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Academic year: 2021

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(1)

強震動予測とアスペリティ・モデル

入倉孝次郎

強震動研究者 研究集会18K-06「使える地震予測を目指して-最近10年間の地震予知研究における 成果と展望-」、 2006年6月8ー9日、 京都大学宇治キャンパス、木質ホール

(2)

入倉孝次郎(いりくら

こうじろう)

所属:むかし京都大学防災研究所ではたらいていました。 愛知工業大学 出身地:中国 青島市(ビールで有名なところ) 専門:強震動地震学。 緊急地震速報の高度化の研究。 地震災害の軽減のための研究。 趣味:自転車乗り。 時間ができたら故きを温ね新しきを知る旅に出たいと 思っています。

(3)

強震動

とは、地震時に構造物・施設・機械

設備などに被害をもたらす

破壊力のある揺れ

その

レベル

は、例えば、加速度にして

100gal

以上

、速度にして

10 cm/sec以上

。ただし、減

衰の極めて小さい構造物では、小さな揺れで

も共振現象により大きな揺れに成長し被害に

至る場合もある。

強震動として問題となる

周期帯域

は、構造

物・施設等の固有周期から

約20秒から0.05秒

の範囲。

(4)

I.強震動の観測記録からわかったこと。

1.震源スペクトル特性

変位震源スペクトルは、長周期(低周波数)域で平坦、 すなわち、

ω

0 短周期(高周波数)域で

ω

ー2 に比例して減衰。 一方、 加速度震源スペクトルは、長周期域(低周波数)域で

ω

に比例して増大。 短周期(高周波数)域で平坦、 すなわち

ω

0 (高周波限界、fmaxまで) 0 ω

(5)

1.震源スペクトル特性ーその2ー 変位震源スペクトル 加速度震源スペクトル 高周波数域で 平坦 ω0 高周波数域で ω-2で減衰

(6)

2.断層破壊過程

ー強震動記録を用いた震源の波形インバージョンー 断層すべりは不均質 → 応力降下量が不均質 断層すべりが大きい領域を一定基準で抽出、すなわち 応力降下量が大きい領域を抽出 → アスペリティ ここでのアスペリティの定義は応力降下量の大きい領域に対応。 地震前に固着しているところが地震時に応力降下が大きい、 すなわち、アスペリティは固着域、地震前にカップリング の強いところ 0 ω

(7)
(8)

3.断層破壊の総面積およびアスペリティの総面積は

地震モーメントに関して一定のスケーリング則

で関係づけられる。

震源断層は断層パラメータに関する2つスケーリング則 (1)巨視的断層パラメータに関するスケーリング則 震源の断層面積と地震モーメントの関係 結果として、平均すべり量、平均応力降下量が推定 される。 (2)微視的断層パラメータに関するスケーリング則 アスペリティ総面積と地震モーメントの関係 結果として、アスペリティでの応力降下量、アスペ リティでの平均すべり量が推定される。 0 ω

(9)

Relation between

Relation between

Rupture Area and M

Rupture Area and M

00

Æ Outer Fault Parameters

1 10 100 1000 10000

1.00E+24 1.00E+25 1.00E+26 1.00E+27 1.00E+28

Seismic Moment(dyne-cm) R u pt ur e A rea ( k m ^ 2) Kagoshima(3/26) Yamaguchi Iwate (Miyakoshi et al., 2000) Kobe (Sekiguchi et al, 2000) Kocaeli (Sekiguchi and Iwata, 2000) Chichi (Iwata and Sekiguchi, 2000) Tottori (Sekiguchi and Iwata, 2000) Somervill et al. (1999)

Somerville et al. (1999) and Miyakoshi et al. (2001)

Relation between

Relation between

Combined Area of

Combined Area of

Asperities and M

Asperities and M

00

Æ Inner Fault Parameters

1 10 100 1000 10000

1.00E+24 1.00E+25 1.00E+26 1.00E+27 1.00E+28

Seimic Moment(dyne-cm) Com b in ed Ar ea of A s p e ritie s (k m ^ 2 ) Kagoshima(3/26) Yamaguchi Iwate (Miyakoshi et al., 2000) Kobe (Sekiguchi et al, 2000) Kocaeli (Sekiguchi and Iwata, 2000) Chichi (Iwata and Sekiguchi, 2000) Tottori (Sekiguchi and Iwata, 2000) Somervill et al. (1999)

(10)

3.強震動のシミュレーションと観測記録との比較

し震源断層面内のアスペリティから強い揺れ、強震動、 が生成されている。 結果として、震源近傍域でアスペリティのサイズに 対応するディレクティビティ・パルス(キラー・パル ス)が生成される。 例.1995年兵庫県南部地震、 2005年福岡県西方沖地震、など。 0 ω

(11)

Rupture Directivity Pulse:

Rupture Directivity Pulse:

Landers and Kobe

Landers and Kobe

Somerville et al. (1997) Irikura et al. (1998)

Rupture propagation

(12)

経験的関数法およびハイブリッド法による

経験的関数法およびハイブリッド法による

強震動のシミュレーション

強震動のシミュレーション

(Kamae and Irikura, 1998; Kamae et al., 1998)

(13)

情報は気象庁のHP 2005年福岡県西方沖地震

(14)

経験的グリーン関数法を用いたフォワードモデリング

用いたKiK-net観測点(FKOH03、SAGH01)と本震、 余震の震央位置。K-NET観測点(FKO006:福岡)は 震源モデルの有効性検証のために用いた。 アスペリティ(青)を配置した震源モデル 破壊はアスペリティ内の★から円状に伝播 (2005年福岡県西方沖地震) Kamae et al., 2005

(15)

合成結果 FKOH03(地中)

観測 Max = 47.1 50 -50 ( c m / s 2 ) 加速 度 0 合成 Max = 50.7 50 -50 ( cm /s 2 ) 加速 度 0 観測 Max = 6.8 7 -7 ( c m / s ) 速度 0 合成 Max = 5.6 7 -7 ( cm /s ) 速度 0 観測 Max = 2.2 3 -3 ( c m ) 変位 0 合成 Max = 2.5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 3 -3 ( c m ) 変位 0

Time (sec) Period (sec)

V e lo c ity (c m / s) 0.1 1 10 0.1 1 10 100 10 0 (cm/s 2) 1000 1 (cm) 10.0 100 観測 合成 時刻歴波形 応答スペクトル(h=5%) (2005年福岡県西方沖地震) Kamae et al., 2005

(16)

II.強震動生成の理論的背景

強震動で取り扱う周期範囲は、地震研究の中では短周期 (20秒以下)にあたる。 従って、短周期地震波がどのように生成されるかについ て理論的検討が必要。 断層運動に伴う短周期地震波の生成について

Madariaga(1977; 1983)、Boarwright and Quin(1986)、 Das and Kostrov (1986)、Boartwright (1988)、

Irikura and Kamae (1994)、中村・宮武 (2000) などの研究で以下のことがわかっている。

0

(17)

Asperity

Asperity

Crack

Crack

Boatwright (1988)

Stress change

(18)

1.破壊速度の不連続による短周期の地震波の生成

断層破壊の進行中に、破壊速度が急激に変化する、 すなわち、ΔvR= H(x-x0)、ここで H(x)はステップ関数。 そのとき、そこから生成される変位地震波は短周期域で ω-2の周期特性をもつ。 加速度地震波は短周期域で ω0 の周期特性をもつ。 → クラック・モデル、バリアで破壊が止まるケース。 0 ω

(19)

2.応力降下の不連続による短周期の地震波の生成

断層破壊の進行中に、破壊速度は変化せずに応力降下の み急激に変化する、 すなわち、Δσ= H(x-x0)、ここで H(x)はステップ関数。 そのとき、そこから生成される変位地震波は短周期域で ω-2.5の周期特性をもつ。 加速度地震波は短周期域でω-0.5 の周期特性をもつ。 アスペリティ・モデルでは、断層破壊はすでに破壊され た領域から未破壊のアスペリティ内部に進行する。 そのとき、破壊の先端部に応力集中、Δσ= (x-x0)-1/2 が生じ、その応力が解放されるとすると、そこから生成さ れる加速度地震波は短周期域でω0 の周期特性をもつ。 アスペリティ・モデルもクラック・モデルと同様の短周期 が生成される (Madariaga, 1983).

(20)

アスペリティ・モデルとクラック・モデル

Case 1 単一アスペリティを想定 単一アスペリティのΔσ(=9.5ΜPa) =単一クラックのΔσ(=9.6ΜPa) Da R r D(x) Da(x) r<<R A01asperity = 4πβvRΔσaa 短周期レベル 長周期レベル M 0 1 total = 16 7 Δσaa 2 R 応力降下量 Δσa = (7/16) Mot/(Rr2) アス ペ リ テ ィ 短周期レベル 長周期レベル 応力降下量 クラ ッ ク A01crack = 4πβvRΔσca 3 1 0 7 16 a M crack = Δσc 2 / 3 2 / 3 16 7 a a c S Mo π σ = Δ

(21)

アスペリティ・モデルとクラック・モデル

Case 2 複数のアスペリティを想定 短周期レベル 長周期レベル 応力降下量 多重ア ス ペ リテ ィ モ デ ル 多重ク ラ ッ ク モ デ ル a v a v A R ai N i i i a R asperity N πβ σ = πβ Δσ ⎭ ⎬ ⎫ ⎩ ⎨ ⎧ Δ = ∑ = 4 ) 4 ( 2 1 2 1 0 R a R a M ai N i i i i a N 2 1 2 0 7 16 ) 7 16 ( Δσ = Δσ =

= a v a v A R ci N i i i c R crack N πβ σ = πβ Δσ ⎭ ⎬ ⎫ ⎩ ⎨ ⎧ Δ = ∑ = 4 ) 4 ( 2 1 2 1 0 ) N < < (1 7 16 1 ) 7 16 ( 3 1 3 0 σ a α σ a α M ci N i i i c crack N =∑ Δ = Δ = R a M ai a 2 1 0 16 7 = Δ = Δσ σ crack crack N crack crack N c i c M M A A 1 0 0 1 0 0 α σ σ = = Δ Δ 短周期レベル 長周期レベル 応力降下量

(22)

振幅スペクトルレベル

振幅スペクトルレベル

アスペリティモデルとクラックモデル

アスペリティモデルとクラックモデル

アスペリティモデル クラックモデル 変位振幅スペクトル 加速度振幅スペクトル Miyake et al. (2003)

(23)

応力降下が一様なクラックから は加速度地震波はクラック端部 でのストッピング・パルスしか 生成されない。 これは観測とは一致しない。 応力降下が一様なアスペリティ からも同じような加速度地震波 が生成される。 これも観測とは一致しない。 アスペリティの内部から短周期 地震波の生成を考える必要があ る。 4.短周期地震波はアスペリ ティの縁部のみでなく内部 からも生成される

(24)
(25)

Composite Faulting Model

クラックの内部がアスペリティで埋め尽くされている場合 1つの大きなクラックからの短周期地震波の生成に等価

(26)

フラクタル・アスペリティ・

モデル

瀬野(2002) アスペリティの内部に小さな アスペリティがフラクタルに 分布。 特定の周期特性を持たないた めに小さなアスペリティはフ ラクタルなサイズをもつ。 結果として、短周期地震波は アスペリティの内部から生成 せされる。

(27)

強震動予測レシピの

まとめ

Step

断層全体の長さを与える

Step

断層長さから断層幅を与え,断層総面積を求める

Step

断層総面積から地震モーメントを推定する

Step

アスペリティの面積を求める

Step

アスペリティの個数と位置を与える

Step

すべり速度時間関数のパラメータを設定する

Step

アスペリティの応力降下量を推定する 巨視的断層パラメータ 微視的断層パラメータ

(28)

強震動生成域

強震動生成域

を考慮した特性化震源モデルの構築

を考慮した特性化震源モデルの構築

1997年3月鹿児島県北西部地震の例

-Miyake et al. (2003)

(29)

地震モーメントに対するアスペリティ領域

地震モーメントに対するアスペリティ領域((すべり大すべり大))とと 地震モーメントに対する強震動生成域

地震モーメントに対する強震動生成域((すべり速度大すべり速度大))の関係の関係

Somerville et al. (1999) and Miyakoshi et al. (2001)

Kamae and Irikura (1998, 2000), Kamae et al. (1999), and

(30)

震源過程

震源過程

: 2003

: 2003

年と

年と

1952

1952

年の十勝沖地震

年の十勝沖地震

(31)

Honda et al. (2004, EPS)

強震

forward

防災科研&推本 (2004) Kamae and Kawabe (2004, EPS)

inversion

Vel. 50-5 sec

(0.02-0.2 Hz)

Acc. Vel. Disp. 10-0.1 sec

(0.1-10 Hz)

forward

Acc. Vel. Disp. 10-0.1 sec

(0.1-10 Hz)

強震 強震

(32)

Rupture starting point Vs = 4.0 km/s Vr = 3.6 km/s 20km 16km 1 3 2 HDKH07 TKCH07 KSRH02 Epicenter of mainshock

Epicenters of aftershock as empirical Green’s function

★ ★ 24km 128km 20km 28km 80km 16km 56km 2 16km 56km 1 3 16km 20km 8km ★ 1 2

Asp-1 Æ Asp-2 3 sec delay Asp-1 Æ Asp-3 7 sec delay

Applicability of Characterized Source Model

Applicability of Characterized Source Model

for the 2003

for the 2003

Tokachi

Tokachi

-

-

oki

oki

Earthquake (Mw 8.0)

Earthquake (Mw 8.0)

(33)

210 -210 0 43 -43 0 25 -25 0

Obs-NS Max : 149.51gal Obs-EW Max : 139.57gal Obs-UD Max : 68.29gal

Syn-NS Max : 161.17gal Syn-EW Max : 209.83gal Syn-UD Max : 67.90gal

Obs-NS Max : 39.05cm/s Obs-EW Max : 22.09cm/s Obs-UD Max : 14.54cm/s

Syn-NS Max : 43.28cm/s Syn-EW Max : 22.23cm/s Syn-UD Max : 10.70cm/s

Obs-NS Max : 18.53cm Obs-EW Max : 7.23cm Obs-UD Max : 5.20cm

Syn-NS Max : 24.86cm Syn-EW Max : 7.86cm Syn-UD Max : 6.08cm

TKCH07 0 80 160 s

観測記録

(

上)と推定された強震動

(

下)の比較

TKCH07 変位 速度 加速度 -50 0 50 10 20 30 40 50 合成 観測

参照

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