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Academic year: 2021

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(1)

3Rシステム化可能性調査事業

(超硬工具スクラップの回収促進事業)

報告書

平成23年2月

経済産業省

委託先

平成22年度資源循環推進調査委託費

(2)

目 次

報告書概要

I. 事業の背景と目的 ... 1

I-1. 事業の背景 ... 1 I-2. 事業の目的 ... 1 I-3. 事業の実施内容 ... 2

II. 超硬合金スクラップのリサイクルを取り巻く現状 ... 3

II-1. 超硬工具の生産・輸出入の動向 ... 3 II-2. 超硬工具の用途 ... 7 II-3. 超硬工具向けタングステンの供給動向 ... 8 II-4. 超硬合金スクラップのリサイクル状況 ... 17

III. 超硬工具ユーザーにおける超硬合金スクラップの排出実態 ... 19

III-1. 調査概要 ... 19 III-2. 購入から処理に至るまでの一般的流れ ... 30 III-3. 超硬合金スクラップのリサイクル拡大に向けた阻害要因 ... 35 III-4. ガイドラインに盛り込むべき事項(ケーススタディ会合等から) .... 40

IV. 中国における超硬合金スクラップの流通実態 ... 43

IV-1. 中国タングステン産業の現状 ... 43 IV-2. 中国におけるタングステンくずの輸入状況 ... 46 IV-3. スクラップ回収事業者における流通実態 ... 52 IV-4. タングステンの製精錬事業者における流通実態 ... 56

V. ガイドライン(案) ... 58

Ⅰ.はじめに ... 59 Ⅱ.超硬工具スクラップ(超硬合金スクラップ)のリサイクルの背景 ... 60 Ⅲ.超硬合金スクラップのリサイクル拡大に向けたガイドライン ... 64 Ⅳ.参考資料 ... 72

VI. 今後の課題 ... 77

VI-1. ガイドライン(案)の普及 ... 77 VI-2. リサイクル率の向上に向けた課題 ... 79

資料編 ... 82

(3)

■本報告書における用語の定義 本報告書で使われる用語の定義は、以下のとおりである。超硬工具協会「超硬工具 用語集(2008)」で定義されている用語はそれに倣い、それ以外については業界慣習 などを参考に本報告書に限定して定義した。なお、政府統計における用語と業界で慣 習的に用いられている用語の定義は必ずしも一致していない場合があり、以下はこの 報告書に限定して定義した用語である。 用 語 定 義 超硬合金(超硬チッ プ) 炭化タングステン(WC)を主原料(主成分)とし、用途によっては炭化チタ ン(TiC)、炭化タンタル(TaC)などの高融点金属炭化物を添加し、金属コ バルト(Co)を結合剤(バインダ)に用いて、粉末冶金法により焼結した合 金の総称で、広義の工具材料として用いられる。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) 超硬(合金)工具 超硬合金を使用した切削工具、耐摩工具(塑性加工工具)、鉱山土木工具な どの総称。超硬工具の構造により、ろう付け工具、ソリッド(むく)工具、 刃先交換工具、焼きばめ工具などがある。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) むく工具 (ソリッド工具) 刃部とボデー又はシャンクとを一体の工具材料で作った工具。ソリッド工具 ともいう。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) ろう付け工具 刃部の材料をボデー又はシャンクにろう付けした工具。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) 刃先交換工具 刃先交換チップをボデー又はシャンクに機械的に取り付けたクランプ工具。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) 刃先交換チップ 機械的にボデーに取り付けられ、一つの刃部が工具寿命に達すると、他のコ ーナーあるいは他のチップに交換して、再研削することなく、そのまま作業 を継続できるようにしたチップ。通常、複数の刃部をもち、ネガティブレー キタイプとポジティブレーキタイプがある。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) 超硬合金スクラップ 超硬工具生産工程で発生する研磨スラッジ、回収スクラップ粉、不良品、製 品陳腐化によるスクラップ品など、並びにユーザー使用済みの超硬工具。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) 超硬合金スクラップは、超硬工具メーカーで発生するソフトスクラップ(焼 結前のこぼれ粉や研削スラッジなど)と超硬工具ユーザーなどで発生するハ ードスクラップ(使用済み超硬工具や焼結失敗品など)に大別される。 なお、本報告書では調査仕様との整合性確保の観点から「超硬工具スクラッ プ」と記載している場合があるが、これは「超硬合金スクラップ」を指す。 再生原料 超硬合金スクラップを再度、超硬合金の原料として再生したもの。リサイク ル処理方法により、成分が異なる。 再生製品 再生原料を使用した超硬工具。 直接原料 超硬合金の原料となるタングステンカーバイド(一般には粉末状)。 中間原料 タングステンカーバイドの原料となるもの。パラタングステン酸アンモニウ ム(APT)、三酸化タングステン、タングステン粉など。 リサイクル 超硬合金スクラップの回収→超硬合金原料の製造→超硬工具製品の製造ま での一連サイクル。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) 回収 超硬合金スクラップを発生場所から収集すること。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) 選別(分別) 各種リサイクル処理方法に適するように、形状、組成などによる品分け作業。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から)

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用 語 定 義 再生処理 再生原料を生産する行為。再生処理技術には、化学処理法(イオン交換法)、 亜鉛処理法、高熱処理法、コールドストリーム法及び電解法などがある。な お、現在、我が国内で行われている方法は、化学処理法と亜鉛処理法である。 亜鉛処理法 超硬合金を溶融亜鉛と反応させた後に、脱亜鉛を行うことにより、多孔質な 超硬となり、粉砕の容易な再生粉を得る方法。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) 再生処理技術の一つである。 化学処理法 一般には、超硬合金を酸化処理後、従来の天然原料の精錬方法を用いてAP Tを製造する方法。 (超硬工具協会「超硬工具用語集(2008)」から) 再生処理技術の一つである。 超硬工具メーカー (メーカー) 超硬工具を生産する事業者。超硬工具を生産するメーカーを総称して超硬工 具メーカー業界(またはただ単に業界)と言う。 超硬工具ユーザー (ユーザー) 自動車や工作機械などの生産に際して、超硬工具を使用する事業者。 回収事業者 超硬工具メーカーや超硬工具ユーザーから排出される超硬合金スクラップ を回収する事業者であり、「非鉄専門問屋」と「鉄くず問屋」がある。 回収事業者のうち、超硬合金スクラップなど、主に非鉄金属スクラップの回 収を目的とする者を「非鉄専門問屋」といい、ステンレス鋼など、主に鉄ス クラップの回収を目的とする者を「鉄くず問屋」という。 製精錬事業者 タングステン鉱石からの「製錬」、中間原料や超硬合金スクラップからの「精 錬」を行い、中間原料や直接原料を生産する事業者。 特殊鋼メーカー 炭素鋼に特殊元素を加えてその性質を改善した特殊鋼を生産する事業者。タ ングステンなどを添加する高速度工具鋼などを生産している。 リサイクル率 「メーカー主体リサイクル率」 国内で回収した超硬合金スクラップを国内で再生処理、使用する場合の進捗 を示す指標。 リサイクルシステムの方向性として、超硬工具メーカーが主体となった国内 の取り組みが想定されるため、本指標を設定。 算出は、以下の式による。 {国内の超硬工具メーカーが主体的に回収し、製精錬事業者(国内)で再生 処理され、超硬工具メーカー(国内)で使用されるタングステン純分量}÷ {(国内の超硬工具メーカーから出荷される超硬工具のタングステン純分 量)+(工程内スクラップのタングステン純分量)} 「全体リサイクル率」 国内で回収した超硬合金スクラップを国内外で再生処理し、国内に還流さ れ、使用する場合の進捗を示す指標。 国内の超硬工具メーカーが主体となった取り組みに限定しない。 算出は、以下の式による。 (国内で回収し、製精錬事業者(国内外)で再生処理され、超硬工具メーカ ー(国内)で使用されるタングステン純分量)÷{(国内の超硬工具メーカ ーから出荷される超硬工具のタングステン純分量)+(工程内スクラップの タングステン純分量)} リサイクルシステム 超硬合金スクラップのリサイクル率を向上させるための体制および行動計 画。 関係各主体 リサイクルシステムを稼動させる主体。 国内の超硬工具メーカー、超硬工具ユーザー、回収事業者(非鉄専門卸問屋 および鉄スクラップ回収業)、製精錬事業者をいう。また、リサイクルシス テムへの関与ある場合、超硬工具の流通を担う工具販売店を含む場合があ る。 対策 リサイクルシステムを構成する個々の行動計画。

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平成22年度「3Rシステム化可能性調査事業 超硬工具スクラップの回収促進事業」 検討ワーキンググループ 委員名簿 委員長 高木純一郎 横浜国立大学大学院工学研究院 教授 委員 岡森良充 住友電気工業株式会社 ハードメタル事業部業務部 業務グループ長 委員 川口晃 日本新金属株式会社 営業部部長補佐 委員 黒金正道 日本タングステン株式会社 東京支店長 委員 関口紳一郎 超硬工具協会 事務局長 委員 矢崎逸夫 株式会社タンガロイ 生産本部調達部長 委員 矢野和義 矢野金属株式会社 取締役東京支店 ゼネラルマネージャー 委員 山田正二 アライドマテリアル株式会社 顧問 委員 渡邊茂 三菱マテリアル株式会社加工事業カンパニー プレジデント補佐 オブザーバー 永山純弘 経済産業省製造産業局産業機械課 課長補佐 オブザーバー 黒岩壮 経済産業省製造産業局産業機械課 生産機械二係長 オブザーバー 井口和之 矢野金属株式会社 取締役経営企画室長 オブザーバー 大石哲也 超硬工具協会 業務課長 事務局 織田博嗣 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部 主任研究員 事務局 加山俊也 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部 主任研究員 事務局 清水孝太郎 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部 主任研究員 事務局 山田心治 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部 副主任研究員 事務局 大澤拓人 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部 研究員 事務局 高橋渓 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部 研究員 事務局 遠藤智子 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部 アシスタントリサーチャー

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i 報告書 概要 ○タングステンなくして高精度の金属加工技術を維持することは困難 タングステンの供給途絶などによって、仮に超硬工具の生産が停止した場合、エン ジンや駆動関連の部品加工で超硬工具を多用する自動車メーカーなどでは、実質上の 生産停止に追い込まれる可能性がある。原理的に超硬工具以外のもので代替できなく もないが、加工速度が著しく低下して生産ラインそのものの設計変更が必要となる可 能性があるほか、また高硬度の被削材などについてはそもそも切削ができないなどの 問題を生ずる可能性がある。 ○超硬工具の主原料であるタングステンの供給不安は今後も継続する可能性あり 世界最大のタングステン供給国である中国では、国内生産および輸出の管理を強化 する方向にあるほか、中国国内では急増する需要に対して供給が追いついていないと いう事情があるため、相場はさらに高騰し、また確保が難しくなりつつある一次原料 (鉱石由来)のほかに二次原料(超硬合金スクラップ)の導入を増やそうとする傾向 にある。 ○大口の超硬工具ユーザーでは組織間調整が課題/外部からの働きかけが必要 大口の超硬工具ユーザーでは、超硬工具スクラップの発生させている現場担当者が リサイクルに協力しようと考えても、社内の機能が細分化されているため、社内調整 に要する時間や手間が大きくなってしまい、なかなか超硬合金スクラップのリサイク ルには進み難いという課題がある。そのため、政府や関連業界団体などからの働きか けによってトップダウンで進めたことが重要である。 ○リサイクルの認識度向上・分別ノウハウの向上・国内還流ルートの拡充がポイント 超硬工具ユーザーがリサイクルに取り組む際に課題となる事項は、そもそもリサイ クルの必要性を認識していない(それがために分別なども一切行っていない)、分別 がしっかりできていない、国内還流ルートを知らずにただ単に処分しているといった 課題に集約される。ガイドラインでは、これら課題を解決するため、リサイクルの現 状や重要性に関する情報提供を行うほか、また社内における選別ルールの設定や超硬 合金スクラップの売却先に関する検討を推奨している。 ○国内製精錬事業者の設備拡充や海外からのスクラップ還流などが今後の課題 国内で生産される超硬工具のうち、数割程度が海外へ輸出されたまま国内に還流せ ずにいるので、海外における超硬合金スクラップの賦存量や回収可能性に関する調 査・研究が、リサイクル率の更なる向上を目指す上で重要である。また、回収された 超硬合金スクラップの一部は海外の委託精錬に回されていることを考えると、国内の 再生処理能力を向上させることでリサイクル率の向上に直結させることができる。そ のため、再生処理技術に関する研究開発や設備導入時の補助・支援制度についても引 き続き重要である。

参照

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