水工学論文集,第56巻,2012年2月
野外大型水理模型実験における変動成分の計測
と解析に関わる実際的技法の開発
-分合流を例として-
Practical techniques for measurement and analysis of fluctuating components in large
scale hydraulic model test in open air --- A case study of cut-off channel flow---
市山 誠
1・石川忠晴
2Makoto ICHIYAMA,Tadaharu ISHIKAWA
1正会員 工修 東京工業大学 総理工環境理工学創造専攻(〒226-8502 横浜市緑区長津田町4259) 2フェロー会員 工博 東京工業大学 総理工環境理工学創造専攻(〒226-8502 横浜市緑区長津田町4259)
This paper discusses practical techniques to measure fluctuation of velocity as well as of water surface level in a large scale hydraulic model test which is often carried out in open air. 1/70 scale model of a cut-off channel of actual river was used for the purpose. PIV measurement by using a fine resolution digital camera with short interval shooting was adopted for continuous velocity measurement in a wide area. A set of six servo level gauges was used for time series measurement of water level on each transect line. The data sets obtained separately by the methods mentioned above were synchronized by referring to a time series of water level measured at a fixed station. Correlation analysis of the synchronized data clarified the coherency of periodic fluctuation in time and space, and practical efficiency of the method was verified.
Key Words: large scale hydraulic model test, measurement of periodic fluctuation, particle image velocimetry, synchronized data analysis, cut-off channel
1. はじめに 大型水理模型実験は河川計画上重要な河道区間の流況 を把握するために広く用いられてきたが,敷地の確保, 費用,労力等の問題があるため,比較的単純な水理条件 の流れ場の検討は数値シミュレーションで代替されつつ ある1).しかし大型水理模型実験が河川流況の定量的把 握において確実で有効な手法であることに変わりはなく, 複雑形状の流れ場の検討における需要は依然として高い. ところで,構造物周辺などの水理実験では,水位や流 速に大きな変動を生じることがあるが,標準的な大型水 理模型実験では変動成分の計測はほとんど行われていな い.理由の一つは,治水施設が平均的流況を対象に設計 されることが多いためである.もう一つの理由は,通常 野外に設置される大型水理模型では室内基礎実験で用い られるような精緻な計測手法を利用しにくいことである. 本論文では,分水路開削により短区間に分流と合流が 存在する流れ場(以下,分合流という)に関する大型水 理模型実験を例として,変動性の高い流れに対する計測 手法を検討した結果を報告する.この種の分合流では, 上下流の境界条件が定常の場合においても,本川と分水 路の流れの干渉により水位と流速が大きく変動すること がある.その場合は,平均的な分流特性だけでなく,変 動特性を考慮に入れた水理検討が必要となる. 本研究では特に以下の点に留意して実験方法の実際的 改良を検討した.野外大型水理模型実験における流速測 定 に は 、 主 に 電 磁 流 速 計 とPTV ( Particle Tracking Velocimetry)が用いられるが、どちらも空間解像度が粗 く,またPTVでは同じ地点での流速時間変動を捉えられ ないという難点がある.そこで本研究ではPIV(Particle Image Velocimetry)を用いることとするが、野外である こと及び実験空間スケールが大きいことから、その適用 にあたり種々の現実的制約が生じる.また水位の時間変 動を面的に計測するには水位計を多数そろえる必要があ るが現実的には限界がある.本研究では以上の問題を考 慮して野外大型水理模型実験の実際的改良を行っている.
2.実験概要 2.1 実験模型 研究には,パシフィックコンサルタンツ株式会社つく ば技術研究センターに設置されている川内川推込地区分 水路の大型水理模型を使用した.本模型実験は時間平均 的な流況に対して最適な分水路形状を検討するために実 施されたもので,業務は2010年度に終了している.本研 究は業務終了後に放置されていた模型を修復して行われ た.模型は野外に設置された縮尺1/70の無歪みフルード 相似の固定床模型で,模型延長は約50mである.地形コ ンター図と模型諸元を図 1と表 1に示す.分水路床は水 平で,本川より約2.0cm高くなっている.なお流量は河 川整備計画流量4,000m3/s(模型流量は0.098m3/s)とした. 2.2 計測手法 (1) 計測対象領域 通常の野外大型水理模型実験では観測用に5段のロー リングタワー(高さ約10m)を仮設する.しかし図-1に 点線で示す分合流部の全体を1画面に収めるには高さ約 20mのタワーが必要となり,安全管理上の問題が生じる. また複数のタワーからPIV用画像を収録するには撮影の 同期や画像の接続などの問題が生じる. 一方,予備実験において,サーボ式水位計(東京計測 (株)製HK-101(本体部),HKT-30(検出部))を用いて模型 内の水位変動特性を調べたところ,分流点付近で周期性 の高い変動が観察された.また(3)に述べるように,大 規模な平面渦が存在し複雑な流況となっていた.そこで, 図-2 にTで示す地点に5段のローリンタワーを設置し, 観測することにした.さらに広領域を同時に計測するに は,複数の撮影装置の同期や画像の接続などが現実的に 問題となるが、それらは今後の課題とした. (2) 水位計測 藤田らはステレオ画像解析により面的な水位変動計測 を行っている2).そこで,同期した2台のカメラ (canon製EosX3)を図 2の地点Tに設置したタワーに取 り付けステレオ画像を収集した3).カメラの間隔は 1.0m , 各 カ メ ラ の 視 野 は 8.5m × 6.0m , 画 素 数 は 4752×3168ピクセルであった.しかし屋外の自然光での 撮影であること,対象領域が広いこと,水面を十分明確 にするための色素投入が難しいことから,十分な精度を 確保することができなかった. そこで8台のサーボ式水位計を以下のように用いて水 位変動を面的に計測することとした.図 2の(a),(b)に 示す2地点に水位計を1台ずつ置き,残りの6台を用いて 図に示す15測線の水位変動を1測線ずつ計測した.移動 計測の測点数は90である.なお図中の地点(c)は,3.1で 示す水位データを取得した場所である.また地点(d)は 3.2で示す流速データの取得場所である.後に示す変動 データ解析では地点(a)の変動波形の位相を基準にして変 動成分の面的な特性を整理した.なおサンプリングは 10Hzで行い,各測線の計測時間は10分とした. (3) 流速計測 対象区間の流速変動を面的に捉えるために,本研究で はPIV4)を用いた.通常のPIV計測ではビデオカメラが 用いられるが,本模型実験では広い範囲の画像を解析す るためビデオカメラでは解像度が不足すると考えられた. そこで解像度の高いデジタルカメラ(canon製EosX3)を 表 1 実験模型の諸元 原型値 模型値 長 さ 1/70 m 3,600 51.4 本川延長 水 深 1/70 m 10 0.143 代表値 流 速 1/701/2 m/s 5 0.598 〃 流 量 1/705/2 m3/s 4,000 0.098 整備計画流量 粗度係数 1/701/6 s/m1/3 0.04 0.020 計画粗度 備考 基本量 模型縮尺 単位 水理量 画像撮影範囲 撮影用タワー :水位計測点 (a) (b) (c) (d) (T) 1.0m 図 2 画像撮影による流速計測範囲と水位計測点 撮影用足場 (ローリングタワー:5段) 図 1 実験模型の地形コンター図 1.5m
使用し,1/4sec間隔で画像を収録した.撮影範囲を図2に, 画像の例を写真 1に示す.画像は俯角67°の斜め画像で ある.両岸にある赤白の平板(実寸は20cm×20cm)は, 画像を鉛直正射影に変換するためのマーカーである. トレーサーとして染料,アルミ粉,オガクズを用い5), 実体視により使用可能性を検討した.染料は水深方向に も拡散するので表面流速が明確に捉えられなかった.ま たアルミ粉は流下中に凝集して帯状に分布するため,水 路全体の計測が難しかった.オガクズは,木工用電導鉋 でできた木屑を31mm目と15mm目の篩にかけ,間に残 留したものを用いた.その結果,比較的容易に実体視で きたことから,本研究ではオガクズを使用することとし た.トレーサーの流下状況は,写真 1に示されている. なお流速計測の際にも基準地点(a),(b)にサーボ式水位 計を設置し,水位変動と流速変動の対応を把握できるよ うにしている. 2.3 時間平均の流況 変動特性については3.で解析することとし,本項で は時間平均の流れの特性をまとめておく. (1) 時間平均水位の空間分布 各測点の計測結果を10分間平均し,図 3にコンター図 として示す.分流前では本川の左岸側の水位が高い.こ れは上流から分水路にかけて河道が右方向に湾曲してい るためである.分水路への流入部で水位が急速に低下し, 分流後の本川左岸では水位が局所的に高くなっている. この水位分布により,本川河道に沿ってきた流れが流向 を変え,分水路方向の運動量を獲得していると考えられ る.一方,本川の中央から右岸側では,ほとんど水平の 水面形となっている.この部分では,次項にのべるよう に流速が相対的に小さく,特に右岸側では水平渦を伴う 死水域となっている. (2) 時間平均流速および流向の空間分布 写真1に示したような斜め画像を写真2のように鉛直正 射影に変換した.図に示すように,分流地点近傍の5.9m ×4.3mの領域を12.5cm角の格子に区切り,格子ごとに流 速値を求めた.格子数は47×34=1598点である.600sec 間に得られた2400画像についてPIV解析を行った.試行 計算の後,相関窓を65×65ピクセル,検索範囲を130× 写真 1 トレーサーの流下状況(斜め画像) 図 3 時間平均水位の平面分布 写真 2 PIV解析の解析格子配置(鉛直画像) -0.50 -0.45 -0.40 -0.35 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 経過時間 t(sec) 流速; U x (m / s ) 0.25 0.30 0.35 0.40 流速: U y (m /s) Ux Uy 図4 PIV解析による流速変動の例:地点(d) 図5 PIV解析による時間平均の表面流速分布
130ピクセルとした.写真中央での模型スケールではそ れぞれ25×25cmと50×50cmに相当する.図4に示すよう な流速の時間変動を,PIV解析の計測格子の全てにおい て得ている.この2400画像から得られた各計測点での流 速変動の時間平均を図5に示し,先ず分流地点の流況の 概要を考察する.図中の色が流速の絶対値を,矢印が流 向を示している.本川中央の高速流の大部分は加速しな がら分水路に流れ込み,一部が本川左岸沿いを流下して いる.なお分水路床が本川に対して高いことも,分水路 内流速が本川に比べて大きい一因となっている.分水路 から下流の本川中央部および右岸側の流速は非常に小さ く,いくつかの平面渦が形成されている.図の最下流部 では断面の右岸側半分で逆流が生じており,左岸側の順 流部に合流している.目視観察によれば,この逆流は河 道幅の3倍の長さの循環流を形成している. 3.変動特性 3.1 基準点における水位変動特性 図2に示した(a), (b), (c)3地点の水位記録を図6に示す. 分水路の本川下流の地点(a)では周期25sec程度の変動が 見られる.振幅は0.6cmで実スケールでは40cm程度であ る.また分水路出口付近の地点(b)では10sec程度の周期 の変動が見られ,その振幅は1.2cm(実スケールで80cm 程度である.模型内の横断平均水深は20cmのオーダー であり,上記の水位変動は3~6%の水深変化に対応する ので,流向,流速を変動させるに十分の大きさといえる. 一方,分水路上流側の地点(c)では周期2, 3sec程度の変動 が卓越している.模型河道幅が180cm,平均水深が20cm であることから,地点(c)の変動は河道横断方向のセイ シュに対応するものと思われる. 各地点の10分間の時系列データを用いてスペクトル解 析(FFT)を行った結果を図7に示す.地点(a)では25sec 程度を中心にした変動(以下,長周期変動という)が卓 越している.一方,地点(b)では10sec程度の振動(以下, 短周期変動という)が卓越するが,地点(a)で見られる長 周期変動もわずかに含まれている.また地点(c)では短周 期変動は明確でないが,長周期変動はわずかながら存在 するようである.以上より,本水域では周期25sec程度 の長周期変動と周期10sec程度の短周期変動が存在する こと,短周期変動は分水路内に限られるが長周期変動は 分水路下流の本川から分水路および上流域に侵入してい ることが推測される. 図1に示した模型で分流部と合流部の本川区間長は約 20m,平均水深は約20cmであることから,セイシュの周 期は約28secとなり地点(a)における長周期変動と概ね同 じ長さの周期である.また分水路の区間長は約4.0m,平 均水深は約12cmであることから,セイシュの周期は約 7.4secとなり地点(b)の短周期振動に対して短いが,分水 路の区間長を本川の河心部までと見なせばセイシュの周 期は約9.5秒となり,短周期振動の周期に近い値となる. これより周期変動は,河道の形状に規定された振動と考 えられる. 3.2 分水路付近の流速・流向変動 図2における地点(d)での流速変動成分(ux’, uy’)の時 系列を図8に示す.周期25sec程度の長周期変動のあるこ とがわかる.両成分の相関を図9に示す.相関の中心点 (緑丸:ux=-0.42m/sec, uy=0.34m/sec)は平均流速,ピン クの直線は平均流向である.変動成分の大きさは平均流 速の7%程度だが,流向は±4°程度の広がりを持つ. そこで流向の時間変動時系列を(ux’, uy’)から作成し 図8 PIV解析による流速変動成分(ux’, uy’)の時系列 st.H-3,地点(d) -0.08 -0.04 0.00 0.04 0.08 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 時間 t (sec) 流 速変動 成分 ux ’ (m / s) 流速変動成分;Ux-Uxave 流速変動成分;ux-ux,ave st.H-3,地点(d) -0.08 -0.04 0.00 0.04 0.08 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 時間 t (sec) 流 速変動 成分 u y ’ (m / s) 流速変動成分:Uy-Uya ve 流速変動成分;uy-uy,ave St.L-3,地点(c) 0 100 200 300 400 1 10 100 周期(sec) 振幅 st.L,地点(a) 0 100 200 300 400 1 10 100 周期(sec) 振幅 St.L,地点(b) 0 100 200 300 400 1 10 100 周期(sec) 振幅 図7 水位変動のスペクトル 図6 本川と分水路の水位変動 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 時間t (sec) 水位 偏差 (c m ) St.L,地点(c) -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 時間t (sec) 水位 偏差 (c m ) St.L,地点(b) -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 時間t (sec) 水位偏差(c m ) st.L,地点(a)
た.その結果を図10に赤線で示す.図中の青線は分水路 下流本川の地点(a)における水位時系列である.両者の波 形は非常に似ている.相互相関から時差を求めると約 1.9secで,その時の相関係数は-0.59である. PIV解析から求めた流速時系列と水位データ時系列か ら分水路の地点(b)における流量変動時系列を求めた.そ のスペクトルを図11にピンクで示す.図中の青線は図-7 に示した同地点の水位変動スペクトルである.流量変動 は20~30secの周期帯で大きくなっていることがわかる. このことから本川の周期25sec程度の長周期変動が分流 比に影響を及ぼしていると推察される. 3.3 長周期変動の伝播特性 (1) 解析方法 約25秒の長周期変動を正確に把握するため,地点(a)の 全水位変動についてFFTを実行した結果,卓越周期が 24.1secであった.本節ではこの周期24.1secの長周期時間 変動の空間構造について以下のように解析した.前述の ように,水位計測は横断測線ごと6点ずつで行われてい るため,同一時間での空間構造解析はできない.そこで 全ての計測で共通に取られている地点(a)の水位データを 基準とし,長周期変動の位相をあわせて解析を行う. まず図6に一例を示した地点(a)の水位計測データにつ いて,次式で定義される〈f g(T)〉の絶対値が最大となる 時刻Tを求める.
TTT0
/ TTT0
2 g T f t gt dt gt dt f (1) ここにtは時間,は24.1sec,Tは1周期積分の開始時刻, f(t)は観測時系列,g(t)はsin(2t/T)すなわち周期Tのsine 関数である.この演算により,周期24.1secの波が最も顕 著な時間帯を選択できる.続いて,各地点で選択した時 間を含む2の範囲で水位時系列を切り出し,次式で定 義される〈Xi g()〉を最大にするように時差を決定する.
TTT0 i
/ TTT0
2 g i X t gt dt g t dt X (2) ここにXi(t)は,対象とする水位時系列である.この演算 により,地点(a)における周期24.1secの変動成分について, その大きさと,地点(a)の水位変動に含まれる同じ周期成 分との時差とが決定できる.この時の〈Xi g()〉が対応 する振幅である. (2) 解析結果 解析例として測線Cと測線Iの各3点の結果を図12に示 す.上段は基準地点(a)の波形,下3段が各地点の波形で ある.全地点の解析結果を合成し,基準地点(a)の正弦波 形の位相を基準に半周期(12.0sec)の水面変動を1/8位 相ごとに図13に示す.また,水路断面の最深部に沿った 2本の縦断線(図14参照)において,各位相の水位縦断 波形を図15に示す. 図13から,長周期波動は下流側から左岸沿いに遡り, 図10 地点(d)の流向変動と地点(a)の水位変動 st.G-3,地点(d) -8.0 -4.0 0.0 4.0 8.0 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 t(sec) 平均流 向を 軸とした ときの 流向( D e g ) -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 水位 (c m ) 流向(平均流向を零度) 本川固定水位計 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 -12.0 -6.0 0.0 6.0 12.0 18.0 24.0 30.0 36.0 時刻t(sec) 水位 ( c m ) St.C-地点(a) St.C-sincの近似 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 -12.0 -6.0 0.0 6.0 12.0 18.0 24.0 30.0 36.0 時刻t(sec) 水位 ( c m ) St.C-1 St.C-sincの近似 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 -12.0 -6.0 0.0 6.0 12.0 18.0 24.0 30.0 36.0 時刻t(sec) 水位 ( c m ) St.C-3 St.C-sincの近似 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 -12.0 -6.0 0.0 6.0 12.0 18.0 24.0 30.0 36.0 時刻t(sec) 水位( c m ) St.C-5 St.C-sincの近似 基準地点(a) 測点C-1 測点C-3 測点C-5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 -12.0 -6.0 0.0 6.0 12.0 18.0 24.0 30.0 36.0 時刻t(sec) 水位( c m ) St.I-地点(a) St.-I sincの近似 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 -12.0 -6.0 0.0 6.0 12.0 18.0 24.0 30.0 36.0 時刻t(sec) 水位( c m ) St.I-1 St.-I sincの近似 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 -12.0 -6.0 0.0 6.0 12.0 18.0 24.0 30.0 36.0 時刻t(sec) 水位( cm ) St.I-3 St.-I sincの近似 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 -12.0 -6.0 0.0 6.0 12.0 18.0 24.0 30.0 36.0 時刻t(sec) 水位( c m ) St.I-5 St.-I sincの近似 基準地点(a) 測点I-1 測点I-3 測点I-5 図12 各地点における長周期変動の解析例 図11 分水路流量の時間変動 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1 10 100 周期(sec) 振幅/最大振 幅 分水路流量 St.L,地点(b) 図9 流速変動成分の相関 0.2 0.3 0.4 0.5 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 流速成分 ux (m/s) 流速成分 u y ( m/ s) 流速:st.H-3,(d) 平均流向(Uy/Ux) 平均流速(Ux,Uy) 流速:s t. H-3, (d) 平均流向(uy /ux) 平均流速(ux ,uy)分流点の直下流で右岸側に伝播して減衰していることが わかる.また図15より,測線Eまでは進行波として上流 側に伝播するが,測線Fより上流では振幅が小さく,定 在波的になっている.一方,分水路では,測点I-5までは 進行波として流れを遡るが,測点I-6より上流では不明確 になっている.以上のように,本川および分水路とも水 面変動は分流点(測点H-3)まではほとんど伝わってい ないが,下流部の水位変化によって水面勾配は周期的に 変化する.図10に示した流向変化の長周期変動は,この ために生じていると考えられる. 4.おわりに 本研究では,大型水理模型実験において変動特性を把 握するための計測方法を,川内川推込地区分水路の大型 水理模型を対象に検討した.その結果,以下の手法で水 位変動と流速変動および両者の関係を解析可能であるこ とがわかった. (1) 複数のサーボ式水位計をセットとして用い,横断測 線単位で時系列データを収集する.同時に変動の大 きな基準地点で時系列データを得ておき,その変動 の位相を基準として各横断測線のデータを解析した. (2) 流速については,タワーに取り付けた高解像度の ディジタルカメラにより 1/4sec 間隔で連続的に画像 を収録し,鉛直正射影画像に変換した後PIV 解析を 行う.トレーサーとしては,31mm 目と 15mm 目の 篩で選別した木屑が有効であった. また分水路付近の流れの変動について,次の点が明 らかになった. (3) 水位の長周期変動は本川で卓越し,短周期変動は分 水路で卓越し,本模型の場合 25sec と 10sec であっ た.長・短期の波の進行速度とセイシュの周期を検 討した結果,水位変動の伝わり方は水路延長と平均 水深に規定される長波と考えられた. (4) 分流口付近での流向変化は±4°で長周期変動して いる.これに伴い分流量も変動していると考えられ る.このことから,長周期変動は,水位と分流量の 連成振動と推測されるが,この点については更なる 検討が必要である. 参考文献 1) 土木学会水理委員会編集:水理公式集 例題プログラム集, 丸善株式会社,2002 2) 藤田一郎,椿涼太:ステレオ水面計測法とPODを用いた側 岸凹部流れの水面振動構造の解析:水工学論文集, 第49巻, pp.535-540, 2005 3) 日本写真測量学会編:写真による三次元測定 応用写真測 量, 共立出版株式会社, 1983 4) 箕浦靖久,石川忠晴,吉田圭介:実体視と相関解析の併用 による洪水航空写真解析の効率化:水工学論文集, 第51巻, pp1093-1098, 2007 5) 笠木伸英,西岡通男,日野幹雄,保原充,編集:流体実験 ハンドブック:pp.187~198:朝倉書 :1997 (2011.9.30受付) -0.5 -0.3 0.0 0.3 0.5 I-1 I-2 I-3 I-4 I-5 I-6 H-1 H-2 H-3 .H -4 H-5 H-6 水位計測位置 水位(c m ) t=0.0sec t=3.0sec t=6.0sec t=9.0sec t=12.0sec 分水路 本川 (ⅱ)分水路 -0.5 -0.3 0.0 0.3 0.5 A-1 B-2 C-2 D-2 E-1 F-1 G-2 H-3 J-3 K-3 L-3 M-3 N-4 O-5 水位計測位置 水位 ( c m ) t=0 .0sec t=3 .0sec t=6 .0sec t=9 .0sec t=1 2.0 se c 分水路入口 (ⅰ)本川 図15 縦断水位の時間変化(左側が下流) 図13 長周期振動正弦波形の水面変動 図14 水位縦断図(図15)の測線