128 (51) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
ボク ヒト ミ朴 仁三(昭和33
博士(医学) 乙第1215号平成3年10月18日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
単心室の房室弁逆流 (主査)教授 門間 和夫 (副査)教授 今井 康晴,丸山 勝一論 文 内 容 の 要 旨
目的 房室弁逆流は単心室の自然吉上ならびに手術予後上 の悪化因子であり,本疾患の管理,治療上極めて重大 である.本研究では房室弁逆流の出現に関与する諸因 子を分析した. 対象および方法 対象は左室性単心室32例,右室性単心室75例の計107 例である.個々の症例につき房室弁逆流の有無と出現 時期,臓器心房錯位,房室弁の形態異常,大血管流出 路形態,肺静脈還流異常,姑息手術および転帰につい て後方視的に調べた.さらにこれら諸因子が房室弁逆 流に与える影響について検討した. 結果 単心室の主な房室弁異常には共通房室弁,一側房室 弁の低形成,および一側房室弁の両室挿入(以下3主 要房室弁異常)があり,その内訳は共通房室弁59例, 一側房室弁低形成8例,一側房室弁髄室挿入3例(計 70例)であった.このうち41例(59%)が房室弁逆流 を伴っており,3主要房室弁異常のない群36例中6例 (16%)に比べて高率であった.臓器心房錯位は44例で, その41例に上記の3主要房室弁異常があり26例(59%) に房室弁逆流が認められた.3主要房室弁異常合併群 は,非合併群にくらべて逆流が早期に出現する傾向が みられ,成人例では房室弁逆流がほぼ全例に生じてい た.主心室の型,大血管流出骨形態,姑息手術の有無 や術式の相違は房室弁逆流の出現頻度に影響を与えな かった. 対象中の11例において房室弁逆流が1歳以前に出現 し,8例が幼少児期(平均19.6±16ヵ月)に死亡した. これらの症例は3主要房室弁異常を高率に合併してい た. 考察 現在,房室弁逆流の発生に房室弁の形態異常と心室 機能の低下が関与していると考えられている.本研究 によって3主要房室弁異常を合併した症例では房室弁 逆流が高頻度かつ早朝に出現することが判明した.す なわち,3主要房室弁異常は房室弁逆流発生の主要因 であり早期出現の主要因でもある.一方,房室弁逆流 の出現率は,主心室の型,肺動脈狭窄や閉鎖の有無, 姑息手術の有無で差がなく,心室機能の低下が房室弁 逆流の出現に与える影響は房室弁の形態異常に比べて 小さいと思われた. 房室弁逆流早期発症例は房室弁異常および臓器心房 錯位を高率に合併しており,早期に死の転帰をとる傾 向にある. 結論 1)単心室において共通房室弁,一側房室弁の低形 成,および一側房室弁の両室挿入は房室弁逆流出現お よび早期出現の主要因である. 2)心室機能の低下が房室弁逆流の出現に与える影 響は比較的小さい. 3)房室弁逆流の早期発症例は予後不良である. 一732一129