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供血者のスクリーニングと透析施設での血液を介するウイルス感染B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルスおよび成人T細胞白血病ウイルスについて

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Academic year: 2021

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960 第45巻 日本公衛誌 第10号 平成10年10月15日

供血者のスクリーニングと透析施設での血液を介する

ウイルス感染

B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルスおよび成人T細胞白血病ウイルスについて

鷲尾 昌一  かつて大量の輸血を必要としていた透析患者を例にとって,血液を介して感染するB型肝炎 ウイルス,C型肝炎ウイルス,成人T細胞白血病ウイルスのウイルスマーカー陽性率を透析開 始時期毎に比較した我々の一連の研究を紹介し,開始年の異なる各々のウイルスマーカーの検査 による供血者血液のスクリーニングが輸血後のウイルス感染に与えた影響を検討し,考察を加え た。HCV抗体陽性率は輸血歴のある者がない者に比べ高値を示し,輸血の有無にかかわらず, 透析期間が長くなるにつれて陽性率は上昇した。一方,HBs抗原は輸血の有無で陽性率に差を 認めず,透析期間の延長に伴う陽性率の上昇も認めなかった。このことは,HBs抗原の供血者 のスクリーニングがかなり以前(1973年)からなされており,透析施設においてもHBs抗原陽 性者の透析機械を陽性者専用とし,非感染者と透析機械を区別して使用したり,患者毎にディス ポーザルのゴム手袋を使用する等のHBV感染予防対策がなされていたのに対し,HCV抗体の 供血者のスクリーニングは,調査開始年の1990年の1年前の1989年から行われたにすぎず,透析 施設においてHCV感染予防対策が行われていなかったことがその一因と考えられた。両者の中 間の1986年に供血者のスクリーニングが行われたHTLV-1抗体の陽性率をみると,陽性率は輸 血歴のある者がない者に比べ高値を示しているが,輸血歴のある者の陽性率は1986年以降に透析 を開始した者はそれ以前に透析を開始した者の約1/2である。一方,輸血歴のある者で1981-85 年,1976-80年,1975年以前に透析を開始した者の間では陽性率に差を認めてない。供血者のス クリーニングの感染予防効果を示すものと考えられる。しかし,輸血歴のない者の陽性率が透析 期間と共に上昇したことはHTLV-1感染予防対策が行われていないためと考えられる。感染力 の非常に弱いHTLV-1の院内感染が認められたことは透析施設での感染予防対策の不備を示し ている。ウィルスマーカー陰性者においても,未知のウイルスに感染していると考え,患者毎に ディスポーザルのゴム手袋を使用する等の十分な感染予防対策が必要である。 Key words : 透析,輸血,C型肝炎ウイルス,B型肝炎ウイルス,成人T細胞白血病ウイルス

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