Software
Engineering
Center
今こそ求められる
ソフトウェア品質説明力
2013年5月23日
独立行政法人 情報処理推進機構
技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター
所長 松本 隆明
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri
背景 その1
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri日本製自動車の「意図しない急加速(UA)」の調査
出典:http://www.nhtsa.gov/PR/DOT-16-11
z2009~2010年日本製自動車の「意図
しない急加速(UA)」に関するクレームが
急増
z米国議会や米運輸省道路交通安全局
(NHTSA)から報告を求められるもメーカ
側は説明に苦慮
zNHTSAはNASAに不具合の有無の調査
を要請
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・RiNASAによる調査内容
目的
z
自動車の電子スロットル制御システム(ETCS-i)にUAを発生させる可能性のある
設計・実装上の不具合の有無の検証
z
その不具合が実証された場合、利用者が使用中に実際に発生する可能性の有
無の判断
ソフトウェアに関する検証方法
z
静的ソースコードツールを使った実装分析
使用ツール: Coverity、CodeSonar、Uno3
z
論理モデルのチェック
使用ツール: SPIN、Swarm
z
アルゴリズム設計の分析
使用ツール: MATLAB、Simulink、Stateflow、SystemTest
z
リアルタイム分析
使用ツール: AbsIntのaiT
結論
z
利用者のクレームにあるようなUAを発生させる可能性のある不具合の証拠は、
ETCS-iには検出されなかった
ソフトウェアが
疑われた
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Riグローバル展開では客観的な評価が重要
これまでの日本企業は、利用者の要望に個々に答えるこ
とで高品質というブランド力を築いてきた
実際、日本製のソフトウェアの品質は海外に比べて1桁以
上高いとの調査報告もある
しかしながら、グローバル市場においては当事者企業の主
張だけでは不十分で、NASAが行ったような
第三者による
客観的な評価の裏付けがないと通用しない
z
会計処理における会計士による会計監査の必要性と同等
一旦ブランドが傷つくと、その損害は極めて大きい
z
今回のケースでは直接的な不具合は検出されなかったためUAに対す
る損害賠償請求にはメーカ側が勝訴したが、ブランドイメージの低下に
より車両の価値が下がったとして顧客から訴えられ、11億ドル(当時
のレートで約940億円)支払うことで和解
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri
日米のソフトウェア品質比較
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri背景 その2
ソフトウェア開発のパラダイム
チェンジ
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri作る時代から利用する時代へ
プロジェクトで使用した外部ミドルウェア
出展:経産省「2010年版組込みソフトウェア産業実態調査(プロジェクト責任者向け調査)」
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri使用した外部ミドルウェアのうち製造者不明のもの
出展:経産省「2010年版組込みソフトウェア産業実態調査(プロジェクト責任者向け調査)」
2割近くが
製造者不明の
ソフトを利用
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri開発形態の変化による品質の不安定化
クラウド
外部
モジュール
提供者不明
のサービス
製造者不明
のモジュール
開発したソフトウェアの
品質が分からない?!
開発ソフ
トウェア
サプライチェーンでの
品質確保が必要
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri
背景 その3
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・RiIT融合システムの出現
ITの浸透により複数の製品・サービスが産業領域の枠を超えて有機的に連携した
システムが出現
⇒ IT融合システム
経済産業省が新産業創出の重点分野と位置付け(これまでの強みであった要素
技術による産業構造からの脱却)
将来の社会インフラ基盤
IT融合重点6分野
・ スマートコミュニティ
・ スマートヘルスケア
・ ロボット
・ 自動車/交通システム
・ スマートアグリ
・ コンテンツクリエーション
出展:経済産業省資料より
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri
スマートコミュニティ
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・RiIT融合システムでの品質面における課題
「つながる」に求められる高度な品質の確保
z
単一企業での構築は難しく、異業種の事業者間での連携が不可欠
z
業種が異なると品質や信頼性に関する規範・基準も異なってくる
z
個々の製品・サービスが高品質でも
システム全体の品質は
必ずしも保証されない
z
新しい技術領域であり、業界をまたがった仕様整備・標準化が必要
市場の拡大には利用者の理解と安心感が不可欠
z
便利な製品やサービスは使いたいが、新しい技術には不安がある
z
多くの事業者が関わるシステムでだれが責任を持っているのか不明
z
利用形態の多様化とシステムの複雑化によるギャップの拡大
z
利用者に対する品質説明
がこれまで以上に求められる
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・RiIT融合システムにおけるソフトウェアの重要性
IT融合システムの特徴:
z
構成機器及びサブシステムが自律的に動作
z
全体として連携・協調動作するシステム
z
複雑な機能の実現にソフトウェアの役割が増大
出展:経済産業省資料より
例) スマートハウスにおける主な制御機能
各接続機器からのデータ収集、蓄積、分析
系統電力一定制御、ピークカット
機器への動作指示(バッテリ充放電、家電
省エネ運転、EV/PHV制御等)
停電時対応、障害対応
発電量、消費量、各機器の運転状態等の
居住者へのモニタ表示
セキュリティ
SEC
Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri