綱 β 諦 ダ
油脂 加工技 術 の 開発 動 向
Recent
Development
of Fat
Modification
Process
根津 亨
旭 電 化 工 業 株 式 会 社 食 品 開 発 研 究 所 〒116-8553東 京都 荒 川 区 東尾 久7-2-35
Toru NEZI Food Development Laboratory Asah
Denka Co., Ltd 7-2-35, Higashi-ogu, Arakawa-ku, Tokyc
116-8553 JAPAN
荒川
浩
旭 電 化 工 業 株 式 会 社 食 品 開 発 研 究 所 〒116-8553東 京 都 荒 川 区東 尾 久7-2-35
Hiroshi ARAKAWA
Food Development Laboratory Asahi Denka Co., Ltd.
7-2-35, Higashi-ogu, Arakawa-ku, Tokyo 116-8553 JAPAN
論 文 要 旨:近 年 の トラ ンス 酸 の 栄 養 問 題 や 環 境 保 全 へ の 関心 の 高 ま り,そ して パ ー ム 油 生 産 量 の 拡 大 は, 油脂 加 工技 術 の 研 究 開発 動 向 に 大 き な影 響 を及 ぼ して い る と思 わ れ る。 本 総 説 で は新 た な展 開 と して注 目 さ
れ る低 トラ ンス水 素 添 加,ド ラ イ分 別,酵 素 法 エ ス テル 交 換 の 最 近 の 開 発 動 向 を中 心 に解 説 す る 。
Abstract: Recent concerns for trans fatty acid and environmental preservation, and the growth of palm oil production impress on the technological development of fat modification process. This review focuses on recent development of hydrogenation with reduced trans fatty acid, dry fractionation and
enzymatic Interesterification.
Key words: Hydrogenation, Fat Modification Technology, trans Fatty Acid, Dry Fractionation, Enzymatic Interesterification 1は じめ に マ ー ガ リ ンや シ ョー トニ ング に は,用 途 に よ っ て さ ま ざ ま な 物 性 が 要 求 さ れ るが,牛 脂 や ラー ド,パ ー ム油 等 の 天 然 固 形 脂 で 得 られ る物 性 は 限 られ て い る た め,油 脂 を加 工 す る こ とが 行 わ れ て い る。 現 在,工 業 的 に実 施 さ れ て い る 油 脂 の 加 工 方 法 と し て,水 素 添 加(硬 化),エ ス テ ル 交 換,分 別 が あ る。 い ず れ も古 くか ら知 られ て い る 方 法 で あ り,水 素 添 加 は1903年 のNormanの 英 国 特 許,エ ス テ ル 交 換 は1924年 のVanLoonの 英 国 特 許, 分 別 に 至 っ て は1886年 の マ ー ガ リ ンの 発 明 で 有 名 な Mega-Mouriesの フ ラ ンス 特 許 ま で さ か の ぼ れ る と い う1)。 わ が 国 に お い て は,1913年 に工 業 規 模 で の 魚 油 の 硬 化 が 開始 され て い る2)。Fig.1に 示 す 国 内 生 産 数 量3)か ら 分 か る よ う に,日 本 の油 脂 加 工 は 水 素 添 加 が 中心 で あ っ た 。 し か し,1990年 代 以 降 の(1)魚 油 生 産 量 の 減 少, (2)天 然 固 形 脂 で あ る パ ー ム油 生 産 量 の 拡 大,(3)ト ラ ンス 酸 の 栄 養 問 題 へ の 関心,(4)環 境 へ の 関 心 の 高 ま り は,水 素 添 加 を 中 心 と した こ れ まで の油 脂 加 工 技 術 に 大 きな 影 響 を及 ぼ す と思 わ れ る。 水 素 添 加,エ ス テ ル交 換,分 別 そ れ ぞ れ に 関 す る総 合 的 な 解 説 は,本 誌 上 で 高 橋 と依 田6),松 本7),阿 部 島8)が 取 り上 げ て い る た め,こ こで は 最 近 の技 術 開発 動 向 を 中 連 絡 者:根 津 亨 E-mail:t-nezu@adk.co.jp
心 に解 説 す る。 2水 素 添 加(硬 化) 油 脂 の 水 素 添 加 は,ニ ッケ ル(Ni)等 の 触 媒 存 在 下, 油 脂 と水 素 を 接 触 させ て行 わ れ,脂 肪 酸 の 二 重 結 合 へ の 水 素 添 加 と二 重 結 合 の 異 性 化 に よ る トラ ンス 酸 生 成 が 起 こ る。 硬 化 油 の 物 性 は 水 素 添 加 の程 度 と トラ ンス 酸 生 成 量,脂 肪 酸 選 択 性 に よ っ て 決 定 さ れ,酸 化 安 定 性 が 高 く 口 溶 け の 良 い 固 形 脂 を得 る に は トリエ ン,ジ エ ンが 選 択 的 に水 素 添 加 され,融 点 の 高 い ス テ ア リ ン酸 生 成 が 少 な く中 問 的 な融 点 を持 つ トラ ンス 酸 が 生 成 す る こ とが 望 ま しい 。 また トラ ンス 酸 を含 有 す る油 脂 は,ク リー ミ ン グ 性 に優 れ,結 晶 形 が β プ ラ イ ム 型 で 安 定 化 しや す い 等, マ ー ガ リ ン,シ ョー トニ ング用 の 固形 脂 と して優 れ た性 質 を持 っ て い る こ とか ら広 く利 用 され て きた7)。 一一方 で,近 年 トラ ンス 酸 の健 康 へ の 影 響 が 注 目 さ れ て お り,1990年 代 後 半 か ら は,欧 米 を 中 心 に加 ⊥ 油 脂 製 品 に 含 有 され る トラ ン ス酸 を低 減 す る 動 きが 活 発 化 し7), パ ー ム 油 や エ ス テ ル 交 換 油 を用 い た低 トラ ン ス 製 品 が 開 発 され て き て い る8)。 こ こで は 水 素 添 加 に 関 す る最 近 の技 術 開発 動 向 と し て,低 トラ ンス 水 素 添 加 の研 究 動 向 を取 り上 げ る 。 2・1ニ ッケ ル 触 媒 に よ る低 トラ ン ス水 素 添 加 トラ ンス 酸 は,触 媒 表 面 で 半 水 素 化 さ れ た 反 応 中 間体 が 脱 水 素 さ れ る 際 に 生 じる と考 え られ て い る 。 従 っ て, 低 トラ ンス化 に は,触 媒 表 面 の 水 素 濃度 を 高 め る こ とが 有 効 で あ る が,こ の 条 件 は脂 肪 酸 選 択 性 を低 下 させ る条 件 で も あ り4),低 トラ ンス 化 と高 い脂 肪 酸 選 択 性 を 両 立 させ る こ とが 課 題 の0つ で あ る。 通 常,ニ ッケ ル(Ni)触 媒 は,130∼230℃,水 素 圧 力 0.5MPa以 下 で 用 い られ,触 媒 の種 類 に よ る トラ ンス 酸 生 成 量 の 差 は な い と言 わ れ て い る 。Ellerら10)はNi触 媒 を用 い て 大 豆 油 を140∼170℃,1.4MPaでIV(ヨ ウ 素 価)70ま で 反 応 し た 結 果,0般 的 な 条 件 に く らべ て ト ラ ンス 酸 生 成 量 が 半 減 し,ス テ ア リ ン酸 生 成 量 が 約2倍 に な っ た こ とを 報 告 して い る。 なお,0般 的 な 硬 化 条 件 に お け る 大 豆 硬 化 油 の トラ ンス 酸 生 成 量 と ス テ ア リ ン酸 生 成 量 の 関係 はFig.2を 参 照 して い た だ きた い。 Hansら11)は,Ni触 媒 を水 素 気 流 下,200℃ で90分 間 活 性 化 処 理 す る と,30∼40℃ 程 度 の 低 温 で 反 応 が 可 能 に な り,こ の活 性 化 触 媒 を用 い て大 豆 油 を50℃,0.65MPa でIV102ま で 反 応 し た 結 果,ス テ ア リ ン酸 生 成 量 が 増 加 す る こ とな く,ト ラ ンス 酸 生 成 量 が3分 の1に 低 下 し た こ と を報 告 した 。 本 方 法 は 実 用 的 な条 件 で の水 素 添 加 で あ り,詳 細 な 報 告 が 待 た れ る。 2・2貴 金 属 触 媒 に よ る低 トラ ン ス硬 化 貴 金 属 触 媒 はNi触 媒 に比 べ て 活 性 が 高 く室 温,常 圧 で水 素 添 加 反 応 が 進 行 す る とい う特 徴 を持 つ 。 貴 金 属 触 媒 で は 主 にパ ラ ジ ウ ム(Pd)触 媒 とプ ラチ ナ(Pt)触 媒 で 検 討 が 行 わ れ て お り,Pd触 媒 はNi触 媒 と 同等 な 脂 肪 酸 選 択 性 と トラ ンス 酸 生 成 量 を示 す こ と,Pt触 媒 は ト ラ ンス 酸 生 成 量 が 少 な い が 脂 肪 酸 選 択 性 が 低 い こ と等 が 知 られ て い た(Fig.2)12), 13), 14)。 低 トラ ンス化 と脂 肪 酸 選 択 性 の 両 立 を 目的 と して 貴 金 属 触 媒 の 改 良 検 討 が 行 わ れ て お り,Pd触 媒 を ア ミ ンで 修 飾 ま た は ア ミ ン存 在 下 で 反 応 す る方 法i5), 16), 17),鉛 や コ バ ル トと の合 金 触 媒 とす る方 法 等16). 17)・18)で脂 肪 酸 選 択 性 が 向上 し,ト ラ ン ス 酸 生 成 量 が 低 下 し た とい う。 また 最 近,Engelhard社 はPt触 媒 で,表 面 改 質 剤 や 特 殊 な ゼ オ ラ イ ト担 体 を使 用 す る こ とで 脂 肪 酸 選 択 性 が 高 め ら れ る こ と19),Ni触 媒 やPd触 媒 と同 程 度 の 選 択 性 を持 つ Pt触 媒 を 開 発 した こ と を公 表 して い る14)。 貴 金属 触 媒 を使 用 す る 上 で の最 大 の 障 害 は触 媒 コ ス ト で あ る 。 パ イ ロ ッ トプ ラ ン トにお い てPd触 媒 を 繰 り返 し使 用 した結 果,触 媒 量 の545,000倍 の油 脂 が処 理 で きた とい う報 告12)も あ るが,Bogerら20)お よ びVeldsink21) は,繰 返 し ま た は連 続 使 用 に よ るPd触 媒 の 活 性 低 下 を 報 告 して い る 。 触 媒 の 活 性 低 下 は,従 来 か ら知 られ て い た原 料 油 中 の 硫 黄 化 合 物 等 に 加 え,硬 化 反 応 で 副 生 す る 0酸 化 炭 素 や 有 機 溶 剤 不 溶 性 の 有 機 物(coke)の 蓄 積 に よ っ て起 こ る との 報 告22)も あ る こ と か ら,触 媒 の 失 活 は 避 け が た い 面 が あ り,実 用 化 に 向 け て,触 媒 を 回収 し再 生 す る 方 法 とそ の仕 組 み が 課 題 と な ろ う。 2・3新 しい反 応 方 法 に よ る低 トラ ン ス 水 素 添 加 1990年 代 か ら研 究 が は じめ られ た 新 しい 水 素 添 加 方 法 につ い て概 要 を紹 介 した い 。 2・3・1超 臨界 流体 中 での水 素添加 Harrod23)は,超 臨 界 状 態 に あ る プ ロパ ン ま た は二 酸
Fig. 2 Stearic Acid and trans Fatty Acid Content of Hydrogenated Soyabean 0i1.13)' "
化 炭 素 を溶 媒 と して,油 脂 と水 素 を均0に 溶 解 して パ ラ ジ ウ ム を 触 媒 と して 反 応 す る と,反 応 速 度 が 極 め て 速 く,か つ トラ ン ス 酸 生 成 量 が 低 下 す る こ と を 報 告 し た 。 最 近,Ramirezら24)は,ひ まわ り油 の 反 応 条 件 を 詳 細 に 検 討 し,IV95∼110で トラ ン ス 酸 生 成 量2∼5%,ス テ ァ リ ン酸 生 成 量1∼3.3%の 硬 化 油 が 得 られ た こ とを 報 告 して い る。 2・3・2電 気 化学 的水 素添 加 YusemとPintauro25)は 油 脂 と電 解 質 水 溶 液 を 溶 剤 に 溶 解 し,触 媒 を 陽極 と して 電 気 分 解 す る こ と で,触 媒 表 面 で 水 素 を 発 生 させ 水 素 添 加 す る 方 法 を 報 告 した 。0 方,Smidnovikら26)は 水 素 供 与 体 と して ギ酸 な ど を用 い て 水 素 添 加 す る 方 法 を報 告 した 。 い ず れ も低 温 で 反 応 で き,ト ラ ン ス 酸 生 成 量 が 抑 制 可 能 で あ っ た 。 最 近, MondalとLalvani27)は これ ら を組 合 せ,触 媒 表 面 で 水 素 供 与 体 を発 生 させ る方 法 を 開発 し,IV100の 大 豆 硬 化 油 が トラ ン ス 酸5%,ス テ ア リ ン酸8%程 度 で あ っ た こ と を報 告 した 。 3分 別 分 別 と は溶 解 した 油 脂 を冷 却 して油 脂 中 の 高 融 点 部 分 を 選 択 的 に 結 晶 化 し,結 晶 部 と液 状 部 に分 離 す る方 法 で あ り,現 在 実 用 化 さ れ て い る 分 別 方 法 に は,ド ラ イ 分 別,界 面 活 性 剤 分 別,溶 剤 分 別 が あ る。 中 で も ドラ イ分 別 は,工 程 が シ ン プ ル で 低 コ ス ト,環 境 に 優 し い "G reen"な プ ロ セ ス と して注 目 さ れ て お り,パ ー ム 油 お よび 乳 脂 で は特 に重 要 な加 工 方 法 とな っ て い る28)。 従 来,ド ラ イ分 別 で は,純 度 の 高 い 結 晶 を得 る こ とや 結 晶 部 を 高 収 率 で 得 る こ とが 難 しか っ た が,最 近 はパ ー ム 油 等 で ス ラ リ ー の 結 晶 量 が20∼30%,結 晶 部 の 収 率 が40%以 上 に も な る分 別 が0般 的 に行 わ れ て い る 。 ま た 従 来,溶 剤 分 別 で しか 得 られ な か っ た 高 純 度 な パ ー ム 中 融 点 部 を ドラ イ分 別 で 分 画 す る こ と もそ れ ほ ど特 殊 な こ とで は な くな っ て い る よ う に 思 わ れ る。 ドラ イ 分 別 技 術 に お け る キ ー ポ イ ン トは 結 晶 化 で あ り,結 晶 析 出 量 が 多 い ほ どろ 過 性 が 良 く純 度 の 高 い結 晶 を得 る こ とが 難 し く,分 別 操 作 は 困 難 に な る 。 以 下 に ド ラ イ 分 別 に 関 わ る最 近 の 結 晶 化 条 件 の 研 究 お よ び結 晶 化 装 置 の 開 発 動 向 を述 べ る。 3・1結 晶化 条 件 の 研 究 ドラ イ 分 別 に お い て 十 分 な結 晶化 時 間 が 与 え られ て い る 場 合,析 出 す る 結 晶 量 は 分 別 温 度 で 決 ま るが,問 題 は 結 晶 を ろ 過 に適 した 状 態 に 調 節 す る こ とで あ り,ろ 過 に 至 る まで の,冷 却 速 度(過 飽 和 度),撹 絆 条 件,伝 熱 面 温 度 の影 響 等 の 影 響 が 調 べ られ て い る。 3・1・1冷 却 速 度の 影響 乳 脂 の ドラ イ 分 別 に お い てDiffence29)は,冷 却 速 度 が 遅 い方 が 小 さ くて 均 一 な結 晶 が 生 成 し,純 度 の 高 い 結 晶 部 が 得 られ た こ と を報 告 し た が,HerreraとHarte130) はDeffenceと 反 対 の 結 果 を得 て い る。 冷 却 速 度 に は 最 適 値 が あ る と思 わ れ,最 適 値 を 中 心 と した 広 い 範 囲 で の 検 討 が 望 まれ る が,冷 却 速 度 の 調 節 が 結 晶 状 態 を コ ン ト ロ ー ル す る た め の 有 効 な 方 法 で あ る こ と は 明 ら か で あ る。 3・1・2撹 絆速 度 の影響 HerreraとHartel30)は 高 速 で 撹 絆 す る と結 晶 核 の 発 生 が 促 進 さ れ細 か な 結 晶 が 生 じ,低 速 で 撹 拝 す る と結 晶 同士 の 凝 集 が 進 み 不 定 形 で 大 き な結 晶 が 生 じ る こ と を観 察 し た 。Patienceら31)も 同 様 な 現 象 を 観 察 して お り, 比 較 的 均0で 球 状 の 結 晶 が 生 成 す る 条 件 で ろ過 抵 抗 が 最 小 と な り,結 晶 部 の 純 度 が 最 大 に な っ た こ と を 報 告 し た 。 し か し,こ の 報 告 で は,同0条 件 で も ろ 過 抵 抗 に 10倍 程 度 の 差 が あ り,ド ラ イ分 別研 究 の難 し さが 判 る 。 3・1・3伝 熱 面 と油脂 の温 度差 大 規 模 な 晶 析 槽 で は 伝 熱 面 と油 脂 相 に 温 度 差 が 生 じ る 。Hartelら32)は,乳 脂 を0定 の 過 飽 和 度 で 前 処 理 後 (こ の段 階 で は 結 晶核 は 発 生 し て い な い),25℃ お よ び 27.5℃ に 温 度 を上 げ,結 晶 核 の 発 生 速 度 を調 べ た 結 果, 結 晶 核 発 生 速 度 は 前 処 理 の 過 飽 和 度 が 大 き い ほ ど速 い こ と を報 告 し た。 この 結 果 は 晶析 槽 伝 熱 面 で の 局 所 的 な 過 冷 却 が 油 脂 全 体 の 結 晶核 発 生 速 度 を 高 め る可 能 性 を示 唆 して い る 。 3・1・4ド ライ分別 にお ける結 晶化現 象 の実 際 BreitschuhとFolter33)は,乳 脂 の 分 別 に お い て,最 初 の結 晶 核 が 発 生 して か ら,あ る程 度 ま で 結 晶 成 長 が 進 行 した 後,新 た な結 晶 核 が 発 生 し,さ らに 結 晶 化 が 進 行 す る こ と を観 察 した 。 析 出 す る結 晶 量 が 多 い 場 合,多 段 階 で 結 晶 化 が 進 行 す る 現 象 が 生 じや す く,各 段 につ い て 適 切 な結 晶 化 条 件 を設 定 す べ きで あ る と した 。Hartelら34) は結 晶 核 発 生 段 階 と結 晶 成 長 段 階 を別 々 に 制 御 す る方 法 を 開 示 して い る 。 筆 者 らは35)パ ー ム オ レ イ ン の ドラ イ分 別 に お い て,最 初 に β プ ラ イ ム 型 の 結 晶 が 析 出 し,そ の 後,新 た に β 型 の 結 晶 が 析 出 す る こ と を観 察 した(Fig.3)。 結 晶 化 温 度 に よ っ て β型 結 晶 の 発 生 タ イ ミ ン グ と そ の 状 態 が 異 な り,β 型 の 結 晶 状 態 を コ ン トロ ー ル す る こ とが 重 要 な ポ イ ン トで あ ろ う と考 え て い る。 3・2結 晶 化 装 置 の 開 発 動 向 3・2・17絆 槽 型 晶析槽 油 脂 の 工 業 的 分 別 装 置 と してTirtiaux社,DeSmet社 の分 別 装 置 が 広 く利 用 さ れ て い る 。Tirtiaux社 が 大 型 の
タ ン ク に伝 熱 面 を コ イ ル状 ま た は フ ィ ン状 に配 置 し,油 脂 と0定 の 温 度 差 を保 つ よ う に冷 却 水 を コ ン トロ ー ル し て い る の に 対 して,DeSmet社 は 同心 円 状 に 伝 熱 面 を配 置 し,体 積 あ た りの 伝 熱 面 積 を大 き く,撹 拝 羽 根 と伝 熱 面 の ク リ ア ラ ン ス を 狭 くす る こ とに よ っ て伝 熱 効 率 を高 め て い る こ とが 特 徴 で あ る36)。 最 近,Krupp社 は 垂 直 に 配列 し た冷 却 コ イ ル 自体 を 回 転 させ る こ とで撹 拝 を行 う晶 析 槽(STARCrystallizer) を 開発 し た37)。この 方 式 は 伝 熱 コ イ ル の 全 面 を等 し く利 用 で き る た め,総 括 伝 熱 係 数 が 上 記2社 の2倍 程 度 あ り,ま た,冷 却 コ イ ル の 回転 半 径 が 小 さ い た め 結 晶 へ の 機 械 的 ス ト レス が 小 さ く,パ ー ム 油 分 別 に お い て,従 来 法 に比 べ て 結 晶化 時 問 が 半 減 で き る こ とが 報 告 され て い る 。 3・2・2静 置 晶析 装 置 静 置 晶析 は撹 拝 に よ る 二 次 核 の 発 生 や 結 晶 の凝 集 が 生 じず,必 ず し もス ラ リ ー が 流 動 性 を保 っ て い る必 要 が な い こ とか ら,微 細 結 晶 が 発 生 しや す い 油 脂 や 多 量 に 結 晶 を発 生 させ る 分 別 に 適 して い る。 しか し,結 晶 化 した ブ ロ ッ ク を ろ過 機 に 導 入 す る 作 業 に 人 手 を 要 す る こ とや, 伝 熱 効 率 が 悪 い た め 結 晶 化 が 遅 く部 位 に よ り結 晶状 態 が バ ラつ くな ど の 欠 点 が あ っ た 。 桑 原 ら38)は,静 置 下 で 結 晶化 した ブ ロ ッ ク を機 械 的 に 解 砕 し,流 動 性 の あ る ペ ー ス トに して メ ンブ レ ン フ ィル タ ー に 導 入 す る 方 法 を,米 田 ら39)は,こ れ を 改 良 して, 分 別 原 料 油 脂 に あ らか じめ 分 別 し て得 られ た低 融 点 部 を 0定 量 混 合 後 ,予 備 冷 却 し,ト レ イ に 分 注 して 静 置 下 で 結 晶 化 さ せ る方 法 を 開示 し た。 この 方 法 で は分 別 原 料 油 脂 が 流 動 性 を保 っ た ま ま結 晶 化 され る た め,伝 熱 効 率 が 高 く,自 動 化 が 可 能 との こ と で あ る 。 ま た,M.Hendrixら40)は,予 備 冷 却 し結 晶 が0部 析 出 し た ス ラ リー を,冷 却 面 を持 つ チ ャ ンバ ー(フ ィ ル ター プ レス 様 の構 造 を もつ)に フ ィ ー ドし,静 置 状 態 で 結 晶 化 後,開 枠 して 結 晶化 した ブ ロ ック を落 下 させ,解 砕,流 動 化 して フ ィ ル タ ー プ レ ス に 導 入 す る 方 法 を 開 発 した11)。本 装 置 はDeSmet社 よ りSTATFRACと し て 実 用 化 さ れ て い る。 3・2・3SolidPhase法 これ ま で 説 明 して き た結 晶 化 方 法 が,結 晶 が 液 状 部 に 分 散 し た サ ス ペ ンジ ョ ンを 形 成 して い る の に対 して,冷 却 面 に結 晶 を層 状 に形 成 させ る 方 法 をSolidPhase法 と い う。 こ の 方 法 の特 徴 は結 晶 化 潜 熱 を,結 晶 層 を 通 して 除 去 す る こ と,お よび 結 晶化 後 の分 離 が 結 晶 層 を 形 成 し た 後,液 状 部 を抜 き出す こ とで 行 わ れ る こ とで あ り,乳 脂 を 中心 に ラ ー ドや 牛 脂 で の応 用 例 が 報 告 さ れ て い る41), 42)。 SolidPhase法 は結 晶 の 表 面 積 が 狭 い が,線 成 長 速 度 が 速 い た め,総 括 的 な 結 晶 化 速 度 は サ ス ペ ン シ ョ ン法 と 同 等 に な る42)。さ らに 液 状 部 を排 出後,結 晶 層 を温 め た 気 流 で 表 面 を溶 解,発 汗 させ て 結 晶 部 の 純 度 を向 上 させ る 方 法42),あ らか じめ 伝 熱 面 に少 量 の 結 晶 を付 着 させ 結 晶 化 を 促 進 す る 方 法43)も 報 告 され て い る 。SolidPhase 法 は,晶 癖 に と らわ れ に くい フ レキ シ ビ リ テ ィー を持 っ て お り,今 後,多 段 化 等 との 組 ・合せ に等 に よ り有 効 な 方 法 と な る可 能 性 が あ る。 4エ ス テ ル 交 換 油 脂 の エ ス テ ル交 換 は,(ユ)油脂 の 物 理 的 性 質 の 改 質 を 目的 と した油 脂 同士 ま た は 油 脂 と脂 肪 酸(エ ス テ ル)の エ ス テ ル 交 換 反 応 と,(2)脂 肪 酸 エ ス テ ル の調 製 を 目的 と した 油脂 とア ル コ ール の ア ル コ リシス 反 応 に大 別 され る5)。 エ ス テ ル交 換 油 は,水 素 添 加 に比 べ て 油 脂 の ロ ス が 大 き く コス トが か か る 方 法 で あ っ た た め,そ の 用 途 は 限 定 さ れ た もの で あ っ た が,近 年 の トラ ンス 酸 の 栄 養 問 題 等 に よ り,硬 化 油 に 変 わ る 油 脂 と し て エ ス テ ル 交 換 油 の 重 要 性 が 高 ま っ て い る5), 7), 8)。0方,脂 肪 酸 エ ス テ ル は,バ イ オ デ ィー ゼ ル と し て注 目 さ れ て お り,エ ス テ ル 交 換 は 食 品,オ レ オ ケ ミ カ ル両 分 野 で 活 発 な研 究 が 行 わ れ て い る 。 こ こ で は,エ ス テ ル 交 換 油 の 製 造 プ ロセ ス とバ イ オ デ ィー ゼ ル を 目的 と した ア ル コ リ シス に つ い て 最 近 の技 術 動 向 を概 観 す る 。 4・1エ ス テ ル 交 換 に よ る油 脂 の 改 質 プ ロ セ ス 油 脂 問 の エ ス テ ル 交 換 は,ト リグ リセ リ ド中 の脂 肪 酸 結 合位 置 を再 配 列 す る こ とに よ り,油 脂 の物 理 的性 質 を 改 質 す る技 術 で あ り,ナ トリ ウ ム メ チ ラ ー ト等 の化 学 触 媒 を用 い る化 学 法 と リパ ー ゼ を触 媒 とす る 酵 素 法 が あ る。 化 学 法 で は トリグ リセ リ ド中 の位 置 や 脂 肪 酸 種 に 関
Fig. 3 Change of Solid Fat Content and Polymorphism during Palm Olein Dry Fractionation°.
わ ら な い ラ ン ダ ム な エ ス テ ル 交 換 反 応 が 生 じ る の に 対 し て,酵 素 法 は 用 い る 酵 素 や 反 応 条 件 に よ っ て ラ ン ダム 化 だ け で な く1,3位 特 異 的 な 反 応 や 脂 肪 酸 特 異 的 な エ ス テ ル交 換 反 応 が 可 能 で あ る。 近 年 利 用 が 拡 大 して い るパ ー ム油 は2一 オ レ オ イ ル ージ パ ル ミチ ン(POP)を 多 く含 む た め 結 晶 化 速 度 が 遅 く SFC(SolidFatContent)プ ロ フ ィー ル が縦 型 で 使 い に くい等 の 問 題 が あ るが,ラ ンダ ム エ ス テ ル 交 換 は,こ の よ う な 欠 点 を改 質 す る こ とが で き,パ ー ム 油 を利 用 す る 上 で 極 め て有 効 な加 工 方 法 で あ る 。 4・1・1化 学法 化 学 法 で は主 に ナ トリ ウム メ チ ラー トが 触 媒 と し て用 い られ て きた が,脂 肪 酸 メ チ ル エ ス テ ル と石 け ん が 副 生 し ロス とな る だ け で な く,反 応 後 に 石 け ん 成 分 を水 洗 除 去 す る工 程 が 必 要 と な り,環 境 負 荷 も高 か っ た 。 化 学 法 で は 脱 触 媒 プ ロ セ ス を簡 略 化 し排 水 負 荷 を軽 減 す る こ と を 目的 と して,反 応 後 に少 量 の クエ ン酸 水 溶 液 を 添 加, 中和 後(石 鹸 が 脂 肪 酸 に な る),活 性 白 土 を 添 加 ・脱 水 す る44)等 の 改 良 が 行 わ れ て い る 。 4・1・2酵 素 法 1976年 にHerderら45)は,微 生 物 リパ ー ゼ を珪 藻 土 等 の 担 体 に 固 定 化 し,微 量 の 水 分 存 在 下 で 油 脂 の エ ス テ ル 交 換 を 行 う方 法 を 開示 した 。 そ の 後,固 定 化 リパ ー ゼ を 用 い た酵 素 法 は,化 学 法 で は不 可 能 な位 置 特 異 的 な反 応 や 脂 肪 酸 特 異 的 な 反 応 が で き る こ と に加 え,よ り穏 や か な 条 件 で 反 応 で き,副 生 物 が 少 な い 等 の利 点 が あ る こ と か ら多 くの研 究 が な さ れ て き た。 固 定 化 リパ ー ゼ に 関 し て はMalcata46)ら の 総 説 が あ る の で参 照 して い た だ き た い ○ 固 定 化 リパ ー ゼ は ナ トリ ウ ム メ チ ラ ー トに比 べ て 高 価 な た め,酵 素 法 エ ス テ ル交 換 の 利 用 は,高 付 加 価 値 で リ パ ー ゼ 特 有 の 特 異 性 を生 か した 分 野 で ス ター ト した 。 実 用 化 さ れ た例 と して は,(重)POPを 主 成 分 とす る パ ー ム 中 融 点 部 や トリ オ レ イ ン(000)を 主 成 分 とす るハ イ オ レ イ ッ ク油 脂 を ス テ ア リ ン酸(S)ま た は ス テ ア リ ン 酸 エ ス テ ル を1,3位 特 異 的 に エ ス テ ル 交 換 して2一 オ レオ イ ルーパ ル ミ トス テ ア リ ン(POS)や2一 オ レオ イ ル ージ ス テ ァ リ ン(SOS)を 含 む カ カ オ代 用 脂 を得 る45)こ とや(2) トリパ ル ミチ ン(PPP)と オ レ イ ン酸 を1,3位 特 異 的 に エ ス テ ル 交 換 し て,OPOを 含 む 消 化 吸 収 性 に 優 れ る乳 幼 児 用 油 脂 を得 る こ と47)等が あ る 。 この よ うな研 究 は現 在 で も進 め られ て お り,EPAやDHAを 高 濃度 に含 む油 脂 の 調 製48),共 役 リ ノ ー ル 酸 を高 濃 度 に 含 む 油 脂 の 調 製49)等,多 くの 報 告 が あ る 。 一一方,近 年,活 性 が 高 く経 済 性 に優 れ た リパ ー ゼ が 開 発 さ れ て お り,酵 素 法 は ロス が 少 な くシ ン プ ル な 方 法 と し て,従 来 化 学 法 で 行 っ て い た マ ー ガ リ ン,シ ョ ー トニ ン グ 用 油 脂 へ の 酵 素 法 の 利 用 が 進 展 し て い る 。 酵 素 法 と 化 学 法 の プ ロ セ ス をFig.4に 示 す 。 Pedersenら は50),安 価 な 粒 状 シ リ カ ゲ ル を 担 体 と し たThermomyceslanuginosaの 固 定 化 リ パ ー ゼ (LipozymeTL-IM)を 開 発 し た 。Zhangらtil)は LipozymeTL-IMを パ ー ム ス テ ア リ ン と ヤ シ 油 の エ ス テ ル 交 換 に 用 い た 場 合,300kgの パ イ ロ ッ トス ケ ー ル で9 バ ッ チ 反 応 し て も 安 定 で あ っ た こ と を,DeGreytら52) は 上 記 固 定 化 酵 素 を カ ラ ム 反 応 に 用 い た 場 合 の トー タ ル コ ス トは40.8$/tで あ り,化 学 法(同38.0$/t)と ほ ぼ 同 等 で あ る こ と を 報 告 し て い る 。 こ のLiozymeTL-IM を 用 い た エ ス テ ル 交 換 プ ロ セ ス は2002年 にADMに よ っ て 実 用 化 さ れ て い る53)。 0方 ,国 生 ら は,固 定 化 し な く て も微 水 系 で エ ス テ ル 交 換 活 性 が 高 く,熱 安 定 性 の 良 いAlcaligenesの リ パ ー ゼ を 開 発 し た12)。 こ の リ パ ー ゼ は 固 定 化 が 不 要 な た め, 固 定 化 に 要 す る コ ス ト(担 体 な ど)と 固 定 化 時 の 活 性 ロ ス が 削 減 で き 経 済 的 で あ る 。 こ の 酵 素 を 用 い た 工 業 生 産 も行 わ れ る よ う に な っ て き て い る54)。 4・2ア ル コ リ シ ス に よ る バ イ オ デ ィ ー ゼ ル の 製 造 脂 肪 酸 メ チ ル エ ス テ ル を バ イ オ デ ィ ー ゼ ル 燃 料 と し て 利 用 す る 検 討 が 欧 米 を 中 心 に 行 わ れ て い る 。-0般 的 に 行 わ れ て い る ア ル カ リ触 媒 法 で は,油 脂 中 の 遊 離 脂 肪 酸 を 除 去 す る 前 ⊥ 程 や 反 応 後 に グ リ セ リ ン や 石 け ん 成 分 を 水 洗 除 去 す る 後 工 程 が 必 要 で あ っ た 。 触 媒 量 の 低 減 や 反 応 後 処 理 の 簡 略 化 を 目 的 と し た 研 究 が 行 わ れ て お り,Na/NaOHを γ一Al203に 担 持 し た 触 媒56),金 属 酸 化 物 を イ オ ン 交 換 樹 脂 に 担 持 し た 触 媒58), 多 孔 性 陰 イ オ ン 交 換 樹 脂(DiaionPA306s)60), 61)等 の 固
Fig. 4 Processing Flow Chart of Chemical and Enzymatic Interesterification.
体 触 媒 に関 す る報 告,.Pseudmonas cepaciaの リパ ー ゼ59) を用 い る 報 告 等 が あ る。 さ ら に,触 媒 を 使 用 し な い 方 法 と して,Hanら62)は, 大 豆 油 に 対 して24倍 量 の メ タノ ー ル と2.4倍 量 の 二 酸 化 炭 素 を,280℃,14.3MPaの 超 臨界 状 態 に した場 合,10 分 で ア ル コ リ シ ス が 完 了 し た こ と を報 告 し て い る。 ま た,Lawsonら63)は,油 脂 と ア ル コー ル を 連 続 的 に 直 流 で1,800V以 上,交 流 で2,000∼8,000Vの 高 電 圧 で 滞 留 時 間100∼300msec,温 度85℃,常 圧 で 処 理 す る こ と で メ タ ノ リ シス を行 っ た こ と を報 告 し,こ の と き副 生 す る エ ー テ ル化 グ リセ リ ンは モ ノ ア ル キ ル エ ス テ ル と混 和 す る た め,そ の ま まバ イ オ デ ィ ー ゼ ル 燃 料 と して使 用 可 能 で あ る と して い る。 5お わ り に トラ ンス 酸 の 栄 養 問 題 や パ ー ム油 生 産 量 の拡 大,環 境 負 荷 へ の 配 慮 な ど,油 脂 産 業 を取 り巻 く状 況 の 変 化 に 対 応 した油 脂 加 工 技 術 の 開発 動 向 を概 説 した 。 水 素 添 加 は低 トラ ンス 化 と高 選 択 性 を両 立 で きる 方 法 が 開発 さ れ つ つ あ る 。 ま た,こ こ で は述 べ な か っ た が エ ス テ ル 交 換 原 料 と して の 極 度 硬 化 油 製 造 も今 後 の重 要 な 役 割 とな る で あ ろ う。 パ ー ム油 の 利 用 拡 大 に伴 い,分 別 の 重 要 性 は高 ま っ て い る 。 高 純 度 と高 収 率 を両 立 す る 効 率 の 良 い ドラ イ 分 別 方 法 の 開 発 が 期 待 さ れ る 。 エ ス テ ル 交 換 は 固 形 脂 の 機 能 性 を改 良 す る方 法 と して 拡 大 して い る。 今 後 は酵 素 を用 い た よ り シ ン プ ル で 低 コ ス トな方 法 が 主 流 に な る 可 能 性 が あ る。 この よ う な個 々 の 技 術 の 進 歩 に よ り,油 脂 加 工 技 術 は これ ま で の 硬 化 を 中心 と し た もの か ら,硬 化,ド ラ イ 分 別,エ ス テ ル 交換 を組 み 合 わせ た も の へ と変 化 し て い く こ とが 予 想 さ れ,今 後 の 研 究 動 向 や 実 用 化 に 向 け た技 術 農 開 に注 目 し て い きた い 。 文 献
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