ン で指 示 を出 す とい うもの で、 受 検 者の 心理 的負担 の低減と受 療 拒 否の 防止 を 目指す もの であ る。 こ の シス テ ム をデザイ ンす る場 合、 ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ者に とっ て効 率 的な 最 小 の情 報 量を与 えるの で はな く、 冗 長で は あっ て もむ しろ健 常 者と同等
の情 報 量の授受
が可 能になる よ うに し な け れ ば な ら ない 。 受 療 フ ェ イス・
マ ウ ン ト・
ディス プレイ画 面 図2
胃部レ ン トゲン検査 シス テム 時の 不安 感は健常者以 上 に
大
きい こ と を理 解 する 必 要が あ る。
5 ,
おわ り に世界保 健 機関 は人 間の 障害を機 能 障害、 能 力 障 害
、
社会 的 不利の3
レベ ル に分けて い る。
機 能 障 害、
能力障害のある人の 要 求に対す る デ ザ イ ンは 個人対 応の 特 殊 解の デザ イ ン に なる が(
堀田、 1997)、
社会 的不 利 レ ベル で は高齢 者 も含め た身体 的ハ ン デ ィ キャ ッ プ者の た めの デ ザ イン を必 要と する。 この こ と は情 報シス テ ムの デザイ ン に お い て も例 外で は ない 。 ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ 者 に使い や すい イ ン タ フ ェー
ス は健 常 者に も使い や すい とい う 意 見が あ る が、
必ず し も 正 しい と は言 えない 。 ある特 性を持
つ 人 に は使い やす くて も、
別の特性
を 持つ 人 には使い に くい の が む しろ普 通で あ る。 あ らゆ る情 報 機 器の イ ン タフ ェー
ス 設 計はユー
ザ特
性を考 慮 し て行わ な けれ ば な ら ない が、 コ ンピ ュー
タ の よ うにユー
ザ の多
様 性 をマ ル チ モ ダ リテ ィ に よっ て解 決できる場 合はむ しろ例 外的で ある。 参考 文献 ユ)ア ルキメ デ ス プロ ジェ ク ト、
http:〃www−
cslj.
stanford.
edularch2
) 堀田 :高 齢 社 会に おける デ ザ イン の方 向、
デザ イ ン学 研 究、
44 、3、35−
42、
1997 3 ) 池田、
大 木、
崎 山、
佐川、
竹 内 :手 話 アニ メー
シ ョ ン に よる 情 報 提 供、
日本 手 話 学会第22 回大 会 講 演 論 文 集、
55−
58、
1996 4) 伊 藤、
関 根 :障 害者を取 り巻 くイン ター
ネッ ト・
アク セ ス の現 状
〜
肢 体不自 由者のWeb accessibility、
第 12 回 リハ 工学カン フ ァレ ン ス講 演論 文 集、
12 、
117−
120、
19975
) 亀 井、
長崎 :イ ン ター
ネッ ト を介 し た手話アニメ
ー
シ ョ ン伝送 に関 する検 討、
信学 技報、
HIP96−
16
、87−
92、
1996
6)こ ころ
Web 、
http:〃www,
jeida
.
or.
jpldocumentl
kokorowebltora!contents12
.
html7
)森本、
中田、
内川、
黒 川、
北原、
垰田、
西 山、
藤田 :聴覚障 害 者の胃 部レン トゲン検査の ための手 話 アニ メ
ー
ショ ンに よ る指 示のわかりやす さ、
第15
回ヒュ
ー
マ ン・
インタ フェー
ス・
シ ンポ ジ ウム論 文 集、
19998
)竹 村、
平川 : パ ソ コ ン を使っ た手 話 学 習シ ス テムの実 際
、
日本 手 話 学 会第22 回 大 会 講 演 論文 集、
59−
62、1996
デ ザ イン学 研 究 特集 号 SPEcIAL IssUE oF JSSD vol