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(シンポジウム スポーツ医学の現在と未来)スポーツと心臓

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シンポジウム

倭酪携、、第難、嶽言〕

スポーツ医学の現在と未来

スポーツと心臓

東京女子医科大学  アメ    ミヤ

 雨 宮

循環器内科学 クニ     コ

邦 子

(受付 平成6年1月21日) Sports and Heart

      Kuniko AMEMIYA

Department of Cardiology, Tokyo Women’s Medical College   Recently, many people participate in sports irresp㏄tive of age to develop their phys孟cal strength, to control weight,or to get sufficient exercise. Furthermore, many attempts have been made to utilize exercise as a therapeutic method and disease prevention. Especially, exercise therapy is well established for the treatment of cardiovascular diseases such as hypertension and ischemic heart disease. We reviewed the recent literature and findings on athletic hearts and sudden death closely concerned with sports. We also report a 24−year−old patient who had athletic heart with atrioventri− cular block. Medical check−ups, safety measure for preventing sport acc重dents, utilizing sports for health enhancement and preventing diseases may be further required.          はじめに  近年,体力の向上,肥満や運動不足の解消など という形で年齢を問わず,各種のスポーツが盛ん に行われている.またスポーツそのものを疾病の 治療,さらに予防に役立てようとする考えがあり, 循環器領域でも高血圧症D2),虚血性心疾患3)など では運動療法の位置づけが確立されている.  運動中の循環動態としては,心拍出量,1回拍 出量,心拍数の増加が特徴的で,収縮期血圧も上 昇する.スポーツは一般的に静的と動的なものに 分けられ,心臓に対する影響もこれらの間で異 なった様子をとることが知られている.今回は, 運動による心血管系の反応,スポーツ心臓,スポー ツと突然死について,最近の総説4)5)や論文の知見 を紹介し,筆者が経験したスポーツ心臓と考えら れる症例を呈示する.  1.スポーツによる心血管系の反応  運動は,生理学的特徴からは,有酸素運動と無 酸素運動に分けられる.有酸素運動とは体内の炭 水化物,脂肪が分解されるときに生じるエネル ギーを使う運動で,』ランニング,ジョギング,歩 行,体操,水泳,自転車などである.無酸素運動 とは,短時間で大量の酸素を消費する運動で,短 時間で終了するため有酸素状態に達しないもので ある.運動強度が大きく,瞬間的に行われるもの で,短距離のランニング,ジャンプ,投てき,筋 力トレーニングなどがこの運動である.球技など はこの両者が混合するパターンの運動である.  一方,筋肉運動パターンによる分類では,等張 性運動と等尺性運動に分けられ,等張性運動は筋 肉の収縮,弛緩を反復して行う動的運動で,有酸 素性運動である.血行動態的には末梢血管の拡張 が著明となり,末梢血管抵抗は低下する.心拍出 量は増加するが,血圧の上昇は比較的軽度である. この運動は持久運動に代表されるように,末梢組 織,主に骨格筋での酸素需要の増大に伴い心拍出

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02(’/分) 4,5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.O L5 LO O.5 圏持久的スポーツ選手    (男子) 持久的スポーツ選手   幸圏(好〉塙齢のスポーツマン   l    T     (長距離)   よ男 子  「   T     l  T  T●高齢の   コ     ア     よ

㍗+球._÷土スポ{ツマン

    ⊥  \十一._臓 T    女 子   ⊥  \\τ [0   20   30   40   50   60   70   80(畿)       年 齢 図1 最大酸素摂取量の年齢による推移     文献6)より引用 (〃分)  5.0 最4・0 大 野3.0 素 摂 取2・0 量  1.0 0

隔忌

1_〆!\」

  一

     ;難:

  オ’LL’

    0   21         1  10  20  30  40  50  60(日) 図2 ベッドレストとトレーニングによる最大酸素摂 取量の変化  文献7)より引用 量の著明な増加が要求され,心臓には容量:負荷と なる.等尺性運動は筋肉の長さが変わらずに張力 が持続的に充進ずる運動で,いわゆる静的運動で ある.この運動では収縮期血圧は,拡張期血圧と もに上昇し末梢血管抵抗も増加する.心拍出量は 増加せず,心臓には圧負荷となる.網引き,重量 挙げなどが代表的なものである.  次に,これらの運動強度を表す心肺機能の指標 の一つに酸素摂取量がある.運動負荷を増すと酸 素摂取量も増加するが,一定の負荷レベルを越す と負荷を増しても酸素摂取量は増加しないかか えって減少する.この状態を最大酸素摂取量とし て表し,個人の最:大酸素摂取量を100%として,生 体の負担度を%VO2maxとして表す.最大酸素消 費量は性,年齢,体型や運動習慣の有無,運動の 種類や検査方法によっても差がみられる.  最大酸素摂取量の性,年齢による推移について は1963年ドイツのHollmannら6)の検討がある (図1).2,834人の男女について,性,年齢別に検 討しているが,男女とも20歳代以後は次第に低下 し,特に70歳代になると低下が著しくなっている. 男女差は少年期には比較的少なく,青年期には拡 大し,その後再び男女差がなくなっている.おお よそ,女性は同一年代の男性の70∼75%に相当す ると考えられている.  身体活動と最大酸素摂取量に関しては,1968年 Saltinら7)が5人の青年男子を20日間臥床安静に (配/kg・分) 75 体

 70

重 当 た り 65 最 大

酸60

棄 摂 取55 量 50 男子長距離 ランナー

 33.5.44.5(’/分)

     最大酸素摂取量 ‘ 図3 陸上競技選手の最大酸素摂取量     文献8)より引用 してその後55日間にわたり,日に2回ランニング を行うトレーニングを行い,最大酸素摂取量の推 移を検討している(図2).ベットレストで平均 3。39L/分であったものが安静臥位したのちには 2.43L/分と減少している.ランニングを行った後 には,全ての被検者が前値を上回っている.この ように身体活動,更に運動習慣により変化する. また使用する筋肉の量が多い運動ほど最大酸素摂 取量は大きくなる.従って,上肢より下肢運動の 方が大きく,自転車エルゴメーターよりトレッド ミル負荷の方が得られる最:大酸素消費量は大きく なる.図3は,帖佐らの報告8)で,陸上競技選手の

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最大酸素摂取量を示してあるが,投てき選手より 跳躍選手の方が,また長距離選手の方が最大酸素 消費量は大きくなっている.  心拍数と最大酸素消費量との間には高い相関が あり,運動強度の指標として,心拍数が用いられ ている.負荷試験のend pointに達した時の心拍

数を最大心拍数とするが,最大酸素消費量の

60∼80%の運動強度は,最:大心拍数の70∼85%心 拍数に相当するとされている.  心拍出量についてみると,安静時分時心拍出量 は3∼5L/分が正常範囲であるが,トレーニングに より増加し,分時心拍出量:は30∼35L/分にも達す ることがある.心拍出量は10∼20歳で急増,その 後加齢で低下する.  運動選手の心機能の特徴は安静時の心拍数減少 (徐脈傾向),運動時の最大心拍出量の増加,最大 酸素消費量の増加,運動時における心拍数,血圧 の早期回復傾向が挙げられる.  2.スポーツ心臓  スポーツ心臓とは心臓に累積的負荷が加わり, 非鍛錬者にみられない変化が生じることから言わ れたもので,1899年Henschenによって命名され た.Henschenはクロスカントリー選手の聴打診 で心臓が大きいことに気づいた.スポーツ心臓は, 激しい運動を継続的に行った結果おこる機能的, 形態的変化を総括した概念でスポーツに伴う心臓 の可逆性変化であるとされている.またスポーツ 心臓は生理的適応に基づく心筋の労作性肥大で一 種の使いすぎ症候群とも言える.長期の心負荷が

不可逆性の変化を惹起しているかどうかが問

題9)10)である.Niemelaら11)やDougulasら12)は, 短時間で心機能が回復することから疲労と推定し ており,一方,Kingら13), Carrioら14)は心筋障害

の存在を示唆している.形態的特徴としては

Reindellらが主張したように,拡張を主とした肥 大と解釈されてきた.動的運動では拡張を伴う遠 心性肥大を,静的運動では拡張を伴わない求心性 肥大をきたす.このような器質的変化が生理的適 応現象なのか異常なのか,未知の点が多い.文献 例の報告では,スポーツマンの心重量は350∼450 gの者が多く,スポーツ心臓は正常あるいはわず かに重量の増加を認めるものがあることを示して いる.  1)スポーツ心臓の臨床像  自覚症状はないことが多い.理学的所見では Levine I∼II度の収縮期雑音が聞かれることが多 く,III音は30∼100%, IV音は20∼60%に聴取され る.これは左室コンプライアンスの低下を示すも のではなく,1回三下量の増大に関連するものと 考えられている.  検査所見では,胸部X線写真で心胸郭比は一般 人に比し,大きい傾向にあり,左右に:丸く,球状 を呈す.CTRとしては55%までである.長時間負 荷が加わり持久性を要するマラソン,自転車など の選手に顕著である.重:量挙げなどの選手で肥満 傾向のある例でも横隔膜挙上などにより,見かけ 上心陰影は拡大する.心電図上,スポーツ心臓で よく見られるのは洞徐脈である.持久性を要求さ れる種目ほど安静時心拍数は減少する.強度の運 動トレーニングを継続したために生じた迷走神経 緊張によるものである.PR間隔の延長(1度房室 ブロック)も10∼33%に見られるとされているが, 運動中,運動後には短縮し,正常化する.QRSで はR波高電位,ST−TではT波増高などが言われ ている.T波陰画も報告者により0∼50%と幅が ある.T波の陰面は最大運動負荷時や交感神経緊 張で正常化し,トレーニングの中止で消失するこ

とが知られている.このほか房室解離Wen・

chebach型ブロック,不完全右脚ブロックなども 認められる.超音波検査での特徴は,動的運動選 手に見られる左室拡張末期径(LVDd)の増大15)で ある.強度のトレーニングを行うと,数週間∼数 ヵ月で心臓の構造に変化が起こり,トレーニング を止めるとほぼ同じ位の期間に元の状態にもどる と言われている16).左室収縮末期径も増加する傾 向があるがLVDdほど顕著でない.左室壁厚もコ ントロールに比べ増加がみられるが有意差を持つ ほどでない17).非対称性中隔肥厚は認められない

とする報告が多い.一方,静的運動選手では

LVDdの増加は軽微である.  2)症例  症例は24歳の男性で,中学∼現在に至るまでパ

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II

m

V1 V2 V3 7 aMR V4 aVL      u  _

 一一÷⊥÷Il;≒ヰヰ

V5_ aVF I 1    ,      1  」 1     「 i  ll r 0        1 1 1 ’ I I 1 1 1 4    」 」 1_⊥」一__」一1一」一L_」_一L

1⊥

1 一  一  1 圏 一一二=一フ」 一__._一一一]__一 一._. 一一  .__.一一一          ナ ト   ユらユ       ココ   コよ

    壼李i漕叢て・・=華華

     、1・±1∵・.ニヨ  一・三 図4 入院時心電図 レーボール部に所属し,高校時代はインターハイ に出場,現在は社会人日本リーグ優勝チームのメ ンバーの1人である.既往歴,家族歴には特記す べきことはない.現病歴は1990年3月入社時の検 診で不整脈を指摘されたが自覚症状ないので放置 していた.5,月社内検診で徐脈を指摘され,ホル ター心電図検査を施行.洞調律,心拍数は最小35/ 分,最大117/分,最大R−R間隔は3,200msecと延 長していた.このため以後6ヵ月毎にホルター心 電図検査施行.次第に最:大R−R間隔の延長を認め たため1992年6月精査入院となる.これまでにふ らつき,失神等の自覚症状はない.  安静時の心電図(図4)では,洞調律50/分,洞 性不整脈と1度の房室ブロック(PQ O.22msec) を認めた.胸部レントゲン写真(図5)はCTR 48.7%で心陰影は球状を呈していた.入院後のホ ルター心電図(図6)でも,P波は存在しており, 高度房室ブロックが起こっている.ホルター心電 図のこれまでの経過は,表1に示したが,最大 R−R間隔は次第に延長してきている.トレッドミ ル運動負荷試験では,PQ時間0.24msecであった

難欝

馨鰻

図5 入院時胸部レ線写真

コ琴

ものが,運動により正常まで短縮した.運動によ るST−T変化はなく,心拍数も最大174/分まで上 昇している(図7).収縮期血圧も140mmHgから 178mmHgまで上昇した.超音波検査では,左室の 内腔はLVDdの拡大(54mm)が認められた(図

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● ● 巳 1=49 200−HR(bpm) 150− 100旨 5〔レ 鍾 圏 =笥 厨 閲 闘 =51     図6 入院中ホルター心電図検査 PQ時間は0.28秒と延長し, QRSが突然抜けている. 午前4時26分,最大R−R間隔6,226msec.午前4時51 分ではP波の形は本来のものとは異なり,房室ブロッ クも起こっている。 表1 ホルター心電図検査の経過 心拍数/分 検査年月日 最小 最大 平均 最大R−R間隔 @(msec) 1990−5−10 P990−12−3 P991−9−6 P992−6−9 35 R0 R2 Q3 117 P29 P30 P42 59 U4 T7 T1 3,200 T,600 Uβ00 U,226 8).  入院後,電気生理学的検査を施行し,洞結節の 機能は正常で,房室伝導もアトロピン負荷後に著 明に短縮し,房室伝導障害は機能的なものと診断 された.しかし,最大R−Rが経過観察中,次第に 延長してぎていることが問題であり,進行の可能 性も否定できず,今後はバレーボールを続けなが 0   4   8   12   15  20        丁1皿e (mln)  _ BP (mmHg) 300− 20〔}一 一 0一 一    0   4   8   12   16  20       T置me (mln)  図7 トレッドミル運動負荷テスト 上段は心拍数,下段は血圧の変化を示す. らも3ヵ月に1回,ホルター心電図を施行し外来 にて経過観察することとした.スポーツ選手にみ られる徐脈では一般に洞不全症候群を疑わせる症 例は報告18)∼20)されているが,本例のように高度房 室ブロックの症例は報告例も少なく,より注意深 い経過観察が必要と考えている.  スポーツ心臓は,①第一線の選手として長い活 動歴がある,②持久性の動的種目で活動している, ③トレーニングが継続されている,④器質的心疾 患が除外できる,という諸条件がそろった場合に 診断される21).余暇や体育でのスポーツ程度では スポーツ心臓にはならないことを銘記したい.  3.スポーツと突然死  スポーツによる事故例については数々の報告が なされている.東京都監察医務院の徳留ら22)の 1984年1月から1988年12月までの5年間の全国調 査によると,スポーツ中の突然死は,年平均約130 件となっている.性別では85%が男性で年齢別で は,表2に示したように10歳代,50歳代,40歳代, 60歳代の順になっている.種目別(表3)では,

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  図8 心臓超音波検査 上段は僧帽弁,下段は左室を示す. 40歳未満(326件)ではランニング,水泳の順に多 く,40∼64歳(201件)ではゴルフ,ランニングの 順に多い.65歳以上(97件)ではゲートボール, ゴルフ,ランニングの順である.  学校管理下の生徒(小,中,高等学校)に関し ては日本体育・学校健康センター学校安全部が毎 年報告23)24)しており,年間90∼148件発生してい る.このうち57%が運動中か直後の死亡25)26)で,高 校生,中学生の順に多い.これは運動の差による ものと考えられている.男女比では,男性が2∼4 倍多いとされている.月別では学校が休みの時に は少なく,スポーツの種類ではランニング,水泳 の順に多い.  1)スポーツ中の突然死例の基礎疾患  小児に関する的場らの報告26)では41例中15例に は何等かの病歴を認めたが,残り63%では特記す べきものはなかったとしている.剖検例は10例だ けであるが,9例は心臓死で内訳は心筋症,冠動 脈疾患,心筋炎である.各年齢層でみると,小児 期にスポーツによって起こる急死の基礎疾患とし て多いものは,心筋炎とその後遺症である.リウ マチ熱,各種のウイルス感染,川崎病などによる ものである.そのほか冠状動脈,大動脈の先天異 常などである.徳留らの報告ではスポーツ中の突 然死の死因は表4に示したように40歳未満では心 血管系疾患17.8%,40∼64歳では39%,65歳以上 では53.6%となっている.各年齢層とも原因不明 の心不全の割合が高い.1986年Maronら27>の報 告によると,運動選手の急死の原因は図9のよう 表2 スポーツ中の突然死(年齢別) ∼9歳 ∼19歳 ∼29歳 ∼39歳 ∼49歳 ∼59歳 ∼69歳 70歳∼ 計 男女 12 T 157 S2 50 S 48 W 69 T 79 W 64 P1 50 P2 529 X5 計 17 199 54 56 74 87 75 62 624 文献26)より引用 表3 スポーツ中の突然死(種目別) ∼39歳 40∼64歳 65歳∼ 1 ラ ン ニ ン グ113例(34.8%) コ甲 ノレ フ56例(27.9%) ゲートボール35例(36.1%) 2 泳 56例(17.2%) ラ ン ニ ン グ38例(18.9%) ゴ   ノレ   フ 20イ列(20.6%) 3 ッ カ 一 23例(7.1%) 水 泳15例(7.5%) ランニング10例(10.3%) 4 球 21例(6.4%) 登 山14例(7.0%) 登    山 8例(8.2%) 5 体 操 16例(4.9%) ス キ 一13例(6.5%) 水泳・ダンス 6例(6.2%) そ の 他 97例 そ の 他65例 そ の 他12例 文献26)より引用

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になっている.35歳未満では肥大型心筋症が最も 多く,48%を占めており,続いて特発性左室肥大, 冠状動脈奇形となっている.35歳以上では,冠状 動脈疾患が80%近くを占めている.多くの報告者 が若い人の運動中の突然死については,肥大四四 表4 スポーツ中の突然死(死因) ∼39歳 40∼64歳 65歳∼ 虚血性心疾患 サの他の心疾患

蜩ョ脈瘤破裂

]血管系疾患

ト吸器疾患

サ  の  他 }性心機能不全

}性心不全

M      死 M  中  症 s      詳 20 R7 70 45 計 326 201 97 文献26)より引心 筋症が多いと述べており,その重要性が認識され る.若い人のスポーツ中の急死の原疾患は,生前 に診断がついてないものが多く,その予知は難し いものと考えられる.  冠動脈奇形では冠動脈の解剖学的位置異常が急 死の原因と見なされる(図10).最も多いのが,右 のバルサルバ洞からの左記動脈の起始異常であ る.左冠状動脈主幹部の急激な分枝角度が冠状動 脈口の狭細化をもたらし,心筋虚血,不整脈,急 死に結びつくと考えられている.  肥大型心筋症の典型例の心電図は1,aVL, V4, V5, V6でのT波陰性である.自覚症状がなく,検 診等の心電図で異常を指摘され診断に至ることが 多い.肥大型心筋症では,心室中隔,心尖部など が著明に肥厚し,左室内腔の狭小化が起こり,心 拍数上昇に伴い心拍出量が減少し,失神,重症不 整脈等をひきおこすと考えられる.  sudden unexpected deathを起こした一流の運 動選手の剖検報告28)でも,大部分が何らかの器質 大動脈破裂  (7%) 冠状動脈性心疾患 肥大型心筋症 (4B%) 冠状動脈 奇形G4%) 堀(3%)     特発性左室肥大G8%) (】o%>      35歳未満        図9 運動選手の急死の原因 肥大型心筋症 35歳以上 需状動脈性心疾患 (∼80%) 不明 後天性弁膜疾患 僧帽弁逸脱症候群 大動脈

RL

LC 大動脈 RC 野 RC”

PL

、.、』R 大動脈 Lc   p     L    R 、

 RC

LC  PT      PT  LAD      PT     LADa)      b)       c)   LAD a)正常冠状動脈,b)右valsalva洞起始の左冠状動脈, c)左valsa1− va洞起始の右冠状動脈. R:右valsalva洞, L;左valsalva洞, P:後尖, RC:右冠状動脈, LC=左冠状動脈回旋枝, LAD:左冠状動脈前下行枝, PT:肺動脈幹. 図10 先天性冠動脈奇形  文献20)27)より引用 的異常を認めており,それを事前にいかにチェッ クしていくかが,今後の最大の課題である.頻度 の点から,中高年者では冠動脈疾患を,若年者で は肥大型心筋症や心筋炎,川崎病や,先天性冠動 脈奇形などの有無,運動に伴う不整脈の出現の有 無などを中心にメディカル・チェックを充分に行 うことが必要である.  メディカル・チェックは身体状況を把握するこ とであるが,その必要性の中で最も重要な条件は, 運動による事故の予防,特に運動による急死の予 知である.スポーツによる事故の原因には種々な

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ものが挙げられ,一般に心血管系障害による急死 が80∼90%を占めるといわれている.このためメ ディカル・チェヅクは循環器系疾患の有無を中心 にしたものとなってくる.厚生省科学研究班が「外 見上健康と思われる成人における運動のためのメ ディカル・チェックの手引」を作成している.メ ディカル・チェックは年齢,体力,機能,疾病の 有無などを総合的に把握したうえで,行われなけ れぽならない.問診で対象の背景因子,例えば, 年齢,性別,運動選手であるか否か,職業,生活 歴としては生活習慣,運動習慣がどうなっている か,健康状態は,疾患の既往,自覚症状の有無さ らに運動の目的も把握しておく.理学所見では心 雑音や不整脈の有無,Marfan症候群の有無にも 注意する.血液生化学検査,胸部X線検査,心電 図など一般成人に行われるような定期健康診断に 相当する内容をチェックする.その上で,さらに 運動と関わりを持つ検査項目が必要である.運動 負荷試験は本来,全員チェックすることが望まし いが,設備,マンパワーの面から現状ではなかな か難しい.少なくとも,冠危険因子を有する人, 安静時心電図で異常を認める人,胸部症状を有す る人,運動中に何らかの自覚症状を訴える人,家 族歴に突然死をきたした人がいる場合には,実施 するべきである.運動負荷試験にも,階段昇降法, 自転車エルゴメーター,トレッドミル負荷テスト などの等張性運動とハンドグリップ法,定滑車重 量法,物体挙上法などの等尺性運動がある.マス ター階段昇降法は負荷量が不充分であり,自転車 エルゴメーターは強制運動でないため最大負荷が かかりにくい.これらに比し,トレッドミル負荷 テストは運動強度を一定に保つことがでぎ,強度 を容易に変えられ,強制運動のため最大負荷をか けやすいことから,負荷試験方法としては最良と 考えられる,一方,運動負荷終了の目標は心拍数 を目標としたheart rate limited法と自覚症状を 目標としたsymptom−limited法がある.健康人の スポーツの目標設定,有疾患者の負荷量決定等, それぞれの運動目的により目標は異なってくる. また心雑音,心拡大,心電図上ST−T変化を認め る例では,心臓超音波検査を施行し,器質的心疾 患との鑑別が必要である15)29).また不整脈症例に はホルター心電図検査も施行30)することが望まれ る.          おわりに  スポーツと心臓という大きなテーマの中で,今 回はスポーツによる心血管系の反応と従来からよ く言われているいわゆるスポーツ心臓について, 解説した.また,スポーツ中の突然死について, これまでの報告を紹介した.今後,メディカル・ チェックを充実させ,スポーツ中の事故を1例で も減少させることと,スポーツが健康増進,疾患 の予防等の目的に沿う形で,より安全に,より有 効的に行われるよう,指導する体制も必要と考え られた.          文  献  1)清水 明:高血圧の運動療法.カレントテラピー   9:1348−1351, 1991  2)Pajfenbarger RS, Hyde RT, Wing AL et al:   Physical activity, all−cause mortality and Ion−   gevity of college alumni. N Engl J Med 314:   605−613, 1986  3)0,Con皿or GTJ3uring JE, Yusuf S et a監:An   overview of randomized trials of rehabilitation   with exercise after myocardial infarction. Cir・   cu玉ation 80:234−244, 1989  4)Hustn TP, P岨er JC, Rodney WMM et al:   The athletic syndrome, N Engi J Med 313:   24−32, 1985  5)板井 勉:スポーツと心臓一スポーツ医学におけ   る循環器病学.逓信医 44:35−51,1992

 6)Hollmann W:Hochst und Dauer−

  leistungsfahigkeit des Sportlers, Johann Am−   brosius Barth, Munchen(1963)  7)Saltin B, Blomqvist G,]M【itchell JH et al:   Response to exercise after bed rest and after   t「ain三n9. Circulation 38:7, 1968  8)帖佐寛章,栗本閲夫,青木純一郎ほか:長距離走   者のVo2maxの縦断的研究,順天大保健体育紀   14:91−93, 1971  9)小堀悦孝,岡田澄子,永田まことほか:スポーツ   心臓の形態と機能について.東女医大誌60:   986, 1990 10)竹内陽史郎,横田慶之,三木隆彦ほか:プロ競輪   選手の左心機能の長期経年変化:心エコー法によ   る検討.Jpll Circ J 56:36,1992 11)Niemela KO, Palatsi IJ, Ik菖heimo MJ et al:   Evidence of impaired left ventricular perfor−   mance after an uninterrupted competitive 24

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   hour run. Circulation 70:350−356, 1984 12)1)ougulas PS,0’Too艮e ML,田ler WDB et a1:    Cardiac fatigue after prolonged exercise. Circu一    }ation 76:1206−1213, 1987 13)King DW, Gollnick PD:Ultrastructure of    rat heart and liver after exhaust圭ve exercise.    Am J Physio1218:1150−1155,1970 14)Carrio’1, Serra−Grima R, Bern五Let a1:    Transient alterations in cardiac performance    after a six−hour race. Am J Cardiol 65:    1471−1474, 1990 15)Pelliccia A, Maron BJ, Spataro A et al:The    upper limit of physiologic cardiac hypertrophy    in highly trained elite athletes. N Engl J Med    324:295−301, 1991 16)M[aran BJ, Pemccia A, Spatara A et al:    Reduction in.left ventricular wall thicRness    after deconditioning in highly trained Olympic    athletes, Br Heart J 69:125−128,1993 17)Lewis JF, Spirito P, Pelliccia A et al: Use・    fulness of Doppler echocardiographic assess−    ment of dlastolic filling in distingulshing ath−    1ete’s heart from hypertrophic cardiomyopath−    y,Br Heart J 68:296−300,1992 18)大林千代美,山崎 元,大西祥平ほか:スポーツ    選手にみられる徐脈一24最間ホルター心電図によ    る検討。臨検 33:714−717,1989 19)Ogawa S, Tabata H, Chishi S et aL Prognos,    tic significance of long ventricular pause in    athletes. Jpn Circ J 55:761−766, 1991 20)新村一郎:スポーツ心臓とその対策。小児内科    24:575−580, 1992 21)前田如矢,宇佐美暢久:臨床スポーツ心臓学.朝    倉書店,東京(1989) 22)徳留省悟:突然死・スポーツ中の突然死.Cardiac    Practice 2:105−108, 1991 23)日本体育・学校健康センター編:学校での事故の    事例と防止の留意点、死亡・障害(昭和56,60,    61,62年版).1981∼1987 24)日本体育・学校健康センター編:学校管理下の死    亡・障害(昭和63年版.1988 25)大国真彦:運動と心臓突然死一小児。最新医    46:1143−1147, 1991 26)的場梁次,藤谷 登,河野朗久ほか:スポーツと    突然死一法医学の立場から.小児内科24:    90−94, 1992 27)Mamn BJ, Epstein SE, Roberts WC:Cause    of sudden death in competitive athletes, J Am    Coll Cardiol 7:204−214, 1987 28)Maron BJ, Roberts WC, McAllister HA et aL    Sudden death in young athletes. Circulation    62:218−229, 1980 29)斉藤和人,山中隆夫,有馬新一ほか:若年スポー    ツマンの心臓メディカルチェック:体育大学にお    ける2072名の分析.日内会誌 80:140,1991 30)Nikolic G, Bishop RL, Singh JB: Sudden    death recorded during holter monitering. Circu・    Iation 66:218−225, 1982

参照

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