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DATA 編 リクルート住宅総研オリジナル調査 調査データ 1 持ち家層の住意識 日英比較調査 調査 分析概要 調査 分析目的 減失築後年数が 77年と日本の倍以上も長寿命住宅に住まう英国と30年の日本の持ち家層の住意識 住宅選択 基準 選択の情報処理の違いを明らかにすることにより 日本での長寿命住

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(1)

リ ク ル ー ト

住 宅 総 研

オ リ ジ ナ ル 調 査

持 ち 家 層 の 住 意 識   日 英 比 較 調 査

  調査データ 1  

住 宅 購 入 検 討 者 調 査

  調査データ 2  

(2)

持 ち 家 層 の 住 意 識

日 英 比 較 調 査

  調査データ 1  

【調査・分析目的】 減失築後年数が77年と日本の倍以上も長寿命住宅に住まう英国と30年の日本の持ち家層の住意識、住宅選択 基準、 選択の情報処理の違いを明らかにすることにより、日本での長寿命住宅普及の参考に資すること。 【調査方法】 インターネット調査(マクロミル社モニター利用) 【調査対象と有効回答数】 年代 戸建て住宅 集合住宅 計 20 代 206 名 206 名 412 名 首都圏在住の20歳以上の持ち家層2,060名 年代 (セミ・デタッチド、戸建て住宅 テラスハウスを含む) 集合住宅 計 20 代 100 名 100 名 200 名 グレーターロンドン※在住の20歳以上の持ち家層1,000名 調 査 ・ 分 析 概 要

(3)

流動性

流動性は英国のほうが高く、ストック市場がメイン。

平均 33.9 歳 ⇔ 平均 26.9 歳 一次取得年齢 平均 1.3 回 ⇔ 平均 2.4 回 購入回数 新築 75% ⇔ 新築 12% 取得方法

「日当たり」を重視する日本、

「地域のステイタス、地域

イメージ」

「近隣の街並み景観」

「建物の美的な個性」

「時代の建築様式・デザイン」を重視する英国。

住まい選び 不安 31% ⇔   不安 1% 古い住宅を選ぶ際の建物の耐用年数(寿命)に対する不安 古い住宅を取得した理由 「新しい家を買うのに比べ価格が安かったから」 「古い建物には美的な個性があるから」 「最近の建物に比べて部屋の広さや天井高に余裕があるから」 「その時代の建築様式・デザインが好きだから」 「歴史あるものを大事にすることを誇りに思うから」 「新しい建物が好きでないから」 住宅選択重視条件(比較して優位なもの) 「日当たり」 「建物の維持管理状態、コンディション」「庭、バルコニー」 「地域のステイタス、地域イメージ」「近隣の街並み・景観」

施策の浸透度は非常に高く、

情報探索コストの節約、様子見物件の排除を期待。

買い手のメリット大きいが、

売り手のメリットは意見が分かれる。

英国 Home Information Pack( H I P )

内容認知…特に認知が高い「省エネ性能証書(Energy Performance Certificate:EPC)」(70%) 浸透度 …名前の認知 96%、理解 73% HIP の影響 「買い手が物件の情報を調べる手間とコストが節約できる」(59%) 「事前にコストがかかるので、 売り手にとって気軽に売却の打診ができなくなる」(47%)、 「本気でない様子見の売却希望が減り、 買い手にとって確実な物件選びができる」(41%) HIP のメリット メリットがある メリットはない 36% 39% 売り手 59% 24% 買い手

手入れをしない日本、積極的に手入れを行う英国

住宅の補修・メンテナンス 「0 回」70% ⇔   「0 回」30% 入居後のリフォーム回数 「ほとんどしない」48% ⇔   「ほとんどしない」14% 普段の住宅の補修・メンテナンス頻度

ハード面を重視する日本、ソフト面を重視する英国

住宅の長寿命化 「良好な居住水準を確保できる広さがある」「近隣の良好な住環境が保全されている」「良好な地域コミュニティが維持されている」 「建物に美的な個性がある」「近隣の街並みに美的な個性がある」「建物の外観が近隣の街並みと調和している」 「建物が頑丈(耐震性能が高い)」「バリアフリー(高齢者等への対応)性能が高い」「設計図書や点検・修繕の記録が保管されている」 住宅の長寿命化のための重要項目(比較して優位なもの) 「建物の耐久性が高い」「建物の外観が近隣の街並みと調和している」「良好な居住水準を確保できる広さがある」 「内装や設備の維持管理、更新がしやすい」「近隣の街並みに美的な個性がある」「良好な地域コミュニティが維持されている」 「近隣の良好な住環境が保全されている」 「設計図書や点検・修繕の記録が保管されている」 現在の住宅の適合度(比較して優位なもの) 「良好な居住水準を確保できる広さがある」「良好な地域コミュニティが維持されている」「近隣の良好な住環境が保全されている」 「バリアフリー(高齢者等への対応)性能が高い」「建物が頑丈(耐震性能が高い)」 買い替え・建て替えの際の重視度(比較して優位なもの)

街並み・景観への関心が薄く、

保護改善の方法も組織も知らない日本

街並み・景観への関心 「わからない」38%、「組織的な活動や支援はない」7% (「地域のハウスオーナーで組合を組織して管理している」33% ※日本は 2%) 「わからない」51%、「組織的な活動や支援はない」27% 街並み・景観の維持保全のための組織的活動 「パチンコ店や風俗店の出店規制」(47%) 「公園や緑地、農地の保護」(44%) 「道路の整備、拡幅」(39%) 「電線の地中埋設(電柱の撤去)」(35%) 街並み・景観の保護改善の対策(日本のみ) 非常に大きく影響 6% ⇔   非常に大きく影響 46% 街並み・景観の自宅の資産価値に対する影響

(4)
(5)

① 現在の住宅の取得方法

日本は首都圏在住の持ち家層、英国は大ロンドン市在住の持ち家層に対して、現在住んでいる住宅の取得方法を聞いたところ、日本では 新築が 75%を占めたのに対して、英国では新築は12%にとどまり、「中古住宅を購入」が 83%を占めた。 日本では新築が一戸建てでは79%、集合住宅では71%となった。 英国では「中古住宅を購入」が一戸建てでは 91%にのぼり、集合住宅では76%となった。 ※英国の“一戸建て”は、「一戸建て」「セミ・デタッチド」「テラスハウス」の合計として定義している。

物件プロフィール

【 第 1 章 】

(6)

② 現在の住宅の取得時期

日英米の持ち家層に、現在住んでいる住宅の取得時期を聞いたところ、日英米ともに 2000年以降に取得した人が 60%前後を占め、 「1995~1999 年」が15%前後、残りがそれ以前となった。

(7)

③ 持ち家購入回数と一次購入時年齢

持ち家の購入回数をみると、日本では平均が1.3 回で、「1 回」の一次購入者が 76%を占めるのに対して、英国では平均が2.4 回と平均 で日本よりも1 回以上多く、一次購入者は38%にとどまる。 日本では一戸建てと集合住宅での差はあまりないが、英国では一次購入者が一戸建てでは30%、集合住宅では45%となっている。 初めて購入した年齢をみると、日本では平均が33.9 歳で、20 代後半、30 代前半が25%前後でなだらかなピークとなっているのに対して、 英国では平均が26.9 歳と平均で日本よりも7.0 歳若く、20 代での取得者が 77%と日本よりも46%も多い。

(8)

④ 現在の住宅の間取り

現在の住宅の間取りをみると、日本では「3LDK(3DK)」が43%と最も多いのに対して、英国では「2LDK(2DK)」が37%と最も多くなっ ている。米国では両方がほぼ均等である。 日本では、一戸建てでは「4LDK(4DK)」が48%と最も多く、集合住宅では「3LDK(3DK)」が65%と圧倒的なシェアを占めている。 英国では、一戸建てでは「2LDK(2DK)」「3LDK(3DK)」がそれぞれ35%、33%を占め、集合住宅では「2LDK(2DK)」が59%と圧 倒的なシェアを占めている。

(9)

⑤ 現在の住宅の専有面積・土地面積

現在の住宅の専有面積をみると、日本では平均が92.8㎡であるのに対して、英国では平均が119.4㎡となっている。米国では142.8㎡ と日本よりも50.0㎡も広い。 日本では、一戸建てでは平均 111.8㎡、集合住宅では平均74.1㎡。 英国では、一戸建てでは平均145.4㎡、集合住宅では平均 92.9㎡。 現在の一戸建て住宅の土地面積をみると、日本では平均が154.2㎡であるのに対して、英国では平均が227.7㎡となっている。米国では 427.5㎡と日本の 3 倍近い。

(10)

⑥ 現在の住宅の購入金額、取得時築年数

現在の住宅の購入金額を聞いたところ、日本では平均で3,614万円であるのに対して、英国では5,166万円と1,500万円以上高い。 米国では日本とほぼ同様の3,875万円。 日本では一戸建てと集合住宅ではあまり差がないが、英国では一戸建てが平均5,500万円であるのに対して、集合住宅では4,832万円 と600万円以上一戸建てのほうが高い。 ※英国の金額換算は、2009 年1月末までの過去10 年の月末時点の円-ポンドの為替レートの平均値(1£ =193.5 円)を用いている。

(11)
(12)

現在の住宅を選ぶ時にどのようなことを重視したかを聞いたところ、日本では「物件価格」(65%)、「交通利便性」(65%)、「日当たり」(59%) が上位 3 位を占めた。一方英国では「物件価格」(78%)、「交通利便性」(70%)、「部屋数・間取りプラン」(67%)が上位 3 位を占めた。 大半の項目で英国のほうが回答率が高く、特に「建物の維持管理状態、コンディション」「庭、バルコニー」「地域のステイタス、地域イメージ」

① 現在の住宅を選ぶ際の重視条件

住宅取得時の意識

【 第 2 章 】

(13)

② 古い住宅を取得した層の意識

英国の築年数別にみると、上位項目はおしなべて“築100年”の前後で大きな差が生じており、築100年以上の物件購入者はより強い 積極的な選択理由を持っていることがわかる。 日本では築30年以上、英国では1944 年(第二次世界大戦)以前に建てられた住宅を購入した人に、新しい家ではなく古い家を購入した 積極的な理由について聞いたところ、日本では「新しい家を買うのに比べ価格が安かったから」という回答が30%あったほかには積極的 な理由はなかった。一方英国では「古い建物には美的な個性があるから」(52%)、「最近の建物に比べて部屋の広さや天井高に余裕があ るから」(52%)を筆頭に、「その時代の建築様式・デザインが好きだから」(41%)、「歴史あるものを大事にすることを誇りに思うから」(35%)、 「新しい建物が好きでないから」(33%)など様々な積極的な選択理由が並ぶ。 積極的理由

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住宅選びの際に、古い建物ならではの不安がなかったかを聞いたところ、日英ともに「特に不安がなかった」がそれぞれ45%、48%で最 も多く、不安の中では「建物の痛み具合が分からない/隠れた瑕疵があるのではないか」がそれぞれ36%、33%でトップにあがった。英国 と比較して日本で突出して多かったのが「建物の耐用年数(寿命)が残り少ないのではないか」(日本31%)という不安であり、英国ではわず か1%しかいなかった。逆に英国のほうが多かったのは「断熱性など省エネルギー性能が低い」(英国29%)で日本の倍近い回答があった。 不安

(15)

① 取得時の住宅検査・リフォームの有無

中古住宅を購入した人に、現在の住宅を取得する際に専門家による住宅検査をしたかどうか聞いたところ、日本では「何も行っていない」 が84%と大半を占めた。英国では「専門家検査員の目視による住宅検査」が突出して多く81%、かなり割合は下がって、以下「不動産 鑑定士による鑑定」(35%)、「シロアリ検査」(23%)と続く。米国では「専門家検査員の目視による住宅検査」「不動産鑑定士による鑑定」 「シロアリ検査」ともに7 割弱の人が実施している。 現在の住宅を取得した時にリフォーム したかどうかを聞いたところ、日英と もに7 割前後はリフォームしているが、 日本では「物件を取得して入居前に 自分でリフォームした」が41%で突出 して多いが、英国では「リフォーム済み で売りに出された物件を取得して入居 した」(27%)と「リフォーム済み物件 だったが、入居前に自分でも追加のリ フォームをした」(26%)が「物件を取 得して入居前に自分でリフォームした」 (20%)よりも多い。米国では圧倒的 に「売り主によるリフォームも入居前 のリフォームもいずれもしていない」 (64%)という人が多い。

リフォームに関する意識・行動

【 第 3 章 】

(16)

② 入居前リフォーム内容と依頼業者

入居前のリフォーム工事を依頼した業 者をみると、日本では「工務店」(40%)、 「リフォーム専門会社」(36%)、「不動 産会社」(18%)の3つに分散している が、英国では「工務店」が57%と突出 し、次に「自分で行った(DIY)」が28% で続いている。英国では「リフォーム 専門会社」「不動産会社」は相対的に 少ない。 入居前に実施した修繕やリフォームの内容を聞いたところ、日英ともに「壁紙・クロスの交換、内壁の塗り直し」が最も多く、以下「カーペット・ フローリングなど床の張替え」、「キッチン設備の取替え」と続く。英国と比較して日本が多いのは「壁紙・クロスの交換、内壁の塗り直し」 「専門業者によるハウスクリーニング」など。逆に英国のほうが多いのは「給配水管の交換」「外構、植栽、ガーデニング」など。米国は全 体的に日英よりも実施率が高い。

(17)

③ 入居後のリフォーム頻度

普段住宅の補修・メンテナンスをどの程度の頻度で行うかを聞いたところ、日本では「普段の住宅の補修・メンテナンスはほとんどしない」 が48%とほぼ半数を占めた。一方英国では「普段の住宅の補修・メンテナンスはほとんどしない」は14%に過ぎず、何かしら手入れをし ていることがわかった。 日本では、集合住宅よりも一戸建て住宅居住者のほうが手入れをしていない人が多く、55%が「普段の住宅の補修・メンテナンスはほと んどしない」と回答した。 英国では、日本とは逆に集合住宅居住者のほうが手入れをしていない人の割合が高い。 現在の住宅に入居した後に何回リフォームをしたかを聞いたところ、日本では「 0 回(リフォームはしたことがない)」が 70%を占めた。一方 英国では「 0 回(リフォームはしたことがない)」は30%と少数で、何かしら手入れをしていることがわかった。 日本では、集合住宅よりも一戸建て住宅居住者のほうがリフォームをしていない人が多く、75%が「 0 回(リフォームはしたことがない)」 と回答した。 英国では、日本とは逆に集合住宅居住者のほうがリフォームをしていない人の割合が高い。

(18)

④ 入居後リフォームの目的

入居後に自宅をリフォームをした人にその目的を聞いたところ、日本では「家の居心地、快適性を向上するため」(46%)、「具体的な不具合、 故障を直すため」(43%)、「古びた見た目をきれいにするため」(43%)が4割台で上位を占めた。一方英国では「古びた見た目をきれいにする ため」(79%)、「家の居心地、快適性を向上するため」(67%)を筆頭に「好みのデザイン、インテリアにするため」(64%)、「より高機能・ 高性能な設備へグレードアップするため」(61%)、「性能、機能が劣化しないように維持するため」(61%)、「具体的な不具合、故障を直す ため」(50%)が5 割を超えた。あらゆる目的において日本は英国よりも低位で、あまり目的を明確に持ったリフォームではないことがわかる。 特に差が大きいのは「好みのデザイン、インテリアにするため」「古びた見た目をきれいにするため」「より高機能・高性能な設備へグレード アップするため」で、いずれも30ポイント以上の差がある。

(19)

⑤ 入居後リフォームの内容

入居後に修繕やリフォームした箇所を聞いたところ、日本では「壁紙・クロスの交換、内壁の塗り直し」(48%)、「給湯機の取替え」(48%)、 「外壁補修、再塗装」(46%)がトップ3となった。一方英国では「壁紙・クロスの交換、内壁の塗り直し」(79%)、「カーペット・フローリングな ど床の張替え」(71%)、「バスルーム・洗面台の取替え、改修」(59%)がトップ3となった。日本が英国よりも多いのは「外壁補修、再塗装」 のみで、その他はすべて英国のほうが実施率は高いが、特に「カーペット・フローリングなど床の張替え」「外構、植栽、ガーデニング」「壁紙・ クロスの交換、内壁の塗り直し」については30ポイント以上の差がある。なお、米国は英国とほぼ同形となっている。 入居後に修繕やリフォームしたもののうち、自分で修繕・リフォームした箇所を聞いたところ、日本ではほとんど自分では実施しておらず、 最も多いものでも「壁紙・クロスの交換、内壁の塗り直し」の8%。一方英国では「壁紙・クロスの交換、内壁の塗り直し」は62%が自分で 実施している。また「外構、植栽、ガーデニング」に関しても26%の人が自分で行っている。

(20)

⑥ 入居後リフォームの費用

入居後これまでに住宅の修繕・リフォームにかけた費用がおよそどれくらいかを聞いたところ、日英米ともに「100 ~200万円未満」が最 も多く、日本では平均 401万円、英国では平均 674万円、米国では平均474万円となっている。日英ともに一戸建てと集合住宅では金額 に大きな差があり、日本では一戸建ての平均が514万円であるのに対して集合住宅は241万円と半分以下となっている。英国でも一戸建 ての平均が931万円であるのに対して集合住宅は359万円となっている。

(21)

① 現在の住宅の満足度

住宅の現状評価と今後の住み替えについて

(22)

現在の住宅の要素について満足度を4 段階評価で聞いたところ、日本ではいずれも6 割以上の満足度を示したが、「たいへん満足している」 という強い満足は最大でも35%しかなかった。「たいへん満足している」という強い満足が高かった項目は「日当たり」(35%)、「交通利便性」 (31%)、「築年数」(21%)がやっと2 割を超えた。一方英国ではすべて8 割以上の満足を示し、かつ「たいへん満足している」という強い

満足も最大だと71%、最低でも23%と非常に高い満足を得ていることがわかる。強い満足が高かった項目は「交通利便性」(71%)、「日当 たり」(57%)、「近隣の緑地、自然環境」(45%)、「地域のステイタス、地域イメージ」(39%)などが上位に並んだ。

(23)

「たいへん満足している」を比較すると、あらゆる項目において英国が日本を上回っている。

英国の築年数別にみると、年数が上がるに従って満足度も上がる傾向がみられるのは「建物の建築様式、外観デザイン」。110 年以上の 物件で相対的に高いのは「交通利便性」「地域のステイタス、地域イメージ」「築年数」「資産価値」など多岐にわたる。

(24)

現在の住宅の総合満足度を4 段階評 価で聞いたところ、日本では 8 割以 上が満足だと回答したが、「たいへん 満足している」という強い満足は10% にとどまった。一方英国では96%と ほぼ全員が満足だと回答し、40%が 「たいへん満足している」とした。

(25)

今後住み替えをしたいか、この先ずっと今の家に住み続けたいかについて、金銭面や家族の問題を考慮せず純粋な希望を聞いたところ、 日本では「住み替える予定がある」「ぜひ住み替えしたい」「できれば住み替えしたい」を合計した住み替え意向は30%、「できればずっと住 み続けたい」「ぜひずっと住み続けたい」「一生住み続けると決めている(住み替えをするつもりは一切ない)」を合計した永住意向は44%と なった。一方英国では住み替え意向が51%、永住意向は20%となった。米国ではそれぞれ53%、25%となった。 一戸建てと集合住宅で比較すると、日英ともに一戸建て居住者のほうが永住意向は高く、日本の一戸建て居住者では永住意向が51%と 半数以上に達する。

② 今後の住み替え意向と売却の意識

(26)

今自宅を売却するとしたらおおよそいくらくらいで売却できるか想定ができるかを聞いたところ、日本では「ある程度正確に想定できる」 または「おおよその価格は想定できる」と回答した割合は48%と半数に満たないが、英国では73%が想定できるとしている。米国にいたっ

(27)

③ 売却時の強み・弱み

自宅を売却するとした場合に、できるだけ有利な条件で売却するにはどのようなことが強みになりそうかを聞いたところ、日本では「交通 利便性」(58%)、「日当たり」(51%)、「近隣の学校、学区」(36%)が上位にあがった。一方英国では「交通利便性」(86%)、「部屋数、間取 りプラン(部屋の配置)」(64%)、「地域のステイタス、地域イメージ」(55%)が上位に上がった。日英で比較すると、「日当たり」以外はす べての項目で英国のほうが強みと回答する割合が高く、特に「部屋数、間取りプラン(部屋の配置)」「庭、バルコニー」「バスルームや キッチン等の設備」「建物の維持管理状態、コンディション」「地域のステイタス、地域イメージ」では30ポイント以上の差がある。 英国の築年数別にみると、築年数が上がるほど回答が増える傾向がある強みは「近隣の商業施設、医療施設」「建物の建築様式、外観 デザイン」など。特に110年以上の物件の居住者は、「地域のステイタス、地域イメージ」をはじめとして、たくさんの項目を強みだと回答 している。「築年数」を強みとするのは19 年以下と100年以上に2極化しているのは興味深い。 強 み

(28)

同様に弱みについて聞いたところ、日本では「築年数」が39%と突出し、以下「交通利便性」(20%)、「土地の広さ/住戸の広さ(専有面積)」 (19%)が上位にあがった。

一方英国では「建物の建築様式、外観デザイン」(16%)、「土地の広さ/住戸の広さ(専有面積)」(14%)、「近隣の緑地、自然環境」(14%) が上位に上がった。日英で比較すると、日本のほうが弱みと回答する割合が高く、特に「築年数」「日当たり」で大きな差がある。 弱 み

(29)

① 住宅の長寿命化のための重要項目

住宅の寿命について

(30)

住宅の諸要素のうちで住宅の長寿命化のための重要度を4 段階評価で聞いたところ、「とても重要度が高い」という強い重視は、日本では 「建物が頑丈(耐震性能が高い)」(69%)、「建物の耐久性が高い」(68%)が突出して高く、以下「定期的な点検・補修がされている」(46%)、 「省エネルギー性能(断熱性・機密性)が高い」(37%)、「内装や設備の維持管理、更新がしやすい」(34%)が上位にあがる。

一方英国では「建物の耐久性が高い」が62%で最も高く、以下「良好な居住水準を確保できる広さがある」(50%)、「省エネルギー性能 (断熱性・機密性)が高い」(45%)、「近隣の良好な住環境が保全されている」(43%)、「建物が頑丈(耐震性能が高い)」(41%)が上位に並ぶ。

(31)

① のつづき

日英で「とても重要度が高い」を比較すると、日本のほうが高いのは「建物が頑丈(耐震性能が高い)」「バリアフリー(高齢者等への対応) 性能が高い」「設計図書や点検・修繕の記録が保管されている」「定期的な点検・補修がされている」などハード的な要素が多く、英国の ほうが高いのは「良好な居住水準を確保できる広さがある」「近隣の良好な住環境が保全されている」「良好な地域コミュニティが維持さ れている」「建物に美的な個性がある」「近隣の街並みに美的な個性がある」「建物の外観が近隣の街並みと調和している」などソフト的 な要素が多い。

(32)

英国の築年数別にみると、19年以下の新しい物件の居住者と110 年以上の古い物件の居住者が特徴的な回答をしており、前者で多いの は「良好な居住水準を確保できる広さがある」「省エネルギー性能(断熱性・機密性)が高い」「内装や設備の維持管理、更新がしやすい」 「補修の部品や部材がいつでも容易に入手できる」「あまり手入れを必要としない建材で作られている」「先進的な工法、技術で建設されている」 といったハード的な要素、後者で多いのは「建物の外観が近隣の街並みと調和している」「近隣の街並みに美的な個性がある」「建物に 美的な個性がある」「建物に歴史的・文化的な価値がある」といったソフト的な要素があがる。

(33)

① のつづき

日英で「とても重要度が高い」と「重要度が高い」を合計した値を比較すると、日本のほうが高いのは「バリアフリー(高齢者等への対応) 性能が高い」「設計図書や点検・修繕の記録が保管されている」「建物が頑丈(耐震性能が高い)」などハード的な要素が多く、英国のほ うが高いのは「建物に美的な個性がある」「近隣の街並みに美的な個性がある」「良好な地域コミュニティが維持されている」「建物の外 観が近隣の街並みと調和している」などソフト的な要素が多い。

(34)

英国の築年数別にみると、築100年以上の古い物件で回答率が高い要素は「近隣の街並みに美的な個性がある」「建物に美的な個性が ある」「建物に歴史的・文化的な価値がある」などのソフト的なものがあがる。

(35)
(36)

住宅の長寿命化条件に関して現在住んでいる住宅の適合度を4段階評価で聞いたところ、「とてもあてはまる」という強い適合の割合は、 日本では最高でも24%と低位で、高い順に「設計図書や点検・修繕の記録が保管されている」(24%)、「建物が頑丈(耐震性能が高い)」 (21%)、「近隣の良好な住環境が保全されている」(20%)、「建物の耐久性が高い」(20%))、「定期的な点検・補修がされている」(20%) などハード的な要素があがる。 一方英国では強い適合の割合が高く、トップの「建物の耐久性が高い」では67%が「とてもあてはまる」と回答している。以下、「良好な居 住水準を確保できる広さがある」(54%)、「建物の外観が近隣の街並みと調和している」(52%)、「近隣の良好な住環境が保全されている」 (41%)、「建物が頑丈(耐震性能が高い)」(36%)、「内装や設備の維持管理、更新がしやすい」(36%)、「良好な地域コミュニティが維持 されている」(32%)が3 割を超えており、ソフト的な要素が多くあがる。

(37)

② のつづき

日英で「とてもあてはまる」を比較すると、日本のほうが高いのは「設計図書や点検・修繕の記録が保管されている」のみで、残りの要素 は圧倒的に英国のほうが高い。特に差が大きいのは「建物の耐久性が高い」「建物の外観が近隣の街並みと調和している」「良好な居住 水準を確保できる広さがある」「内装や設備の維持管理、更新がしやすい」「近隣の街並みに美的な個性がある」「良好な地域コミュニティ が維持されている」「近隣の良好な住環境が保全されている」などがあがる。

(38)

英国の築年数別にみると、築100年以上の物件で回答率が高い要素は「建物の外観が近隣の街並みと調和している」「近隣の街並みに 美的な個性がある」「建物に美的な個性がある」「建物に歴史的・文化的な価値がある」などのソフト的なものがあがる。

(39)

② のつづき

日英で「とてもあてはまる」と「まああてはまる」を合計した値を比較すると、日本のほうが高いのは「設計図書や点検・修繕の記録が保管 されている」「バリアフリー(高齢者等への対応)性能が高い」「人による好き嫌いが分かれない無難なデザインである」「先進的な工法、技術 で建設されている」などハード的な要素が多く、英国のほうが高いのは「近隣の街並みに美的な個性がある」「建物に美的な個性がある」 「建物に歴史的・文化的な価値がある」「内装や設備の維持管理、更新がしやすい」「補修の部品や部材がいつでも容易に入手できる」など ソフト的な要素が多い。

(40)

英国の築年数別にみると、築年数が上がるにしたがって回答が増える傾向が顕著な要素は「建物の外観が近隣の街並みと調和している」 「近隣の街並みに美的な個性がある」「建物に美的な個性がある」「建物に歴史的・文化的な価値がある」などのソフト的なものがあがる。

(41)

横軸に「住宅の長寿命化の重要度」(「と ても重要度が高い」の値)、縦軸に「現 在の住宅の適合度」(「とてもあてはまる」 の値)を取り、各要素をマトリクス上に プロットした。 日本では重要度と適合度に相関がみ られず下にはりついた形になっている が、英国では非常に高い相関がみられ 45度線に沿っていることがはっきりと わかる。すなわち日本では長寿命のた めに重要だと思っていても適わないも しくはあまりこだわらない状況にある ことが推察される。

② のつづき

(42)
(43)
(44)

住宅を買い替え・建て替えするとしたら、どのような長寿命化の条件を重視するかを4段階評価で聞いたところ、「とても重要度が高い」 という強い重視の割合は、英国と比較して日本では最高でも44%と低位で、高い順に「建物が頑丈(耐震性能が高い)」(44%)、「建物の 耐久性が高い」(39%)、「省エネルギー性能(断熱性・機密性)が高い」(34%)、「近隣の良好な住環境が保全されている」(31%)となった。 一方英国では強い重視の回答が多く、トップの「良好な居住水準を確保できる広さがある」では74%が「とても重要度が高い」と回答して いる。以下「近隣の良好な住環境が保全されている」(61%)、「建物の耐久性が高い」(61%)、「省エネルギー性能(断熱性・機密性)が高い」 (57%)が上位に並ぶ。

(45)

日英で「とても重要度が高い」と「重要度が高い」を合計した値を比較すると、日本のほうが高いのは「建物が頑丈(耐震性能が高い)」 「設計図書や点検・修繕の記録が保管されている」「バリアフリー(高齢者等への対応)性能が高い」の3つ。残りの要素は英国のほうが 高く、特に差が大きいのは「建物に美的な個性がある」「近隣の街並みに美的な個性がある」「良好な地域コミュニティが維持されている」

③ のつづき

日英で「とても重要度が高い」を比較すると、日本のほうが高いのは「建物が頑丈(耐震性能が高い)」「バリアフリー(高齢者等への対応) 性能が高い」「設計図書や点検、修繕の記録が保管されている」のみで、残りの要素は圧倒的に英国のほうが高い。特に差が大きいのは 「良好な居住水準を確保できる広さがある」「良好な地域コミュニティが維持されている」「近隣の良好な住環境が保全されている」などが あがる。

(46)

横軸に「住宅の長寿命化の重要度」(「と ても重要度が高い」の値)、縦軸に「買い 替えの重視条件」(「とても重要度が高い」 の値)を取り、各要素をマトリクス上に プロットした。 日本では重要度も重視条件も、ともに 低位で左下に集中しているが、英国 では両者に高い相関がみられ45度線 に沿っていることがはっきりとわかる。 しかも、英国では今後の重視条件の ほうが重要度よりも高いものが多く、 長寿命化の要素への強いこだわりを 持っていることが推測される。

(47)

④ 住宅の長寿命化に関する日本の意識

日本人のみを対象に、今後必要な補修・改修をしていくとして、現在の住宅は何年くらいもちそうかについて実数で聞いたところ、平均で 37.6 年となった。回答としては「41~ 50年」と「26 ~30年」が多かった。 住宅の種別でみると、一戸建てが 35.7年、集合住宅が39.6 年と4 年程度集合住宅のほうが長い。 以下の説明をした上で、日本の住宅を長寿命にしていくという政府の方針についてどう思うかを聞いた。 日本の住宅の寿命は30年と言われ、短期間で建て替えされています。一方、欧米では住宅の寿命は長く(米国では55年、英国では77年)、 築100年・200年といった古い住宅も普通に売買されています。 政府は「200年住宅ビジョン」として日本の住宅を長寿命化させる方針を打ち出し、今年は「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」 を施行し、耐久性や可変性など一定の性能基準を満たし、長期にわたって適切に維持管理される長持ちする住宅(下記参照)に対して、 不動産取得税や固定資産税などの優遇をすることになりました。 ◉「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の長期優良住宅認定基準(案) ① 耐久性(劣化対策) …………工法により、コンクリートの高耐久性、鋼材の劣化処理、木材の腐朽・蟻害防止処理など 適切なメンテナンスをすることで構造躯体が100年以上持つことが目安です ② 耐震性 ………免震建築または地震力を建築基準法の1.25倍/建築基準法のレベルでも震度7程度の地震に倒壊・ 崩壊せず、震度5程度では損傷しない耐震性があります ③ 維持管理・更新の容易性 …配管・排水管の点検や交換のしやすさ ④可変性 ………躯体天井高 2.65m 以上/間取りの変更がしやすくなります ⑤ バリアフリー性能 ………車椅子での使用を想定して共用廊下の幅員などの広さ確保など ⑥ 省エネルギー基準 …………次世代省エネルギー基準に適合 ⑦ 面積 ………戸建て100㎡以上、集合 55㎡以上(1 人世帯の場合は、それぞれ 55㎡、40㎡以上) ⑧ 住環境 ………当該地区の景観計画、まちなみ条例などと調和 ⑨ 計画的な維持管理 …………構造上主要な部分、雨水進入部分、給排水設備の定期的な点検・補修の計画がある

(48)

日本の住宅を長寿命にしていくという政府の方針について「大いに賛成」が22%、「まあ賛成」が54%と、あわせて75%の人が賛成と 回答した。

自分の住宅を、今後必要な補修・改修をしながら建てた時から100年程度もたせるということに対して、どの程度現実味が感じられるか を聞いたところ、「じゅうぶん現実味がある」とした人は5%しかおらず、「ある程度現実味がある」も33%と、あわせて37%しか現実感 を持ち合わせていない。

(49)

① 中古住宅選びに必要な情報と保管書類について

英国人に、今後中古住宅を購入するとした場合、物件選びの段階で、検討物件に関する情報や書類はどの程度必要だと思うかを聞いた ところ、「ぜひ必要」という回答が突出して多かったのは「権利書(登記証書)」(69%)と「建築確認済証・検査済証」(59%)であった。以下 「土地測量図面(地籍図)」(39%)、「管理規約、修繕計画など共用部の情報(共同住宅の場合)」(38%)、「第三者(機関)による住宅検査

報告書」(37%)、「固定資産税の納税通知書」(35%)が続く。これらは「必要」まで含めると7 割以上の人が必要としている。

HIP(Home Information Pack)について

(50)

英国人に、現在の住宅についての書類ですぐに取り出せる形で保管しているものを聞いたところ、「権利書(登記証書)」が63%で突出し て多く、以下「建築確認済証・検査済証」(41%)、「固定資産税の納税通知書」(40%)、「土地測量図面(地籍図)」(40%)が続く。「何 もない」という人も16%いる。

(51)

② H I P の認知状況

英国人に、「Home Information Pack(HIP)」を知っているか聞いたところ、「利用したことがある」は9%にすぎないが、「利用したことは ないが、内容は知っている」が64%と圧倒的に多く、7 割以上の人が理解している。また「内容はよく知らないが、名前は聞いたことがある」 が22%で、96%もの人が何かしら認知していることがわかった。

英国人にHIPについて認知している内容を聞いたところ、最も知られていたのは「売主から買主に対して、省エネ性能証書(Energy Performance Certificate : EPC)の提示が義務付けられている」で70%もの認知がある。その他の内容は「住宅検査報告書(Home Condition Report)は義務付けられておらず任意」が24%と低位である以外は、5 割以上の認知がある。

(52)

③ H I P 義務づけの影響

以下のような「Home Information Pack(HIP)」の説明をした上で回答してもらった。 ◉「Home Information Pack(HIP)」の説明文

・売主から買主に対して、取引概要書(Sales statement)として売り手の情報、物件の情報の提示が義務づけられている ・売主から買主に対して、権限証書(Evidence of title:登記簿や地籍図など)の提示が義務づけられている

・売主から買主に対して、上下水道に関する標準的な調査報告書や共有部に関する情報の提示が義務づけられている ・売主から買主に対して、省エネ性能証書(Energy Performance Certificate:EPC)の提示が義務づけられている ・住宅検査報告書(Home Condition Report)は義務づけられておらず任意

・HIPをつけずに不動産を売りに出すと売主に罰金が科せられる ・HIPの作成コストは£195+VAT ~£355+VAT 不動産の売却時にHIPの提供が義務づけられたことで不動産取引の場面にどのような影響があると思うかを聞いたところ、「買い手が物 件の情報を調べる手間とコストが節約できる」が59%で最も多く、以下「事前にコストがかかるので、売り手にとって気軽に売却の打診 ができなくなる」(47%)、「本気でない様子見の売却希望が減り、買い手にとって確実な物件選びができる」(41%)、「買い手が物件の価 値を正しく評価しやすくなる」(38%)、「取引後のトラブルが減る」(37%)、「交渉、取引にかかる期間が短縮される」(34%)が3割を超えた。

(53)

④ H I P のメリット

売り手の立場としてHIPはどの程度メリットがあるか聞いたところ、メリットがあるとした人が36%、メリットはないとした人が39%と約 半々となった。

買い手の立場としてHIPはどの程度メリットがあるか聞いたところ、メリットがあるとした人が59%、メリットはないとした人が24%と、 メリットがあるとした人のほうが多かった。

(54)
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① 家に対する価値観

住意識比較

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家に対する価値観について 4 段階評価で聞いたところ、「とてもあてはまる」という強い適合度の割合は、英国と比較すると日本では最 高でも48%と低位であり、高い順に「家は家族が団らんする場所である」(48%)、「家は仕事の疲れをいやす休息場所である」(40%)、 「家は家族の思い出を刻むものである」(36%)となった。 一方英国では強い重視の回答が多く、トップの「家は一人前の大人の甲斐性として持つべきものである」では65%が「とてもあてはまる」 と回答している。以下「家は仕事の疲れをいやす休息場所である」(57%)、「家は便利な機能で快適な生活を助ける道具である」(47%)、 「家は友人や仲間を招いて交流する場である」(44%)、「家は家族が団らんする場所である」(42%)が上位に並ぶ。

(57)

① のつづき

日英で「とてもあてはまる」を比較すると、日本のほうが高いのは「家は家族が団らんする場所である」「家は家族の思い出を刻むものである」 がわずかに高いのみで、残りの要素は圧倒的に英国のほうが高い。特に差が大きいのは「家は一人前の大人の甲斐性として持つべきもの である」「家は資産として有利な投資対象である」「家は友人や仲間を招いて交流する場である」「家は持ち主の個性やセンスを表すもので ある」「家は便利な機能で快適な生活を助ける道具である」などで、20ポイント以上の差がある。英国は米国と比較しても家の価値意識 は高い。

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② 住宅に対する考え方

住宅に対する考え方について4 段階尺度の一対比較で聞いたところ、日本で明確な意見としては「新築の家のほうが性能、機能の面で 安心である」(89%)、「せっかく家を買うなら、すべてが新品の新築住宅が気持ちがよい」(89%)、「家は築年数が経つほど老朽化し見栄えが 悪くなる」(81%)、「家を買うなら、自分の思い通りに設計した自分だけの住宅が理想的だ」(74%)、「古い家に大金をかけてリフォームするなら、 いっそ新築したほうが経済的」(71%)が 7 割を超えた。新築志向、自分志向が明白である。 一方英国で明確な意見としては「前に住んでいた人のことは気にならない」(87%)、「古い家の古い味わいを生かしながら、自分なりに 改装して住むのがおしゃれ」(73%)、「修繕・リフォームすれば使える家を取り壊して建て替えするべきではない」(70%)が 7割を超えた。

(60)

日英米の加重平均値を折れ線でグラフ化した。Aが新築や個人志向性、Bが中古志向や公共志向性を表現した項目となっているが、明 らかに日本がA寄り、英国がB寄りの極端な志向を示している。米国はちょうどその中間にある。 特に日英の差が大きいのは、 「見知らぬ人が長年住んだ家に暮らすのは気が進まない」 v.s. 「前に住んでいた人のことは気にならない」 「新築の家の方が性能、機能の面で安心である」 v.s. 「長い年月の使用に耐えてきた家のほうが、性能、機能の面でも信頼できる」 「せっかく家を買うなら、すべてが新品の新築住宅が気持ちよい」 v.s. 「真新しい家よりもある程度使い込まれた家のほうが心地よい」

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③ 現在の居住地域への関心

住宅に関してどの程度こだわりが強いかを聞いたところ、日本では「非常にこだわりが強い」が9%、「ややこだわりが強い」が56%で 計 64%がこだわりが強いと回答した。英国ではそれぞれ17%、54%で計71%と日本を上回っているが、それは一戸建て居住者のこだわ りが強いためで、集合住宅居住者では日本とそれほど変わらない。米国では「非常にこだわりが強い」が26%に達し、84%がこだわり が強いとしている。 現在住んでいる地域に対しての愛着を聞いたところ、日本では「非常に愛着が強い」が21%、「やや愛着が強い」が58%で計79%が愛着 があると回答した。英国では愛着があると回答した人の総計は87%と日本と8ポイントしか差がないが、「非常に愛着が強い」という人は 45%と約半数を占め、日本の倍以上となった。米国は英国とほぼ同じ結果となっている。

(62)

住んでいる地域または集合住宅は住民同士のコミュニケーション・交流が盛んかどうかを聞いたところ、日本では「非常に交流が盛ん」は わずかに4%、「まあ盛ん」が41%で計45%が交流があるとした。英国ではそれぞれ10%、46%で計56%と半数を超えている。一戸建 て居住者と集合住宅居住者を比較すると、交流があるという回答は、日英ともに一戸建て居住者のほうが10ポイント以上高い。米国は 英国と同水準である。

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④ 地域イメージ向上のための行動

地域の資産価値や地域イメージ向上のためにどのような行動を取っているかを聞いたところ、日本では「いずれの行動も取っていない」が 48%と半数近くを占め、最も多い行動でも「植栽、前庭の手入れを怠らない」の20%となっている。一方英国では「いずれの行動も取ってい ない」は15%にとどまり、「植栽、前庭の手入れを怠らない」の57%を筆頭に、「自邸の外壁や塀・柵は定期的に補修・改修をしている」(52%)、 「地域協定を遵守している」(45%)、「洗濯物は通りから見えないように干している」(41%)、「自邸の外観や植栽は、自分の好みは我慢して 近隣の家との調和を重視している」(35%)が3 割を超えている。米国と比較しても実施している行動量は多い。

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⑤ 街並み・景観の維持保全について

近隣の街並みの景観の良さ/悪さが住宅の資産価値にどの程度影響するかを聞いたところ、日本では「非常に大きく影響すると思う」は 6%に過ぎず、「大きく影響すると思う」が34%、「やや影響すると思う」が47%で計87%が影響すると回答した。英国では「非常に大きく 影響すると思う」という人は日本よりも40ポイント高い46%を占め、影響すると回答した人の総計は99%とほぼ全員という結果となった。 米国は「非常に大きく影響すると思う」という人が59%に達する。 日本人のみに、居住地域の街並み・景観の保護改善のために必要な対策について聞いたところ、最も多かったのが「パチンコ店や風俗 店の出店規制」(47%)となった。以下「公園や緑地、農地の保護」(44%)、「道路の整備、拡幅」(39%)、「電線の地中埋設(電柱の撤去)」 (35%)、「街路樹の整備」(32%)が3割を超えた。

(66)

住む地域にある街並み・景観や居住環境を維持保全するための組織的な活動について聞いたところ、日本では「わからない」が51%、 「組織的な活動や支援はない」が27%、合わせて8 割弱が活動を認知していなかった。最も高い項目でも「自治体の条例・規制によって

保護されている」の12%。一方英国では活動を認知していない人は45%と半数を下回り、「地域のハウスオーナーで組合を組織して管理 している」が33%、「自治体の条例・規制によって保護されている」が25%となった。

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