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血清中mRNA発現量を定量化する新規アッセイ法の悪性腫瘍における臨床的意義について

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(1)

216 米子医誌 JYonago Med Ass 57, 216-225, 2006

血清中

mRNA

発現量を定量化する新規アッセイ法の

悪性腫療における臨床的意義について

1)鳥取大学医学部病態解析医学講座薬物治療学分野 2)鳥取大学大学院医学系研究科機能再生医科学専攻遺伝子医療学部門

三浦典正

l)

,塚本智恵

l)

, 佐 藤 鈴 奈 川 清 水 美 佳

l)

,樺島広子

l)

高橋俊作

l)

,原田知実

l)

,長谷川純一

1)

,汐田剛史

2)

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Norimasa MIURN)

Tomoe TSUKAMOTO

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Reina SAT01)

Mika SHIMIZU

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Hiroko KABASHIMN)

Shunsaku T AKAHASHP)

Tomomi HARADA

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Junichi HASEGAWN)

Goshi SHIOT

A

2

)

lDivision 01 Pharmacotherapeutics, Department 01 Pathophysiological and Therapeutic Science, Faculty 01 Medicine, Tottori Universi

2Division 01 Molecular and Genetic Medicine, Department 01 Genetic Medicine 仰 dRegenerative Theralりeutics,Graduate School 01 Medicine, Tottori Universiか

ABSTRACT

Currently available tumor markers for hepatocellular carcinoma (HCC) are α-fetoprotein (AFP) , lens culinaris agglutinin-reactive AFP (AFP-L3), and des-r-carboxy prothrombin (DCP). However, their diagnostic potential cannot surpass abdominal ultrasonography (US) as modalities to detect small HCC at early stage, leading that they may delay its diagnosis. We here introduce a newly developed quantitative detection method for serum hTERT mRNA, which has a clinical significance in HCC diagnosis. In 64 patients with HCC, 20 with liver cirrhosis

20 with chronic hepatitis

and 50healthy individuals

we measured se -rum hTERT mRNA by using the newly developed real-time quantitative RT-PCR with SYBR Green I. Briefly, we examined its sensitivity and specificity in HCC diagnosis, clini -cal significance in comparison with other tumor markers, and its correlations with the clini -cal parameters by using multivariate analyses and Friedman test.Serum hTERT mRNA showed higher values in patients with五CCthan those with chronic liver diseases. hTERT mRNA expression was demonstrated to be independently correlated with clinical parameters such as tumor size, number and differentiation degree (P<O.OO,l each). hTERT mRNA expression independently correlated with clinical parameters such as differentiation degree (P<O.OOl).The sensitivity/specificity of hTERT mRNA in HCC diagnosis showed 88.2%/ 70.0%. hTERT mRNA proved to be expectedly superior to AFP mRNA, AFP and DCP in

(2)

Detection of serum hTERT mRNA in cancers 217 HCC diagnosis. Importantly, hTERT mRNA in serum was correlated with that in耳CCtis -sue. Thus, we report that serum hTERT mRNA is a novel and available marker for HCC detection. (Accepted on November 16, 2006)

Key words :

hTERT, real-time RT-PCR, cancer diagnosis, hepatocellular carcinoma, tumor marker はじめに 肝癌 (HCC)は極めて致死率の高い悪、性腫蕩 であり,世界的にも約50万人の患者の生命に影響 を与えている1.2) 肝癌の発症は急速に増加して おり,このことは臨床家,研究者,診断及び治療 基準を決定する研究グ、ループの間で,大きな関心 となっている.肝癌発生に比較的共通する主な 危険因子は, C型肝炎ウイルス (HCV), B型肝炎 ウイルス (HBV),非アルコール性脂肪肝炎 (NAS宜),アルコール多飲者などである.HCCの 進行は,概して急速で長時間にわたる肝細胞の cell turnoverの繰り返しに因ると考えられてい て,そのことはHCCが長期に激しい炎症に暗さ れ,細胞老化が誘導された肝細胞からモノクロー ナルに発生することを示している.今将に我々が すべきことは,新しい診断方法や新しい病態特異 的分子を用いて,可及的早期にHCCのクローナ ルな発生の証拠を検出することだと考えられる. 肝癌の腫霧マー力一 HCCの血清マーカーとして多年に亘って用い られてきたAFPは,感度39%-65%で特異度76 -94%である3) しかしながら,腹部超音波検査

(US) 4)やDCP(PIVKA-II), AFP-L35)により HCCの検出率は更に向上していると同時に,ヒ ト肝細胞増殖因子(HGF)やinsulin-likegrowth factor-1 (IGF-1)なども新たなバイオマーカー として期待されている.現状では未だ十分な成果 を上げているとは言えず,早期肝癌の検出のため の新規バイオマーカーを待望している6) そのよ うなマーカーの不可欠な特徴として, 1)HCCに 特異的でなければならず, 2)発癌早期の臨床病 期での検出を可能にし, 3)簡易に概定でき, 4) アッセイに再現性があり, 5)患者への侵襲が最 小限で(採血,採尿など) , 6)患者側にも医療 側にも受容されねばならない7)早期に検出でき るバイオマーカーのDCPやAFP-L3はかなり精力 的に検討されている.DCPの感度/特異度は各 々 28~89%~87~96% ,一方AFP-L3 は 36~96% ~89~94% と広範で一定していないことから,検 出率向上のためには改善の余地があり,安定性が 利点で使用される蛋白検出系の 1つであるエンザ イムイムノアッセイ (EIA)などの検出系も根本 的に見直す時期にさしかかっている. 血中を循環する核酸研究の藍史的背景 ごく最近,診断系の分野に蛋自に代わって新し い候補が登場した.癌診断のための簡易な血液検 査は元来多くの研究者による探策が鋭意続けられ てきた.癌患者の血液中から細胞成分が除去され た後に得られる血疑及び血清中の核酸には,腫蕩 由来の核酸が含まれているという報告は,当時研 究者の興味を大変惹起した.そのような核酸は健 常者または擢患者の血援や血清中に極少量認めら れる.癌患者の血媛中には高濃度のDNAが存在 し,腫蕩細胞由来のDNAが混在することは周知 の事実であったが,その後血液中に検出される mRNAが,血液中のRNaseの影響で24時間しか安 定でないことから,それが検出されることは即 ち, 24時間以内の病態由来のRNAを検出してい ることになり,臨床病態の早期のイベントを反映 しているとして報告された8,9,10,11) 血襲及び血 清中RNAは進行性癌の病態診断,予後,癌治療 後の経過観察のための適した試料であるので,こ の発見は我々に悪性腫蕩の早期検出の有望なアッ セイ系を提供するものかもしれない. 診断1)ソースとしての血液中

RNA

この新分野の最近の動向として,先ほど述べた ように,癌患者の血難及び血清中において腫蕩関 連RNA発見の歴史がある12) これらの代表とし て,チロシンキナーゼ mRNAI3),telomerase componentsl4, 15),他の腫蕩関連遺伝子にコード

(3)

されている mRNAsI6,17, 18. 19, 20),そして viral mRNN1lが挙げられる.癌患者の血液中からは多 種にわたるRNAマーカーがDNAマーカーよりも 検出されることで,従来及び現行のどの腫療マー カーよりも, RNAの方が高感度に検出できると いうことになる.ある研究では, 2種類のテ口メ レースマーカーが乳癌で44%の揚性率と低率であ ったが14),それでもテロメレースRNAは全く転 移巣のない未分化で小さな原発巣の乳癌患者の血 清中でも検出できることから有望なマーカーと える.Dasiらは, リアルタイム逆転写RT-PCR 法で血中を循環しているテロメレースRNAが癌 に 対 し て 高 感 度 な マ ー カ ー で あ る こ と を 示 し た15) その研究では, 9症例の大腸癌患者のうち 8症例がヒトテロメレース逆転写酵素遺伝子陽性 であり, 9症例の悪性リンパ腫患者のうち全例が 陽性であった.一方, 10名の健常者は全員陰性で あった. 血液中hTERTmRNAの診断への応用 癌細胞由来のhTERTmRNAや内悶性RNA成 分は,車清中のRNaseにより安定性が保てないた め検出できないと考えられていた.血液中RNA は,採血後少なくとも24時 間 は 安 定 で あ る た め22,23),郎ち検出可能であることを意味してい る24,25) 実際, hTERT mRNAは乳癌患者の血 清中から検出され,その感度と特異度は高々40% と100%であった26) 我々は以前,血清中のHCC 由来RNAの検出を定性的に検討し,約88%が陽 性であることを報告した27)これは血清RNAが HCCだけでなく他の癌診断にも応用できること を示唆している.このように,私たちは癌診断の ための最も検出に適した分子としてhTERTを選 別した.この拙著では,テロメレース活性が多段 階的に高まることと,血行性であることから, HCCがhTERTを評価する最も適した癌と考え, そのmRNAを検出する有用性を検討した28) 肝癌におけるhTERTmRNA検出の対象,方法, 及び結果の概要 1)対象 124名の患者 [64例 の 肝 癌 (HCC),20例の肝 硬変 (LC), 20例の慢性肝炎 (CH)]が当検討に登 録された.HCの全例が肝病態の背景としてLCを 有していた.患者の平均年齢はHCCでは66歳, LCで64戒,肝炎患者で55戒であった.66例の患 者がHCV感染患者で, 30例がHBV感染, 217Uが HCVとHBVの重複感染, 51列が肝炎ウイルス陰 性者であった.検討項目として,性別,年齢,病 因, Pughスコア, Child分類,背景肝病変,総ピリ ルピン (TB),アルブミン (Alb),アラニンアミ ノトランスフエラーゼ (ALT),α-fetoprotein (AFP), AFP-L3, DCP, HCV量, HCVサブタイ プ,腫蕩数,腫蕩径,腫蕩分化度,転移の有無など の臨床病理学的悶子を評価した.12名の女性(22 ~83 識:平均 58歳)を含む 50名の健常者が対熊と して検討に加えられた.lfn.清中hTERTmRNA が肝内のHCCに由来し,かっ肝臓組織から遊離 ・脱落して,取液循環中に運ばれるかの真偽を検 討するために,更に外科的切除を受けた10例の肝 癌組織および血清中のhTERTmRNAを定量的 に検討した. 2 )方法 RNAは,以前私たちが報告したように 3段階 での遠心分離を行い得られた血清からDNase処理 を経て抽出,精製された26,27)定量的リアルタ イムRT-PCR法は,ライトサイクラー(Roche) により, SYBR Green 1を用いて,再現性を確認 して実行された.当手法のhTERTmRNA及び、 AFP mRNAに関するdynamicranges は約5コ ピー以上であり,各検体における偽陰性の可能性 を除去することができた.hTERT mRNAと AFP mRNAの両方とも,肝病変の増悪に伴い設 階的に発現が高まり,その定量値はLC,CH,健 常者より有意に狂CCで高かった (hTERTでP

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0.000,1 P

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0.0001; AFPでP= 0.01,1P = 0.044, P

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0.0001,図1-A).hTERT や飽のマーカーに影響する有意な臨床病理学的所 見や,それらの肝病変間での有意差,各臨床パラ メーター内の層別化されたカテゴリーが統計学的 に評価された.Alb,腫蕩径,腫場数,腫蕩分化度, 転移の有無が, hTERT mRNAの発現と有意に 相関していた(各P

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0.05, P

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0.05,表1).バイオ マーカ一間の相闘を検討するためにPearson相関 検定がなされ, hTERT mRNAの発現レベルが 有意にAFPmRNA発現レベルと相関することが 認められた (P

<

0.05).診断の正診度を評価す るために,慢性肝病変患者と肝癌患者についてバ イオマーカーに関する比較をreceiveroperator

(4)

hTERT mRNA

4.7

~ y=O.075x+4.28

5.3 5.2 5.1 5.0 4.9

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4.6 4.5 6 hTERTmRNA cut-off point for hTERT mRNA

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DCP cut-off point for DCP AFP mRr¥JA cut-off point for AFP mRNA

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cut-offpoint for AFP 11 10 7 8 9

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O O 図1 リアルタイムRT-PCR法によるHCC患者, LC患者, CH)患者,健常者の血清中hTERTmRNA値とAFPmRNA値 (対数変換) .各群間での95%信頼夜間を定量点の近傍に示す 5群開での有意差を散布図上部に示している NL:正常肝(健常者).OL:他の肝病変を有する患者, CH:慢性肝炎患者,LC:肝硬変患者, HCC:肝癌患者(図l -A).散布図は血清中hTERTmRNA{lli!と肝癌組織中hTERTmRNA値との有意な相関が10症例について示して いる.Paired t検定(P= 0.01)とSpearman相関検定(P= 0.017)で解析した(国1-B).hTERT mRNAとAFP

mRNAfこ関するReceiveroperator characteristic (ROC) curve解析を示している.その出線は定量測定値を統計 解析ソフトSPSS13.0で解析かっ描回したものである.The dotted 1ine, bold dotted line, solid line, and bold solid lineは DCP,AFP, AFP mRNA, hTERT mRNA,に相当する.各線は各マーカーのカットオフ{直を示している

(関1-C). Paired t検定とSpearman相関検定を用いて解析 された. 3 )結果 肝癌組織中のhTERTmRNAの血清中hTERT mRNAと の 有 意 な 相 関 が 示 さ れ た ( 各P

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0.0,1 P

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0.05,図l-B). DCP (PIVKA-II), characteristic (ROC) curve解析を用いて施行し た . こ の 検 査 系 は コ ピ ー 数 とPCRサ イ ク ル 数 と の 関 に 線 形 相 闘 を 認 め , 良 質 のRNAコントロー ル に よ る 良 好 な 検 定 線 と し て 評 価 さ れ た (r2

>

0.99).肝 属 組 織 ( 原 発 部 位 ) と 風 情 と の 聞 に hTERT mRNA定量値の相闘が認められるかが,

(5)

表 ! 腫蕩マー力…と臨床病理学的所見との有意的相関を検討するための統計学的解析 Multivariate analyses and Freidman test hTERTmRNA AFPmRNA AFP (-L3) DCP Clinical parameters

#

of patient

ρ

D

ρ

D

Age mean:59 years old (range 22 to 83 ) 0.408 0.798 0.681 (0.690) 0.981 Gender M 94 0.761 0.089 0.412 (0.408) 0.380 F 60 Etiology HBV 30 0.250 0.651 0.304 (0.052) 0.842 HCV 66 HBV+HCV 3 NBNC 2 Alcohol 3 Underlying lesion 0.060 0.973 0.621 (0.026) 0.534 Normal 50 CH 32 LC 70 Albumin (g/ dl) 0.018 0.340 0.540 (0.601) 0.001 Total bilirubin (mg/ dl) 0.928 0.693 0.111 (0.432) 0.933 Alanine aminotransferase (IU /1) 0.538 0.149 0.001 (0.001) 0.978 Chi1d-Pugh Scale A 21 O. 136 0.573 0.373 (0.020) 0.001 B 44 C 5 AFP (ng/ml) 0.201 0.319 AFP-L3

(

%

)

O. 123 0.425 DCP (mA U / ml) 0.854 0.651 Size of tumor (mm) < 20 18 <0.001 0.061 0.358 (0.001) 0.258 20~30 26

>

30 20 Number of tumors 10 0.123 0.200 (0.012) 0.086 2 27 ミ~ 3 27 Differentiation degree 0.010 0.096 0.011 (0.010) 0.285 AH 3 Well 33 Moderate 27 U ndifferen tia ted

Only hTERT mRNA correlated with albumin, tumor size, tumor number, and differentiation degree of tumor independently during the progression from chronic liver diseases to HCC. HBV: hepatitis B vi -rus, HCV: hepatitis C virus, NBNC: non-HBV non-HCV, AH: adenomatous hyperplasia.

(6)

表2 A. AFP AFP-L3 DCP AFPmRNA hTERTmRNA B. Sensitivity Specificity 0.693 0.600 0.563 0.925 0.815 0.635 0.716 0.675 0.882 0.700 p va1ue PPV/NPV 0.002 0.812/0.389 0.304 0.778/0.277

<

0.001 0.852/0.405

<

0.001 0.695/0.741

<

0.001 0.862/0.870 CH/LCー)-HCC LC -)-HCC Tumor marker (n =40) (n = 64) (n = 20) (n = 64) AFP 1eve1 AFP-L3 0.376 0.532 0.144 0.228 DCP AFPmRNA hTERTmRNA 0.317 0.479 0.001 0.001

<

0.001

<

0.001 (表2-A) HCCの各腫蕩マーカーの感度/特異度とPPV/NPVを示す PPV:posi -tive predictive va1ue, NPV: negative predictive va1ue. (表2-B) 肝発癌過程での 各腫蕩マーカーにおける統計上の有意差を示す. AFP値, AFP-L3 (%)が腫蕩数と有意な相関を 示し(各P

<

0.05), 腫 場 径 を <20 m m, 20-30 m m,

>

30 m mで層別化した検定でも有意差 を訴した.さらにhTERTmRNA発現はHCCの高 分化度および中分化度と密接に相関を示した (P

<

0.05)また肝癌患者を慢性肝炎患者から区別 するためには, hTERT mRNAは他の腫蕩マー カーより優れていて, Friedrich検定により有意 差を示した (p

<

0.01). ROC curve解析では, hTERT mRNAのHCCにおける感度/特異度は 88.2/68.7%であった(図1-C,表2-A).両 mRNAに対する現状で予想されるカットオフ値 は12,500コピー数/0.2m1と3,000コ ピ ー 数 / 0.2 m1であった.当定量アッセイでの肝発癌に おける感度/特異度が表2-Bに示されている.肝 発癌過程でのhTERTmRNAのPositivepredic -tive va1ue (PPV) / negative predictive va1ue (NPV)は0.862/0.870であった.またAFP mRNA, AFP値, AFP-L3値, DCPのPPV/NPV は0.695/0.741,0.812/0.389, 0.778/0.277, 0.852/0.405であった. hTERT mRI¥IAの推定力ットオフ値を用いた数症 例に関する考察 当検討では, 64例のHCC患者のうち8例が血 清中hTERTmRNAの推定されるカットオフ値 以下であり,陰性とみなされた.何故hTERT mRNAがこれらの患者で陰性なのかの詳細は不 明であるが 8例中5例が背景の肝病変が非代償 性肝硬変であった.非代償性肝硬変では,不死化 された日干細胞のアポトーシスを促進することが報 告されているTGF-sの血清レベルが高いことが 報告されている29) 従って,これらの症例では TGF-sの高発現が不死化細胞のアポトーシスを 刺激し, hTERT mRNAの低発現を導いている という可能性がある24) ~也の hTERT mRNA陰 性3症例は, HCCが1年間ほとんど進展しなか ったのも矛盾していないのかもしれない.また5 例 のHCC患 者 で は , 外 科 的 切 除 後 1年間, hTERT mRNA定量値を経時的に測定し,再発 した 2例ではhTERTmRNAの増加を認めた. hTERT mRNAの血清中検出レベルは,再発を きたさなかった他3例のうち2例が測定値に変化

(7)

3

血液中を循環する

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を用いた当検出系の臨床(疾患)への適用例 1. An

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仰 tionfor1仰 lignancies a) A dia停losisof malignancies Lung cancer Adenocarcinoma Squamous cell carcinoma Small cell lung carcinoma Large cell lung carcinoma Gynecological malignancies Ovarian cancer Uterine cancer Gastroenterological malignancies Hepatocellular carcinoma Stomach cancer Colon cancer Pancreatic cancer Esophageal cancer Breast cancer Thyroid cancer Otolaryngological cancer Urinary cancer Sarcoma はなかったが,残りの l例はhTERTmRNAの 定量値が上昇した.その原因は尚も不明である が,背景の肝病変である強い活動性の炎症に原悶 があるのかもしれない. 他の疾患特異的

mRNA

とその臨床的意義の検討 例えば,肺癌,卵巣癌 (submittedfor publica欄 tion)などのような悪性腫療においても,この hTERT mRNAを用いた当アッセイ系は有用で, 高い感度/特異度を示した(各89.0/72.7%, 90.9/90.0%).我々は疾患特異的なmRNAを探 索し,それを臨床およびプライマリーケアの段階 でバイオマーカーとして適用することを計画して いる.実は多くの医師研究者が従事する医療現場 には難病の早期診断も大きな課題となっており 3) ,診断ツールとしてPositronEmission Tomography (PET)よりも優れた腫療における hTERT mRNAのようなmessageが各難病につい ても掘り起こされることが必要である.更に検討 中の課題としては炎症性疾患がある.なぜなら当

b) A Comparison of hTERT mRNA with PET in periodic medical examination for cancer c) An evaluation of the induction or effect of anticancer therapy 2. An aPPlication for other diseases a) 1nflammatory diseases Fulminant hepatitis Autoimmune disease N onalcoholic steatohepatitis b) Ischemic diseases c) Lifestyle-related diseases Insulin resistance 手法は24時間以内の体内での現象を捉えられるの で,炎症性病変特異的なmRNAが見出されれば (劇症肝炎は投稿準備中),すぐにでも蛋白検出法 よりも鋭敏にその発現レベルを採血のみで検出で きることになり,患者への治療に即座に対応でき ることになる.診断が難しい疾患や生活習慣病 (インスリン抵抗性)などもまた,その適応であ る. 結 圭五 回口 定性での検討後,細胞性蛋白を除去し,細胞性 核酸の試料(血清)への混入を最小限に抑制する 定量測定法により,我々は血液中で不安定とみな されてきた核酸を検出する感度を高めてきた.そ してhTERTmRNAを始めとしてPCRで効率的 に増幅できる擾れたプライマーの設定により,そ れが可能であった30) 図1-Bfこ示されているよう に,血清中hTERTmRNA測定値と原発組織で のhTERTmRNA測定値との相関が認められた ことは,血清中hTERTmRNAは腫蕩細胞由来

(8)

Detection of serum hTERT mRNA in cancers 223 であることを強く示唆する.免疫担当細胞に取り 込まれて処理された産物を検出している可能性も あるが,いづれにしても腫蕩細胞有りきであるこ とに間違いはない.AFPはHCCで広く信頼され て使用されるマーカーである.しかし,早期肝癌 に対してではなく,進行した肝癌に対して有効な のであり,早期診断及び再発診断という観点で考 えると,十分なマーカーとは言えない31) HCC は,如仰なる治療を受けても,その生物学的特性 により何度もポリクローナルな再発を来たすた め,血清中でhTERTmRNA値を測定すること は,その再発の早期診断を可能にする.それ故, 我々はHCC治療後の経過を慎重に観察しなけれ ばならない.hTERT mRNA発現は高 中分化 度のHCCと密接に相関を示した.Nakashioらは 以前, HCCの分化度とテロメレース発現とは有 意な相関を示すことを報告しており,我々の結果 を支持している32) hTERT mRNAは,肝癌診 断においてAFPmRNAと比較して高い感度と特 異度を示した.HCCにおいてhTERTmRNAが 高い感受性を示すことは, AFP mRNAが百CC細 胞や障害を受けた町二細胞に関連しているのに対し て, hTERT mRNAは主にHCC細胞で産生され ているからかもしれない.Waguriらは,原発肝 癌由来で,血液中を循環する癌細胞のhTERT mRNAは検出可能であることを証明し33),当検 討では血清中hTERTmRNAの定量値がHCCの 早期診新を可能にすることを強く示唆している. 我々は, hTERT mRNAと予後との関連を評 価し34)

l

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自の癌における臆療マーカーとしても, その有用性を証明しなければならない.そのため に多施設大規模研究を行っており,現在登録して いる280併の解析を急ぎ,検出での有用性のみな らずHCCモニターの結果を確認しなければなら ない (unpub1isheddata). 当検査系は,多くのhTERT陽性悪性麗揚の診 断や嬉特異的遺伝子が既知である腫壌の診断, RNA遺佳子の診断,蛋白が低発現であるが腫蕩 特異的発現を呈する癌腫に応用可能で、ある.近い 将来,当検査系のプライマリーケアレベルでの臨 床検査システムへの導入が期待される. 文 献 1) E1-Serag HB, Mason AC. Rising incidence of hepatocel1u1ar carcinoma in the United States.N Engl

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表 2 A .  AFP  AFP‑L3  DCP  AFPmRNA  hTERTmRNA  B .  S e n s i t i v i t y   S p e c i f i c i t y 0.693 0.600 0.563 0.925 0.815 0.635 0.716 0.675 0.882 0.700  p  v a 1 u e  PPV/NPV 0.002 0.812/0.38 9 0.304 0.778/0.277 &lt; 0.001 0.852/0.405 &lt; 0.001 0.69

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