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五色台の生物 1.ハッチョウトンボ,その他-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川生物 5:85∼88(1972) 85

五 色 台 の 生 物 1.ハッチョウトンボ,その他

(香川県自然科学館)

立 石 楕

Notes on some plants and animalsin Goshiki−dai,Kagawa Prefecture XiyoshiTATELS王‡I ・左‘/ぷ(川・(7J一ハイl・・、/〃川/・\−t、J一針t・1J〃∫川札・ヽ−‘血/.・イい∫か.− ていることから,五色台でのハッチョクトンボの発 生は,6月から9月に.およんでいることは確であると 考えられる 2‖ ハッチョウトンボ生息地の植物 ハッチヨクトンボのいる湿地に・は,モクセソゴケ, ミミカキグサ,ホザキノミミカキグサ,ムヲサキミミ カキグサなどの食虫植物,ナガバミズギポジ,カキラ ン,ミズトンボ,サギソク,ヒメイヌノ/\ナヒゲなど の湿地植物がたくさん生えている このうち,ナ・ガバミズギポジ 助5fαJo〝g∠・S由椚α Hondaは香川県では末記録のものである また,ホザキノミミカキグサ ぴわ一・よc〝Jαγ査αγαCβ∽− 05αWallは,香川県植物分類目録(香川県博物学 会,1937)にほ記録されているが,香川県の食虫植物 (井上,和気,香川植物研究資料,1958)には記載さ れていず,本県では珍らしいものである その他,サギソク,ミズトンボなどいずれも,本県 でほ数少ない貴重なものばかりである 3.窓ガラスに衝突する野鳥 五色台上の建物の窓ガラスに衝突して死ぬ(交通事 故?)野鳥がかなりある。ここ1年間に筆者にとどけ られたものをあげると,多い順に,ホオジロ(7羽) ジョウピタキ(4羽),トラツグミ(3羽),レロハヲ (3羽),スズメ(2羽),ウグイス(2羽),ホト トギス(1羽),キジバト(1羽),ツグミ(1羽), イカル(1羽),レメ(1羽),サンバ(1羽),ヤマ レギ(1羽)である.(ヒヨドリほ,建物の近くに多 く来るが,衝突したものはまだ,発見されていない) 1970年6月より約1年半,五色台教育のかたわら, 五色台の生物を見てきた.その中で興味あるニ,三の ものについて記する ト ハッチョウトンボ このトンボほトンボ科中最小(腹長13抑,後超長14 郡内外)のかわいらしい赤トンボであり,アジア南部 に広く分布するものである.しかし,生息地ほ局限さ れ,四国では,愛媛県から知られるだけで,香川,徳 島,高知の3県からは,その生息地ほ知られていなか った。ところが,筆者は,1971年6月,五色台の−・本 船の近ぐで,偶然,谷1頑を発見した.以後,生息地 と考えられる湿地の調査を始め,最初の1頭から10日 目の7月3日(土)の昼過ぎ,マツ林に囲ほれた鯵出 水のある小さな湿地で,多数のこのtソポを発見する ことができた この日は,真夏の太陽の照りつける,風のない,う だるような暑さであった.この日の調査では,5肌× 107几の中に巷74頑,?26頑であった..谷の申に.は未成 熟で,まだ窺赤に発色していず,腹部が黄色いものが 13頑いた その後の調査で,他た3箇所の生息地を発見でき, 調査を続けている 8月28日には,香川大学教授,中候道夫博士紅,生 息地の調査をしていただいた。この日は風の強い日で あったせいか,省25頭(黄色で未成熟のもの1頭),♀ 4頭しか発見出来なかった 10月2日の調査では.,羽も相当いた魂,弱った谷4 頑を発見しただけであったが,9月15日の調査では, 羽化後間もないと思われる体の黄色い谷2頭を発見し

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立 石 86 図1 ハッチョクトンボと生息地の植物 A:サギソク B:ホザキノミ ミカキグサ C:ナガバミズギボレ D:ハッチョクトンボ?(展聞でも湿地の植物ほ露を多くもっている)。 野鳥が衝突するガラス窓ほ人体決っているようであ る.県自然科学館の建物でも,衝突するガラス窓ほ2 ヶ所が圧倒的に多い. 衝突する原【対ほ,総ガラスであるため,ガラスの向 う側の景色が,窓ガラス越しに見えているため,ガラ スに気付かず,通り抜けようとして激突するらしい. 死因軋 激突による脳振とうによると考えられるが (クチバレが付け根から折れているものもある),そ れだけでほなく,内臓破れつによる出血多昼二にもよる と考えられる.多くの場合,腹脛が出血した血で,い っぱいであり,肝蔵が破れつし,脇間炊がやぶれてい ることが多い. 図2ほ1971年5月31巨1の夕方,少年自然の家の建物 の窓ガラスに激突したホトトギスを,丁度そこに居合 せた同罪の小川和夫先生が拾ったものを,筆者が剥製 紅したものである.県鳥であるホトトギスの,本県で 唯一の標本である.下ほ,そのホトトギスの胃壁と, その中のケムンである.

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五 色 台 の 生 物 87 飛び出し,「足下から鳥がたつ」思いを味うことがよ くある.図3は,五色台のイチジク畑で,巣まであと −一歩という足下から抱卵中の親鳥が飛び立った直後の 巣を撮ったものである. 4.天然ニシキマツ 五色台周辺ほ,全国でも有数の植木の産地である・ 中でもクロマツはその代表的なものであり,その一変 種であるニレキマツほ樹皮が大きく深く裂けるもの で,は木で増殖されている.この原種と考えられる天 然のエレキマツが,五色台でほ,今でも時折発見され るという.図4は,東紅峰国有林にある胸高直径24 仰,高さ8肌(檻亜紀00万ll])の天然のエレキマツで ある. 図2 】二;五色台の建物に衝突した県鳥ホト トギス 下;ホトトギスの胃の内壁(ケムレの 毛の剃った)とケムシ′ 五色台の野鳥で特に目立つのはキジであろう・県遺 五色台鴨川停車場髄脳北は海岸まで鳥獣保設区である ため,山道や果樹駄の中を歩いていて,不意にキジが 図4 五色舎紅峰の国有沐にある天然ニレキ マツ 5.根香寺のカエデ 限香寺ほモミジの名所であり,大きいものほ,胸高 での幹開が2m以卜もある大木もある. 図3 ふ化直汝のキジのヒナ,1971牒・11・撮影 卵ほ10箇,どの卵からもピイーヨ, ピイーヨと声がしていた,

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88 立 石 清 1971年9月1用,この寺のイロノ、モミジの果実を調 べた・その結果ほ,調査木7本のうち,三翼のものが 見い出せなかったものほ1未だけであり,他の6本の ものには三業の果実があり,三翼の果実を多くつけて いる木でほ,三翼のものと,二粟のものがはぼ同数あ り(2本),三翼のものが少ない木でも,果実全体の 約0・5%は三梁のものであった. この三梁の果実について,今年だけの特異なもの√ か,毎年できるものか,注意して行きたい. カエデ科のものの二果実は,普通2翼であるが,この 寺のものにほ,図のように三翼をもった果実があった. 図5 イロハモミジの=瀾を持つ果実

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区= ハッチョクトンボと生息地の植物 A:サギソク B:ホザキノミミカキグサ C:ナガバミズギボレ D:ハッチヨクトンボ♀(昼間でも湿地の植物は霹を多くもっている)。 と考えられる.多くの場合,腹腔が出血した血で,い っぱいであり,肝蔵が破れつし,脇間炊がやぶれてい ることが多い 図2は1971年5月31E]の夕方,少年自然の家の建物 の窓ガラスに激突したホトトギスを,丁度そこに居合 せた同繁の小川和夫先生が拾ったものを,筆者が剥製 紅したものである県鳥であるホトトギスの,本県で 唯一・の標本である.下は,そのホトトギスの胃壁と, その中のケムレである 野鳥が衝突するガラス窓は大体決っているようであ る県自然科学館の建物でも,衝突するガラス窓は2 ヶ所が圧倒的に多い 衝突する原因は,総ガラスであるため,ガラスの向 う側の景色が,窓ガラス越しに見えているため,ガラ ス紅気付かず,通り抜けようとして激突するらしい 死因は,激突による脳振とう紅よると考えられるが (クチバレが付け根から折れているものもある),そ れだけではなく,内臓破れつ紅よる出血多鼻にもよる

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五 色 台 の 生 物 87 飛び出し,「足下から鳥がたつ」思いを昧うことがよ くある,図3は,五色台のイチ・ジク畑で,巣まであと 一一・歩という足下から抱卵中の親鳥が飛び立った直後の 巣を撮ったものである 4..天然ニシキマツ 五色台周辺は,全国でも有数の植木の産地である 中でもクロマツはその代表的なものであり,その一度 種であるエレキマツは樹皮が大きく深く裂けるもの で,接木で増殖されているこの原種と考えられる天 然のニシキマツが,五色台では,今でも時折発見され るという.図4は,東紅峰国有林にある胸高適径24

00,高さ8m(時価100万円)の天然のエレキマツで

ある 図2 上;五色台の建物に衝突した県鳥ホト トギス  ̄F;ホトtギスの胃の内壁(グムレの 毛の剃った)とケムシ 五色台の野鳥で特に目立つのほキジであろう・県道 五色台鴨川停車場線以北ほ海岸まで鳥獣保護1諷である ため,L【」道や果樹儲の中を歩いていて,不意にキ汐が 図4 五色台紅岬の国有沐にある天然ニレキ マツ 5.根香寺のカエデ 根香寺はモミジの名所であり,大きいものは,胸高 での幹囲が2m以上もある大木もある 図3 ふ化盾鼓のキジのヒナ,1971611小撮影 卵は10簡,どの卵からもピイ一ヨ, ピイ−ヨと声がしていた

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清 1971年9月11日,この寺のイロハモミ汐の果実を諾 べた.その結果は,調査木7本のうち,三翼のものが 見い出せなかったものは1本だけであり,他の6本の ものには三票の果実があり,三業の果実を多くつけて いる木では,三翼のものと,ニ深のものがはば同数あ り(2本),三翼のものが少ない木でも,果実全体の 約0.5%は三焚のものであった. この三業の果実について,今年だけの特異なもの か,毎年できるものか,注意して行きたい. 立 石 88 カエデ科のものの果実は,普通2潔であるが,この 寺のものには,図のように三翼をもった果実があった・ 図5 イロハモミジの三繋を持つ果実

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