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図 1: 地域別にみた事故等の収集状況 ( 製油所 ) 表 3 地域別にみた事故件数 ( 製油所 ) 北米中南米欧州アフリカ中東東アジア日本東南アジア太洋州 ロシア NIS 諸国 爆発 火災 漏洩

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海外安全情報調査報告

―製油所およびパイプライン等の事故・トラブル情報の収集・提供― 一般財団法人石油エネルギー技術センター 調査情報部

1.海外安全情報収集・提供の背景・目的

当センターでは、石油精製環境分析・情報提供事業の一環として、海外安全情報(新ニッ チな情報分野)の収集・提供を行っている。 収集・提供する海外安全情報には、海外製油所等における装置・設備等の老朽化や繰り返 しの運転トラブルに起因する事故のほか、自然災害等により生じたエネルギー関連施設の事 故・トラブルの情報がある。本情報・収集提供は、これらの情報を広く収集・提供し、国内 の類似事故の防止・対策への裨益、ならびに国の産業保安政策へ寄与する情報・知見等の獲 得に努め、以て石油の安定・安全供給に資することを目的に実施する。

2.海外安全情報の収集・提供

海外安全情報における基礎情報収集は、大きく以下の2 点から構成される。 ①海外製油所等の事故、トラブル情報の収集、分析 ②海外情報提供会社からの情報、レポート購入 対象は、海外製油所・パイプライン等を中心とする事故・トラブル情報である。情報提供 は、海外石油情報メールなどを利用している。

3.海外安全情報の収集・提供状況

平成24 年度における海外事故・トラブルの収集・提供情報件数を表 1 に、また、海外事故・ トラブルの件数を表2 に示す。 表1 海外事故・トラブル情報の収集・提供件数(平成 24 年度) 単位:件数 火災・爆発 漏洩 その他※1 (運転トラブル他) 合計 収集情報 252 187 246 685 提供情報 97 36 7 140 ※1 その他:火災・爆発、漏洩以外の事故・トラブルであり、運転不具合、運転停止、電源遮断、フレア 報告他 表2 海外事故・トラブルの件数(平成 24 年度) 単位:件数 火災・爆発 漏洩 運転トラブル他 合計 製油所 128 84 117 329 パイプライン 19 26 26 71 その他施設※2 43 36 21 100 ※2 その他施設:油井掘削施設(リグ他)、天然ガス圧縮施設、LNG 圧縮施設他

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図1:地域別にみた事故等の収集状況(製油所) 表 3 地域別にみた事故件数(製油所) 北米 中南米 欧州 アフリカ 中東 東アジア 日本 東南アジア 太洋州 ロシア・ NIS 諸国 計 爆発・火災 60 17 15 7 4 2 4 12 1 6 128 漏洩 62 9 8 1 0 0 1 2 1 0 84 その他 75 10 8 9 3 0 2 3 0 7 117 計 197 36 31 17 7 2 7 17 2 13 329 製油所における爆発・火災事故は、図1 および表 3 に示すとおり、件数が多い順に北米 60 件、 中南米17 件、欧州 15 件、東南アジア 12 件、アフリカ 7 件、ロシア・NIS 諸国 6 件、日本 4 件、大洋州1 件であり、北米と中南米で約 60%、欧州・アフリカ・中東・ロシア・NIS 諸国で 約25%、アジア圏・大洋州で約 15%を占めている。また、製油所における漏洩事故は、件数が 多い順に北米62 件、中南米 9 件、欧州 8 件、東南アジア 2 件、アフリカ 1 件、日本 1 件、大洋 州1 件であり、北米と中南米で約 85%、欧州・アフリカ・中東・ロシア・NIS 諸国で約 10%、 アジア圏・大洋州で約5%を占めている。

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図2:地域別にみた事故等の収集状況(パイプライン) 表4 地域別にみた事故件数(パイプライン) 北米 中南米 欧州 アフリカ 中東 東アジア 日本 東南アジア 太洋州 ロシア・ NIS 諸国 計 爆発・火災 8 3 0 1 5 1 0 0 0 1 19 漏洩 14 2 0 4 1 1 0 3 1 0 26 その他 0 5 0 4 16 0 0 1 0 0 26 計 22 10 0 9 22 2 0 4 1 1 71 パイプラインにおける爆発・火災事故は、図2 および表 4 に示すとおり、件数が多い順に北 米8 件、中東 5 件、中南米 3 件、アフリカ 1 件、東アジア 1 件、ロシア・NIS 諸国 1 件であり、 北米・中南米で約58%、欧州・アフリカ・中東・ロシア・NIS 諸国で約 37%、アジア圏・大洋 州で約5%を占めている。また、パイプラインにおける漏洩事故は、件数が多い順に北米 14 件、 アフリカ4 件、東南アジア 3 件、中南米 2 件、中東 1 件、東アジア 1 件、大洋州 1 件であり、 北米・中南米で約62%、欧州・アフリカ・中東・ロシア・NIS 諸国で約 19%、アジア圏・大洋 州で約19%を占めている。

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図3:地域別にみた事故等の収集状況(その他施設) 表5 地域別にみた事故件数(その他施設) 北米 中南米 欧州 アフリカ 中東 東アジア 日本 東南アジア 太洋州 ロシア・ NIS 諸国 計 爆発・火災 24 6 1 3 4 1 1 5 0 0 45 漏洩 19 3 7 7 1 1 0 0 0 0 38 その他 6 1 2 3 0 1 0 4 0 0 17 計 49 10 10 13 4 3 1 9 0 0 100 その他施設(石油掘削施設、天然ガス圧縮設備、LNG ターミナル他)における爆発・火災事 故は、図3 および表 5 に示すとおり、件数が多い順に北米 24 件、中南米 6 件、東南アジア 5 件、 中東4 件、アフリカ 3 件、欧州 1 件、東アジア 1 件、日本 1 件であり、北米と中南米で約 66%、 欧州・アフリカ・中東・ロシア・NIS 諸国で約 18%、アジア圏・大洋州で約 16%を占めている。 また、その他施設における漏洩事故件数は、件数の多い順に北米19 件、欧州 7 件、アフリカ 7 件、中南米3 件、中東 1 件、東アジア 1 件であり、北米と中南米で約 58%、欧州・アフリカ・ 中東・ロシア・NIS 諸国で約 39%、アジア圏・大洋州で約 3%を占めている。

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地域毎の事故の推移について、『北米・中南米』、『欧州・アフリカ・中東・ロシア・NIS 諸国』、 『東アジア・日本、東南アジア・大洋州』の3 ブロックに分けて、月別に事故・トラブル件数の 推移をまとめたグラフを、それぞれ図4、図 5、図 6 に示す。 図4 事故・トラブル件数(北米・中南米) 図 5 事故・トラブル件数(欧州・アフリカ・中東・ロシア・NIS 諸国) 図6 事故・トラブル件数(東アジア・東南アジア・日本・大洋州)

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4.事故のトピックス

平成24 年度に収集した海外事故・トラブル速報 500 件の中から抽出した、28 事例(爆発・ 火災16 事例、漏洩 7 事例、その他 5 事例)を、図 7 に示す。 図7 事故・トラブル速報の例 <平成24 年度における事故・トラブルの主な特徴> 平成24 年度に収集した海外事故・トラブル事例は、製油所・パイプラインの爆発・火災・ 漏洩事故が約5 割(257 件)、その他運転トラブル事例が約 3 割(143 件)を占めている。事 故・トラブル情報より得られた主な特徴を、以下①~⑤に記す。 ①常圧蒸留装置、タンク貯蔵設備の配管等で爆発・火災に至った事故・トラブルがみられた。 ②事故原因が老朽化や保全管理に起因する事例がみられた。また、安全管理上の不備が事故の 被害を拡大させたと指摘される事例がみられた。 ③パイプライン(PL)の漏洩に伴う、企業・当局による長期化した浄化作業や、周辺住民の 避難措置など社会的な影響が大きい事例が発生した。また、地理的・国情的事由から、破壊 工作等によるPL の攻撃・爆破が半ば常態化している地域があった。 ④製油所やPL の爆発・火災が 8 月~9 月頃に相次ぎ、多数の死傷者が発生、また、長期の運 転停止となる深刻な運転トラブル・事故がみられた。 ⑤環境意識が高い周辺住民・NGO 等による事故報告のまとめや、環境規制を受ける製油所の 運転トラブル報告がみられた。

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平成24 年度の事故・トラブル事例の中から、注目すべき事故・トラブル事例として、米国 カリフォルニア州の製油所火災、および米国テキサス州の製油所で続いた運転トラブル事例を 以下に取り上げる。

<シェブロン、Richmond 製油所火災(事故発生日:2012 年 8 月 6 日)>(表 6 を参照) 2012 年 8 月 6 日夕方、米国カリフォルニア州で、スーパーメジャーである石油企業シェブ ロン(Chevron Corporation)の Richmond 製油所(能力 24 万 BPD)の蒸留常圧装置で火災 が発生した。7 日に鎮火したが、この火災の影響で従業員が負傷し、製油所から巨大な黒煙が 立ち上がり、1 万 5 千人以上が呼吸困難等を訴え、治療を受けた。その後の調査の結果、火災 の原因は、36 年間使用して老朽化していた 8 インチ配管が硫化腐食により減肉・開口し、配 管から漏洩した油が引火、火災に至ったものとされる。事故後、同社は事故原因の調査等を行 い、対策として破損した配管の材質を、炭素鋼から耐腐食性に優れたクロム合金鋼にグレード アップして復旧すると発表した。 事故から5 か月経過した 2013 年 1 月、事故があった装置の補修工事が 1 月中に完了予定で あり、装置の運転再開は、規制当局の許可が下りれば稼働できる見込みであると報じられた。 2 月に労働安全衛生局(OSHA)の協力のもと、米国化学物質安全委員会(CSB)が当該事故 に対する技術評価報告書を公表した。シェブロンは事故前に腐食を認識していたとし、漏洩発 見後、直ちに装置を停止し作業員を安全な場所に誘導すべきであったと述べられている。 表6 シェブロン、Richmond 製油所火災(事故発生日:2012 年 8 月 6 日) 記事 配信日 1124 米国 Chevron、カリフォルニア州 Richmond 製油所の火災の影響でガソリン価格 が上昇 6 日夕に、Chevron のカリフォルニア州 Richmond 製油所(能力:24 万 BPD)の常圧蒸留装置で火災が 発生。7 日朝に鎮火したが、この火災で従業員 3 名が軽傷。同製油所の製品出荷停止の影響で、カリ フォルニアブレンドガソリンのプレミアは 23 セント/ガロン(6 セント/L)増加し 28.5 セント/ガロン (7.5 セント/L)に上昇し、5 月 29 日以来の高値となった。 2012 年 8 月 9 日 1393 Chevron、Richmond 製油所の爆発事故の原因を発表 Chevron は、24 日の記者会見で、8 月 6 日の Richmond 製油所(24.5 万 BPD)の爆発事故の原因が配管 の破損によるものと特定し、高温で腐食環境にさらされて配管が減肉したものと発表した。又、同社 は検査すべき箇所を見過ごしていたことも問題であったと付け加えた。今回の記者会見の目的は、1) 8 月 6 日の製油所爆発事故の原因を特定したこと、2)安全が第一と考えていること、3)調査につい て、連邦、州、地方機関と引き続き協力していくことと述べた。 2012 年 9 月 27 日 1706 Chevron、カリフォルニア州 Richmond 製油所の配管に耐腐食性金属を選択 Chevron は、8 月に配管腐食が原因で火災した Richmond 製油所のガソリン製造装置について、規制 当局が安全性を確認するまで復旧できないと述べた。Chevron は、炭素鋼より硫黄の耐腐食性に優れ た 9 クロム金属合金を復旧配管に用いると発表した。しかし、連邦化学物質安全委員会(CSB)は、腐 食速度予測を基にした検査から 18 クロム金属合金を推奨している。CSB は 17 日、Chevron に対し、9 クロム金属合金に決めた理由書を 12 月 7 日までに提出するよう求めた。 2012 年 11 月 21 日 0053 シェブロン、火災で停止中の Richmond 製油所の蒸留装置の補修工事が完了し、 再稼働の方向 昨年 8 月の Chevron、Richmond 製油所(24 万 BPD)の火災により運転を停止している第 4 常圧蒸留 装置の補修工事は 1 月中に完了する予定であり、規制当局の許可が下りれば、翌月にも同装置の稼働 ができると工事関係者は非公式に伝えた。同社は、公式には、今年第一四半期中に補修工事を完了す る予定と発表している。同製油所は事故発生後、稼働率約 50%で運転している。又、同装置からのデ ィーゼルの生産は停止している。昨年 8 月 6 日の火災事故では、火災による黒煙が立ち上り、1 万 5 千人以上が救急病院に送られた。 2013 年 1 月 16 日

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0250 シェブロン Richmond 製油所火災事故の技術評価報告が公表 13 日、米国化学物質安全委員会(CSB)とカリフォルニア州安全衛生局(OSHA)は、昨年 8 月に発生し たシェブロン Richmond 製油所の火災事故に対する技術評価報告書を公表した。報告書には、漏洩を 起こした 8 インチ配管は 36 年間の使用で老朽化し、硫化腐食で減肉し開口に至ったと記述されてい る。さらに、事故前にシェブロンが腐食を認識していたことが記され、漏洩発見後直ちに装置を停止 し作業員を安全な場所に誘導すべきであったとしている。 2013 年 2 月 19 日 <Motiva、Port Arthor 製油所の運転トラブル>(表 7 を参照) 2012 年 6 月、米国テキサス州で、独立系石油会社 Motiva Enterprises(シェルとサウジア ラムコの折半出資会社)における、100 億ドルを投じて拡張工事を行い原油処理能力の増強等 を完了したPort Arthor 製油所(60 万 BPD)において、新設常圧蒸留装置(CDU)(32.5 万 BPD)のスタートアップ中に運転不具合が生じ、停止。再稼働を行うがフル稼働に向かう途中 で発生したメカニカルトラブルにより再度運転を停止した。調査の結果、CDU の内部に腐食 が見つかった。CDU のベッセルや配管等で広範囲に渡り多数のクラック(割れ)が発見され、 復旧には最大5 か月を要するとみられた。12 月、同社は新設 CDU を再稼働する計画であると 述べ、再び運転の立ち上げを開始したが、再び停止。2013 年 3 月、同製油所の処理量がフル 稼働になったと報じられた。 表7 Motiva、Port Arthor 製油所の運転トラブル 記事 配信日

0815 米国 Motiva の Port Arthur 製油所の新設設備が数ヶ月間停止の見込み

トラブルにより停止していた Motiva Enterprises の Port Arthur 製油所の新設常圧蒸留装置(32.5 万 BPD)が、先週末の再稼動に失敗し運転を停止した。Motiva によると、フル稼働へ向かう最中で発 生したメカニカルトラブルにより運転を停止した。同社は原因を究明中。関係者は、重大な問題が発 見され、修復には 2-5 ヶ月を要すると見ている。運転停止は、ガソリン価格や米国へのサウジ原油輸 出に影響を及ぼすと見られている。なお、既設装(28.5 万 BPD)の操業は続いている。 2012 年 6 月 14 日

0854 米国 Motiva の Port Arthur 製油所の新設 CDU が腐食

トラブルで停止した Motiva Enterprises のテキサス州 Port Arthur 製油所の新設常圧蒸留装置 (CDU)の内部に腐食(コロージョン)が見つかった。CDU のベッセルや配管等広範囲に亘って腐食が発見 されたが、その原因は未だ明らかでない。同社によると原因が究明されるまで、修理の規模は解らな いとしている。修復には最大 5 ヶ月を要するとも見られている。一方、9 日の運転開始作業中に発生し た火災による損傷は無視できるレベルである模様である。同 CDU は、腐食性の高い高硫黄重質原油を 処理するように設計されていた。 2012 年 6 月 21 日

1765 米国 Motiva、Port Arthur 製油所の新設 CDU を再稼働へ

独立系石油会社の Motiva Enterprises(シェルとサウジアラムコの折半出資会社)は、今週テキサ ス州 Port Arthur 製油所の新設 CDU を再稼働する計画である。今年 6 月、同社は 100 億ドルをかけ同 製油所の原油処理能力の増強(32.5 万 BPD)と改造を終えた新設系列装置の運転を開始したが、その 後同装置の配管と主要な設備に多数のクラックが見つかり同装置を停止し修理をしていた。

2012 年 12 月 3 日

0378 米国 Motiva の Port Arthur 製油所が世界最大の処理量でフル稼働

Motiva の Port Arthur 製油所がフル稼働となり、原油処理量が世界最大の 60 万 BPD となったと Shell が発表した。Saudi Aramco の子会社 Saudi Refining Inc と Shell の均等出資合弁企業である Motiva が 100 億ドルを投資した拡張工事は、昨年夏に完工していたが、フル稼働になる前に設備に亀裂が生 じ、補修を要していた。同社首脳は、Port Arthur 製油所のガソリン製造能力は、仏・伊・スカンジナ ビアを合わせたガソリン需要に匹敵するものであるが、製品は米国内向けであると伝えている。

2013 年 3 月 12 日

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5.考察(所感)

〈製油所の事故・トラブル情報〉 ・国や地域により情報量の程度に差がみられたが、より詳細な情報の入手により、国内製油所 における類似事故防止に裨益するような事例が得られるとみられる。 ・海外では老朽化した設備、配管に起因する事故・トラブルが顕在化してきていることが今年 度に収集した情報の傾向から端的にうかがわれた。国内でも将来的に装置の過酷運転化が想 定されることから、高度な設備管理や信頼性・健全性の向上の為に、国内外の技術調査を通 じ、既存技術を利用した製油所への技術適用や新しい検査・評価技術の導入・開発等に取り 組む必要性があることが示唆された。 〈パイプラインの事故・トラブル情報〉 国内製油所・コンビナートでは、海外に比べパイプラインのインフラは普及していないが、 事業所間を結ぶ構外配管やオフサイト配管の系統的な保全管理は十分と言えず、同様な事故 リスクを抱えており、今後も有用な情報を収集する必要性がある。 〈海外安全情報の収集・提供全般〉 整理された海外最新情報を日常的に収集・提供するには限界があるが、市況・需給への影 響や、あるいは事故を契機にした海外規格の改定や新規の技術開発への進展、または地域毎 の法規制の強化に繋がる可能性など、事故が及ぼす影響の範囲は益々拡大している。国際競 争力を確保する観点で、製油所をはじめとするエネルギー関連設備の事故情報等を継続して 収集することは意義があるとみられる。

おわりに

〈海外事故情報等の共有化〉 事故・トラブル情報を活用するためには、海外に限らず国内事例においても、事故原因や 対策等、安全の確保に必要となる十分な情報量が求められる。内容を深掘りした情報の入 手・提供は困難な課題であり、タイムリーに収集・整理した海外事例を国内に提供した例は 多くなく、これまで実態が把握されてはいなかった。 事故の7 割から 8 割は繰り返し事故と言われ、事故情報等の共有化を図る目的は、国内に おける①類似事故の防止、ならびに②事故の再発防止策がとられていることの確認(水平展 開)や、事故情報を通じて得られた③教訓の伝承 にある。 海外事故情報等の共有化もその例外でなく、収集した新規・有益な事例の共有化を図るこ とは、国内の産業保安のレベルを向上し、ひいては国際的な産業競争力の成長に繋がるとみ られる。 〈安全・保安の確保の充実化〉 米国等海外の情報は、質・量ともに確度が異なることから、国内の保安政策に寄与する良 質な情報を得ていくことが、安全確保の充実化に欠かせないとみられる。

図 1 :地域別にみた事故等の収集状況(製油所) 表 3  地域別にみた事故件数(製油所) 北米  中南米  欧州  アフリカ  中東  東アジア  日本  東南アジア  太洋州  ロシア・  NIS 諸国  計  爆発・火災  60  17  15  7  4  2  4  12  1  6  128  漏洩  62  9  8  1  0  0  1  2  1  0  84  その他  75  10  8  9  3  0  2  3  0  7  117  計  197  36  31  17  7
表 7 Motiva 、 Port Arthor 製油所の運転トラブル

参照

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