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中国の科学技術(翻訳・紹介)-香川大学学術情報リポジトリ

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中国の科学技術(翻訳・紹介)

小 林

訳者は しがき

ここにど紹介する「中国の科学技術」は,以下にかかげる諸論文を読んで宮 とめた文章である。 ≪回撃科技界的右傾翻案風≫ 北京大学、清撃大学大批判組(「紅旗」197d年欝2期) ≪開門弁科研好≫ 中国科学院大連化学物理研究所覚委会(「紅旗」197d年第2期) ≪属克恩主義与自然科学≫ 辛 風(’「紅旗」197占年欝4期) ≪群衆弁科研的生動実践≫ 中国科学院・吉林省・書林市聯合考察租(「紅旗」197占年欝占期) ≪群測群防戦地震≫ 中国共産党龍陵県委員会(「紅旗」197占年欝7期) ≪大力開展地震的群測群防≫ 中国共産党北京市東城区委員会(「紅旗」197る年欝9期) ≪批判洋奴哲学≫ 方 海 (「紅旗」197る年第4期) 尚,「紅旗」ほ中国共産党中央委員会主催紅なる月刊の理論誌である。 訳者に.とっては日頃さはどかかわりのない科学技術の分野の論文なので,翻 訳についても専攻の諸兄姉にご教示いただかねばならない点が多い。誤訳を避 けるため,私なりに努力はしているが,なお誤訳の箇所も少なくないことと思 われるので読者諸賢のご指摘をいただければ幸いである。

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中国の科学技術(翻訳・紹介) 目 次 −・科学技術ほプロ独裁に.奉仕する ニ マルクス主義による指導 三 門を開いて\研究する 四 労・農大衆を動員する 五 自力更生と洋奴哲学 六 党が科学技術を指導する 訳者あとがき 〔附 記〕 る5 ー 科学技術はプロ独裁に奉仕する 中国の科学技術は次のような基本的立場をとっている。 中国ほプロレタリアート独裁の社会主義国家である。従って.中国の科学技術 は,プロレタリアートと労働人民のために奉仕し,プロレタリアート独裁のた めに奉仕するのであって,ブルジョア階級や修正主義のために奉仕することは 絶対にすべきではない。このことほ,科学技術者がその立場をプロレタリア階 級と労働人民の側に移すこと,労働者、農民と結びつく道を歩み,門を開いて 科学研究を行ない,大衆が科学研究を行うという正しい方向を堅持すること, 科学技術をプロレタリアート独裁のための道具にすることを堅持するよう把求 められているのである。(註) 何故,科学技術暑がプロ独裁の政治に奉仕するよう要求されるのか0それは 次のような社会観に基づいている。 自然科学ほ,自然の法則を研究するのだが,科学技術者、その研究単位およ びその指導、管理機構は,階級社会に.あってほ,すべて階級斗争、路線斗争に 制約されており,一定の階級の独裁のために奉仕している。資本主義社会では 科学技術ほ.資本家の手に握られて,資本に従属しており,ブルジョア階級の独 (註)紅旗 ′7る.4.5る貫

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裁と資本家の利益のために奉仕する道具となっている。社会主義社会では,科 学技術ほ労働人民に.よって掌撞されており,プロレタリアート独裁を強固にす るため,広範な労働人民の利益のために.奉仕すべきなのである。(註) しかしながら,文化大革命前ほ修正主義路線の破壊によって,長い間,門を 閉ざして科学研究をやり,分野紅よっては少数のブルジョア階級の知識人把.よ って独占されていた。ある研究者は国家の利益から出発せずに,個人の興味だ けを強訝して,いわゆる、デ岬マの自由選択、をやって,自分本位のも基地、 をひたすら打ち建てようとしていた。ある研究者は自分のために砕を建てよう として,窓外の事柄には耳をかそうとせず,部屋にとじこもって、肇論体系、 をやるだけだった。ある研究者ほブルジョア階級の名声と金銭の思想によって 若い科学技術者を腐蝕し,個人の、資本、を手に、入れようとして,、早く起き 晩く寝て辛苦して基礎づくりをし,任務の方ほ意気消沈してやらない、よう紅 しむ仇 個人暫斗主義というブルジョア階級の間違った遷を歩ませていた。こ のような情況ほ,科学研究の仕事に.おける社会主義の方向に重大な影響をおよ ぼしていた。(註2) プロレタリア文化大革命を経て,プロ独裁を強固にするために有利な新しい 事物が数多く現われた。しかし斗争の成果ほまだたいへん脆弱であり,場合に よって−ほ現在でもブルジョア階級に.よって握られている。科学技術戦線払おい て結局のところ誰に.よって占領され,どういう路線を執行し、どういう方向と 道に沿って発展するのか,その斗争は依然極めて尖鋭で復雉なものがある。 (註5) 科学技術の戦線に.おいて,プロ独裁を実行するということは,社会主義革命 に反抗し,社会主義建設を破壊する撞く少数の反革命分子を弾圧すると共に, 根本的には毛主席の革命路線と党の方針、政策を執行し,修正主義とブルジョ ア階級を批判し,科学理論に珍透しているブルジョア階級の思想を批判して. 科学研究をプロレタリア階級の政治に奉仕し,労、農、兵に.奉仕し,生産と労 働を結合させるようにせねばならないということである。この道理はもともと 極めてはっきりしているものである。(註4) (註) 紅旗 ′7d.2.4貢 (註5)紅旗 ′7る.2.4貢 (註2)紅旗 ′7る.2..49真 (註4)紅旗 ′7占.2.4∼5貢

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中国の科学技術(槻訳・紹介) る7 ところが,科学技術界の右寄りの捲き返し論者は,科学技術ほ特殊であると いうことを口実に.して,公然と、科学技術の戦線に.はプロレタリアー・ト独裁を

持ち込むぺきではない、と吹聴している。しかし、科学技術の戦線に.ほプロ独

裁を持ち込むべきでほない、と吹聴することは,本質的に.はプロレタリアート とプルジョアジーの階級斗争を否定し,階級斗争を綱とすることを否定し,階 激斗争消滅論でもって党の基本路線に.対抗し,プロレタリア文化大革命の収め た成果をど破算把して,科学技術戦線におけるブルジョア独裁を認めようとい うめである。(註) 科学技術の陣地ほ,長期にわたって搾取階級把.よって独占され,プル汐ヨア 階級の偏見と伝統的慣習が深く根をはっている所である。プロレタリアート の世界観でもって,ブルジョア的世■界観に打ち克ち,知識人を団結し、教育 し、改造することは,プロ独裁の重要な任務の一つである。しかし,知識人に. 対して思想改造を行うことと,知識人を、独裁の対象、に.するこ.ととは全く別 の事柄である。毛主席の≪中国共産党全国宣伝工作者会議における演説≫は, 中国の知識人の状況に.ついて科学的に分析し,政策を規定したもので,今日で も依然,我々の指針である。(註2) 我々は科学技術を資本主義の道具から,社会主義の道具に変えるため,誠心 誠意,労働者階級に依拠して門を開いて科学研究をすすめるという社会主義の 輝やかしい道を歩まねばならない。こうしての魂,少数の老が科学技術を独占 する事態を徹底的に打ち破り,プロレタリアートの政治のため紅科学研究の仕 事をよりよく奉仕させ,労、農、兵のために奉仕させ,生産労働と結びついて 多く、速く、立派に、無駄なく社会主義の科学技術の事業を発展させることが できる鱒である。(註5) ニ マルクス主義による指導 マルクス主義ほまず自然科学を包括している。マルクスとエンゲルスほ,マ ルクス主義を創造する過程で階級斗争の経過を総括しただけでなく,自然科 (註) 紅旗 ′7る.2. 4貢 (註5)紅旗 ′7‘.2.49巽 (註2)紅旗 ′7る2.5巽

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学の豊かな成果に対しても概括を行った。マルクス主義ほ自然科学を包括した 全人類の知識の結晶である。 マルクスは≪数学手稿≫を残した。エンゲルスは.≪自然弁証法≫で,当時の 自然科学の許多の部門に対して理論的に概括を行った。レーニンほエンゲルス 以後に・おける自然科学の新発見を概括して,≪唯物論と経験批判論≫を著わし て,ブルジョア階級の反動哲学を批判した。毛主席は自然科学に.対する哲学的 概括を一督して重視して,≪矛盾論≫、≪実践論≫は自然科学の成果を極めて 深刻に概括したものである。また≪人民内部の矛盾を正しく処理する問題につ いて≫に」おいて,自然科学の発展の弁証法的法則について高度に概括してい る○山九六四年,毛主席は坂田論文に関する談話の中で,物質の無限の可分性 紅関する問題に・対して,唯物弁証法の立場から精細な論述を行っている。 このように・マルクス主義ほ自然科学を概括しているからこそ,その唯物弁証 法の一・般的法則が自然科学の各分野において普遍的に機能するのである。(註) もちろん,物質の運動形式の多様性と矛盾の特殊性に.よって,各部門の個別 科学は独自の専門的な研究対象をもっている。マルクス主義が自然科学に取っ て替れないと言うのほ,マルクス主義の指導的役割を弱めることを意味しな

い。むしろ人々にマルクス主義の立場、観点、方法を用いることを会得し,自

分が従事する仕事紅対して,具体的に.弁証法的に.分析と研究をするように要求 しているのである。とこ.ろが,右寄りの招き返し論者ほ,マルクス主義は.自然 科学を包括している点は全く触れずに,自然科学そのものにマルクス主義が取 って替れないという点だけを一・面的に・強調して,マルクス主義の自然科学に対 する指導に反対するのである。(註2) 自然科学者が研究において,どういう世界観を用いて指導するか,これは科 学研究が成果を得るか密かに極めて大きな関係がある。自然科学者の無意識 的、素朴な唯物論は,唯心論の侵入に耐えられない。19世紀末から20世紀初め にかけて,物理学者たちが自然科学の新発見を前に.して,唯心論に陥ったこ.と は,その深刻な教訓である。社会主義中国の科学者は真剣にマルクス主義を学 んで,マルクスに代表される唯物論の意識的な擁護者になると共紅,弁証法的 (註) 紅旗 ′7占.2.‘貢 (註2) 紅旗 ′7る.2.占京

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中国の科学技術(翻訳・紹介) る9 唯物論者に.ならねばならない。 現在のところ,科学技術の戦線においてほ,マルクス主義が自然科学に.取っ て替わるというようなことは全くない。むしろマルクス主義の支配的地位がし っかりと確立されてはいないのである。文化大革命以前の科学技術界は劉少奇 −一山昧の破壊によって,マルクス、レーニンの著作と毛主席の著作を真剣に学習 していなかった。そして唯心論、形而上学が相当ひどかった。文化大革命の中 で広範な科学技術者はマルクス主義を学習する自覚を高めたが,これははんの 始まりでしかない。真にマルクス主義を用いて科学研究を指導し,科学技術の 陣地を占領するに.は,なお長期のねばり強い努力と斗争を経なければならな い。こういう状況のもとで,右寄りの捲き返しの奇談怪論ほ,広範な科学技術 者がマルクス主義を学習する大衆遊動を蹄殺しようとたくらんでいるのであ る。(註) 人間ほ自然科学の研究に従事する場合も,他の研究活動を行う場合と同様 紅,−・定の世界観と方法論から離れることはできない。しかもその倣界勧と方 法論は,また一・定の階級的利益のため紅奉仕しているのである。ブルジョア階 級の御用学者は,智学が科学を妨害するとわめいて−,科学ほ哲学から離脱する ようにと吹聴する。しかし,それは唯物論と弁証法から離脱して,唯心論と形 而上学を受け入れるにすぎないのである。(註2)

またブルジョア階級の自然科学者があげた成果を論拠に,、純粋科学、とか

§研究欝−・、とかを吹聴して,マルクス主義の哲学の指導忙反対する者がい る。しかし,自然科学の歴史によれば,ブルジョア階級の自然科学者が成果を 挙げた理由は,彼らが科学研究に.おいて唯物論と弁証法的な思考法を運用した 結果なのである。例えば,ニューートンほ無意識的紅.唯物論を堅持して物資の客 観性を認めていたので彼は古典力学の三大法則と万有引力の法則を発見し,格 械的運動の法則を発見したのである。青年カントも彼が−・定の唯物論と弁証法 的思考法をもっていたので,惑星自体の矛盾した遊動から出発して,科学的に

重要な価値をもつ天休進化の§星雲説、を提起したのである。数多くの事実

が,唯物弁償法こ.そ自然科学の前進を指導する唯一・の正しい世界観であり,自 (註ノ 紅旗 ′7d2.占賞 (註2) 紅旗 ′7占.4.54貫

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然科学の発展は,不断に.マルクス主義の哲学を実証し豊か紅していることを表 明しているのである。(註) もし自然科学が一度,唯物弁証法を離れると,必ず間違った路に向うこと紅 なる。エンゲルスは,19旺紀の自然科学の状況を分析して,自然科学の発展自 休がすでに.形而上学的な自然観を打ら破っており,弁証法的な結果に.到達して いると指摘した。しかし当時の自然科学着たちほ歴史的、階級的条件紅制約さ れて,無意識的紅しか唯物論と弁証法を運用できなかったために,彼らの科学 研究にたいへん大きな限界をもたらし,のろのろと曲りくねった苦しい路を進 むはかなかった。多くの人の思想は混乱して,正誤についての判断力を失っ て,真理が目の前にあっても依然みえずに暗中模索することさえあった。それ ばかりか,正しい哲学思想の指導がないために,宗教と唯心論の侵入に抗し切 れずに,その捕虜に.なり,横路に.それてしまった人が多いのである。(註2) ニュ1−トンほ力学忙対し貢献したが,機械論と形而上学的世界観に支配され て,絶対静止の状態があることを信じて,≒神の最初の−・押し、を認めるまで になって,唯心論と信仰主義の泥沼にほ.まり込んでしまった。 アイン1/ユタインは物理学において高速運動の法則を反映する相対論を提起 したが,世界観ほ反動的なマソノ、主義紅影響されて−,最後に.は科学研究におい て、宇宙ほ有限である、という間違った結論を得た。 20世紀の初め,物理学に.おいて発見されたⅩ光線、相克勒爾光線、ラジクム と電子の発見,などこれらは本来は科学の巨大な進歩であった。しかし多くの 物理学者は弁証法的思考法をかいていたので,その革命的な意義がわからなか ったばかりでなく,かえって、物理学の危機、だと言って≒原子が非物質化し た、とかミ物質が消滅したミ とかいって,唯心論を直接たすけ,なか紅は反科 学の路に入るものさえあったのである。 今日,ソ連においては自然科学者の多くほ,唯物弁証法を放棄してしまい, 科学者の中には,科学技術を利用しても心霊学ミ とも天才複製ミを研究するま で紅堕落しており,ミ唯エネルギ・一論ミなどの唯心論の謬論を吹聴して,マル クス主義に.背いた路を進み,科学の発展をいちじるしく阻害しているのであ (註) 紅旗 ′7d.4.55貢 (註2)紅旗 ′7‘.4.55貫

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中国の科学技術(翻訳・紹介) 71 る。(註) 三 門を開いて研究する 専門職の科学技術者が,労働者、農民と結びついて,門を開いて科学研究を 行うこ.とは,プロ文革の中で現われた社会主義の新しい事物である。それほプ ロレタリア文化大革命の重要な成果であり,科学技術戦線に.おける深刻な社会 主義革命である。 プロ文革以前は,劉少杏修正主義の科学研究路線の下で,数多くの科学研究 単位は,門を閉ざしても高めるモゆきカをとって,理論研究に・終始していたが エ場や農村とは全く往き来することはなかった。そ・の結果はどうであったか○ ミ科学研究を科学的に研究すれぼするはど,高遇になってわけがわからなくな るミという教訓とミ多額の資金を湯水のように使いながら,成果は得られず, 研究者の方は修正主義者に変ってしまうモという結果に終っていた。(註2.) 人間の生産活動は,最も基本的な実践活動である。自然科学の誕生と発展も 究局のところほ生産実践に源泉をもっている。それ故,ミ社会的に・一旦,技術 的な需要がうまれれば,・それが10の大学よりも,もつと科学を発展させること ができるミ(エンゲルス)のである。 今日,中国人民ほ中国を社会主義の近代的な強国に・建設するため紅暫斗して いる。そのためにも科学技術の発展が要求されている。全中国的にミエ業は大 慶に学びミ ミ農兼は大寡に学ぶヽという運動がまき起されている。これは科学 技術の発展に.とって言えば,なんと巨大な社会的需要であることか。(註5) とこ.ろが,科学技術の分野の修正主義者は,門を開いて科学研究をやると, ミ実際と関わりすぎて理論が圧迫されるヽ,も労働者、農民と結びつくことを 強調すれば理論をやれなくなるト,う門を開いて科学研究を行うこ.とを−・律把 握起するのほよくないモ,≒こういう改革は少ない方がよいモ等々と言って批 難している。 しかし生産の実際と結びつくことを,科学理論の発展と対立させて考えるこ (註) 紅旗 ′7る.4.55巽 (註2)紅旗 ′7占.2.8貢 (註5)紅旗 ′7占.2. 7頁

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とは逆立ちした考え方である。科学の誕生と発展は初めから生産紅よっで決定 されており,しかも生産の実践に直接たずさわっているのは広範な労働大衆な のである。労働人民の実践は幾千万という大衆の実践である。彼らほ長期の実 践の中で,成功と失敗の経験を無数につんでいる。これこそは.科学理論を発展 させる源泉なのである。(註) 文化大革命を経過して,広範な科学技術者は修正主義の路線を批判し,三大 革命運動の実践に大きく足を踏み出した。エ兼、農米生産の発展と建設は解決 を要する多くの理論的課題を自然科学に.対して提起している。中国の工業、農 業生産の実践を忘れて,門を閉じて−,あれこれ考えたところで新しいテーマ、 ヂ・−タ、経験、資料、等が手に.入るわけはない。脳みそをしぼっても,椎誌か らテーマを探して釆て−,外人の尻を追いかけることしかできないではないか。 科学者は大衆の新鮮な経験を虚心紅学んで総括し,大衆の知恵を集約してこ そ,専門家としての長所を十分紅発揮して,科学技術の仕事に.おいて更に.大き な貢献をすることができるのである。(註2) ここで中国科学院所属の大連化学物理研究所の例をご紹介する。 大連化学物理研究所でほ,ここ数年来,さまざまな形式でもって生産の実践

と,労、農、兵と結びつくことを堅持している。例えばある場合は国家の統一

的計画と配置に.したがって,エ業、農業、国防上の需要に.もとづいて,研究テ −マを選び,労、農、兵と共に研究計画、技術草案を決定して,研究活動を展 開している。ある場合は,実験室で一・定の成果が得られた後,使用単位へ行っ て,労、農大衆と共把.生産を拡大している。ある場合はも小グループモを生産 現場に.派遣して,大衆と共に難問を攻略している。ある場合にほヽサービス 部ヽを設けて,関係単位における生産の差し迫まった問題の解決を援助してい る。ある場合ほ.研究所内外の労働者を招いて共同研究を行っている。このよう に.して,1975年には,全国三百余の単位と連絡をとって,延べ500余名が出 張し,延べ200余名を招いている。研究項目はエ菓、農業、国防、外国援助、 航空、海洋などを包含している。 大連化学物理研究所では科学研究の成果が年毎紅増えるという喜ばしい情況 (註) 紅旗 ′7占.2,8責 (註2)紅旗 ′7d.2.8貢

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中国の科学技術(翻訳・紹介) 75 がうまれているが,その原因は,労働者、幹部、科学技術者の三結合,そして 科学研究、生産、使用の三結合を実行したからである。1975年に.は研究所全体 で10項目の重要な研究成果をあげている。1974年には20項目,その中の5項目 は世界の先進水準を越えている。1975年にほ28項目の成果をあげているが,そ の中の12項目ほ,世界の先進水準を越えている。例えば,北京の石油化学工場 の労働者と共紅.,半年の間に.,酸化窒素の汚染を除去するエ業用装置をつくり あげた。また,関連のエ場および単位と協力して,ニ年足らずで,コークス工 場のフェノ−ル・シアン汚水(焦化廠紛儲)の浄化,染料工場のニトロ基(硝 基)汚水の浄化,映画フィルムエ場の現像汚水の浄化という三つのテーマにつ いて次々と研究し克服して,独特の解決法を見つけ出し,工業生産に役立て:て: いる。また大連化学物理研究所ほ中国の資源の特徴から出発しで,関係単位と 共にミ中国製≒の新しい触媒(催化剤)を多種類研究開発して,中国独自の触 媒休系を打ち建てるために.道を拓いた。文化大革命以後,新型の精密機械を合 計72種144件研究開発したが,その中の新型クロマトグラフイ・−(色譜分析儀)、 表面積.比計測器など1占穫はすで紅大愚生産に㌧入っている。(註) 以上のような門を開いて科学研究をすすめるゆき方は,エ、農業の生産部門 からの積極的な支持と労、農大衆の熱烈な歓迎と激励を得ているが,科学技術 界のある人たちからは攻撃され批難されているのである。それは理論的研究が やれないという批難である。だが,大連化学物理研究所第二研究室ニ○三組を 例にとっていえば,ここではオレフィン重合高能率触媒(怖煙舜合高教催化 剤)の研究をしているが,三つのエ場に行き,生産と緊密に結びつくこ.とに.よ って,一・年間で成功した。収率ほ国外の同じ種類の最もよい触媒よりも20倍も 高い。研究者たちは生産の実際問題を解決すると共に.,大患の重∴要な資料、デ ータをくわしく分析し整理した。そして重合体の分子愚紅対する水系の影響砿 ついて公式を導き出し,ニ種類の触媒体系の活性の衰退に/ついて法則を見い出 し,触媒の活性の常磁性(順磁性)の関係を研究して,触媒の理論を一・歩発展 させた。また文化大革命以後,大連化学物理研究所は,論文と学術報告を487 篇番いでおり,全国的な科学技術刊行物紅100篇近く発表している。この他, (註) 紅旗 ′7る.2.5D貫

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≪ガス・クロマトグラフイ−≫(≪気相色譜法≫)など数種の科学技術の書物 を出版している。門を開いて科学研究をやると,理論的研究がやれないといっ たそのような論調に対しては,以上のような事実が力強く反駁しているのであ る。(註) 科学技術界のある人たちは,門な開いて科学研究をやるこ・とは.,ミ程度が低

く、モ理論的に単純なモ科学研究単位での事であって,高度で、糖蜜な、尖端

的な,原子力とか天文学、数学等の研究単位では絶対通用しないものだと考え ている。しかし,高等数学、高エネルギー物理学はむろんのこと,微視、巨 視いずれの世界も例外ではない。大患の事実が証明しているように科学の発展 ほ今日ノ 高度で精密な、尖端的な研究であればあるはど,総合性が強くなり, 現代の工業技術と切り離せなくなり,しばしば研究単位ほ多くのエ場と緊密に 結びつく必要がある。例えば,人工衛星の打ち上げや原子爆弾の実験は,まさ に科学技術者が労働者と結びついた産物なのである。 大連化学物理研究所では新エネル軒一源の研究をしているが,もともとは専 門家二名と研究生一名によって四、五年間研究していたものである。しかし論 文は−・篇しか番いておらず,数学の公式でぴっしり埋まってほいるが,実際的 な問題ほ何も解決されなかった。その後,労働者を組織し,その参加を得て, キー・ポイントを攻撃して集中的に研究した結果,エネルギー恩が大きく,体 硬が小さく、精度が高く、手軽で堅牢な(霊敏可罪)新・エネル軒一源の装置を すみやかに.研究製作できた。しかも,触媒、気流の分布、伝熟伝質などの方面 に.おいて重要な法則をいくつか 探し出すことができたのである。してみると, 高度で精密な尖端的な研究項目であっても,やほり門を開いて科学研究をや り,労働者、農民と結びつき,実践と結びついて,ほ.じめて多く、早く、立派 紅、無駄なく発展できるこ.とがわかるのである。(註2) 四 労・農大衆を動員する 科学技術を発展させるために広範な大衆を動員することは,中国の科学技術 の極めて重要な特徴である。 (註) 紅旗 ′7占.2.52貢 (註2) 紅旗 ′7d.2.55貢

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中国の科学技術(翻訳・紹介) 75 自主独立、自力更生,これが中国の社会主義革命と建設の根本方針である○ それ故,科学技術を発展させるのに飽からの援けに・たよって,帝国主義と社会 帝国主義の圧力に屈服するこ.とは断じてできない。そしてまたカタツムリのよ うに人の尻に.ついてのろのろ進むこともできない。時間を洗い,速度を争って 世界の先進水準に.追いつき追いこさねばならない。この目的を達成するには少 数の者に.のみ裁っていたのではだめで,大衆運動を大いにやり,広範な大衆の 知恵と力に親らねばならないのである。(註) 社会主義の条件のもとで,労働人民は自己の運命を掌経して,幾千年来,束

縛されて来た才智を発揮している。大慶の採油新技術の創造,大薬のミ海綿

畑モの建設ほ,土壌科学の発展を促した。モ大衆による研究、の成功,新しい ■電光源の発明,小さな工場の設立にはじまって−,その生産の自動化の実現,す べて国産品による万トン級の造船,エ其の迅速な発展,連続14年の豊作,など 中国の労働者階級と貧農、下層中農ほ無数の輝やかしい業績を創り出してい る。(註2) つぎに.,大衆が科学研究を行うことは,三大差異(都市と農村,エ業と農 業,肉体労働と椅神労働)を縮少し,プル汐ヨア的権利を制限する上で重要な 意義がある。科学技術界には,広範な人民大衆を全く無視し,労、農、兵の役 割を極力抹殺しようとする全く貴族の旦那のような態度をとる者がいる。彼ら ほ.,科学技術の分野は一・般の労働者の入れない神聖な殿堂であると考え,労、 農、兵はヽ教費が低すぎる≒ので,科学研究に参加する資格に欠けるとして, 閉め出そうと企らんでいる。従って,科学技術の戦線において大いに・大衆運動 をやることを通じて,広囁な一般の労働者をして科学技術を掌握させ,搾取階 級紅よる科学技術の独占を打破することができるのである。古来,あらゆる科 学技術の成果は,すべて広範な労働人民の知恵の結晶であった。凡そ成果をあ げた自然科学者ほ.,いずれも労働人民の知恵と経験の海洋から科学技術革新の ための豊かな養分を吸収しているし,その中の多くの者は労働人民の出身であ る。(註5) (註) 紅旗 ′7占.2.9貢 し註2)紅旗 ′7占.2.9真 (註5)紅旗 ′7占.2.9貢

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大衆に.よる科学研究の隊伍ほ,科学研究の大軍であり,中国の科学技術の発 展を推進する主力軍である。科学研究の戦線における大衆運動が深まる紅つれ て,そ・の隊伍はますます発展し壮大なものとなるであろう。歴史のこの趨勢ほ. 誰が冷水をぶっかけ,足をひっばろうとも変えられるものでほない。(註) 大衆運動を大々的にすることの中にほ,もちろん広範な専門の科学技術着払 額ること,専門家と大衆が結びつくことを大いに提唱し実行することを含んで

いる。中国の核実験、熟核実験の成功、人工衛星の打ち上げ,などいずれも広

範な労働者、幹部および科学技術者が共紅香斗した成果であり,大衆運動を大 い紅推進した成果にイ也ならないのである。専門職の隊伍と大衆の隊伍とが結び ついてこそ,はじめて科学技術は発展の速度を大々的に早めることができるの である。(註2) 大衆の科学研究活動の生き生きした実例として吉林省における隕石雨の調査 研究活動についてご紹介したい。 197占年5月8日午後5時頃,中国の吉林省苦杯地区に大規模な隕石雨が降っ たが,こ.れほ.世界の科学史上の重大事件である。(註5) 吉林省の隕石雨は石質隕石雨で,その規模と隕石の数盈、重量のいずれも有 史以来,世界の隕石史上に.おいて極めて稀なものである。苦杯市郊外と永吉・ 蚊河両県の数百平方キロの細長い区域に隕石ほ落下した。その範囲ほ19占9年メ キシコのアニソデ地区に落下した世界最大の石質隕石雨よりもずっと広い。現 在,すでに百箇余りの隕石を収集しているが,総重恩は2,る口0余キロ,その中 の最大の一・号隕石の重さほ1,770キロで,アメリカが収蔵している世界最大の 石質隕石(1,079キロ)よりも,占90余キロ重い。(註4) 隕石雨の落下は,自然現象であり客観的なものであるが,その調査活動紅は 人間の主観能動作用が反映している。一カ月余りの間に隕石の標本を大畠に収 集し,隕石雨の分布範囲と特徴,隕石の数憩および重恩を明らかにし,隕石の 飛行、爆発、落下に関して研究価値の高い重要な資料を集めることができた。 隕石の標本についても記述、分析そして−鑑定を大ざっばに行うと共に科学の普 (註) 紅旗 ′7占.2.10貢 (註2) 紅旗 ′7‘.2.10貢 (註5)紅旗 ′7‘ハる.71頁 (註4) 紅旗 ′7占.る.71貢

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中国の科学技術(翻訳・紹介) 77 及活動を数多く行ったのである。(註) 隕石雨の落下は短時間のうちに突然発生するものである。時を移さず,正確 に隕石雨落下の諸現象を額測し記録するととほ極めて重要な意義をもつ。今回 の吉林省隕石雨落下の重要な資料はすべて広範な労、農、兵大衆が集めたもの である。流星が現われた後,空中の様子が異常になり爆発音が天地を震動させ たけれどもプロ文革紅鍛えられた広範な大衆ほ,大自然に対する神秘思想を打 ち破って,驚いたりあわてたりせず,すぐ紅観測と記録を注意深く行った。部 隊のパイロットは自己の経験軋もとづいて火の球の飛行状況について研究し た。農村の人属公社社員の多くほ.,隕石の破片と粉末が降る現象を観察し,地 上に落下した時の隕石の温度を計った。地元の地産測候所は流星の爆発と・−・号 隕石の落下時刻を正確に記録した。隕石が落下した広範な区域の幾千万という

公社員、幹部と学生は,いたる所で隕石の標本を探し集めた。いくつかのエ場

では隕石の成分を分析し,隕石の比重と磁性などを測定した。一・号隕石の保護 と発掘の過程では,男女の民兵が日夜交替で隕石孔を監視した。幹部と大衆そ して科学技術者が緊密な連絡をとって共に否斗して,すみやかに隕石を発掘し た。知識青年は大衆に天文学と隕石の知識を自発的に普及して観念論と天命論 の批判をした。これらの生き生きとした情況ほ大衆の科学研究の巨大なエネル ギーをはっきりと表現しており,門を開いて科学研究を行うことの重要性を更 に深く認識する ことができたのである。(註2) 文化大革命以前の隕石学の研究活動は,劉少奇修正主義路線の支配下紅あつ て,専門家だけの研究で,労、農、兵を科学研究から閉め出し,活気がなく, ばらばらだった。大衆の税極性は抑圧され,科学技術者の思想は腐蝕されて積 癌性を発揮できなかった。当時,収集された隕石ほ少なく,たとえ収集しても あまりよく研究されなかった。こ.のため,長期にわたり研究資料もなく,教科 書さえ.外国人のものを使うありさまだった。文化大革命を通じて,科学研究紅

おける修正主義路線を徹底的に批判した。広範な労、農、兵と科学技術者の積

極性と創造力を喚起して,隕石の調査研究活動ほ喜ぶべき成果をあげたので ある。広西省の南丹、副、トl省の安竜、江蘇省の乗合、吉林省の双陽,など新し (註) 紅旗 ′7る.占.72頁 (註2)紅旗.′7‘一.占.72貢

(15)

く隕石孔が相い継いで発見された。そして隕石のあるもの紅ついては,深く研 究をすすめた。またかなり難しいいくつかの項目について研究し,空白をうず め,国際的な先進水準に到達した項目もある。広西省南丹地区に落下した鉄隕 石雨は,1958年に.大衆の通報で発見したものだったが,当時ほ研究されなかっ たばかりか調査すら行われなかったので,世界的に重要なこの鉄隕石南の事件 はずっと埋もれたまま−だった。文化大革命以後,科学研究者が出かけてゆき, 大衆に.頼って徹底的に.現場を調査し,はじめてそれをはっきりさせ,研究を行 ったのである。正に文化大革命が隕石の調査と研究活動に新しい相貌を与えた のである。(註) これまである人たちは隕石学のような理論問題ほ専門の研究単位にしかやれ ないことだと考えていた。文化大革命前ほ,大衆と実際から遊離して雷物だけ に漑っていたので,隕石落下に.ついて‥いくつかの問題を長い間はつきりでき ずに,ただ他人の受け売りをし,理論を発展できないのみならず往々属寝げた ことをやっていた。例えば火の球の爆発音と隕石の破片の破裂音ほどういう区 別があるのか,番物の著者すら言葉をあいまいにしていた。今回,現場へ行っ て大衆から調査したらすぐにあきらかになった。そのうえ新しい発見をして, 文献に.記されたことのない爆発音の現象を理解できた。これは隕石体の大気圏 内における飛行理論を分析する上で重要な価値をもっている。更にまた石質隕 石が地上紅落下した時の温度ほどうかについても隕石研究のため解答を必要と する理論問題であった。しかし長い間,内外の隕石研究者の意見はわかれて諸 説紛紛としていた。熱いという人もおれぼ,温かいという人もおり,冷えてい るという人もいた。も権威、ある外国の本にほ.≒地上紅落下した隕石は,かす かに温かく灼熱の状態ではない≒ と記されている。いったいどれが正しいのか 自分紅も経験がなく調査したこともないのではっきりできなかった。今回,隕 石落下直後,地元の大衆のある人ほ、すぐに行って触れてみたし,ある人は数 百米も離れた所から駆けつけて触れてみた。ある人は凍土の塊りを隕石の上に おいて試してみた。これらの情況について,手分けして調査し,大衆と共紅分 析し,比較してやっと石質隕石の落下時の温度は灼熟した状態にあるという客 (註) 紅旗 ′7る.占.74貢

(16)

中国の科学技術(翻訳・紹介) 79 観的実際に.より近い認識を得たのである。今回の隕石雨の調査において,正に 労、農大衆が科学の理論問題を解決することを援助したのである。無数の事実 が教えているように.,幾千万大衆の実践が理論発展の源泉であり,大衆の科学 研究があってこそ,科学理論の発展も促進できる。基礎的理論研究に従事して いる人も大衆と実践から遊離するなら,科学者の頭脳は科学をやれないし,理 論は源のない水のようなものに.なってしまうからである。(註) 吉林省隕石雨の調査研究活動は,ブルジョア階級の専門家と権威にしか科学

研究はできず,労、農、兵に科学研琴をする資格がないなどという反動思想を

情け容赦なく粉砕した。労、農、兵こそ誰よりも実践の経験をもっており,科

学の主人公であり,階級斗争,生産斗争と同様に潮学研究をやる主力軍である ことを生き生きと表明した鱒である。(註2) 地震研究における大衆の役割りの偉大さが地雷の予知と予報の正確さとなっ て示されていることほ周知の通りである。中国の地震研究に対する大衆の参加 を,人海戦術として−一・種軽革の態度で見るむきもあるようであるが,根底に ほ,人民大衆こ∴そ真の英雄であり,歴史を創造する主人公であるという考え方 で慕うちされていることを見落してはならないと思う。 地震工作における群測群防(大衆と専門家が協力しで地産の予知、予報に当 ること)は,中国人民がプロ文革の中で創造した社会主義の新しい事物であ る。事実が証明している通り,防お、抗窟の斗いと地震研究に対して極めて重 要な役割を果している。(註5) 197占年5月29日,雲南省龍陵県紅マグニチエ・−ド7.5と7・るの強い地震が連 続して発生した。この地欝は来方が急激で,波及面が広く,破壊力が大きかっ た紅もかかわらず,人と家畜の被害は極めて少なかった。それは全県各民族人 民が毛主席の革命路線の指導のもとに,真剣紅中国の地震対策の方針を実行し て,群測群防の巨大な威力を発揮し,沈着に対処したからである。 龍陵県は歴史的にも強烈な地震が幾度も発生しており,地雷の法則を掌握 し,予知・予報を行って震災に勝つことは,全県各民族人民の長年の共通の要 (註) 紅旗 ′7占ふ 75貢 (註2)紅旗 ′7る.る..72頁 (註5)紅旗 ′7占巾9.19頁

(17)

求であり願望であった。(註) 1970年,県に地震事務局が成立し,群測群防の仕事を具体化して,見委員会 の議事日程に粗衣入れ,番記次長−・名が貴任をもって経常的に研究することに なった。その他,幾度となく専門的通知を出して各級党組織の地震対策につい て指導を強化するよう要請した。 県の地震事務局の同志たちは,地題関係の仕事を経験している者は−、人もい なかった。ある者ほ生産隊の幹部であり,ある者は帰郷した知識青年であり, ある者は役所の職員であった。しかし彼らは毛主席の革命路線の指導の下に, 迷信を排し,思想を解放して,大胆に実践し,刻苦研鎖した。一・方でほ,専門 の観測所の協力の下紅,自分で中国在来の機材を製作して,§地電、、≒水地 電ヽ、ゝ土地傾斜、、、地磁気、などについて観測をおこなった。こ.こ数年の 間に・,5,700余のデータを記録する−・方,彼らほ大衆観測員を多数養成し,大 衆観測点(測報点)を7カ所設立し,微視的、巨視的に観測をおこなった。彼ら は常紅専門の観測所と連絡をとり情報交換をし,大衆からの資料を専門部門の 資料と比較対席し,分析を加え,その中から初歩的にこの地区の測報の法則を

探し出して,地謡発生の時刻、位置、震度を計算する経験を総括した。この数

年の間紅,彼らは前後5占回の内部の分析と予知予報をおこ.なったが,その内, 25回ほ基本的紅当たっていた。(註2) 今度の大地震の発生する−・カ月余り前に.,彼らは観測した地電、水地電の異 常な変化と1975年1月全国地震趨勢協議会(会商会)の≒近一・、二年の内に,潰 西地区に.マグニチュード7以上の地震が発生するだろう、という予報を結びっ 仇 近い時期にかなり大きな地震が発生するであろうと初歩的な分析をしてい た。彼らは地雷情報を注意深く監視して,前後5匝】にわたり討論を行った。 5月28日午前,大地震の前日に彼らほ.地電、水地電、地磁気、土地傾斜、水の ラドン含有盈を観測したところ,いずれも異常な反応がみられた。群測点と大 衆に.よってやほり巨視的、微視的な異常現象がいくつか発見された。そこで彼 らは果敢に,ここ数日の間に,マグニチュード占以上の地震が発生すると判断 を下し,すぐに関係部門に報告したのである。今度の地震の予報と実際の発生 (註) 紅旗 ′7占.71.51真 (註2)紅旗 ′7占.7.55貰

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中国の科学技術(翻訳・紹介) 81 情況ほ,かなり近かった。この事ほ.地震の法則性が,広範な労、虚、兵大衆に よって認識され掌握されうるものであることを物語っている。く註) 群測群防の威力は,地震の発生する前に.特に発揮された。幹部と大衆ほ.,地 定の前兆現象をつかみ,適時措置を講じて,指導的、組織的に慮災と斗った。 そういう事例は今度の地震においてたいへん多かった。朝陽人民公社ほ震央地 区に.あたったが,29日の昼間,魚がひっくりかえって白い腹を出して−おり,牛 が厩舎に、入ろうとしないという異常な現象が見られ,幹部と大衆はすぐ警戒し た。前霹が二度発生した時,彼らはも小震があると,大鐙が来る、という法則 を思い起して−,人民公社覚委員会と生産大隊党支部は,すぐ民兵を動員し,各 生産隊に大衆を組織して疎開するよう通知した。この公社ほ家屋の破壌が甚大 であったが,負傷者、死者は極めて少なかった。 鎮安人民公社の小田唄大隊の幹部ほ,異常な前兆を発見して後,すぐに有線 放送で大衆紅通知し,迅速に疎開させた。大地震が発生して−からほ,彼らは身 の危険を顧みることなく,すぐに民兵を組織し,部署について警戒体勢につい て階級の故の破壊を防いだ。この生産大隊の家屋ほ重大な破壊をこうむった が,一人の負傷者も死者も出なかった。そ・の他,多くの人民公社と生産大隊 が,すべて−前兆現象にもとづいて緊急措置を採っている。ある場合はピストル を鳴らし,ある場合は放送し,ある場合は電詣をかけて,適時,大衆に疎開す るよう通知した。ある場合ほ,すぐに.応急措置班(拾険小組)を組織して,迅 速に防震応急措置の斗争に入った。県の病院と人民公社の衛生院は,入院患者 をすべて安全な場所に.移した。こういった措置が,いずれも大々的に人民 の生命、財産の損害を減少させたのである。幹部と大衆のこれらの意識的な行 動は,≒大衆こそ真の英雄である、という偉大な英理を生き生きと証明してい るのである。(註2) 事実が生き生きと説明しているように,群測群防ほ震災を予防するための根 本的な捨置である。大衆によるのか否か,群測群防をやるのか否か,これほ.地 震の科学が更に早く発展できるか否かの鍵であり,ニつの路線斗争紅かかわっ てゆく極めて重要な問題である。地震は地球内部の物質が断え間なく運動し (註) 紅旗 ′7占.7.54貰 (註2) 紅旗 ′7る。7.、54頁

(19)

て,地球物理学、化学、地質学,等多様な物質運動の形式の反映であり,天体 と大気圏内の物質運動の影響をうけて.し、る。また地震は突然発生するものでほ なく,震央とその附近には,巨視的、教祖的な前兆が数多く現われる。しかし 専門の観測所の禍をあらゆる場所に設けることはできないし,現有の観測網の 範囲内で地震が発生サーるとは限らない。地震の前兆現象は広範でしかも多様で あるから専門の観測所の観測手段に.も限界がある。それ故に.,適時,正確に.異 常な前兆を捕えて予報することは,少数の専門家の観測だけに頼っていてほ難 しい。この矛盾ほ,広範な大衆にたより,専門家と大衆の結合を実践し,中国 在来の機材と外来の機材を結合することに.よってのみ解決できるのである。 (註) 群測群防をやるには,大衆にまず宣伝し,大衆な組織して,地雷工作の方針 と群測群防の意義を理解させ,地震とほどういうものであり,どのように斗う かを知らせねばならない。そのために龍陵県では,ここ数年の問に,地震に関 する各種の宣伝資料を5,500余り印刷している。地震についての教育映画と幻 灯を80余回上映している。地震の知識を普及する活動家を250余名童成した。 と同時に,各種の会議とか有線放送、黒板新聞などを活用して広く宣伝を行な った。このようにして,広範な大衆と幹部は風や雨と同じく地震ほ極く普通の 白然現象の一つであり,地震の発生する前には,前兆が多く現われ,予知予防 できるものであることを認識した。かくして,地震を観測し予防しようとする 広範な大衆の積極性は高まって,も千日地震がなくとも−・日たりといえ予防し ないわけにはいかない≒ というスロ」−ガンを提起し,経常的に地震の情況を注 意深く監視し,異常な現象を何か見つけると,自発的に分析、研究して−,地震 事務局に報告する。これが群測群防であり,震災に.打ち勝つための堅固な基礎 をすえたのである。 地震学ほ複経でまだほっきりできない問題が数多くある。しかし地震,殊に 強い地震ほ,曳から質への変化の過程を経るものであり,法則性がある。従っ て,地震の法則を探求して,大地の旅樽を正しく揃えるに.ほ広堰な大衆の実践 と切り離すこ.とほできない。大衆の実践こそは正しい認識を得て客観的な法則 (註) 紅旗 ′7‘.7.52貫

(20)

中国の科学技術(翻訳・紹介) 85 を掌挺するための根本的な方途なのである。(註) 五 自力更生と洋奴哲学 中国の社会主義革命と建設において,独立自主、自力更生の路線を堅持する か,それとも洋奴哲学、爬行主義を推進するかは,マルクス主義と修正主義の 原則的な相異である。 立脚点を自力更生に.おくことほ,革命と建設をすすめる根本原則であり,あ らゆる困難に打ち克って,勝利を収める確実な床証である。社会主義の優越性 を発揮し,人民大衆の英知と創造力を発揮し,自分自身のカに頼ってこそ,農 業、工業、国防、科学技術のモ四つの近代化、を成し遂げ,社会主義の強国紅 建設することが完全にできるのである。(註2) それはすでに二十数年紅わたり,特に文化大革命以後の無数の事実が証明し ている。中国の石油工業は,ここ十五年間,年平均伸び率ほ20′ヾ・−セント以上 であるが,頼りに.したのは自力更生であって,そ・の速さについてほ,敵でさえ 否定す・るすべがない。プロ文革以後,造船業の発展もやはり早くなっている。 文革前ほ.,劉少寄が≒船を造るより買った方がよく,船を買うより貸りた方が よい、と吹聴して,.エンジン(机)を導入し,船を買い込んで,外国の特許技 術にばかり目を向け,国産の貨物船、船船用のデイ・−ゼル・エンジンは,長い 間そのため把.発展できなかった。だが,文革の申で広範な労働者と幹部ほ, 洋奴哲学、爬行主義という修正主義路線を批判し,面目を−・新した。1970年, 上海の労働者ほ造船業を解放する斗争を始め,1975年までの占年間に,船舶 のトン数,ディーゼル・エソ汐ンの馬力ほ,いずれも文革前の17年間の合計を 超えている。文革前ほ,万トン級の船を−・放しか建造できなかったが,こ.こ占 年の間に,・−・ガトン級以上の船舶を44旗建造している。(註5)また,人工衛 星の回収、石油探査採掘の新技術、大型ディ・−ゼル機関蕃、大型二重内部水冷 式蒸気タ−ピン発電気、百万回コンビューー・タ−、電子顕微鏡、ディジタル多角 組み合わせ式工作機械(各種類型数経机床),等の新しい製品の製作に成功し (註) 紅旗 ′7‘.7.55真 (註2)紅旗 ′7占.4.22賞 (註5)紅旗 ′7占.4.24貢

(21)

ている。これらほいずれも中国が倣界の先進水準に追いつき追い抜くことにお いて勝利のうちに前進しつつあるこ.とを表明するものである。(註) 逆に党内の日和見主義路線の頭目ほ,洋奴哲学、這って歩く主義を吹聴し て,独立自主、自力更生と全く対立した修正主義路線を推進している。彼らに ほプロレタリア階級と人民大衆の力が見えず,人民大衆が歴史を創造するとい うマルクス主義の真理を根本的に否定している。彼らは西側ブルジョア階級の 膝元に屈服し,他人の後から這って歩くこ.とに甘じ,国を売って外国紅すがっ て生きてゆくことさえ主張する。劉少奇、林彪が推進したのほ,すなわちこ.の 路線である。去年の夏,党内の修正主義者たちほ,モすべてを近代化のため に≒ という看板のもとに,またも洋奴哲学を大いに販売した。生産の科学技術 の発展を外国に期待し,≒多くの品物でもって外国の最新、最高の設備と交換 しよう≒ とわめいて,もこれこそ\最も聴りになる、モ重要政策、であるといっ た。そ・のために,外国崇拝の風潮が−・時期ひどくなり,国内の労働大衆の創造 性は,あれこれ批評、嘲笑され,自力更生を堅持する革命的精神ほ,非難、攻 撃されたのである。(註2) 党内の資本主義の道を歩む実権派ほ,至る所であらゆる手段を使って,輸出 をやってニ,よい品物を多く導入しようとわめいている。そのようにすれば,資 源の開発、エ実技術の革新、科学研究の促進を早めることができ,これはどよ いことほ.ないではないかと言う。しかし,世■の中紅そんなうまい話が本当に ありうるだろうか。百余年前,清朝の洋務派の李油章,曽国薄ほ,外国から ≒器を製する器≒ を買って,いわゆる、自強もをほ.かろうと考えていた。結果 は,これによって中国ほ強く盛んにならなかったばかりか,植民地、半植民地 の深い淵に陥ら込んでしまった。国民党反動派は旧中国を二十余年の間支配し て,ニ十余年問 ≒建設≒ を叫んだ。彼らのいわゆる モ建設、は目を外国の資本 家に向けて,自国の資源と主権をもって外国の設備と交換するというものでは なかったか。二十余年かかって,どういうモ成果≒があがったか。中国の主権 と経済の命脈は,すべて帝国主義の手ににぎられ,旧中国の経済ほ.衰退しおち ぶれてしまった悲惨な情況は,人々の記憶に.なお新しいではないか。(註5) (註) 紅旗 ′7占..4.22頁 (註2)紅旗 ′7占.4.21貢 (註5)紅旗 ′7占ハ4.24五

(22)

中国の科学技術(翻訳・紹介) 85 技術、設備を導入する理由について,彼らほ.≒外国製品ほ分析解明すると品 物の多くは他の国のものであるミと言っている。外国製品について調べでみる と,多くの品物は確かにすべて他の国からのものである。このように経済的に. 相互に.依存する情況ほ,資本主義制度と国際資本主義経済体制が決定している ものである。正に.これ故に経済的危機が一・国に出現すると,疫病のようにまた たく間に.,資本主義世界全体に.波及するのである。他者紅顔って経済を発展さ せる国家ほ,たとえ一・時的に経済発展がほやくても,本物の繁栄ではなく,基 礎は極めて脆弱である。−・度,嵐が吹けばあちこちに.被害が出て自己の運命を 掌握するすべをまったく失うのである。(註) 中国ほ独立自主、自力更生を離れて社会主義の現代化をなしとげられないば かりか,中国の社会主義国家を変質させ,資本主義を復宿し,外国に頼ること になってしま:う。ソ連修正主義がよい例である。ソ連は資本主義を全面的紅復 活して後,官僚独占資本は西側独占資本から特許権を買い,借款をし,ひどい 場合には未開発の資源を抵当に.することさえも辞さない。強大なエ業基盤をも つ超大国であると自称しているが,外債は増える一・方で,19占4年から1975年上 半期までに,西側諸国から1占5倍ドルもの借款をしている。−・方で人を掠奪し ながら,他方では人に頼るというのが,ソ連修敢主義裏切者集団のエセ共産主 義の一一つの特色なのである。(註2) 自力更生を提唱することは,中国が外国のよい経験を惑い経験をも含めて, 学習し研究するこ.とを拒否するものでほないし,確実軋役に立つ外国の技術、 設備を導入することに反対するのではない。外国の経験および技術、設備に.対 して,具体的に分析し,浮を拾でて:椅撃を吸収して,中国のために/役立てねば ならない。何でもかんでも,よいものもわるいものも,成功も失敗も,必要な ものも,必要でないものも,まるごと持ち込むぺきではない。思想を解放し, 教条主義、奴隷思想を打ち倒し,モ外国の月は中国の月より円いモといったよ うな洋奴哲学を批判しなければならない。これらは人民大衆の革新、創造の精 神を窒息させ,人民大衆の手足を束縛する精神的なかせである。外国の教条、 偶像を排除せねば,生き生きとした活瀞な革命的な精神ほ喚起されないのであ (註) 紅旗 ′7占.4.25貢 (註2) 紅旗 ′7占ぃ4.25頁

(23)

る。(註) 資本主義国の技術、設備をすべて先進的なものであると見るのほ形而上学の 観点である。先進的なものもあれば遅れたものもあり,たとえ先進的なもので も遅れた要素があり,絶対的にすばらしいなどというこ.とはできない。まして や資本主義制度の腐敗性が,技術停滞の趨勢をうんでいる部門もあるのであ る。(註2) 中国は中国の現実から出発して,人民大衆の創造力に.頼り,中国の資源と潜 在的カを十分に.活用し,それを揺り起してのみ,短時間の中に,独立した体系 的なエ業と国民経済の体制を打ち建てて,中国を鍛え.上げて\確固不動の地位常. 立たせることができるのである。(註5) 六 党が科学技術を指導する 指導権がどの階級に.撞られているかは,どういう路線を推進するかに・極めて 大きな関係がある。科学技術に対する党の指導で最も根本となるものほ毛主席 のプロレタリア革命路線による指導である。しかし右寄りの捲き返し論者は, 毛主席の革命路線に反対し,科学技術の戦線に.おけるプロ独裁に反対し,科学 技術に対するマルクス主義の指導に反対し,科学技術の仕事に・おいて大衆路線 を実行することに反対している。そ・していたる所でも門を閉じて研究所を運営 する≒ とか≒兼務第一・≒ とか,ミ這って一歩く主義、とかいった代物を熱心に吹 聴しているのである。特に.科学技術という専門性の強いこの領域に.おいては, ブルジョア階級ほ,しばしば科学技術の知識を資本にして,プロレタリア階級 とくり返し競争し,指導権を奪い取ろうとする。(註4) 科学技術の分野から党の指導を取り除こ.うとする動きがある。露骨な表現と してほ,例えば,も科学技術界が公認する、≒第一・級、の≒権威≒によって指 導の大塵は.遮られるぺきであるとか,党委員会古記は,もし業務がわからなけ れば,≒私には分らないから,所長の君が主催しなさい,君に任せる/、と言う べきであるとか,そのように言う著すらいる。しかし,党の指導を否定する放 (註) 紅旗 ′7る4.25貢 (註2)紅旗 ′7る.4.2d頁 (註5)紅旗 ′7占小4.25貢 (註4)紅旗 ′7占.2.11貫

(24)

中国の科学技術(翻訳・紹介) 87 北主義の≒君に任せる、式の議論は,文化大革命前には聞き飽きるはど聞いた もの‘ご,科学技術戦線紅おける広範な労働者、幹部そして専門職の研究者なら 誰でも知っている。当時,科学技術界で劉少奇がやっていたことほ,ブルジョ ア階級の言いなりに.なる修正主義の路線でほなかったか。とこ.ろが右寄りの捲 き返し論者はもう一度,党の指導を取り消してプルジョア階級に科学研究の陣 地における大権を独占させようとしているのである。(註) これほ典型的な ≒専門家による統沿、論である。その要点は科学技術の仕事 から党の指導を排除しようとすることに.ある。これも以前,右派分子が使った カビくさい旧い代物,つまり も菜務がわからなければ,指導ほできない,素人 紅は玄人を指導できない、という主張の来し返しである。≒素人には玄人を指 導できない、という主張が科学技術界で繰り返し来し返され,右寄りの論者が 宝物か何かのように考えて販路を拡大していることは注意する値打ちがある。 そ・のことは搾取階級は決して他襲の領地から簡単軋は退場するものではないと いうことを物語っている。それはまた毛主席の革命路線に対抗する修正主義の 路線が存在していることを表明しているのである。 しかし ≒素人が玄人を指導する≒ のは,唯物弁証法から見れば普遍的な法則 である。もしも本業しか指導できないとしたら,業務紅対する政治の指導ほ否 定されるばかりか,事実上,業務の各部門に.対する統一・的な指導の可能性さえ 香定されることに.なる。もちろん,そのことは科学技術の路線で党の仕事をす る同志たちが,科学技術の知識を学ばなぐて−もよいということでほない。党は とれまで幹部が業務を学び,そして思想的に紅く,業務に.精通するよう真剣に 努力するよう提唱して来た。それは毛主席の革命路線を更に.立派に実行し,党 の指導を不断に.強化するためである。(註2) 修正主義の路線の主要な内容と特徴は,プロレタリア文化大革命を否定し, プロ文革の中で出現した革命的な新生の事物を否定し,榎活と後退、反撃と報 復を企てようとするものである。その理論的な基礎は,階級斗争消滅論と唯生 産力論であり,その方法ほ胡中主義である。中国人民ほ階級斗争を綱とし,党 の基本路線を堅持し,プロ独裁を強固にして,中国を偉大な社会主義の近代的 (註) 紅旗 ′7占.2.11貫 (註2) 紅旗 ′7占.2.10頁

(25)

な強国に建設するため,社会主義革命を最後まで行ない,共産主義という偉大 な理想を実現するために,まじめに街斗しなければならないのである。(註)

訳者あ と がき

中国の科学技術は多くの目ざましい成果をあげている。たとえば人工衛星の 地上回収をはじめ,インシュリンの合成とその頼晶体の構造の測定などは,中 国の科学技術の最新の水準を示すものであろう。 中国の科学技術の研究にほ顕著な特徴がいくつかある。中国ほ社会主義の国 家である。従って科学技術ほプロレタリア階級の政治に.奉仕せねはならないと いう大原則がある。マルクス・レ−ニン主義、毛沢東思想の学習ほ科学技術者 の必須条件である。中国でほ科学技術の社会性という点が何よりも強調されて おり,科学技術が政治から離れてそ・れだけで独立王国を築くこ.とほ許されない。 プロ文革の中でうまれた新しい事物としての,専門の科学技術者と労、農、 兵大衆とが結びついて,科学研究を推進するこ.とが重要な方針となっている。 それは科学技術者は労、虚、兵大衆と共に難問解決のために研究に従事してこ そ中国の科学技術の急速な発展を促進することができ,その独立自主、自力更 生の道を堅持できると考えられているからであり,その実例は中国全土に無数 に.うまれており,隕石の観察研究や地震の予知予報はその典型的な事例である と言えよう。 中国ほ科学技術の研究に.大衆と一・体となって輝かしい成果を挙げているが, それは何よりも科学技術者自身に.おける思想的変革を伴なうものであり,知識 人の自己変革の努力なしに.ほ実践されえないものである。ここに.ご紹介したわ ずか数篇の論文からも知られるよう紅,中国でほ科学技術の領域紅おける二つ の路線の厳しい思想斗争が不断に展開されている。中国がうみ出しているすば らしい成果というものも,実はそのような内部における厳しい階級斗争を経る ことによってほじめて成立したものであると言ってよいのかもしれない。 (註) 紅旗 ′7d.2い 71賞

(26)

中国の科学技術(翻訳・紹介) 89

〔附記〕香川大学一腰教育研究第1D号(197占・10)所載の拙稿「中国の大

学改革」に若干誤訳のあるこ.とに気付き,訂正しておわび致します。

この他に意味の不明な箇所があり,後から判明した意味を表記しておきま す。

参照

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金沢大学学際科学実験センター アイソトープ総合研究施設 千葉大学大学院医学研究院

東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻. hirai@mist.i.u-tokyo.ac.jp

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上

2020年 2月 3日 国立大学法人長岡技術科学大学と、 防災・減災に関する共同研究プロジェクトの 設立に向けた包括連携協定を締結. 2020年

向井 康夫 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 牧野 渡 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 占部 城太郎 :

高村 ゆかり 名古屋大学大学院環境学研究科 教授 寺島 紘士 笹川平和財団 海洋政策研究所長 西本 健太郎 東北大学大学院法学研究科 准教授 三浦 大介 神奈川大学 法学部長.