CO-DO 30
横浜市脱温暖化行動方針
~ コードから モードへ ~
平成 20 年 1 月 横浜市地球温暖化対策行動推進本部 Ⅰ 取組の意義 平成 19(2007)年 11 月にまとめられた気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 4 次報告によれば、近 年の温暖化の原因は人為起源とほぼ断定され、今後 20~30 年の間の取組が長期的な平均気温の上昇と 気候変動の影響の大きさを決定付けるとされています。この 12 月には気候変動枠組み条約第 13 回締約国 会議(COP13)が開催され、京都議定書の第 1 約束期間以降(平成 25(2013)年以降)の長期的な対策につ いての議論が本格化しています。このように、地球温暖化対策は、国際的にみても、ますます加速化してい る状況にあり、全世界で危機感を持って緊急的に取り組むべき課題になっています。 平成 22(2010)年度を目標とした従来の取組を進めていくだけでは、今後予測される深刻な影響を回避 することはきわめて困難であるといわざるをえません。単にこれまでの延長線上ではない新たな取組が必要 です。 このため、横浜市は、中長期的な目標も見据えた温暖化対策の行動方針をここに定め、市民・企業等全 ての主体に、地球温暖化対策は待ったなしの緊急対策であり、横浜市が率先して取り組む責務があること をアピールし、幅広く議論を盛り上げ、意識共有を図って、有効な施策の実現を図ってまいります。また、取 組むべき施策は今回の内容にとどまるものではなく、世界的な動向等を踏まえて更なる強化について検討 を進めていきます。 Ⅱ 中長期的な展望及び目標達成のための基本方針 1.中長期的な展望 横浜市では、地球温暖化対策を、横浜市環境の保全及び創造に関する基本条例に基づく「環境管理計 画(平成 8(1996)年策定)」の基本方針の一つに位置づけ、取り組んでいます。この方針のもと、京都議定 書の採択や地球温暖化対策の推進に関する法律の制定などの動きを踏まえ、地球温暖化対策を総合的 に推進していく計画として、平成 13(2001)年 12 月に「横浜市地球温暖化対策推進計画」(以下、「推進計 画」という。)を策定しました。その後、京都議定書が発効し、国が京都議定書目標達成計画を策定したこと を受けて、横浜市における地球温暖化対策の確実な進捗を目指し、昨年度(平成 18(2006)年度)に推進 計画を改訂しました。この改訂した推進計画では、平成 22(2010)年度の目標、施策の方向性、目標達成 のための方策を定めるとともに、市民、事業者が取り組むべき具体的な行動を10の重点行動として示して います。現在、この計画に基づき、平成 22(2010)年度の目標達成に向けて対策を推進しています。 しかし、脱温暖化を図るには、平成 22(2010)年度の目標はあくまで通過目標であり、平成 62(2050)年には世界全体の二酸化炭素排出量を半減するとの日本提案(美しい星 50)にあるように、中長期的な展望を 踏まえた取組が必要です。このような状況を踏まえ、横浜市における中長期的な展望として、次のような将 来像及び目標を設定しました。 (横浜の将来像) ・ ライフスタイル・事業スタイルを変革して「ささやかな行動から横浜スタイルを確立」し、「脱温暖化都市 ヨコハマを目指したまちづくり」を進めることで、地球温暖化の主因とされるエネルギー起源の二酸化炭 素の最終的な排出量が少ない生活・産業システムを構築した社会が実現している。 ・ 建物や自動車、まちそのもの、市民・事業者の活動において省エネルギーの取組が徹底され、無駄 の少ないライフスタイル・事業スタイルとなっている。 ・ また、脱温暖化に有効な技術開発・普及により、太陽や風力エネルギーなどの再生可能エネルギー や未利用エネルギーの利用が進み、脱温暖化型の市民生活・企業活動が定着している。 ・ わが国を代表する大都市でありながら、心の安らぎを提供するだけでなく、二酸化炭素の吸収にも資 する樹林地や農地などの緑が市民生活の身近なところに存在している。 ・ このような取組が、都市の魅力となり、環境ショーケースとして世界に向けて発信している。 (将来目標) 推進計画に基づく短期目標(平成 22(2010)年度における一人当たりの温室効果ガス排出量を、平成 2 (1990)年度比で 6%以上削減する)、横浜市地域エネルギー基本構想における検討や内外の動向を踏まえ、 次に示すような具体的な数値目標を設定し、達成に向けて施策の展開を図ります。 ・「平成 62(2050)年度までに、一人当たりの温室効果ガス排出量を、現在(平成 16(2004)年度)から 60%以 上削減する」1 ことを目指します。 ・この目標の達成に向けて、 「平成 37(2025)年度までに、一人当たりの温室効果ガス排出量を、現在(平成 16(2004)年度)から 30%以上削減する」2 「再生可能エネルギーの利用を現在(平成 16(2004)年度)の10倍にする」 ことを目指します。 (参考) 1990 年 2004 年 2010 年 2025 年 2050 年 現在 1人当たりの温室効果 ガス排出量 (t- CO2/人) 5.28 5.74 4.96 4.02 2.30 参考試算 (日本全体)3 10.2 10.6 9.14 8.52 7.12 1 平成 16(2004)年度の排出量からみて年間でおよそ 1300 万 t の二酸化炭素の削減であり、例えば、横浜の風力発電・ハマウィング(約 1,100t- CO2)11000 基以上、1 人 1 日 1kg 削減 360 万人分(約 130 万 t-CO2)の 10 倍程度に相当 2 年間でおよそ 530 万 t の削減であり、例えば、ハマウィング 4800 基以上、1 人 1 日 1kg 削減 360 万人分の 4 倍程度に相当 3 2010 年は京都議定書目標達成計画から試算。2050 年は「美しい星 50」を踏まえ、仮に 2004 年から 50%削減と仮定し試算。2025 年は 仮に 2004 年から 25%削減と仮定し試算。人口の出典は国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口データベース(ウェブサイト)。
2.基本方針 現在の温室効果ガスの排出状況からみて、上に掲げた 2010 年度以降の中長期的な将来像(目標)を実 現するには、従来の取組を進めていくだけでは極めて困難な状況にあります。これまでの取組の推進に加 え、単にこれまでの延長線上にあるというのではない新たな取組を盛り込むことが必要です。 一方で、脱温暖化社会への移行を急ぐあまり、生活の質の低下、社会的弱者へのしわ寄せ等を招いて はなりません。 以上を踏まえ、以下の4つの基本方針のもと、中長期的な将来を見越して、先頭に立って新たな取組を 進めていきます。 ・二酸化炭素の排出削減につながる仕組みの構築と生活の質の向上 横浜市の持つ行政手法を最大限に活用し、脱温暖化型の社会経済システムの構築を進めるとともに、二 酸化炭素排出量が少なく、かつ、生活の質が向上するようなエコライフスタイルへの変革を目指します。 ・実効性のある取組への政策資源の集中と国や地方自治体の政策イノベーションの喚起 二酸化炭素排出削減に実効性のある施策実現に資源を集中するとともに、国・地方自治体における政 策イノベーションを横浜が先頭に立って喚起するような施策を展開します。 ・市場需要プル型4の施策の積極的な展開 従来から行われてきた技術供給型の施策(研究開発や施設設置への助成など)のみならず、省エネや再 生可能エネルギーの市場拡大を促進する市場需要プル型の施策(新たなビジネスモデルの導入や需要創 出につながる関連産業の育成など)に積極的に取組みます。 ・市民・事業者等との活発なコミュニケーション・協働と政策連携による取組の推進 脱温暖化の取組には、より多くの市民、事業者など、全ての主体との協働した取組が不可欠です。単な る普及・啓発にとどまらず、温室効果ガスが地球環境に与える影響について、市民が正しく学習・理解し、 行動に移せるように、場や情報の提供、市民との政策連携も視野に入れた協働に積極的に取り組み、合意 に基づいて施策を展開します。 4 市場を拡大して需要を引き出すことで、施策の目的に合った製品やサービス等を普及することを目的とした施策。例えば、新たなビジネ スモデルの導入、関連産業の育成、市場拡大を誘導する制度の導入などが考えられる。
Ⅲ 新たな局面をつくる取組 ~7つのコードからモードへ~ 生活の場面、事業活動の場面で、あるいは、建物、交通、都市や緑といったまちづくりにおいて、温暖化 対策の新たな局面を作っていくためには、それぞれの分野において、どのような将来像の下でどのような取 組を進めていくことが必要か、基本方針を踏まえ、脱温暖化の行動方針を検討しました。 また、これに併せて、今後の温暖化対策の展開に不可欠となる再生可能エネルギーの拡大、市役所自 身の率先行動についても、行動方針を検討しました。 その結果として、次の 7 つの分野での取組についての行動方針を定めました(7つの CO-DO)。 1.生活 CO-DO 一人ひとりの脱温暖化行動から社会を変える 2.ビジネス CO-DO 脱温暖化ビジネススタイル(商品作り・サービス)から社会を変える 3.建物 CO-DO エネルギー性能のよい建物(省エネ・新エネ装備)による都市づくり 4.交通 CO-DO 徒歩・自転車・公共交通によって移動できる魅力的まちづくりと 自動車の脱温暖化の促進 5.エネルギーCO-DO 再生可能エネルギーを 10 倍に拡大 (飛躍的な拡大) 6.都市と緑 CO-DO ヒートアイランド対策などを通じたみどりあふれるまちづくり 7.市役所 CO-DO 脱温暖化型の市役所づくり この行動方針のもと、脱温暖化のための横浜型の行動を市民と行政の協働の下で作り上げ(コード)、そ れがこれからの横浜の脱温暖化の方法・取組として定着し、ひいては横浜の文化となっていくこと(モード) を目指します。 なお、地球温暖化対策は、世界のあらゆるレベルで、議論・検討・研究・試行が行われており、日々新た な情報・技術等の収集、その対応策への検討が必要です。このため、最新の知見に基づく効果のある施策 やその実施体制については引き続き検討を行い、さらに新たな施策を追加してまいります。
1.生活 CO-DO 一人ひとりの脱温暖化行動から社会を変える (1)将来像 Ⅱで示した将来像を踏まえ、個人や家庭生活の分野では、「自然に脱温暖化の消費行動を取ることがで きるような制度・仕組みや適正な費用負担の仕組みが導入され、市民の生活に脱温暖化行動が定着する 世の中」を将来像として設定します。 将来像をより具体的に示すと、次のとおりです。 ・ 日々の生活が基本的に二酸化炭素等の排出を限りなく低下させたスタイルに変革している。 ・ あらゆる行動の基準が「脱温暖化型」となっている(特に、一人ひとりの消費行動において、環境に配慮 した行動が選択されている)。 ・ 多様な脱温暖化の行動メニューがあり、多様な市民層で積極的な環境行動・貢献が進展している。 ・ 自然に脱温暖化の行動をとることができるような制度・仕組みが作られている。 ここで「脱温暖化型」の行動とは、二酸化炭素等の排出をできるだけ小さくする行動で、省エネ家電製品 を選ぶ、こまめにスイッチをきる、冷暖房を適温に調整する、住宅でのエネルギー管理を取り入れる、エコラ イフを楽しむといった行動などをさします。 (2)取組の方針 このような将来像を実現するために、次のような方針により取組を進めます。 ① 環境に配慮した消費行動、省エネ行動を促進する啓発・PR 市民が日々の生活で、常に環境に配慮した行動を選択するよう誘導するためには、正確な情報がわかり やすく提供されなくてはなりません。また、機に応じたインパクトのあるPRに市民・事業者・行政が協働して 取り組んでいくことが重要です。このため、様々なメディア(媒体)を通じた広報・啓発活動、横浜市地球温 暖化対策推進協議会(以下、「推進協議会」という。)を通じた啓発活動、地域に密着した象徴的な事業に よる市民への幅広いPRを工夫する必要があります。 ② 脱温暖化行動を促すための仕組みづくり 各主体(市民・事業者・行政・活動団体)が個々に取組を進めるだけではなく、適切に情報交換し、連携、 協働していくことで、より大きな効果を得ることができます。そのためには、脱温暖化の取組について、気軽 にアドバイスを受けたり、一緒に行動のできる仕組みが必要となります。 また、市民が楽しみながら環境配慮行動に取り組める仕組みの充実が必要なことはもとより、脱温暖化行 動を市民に促すための手法として、規制的な手法や市民への課徴金、税制等の経済的な手法についても 視野に入れる必要があります。 ③ 多様な行動メニューの提供 市民一人ひとりが具体的な取組を進めていくことができるように、脱温暖化に効果のある行動メニューを 提示し、共に取り組んでメニューを検証していくことが必要です。 また、脱温暖化に取り組む団体への支援など、自らの具体的な行動以外で環境貢献できるようなメニュ ーの提供という視点も必要です。 ④ 家庭における3R※(G30 行動)の推進 さらなる分別の徹底と定着を図るとともに、マイバッグの利用、長く使える製品の購入など、発生抑制の取
組を進めるなど、家庭での「G30」を一層促進することが必要です。
また、家庭から排出される生ごみ・せん定枝などの減量・リサイクルの推進に向け、生物由来の廃棄物を バイオマスとして活用する技術等について調査・検討し、導入を目指します。
※廃棄物の発生抑制(リデュース Reduce)、再使用(リユース Reuse)、再生利用(リサイクル Recycle)をいう。
(3)今後の主な取組 取組の方針を踏まえ、今後、以下のような施策に新たに取組みます。 ① G30 の協働の経験を活かし、脱温暖化の市民行動を盛り上げ、市民力の発揮につなげていきます (横浜の特性を生かした象徴的な事業やインパクトある PR を進めます) - 省エネを徹底したエコライフスタイル(二酸化炭素の排出のより少ない生活スタイル)の良さを、省エ ネ活動の成果が家庭内ですぐに確認できる省エネナビなどの機器を用い、実際に市民が体験する 省エネ実践モデル事業を東京大学と連携して実施 - エコライフスタイルのよさに目を向けられるよう、横浜にあるプロスポーツチーム(横浜 F マリノス、横 浜 FC、横浜ベイスターズ)と連携した二酸化炭素(CO2)の削減活動を推進 - エコライフスタイルを選択していくことができるよう、家電量販店等と協力した電球型蛍光灯転換を促 進する取組を、できるだけ早期の 100%転換を目指し、実施 - レジ袋・使い捨て容器等削減・お買い物キャンペーンの実施や、グリーン購入ネットワークとの協力、 各区の消費生活推進員との連携によるきめ細かな啓発活動の推進 ② 市民の脱温暖化行動を促し、市民の脱温暖化行動の選択を支援する仕組みをつくっていきます - 脱温暖化行動のアドバイス等で市民行動を支援する「温暖化対策アドバイザー」(仮称)の資格制度 を創設 - 脱温暖化の担い手を作る「環境市民大学」(仮称)の開設などにより、市民・事業者と連携して、脱温 暖化に関する普及啓発、人材育成、拠点作りなどを推進 - 市民の脱温暖化行動を促進するための仕組みである「横浜環境ポイント」について、平成 19 年末ま で行っていた社会実験をさらに発展させ、市民の方がいつでもどこでも気軽に楽しく参加できるポイ ント制度となるよう、市内の鉄道事業者や流通事業者、市民団体等の方と協働で推進 - 市民への気軽なアドバイスを可能とし、市民や事業者からの知恵を引き出し、協働した行動を活性 化するため、「横浜市地球温暖化対策推進協議会」をその取組の核に位置づけ、活発な取組を推 進 - 市民一人ひとりがそれぞれの状況に応じてできることに取り組めるように、市民の取り組むことのでき る温暖化対策の多様なメニューの用意(例えば、子供省エネ大作戦の拡充や小学生以外の年齢層 の取組、自治会単位での取組、節約型ではなく「○○する」という取組などを検討) ③ 家庭における 3R(G30 行動)を一層推進していきます - レジ袋の使用を抑制するためのマイバッグの利用拡大や、使い捨て容器削減に向けた各種イベント でのリユース食器の活用など、発生抑制や再使用の取組を促進 - バイオマスの活用を目指し、生ごみ等の資源化のための調査を実施
2.ビジネス CO-DO 脱温暖化ビジネススタイル(商品作り・サービス)から社会を変える (1)将来像 Ⅱで示した将来像を踏まえ、企業・事業活動の分野では、「事業活動に脱温暖化の視点が組み込まれた、 「脱温暖化ビジネス」の拠点都市」を将来像として設定します。 将来像をより具体的に示すと、次のとおりです。 ・ 脱温暖化の視点を組み込んだ事業活動が展開されている。 ・ 具体的には、環境配慮システムが導入されており、事業所における省エネ行動が事業所の構成員に 普及している。また、企業が温室効果ガスを計画的に削減する仕組みが整備されている。さらに、横浜 の持つ地域資源を活用した環境ビジネスが成立し、環境ビジネス・産業の拠点となっている。 ここで事業所の省エネ行動としては、省エネオフィス製品を選ぶ、建物でのエネルギー管理を取り入れる、 高性能な作業機器を導入するといった行動が挙げられます。 (2)取組の方針 このような将来像を実現するために、次のような方針により取組を進めます。 ① 温室効果ガスの計画的な削減 事業者自らが省エネの取組を進めることに加えて、大規模事業者による中小事業者の省エネの取組を 支援するなどの、事業者の自主的な温室効果ガス削減の取組を誘導していく必要があります。一方で、温 室効果ガスの排出量の削減を義務付ける制度の導入の検討を進めていくことも必要です。 ② 環境配慮システムの導入 企業の購買力(消費行動)を活用したエコ商品・サービス市場の拡大、民間事業者のグリーン購入の取 組の推進、環境マネジメントシステムの普及の促進、調達電力のグリーン化の促進が必要です。 ③ 事業所における省エネ行動の推進 脱温暖化行動に積極的に取り組む事業者を支えるための制度を導入することが必要です。一方で、消 費者が電器製品の購入の際に省エネ型の選択が可能となるような取組を事業者に求める必要があります。 また、環境負荷のより少ない事業活動スタイルを民間事業者に普及していく必要があり、そのためには、ま ず市役所の全ての事務事業において環境負荷をゼロに近づける取組が必要です。 ④ 新たなビジネスモデルの創出 研究機関、大学、企業の力を最大限引き出すことで温暖化政策に資する技術開発を推進するとともに、 市が率先して効果ある技術を導入し実証・普及に努めることが必要です。また、先進的に脱温暖化に取り 組む企業との連携、横浜の持つ地域資源を活用した新たな環境ビジネスの創出の支援、環境活動などを 通して地域に貢献する企業の支援などの環境経営への取組の推進が必要です。 ⑤ 事業者による3R(G30行動)の推進 使い捨て容器やレジ袋の使用を削減し、リユース容器による販売を行うなど、製造・販売に係わる事業者 自らによる発生抑制や再使用の促進を図るとともに、一定規模以上の事業者に対しては廃棄物の削減や 発生抑制に関して一定の規制を行うことも検討する必要があります。 さらに、法制度等に基づき、生物由来の廃棄物についても、貴重な資源としての活用を促進することが必
要です。 (3)今後の主な取組 取組の方針を踏まえ、今後、以下のような施策に新たに取組みます。 ① 事業者による温室効果ガスの実質的な削減を進めます - 地球温暖化対策計画書制度の強化※1と温室効果ガス削減のための積極的な取組の評価や誘導策 ※2を組み合わせた効果的な省エネ推進の仕組みづくりの推進 ※1 一定規模以上の事業所の温室効果ガスの排出抑制の計画や実施状況の報告を求める「地球温暖化対策計画 書制度」において、計画書の公表に加え、対象範囲をコンビニやファーストフード店など業務系事業所へ拡充し、 制度の実効性を向上 ※2 高効率産業機器・高効率省エネ業務設備の導入支援(低利融資制度の拡充、CBO(社債担保証券)活用の検 討や人材育成など) ② グリーン購入や環境マネジメントシステム等の環境配慮システムの普及を図ります - 市内事業者や NPO 法人からなるグリーン購入の横浜における地域ネットワークを組織し、地域に根 ざしたグリーン購入を普及促進
- 環境マネジメントシステム(ISO14001 等;EMS)の取得のための環境 ISO 市民コンサルタントの派遣 による中小事業者支援等の事業者の EMS 導入支援の推進 - 市役所活動を通じて事業者へ環境配慮行動を拡大 ③ 事業者の省エネ行動を支える環境づくりを進めます - 事業者の省エネ行動の表彰等の制度の検討 - 省エネアドバイザー制度(市内大規模事業者が協力)による中小事業者の省エネ取組の支援 - 二酸化炭素の排出のより少ない商品やサービスを消費者が選択できるよう、顧客や利用者への商 品・サービスに関する省エネ情報の提供を事業者に対して要請 - 24時間眠らない生活スタイルの見直しにつながる脱温暖化のビジネススタイルを推進するため、自 動販売機や夜間営業によるエネルギー消費をできるだけ低減する効果的な方策を検討 - 事業者の行動を支援するため、エコ活動相談窓口を設置 ④ 新たな脱温暖化ビジネスのアイデアを公民協働で実現するための拠点となる都市を目指します - 横浜版SBIR(Small Business Innovation Research:中小企業技術革新制度)の拡充、先端産業の
創出・育成などの技術開発を支援 - 観光関連事業者と連携した、環境配慮行動を組み込んだ観光(横浜エコツーリズム)の実施に向け た検討 - 金融機関と連携した、市民・事業者の環境配慮行動を促進する金融商品の開発の検討 - 構造改革特区制度等の活用の検討 ⑤ 事業者の 3R(G30 行動)を更に充実させます - 事業者の自主的な発生抑制・再使用の取組の支援、環境に配慮した商品情報の発信 - 一定規模以上の事業者の廃棄物の減量化・資源化等計画書の公表、さらにはレジ袋や使い捨て容 器の使用の禁止など、3Rの推進に向けた新たな仕組みや制度について検討
3.建物 CO-DO エネルギー性能のよい建物(省エネ・新エネ装備)による都市づくり (1)将来像 Ⅱで示した将来像を踏まえ、建物の分野では、「省エネ性能が高く、再生可能エネルギーを活用した「エ ネルギー性能のよい建物」が市場で選択され、それらが良好な都市のストックとなる社会」を将来像として設 定します。 将来像をより具体的に示すと、次のとおりです。 ・ 新たに造られる建築物は、長期的に高いレベルのエネルギー性能を持つ建築物となっている。 ・ 圧倒的に多数を占める既存建築も、建築の状況に応じて、改修や建て替えによりエネルギー性能の向 上が図られている。 (2)取組の方針 このような将来像を実現するために、次のような方針により、取組を進めます。 ① 建築物のエネルギー性能の評価・格付けによる、エネルギー性能のよい建物が選択される市場形成の 誘導 多くの人にとって自動車の燃費への関心は高いものの、建物の燃費(光熱費等のエネルギー性能)につ いては、その情報が十分でないこともあり、比較的関心が薄いと考えられます。しかし、建物の燃費は、毎年 の光熱費、住生活の快適さなどにも大きな違いが出ることから、建物の所有者・使用者として知っておくべき 重要な情報といえます。 このため、全ての建物について、エネルギー性能を簡易でわかりやすく表現し、所有者・使用者がこれを 理解するとともに、建物の取引時(建設、売買、賃貸、広告等)に知ることができるようにする必要がありま す。 ② 建築物のエネルギー性能の向上に向けた規制・誘導方策の検討 新築・建て替え・改修等の時機をとらえ、省エネルギー性能の向上や再生可能エネルギー導入などに対 する経済的優遇措置による誘導を図るとともに、必要最低限のエネルギー性能を確保するための適切な規 制手法の活用が必要です。EU の一部では、太陽光・太陽熱の利用について義務付けの動きもあるように、 太陽エネルギーなど再生可能エネルギーの導入の積極的な展開についてもあわせて検討する必要があり ます。 ③ 脱温暖化モデルプロジェクトの実施 省エネルギー技術・再生可能エネルギー技術は日々進歩しております。これらの技術を活かしたモデル プロジェクトを進めることは、技術の普及とともに脱温暖化社会の可視化に大きな意義があります。そこで、 大規模建築や先導的なまちづくりを行う際には、エネルギー性能が高く、かつ魅力的な建築・まちを具体化 していく必要があります。 ④ ライフサイクル CO2の低い建築物の普及、建築物の長寿命化 建築物からの二酸化炭素の排出削減には、使用時だけではなく建築・除却時も含めたライフサイクルを 通して排出される二酸化炭素(ライフサイクル CO2)を考慮するとともに、建築物の長寿命化や良質な中古 住宅等の流通促進が必要です。このため、新築時においては、構造面や環境面などが高規格な仕様の採 用や将来の使い勝手の変化に対応できる可変性の高い設計を行うことが望ましく、既存建築についても同
様に効果的な改修が必要です。 ⑤省エネ化の更なる徹底化の手法の確立・普及 簡易な省エネの取組・きめ細かなエネルギー管理・省エネ改修など、建築物の省エネ化に関する総合的 な手法の確立や、その普及が必要となります。 (3)今後の主な取組 取組の方針を踏まえ、今後、以下のような施策に新たに取組みます。 ① 建築物のエネルギー性能の評価・格付けの仕組みづくりを進めます - 「建物のエネルギー性能の評価・格付け制度」※を検討 ※建築物のエネルギー性能の評価・格付け(「建築燃費カルテ」(仮称) エネルギー性能、燃費、改善提案、投資回 収の見通し等を分かりやすく表現したもの)を取引等(建設・売買・賃貸・広告等)の時に作成・公表することにより、 取引等の当事者が、エネルギー性能の優れた建築物を選択できる仕組み ② エネルギー性能のよい建物が誘導されるための経済的誘導策・規制的手法を組み合わせた仕組み づくりを進めます - 省エネルギー性能の向上、再生可 能エネルギー導入や建築物総合環 境性能評価 システム (CASBEE)の普及・促進等に対する経済的な誘導策(固定資産税軽減等の検討) - 必要最低限の建築物の省エネ性能や太陽光・太陽熱等の再生可能エネルギー利用を確保するた めの規制的手法の検討 ③ 脱温暖化都市を可視化する先導的な脱温暖化開発モデルプロジェクトを誘導します - 土地所有者等が都市計画の提案を行う「都市計画提案制度」による大型開発等に対する、脱温暖 化型モデルプロジェクトへの誘導 - 市街地環境設計制度の許可条件の設定、戸建てモデル団地の検討等 ④ ライフサイクル CO2の低い建築物の普及や、建築物の長寿命化を促進します - 環境上優れた仕様で、かつ将来の変化にも柔軟に対応できる建築物の普及に向けた環境配慮型 の設計指針の策定 - 中古住宅の住み替え促進や中古住宅の性能に関する情報提供等による良質な中古住宅が流通さ れる市場の活性化 ⑤ 省エネ化の更なる徹底化の手法を確立し、その普及を図ります - 公共建築物について、 ・広範な建築物に適用できる省エネ効果の可視化による省エネの取組 ・ 建築物及び環境特性を踏まえたきめ細かなエネルギー管理 ・ ESCO 事業※等による省エネ改修 等の推進により、建築物等の省エネ化の総合的な手法を確立するとともに、民間建築物への展開を 検討
※Energy Service Company の略。工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、それまでの環 境を損なうことなく省エネルギーを実現し、さらにはその結果得られる省エネルギー効果を保証する事業のこと。
なお、上記の取組には、国との適切な役割分担や、地域の建築設計・建築関係者等との相互協力が不 可欠であり、十分に連携を図りながら進めていきます。
4.交通 CO-DO 徒歩・自転車・公共交通によって移動できる魅力的なまちづくりと自動車の脱温暖化の 促進 (1)将来像 Ⅱで示した将来像を踏まえ、交通の分野では、「公共交通機関や自転車の利用に比重を移した過度に 自動車に依存しない社会・交通体系、自動車からの温室効果ガス及び排出ガスの少ない車両(以下、「低 燃費・低排出車」といいます。)への転換された社会」を将来像として設定します。 将来像をより具体的に示すと、次のとおりです。 ・ 自動車単体からの温室効果ガスの排出量は抑制され、低燃費・低排出車が普及している。 ・ 都市間をつなぎ、地域の足となる鉄道・バスなどの公共交通機関が利用しやすくなり、自動車交通との 適切な役割分担のもと、徒歩や自転車、公共交通によって移動できる便利なまちへ変化している。 ・ 過度なマイカー交通を抑制し、公共交通利用を促進するための制度が整備され、自動車交通は円滑と なるとともに、自動車交通需要が抑制されている。 ・ 市民や企業のドライバーは、節度あるマイカー利用やエコドライブを行っている。 ・ 都市として必要な道路ネットワークが構築されている。 (2)取組の方針 このような将来像を達成するために、次のような方針により、取組を進めます。 ① 都心部を対象とした先導的交通施策の展開 脱温暖化の交通像を可視化する意味でも、都心部を対象に先導的な交通施策を展開する必要がありま す。 ② 自動車単体からの二酸化炭素排出抑制 低燃費・低排出車のさらなる普及のため、公用車への率先導入や民間事業者の車両の一層の低燃費・ 低排出化を促進するための経済的誘導策、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)等の排出が悪化しない ことを前提として、バイオ燃料などの再生可能エネルギーの普及のための検討が必要です。 このような自動車単体の低燃費・低排出化に加え、環境に配慮した自動車利用の仕方(エコドライブ)に ついても普及する必要があります。 ③ 自動車交通の円滑化・需要の抑制 ドライバーに対して適切な経路変更を促す施策を進める必要があります。あわせて、交通需要抑制のた めの規制的な手法についても検討を進める必要があります。 ④ 公共交通機関の利用促進 路線バス同士の乗り継ぎやバスと鉄道の乗り継ぎの利便性を高めるとともに、現在にも増してバスの定時 性を確保する措置が必要です。また、利用者への運行等に関する積極的な情報提供の取組が必要です。 ⑤ 環境にやさしい交通行動の啓発 自動車利用についての人間の行動に着目し、交通の利用者側の視点からの取組を進める必要がありま す。自動車利用者に対して自発的な交通行動の転換を働きかけていくための啓発活動を進める必要があり、 様々なイベントの拡充も検討する必要があります。
(3)今後の主な取組 取組の方針を踏まえ、今後、以下のような施策に新たに取組みます。 ① 都心部で先導的な交通施策を展開します - 民間事業者と連携しながら、コミュニティサイクルなど誰もが手軽に利用できる新たな自転車施策の 検討 - 公共交通機関共通フリーチケットの社会実験の実施 ② 自動車単体の排出抑制を進めます - 自動車の低燃費・低排出化の更なる促進 ・ 公用車への率先導入、エコドライブの普及促進を引き続き実施 ・ 運送事業者等の計画的な導入を促すため、事業者の車両の一層の低燃費・低排出化に対する 経済的支援措置の拡充を検討 ・ 運送事業者だけでなく、荷主や荷受事業者に対して、委託する運送事業者が低燃費・低排出車 を使用するよう促すことを検討 - 窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)等の自動車の排出ガス性能や安全性を十分考慮した上で、 バイオ燃料など再生可能エネルギーの効果的な導入方策を検討 ③ 徒歩・自転車・公共交通によって移動できる便利なまちづくりを進めます (自動車交通の円滑化や需要の抑制を図ります) - 一定エリアに流入する自動車への規制、駐車場利用への課金制度※1、パークアンドライドシステム、 カーシェアリング※2など自動車交通の抑制に向けた仕組みの構築や、新たな公共交通システム導 入、交通需要マネジメント制度※3導入、体系的な道路ネットワークの整備や渋滞箇所における道路 改良など、環境負荷軽減につながる交通施策について検討 ※1 課金により、マイカー利用を控えようとする心理を掘り起こし、目的地や交通手段の変更を促すとともに、課金し た結果得られる財源を環境政策や都市交通政策に活用する施策 ※2 市営駐車場等の空き駐車スペースを活用した一台の自動車を複数の会員が共同利用できる仕組み ※3 リアルタイムの交通情報提供システムの導入や駐車場案内システム高度化などドライバーの適切な経路変更を 促す施策 - 神奈川県警と連携し、自転車走行空間の整備を全市的に展開し、都市の交通手段として自転車利 用を促進 ・ モデル地区を設置し、車道に自転車レーンの整備や歩行者に支障なく景観に配慮したオープン スペースを有効活用した駐輪場整備 ④ 公共交通機関の魅力を向上します (マイカーからの転換を促進するため、公共交通機関の乗り継ぎ時などの利便性の向上を図ります) - 市民・企業・交通事業者・行政の連携の場(協議会)を設置 - 交通結節点である駅周辺のバリアフリー化の推進 - バスからバスへの乗り継ぎ時の料金割引制度の導入の検討 - 交通事業者と商業施設がタイアップした環境ポイント制度、バス専用・優先レーンや公共車両優先 システムの拡充、バスロケーションシステムの拡充の支援 ⑤ 利用者の視点から、環境にやさしい交通行動をつくりだしていきます
- 商業者と連携した脱マイカー買物スタイルの取組の検討 - モビリティマネジメント※の実験の検討
※一定の地域において「過度に自動車に頼る状態」から「公共交通や徒歩などを含めた多様な交通手段を適度に利 用する状態」へと少しずつ変えていく一連の啓発活動
5.エネルギーCO-DO 再生可能エネルギーを 10 倍に拡大(飛躍的拡大) (1)将来像 横浜市の温室効果ガスの排出量の9割以上はエネルギー起源の二酸化炭素であることから、温室効果 ガスの排出抑制には、エネルギー消費の抑制が必要です。その上で、化石燃料によらない再生可能エネ ルギーの利用割合を大幅に高めていくことが不可欠です。 エネルギー消費形態は、主に電力、熱源、輸送用燃料であり、再生可能エネルギーの普及拡大のため には、利用する電力の再生可能エネルギー由来の割合を高める電力のグリーン化を図ること、化石燃料の 利用を再生可能エネルギーの利用に代えることが必要です。 しかしながら、再生可能エネルギーが化石燃料に比べ、コストや供給の安定性等において必ずしも優れ ていない現状のままでは、導入量の飛躍的な拡大は期待しにくい状況にあることから、新しい地域のエネル ギー政策パラダイムのもとで、実効性をもった体系的な戦略が必要です。 様々なエネルギー利用の場面において、再生可能エネルギーを選択しやすい環境を整備するためには、 まず再生可能エネルギーの高い導入目標を掲げ、再生可能エネルギーの市場を政策的・制度的に整備す る必要があります。 このため、Ⅱで示した将来像を踏まえ、エネルギーの分野では、平成 37(2025)年までに、再生可能エネ ルギー※の利用を現在の10倍にする飛躍的な普及拡大を目指して取り組んでいくという行動方針を掲げ、 エネルギー供給事業の側面だけではなく、エネルギー利用の側面からの施策の展開、個人や地域レベル で利用する再生可能エネルギーの選択ができる仕組みの構築について対策の検討を進めることとしまし た。 なお、分散型の再生可能エネルギーの利用の推進においては、震災の危機に直面する都市域における 防災対策という観点にも留意する必要があります。 ※太陽光、太陽熱、風力、小水力、バイオマス・エネルギー、温度差エネルギー等を想定 (2)取組の方針 上述の高い目標を目指して、新たな仕組みを構築し再生可能エネルギー市場の拡大を図るため、政策・ 社会・ビジネスモデルの実証のための初期導入プロジェクトを進めます。 ① 新たな仕組みの構築 消費者のエネルギー選択のための情報ベース作りや、市場側面からの需要拡大のための制度・仕組み づくり、経済的手法等による誘導策の導入を進める必要があります。 ② 初期導入プロジェクトの実施 再生可能エネルギーの普及拡大の取組を軌道に乗せるため、政策モデルや社会・ビジネスモデルの実 証・検証を行う事業や行政の率先導入など、初期導入プロジェクトを進める必要があります。 (3)今後の主な取組 取組の方針を踏まえ、今後、以下のような施策に新たに取組みます。 ① 横浜市内で利用する再生可能エネルギー量を現在の 10 倍に拡大するためのロードマップを策定しま す ② カーボンオフセット※の導入を進めます - 横浜FCや横浜Fマリノスと協力して、カーボンオフセットの試合の開催を検討 - 150 周年記念事業等横浜市が関与する一定規模以上のイベントのカーボンオフセットのモデル事業
の実施 - カーボンオフセットの事業活動への導入の促進 ※日常生活や経済活動において避けることができない二酸化炭素の排出について、まずできるだけ排出量が減る よう削減努力を行い、どうしても排出される二酸化炭素についてその排出量を見積り、排出量に見合った二酸 化炭素の削減活動に投資すること等により、排出される二酸化炭素を埋め合わせるという考え方 ③ 再生可能エネルギーが普及するための仕組みの構築を進めます - 太陽光発電設備の設置時の助成や発電した電力の環境価値分の買取等、太陽光発電設備の設 置時の負担を軽減する支援策や税制の活用など、幅広い仕組みを検討 - 太陽熱利用システムの普及のための要件や支援策(設置時助成等)の検討や、工場等の排熱を有 効に活用するための仕組みの検討など、熱政策の推進 - 電力の利用者が自らの選択で再生可能エネルギーによる電力を購入することが出来る仕組みを検 討(グリーン電力(環境への負荷が小さい発電方式により発電された電力)の調達の民間への普及、 エネルギー供給事業者に二酸化炭素排出係数の抑制等の計画の提出を求めるエネルギー環境計 画書制度など) ④ 市民、NPO、企業、行政の協働による再生可能エネルギーの導入を促進します - 啓発効果の高い公共施設等への再生可能エネルギーの公民協働での導入の推進(象徴的な地域 (みなとみらい 21 地区)での太陽光発電による事業化の検討等) - 市民、事業者、行政等の協働による再生可能エネルギーの普及の仕組みの検討 ⑤ 排出ガスや安全性に配慮したバイオ燃料の普及促進の仕組みづくりを進めます - バイオディーゼル燃料(BDF)の活用方策の検討 - 公用車へのバイオ燃料(E3 等)の導入の検討 ⑥ 次世代の環境対策の車両※の普及促進のための検討を進めます
6.都市と緑 CO-DO ヒートアイランド対策などを通じたみどりあふれるまちづくり (1)将来像 横浜市では特に都心部ではヒートアイランド現象が顕著であり、その緩和を図り、環境の質を確保するこ とは地球温暖化対策としても重要です。また、良好な水環境やみどりの存在は、地球温暖化対策としての 効果(吸収源やバイオマスエネルギーの活用等)も期待されます。 都市域においては特に都市排熱の抑制や緑化等地表面の改良を図るとともに、既存の大規模な樹林地 などの緑地はクールスポットとして維持・保全するなど、地域特性に応じた施策を市民とも協働して展開し、 より快適な生活空間や、良好な生息空間を確保し、熱帯夜日数の減少を図る必要があります。 都市を構成するインフラ・土地利用などは、一度出来上がると長期間継続するもので、短期的視点では 改善は困難であり、長期的視点をもって取り組んでいくべき課題です。 コンパクトな都市構造を目指し、駅を中心とした、歩いて生活できるまちづくりを進めるとともに、緑の保全 創造を進め、これらによって、脱温暖化型であるとともに、豊かで快適な都市生活の実現を図るべきです。 また、都市の物質循環・エネルギー循環を担う下水道や廃棄物処理等の施設等についても、技術革新を 活かしつつ、脱温暖化に資する仕組みへの転換を目指す必要があります。 以上から、Ⅱで示した将来像を踏まえ、都市と緑の分野では、「窓を開けてもすごしやすく、通りを歩いて も快適な、緑あふれる都市」、「緑が資源としても有効に活用される社会」、さらには「駅を中心として歩いて 生活できるコンパクトな都市構造と緑の保全創造が両立した持続可能なまちづくり」を将来像として設定しま す。 (2)取組方針 このような将来像を実現するために、次のような方針により取組を進めます。 ① 排熱抑制の取組 各種省エネルギー施策などの温暖化対策に加え、更新に合わせ設備機器の排熱形態の転換等を進め る必要があります。 ② 地表面の改良、風の道の確保の取組 本市ではこれまでに、緑地の保全、建物の屋上・壁面や敷地の緑化の推進、保水性舗装等(すず風舗 装)の推進、打ち水の実施や雨水樽の活用等の取組を行っており、これらの結果を検証しながら、更に取 組を拡大・拡充する必要があります。また、新技術の実証実験の実施を検討する必要があります。 ③ 調査・情報公開・啓発の取組 ヒートアイランドの実態を把握し、横浜市の現状および将来を市民が実感できるようにするため、市内の 温度や風環境調査等の実態調査を充実し、横浜市の地域特性に即した対策の効果をシミュレーション手 法等により検証するとともに、シンポジウム等の場を活用して情報の発信を積極的に図ることが必要です。 ④ 二酸化炭素の吸収源・バイオマス資源の供給源 市内に存在する緑は、二酸化炭素の吸収源としてはその寄与割合は小さいものの、緑の機能や二酸化 炭素の循環の仕組みを身近に体験する場として、樹林地の適切な管理を進めることは温暖化対策の啓発 にとっても意義が大きく、保全するためには、適切な管理が不可欠です。このため、市内だけでなく国内の
森林の適切な管理の際に発生する剪定枝や間伐材の燃料(木質ペレット・チップ)としての利用等、バイオ マス資源としての活用を検討する必要があります。 ⑤ コンパクトなまちづくりへの誘導 一層のコンパクトシティを目指すためには、交通利便性の高い既成市街地・駅周辺地域に、住宅や生活 関連施設の集積を図るとともに、屋上や壁面を含めた緑化に配慮する必要があります。また、コンパクトシテ ィにおける環境を良好に維持するため、公共交通機関や自転車・徒歩へ比重を移した交通体系に移行す ると共に、都市内物流施設の適切な立地の検討など、物流交通からの環境負荷の低減を図る必要がありま す。 また、コンパクトシティを目指す一方で、併せて、郊外の低層住宅地の緑の保全・創造や、自然エネルギ ーの利用拡大を図る必要があります。 ⑥ 新たなシステムの導入検討 一定の地区における複数の建築物間でのエネルギーの相互融通など面的利用や、都市の有する未利 用エネルギーの活用など、街づくり全体でのエネルギー運営管理を進める必要があります。また、リサイクル やエネルギー回収技術など脱温暖化に資する新たな技術を活用した、脱温暖化都市にふさわしいシステ ムの導入についても検討する必要があります。 (3)今後の主な取組 取組の方針を踏まえ、今後、以下のような施策に新たに取組みます。 ① より多くのクールスポットを創出し、ヒートアイランド対策を推進します - 地域レベルでのヒートアイランド対策の行動計画を策定 - 屋上緑化、壁面緑化等の推進や、ドライミストや遮熱性塗料など新技術の実証、更にはヒートアイラ ンド対策効果の可視化に資するヒートアイランド対策の集中的な導入の検討 - 注目度の高い象徴的な地域(みなとみらい 21 地区)でのヒートアイランド対策のパイロット事業の推 進 - 環境科学研究所等産官学が連携し、クールスポット効果の検証など、ヒートアイランド対策に関する 調査・研究を推進 ② 緑をバイオマス資源の供給源として活用していきます - 道志村など農山村地域とも連携し、新技術の導入検討も視野に入れて、木質バイオマス資源の有 効活用を推進 ③ 土地の高度利用と緑化等の組合せによるコンパクトなまちづくりや、未利用エネルギーの面的な利用 等の検討を進めます
7.市役所 CO-DO 脱温暖化型の市役所づくり (1)取組方針 横浜市役所は、脱温暖化社会の取組を率先して、市役所庁舎等の公共建築、公用車、事務事業に導入 していきます。現在の市役所の地球温暖化防止実行計画では、エネルギー使用量の削減、資源の有効利 用、公用車の利用における取組といった事務所等における取組、建築物等、電気設備・エネルギー供給設 備等、公共工事といった公共施設の整備及び管理運営に係る取組、一般廃棄物処理事業、下水道事業、 水道事業、高速鉄道事業、自動車事業の主要事業における各事業の特性に応じた取組を進めており、 ISO14001 に基づく環境配慮行動と相まって、着実な削減に取組んでおります。今後、実行計画の着実な 推進を図るとともに、ISO の仕組みを温室効果ガス削減に効果的に活用しつつ、更なる削減に向けた取組 の具体化を進めていきます。 (2)主な取組 ・ 公共建築物の設備機器の制御等のきめ細かな運用上の改善や省エネ効果の可視化による省エネの 取組の推進 ・ 公共の建築物等について、省エネ型照明機器(省エネ型蛍光灯や LED 等)や省エネ型設備機器の 新・増・改築時の導入に加え、改修・改造等の工事での導入などの省エネ改修、さらには再生可能エネ ルギー(太陽光・太陽熱等)導入の推進 ・ 公共建築物の新・増・改築についての横浜市建築物環境配慮制度(CASBEE 横浜)の認証に加え、既 存の改修・改造等について制度の適用を検討 ・ 公用車の低燃費・低排出型車両への転換を促進、バイオ燃料の導入 ・ 市役所活動を通じて事業者へ環境配慮行動を拡大 (市役所への納入事業者のエコ配送の推進、横 浜型グリーン電力入札(グリーン電力の調達)の推進と民間への普及等) ・ 小水力発電、バイオマス発電、廃棄物発電など未利用エネルギーの活用・着実な推進 ※各分野の取組から市役所としての主な率先取組を抽出したもの
Ⅴ 施策の推進方策 「G30」の取組のような多様な市民参加による環境行動の展開が横浜の大きな魅力です。また、平成 21 (2009)年には、開港 150 周年という大きな節目を迎えます。 これらのことを踏まえ、全市的な運動として市民、企業が主体的に動いていくことができるように、行政は コーディネーターとしての役割を明確にしながら、脱温暖化に取り組む市民、NPO、地域、企業を、徹底的 に支持し、支援していくことが必要です。また、小学校から大学まで全ての段階でそれぞれのステージに合 わせて脱温暖化に向けた教育が進められるようになることが重要です。 温暖化対策は、分野ごとの縦割り施策では、施策効果が限定的となり、大きな波及効果が期待できませ ん。そこで、分野別の取組を効果的に進めるため、制度や施策に対応した行政システム、多様な市民参加 を促す横断的な仕組みを構築するとともに、継続的に施策を検証することが必要となります。 以上を踏まえ、以下に掲げる取組を進めていきます。 1 推進本部の設置 市に推進本部を設置するとともに、各区に推進組織を設置し、地域における行動を推進します。 市推進本部には、テーマ毎にプロジェクトチームを設置し、方針をより具体化することとし、早急に施策・ 事業実施の工程表を作成していきます。 2 施策の具体化に向けた議論の場づくり 脱温暖化社会のあるべき姿(目標)を共有するため、さらには様々な提案から新しい知恵・取組を生み出 すため、市民・事業者・行政が幅広く議論を重ねることのできる場づくりを進めます。 議論で得られた将来像を関係者が共有して、施策の具体化を図ります。 3 条例の制定の検討等 脱温暖化の加速化に向けて、基準の提示や義務を課すといった規制的な施策や、融資制度・税制等の 経済的な誘導策など、様々な施策の導入が必要となると考えられます。このため、施策の実効性の担保の ための「脱温暖化条例(仮称)」の制定の検討等に着手します。 4 市民・事業者・行政の協働 市民への気軽なアドバイスを可能とし、市民や事業者からの知恵を引き出し、市民・事業者の参加・協働 を活性化するため、「横浜市地球温暖化対策推進協議会」を核とした協働の取組を推進します。 脱温暖化の担い手を作る「環境市民大学」(仮称)の開設などにより、市民・事業者と連携して、脱温暖化 に関する普及啓発、人材育成、拠点作りなどを進めます。 広範に市民や事業者の知恵と力を結集することができるよう、企業及び NPO との協働・相談窓口を設置 するとともに、温暖化対策に関するアイデアを広く企業等から募集します。 5 国内外の先進的な都市等との連携と情報発信 横浜市のみが独自に施策を展開するだけではなく、国や他の自治体との連携・協調した取組を進めま す。 国際会議等への参加、アフリカ開発会議などの場の活用や、国連大学と連携した環境教育等の地域拠 点(RCE 横浜)としての取組の活用などを通じて、国内外の温暖化対策において世界の先進的な大都市等 と温室効果ガス削減の実践例や成功例を共有します。
さらに、温暖化に対する課題意識を共有するため、インターネット等による情報発信も含め、戦略的な広 報を進めていきます。
(参考資料) 削減量に関する試算例 「横浜市地球温暖化対策地域推進計画」での排出量等の見積もりを踏まえ、下表に温暖化対策の取組 による削減量の試算例を参考として示します。 下表の取組以外の取組、取組の間で関連があるもの等も考えられますが、仮に以下のような取組による 削減量を足し合わせると(650 万 t)、2025 年に一人当たりの排出量を 30%削減した場合の削減量(総量で 単純想定で 647 万 t)に概ね見合う量となります。 (t-CO2) 生活 117 万 新たに現状の世帯数で 55%が消費電力の少ない省エネ家電製品を選ぶ 67 万 新たに現状の世帯数で 50%が省エネナビやホームエネルギーマネジメントシステムなどを利用し家庭 でのエネルギーを管理する 25 万 新たに現状の世帯数で 45%が省エネ行動(例えば、スイッチをこまめに切る、冷暖房の適温調整、風 呂や電気機器の効率的使用、主電源を切って待機電力の削減)を実践する 18 万 新たに現状の世帯数で 45%が暮らし方の工夫によりエコライフを楽しむ(例えば、家族団らん、買物袋 持参、省包装の食材、テレビ利用を減らす)ようになると参加する 8 万 ビジネス 91 万 新たに現状の事業所の 55%が省エネオフィス用電気製品を選ぶ 11 万 新たに現状の事業所の 40%が、ビルエネルギーマネジメントなど建物においてエネルギーを管理する 4 万 新たに 3200 事業所が高効率な省エネ業務設備(例えば、高効率の照明、空調機、冷蔵・冷凍機、給 湯器や空調用圧縮機省エネ制御装置)を設置する 26 万 新たに 800 事業所が産業・工場の高性能な産業機器を導入する 36 万 エネルギー転換部門が事業所において省エネルギーや設備の運転効率の改善といった省エネルギ ー化の取組を推進計画のレベルよりも倍にする 15 万 建物 117 万 現状の世帯の 20%が、新たに省エネ住宅を建てる 56 万 新たに現状の世帯の 20%が高効率な省エネ住宅設備(例えば、高効率給湯器、照明機器等)を設置 する 40 万 現状の事業所の 20%が、新たに省エネ建築物(ビル)を建てる 21 万 交通 121 万 環境に優しい自家用自動車に新たに全台数の 30%分が置き換わる 42 万 環境に優しい業務用自動車に新たに全台数の 20%分が置き換わる 23 万 新たに全台数の 30%分の貨物自動車が効率的に利用(例えば、積載率向上、高速道路での速度抑 制、燃費の良い営業用トラックへの変換など)されるようになる 20 万 新たに全台数の 30%分の自家用自動車でエコドライブがなされるようになる 6 万 新たに全台数の 60%分の業務用自動車のエコドライブがなされるようになる 4 万 必要な道路ネットワークの整備で、渋滞が削減される※1 26 万 エネ ルギー 再生可能エネルギー(太陽光、太陽熱、風力、小水力、バイオマス・エネルギー等を想定)の導入 ※2 204 万 ※1 都市計画道路網の見直しの素案(案)(平成 19 年 12 月、横浜市) ※2 (仮称)横浜・地域エネルギー政策基本構想【素案】(平成 19 年 12 月、横浜市)から試算 ※数値は四捨五入しているため、合計に一致しない場合があります。