8
8
8
.
.
.
労
労
労
働
働
働
保
保
保
険
険
険
特
特
特
別
別
別
会
会
会
計
計
計
(1)概要
労働保険特別会計は、昭和 22 年に失業保険事業等の経理を明確にするため設置された失業保 険特別会計及び労働者災害補償保険特別会計が、昭和 47 年に一元化され設置されたものです。 さらに、昭和 50 年から従来の失業保険制度に代わり、失業補償機能を発展的に継承するとと もに、雇用構造の改善等雇用に関する総合的機能を有する雇用保険制度が新設されたところです。 労働保険特別会計は、労災保険事業を経理する労災勘定、雇用保険事業を経理する雇用勘定及 び労働保険料の徴収に係る業務を経理する徴収勘定の 3 勘定に区分されています。 労働保険特別会計の仕組み 労災保険及び雇用保険に係る保険料は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律に基づく労 働保険料として一括徴収されており、それぞれ労災保険率及び雇用保険率が定められています。 徴収勘定の歳入に計上された労働保険料のうち、労災保険率及び雇用保険率に相当する部分 の額は、徴収勘定からそれぞれ労災勘定及び雇用勘定の歳入として繰り入れられています。 一般会計 徴収勘定 事業主等 事業主等 一般会計 労災勘定 雇用勘定 労災勘定 雇用勘定 徴収勘定 労災勘定 雇用勘定 一般会計 国庫負担金 業務取扱費等 保険料等 被災労働者等 国庫負担金 保険料等受入 業務取扱費等 保険給付費 徴収勘定 失業者等 雇用安定等事業費 失業等給付費 財源受入 財源受入 保険料等繰入 国庫負担金 労働保険 特別会計 (歳入) (歳出) 社会復帰促進等事業費(2)具体的な事業の内容
本特別会計は、労災勘定、雇用勘定、徴収勘定に区分され、それぞれ以下の事業等に関する経 理を行います。 ① 労災勘定 労働保険特別会計労災勘定は、労働者災害補償保険法(昭 22 法 50)による労災保険事業 に関する政府の経理を明確にすることを目的とし、業務上の事由等による労働者の負傷等に対 して迅速かつ公正な保護をするための保険給付及び被災労働者の社会復帰の促進等を図るた めの社会復帰促進等事業を行っています。 ② 雇用勘定 労働保険特別会計雇用勘定は、雇用保険法(昭 49 法 116)による雇用保険事業に関する 政府の経理を明確にすることを目的とし、失業等給付を行うほか、雇用安定事業及び能力開発 事業(雇用二事業)を行うものです。 ③ 徴収勘定 労働保険料の徴収に係る業務を経理する勘定であり、労災・雇用保険事業にかかる労働保険 料を一元的に徴収し、徴収した労働保険料等を労災勘定及び雇用勘定に繰り入れを行っていま す。 労働保険特別会計の仕組み(22 年度予算ベース) 社会復帰促進 等事業 保険給付等 療養のため休業す る場合 死亡した場合 社会復帰促進事業 安全衛生確保等 事業 失業等給付 求職者給付 就職促進給付 教育訓練給付 雇用継続給付 雇用安定事業 雇用安定事業 能力開発事業 労働者災害補償保険制度(労災勘定) 雇用保険制度(雇用勘定) 療養(補償)給付・休業(補償)給付 ・傷病(補償)年金 障害(補償)給付 遺族(補償)給付 ・葬祭料(葬祭給付) 介護(補償)給付 二次健康診断等給付 一般求職者給付 高年齢求職者給付 短期雇用特例求職者給付 日雇労働求職者給付 就業促進手当 教育訓練給付金 高年齢雇用継続給付 育児休業給付 介護休業給付 積 立 金 積 立 金 雇用安定資金 【財源】 保険料 平均 5.4/1,000 (全額事業主負担) 一部国庫補助 【財源】 保険料 12/1,000 (労使折半) 国庫負担(13.75%) 【財源】 保険料 3.5/1,000 (事業主負担) 障害が残った場合 常時又は随時介護 を要する場合 脳・心臓疾患に関 連する異常所見を 有する場合 被災労働者等援護 事業87, 169億円 (+22,597) 雑収入等 3,498(▲85) 徴収勘定より受入 8,257(▲718) 一般会計より受入 3,010(+1,409) 雑収入等 14,437(+11,517) 徴収勘定より受入 24,362(+5,605) 保険収入 32,579 (+4,856) 他勘定より受入等 1,026(+13) 労災勘定 雇用勘定 徴収勘定 【 歳 入 】
(3)特別会計の現状
① 歳入歳出予算(平成 22 年度当初予算) ○歳 出 総 額 、 歳 出 純 計 額 、 「 10.0 兆 円 」 ( 歳 出 純 計 額 か ら 国 債 償 還 費 、 社 会 保 障 給 付 等 を 除 い た 額 ) に 含 ま れ る 額 (単位:億円) 勘定 歳出総額 歳出純計額 「10.0 兆円」に含まれる額 労災勘定 11,269 (+ 109) 10,615 (▲ 72) 2,568 (▲120) 雇用勘定 41,809(+18,531) 41,567(+18,564) 14,776(+7,572) 徴収勘定 33,605 (+4,869) 987 (▲ 18) 987 (▲ 18) 特別会計合計 86,683(+23,508) 53,169(+18,473) 18,331(+7,434) ○「10.0 兆円」に含まれる額の主な内容 (単位:億円) (労災勘定) 内容 額 説明(増減要因) 社会復帰促進等事業費 1,623(▲282) 社会復帰促進等事業として行う被災労働者等に対する特 別支給金の支給等 業務取扱費 449(▲17) 業務取扱いに必要な人件費、事務費等 労働安全衛生対策費 220(▲40) 社会復帰促進等事業として行う労働災害防止対策事業の 民間団体への委託等 (雇用勘定) 内容 額 説明(増減要因) 地 域 雇 用 機 会 創 出 等対策費 8,112(+6,906) 雇用安定事業として行う雇用調整助成金の支給等 (雇用調整助成金の増加 +6,871) 高 齢 者 等 雇 用 安 定・促進費 1,216(▲557) 雇用安定事業として行う特定求職者雇用開発助成金の支 給等 【 歳 出 】 (単位:億円) 保険給付費等 9,171(▲31) 労災勘定 雇用勘定 徴収勘定 86,683 億円 (+23,508) 社会復帰促進等事業費 818(▲84) 業務取扱費等 1,279(+224) 失業等給付費 26,790(+10,992) 雇用安定事業費等 11,654(+6,318) 雇用勘定へ繰入 24,362(+5,605) 労災勘定へ繰入 8,257(▲718) 保険料返還金等 987(▲18) 予備費2,080(+1,190) 業務取扱費等1,285(+30) ※歳入歳出差額が、486 億円あります。これは、翌年度へ繰り越される額を除き、将来の給付のため積立金 に積み立てられます。(徴収勘定) 内容 額 説明(増減要因) 業務取扱費 436(▲40) 業務取扱いに必要な人件費、事務費等 諸支出金 550(+22) 保険料の精算による返還金、過誤納に係る保険料の払戻し ○一般会計からの受入の内容 (単位:百万円) 勘定 額 使途 労災勘定 371(▲30) 労働者災害補償保険事業に要する費用 雇用勘定 301,040 (+140,865) 求職者給付及び雇用継続給付に要する経費及び雇用保険事業の事 務に要する経費 徴収勘定 88(+25) 一般拠出金の徴収に要する費用 特別会計合計 301,498 (+140,860) ○その他の主な歳入の内容 (単位:百万円) (労災勘定) 内容 額 説明 徴収勘定より受入 825,660 (▲71,821) 保険給付費等に相当する金額の徴収勘定からの受入 支払備金受入 180,650 (▲4,472) 既に業務災害等を受けた労働者等に対し支払うべき給付 額の資金の前年度からの繰入 (雇用勘定) 内容 額 説明 徴収勘定より受入 2,436,185 (+560,531) 失業等給付費等に相当する金額の徴収勘定からの受入 積立金より受入 1,160,107 (+971,425) 失業等給付費及び雇用安定事業費の財源に充てるための 積立金からの受入 雇 用 安 定 資 金 よ り 受入 231,147 (+199,477) 雇用安定事業費の財源に充てるための雇用安定資金から の受入 (徴収勘定) 内容 額 説明 保険料収入 3,257,383 (+485,583) 「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」に基づき徴 収した労災保険料及び雇用保険料 一般拠出金収入 8,658 (▲245) 「石綿による健康被害の救済に関する法律」に基づき、 労災保険適用事業主から徴収した一般拠出金 労災勘定より受入 54,021 (+9,027) 保険料返還金、業務取扱費及び附属諸費の労災勘定から の受入 雇用勘定より受入 24,192 (▲3,327) 保険料返還金、業務取扱費及び附属諸費の雇用勘定から の受入
② 剰余金(平成 20 年度決算) (単位:億円、単位未満切捨) 勘定 収納済 歳入額 支出済 歳出額 剰余金 翌年度 歳入繰入 積立金積立 資金組入 一般会計へ 繰入 労災勘定 14,474 10,834 3,640 2,068 1,571 ― 雇用勘定 28,126 20,287 7,838 1,268 6,570 ― 徴収勘定 36,748 36,412 335 335 ─ ─ 特別会計合計 79,348 67,534 11,813 3,672 8,141 ― 平成 20 年度決算における剰余金は、労働保険特別会計全体で 1 兆 1,813 億円です。 <労災勘定> 労災勘定における剰余金は、3,640 億円です。 (剰余金が生じた理由) 予算時に見込まれる歳入歳出差額に加え、労働災害の減少に伴い歳出予算の大部分を占める保 険給付の支給が予定を下回ったこと等のためです。 (剰余金の処理の方法) 歳入歳出差額から支払備金に相当する額(当該年度に支払うべき債務で、支払のため翌年度以 降に繰り越されるべき保険給付費等に関し算定した額)、未経過保険料に相当する額(未経過期 間に対応する責任に相当する額として算定した保険料)及び翌年度への繰越額(例えば、庁舎建 設事業における工期の遅れ等の理由から年度内に完了しないため、その経費の支出が年度内に行 えず、翌年度に持ち越して使用するもの)を控除した額を既裁定の労災年金受給者に対する将来 の年金給付の原資(確定責務)として積み立てることとしています。 <雇用勘定> 雇用勘定における剰余金は、7,838 億円です。 (剰余金が生じた理由) 失業等給付費を要することが少なかったこと等による歳出減のためです。 (剰余金の処理の方法) 雇用保険二事業費充当歳入以外の歳入の収納済歳入額から二事業費充当歳出以外の歳出の支 出済歳出額、翌年度への繰越額及び受入超過額を控除した残額を積立金として積み立て、二事業 費充当歳入の収納済歳入額から二事業費充当歳出の支出済歳出額を控除した不足額を雇用安定 資金から補足しています。 <徴収勘定> 徴収勘定における剰余金は、335 億円です。 (剰余金が生じた理由) 前年度において保険料返還金が予定より少なかったこと等により、前年度剰余金受入が予定よ り多かったこと等によるものです。 (剰余金の処理の方法) 特別会計法第 8 条第 1 項の規定により翌年度の歳入へ繰り入れることとしています。なお、 翌年度へ繰り入れた剰余金は、特別会計法第 102 条第 1 項及び第 2 項の規定による他の勘定へ の繰入れ、労働保険料の返還金、業務取扱費及び石綿による健康被害の救済に関する法律(平 18 法 4)第 36 条の規定による交付金に充てることとしています。
③ 積立金等(平成 20 年度決算処理後) 積立金(労災勘定) ① 積立金の残高 (単位:億円) 平成 22 年度末(予定) (平成 22 年度当初予算) 平成 21 年度末(予定) (平成 21 年度第 2 次補正後) 平成 20 年度末 (平成 20 年度決算組入後) 81,957 81,967 80,985 ② 積立金の目的 特別会計法第 103 条第 1 項の規定により「労災保険事業の保険給付費及び社会復帰促進等 事業費(特別支給金に充てるためのものに限る。)に充てるために必要な金額」を積立金とし て積み立てることとしており、労災年金債務の履行等に充てるために必要な金額を勘案して、 将来の給付等のため、徴収勘定から繰り入れられた労働保険料の一部を積立金として積み立て ることとしています。 すなわち、積立金は既裁定の労災年金受給者に対する将来の年金給付のための責任準備金 (確定債務)です。 ③ 積立金の水準 積立金の必要水準は、既裁定の労災年金受給者に対する将来の年金給付の原資(確定債務) として、年金の種類ごとに以下の方法により推計して得た額を合計したものです。 (1)既裁定の年金受給者の将来各年度における残存数を推計する。 (2)将来各年度の残存している年金受給者に対する給付額を推計する。 その際、平均給付額を賃金上昇率分によって増やすとともに、運用利回りで割り引く。 平成 20 年度末において、既裁定の労災年金受給者に対する将来の給付に必要な金額は、8 兆 2,126 億円と見込んでいます。 積立金(雇用勘定) ① 積立金の残高 (単位:億円) 平成 22 年度末(予定) (平成 22 年度当初予算) 平成 21 年度末(予定) (平成 21 年度第 2 次補正後) 平成 20 年度末 (平成 20 年度決算組入後) 41,060 50,454 55,821 ② 積立金の目的 毎会計年度の歳入額(雇用保険二事業充当分を除く)から歳出額(雇用保険二事業費を除く) を控除した残余すべてを、積立金として積み立てています。 ③ 積立金の水準 将来の不況期の失業等給付費や保険料水準を維持するための財源として、好況期に積み立て る資金です。
雇用安定資金(雇用勘定) ① 雇用安定資金の残高 (単位:億円) 平成 22 年度末(予定) (平成 22 年度当初予算) 平成 21 年度末(予定) (平成 21 年度第 2 次補正後) 平成 20 年度末 (平成 20 年度決算組入後) 1,155 3,467 10,260 ② 雇用安定資金の目的 毎会計年度の歳入額(雇用保険二事業充当分)から歳出額(雇用保険二事業費に係るもの) を控除し、さらに不足する額を雇用安定資金から補足しています。 ③ 雇用安定資金の水準 平常時に将来必要となる資金を積み立て、不況期に機動的かつ集中的に雇用対策を実施して います。 なお、依然として厳しい現下の雇用失業情勢に対応した累次の雇用対策の実施により、雇用 安定資金の残高は過去最低の水準となっているため、平成 22 年度予算においては、雇用保険 法等の一部を改正する法律(平 22 法 15)により、暫定的に積立金から借り入れを行うこと としています。 ④ 資産及び負債(平成 20 年度特別会計財務書類)
労働保険特別会計貸借対照表
(単位:百万円、単位未満切捨) 19 年度末 20 年度末 19 年度末 20 年度末 <資産の部> <負債の部> 現金・預金 14,283,551 15,073,733 未払金 834 2,184 未 収 金 102,172 104,057 支払備金 318,229 378,920 未収収益 45,522 51,320 前受金 110,251 126,101 前 払 金 - 1 未経過保険料 20,968 20,361 前払費用 24 21 賞与引当金 5,313 4,634 貸倒引当金 △50,549 △51,602 責任準備金 7,960,507 7,977,520 有形固定資産 216,938 208,594 退職給付引当金 119,637 118,084 国有財産(公共 用財産を除く) 201,330 195,619 土 地 75,970 75,661 負債合計 8,535,741 8,627,807 立木竹 626 627 建 物 89,812 87,667 工作物 34,095 30,978 <資産・負債差額の部> 建設仮勘定 825 683 物 品 15,607 12,974 資産・負債差額 6,989,418 7,670,144 無形固定資産 19,161 28,887 出 資 金 908,337 882,939 資産合計 15,525,159 16,297,952 負債及び資産・負債差額合計 15,525,159 16,297,952 主な資産は、現金・預金であり約 15.0 兆円、主な負債は、責任準備金であり約 7.9 兆円です。 資産・負債差額の発生原因について、雇用勘定の資産・負債差額は約 7.3 兆円であり、約 6.7 兆円が現金・預金です。 当該現金・預金は、雇用勘定の積立金等ですが、これらは雇用保険事業の費用に充てることを 目的として労使より徴収された保険料を財源としているものであり、将来雇用情勢が急激に悪化⑤ 保険料率の根拠及び保険料率を見直す仕組みの内容等 労災保険率は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭 44 法 84)第 12 条第 2 項等に より、事業の種類ごとに、将来にわたる労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるよ うに過去 3 年間の災害率等を考慮して設定するものとされており、原則として3年ごとに改定す ることとされ、平成 21 年 4 月 1 日の労災保険率改定では3/1000~103/1000 の範囲で設 定されています(次回改定は平成 24 年 4 月 1 日予定)。 短期給付分については、給付に要する費用に見合う収入となるように純賦課方式により、長期 給付分については、新規年金受給者の将来分を含む給付費用総額に見合う収入となるように充足 賦課方式により各々算定しています。 雇用保険率については、労働保険の保険料の徴収等に関する法律第 12 条第4項等により、事 業の種類ごとに設定されています。雇用保険率は、積立金が一定の水準を超えた場合には失業等 給付にかかる保険料率を、雇用安定資金が一定の水準を超えた場合には雇用保険二事業に係る保 険料率を、それぞれ法律の改正を要さずに弾力的に一定の率を引き下げる仕組みとなっています (弾力条項)。