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【書評】通信トラヒック理論(藤木正也,雁部頴一 著)

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Academic year: 2021

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通信トラヒック理論

まず,各章の表題によってこの本の形態,内容を語ら せてみよう. 1 概説 3 ベージ 2 通信システムとトラヒック問題 22ベージ 3 ランダムな呼の性質と理論の基本構成 16ページ 4 即時式完全線群 マルコプモデル 25ベージ ラ 待時式完全線群一一マルコフモデル 39ページ 6 数字選択と不完全線群の構成 23ベージ 7 あふれ呼方式 34ページ 8 リン夕方式 66ページ

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即時式完全線群とのあふれ呼方式 一一 1ωO 単一出線の待時式完全線群 一-M/G/1 とその変形 72ベージ 11 複数出線の待時式完全線群 一一非マルコフ形基本モデル 35ベージ 12 優先権のある待ち行列と集問待ち行列 43ベージ 13 トラヒッタ測定 31 ページ 藤木正也・雁部頴ー著 丸善 A5 判 475頁定価7500円 間監修,広川書店)が出版されて 10年になるが,分野に よっては,その後の発展がいちじるしいため物足りなく なってきている所も多い.本書はその 10年間の空白をか なりの分野で埋めている 第 3 に,モデノレ化の意識が明確であり,現実の進展と 合わせてモデルの工夫されてし、く様子がわかりやすく書 かれている.たとえば 9 章であふれ呼に関連して,そ のモデルとして,断続ポアソン過程が工夫されてきたり するが,各章ごとにモデル化の流れ,その必然性がわか りやすく解説されている.そして文献が豊富につけられ ているのもありがたい. 通信にずぷの素人たる読者から少し気になる点を上げ れば 7 , 8 章がわかりにくいことである.待ち行列に モデル化されたモデルは一応理解で、きるのだが,グレー ジングだとかリン夕方式が電話通信、ンステムのどのレベ ノレの問題であるのかなどの説明が不足しているため具体 的に把握しにくい.おそらく,この本を種に著者に一度 講義していただくのが良いのだろう.また,これだけの 本だから,ネートワークモデルを原システムと対比させ 通信トラヒッグの実状と待ち行列理論の両方に造詣の て解説してほしかった気がする.無いものねだりという 深い 2 人の著者によって書かれたこの本は,真に時宜に べきか,その分として,われわれのあまり気づかない, かなった書といえる. トラヒック測定の問題に一章があてられている.これは 第 1 に,いわゆる待ち行列の理論研究者と通信などへ 読者の問題意識をそそるであろう. の応用を手がけている研究者との聞の懸け橋としての役 以上の観点から,この方面の多くの研究者が手元にお 割を果すものと期待できる. 1 月下旬に京大の数理解析 いて利用するのに格好の書といえる.また,もう l つの 研で長谷川利治先生主催で, r待ち行列理論とその応用 J 利用法として(これは大学に籍をおく教師としての狭い の研究集会がもたれ,双方の研究者が 40名ほど集まっ 見地からだが) ,卒研生や院生に,待ち行列の通書を読 た.双方の研究者はそれぞれ OR 学会,通信学会を主に ませたうえで,この本のいくつかの章を読ませ,問題意 その活動の母体としているため,一向に会する機会など 識を航えつけてゆくのにも,あるいは自分で問題を見い めったになく,互いに研究の動向などほとんど知らな 出させてゆくのにも手頃であり,その題材を豊富に与え い.ときによっては使う用語も異なるものもあり,うま でいる.それは,もう l 度いうならば,問題意識とモデ くかみ合わない面も多少生じていたようである.双方の ノレ化の意識が明確にされているからだ.各章の終りに程 研究者が同時に参照するような基礎的な良書が望まれて 度の高い演習問題がたくさんつけられている(特に後半) いた次第である. ことも特筆に値する.この本をまとめるに当つての著者 第 2 に,ごく最近の成果まで広くとり入れていること たちの長年のご努力に敬意を表したい. である. Q 部会労作の[応用待ち行列事典 J (国れ・本 (森 雑夫 茨城大学)

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