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首都高速道路における追突事故リスク予測に関するミクロ的分析 三浦久 1 洪性俊 2 田中伸治 3 桑原雅夫 4 1 非会員小田急電鉄株式会社人事部 ( 東京都新宿区西新宿 1-8-3) 2 正会

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Academic year: 2021

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首都高速道路における追突事故リスク

予測に関するミクロ的分析

三浦 久

1

・洪 性俊

2

・田中 伸治

3

・桑原 雅夫

4 1非会員 小田急電鉄株式会社 人事部(〒160-8309 東京都新宿区西新宿1-8-3) E-mail:hisashi.miura@odakyu-dentetsu.co.jp 2正会員 東京大学助教 生産技術研究所(〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1) E-mail: mrhong@iis.u-tokyo.ac.jp 3正会員 東京大学講師 生産技術研究所(〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1) E-mail:stanaka@iis.u-tokyo.ac.jp 4正会員 東北大学教授 情報科学研究科(〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-06) E-mail:kuwahara@plan.civil.tohoku.ac.jp 本稿では首都高速道路3号上り線の六本木付近を対象に追突事故直前における交通流特性について分析 した結果を報告する.大橋JCT供用前後の日交通量の変化に比べて事故発生率が大きく変化したことは, 追突事故が発生しやすい特定の交通流状態が存在し,その状態が減少したことが要因と考えられる.パル スデータを利用して個別車両の速度等を分析した結果,研究対象区間の下流側から上流側への減速波の伝 播の有無が大きく影響することが確認され,追突事故リスクの高い交通流状態となる条件を抽出した.ま た,判別分析を行い,ある交通状況において減速波が上流側に伝播するかを精度高く予測することができ た.

Key Words : rear-end collision, risk analysis, shockwave, intelligent transport systems

1. はじめに 首都高速道路における交通事故発生件数は,年々減少 傾向にあるものの,未だ年間11,000件以上と非常に多く, その約半数が追突事故によるものである.また,首都高 速道路の渋滞発生原因の約12%がそのような交通事故に よるものであり,事故削減だけでなく,円滑な交通流の 実現のためには,動的な情報提供をはじめとするより効 果的な対策が必要である.そのためには事故要因を詳細 に分析し,それぞれの要因に応じた対策が重要となる. これまで,首都高速道路の追突事故に関する研究とし て,3号渋谷線・4号新宿線を対象とした研究1)や,追突 事故の頻発する赤坂トンネル付近を対象とした研究2) - 4) が多角的に行われてきた.しかし,交通流の分析に使用 されたデータは全て集計された車両感知器データ(1 分・5分データ)であり,より細かな交通流の分析には 至っていない. そこで本研究では,分析対象区間を赤坂トンネルと同 じく追突事故の頻発する3号渋谷線上り・谷町JCT手前 のサグ部とし,車両感知器パルスデータを用いた詳細な 事故発生状況の分析を行い,追突事故リスクの高いミク ロ的な交通流状態の特定を行う.また,そのような交通 流状態の発生の事前予測を行うことを目的とする.図-1 に対象区間周辺の首都高速道路ネットワークを示す. 図-1 首都高速道路ネットワーク(東京都区間)と対象区間

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図-2 対象区間の概要図 出典:Google Map 2. 対象区間の概要と分析手法 (1) 分析対象区間の概要 分析対象区間は,追突事故の最頻発区間である3号渋 谷線上り谷町JCT手前のサグ部とした.図-2に対象区間 の縦断勾配と谷町JCTからのキロポスト及び看板設置位 置を示す.この区間は片側2車線道路で,谷町JCTでの 1:1分流を控え,0.39kpより車線変更禁止区間となってい る. (2) 分析対象区間の事故発生状況 2010年3月28日に大橋JCTが開通し,対象区間の交通流 にも影響が生じたと考えられる.本稿における分析期間 は大橋JCT供用日を含んでいるため,対象区間における 事故発生状況を大橋JCTの供用前後別に概説する.図-3, 図-4に供用前3ヶ月間の事故発生件数を,図-5,図-6に供 用後3ヶ月間の事故発生件数を示す. 図-3より,大橋JCT供用前は事故の多くが0.5~0.7kpの サグ手前の下り勾配区間に集中しており,そのほとんど が追突事故となっている.また車線別に見ると左車線に 図-3 3号渋谷線上りkp別事故発生状況 (大橋JCT供用前,2010年1月~3月) 0 5 10 15 0. 0   0. 2   0. 4   0. 6   0. 8   1. 0   1. 2   1. 4   1. 6   1. 8   2. 0   2. 2   2. 4   2. 6   2. 8   3. 0   事故 発生 件数 kp 追突 追突以外 進行方向 6 18 右車線 左車線 図-5 3号渋谷線上りkp別事故発生状況 (大橋JCT供用後,2010年4月~6月) 0 5 10 15 0. 0   0. 2   0. 4   0. 6   0. 8   1. 0   1. 2   1. 4   1. 6   1. 8   2. 0   2. 2   2. 4   2. 6   2. 8   3. 0   事故 発生 件数 kp 追突 追突以外 2 2 右車線 左車線 進行方向 図-6 時間帯別追突事故発生件数(0.5kp~0.7kp) (大橋JCT供用後,2010年4月~6月) 0 1 2 3 4 5 0: 00 2: 00 4: 00 6: 00 8: 00 10: 00 12: 00 14: 00 16: 00 18: 00 20: 00 22: 00 追突事 故発 生件 数 (0 .5 ~ 0. 7kp ) 時刻 図-4 時間帯別追突事故発生件数(0.5kp~0.7kp) (大橋JCT供用前,2010年1月~3月) 0 1 2 3 4 5 0: 00 2: 00 4: 00 6: 00 8: 00 10: 00 12: 00 14: 00 16: 00 18: 00 20: 00 22: 00 追突 事故発 生件 数 (0 .5 ~ 0. 7kp ) 時刻

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集中して発生している.この区間で発生した全24件の追 突事故を発生時間帯別に見ると,事故は昼間に集中し夜 間は発生していないという特徴が見られる(図-4). これに対し大橋JCT供用後では,供用前に多発してい た0.5~0.7kp区間での事故件数が大幅に減少している. このことから,大橋JCTの供用による交通流の変化が, 事故発生件数に影響を与えていると推測することが出来 る. (3) 取得データ 対象区間であるサグ部前後での交通流を分析するため, 図-2に示す2地点の車両感知器パルスデータを取得した. ▪ 地点1…0.41kp(下流側) ▪ 地点2…0.56kp(上流側) ▪ 期間:2010年2月1~15日,3月1日~4月30日 各地点の車両感知器は車線別に設置されており,各車 線の車両感知器は2つのヘッド(間隔:5m)で構成され ている.車両感知器のパルス送波周期は60msecであり, 高速域の車両の感知精度が落ちてしまうものの,各ヘッ ドで検出されたパルスの波形を解析することで各地点に おける個別車両の通過時刻・速度・車長などが算出可能 である.ただし,この5mのヘッド間で車線変更が行わ れた場合は,上記の算出はできない.したがって,解析 においては全ての車両が車両感知器の2つのヘッド間を 等速度で走行したと仮定して速度を算出し,ヘッド間で の車線変更車は除外することとした.各地点・車線の車 両感知器で除外された件数の平均は,通過交通量の約 0.4%であり,本研究の分析において大きな影響はないと 考えられる. 3. 事故直前交通流の分析 図-2で示すように分析対象区間のサグ部の下り坂には 可変文字情報版があり,都心環状線(C1)の内・外回 りそれぞれの交通情報を提供している.また,同区間は 谷町JCT分岐点の手前であるため,車線変更も少なくな い.ところが,本研究で用いるデータは地点1・2(図-2)で取得した車両感知器パルスデータのみであり,文 字情報版や車線変更による追突事故発生への影響につい ては分析できない.したがって,これらの要因に関する 分析は今後の課題とし,本研究では交通流の変化に焦点 を当てて分析を進めることにする. (1) 分析対象事故の抽出 分析対象とする事故は,以下に該当する11件とした. 全11件のうち,大橋JCT供用前は左車線5件・右車線3件, 大橋JCT供用後は左車線1件・右車線2件である. ▪ 発生地点:0.5~0.7kp ▪ 事故形態:追突事故 ▪ 発生期間: 2月1~15日, 3月1日~4月30日(パルスデー タの取得期間) (2) 事故直前交通流の分析 全11件の分析対象事故のうち,5件の分析結果を図-7 に示す.同図は事故直前の5分間の地点1及び地点2にお ける通過車両の速度を時系列に示しており,図中の最右 端が事故発生時刻を示している.なお,詳細な事故発生 時刻はパルスデータの乱れから推測した. これらの事故直前の交通流に共通する特徴として,事 故発生直前1分間の地点1における速度低下が見られる. 速度低下量の大小には差異があるものの,地点1での速 度が一時的に20km/h以下へ低下するのに対し,地点2で の速度は30km/h~60km/hと比較的高い速度水準である. このことから,地点1での速度低下により発生した減速 波(粗密波)が上流側へ伝播し,その減速波に対応でき なかった車両が事故へ巻き込まれたと推測することが出 来る. 取得データのみからでは,減速波の発生原因及び発生 地点の特定は不可能であるが,地点1付近あるいはさら に下流側であると考えられる.しかし,事故発生地点は サグ部の上流側に集中していることを勘案すると,減速 波はサグ部下流側の上り勾配区間でも生じているが,上 り勾配という構造が事故リスクを軽減させているのに対 し,減速波が下り勾配区間へ伝播することで,事故リス クが増大されると考えられる. (3) 追突事故リスクの高い交通流の仮定 事故直前の交通流の分析より,追突事故リスクの高い 交通流として以下のように仮定する. i) サグ部下流側の上り勾配区間にて,20km/h以下への 速度低下と減速波の発生 ii) 30km/h以上の速度水準を持つサグ部上流側の下り勾 配区間への減速波の伝播 このような交通流は,全11件の分析対象事故のうち, 大橋JCT供用前左車線5件・右車線1件,大橋JCT供用後 左車線1件の計7件に共通して見られる.しかし分析対象 事故件数が少ないため,仮定した交通流状態がこの区間 において追突事故が多発する要因となっているとは断定 出来ず,次章にてその検証を行うこととする. 4. 追突事故リスクの高い交通流の検証 追突事故リスクの高い交通流の検証に当たり,追突事 故発生件数が,大橋JCT供用前の車線間・昼夜間,及び

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大橋JCT供用前後間で大きな差が生じていることに着目 し,追突事故リスクが高いと仮定した交通流の発生頻度 と事故件数との相関を分析することとする.分析手順を 以下のi)~iv)に示す. i) 大橋JCT供用前後の事故のなかった各1週間のデータ を抽出 ii) 地点1での速度が20km/h以下へ低下した回数を計測 iii) ii)のうち,地点1での速度低下時より60秒以内に,地 点2においても速度30km/h以上から20km/h以下への低 下が観測されたデータを抽出 iv) iii)にて抽出された交通流を追突事故リスクが高いと 仮定した交通流とし,その発生回数と事故件数とを 車線別・昼夜別・大橋JCT供用前後別に比較 なお,i)での事故なし1週間データとして以下を抽出し た. ▪ 期間:2010年2月3日~9日,4月10日~16日 ▪ 時間帯:昼間: 7時~17時,夜間: 0時~6時,20時~24時 ▪ 車線:両車線 iii)にて抽出した交通流を,車線別・昼夜別・大橋JCT 供用前後別に計測した結果を表-1に示す.同表における 事故件数とは,各区分に属する,3ヶ月間で発生した追 突事故件数を示している.そして,これら2変数の相関 分析の結果を表-2に示す.相関係数の値より観測数8の 条件下において,1%の有意水準でこれら2変数の間に有 意な相関があることが示され,前章で仮定した交通流を, 対象区間における追突事故リスクの高い交通流として特 定することとする. また,図-8は本章にて特定した追突事故リスクの高い 交通流の発生直前の1分間速度-交通量図を,大橋JCT供 用前の左右車線の昼間を例に示している.左車線では, 表-1 仮定した交通流の発生回数及び事故件数 表-2 仮定した交通流の発生回数と事故件数との相関 左車線 153 16 右車線 82 2 左車線 1 0 右車線 3 0 左車線 15 2 右車線 81 2 左車線 0 0 右車線 0 0 仮定した交通流の 発生回数 (回/1週間) 事故件数 (回/3カ月) 供用前 供用後 昼間 夜間 昼間 夜間 相関係数 0.864 観測数 8 1%有意(観測数8) 0.834 図-7 追突事故直前速度推移 0 10 20 30 40 50 60 70 80 12:43 12:44 12:45 12:46 12:47 12:48 速度 (k m /h ) 時刻 2月14日 左車線 追突事故 地点2(上流) 地点1(下流) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 6:44 6:45 6:46 6:47 6:48 6:49 速度 (k m /h) 時刻 3月2日 左車線 追突事故 地点2(上流) 地点1(下流) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 12:42 12:43 12:44 12:45 12:46 12:47 速度 (k m /h ) 時刻 3月7日 左車線 追突事故 地点2(上流) 地点1(下流) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 16:32 16:33 16:34 16:35 16:36 16:37 速度 (k m /h ) 時刻 3月8日 左車線 追突事故 地点2(上流) 地点1(下流) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 13:53 13:54 13:55 13:56 13:57 速度 (k m /h ) 時刻 4月29日 左車線 追突事故 地点2(上流) 地点1(下流)

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高リスク交通流が速度30km/h~40km/hの高密度域に集中 して発生しているのに対し,右車線ではそのような交通 流自体の発生頻度が低く,高リスク交通流の発生も少な いと言える.このような高リスク交通流の発生原因につ いては更なる検討が必要であるが,以上のことから,高 リスク交通流の発生頻度は速度30km/h~40km/hの高密度 域で頻発すると考えられる. 5. 追突事故リスクの高い交通流の発生の事前予 測 追突事故リスクの事前予測を行うに当たり,前述した ように地点1での速度低下を予測することは取得データ のみからでは困難である.そこで本稿では,地点1での 速度低下を既成とし,速度低下観測後,地点2までの減 速波伝播の有無を事前に予測することに焦点を当てる. 予測に用いる変数として,地点1での速度低下観測時 からの地点1速度・及び地点2密度の2変数を採択した. 変数の集計時間帯は,減速波の伝播時間を考慮し,速度 低下時より10秒間と設定した.これは,地点1から地点2 までの減速波の伝播時間を調べた結果,20秒以上のケー スが8割以上であり,集計時間を20秒より小さくする必 要があったためである.ここで,地点2密度を採択した 理由は,対象区間(地点2)への流入交通流の密度によ って減速波の伝播速度は変化するが,例えば伝播速度が 低ければ地点2のような事故多発区間に到達せず,途中 で消滅すると考えられるからである.また,地点1速度 を採択した理由としては2点が挙げられる.1点目は, 「地点1の速度が20km/h以下」であってもその速度によ って減速波の伝播速度は変化するからである.もう1点 は ,地点1での速度低下が一時的な場合と,地点1より も下流側からの渋滞等によって低速状態が続く場合とで は,速度回復による加速波の上流側への伝播速度が異な り,先に発生した減速波よりこの加速波の伝播速度が速 ければ,減速波は伝播途中で消滅することが考えられる からである. 大橋JCT供用前1週間の昼間データを対象とし,この2 変数を用いて減速波伝播の有無の判別分析を行った結果, 表-3,図-9のようになり,約8割の減速波の伝播が予測 可能と考えられる. 6. おわりに 3号渋谷線上り谷町JCT手前のサグ部を対象とし,追 突事故直前の交通流の分析を行った結果,サグ部下流側 の上り勾配区間での速度低下の発生と,サグ部上流側の 下り勾配区間への減速波の伝播により,追突事故リスク が高まるという知見が得られた.またそのような交通流 は,速度30km/h~40km/hの高密度域で頻発しており,そ のような領域の削減,即ち都心環状線からの先詰まりの 表-3 相関判別分析的中率 図-9 地点1速度,地点2密度分布 0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 5 10 15 20 25 30 35 :地 点 2 密度 (v eh /k m ) :地点1速度(km/h) 伝播なし 伝播あり 83 . 10 47 . 1 1 2 XX 1 X 判別式: 実データ 伝播あり 伝播なし 伝播あり 151 32 伝播なし 42 120 的中率 0.78 0.79 判別結果 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 5 10 15 20 25 30 35 40 速度 (k m /h ) 1分間交通量(veh/min) 高リスク交通流なし 高リスク交通流あり 供用前 左車線 昼間 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 5 10 15 20 25 30 35 40 速度 (k m /h ) 1分間交通量(veh/min) 高リスク交通流なし 高リスク交通流あり 供用前 右車線 昼間 図-8 高リスク交通流の発生直前1分間Q-V図 (2010年2月3日~9日 7時~17時)

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解消が,事故削減へ大きく寄与すると考えられる.また, 速度低下発生後,サグ下流部での速度及びサグ上流部で の密度の2変数を用いることで,約8割の減速波の伝播の 予測が可能であり,カーナビゲーション等を用いた動的 な対策の可能性が示唆された. 本研究の対象区間における追突事故リスクの高い交通 流として設定した条件は,比較的少ない事故件数から仮 定したものである.この条件の検証の結果,該当交通流 条件の発生件数と事故発生件数には高い相関があるもの の,条件の変動によって分析結果は多少変わるものと考 えられる.また,隣の車線が相対的に空いていて,この 方向の交通の流れに気を取られて追突する,あるいは, 分岐点手前における強引な車線変更が追突を誘発するこ とも考えられる.ところが,本研究では車両感知器パル スデータを利用した交通流の分析に焦点を当てているの で,これらの影響については検討していない.したがっ て,統計的に根拠のある条件の提示,特に,他地点との 比較分析や対策手法の検討により一般化した条件の提示, 隣接車線の交通状況と追突事故との関係の分析について は今後の課題としたい. 謝辞:本研究における全てのデータは首都高速道路株式 会社よりご提供いただいたものであり,多大なご支援を 頂いた.特に,同社の割田博氏からは多くの助言を頂い た.本研究は,オリエンタルコンサルタンツとの共同研 究の一部であり,同社からも多くの助言を頂いた.ここ で,関係各位に謝意を表する. 参考文献 1) 前田剛,割田博,岡田知朗,菊池春海:首都高速道 路における速度・密度に着目した事故発生状況分析, 第 28 回交通工学研究発表論文報告集,pp.81-84, 2008. 2) 赤羽弘和,長谷川潤,森田綽之:都市高速道路にお ける追突事故発生状況の感知器データによる分析, 第20 回交通工学研究発表論文報告集,pp.1-4, 2000. 3) 池田公雄,岡田知朗,割田博,田中淳,竹平誠治, 川崎洋輔,上條俊介:事故発生時画像とヒヤリハッ ト調査による事故要因分析,第 5 回 ITS シンポジウ ム,pp.211-216,2006. 4) 萬沙織,森博子,割田博,赤羽弘和:VICS情報に基 づく事故発生警報の提供,第28回交通工学研究発表 論文報告集,pp121-124,2008. (2012. 2. 25 受付)

MICROSCOPIC RISK ANALYSIS OF REAR-END COLLISION

ON TOKYO METROPOLITAN EXPRESSWAY

Hisashi MIURA, Sungjoon HONG, Shinji TANAKA and Masao KUWAHARA

This paper presents a microscopic risk analysis of rear-end collision at Route 3 (Shibuya Line) of Tokyo Metropolitan Expressway near Roppongi area. Since Ohashi JCT of Route 3 started its service in 2010, the rear-end collisions on the study section have decreased dramatically. However, the average daily traffic on the study section has not decreased as much as the rear-end collisions have decreased. From this fact, it is supposed that there should be a specific risky condition of traffic flow under which the rear-end collision occurs more frequently and that the decrease in the frequency of the risky condition resulted in the decrease of the rear-end collisions. The result of the analysis using traffic detector signal data showed that a deceleration shockwave propagating from the downstream caused by congestion into the study section had high relationship with the rear-end collision. Based on this result, a risky condition was defined in this paper, and a discriminant analysis could identify and forecast the risky condition with high accuracy, which shows possibility of reducing the rear-end collision at the subject section by advanced ITS (Intelligent Transport Systems) technologies such as a warning system for drivers.

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