Ⅳ
新潟県産業集積活性化 と国際分業構造の転換
- 「
東北 アジア産業集積地域ネ ッ トワーク」 の形成
-姥 名 保 彦 (新潟経営大学教授)は ∵
じ め に
グローバ リゼイシノヨンが進展する中でいわゆる 「メガコンペティション」の時代を迎えてお り、 日 本の経済 ・産業 ・企業 は 「グローバル ・スタ、ンダー ド」を否応な く迫 られているとされる。かくして、 「グローバル十 スタンダー ド」を得 るためには徹底 した市場化が必要だとされ、それ は、1これ 迄 「国 民経済」の深化を支えてきた中小企業や地場産業にも 「構造改革」 という名の下で容赦な ぐ押 し寄せ ている。その結果」中小企業、地場産業 さらにはこうした産業の基盤をさす産業集積地域 もまた市場 競争の相場の中に投 げ込 まれ、厳 しい調整を迫 られてお り、業種転換や創業 に成功するか否かがその 存続を左右するという状況 に置かれている。産業集積地域 は、そ もそ も中小企業や地場産業を中心 と する多様な分業を通 じるダイナ ミズムー同時にそれは日本経済の活力のダイナ ミズムで もあった一 に よって支え られてきたのだか ら、本来継続的に業種転換や創業を行 うことが求め られているのであっ て、その必要性 は何 も今 に始 まったことではない。だが、 ここにきて産業集積地域が直面 しているの は、む しろと叫迄維持 してきた転換 ・創業の継続性が逆 に損なわれ始めてお り、それに伴 い集積地域 のダイナ ミズムが低下 し、 ひいては 「国民経済」の基盤その ものが崩壊 しかねない- とういうような 事態なのである。 グローバ リゼーションと 「国民経済」の深化を如何 に両立 させるかが国民的な課題 とされ、そのためにも転換 ・創業が最 も必要 とされる正 にその時にそれが逆 に困難化す るという皮肉 な結果 に陥 っているというのが、転換 ・創業問題を考える際に避 けては通れない問題状況なのである。 この問題を検討す るに当たって、われわれはこの点を理解 してお く必要があるということをまず指摘 しておかなければな らない。 第二 に、中小企業の日本経済 に占める地位の大 きさを考慮すれば当然理解 されることだが、徹底 し た市場化を通 じての 「改革」 いわゆる 「構造改革」
が製造業 ・大企業 と非製造業 ・中小企業 との格差 拡大すなわち日本経済の 「二極化」を もた らしそれが景気の上昇を妨げ日本経済の停滞性を深め転換 ・ 創業を一層困難にするという悪循環が発生 しているということを指摘 しなければならない。 ミクロ的 ・ 個別的には推進 され尋べ きことがマクロ的 ・全体的には事態を逆 に悪化 させかね射 、というマクロと ミクロの帝離ない しジレンマの存在である。 いわゆる 「合成の誤謬」が発生 しているのである。 .第三 に、∼日本経済の 「二極化」が 「資産デフレ」 とオーバーラップすることによって転換 ・創業問 題を一層複雑 にしているということもまた見逃せないであろう。、現在 日本経済 は、金融不安を背景 と する信用収縮 と 「資産デフレ」の悪循環の可能性 に脅かされてお り、「二極化」 がそれ と重 な り合 う えば二重の意味での悪循環 に陥 るという危険性 に晒されているが、信用収縮の影響が早 くも転換 ・創\し 業間題 にも陰を落 とし始 めたということか らも明 らかなように、それによって転換 ・創業問題 もまた 一層複雑な様相を帯びざるを得な くな りつつあるという事情 も見過 ごす ことができないのである。 こうした事態の下では単 に市場化路線 に遭進すれば事足 りるというはど問題 は単純ではない。 ミク ロ的 ・個別的対応 とともにマクロ的 ・全体的対応 と転換 もまた求め られているのであって、、その場合のマクロ的 ・全体的転換 とは単なる市場化推進だけではな く言葉の本来の意味での構造改革でなけれ ばな らないのである。 では如何 に して転換す るのか。 この点を新潟県産業集積の活性化 との関連 において考えてみようと いう-のが本稿の課題である。 ところで、・産業集積地域後退の原因が、需要構造 と競争条件における変化やその結合 ・相乗化を計 らん とす る流通 システムにおける再編成等にその一部があるに して も、 より本質的にはこうした原因 の根底をなす現在の国際分業構造-その高度化を急 ぐあまり大企業中心で しか も多国籍企業主導の産 業構造高度化 に傾斜 し過 ぎてあたか も中小企業の存在や産業集積地域の在 り方を軽視 ない し無視する かの如 き観を呈す る国際分業論 に依拠 した披行的国際分業構造一 に求め られるとすれば、そ うした国 際分業構造を産業構造の高度化 とともにそれを産業組織のダイナ ミズムや産業集積地域の活性化 にも 結 び付 けたよりバ ランスのLとれたそれ- グローバル化の進展を 「国民経済」の深化 に結びつ けるとい う課題 に寄与 し得 るような国際分業構造- に転換する必要があるということになる6 , そ うした中で九州地方が リー ドす る環黄海分業 は、国際分業の発展を、中小企業の役割をそれな り に重視 している九州地方産業集積の活性化 に結合 させることによって三者すなわち産業構造、産業組 織そ して産業集積地域 との間に好循環を形成 しているが、東北 アジアにおけるそ うした新たな国際分 業の始動 は上記の転換の条件が醸成 しているということを示唆 してお り、新潟県産業集積 もそうした 可能性を追求 し得 るはずである。そ うした意味で、新潟県 は産業集積活性化a?ために 「東北 アジア産 業集積地域 ネットワーク」の形成を通 じて国際分業構造の転換を計 るべきである- というのが本稿の 主張である。
第
1章
産業集積地域 の構造変化
最初 にわれわれは、 日本 における産業集積地域の構造変化 を明 らか に してお こう。 そのためには、 (イ) 日本の産業集積地域がどのような特質を持ち、(ロ) またそれが如何なる方向へ と変貌を遂げよう としているのか- ということを解明 しなければな らない。第
1
節
産業集積地域の特質
産業集積地域 とは何か。 ここでは、ひとまずそれを、「中小企業を中心 とす る企業 が一つの地域 に集 積 し近接性を生か しなが ら企業活動を行 っている地域」 としてお こう。 この定義 に従 えば、.(イ)集積 の根拠、(ロ)近接性の意義、 (-)中小企業の重要性一等の諸問題を解明することが さし当たって求め られるが、それ らを明 らかにすることは日本の産業集積地域の特質を浮 き彫 りにすることにも繋が り、 そうした意味で こうした定義を採用することは強ち無意味ではあるまい。 そこで上記 に掲げた諸問題の うち、 まず集積の根拠 について考察 してみよう。それは 「集積 における 外部経済」 (注1) [本章末尾掲載、以下同 じ]性 に求めることがで きよう。 すなわ ち、 企業 が 「製造 業集積地域」(注 2) に立地するメ リトットとしては、 まず原材料や部品等の調達面 での有利性 が存在) していること (そのメ リッ トは都市型集積企業 にとって最 も大 きく次いで産地型集積企業、企業城下町 -56-型集積企業 にとって大 きい)や販路が確立 されていること (この場合にはそれは企業城下町型企業、都 市型企業、産地型企栗の順)等を挙げることがで き、次 いで市場情報収集の容易 さ (「 同 じく産地型企業、I 都市型企業、企業城下町型企業の順)、労働力確保の容易性 (同 じく都市型企業、企業城下 町型企業、 産地型企業の服)等が指摘 されているが (図表
Ⅳ-1-
1参照。本章末尾掲載。以下 同 じ)、 これ らの メ リッ トは産業集積地域の外部経済性 に他な らず、従 って外部経済性の存在 こそが集積の根拠 と考え ら れるので ある. ところで こうした集積 における外部経済性 は上記第二の問題である近接性に密接に係わる。何故なら ば、近接 していることにより多様化す る需要 (注 3) に対する販路の確保が容易になるか らだ。需要の 多様性 に対応 し供給 におけるそれ も求め られることになるが、 この二つの多様性を結び付 けるためには 以下の条件を充たさなければな らない。一つは生産 システムにおける柔軟性であり、いま一つはそれを 多様化す る需要 に結び付 けるための販路の確保やあるが、逓 接性が係わるのは後者 についてである。 す なわち、分業体制を構成 している集積内企業の生産水準や設備の稼働状況、 また現在の技術水準や将来 における技術開発の可能性、 さらには職人の状況や技術者の確保等について必要な情報を常時保持 して いない限 り多様化する需要 に応えることは困難である (注 4)が、 こうした必要な情報を常時獲得する 上で近接性 は最 も優れた手段であるということだ。情報通信手段が発展 した今 日において もなお この点 は当てはまるのであり、む しろ逆 にその重要性を増 しているとす ら言えるのだ。それは、量的な情報の 確保 という面では情報通信手段の発展 によらて距離の差 は意味を失 うが、質的な情報の獲得 という点で は逆 にその意味が重要性を増す という情報化社会のパ ラ ドックスを想起すれば容易に理解 され得 よう。 では生産 システムにおける柔軟性 はどのように して鹿保すればよいのか。 この点 は上記諸問題の うち の最後のそれすなわち中小企業の重要性 という問題 に係わる。何故な らば、需要の多様性 は供給体制に おけるそれを不可避 とし、且つ この供給体制 における多様性 は当然のことなが ら生産 システムの柔軟性 によって可能 となるのであ り、 しか もそれは小数の大企業の分業 によってではな く多数の中小企業のそ れによってより容易に達成 され得 るか らである (注 5)0 以上の考察が合意することは、産業集積地域 は集積性、近接性そ して柔軟性 という三つの特質を備え ている必要があるということである。第
2
節
産業集積地域の後退
ところで産業集積地域が近年後退 しつつあるという問題にわれわれは目を向けなければな らない。 1.メ リッ トの喪失 まず、産業集積地域 に関する上記のメ リッ トが次第 に失われっっあるということを指摘 しなければr な らない。すなわち、上記集積 メ リッ トのうち近年喪失が最 も著 しいのは熟練技能工の確保 ・育成に おける容易性であ り (喪失度では産地型集積企業、都市型集積企業、企業城下町型集積企業の服 となっ ている)、次いで労働力確保 における容易性 (同 じく都市型企業、産地型企業、企業城下 町型企業 の 脂)、適度/な競争性 (同 じく企業城下町型企業、都市型企業、産地型企業の服)、販路確立性 (同 じく 都市型企業、企業城下町型企業、産地型企業の順)等のメ リットも相次 いで喪失の危険性 に晒 されて いる (図表Ⅳ-1-2
参照)。 このことは集積の根拠が次第に弱化 しつつあるとい うことを意味 して いる。2.
ダイナミズムの低下 より危倶 されるのは動態的な面での後退である。すなわち産業集積地域が持っ ダイナ ミズムの低下 である。それは何故発生 したのか。集積要因の うち集積性 と並ぶ近接性 と柔軟性 という他の二つの要 因について も構造変化が生 じているか らだ。 (1)失われる近接性 まず、 これまで販路の確保を支えてきた近接性が流通構造の変化の中で消滅の危機 に立たされて いるという点が重要である。上述 した需要構造の変化の中では後述す るように消費者の低価格指向 が一段 と強 まっているが、それは流通 システムにおける大規模小売 り業者の台頭 と流通 システムに おける 「産地離れ」 という状況を惹起 してお り、 その結果上述 した近接性 による販路の確保 という 要因を もまた後退 させてお り、 さらにそれは二つの多様性すなわち需要構造 と供給体制 における多 様性を結合 させ る手段迄をも奪 いかねないという危険性を招来 しているのである (注 6)0(
2
)
損なわれる柔軟性 さらに二つの多様性を結び付 けるもう一つの要素である生産 システムにおける柔軟性 にも実 は問 題が発生 しているということも見逃せない。生産の柔軟性 は中小企業を主体 とす る多数 の企業 によ る多様な分業 によってはじめて可能 になるということは前述 したところであるが、それは別の側面 か らみれば業種転換や創業が継続的に行われる必要があるということを意味 してい る (注 7)。 中 小企業 による多様な分業 は企業の転換 ・開廃業が継続 されることによってはじめて維持され得 るか らだ。例えば製造業 における業種転換の動向か らもこれ らの点が裏ずけられよう。業種転換率の推 移をみ声と、ー中小企業を主体 とする 「製造業集積地域」 は常 に 「全国合計」のそれを上回 ってきた のである (図表Ⅳ- 1-3参照)。つまり生産 における柔軟性 は中小企業の こうした ダイナ ミズム と表裏の関係 にあっということが重要なのである。 ところがこうしたダイナ ミズムが低下 し始めている。何故な らばダイナ ミズムの源泉である業種 転換 と創業 における継続性が危 うくなっているか らだ。 まず業種転換 の継続性が損 なわれ始 めてい る。 もう一度業種転換率に戻 って 「製造業集積地域」 における1991-93年以降の転換率の推移を辿っ てをみると、それが大幅に低下 しつつありしか も 「全国合計」 は言 うに及 ぼす 「その他 の地域」 と す ら肩を並べる迄 に至 っているということに気付 く (同図参照)。 しか もこうした製造業集積地域 に おける業種転換率低下 という事態は極めて構造的な性格が強いということも指摘 しておかなければ ならない。そのことは製造業集積地域においては事業所数の低下 (図表Ⅳ-1-4[1]
参照) の みならず出荷額 も大幅に落ち込んでいる、(図表Ⅳ-1-4 [2]
参照) という事実か らも窺えよう。 さらに創業の継続性 も危 うくなっている。例えば出荷額 と事業所数 とのマ トリックスによって地 域別成長比較を行 ってみると、製造業集積地域の主力を成す都市部就中大都市部 において停滞性が 最 も顕著であるが (図表I
V-1-
5参照)、それに止 まらず、 これ迄転換 ・創業 のモデル地域 とみ なされてきた大田区と東大阪市 という大都市部を代表す る地域 においてす ら製造業創業状況が憂慮 すべ き事態一一万で開業率が低下の一途を辿 る中で他方では廃業率が大 きく上昇 し且つ前者を大幅 に上回 るに至 っているという事態 に陥 っているとい う事実 にわれわれ は直面 させ られ るのであ る (図表Ⅳ-1-6
参照)(注8)
0 このように中小企業を中心 とする業種転換や創業 における継続性危機 は、生産 システムにおける 柔軟性を損な うことによって産業集積地域 におけるダイナ ミズムを大 きく低下 させ るという危険性 を秘めているのである。 -5
8
-か くして、産業集積地域の特質すなわち集積性 ・近接性 ・柔軟性が損なわれようとしてお り、そ の結果 日本の産業集積地域 は今やその存立 自体が脅か され始めていると言 って も決 して過言ではな いであろうも
第
3
節 」
・
後 退 の要 因
・では産業集積地域が後退 し始めたのは何故か。その理由は、 (イ)需要構造の変化、 (ロ)競争条件の 変化、 (-)後継者難 -の三っに大別 されよう。 この うち本稿の論点 に主 として係 わ るの は前二者であ ると考え られるので以下ではこの二つを取 り上 げてみよう。 1.需要構造の変化 需要構造の変化の背景 には消費構造の多様化 と個性化 という問題が横たわっているという点につい ては前年度研究で既 に詳論 したところであるが (注9)、今一度その要点を整理 してお くと次 の とお -り_であるもすなわち、消費者 は一方で 「低価格志向」を強めると共に他方では 「品質志 向」や 「安全 性暮向」を も強めてお り、 こうしたいわば消費者志向における両極性ない し多極性が需要構造の変化 の核心をな しているのであるが、そ うした変化 は産業集積地域における市場構造 に対 して も大 きな変 L化を強いているのである。 例えば、「製造業集積地域」
企業の取 り扱い製品に対す る需要動向の変化をみてみ ると、産地型集 積企業の場合埠61L.5%と最 も大 きく減少 してお り (この うち大幅に減少が31.4%、 やや減少 が30.1% rとな、ぅている)、次 いで都市型集積企業が59.6% (同 じく大幅減少23.9%、 やや減少30.1%)、城下町 l型集積企業が56.1% (同 じく大幅減少17.1%、やや減少39%)というようにそれぞれ減少 してお り、 ・何れにせよ6割前後の需要減少 に見舞われているのである (注10)0 そ して需要減少の理由を問 うてみると、「より安価な代替品の登場」 (産地型集積企業 は41%が、都 一・市型集積企業 は35.3%が、城下町型企業 は37.9%がそれぞれその理由として挙げている) 及 び 「生活 様式 ・消費動向の変化」 (同 じく産地型企業41%、都市型集積企業26.7%、城下町型集積企業25.8%) 'の二つが最 も大 きな理由とされていること (注11)か らも窺えるように、産業集積地 における需要減 .'少 は上述 した消費構造の変化 という要因を反映 していることは明 らかである。 -か_1(こして需要構造の変化が産業集積地域の後退を招来するのである。2.
∴競争条件 の変化 `需要構造の変化 とともに競争条件の変化 も重要である. まずわれわれは中小企業の競争条件におけ る変化の実体を知 らなければな らないが、それを探 るために企業の出荷額減少要因を調べてみると中 小企業の多 くが輸入品 との競合に晒 されてお りとりわけ価格競争の激化 に悩 まされているということ がわかる。例えば中小企業庁の行 ったアンケー ト調査 (注12)によれば、調査時点か ら遡 って過去1 年間に65.3%の企業が出荷額を減少 させているが、その うち36.6%の企業が 「輸入品 の増加」 をその 減少理由に挙げている。そ して輸入品 との競合が このように激化するのは日本の中小企業側において 価格面での不利性が高まっているためであるとされる。例えば同調査で も、納期や品質面では自社製 品の方が有利であるとする企業の割合が多いのに対 して価格面では輸入品の方が有利であるとする企 業の割合が98%を も占めている (注13)0こうした中小企業の競争条件 における変化 は主 として輸入品 との競合激化 によるものだとする指摘 は産業集積地域の場合にも当てはまる。例えば、「製造業集積地域」 における国際化進展 の影響 を調 査 した ものをみてみると、やはり最 も大 きな影響を蒙 っているのが 「輸入製品 との競争激化
」
であ り (産地型集積企業の場合には全体の44.8%と最 も大 きな影響を受 けてお り、次 いで都市型集積企業 が2 8.1%、城下町型集積企業が27.8%とそれぞれ看過 しがたい影響を受 けている)、次いで 「生産 の海外 移転」である (この場合には当然のことなが ら企業城下町型集積企業が26.9%と最 も大 き薄 影響 妄受 けてお り、それに対 して都市型集積企業の場合にはそれは12.3%、産地型集積企業 も10.7%と一割前 後 に止 まっている) ということか らも明 らかなように、前者の影響が後者のそれに比べて圧倒的に大 きいのである (注14)0 か くして輸入品 との競争激化 によって惹起 された競争条件変化 も産業集積地域後退を もた らす上で 重要な役割を演 じているのである。3.
二つの変化の結合 と相乗化 そ して こうした輸入品 との競合激化を基軸 とする競争条件の変化 は前述 したように大規模小売業者 の台頭 による流通 システムの変化 によって増幅されているのであるが、注 目を要す るのは、流通 シス テムの役割 は単 に競争条件の変化を増幅ない し加速するというだけの ものではな く、実 はより本質的 には上述 した需要構造の変化 と競争条件の変化 とを結合 させ且つ両者の変化 に対 して相乗作用を もた らしているという点である。 例えば、 これまた既 に指摘 した点であるが (注15)、大規模小売 り業者が価格 を引 き下 げるに至 っ た要因を調べてみると、50%の業者が 「低価格輸入品」の増加を挙げてお り、 また 「自ら積極的に価 格引 き下 げを行 っている」
小売業者の割合 は中小小売業では15%に止 まっているのに対 して大規模小 売業者の場合には31%にも達 しているのであるが、 ここで注 目すべ きは、価格弓トき下 げが自らの収益 低下 に繋がる以上小売業者がそれに消極的になるのは当然の筈だが、実際にはそ うした態度を採 って いるのは小規模小売業者だけであり大規模小売 り業者 は逆 にそれを自己の業績向上 に対 しセ積極的に 活用 しているという点だ。 では大規模小売業者を して何が価格引 き下 げ競争 に駆 り立てているのか。 この点 にこそ問題の本質 が隠 されている。 この問題 は需要構造 との関係抜 きには解明できない。そ こでいま一度前述 した消費 者志向の変化 に戻 ろう。 われわれは消費者志向の両極化ない し多極化要因における一方の 「極」であ る 「低価格志向」
の存在を指摘 しておいたが、 この 「低価格志向」 こそが彼 らを して価格引 き下げに 走 らせている最大の要因であると言えそ うだ。そ してアジアか らの 「低価格輸入品J(
注16)が彼 ら の価格引き下 げを可能 に し且つむ しろそれを自らの業績向上 に結 び付ている条件なのだ。1これに対 し - て小規模小売業者の場合 にはそうした条件を十分 に生かす ことができないために 「低価格志向」
が困 難 になっているという訳だ。 このように、大規模小売業者によって惹起 された需要構造 と競争条件の双方 における変化の結合は、 消費者の 「低価格志向」が強ま,れば強まるほどまたそれを充たす ことを可能 にす るアジアとの国療分 業が進展すればするほど、強め られ且つ両者の相乗作用へ と発展 して行 くのである。つまり、現在の 国際分業構造の下では高付加価値 レベ ルへの製品特化が絶えず求め られてお り、Lそ うした条件に沿わ ない相対的に低 い レベルの製品の場合 には否応な くアジアへの移譲を迫 られているが、 日本において はそ うした国際分業構造 に依拠 した基盤が既 に形成 されているか らこそ、大規模小売業者 は二つの変 -60-化の結合 とその相乗化 に成功 しているのであ り、それと対照的に産業集積地域 においては一層の需要 減少 と輸入品 との競合激化 という逆相乗作用 に見舞われることになるのだ。 か くして、流通 システムにおける再編成を媒介 とする需要構造 ・競争条件における変化の結合及 び その相乗化 とその根底にある現在の国際分業構造 こそが産業集積地域後退の最大の要因であるという ことが容易に理解 されるであろう。` (注1) 「外部経済」論 に関 してはマーシャルのそれが有名である。それは、企業あるいは産業間の連 関によって、ある企業が属する産業 について全体の生産量が増加するとともに費用が低減する というものだ。ではその場合の 「外部」 とは何か。それは 「規模の経済性」論 に関わる。すな わち、「規模の経済性」 とは、生産要素の投入規模 に比例す る以上 に収穫が増 え る場合つ ま り 生産の面では 「収穫逓増
」
の原則が働 き逆 に費用の面では 「収穫逓減」の原則が作用す る場合 を指すが、 この 「規模の経済性」が企業 ・産業連関を通 じて発揮 される場合が 「外部性」であ り、 しか もその効果が正の場合が 「外部経済」
である (逆 にそれが負の場合 は 「外部不経済」 である)。以上の文脈か ら明 らかなように、「集積における外部経済」 とは、集積 によってすな わち企業や産業が一定の地域 に集中す ることによって企業 ・産業連関を通 じて発経 される 「規 模の経済」のことである。 (注2)
平成9
年度 『中小企業 白書』 は、従業員4
人以上の製造業事業所が6
0
0
以上存在 した市 区町村 は全国で平成6年現在126に達するとしてお り、特に製造業集積度の高い こう した地域 を 「製 造業集積地域」 として 「その他の地域」
と区分 している。 さらに 「製造業集積地域」 は、伝統 的に地垣産業的な色彩の濃 い 「産地型集積地域」、多数の下請 け企業が一定 の地域 に集積 して いる .「企業城下町型集積地域」そ して都市部を中心 に部品、金型、試作品等を製造する 「都市 型集積地域」の三つの地域 に類型化 されるとしている (同自書P.1
7
7
参照)0 (注3)拙稿 「県央地場 ・地域産業活性化のための課題一情報化時代 における 『革新的企業』群形成 と 産 ・学 ・官協カー
」(新潟経営大学 ・共同研究 プロジェク ト 『国際分業 の進展 と地場産業一高 付加価値化を巡 る問題点 と課題-
』[
1
9
9
7
年2
月])P.5
4
参照。 \ノ (注4)
日本経済新聞 「基礎 コース :集積 と創業⑧」(
1
9
9
7
年4
月2
9
日)参照. (注5)拙稿 「同上」
P.57参照。 (注6)
拙稿 「同上」P∴5
4
参照。 (注7)
日本経済新聞 「同上⑨」(
1
9
9
7
年4
月3
0
日)参照。 (注8)開廃業率逆転画題 はある意味では今後の日本経済の在 り方を考える上で 重要 な含意 を持っ と 考え られるので、七 の問題 に関 して若干の論点整理を以下で行 っておこう。p第1
に、開廃業率 ・問題 における首米問の相違をどのように考えるべきかという点である。 日本の場合、廃業率が 開業率を上回るという逆転現象 は何 も中小企業 に限 ったことではない。大企業を含めた全産業 で も生 じていることだ。開業率 は一貫 して低下 しているのに対 して廃業率 は逆 に一貫 して上昇 してお り、その結果1
9
9
0
年前後 には後者が前者を上回るに至 っている (図表Ⅳ-1-7 [1]
参照)。 これに対 してアメ リカの場合には、開業率が廃業率を一貫 して上回 ってお り、、七 か も9
1
年 を境 たして その差が拡大 しっっある (図表Ⅳ-1- 7 [2
]
参照)09
0
年代 に入 ってアメ リカ経済 は再活性化に一定の成果を上 げているということばとのことか らも領 けよう。そこで問題なのはこの開廃業 における日米間の相違をどのように理解すべ きなのか ということだが、 われわれはそれを、 アメ リカの場合 には、(イ)情報化を基軸 とす る産業構造の高度化、(ロ) それを推進す るためのベ ンチ ャー企業による産業組織の活性化、(-)さらに情報化やベンチャー 企業の登場を促進す るための市場化の推進- という一貫 した政策が進め られてお り且つそれに 一定の成功を収めっっあるのだが、 日本の場合には果た してこうした徹底 した市場化政策が上 手 く行 く条件が果た して十分 に備わ っているのか という疑問を提起 していると理解すべ きなの ではないのか。言 うまで もな く産業構造の高度化、産業組織の活性化 さらには必要な限 りでの 市場化 は日本 にとって も必要なのではあるが、そのことは、 日米間に横 たわる条件の相違を無 視 してあるいはその意味を考えることを回避 して、アメ リカ型市場化論を 日本経済 の国際標準 化 と称 して (それはアメ リカ型市場化を国際化す ることに他な らないのだが)無媒介的に日本 に持ち込むこと (後述するように中小企業 における逆転化が既 に進行 している日本 において はそれは日本経済の悪循環 l羊繋が りかねないのである)、を決 して意味 していはいないだろう。 いわゆる 「改革」論の陥穿が ここにあると言 うべ きであろう。第2に、サー ビス化万能論の根 拠が必ず しも確たるものではないということだ。 日本 における逆転現象をさらに詳 しく観察 し てみると、確かにそれは製造業が主導 しているということが判明す る (図表Ⅳ-1-8 [1] 参照)。 しか しなが らここで見逃 してほな らないのは、 これ迄開業率が廃業率を一貫 して上回っ ていたサー ビス業 において も開業率が80年代 に入 ると共 に低下傾向に転 じる中で廃業率の方 も やはり90年代 に入 り上昇 し始め、その結果両者が接近 し始めているということである (図表Ⅳ一 ・1-8 [2]参照)。従 って創業 における継続性低下 は製造業の場合だ けで はな くサー ビス業 において も生 じているのであって、 この点が製造業か らサー ビス業への移行 によって再逆転が 可能だとする議論の根拠が必ず しも明確ではないということを証明 していよう。だが このこと は、 日本経済 における長期的な変化の トレン ドすなわちサー ビス化 ・脱工業化を否定するもの ではない。 (さらに短期的にも景気 におけるサー ビス業の役割 は増大 している。例 えばアメ リ カでは1991年か らの景気回復過程ではサー ビス業を中心 とする中小企業の活況がその回復を支 える重要な要因の一つ となっているとされる (小沢俊夫 「中小企業の業況好転が必要
」<
日経 97年10月15日> より]。)そうではな く、そ うした過程でサービス化 自体 に多 くの問題が発生 し 得 るということを強調 したいのだ。 (例えば、既 に述べたように、流通 システムにおける再編 成 は、小売業では小規模小売業者を淘汰 しているし、卸売 り業で も中小卸売 り業者の存立基盤 を揺 さぶ っている)。 それはまた、後述す るように日本経済の二極化が製董 業 ・大企業 と非製 造業 ・中小企業 との間で進んでいるということにも関わ っている。第3位、製造業 における逆 転化が中小企業 によって主導 されているということも重要であ (図表ⅣT1l9
参照)。 この ことは、中小企業 における逆転化 は、中小企業 自体のダイナミズ ム低下 を招 くのみな らず、そ れがさらに日本経済 における披行性を深化 させ 日本経済 自体を停滞に陥れて しまうというよう な悪循環 に陥 る危険性草学んでいる- ということを意味 していよう。 (注9)拙稿 「同上」 における図表1 (P.81)および図表Ⅳ-1-10参照。 (注10)中小企業庁 『中小企業 白書』(1997年版)P.
193よ り。 (注11)同上。 (注12)中小企業庁 「輸入品 との競合による中小企業への影響調査結果」
(1994年11月) より。 (注13)同上。な串中小企業庁が行 った別のア ンケー ト調査で も、「輸入品 との競合 に対応す るための - 62-価格引き下げによる収益圧迫」を挙げる企業数が現在です ら全体の中で70%近 くを占めており、 しか も今後その割合がさらに増加す る可能性があるとい う指摘 が行 われて いる (中小企業庁 「中小企業円高影響調査の結果 について」[1995年5月]参照)0 (注14)中小企業庁 『中小企業 白書』(1997年版)P.189参照。 (注15)拙稿 「同上
」
P.54参照。 (注16)中小企業就中地場産業を襲 っている輸入品 との競合激化 はアジア諸国によって主導 されている 点 も前年度研究 において既に指摘 したところであるが (拙稿 「同上」
p.
50参照)、 いま一度 そのポイントを確認す るために産地 における競合輸入相手国 ・地域を紹介 してお くと、最大の ライバルとみなされているのは中国であり (産地企業全体の85%がそ うみな している)、次 い でアジアNIES (同 じく58%)、ASEAN諸国 (同33.3%)というように ライバル視 されている 中七 はアジア諸国が圧倒的に大 きな比重 占めている (中小企業庁 『中小企業 白書』
[1995年版] P.280より)。′ 図表Ⅳ-1-1 集積に立地することのメ リッ ト (%) 0 0 0 6 5 4 0 0 0 3 2 1 0 別 50 45 40 35 30 2 5 2 0 15 10 5 0 nuJ川u そ の 他 目 さ れ る 集 聴 外 か ら 注 容 易 で あ る 確 保 ・ 育 成 が 熟 練 技 能 工 の る 共 同 化 が 図 れ 在 ノ め の 設 備 が 存 技 術 向 上 の た 受 け や す い 政 策 的 支 援 が 好 影 響 適 度 な 競 争 の 也 ビ ス 業 者 の 立 産 業 支 援 サ ー 容 易 労 働 力 確 保 が が 存 在 旋 を 行 う 企 業 仕 入 ・ 販 売 幹 が 容 易 技 術 情 報 収 集 制 の 構 築 適 切 な 分 業 体 れ て い る 販 路 が 確 立 さ が 容 易 市 場 情 報 収 集 調 達 が 容 易 原 材 料 ・ 部 品 資料 :中小企業庁 「製造業集積構造実態調査」 8年12月 蝕) 複数回答のため合計 は100を超える。 (出所)中小企業庁 『中小企業白書』(1997年板)P179より 国表Ⅳ- 1- 2 近年失われつつある集積のメ リッ ト その 他 目 さ れる 集 積 外から 注 容 易 で ある 確 保・ 育 成 が 熟 練 技能 工の る 共 同 化が図れ 荏 め の 設 備 が 存 技 術向上のた 受け や す い 政 策 的 支 援が 好 影 響 適 度な 競 争 の 也 ビ ス 業 者 の 立 産 業 支 援 サー 容 易 労 働 力 確 保 が が 存 在 淀を 行う 企業 仕 入・ 販 売 幹 が 容 易 技 術情報収集 制の 構築 適 切な 分 業 体 れ て い る 販 路が 確立さ が 容 易 市 場 情 報 収 集 調 達 が 容 易 原 材 料部品・ 資料:中小企業庁「製造業集積構造実態調査 」8 年 12月 梯複数回答のため合計は 100 を超える 。 (出所)中小企業庁﹃中小企業白書 ﹄(1997 年板) P180より図表
Ⅳ-1-3
業種転換率の推移 昭和61-63年 昭和63-平成2年 平成3-5年 平成5-7年 資料 :通商産業省 「工業統計表」再編加工 (ii) 従業者数4人以上の事業所。「製造業集積地域」 とは、全国の市区町村の うち、平硬 6年 「工業統計表」 において、従業者数4人以上 の製造業事業所が600以上存在 した126市区町村 を指す。 業種転換率 は、各期間において継続 して存在 している事業所 に対 して、 日本標準産業分類 (細分類)香 号が変更 されている事業所数 の割合 として求 めた。 (出所)中小企業庁 『中小企業 白書』(1997年版)P178よ り 図表Ⅳ-1-4
製造業集積坤域の事業所数 ・出荷額の推移 (製造業、昭和61年度-100) [1]事業所数 の推移 105 100 95 90 85 80 昭和61年 昭和63年 平成元年 平成2年 平成3年 平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 資料 :通商産業省 「工業統計表」 鍵) 従業者数4人以上の事業所。 「製造業集積地域」 とは、全国の市区町村の うち、平成6年 「工業統計表」 において従業者数4人以上 の製造業事業所が600以上存在 した126市区町村を指す。[2
]出荷額 の推移 140 135 130 125 120 115 110 105 100 昭和61年 昭和63年 平成元年 平成2年 平成3年 平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 資料 :通商産業省 「工業統計表」 嘩 従業者数4人以上の事業所。 「製造業集積地域」 とは、全国の市区町村の うち、平成6年 「工業統計表」 において従業者数4人以上 の製造業事業所が600以上存在 した126市区町村を指す。 (出所)中小企業庁 『中小企業 白書』(1997年版)P185より-6
4-図表Ⅳ- 1-5 地域 による成長の遠 い (昭和61年∼平成 7年) 品川区ノ \ 台東区 A 資料 :通商産業省 「工業統計表」 ㈱ 従業者数4人以上の事業所。「製造業集積地域」 の うち、 三大都市圏 (埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、愛知、三重、 京都、大阪、兵庫)に所在す る市区町村 と、地方圏 (その他 の都道府県)に所在す る市区町村を区別 して表示 したもの。 三大都市圏市区町村の うち、黒色で表示 されているものは東 京都の特別区である。 (出所)中小企業庁 『中小企業白書』(1997年版)P186より (1)大田区 図表Ⅳ- 1- 6 開廃業率の推移 (製造業) (2)東大阪市 昭和53-56年 昭和56-61年 昭和61-平成3年 平成3-6年 昭和53-56年 昭和56-61年 昭和61-平成3年 平成3-6年 資料 :総務庁 「事業所統計調査」再編加工 (ii) 1.開業率-開業年次が前回調査か ら今回調査時点までの期間に属する事業所数/前回調査時点の 事業所数/年数 (%) 2.廃業率-開業率一増加率 (出所)中小企業庁 『中小企業白書』(1997年版)P187より
図表Ⅳ-1-7 [1]日本 の開廃業率 の推移 (全産業、年平均) (%) 7 6 5 4 3 2 1 0 元 3(年) 1 1 3 6 41 44 47 50 53 56 61 1 1 1 1 1 1 1 44 4 7 50 53 56 61 元 資料 :総務庁 「事業所統計調査」再編加工 紬 1.開業率-開業年次が前回調査か ら今回調査時点 ま での期間に属する事業所数/前科調査時 点の事業所数/年数 (%) 2.廃業率-開業率 一増加率 (出所)中小企業庁 『中小企業白書』(1997年版)P309より 図表
Ⅳ-1-8
[1]製造業 の開廃業率 の推移 (年平均) (%) 6 5 4 3 2 1 件 3 .. -6 元 ∼ 3 61 -元 56 ∼ 61 53 ∼ 56 50 -53 47 -50 44 -47 41 -鶴 資料 :総務庁 「事業所統計調査」再編加工 鍵) 開廃業率の算出方法については第Ⅳ-1-7[1] に同 じ (出所)中小企業庁 『中小企業白書』(1997年版) P310より 日米の開廃業率の推移[2
]米国の開廃業率 の推移 1 9 0 9 9 8 8 8 7 8 6 8 5 8 4 8 3 8 92 93 94(年) 資料 :アメ リカ中小企業白書 ㈱ 開業率 -各期間中に開業 した事業所数/各期間初の 事業所数 廃業率 -開業率 一増加率 米国の事業所数 は雇用労働者所有企業数。買収によ る廃業を除 く。 産業別間廃業率の推移 [2]サー ビス業 の開廃業率の推移 (年平均) (%) 7 6 5 4 3 2 10
44 47 50 53 56 61 元 3(年) 41 ∼ 44 47 50 53 56 61 元 3 6 資料 :総務庁 「事業所統計調査」再編加工 幽 閉廃業率の算出方法については第Ⅳ - 11 7 [1] に同 じ 図表Ⅳ-1-9
規模別開廃業率の推移 (製造業) 射 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 ′ 1 . 廃業率4-19人 開業率4-19人 廃業率20-299人 開業率20-299人 開業率300人以上 廃業率300人以上 61-.63年 63-2年 3 -5年 5-7年 資料 :通商産業省 「工業統計表」再編加工 飼 1.閲 (廃)業率 -当該期間における開 (廃)事業所数/当該期間初における事業所数/ 2×100 2.昭和61年、63年、平成3年及び5年の各時点の規模の企業の開廃業率を示 した もの。 3.それぞれの期間において、中1年の間で開業 し廃業 した事業所 は計上 されない。 (出所)中小企業庁 『中小企業白書』(1997年版)P311より - 66-図表Ⅳ- 1-10 5年前 と比較 した消費者の需要動向につ いての認識 (全産業) 田 かなり強まった EZ]やや強まった [コ 変わらない ロ やや弱まった 国 かなり弱まった 低 価 格 志 向 多様化 ・個性化 高 品 質 志 向 安 全 性 志 向 環 境 配 慮 志 向 短 期 対 応 志 向 新 製 品 志 向 簡 素 化 志 向 ブ ラ ン ド志 向 ・0% 20% 40% 60% 80% 100% 資料 : 中小企業庁 「我が国企業経営環境実態調査」 8年12月 (出所)中小企業庁 『中小企業白書』(1997年版)P139より
第
2葺 ・
転換 ・創業 における継続性問題
「 前章 で は、 日本 の産業集積地域 が次第 に後退 してお り、 その要因が、 (イ)需要構造 の変 化 と錆争 条 件 の変化、 (-)そ して流通 シス≠ムが媒介す る両者 にお ける変化 の結合 とその相乗化、 (-) さらには その背景 にある国際分業構造- とい う点 ににあるとい うことを明 らか に して きたのであ るが、 それで は こう した後退 の中で産業集積地域 の ダイナ ミズムの維持 にとって最 も重要 な業種転換 お.‡こび別業にお け る継続性 を維持す るために一体 どのよ うな試 みがなされているのか、 またそれによって郡,
,
缶
日
加 t維持 さ れ うるのか-.とい う点 を本章で は検討 してみよ う。第
1
節
継続性維持の試 み
継続性維持 の試 み は三つ の面 で行 われている.一つ は国際分業構造高度化への帥 古で`い 1、 もうーつ は産業構造高度化 の試 みである。 1.国際分業構造変化への対応 前者 か ら検討 してみよ う。現在 日本 の国際分業構造 は大 き く変化 しっっ あ りそu),I:踊 LIL.描.
闇 に進 展 している。 まず輸 出において は機械類部品の伸 びが最 も顕著であ り、次 いでrf本 別が ′:rlj)iiiを追 っ て いる (輸 出数量 の推移 をみ ると、1
9
9
0
年 に比較 して9
6
年 には輸 出全体 で は7
.
2,
O
i
H
J,/j
t
増加
していな -七、のに対 して機械類部品 は3
9
・
5
%
、資本財 は3
1
・
5
%
と両者 とも大 幅 に増加 して い ろ)∴ い刷 黒、 輸 出全体 に占める機械類部品及 び資本財 シェアが大幅 に上昇 している(
9
0
年 か ら醐 :・L:,,,、f圧 捌 く財の シェアは5
4
%
か ら6
1
・
4
%
へ、 また機械類部品のそれ は2
4
.
9
%
か ら3
3
.
5
%
へ と封 Jf・し.てい ,:.).,他方輸入 につ いて も資本財及 び機械類部品が大 幅 に伸 びている (輸入数量 の推移 をみ る上 ("= 十竹入全体では40.8%上昇 しているのに対 して資本財が186.4%、機械類部品が111.77%それぞれ上昇 している)0 その結果、輸入の場合 も資本財 と機械類部品のシェアが上昇 している (同 じく資本財のシェアが14% か ら22.8%へ、機械類部品のそれ も7%か ら12.2%へ と上昇)0 一方業種転換や創業の動向をみると、一応 こうした貿易構造の高度化 に対応 した ものとみることが で きる。 まず業種転換 についてみてみると、転換先の事業分野 は、住宅関連産業、環境関連産業 に続 いで情報通信関連産業、新製造技術関連産業がかな りの比重を占めているが (図表Ⅳ-2-1参照)、 それはこうした状況を反映 しているものと考え られる。 この点 は創業の場合 にはより明確である。す なわち、創業対象事業分野をみると、新製造技術関連産業が圧倒的に多 く情報通信関連産業がそれに 次いでいる (図表Ⅳ-2-2参照)0 このように、集積地域後退要因の主因をなす国際競争の激化 に対 して産業集積地域が転換 ・創業を 通 じて果敢 に挑戦 しているということも決 して見落 としてほな らないのである。 2.産業構造高度化の試み 言 うまで もな くこうした挑戦 は他方では産業構造高度化の試みに通 じる。では産業構造の変化 に対 してはどのように対応 しようとしているのか。産業構造 も急速な変化を遂げ高度化 しつつある。 それ はそ もそもどのような方向へ転換 しようとしているのか。 それは、情報 ・通信関連分野を中軸 として 新流通 ・物流関連分野、金融分野、住宅関連分野 さらには環境関連分野等が今後の新規 ・成長産業 と して日本の産業構造の中で大 きな位置を占めるであろうということである (注1)。 その際注 目すべ きは、高度化の担い手である情報、運輸、金融等の分野 はそ もそ もハー ドだけではな くソフ トを も含 むという意味でサー ビス産業で もあり (注
2)
、そこでは中小企業が活躍す る余地 が大 きいとい う点 だ。-従 って経済がサー ビス化すればするほど小規模企業 による多様な分業の必要性が高まり中小企業 の活動の余地が広がるということになる。 この点 はサー ビス経済化が最 も進展 しているナメ リカにお いて個人企業数の伸びが最 も大 きいということか らも窺える (図表Ⅳ-2-3 [1]・[2]参照) (注-3)0
従 って日本で も、全体 としては個人企業数 は減少 しているとはいえ (図表Ⅳ-2-3 [2
]
参照)、 サー ビス業 に関 して言 うと増加傾向にあるということが重要であ り、就中専門サー ビス業が大幅に伸 びているということを重視すべ きだということになる (注4)
。何故な らば、専門サー ビス業 にお け る個人企業数の伸びこそ情報化時代における新たな知 的サー ビス需要 の拡大 に対応 した ものであ り (注5);その意味で産業構造高度化の最先端部門を担 うのは大企業ではな くむ しろ小規模企業を中心 とする中小企業の方が有利だ ということを意味 しているか らだ。 こうした見解 に基づけば、前節で指摘 した製造業 において廃業率が開業率を上回 っているのは当然 のことであ り、それが新旧交代を意味す るのであれば、む しろ望 ま しいことです らあるという次第で ある (注6)
0第
2
節
楽観論 の限界
このように、業種転換及 び創業の継続性維持の試みば着々と成功を収めているのであって、一見それ が低下 しているかに見えるのは単なる過度期の現象 にす ぎず、それは中小企業の 「構造改革」を進める -68-上でむ しろ望 ましいことです らあるとする極めて楽観的な見解が存在す るのであるが、 こうした見解を どのように評価すべ きなのか。 この点についてわれわれは、それは ミクロ的 ・個別的には妥当ではあって も、現在の日本経済の状況 の下ではマクロ的 ・全体的には必ず しも妥当性を有 しないものと考える。その根拠 は、 こうした見解が 日本経済 に占める中小企業の比重及びその意味を軽視ない し無視 しているか らだ。そこで、念のために この点をここで改めて確認 してお くと、中小企業の日本経済に占める比重 は現時点において も極めて大 きく且つその意味は重要なのである。例えば
、1
9
9
5
年時点で従業員4
人以上の事業所 (製造業)を対象 に して従業員規模別 に中小企業(
2
9
9
人以下の事業所) と大企業(
3
0
0
人以上の事業所)の経済的地位を を比較 してみると (注7)
、(イ)事業所数では中小企業9
9
%
、大企業1%
と中小企業が圧倒的な割合を 占めている、(ロ)従業員数で も前者(
7
1
.
9
%)
が後者(
2
8
.
1
%)
を大幅に上回 ってお り事業所数のケー ス程ではないに して・も同様の傾向にある、(ハ)付加価値額で も依然 として前者(
5
5
.
6
%)
が後者(
4
4
.
4
%)
を上回 っている、(ニ)製造品出荷額等でようや く前者(
5
1
.
3
%)
と後著(
4
8
.
7
%)
の割合が ほぼ 括抗 している- ということか ら明 らかなように中小企業の比重が大企業のそれを大 きく凌駕 しているの であって、産業組織的iこも日本経済 にとって中小企業 は欠かせない存在なのである。 こうした 「現実」
を考慮すれば、転換 ・創業を促進する筈の 「構造改革」が、国際分業の構造変化 に よってその継続性が低下 させ られている今 日の状況下では、逆 に日本経済 における 「二極分解」(注 8) を促進することによってその披行性を深め景気上昇を阻み経済を停滞 させ再び転換率の一層の低下や廃 業率のさらなる上昇を通 じて継続性低下を促進するという悪循環 に繋が りかねない危険性を学んでいる ということは、決 して無視で きない筈であり、その意味で 「構造改革」推進論 は楽観的に過 ぎると言わ ざるを得ないのである (注 9)0 従 ってわれわれは、転換 ・創業 における継続性維持の試み自体 は評価すべきであるが、それだけでは し その維持 自体に必ず しも成功するとは限 らないのであって、その意味では、 ミクロ的 ・個別的な対応 と ともに何 らかのマクロ的 ・全体的な対応が新たに必要であると考える。その場合マクロ的 ・全体的対応 とは、継続性低下の構造要因を緩和ない し除去す るための 「改革」 (それは言葉 の本来 の意味での構造 改革でなければな らない)を伴 ったマクロ的 ・全体的な転換でなければな らないのであ り、 こうした転 換を伴 ってはじめて転換 ・創業のための ミクロ的 ・個別的試みが実を結ぶのである。 では如何なる転換かあり得 るのか。 この点を新潟県産業集積活性化 に関連ずけて次章で考えてみよう。 (注1)拙稿 「県央地場 ・地域産業活性化のための課題一情報化時代 における 『革新的企業』群形成 と 産 ・学 ・官協カー
」 (新潟経営大学共同研究 プロジェク ト 『国際分業の進展 と地場産業一高付 加価値化を巡 る問題点 と課題-』
[1
9
9
7
年2
月])P.8
8
参照。 (注 2) この点 に関連 して伊丹敬之 ・一橋大学教授 は日本の今後の成長産業について興味深い指摘を行 っ てお られる。すなわち、それを 「統合型産業」 と 「支援型産業」 という概念 に整理 し、 「統合 型産業」 とは 「独 自に使用価値があるというより、様々な単独製品をっなぎ統合 して使 うこと で価値を生み出す というもので、情報通信機器、 ソフ ト産業、情報通信のシステム産業などが それである」
とし、「支援型産業」 とは 「外国で最終財を生産す る際に必要 となる高機能部品、 /高機能材料などの財を提供す る産業だ」 とした上で,両者 は密接 な関係 に′あるとされ る (伊丹 敬之 「第3
の波を もた らす東 アジアの発展」 [日本経済研究セ ンター会報<1
9
9
7
.
5.
1/1
5
>]
P.3
3
参照)。両産業を統合的に捉えるべ きだとす るこうした問題整理に基づ けば、 本章で論じている国際分業高度化への対応 と産業構造高度化への対応 も自ずか ら密接 な関連性 を持つ と い うことになる。
(注3)サー ビス経済化 と小規模企業 との関係 については、清成忠男 ・法政大学学長が的確な指摘を行 っ
てお られ る (清成忠男 「新時代開 く 『マイクロ 企業』 [日本経済新聞<1997年6月6日号> ]
参照)。 さ らにこの点 は情報化問題 につ いて も当て はまる と して い るの は TheEconomist誌
である (TheEconomist``A SurveyoftheWorldEconomy-Thehitchhicker'sguide tocybernomics" [TheEconomistSeptembPr28th1996]
P.
Survey38参照).(注4)清成氏 の指摘 によれば、1995年 における個人企業数 の構成 については、非農林分野 の個人企業 615万社 の うちサー ビス業 は185万社 (全体の30.1%)、 うち専門サー ビス業84万社 (同13.7%) であ り、一方 製造業 は105万社 (同17.1%)、 小売 り業 は110万社 (同17.9%)とな って い る (清成忠男 「同上」 よ り)。 (注5)清成忠男 「同上」参照。 (注6)清成氏 は、「両者 (製造業 と小売業) の減少が (個人企業)全体 の減少 に大 き く寄与 している」 (清成忠男 「同上」)のであ って、個人企業数 の減少 は新 旧交代 を意味 して お りそれ自体む しろ 好 ま しい ことだ と暗 に示唆 されている (同上参照)0 (注7)平成9年度 『中小企業 白書』付属統計資料6-9表
(
P.
6--9)よ り. (注 8)製造業 ・大企業 と非製造業 ・中小企業 との格差拡大 を主因 とす る日本経済 の 「二極分解」 は以 下 の通 りである。 まず業況判断指数 (DI:「業況が良 い」 とす る企業割合か ら 「業況 が悪 い」 とす る企業割合 を引いた もの) につ いて は、主要製造業 (大企業) は1997年 に入 ってようや く プラスに転 じているが、非製造業及 び中小企業 は依然 と してマイナスを記録 してお り97年 に入 ると再 び業況悪化 の兆 しを示 している (図表Ⅳ-2-4 [1]参照)0 (さらに、全国信用金庫 協会調べによると中小企業 のDIは97年7-9月期 にはさ らに悪化 しマイナス25.4 [前期実績比 4.3ポイ ン ト、前期見通 し比8.1ポイ ン トそれぞれ低下] に迄落 ち込 んでいるとされ る [朝 日新 聞97年10月14日よ り]。 また 日銀 の97年12月期短観で も中小企業 は、製造業 が マイナス21[前 期比8ポイ ン ト低下]、非製造業がマイナス25[同7ポイ ン ト低下] とそれ ぞれ大 幅 に悪化 し た とされ る [朝 日新聞97年12月15日よ り]。).こうした業況 における格差 は生産活動 にお け る 格差拡大 に繋が っている。中小企業 の生産指数 は未 だに90年 の水準 を下回 っているのみな らず、 97年 の4- 6月期 には大企業 の105.8に対 して95.5と一段 と差が開いている (同表 [2]参照)0 さ らに設備投資 の面で も大 きな差が存在 している。製造業 ・大企業 にお ける97年度投 資 は8.5 %の拡大が見込 まれている (日本経済新聞社調べ [日経1997年9月9日よ り])の に対 して中 堅 ・中小企業製造業 におけるそれは11%減少す る と予 測 されて い る (日本債券 信用銀行調 べ [日経97年8月19日よ り])。 こうした非製造業 ・中小企業 の犠牲 の下で上場製造業 の収益 力 は 順調 に回復 し96年度 の売上高経常利益率 は4.1%と3年連続 で上昇 しバ ブル期前 の水準 にほぼ 戻 ったのである。 しか しなが ら市場 は、 こうした製造業大企業 の収益力回復を 日本経済_の再生 に繋が るとは必ず しもみてお らず、む しろ逆 に日本経済 の披行性 を深 めその結果景気回復を反 転 させかねない要因 とみな しているよ うだ。 そ の後 の事態 は正 に市場 の予測通 りに展 開 し始 めている。すなわち、中小企業 q)不振 を横 目にこれ迄 プラスの業況判断を下 していた大企業 自 体 もそれをマイナスに変 え始 めている。例 えば、先の 日銀12月期短観 で も大企業 のDIは製造 業でマイナス11(前期 よ り14ポイ ン ト下落)、非製造業で はさ らにマイナ ス20(同5ボイ ン ト ー 70-低下) と言 うようにまるで中小企業 と先を争 うかの如 く急落 している。問題はそれだけに止まっ ている訳ではない。`金融不安の影響 も深刻な様相を呈 している。拡大する金融不安を背景 に金 屑虫機関の 「貸 し渋 り」すなわち信用収縮が強まり資金供給機能が急速 に低下 し始めているか ら だ。■上記短観で も 「貸 し出 し態度判断指数
」
が中小企業が前期より1
0
ポイントも悪化 してマイ ナス1
に転 じてい るのみな らず、大企業の場合 も辛 うじてプラス3
を維持 してはいるものの前 / 期 に対 してやはり1
6
ポイン トも悪化 している (朝 日新聞9
7
年1
2
月1
5
日より)。 しか も9
8
年3
月期 についての予測 は、中小企業がマイナス1
0
とさらに落 ち込むのみな らず大企業 もマイナス1
4
と ・中小企業以上 に悪化す るものとみ られている (同)。 こうした景気後退 に対す る懸念 は、既 に 景気先行 きに対す る不安か ら低迷 していた証券市場、金融市場そ して為替市場の不安感 (図表Ⅳ-
2
」4 [
3
]参照)を増幅させ これ らの市場をさらに低迷 させることによって実体経済を 一層悪化 させるという市場 と実体経済の悪循環 に結びっ く危険性を学んでお り、そうなると日 本経済 はいよいよ本格的な景気後退を余儀な くされることになる。尤 も循環論的観点に立てば、 景気先行 き不安感を反映 した円安 自体が∴ 日本の輸出拡大を通 じて内需の停滞をカバー し、景 気の落ち込みを防 ぐという効果を発揮するので、景気不安感が増 したか らといってそれが直ち に本格的な景気後退 に繋がるとは限 らない。む しろ、「二極分解」問題の本 は、景気動 向へ の 関わ り合いという短期循環的なところにあるのではな く、それが日本経済の 「空洞化」を本格 化 させ る可能性を学んでいるという意味で中長期構造問題 に係わっているということを理解す べきである。すなわち、上記の製造業大企業設備投資動向を具 に検討 してみると、企業の多国 籍化が進展 し且つ国内需要が停滞 している今 日のような状況の下では、投資が国内投資すなわ ち設備投資か ら海外投資へ とシフ トする-それは国内投資 と海外投資の関係が補完関係か ら代 替関係へ と変化することを意味 している一可能性が形成 されてお り (永岡文庸 "産業界の景気 の真相- まだ ら模様ではな く2
極化-" [日経9
7
年9
月7
日]及び島田章 ``製造業頼 みの景気 回 復限界''[日経9
7
年9
月9
日]参照。尤 も1
9
9
7
年 に関 してはアジアにおける "金融危機''のせ いで 日本の対 アジア投資 は前年 に対 して6.3%減少 したとされるが [朝 日新聞9
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年1
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月2
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日よ り]、それは "金融危機''という特別な事情 によるものであって、それによってアジアの経 済 成長力が損なわれるというような事態が発生 しない限 り対 アジア投資の拡大 という基調が変化 したとみなす ことはで きないであろう)、そうなると 「所得の海外漏洩」 (拙著 『地域経済の空 洞化 と東 アジアー アジアとの共生のために-』
[
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年3
月、明石書店刊]P.1
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参照) 亘争な らず 「投資の海外漏洩」 (同書P.
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参照)迄 もが発生 し、「二極分解」が、製造 、ノ業 ・大企業 と非製造業 ・中小企業 との間での二極化だけに止 まらず投資におけ.8二極化つまり -投資の海外投資 と由内投資への二極化 に迄波及す ることによって日本経済の本格的な 「空洞イU
へ ・と繋が りかねないという危険性が生 じているという点 にこそ問題の本質があると言 うべ き であろうb (尤もその ことは景気に対する中小企業の役割を軽視 して もよい とい うことで はな い。 日本経済 における過去の景気回復においては常 に中小企業が先導的役割を果たしてきたし、 ∴カ ))<ヵにおいて も前述 したように [第1
章<注8>
参照]中′J唾 業が景気回復に果たす役割 は現在 もなお大 きいのである。) (注9) さらに注意を要す るのは、ベ ンチャー企業 自体の倒産が増加 しているということである。現在 の "ベ ンチャー ・ブーム" は戦後3回目の ものであ り (第1
回は1
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0
年代前半 に発生 し7
0
年代 末の石油危機 によってその幕を閉 じ、 また第2回目は8
0
年代半ばか ら登場 しその後の過剰設備投資 と共 に挫折 した)、主要ベ ンチ ャー企業の
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年度投資額 も前年 に比べ5
割 も増加 し2
,
3
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0
億 円に達 しているが (日本経済新聞9
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年1
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日より)、それと同時にベ ンチ ャー企業 の倒産件 数が9
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月には過去最高を記録 した8
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年の5
3
件に早 くも肩を並べるに至 ってお り (同9
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年1
2
月1
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日より)、 しか も現在の信用収縮動向か らみて、その数がさらに増加す ることは避 け られそ うにないようだ。 図表Ⅳ-2-1
進出先の事業 0 5 10 15 20 25 30(%) 住 宅 関 連 産 業 環 境 関 連 産 業 情 報 通 信 関 連 産 業 医 療 ・福 祉 関 連 産 業 新 製 造技 術 関連 産 業 生 活 文 化 関 連 産 業 流 通 ・物 流 関 連 産 業 新 エ ネ ル ギ ー ・省 エ ネ ル ギ ー 関 連 産 業 人 材 関 連 産 業 新 製 造 技 術 関 連 産 業 情 報 通 信 関 連 産 業 環 境 関 連 産 業 医 療 ・福 祉 関 連 産 業 住 宅 関 連 産 業 生活文化関連産 業 新エネルギー・省エネ ルギー関連産業 流 通 ・物 流 関連産業 都 市環境 整備 関連 産業 ビジネス支援関連産業 バ イオテ クノ ロ ジー 関連産業 そ の 他 図表Ⅳ-2-2
創造法認定事業の産業分野 5 10 15 20 25 30 35(%) 図表Ⅳ-2-3
経済のサー ビス化 と個人企業 [1]経済のサー ビス< アメ リカ>(出所)TheEconomist"A Surr eyoftheWorldEconomy-T hehitchhiker'sguidetocyber nomics"(TheEconomistSep tmber28th1996) P,Suruey7 より
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2-[2
]個人企業数 ・個 人企繕政 (非農林真、ドイツ【詑 拝以前は旧西独) 15 ー0 百 5 万 社o
竺 「千
8本-
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一●
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一一
一●
、●
ー -集中「 〔ドイツ. (出所)清盛忠男 「新時代」開 く 『マクロ企業』」 (日本経済新聞1997年6月6日) よ り図表Ⅳ- 2- 4 景 気 指 標 [1]日銀短観主要企業DI 40 20