44 1.当科における早期胃癌の臨床病理学的検討 (外科)高橋 直樹 当科における早期胃癌症例を対象にリンパ節転移を 中心に臨床病理学的検討を行なった. 過去5年間の胃癌切除症例は225例あり,うち早期胃 癌は71例(31.6%)で,m癌30例, sm癌41例であった. sm癌の5例にリンパ節転移がみられた.肉眼型別に みると,隆起型,陥凹型の間にリンパ節転移率に差は なかった.腫瘍最大径別にみると,リンパ節転移のみ られた5例は,すべて1cm以上の症例であった.組織 型別にみると,低分化型のものにリンパ節転移が多く みられた.また,潰瘍病変合併の有無で転移率に差は みられなかった. 早期胃癌のリンパ節転移は,腫瘍最大径1cm以上の sm癌で,組織学では低分化型に多くみられた,このよ うな症例に対しては,リンパ節転移を充分考慮した治 療が必要であると思われた. 2.当科におけるstage IV胃癌の検討 (外科)島川 武 stage IV胃癌は治癒切除可能なものから切除不能な ものまで,その内容は多彩である,そこで,過去5年 間に当科で手術されたstage IV胃癌について,治療及 び予後を中心に検討した. 対象としたstage IV胃癌は86例(全胃癌手術症例数 の36%)で,切除例は56例(切除率63%)であった.』 遠隔成績は,1年生存率は切除例65%,非切除例21% であり,切除例の予後は非切除例に比べて良好であっ た. stage決定因子をみると,決定因子が多く,2因子以 上にわたるものでは,n因子+s因子が多くみられた.. 予後についてみると,決定因子が1因子の場合には, 切除可能な症例が多く,予後も期待できるものと考え られた. 3.胃癌患者におけるSu−PR皮膚反応の検討 (外科)若林 敏弘 癌の免疫療法には,治療指針となる免疫学的パラ メーターが必要である.Su−PRはA群溶連菌Su株の 細胞壁から抽出されたProteinであり,その皮膚反応 のパラメーターとしての有用性を,胃癌を対象として 検討した. 術前のSu−PR皮膚反応は, Su−PS, PPD皮膚反応 およびPHA幼若化反応と同様にstageが進むにした がい低下していた. また,Su−PR皮膚反応が, OK−432による免疫化学療 法の治療指針となるかを検討した.術前,術後にわたっ て反応性は上昇し,Su−PRはOK−432の投与効果を反 映すると思われた. さらに,Su−PR, Su−PS両皮膚反応の関係をみると, よく相関していた. これらより,Su−PR皮膚反応は胃癌の進行程度や, OK−432の投与効果を反映し,免疫学的パラメーター として有用と思われた. 4.早期胃癌根治術4年後に再び発生した残胃早期 癌の1例 (星野胃腸科外科病院) 今村 洋,星野 聰 胃切除後の残胃に生じた胃癌の報告が増加している が,今回われわれはIIc型早期胃癌の根治術後約4年 で残胃に新たに発生したと思われる1型早期胃癌に対 し胃全摘術を行なったので報告する. 症例は63歳の女性.1981年11月にIIc型早期胃癌に てリンパ節郭清を伴う胃切除術を施行している.1985 年1月胃の集団検診で残胃の隆起性病変を疑われた. 精査の結果残胃に生じたボールマン1型胃癌と診断さ れ,胃全摘術が施行された.残胃の病変は1型早期胃癌 で前回切除標本の病理学的検索とあわせて前回の病変 とは無関係に生じたものであると思われた. また残胃早期癌の発見のためには術後定期的に検査 することが重要であると思われる. 5.大腸穿孔症例の検討 (外科)平井 雅倫 大腸穿孔は虫垂炎によるものを除けば比較的少ない が,その予後は重篤である.当科では過去5年間に6 例の大腸穿孔症例を経験し,全例救命し得たので報告 する. 年齢は50歳代が多く,性差は認めなかった.穿孔部 位はS状結腸に多くみられた.穿孔の原因は上行結腸
大腸穿孔症例の検討
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