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平成26年度包括外部監査の結果報告書

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地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の37第5項の規定に基づき、 包括外部監査人 中元 文德 から監査の結果に関する報告の提出があったので、 同法第252条の38第3項の規定により、次のとおり公表する。 平成27年2月9日 相模原市監査委員 八 木 智 明 同 坪 井 廣 行 同 岸 浪 孝 志 同 中 村 昌 治

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平成 26 年度

包括外部監査の結果報告書

相模原市包括外部監査人

中元 文德

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(本報告書における記載内容等の注意事項) 1.監査の「結果」及び「意見」 ※ 監査の「結果」 今後、相模原市において何らかの措置が必要であると認められる事項。主に、合規性に関するこ と(法令、条例、規則、規程、要綱等に抵触する事項)となるが、一部、社会通念上著しく適正性を 欠いていると判断される場合には、経済性、効率性及び有効性の観点からの結論も含まれる。 ※ 監査の「意見」 監査の「結果」には該当しないが、経済性・効率性・有効性の視点から、施策や事務事業の運営 の合理化等のために、包括外部監査人として改善を要望するものであり、相模原市がこの意見を 受けて、何らかの対応を行うことを期待するもの。 2.端数処理 報告書の数値は、原則として単位未満の端数を切り捨てて表示しているため、表中の総額の内 訳の合計が一致しない場合がある。単位未満の端数を四捨五入して表示している場合には、その 旨の記載を行っている。 公表されている資料等を使用している場合には、原則としてその数値をそのまま使用している。 そのため端数処理が不明確な場合もある。 3.報告書の数値等の出所 報告書の数値等は、原則として相模原市が公表している資料、あるいは監査対象とした組織から 入手した資料を用いている。その場合には相模原市からの出所である旨明示している。 報告書の数値等のうち、相模原市以外が公表している資料あるいは監査対象とした組織から入手 した資料以外の数値等を用いたもの、あるいは他の地方公共団体等の数値等を表示したものにつ いては、その出所を明示している。また、監査人が作成したものについてもその旨明示している。 4.参考文献・資料 『生活保護手帳2014 年度版』(中央法規) 『生活保護手帳別冊問答集2014』(中央法規) 『保護のてびき平成26 年度版』(第一法規) 『社会保障の教育推進に関する検討会報告書−資料編− ∼ 生徒たちが社会保障を正しく理解するために ∼』(平成 26 年 7 月厚生労働省政策統括官) 『現代社会福祉辞典』(有斐閣) 『生活保護制度の概要等について』(平成25 年 10 月 4 日厚生労働省社会・援護局保護課) 『生活保護に関する実態調査結果に基づく勧告』(平成26 年 8 月総務省)

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本報告書で用いている主な用語 用語 内容 公的扶助 生活に困窮する者に対し、その者の資力と需要を調査したうえでその必要に 応じて、公的な一般財源から支出される経済給付(現金または現物給付)。 被保護者 現に保護を受けている者をいう。(生活保護法第6 条第 1 項) 要保護者 現に保護を受けているといないとにかかわらず、保護を必要とする状態にある 者をいう。(生活保護法第6 条第 2 項) 保護率 生活保護受給人員の総人口に占める割合。世帯数で比較する場合は世帯保 護率とよぶ。 本報告書では、人口100人あたりの比率で示している場合と人口1,000人あた りの比率で示している場合がある。 福祉事務所 社会福祉法第14条に規定されている「福祉に関する事務所」をいい、福祉六 法(生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉 法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に定める援護、育成または 更生の措置に関する事務を司る第一線の社会福祉行政機関である。 都道府県及び市(特別区を含む。)は設置が義務付けられており、町村は任 意で設置することができる。 ケースワーカー 福祉事務所で現業を行う職員の通称。 現業員とは、相談援助の第一線で働く職員のことで、生活保護だけではなく、 障害者や児童、高齢者の相談業務を担当する職員も含まれる。 生活保護行政においては、保護申請時の調査、保護の決定、生活指導等を行 う職員の総称。 査察指導員 社会福祉法の規定により福祉事務所に置かれる職員で、指導監督を行う所員 のこと。 金銭給付 金銭の給与又は貸与によって、保護を行うことをいう。 (生活保護法第6 条第 4 項) 現物給付 物品の給与又は貸与、医療の給付、役務の提供その他金銭給付以外の方法 で保護を行うことをいう。(生活保護法第6 条第 5 項) 最低生活費 最低限度の生活を営むのに必要な生活費のこと。 生活保護基準 生活保護法によって保障すべき最低生活の水準を金額で示したものであり、 扶助の種類ごとにさまざまな事情を考慮して決められている。 ※ 報告書に記載している生活保護基準額は、原則として平成25 年 8 月から 平成 26 年 3 月までのものである。 ハローワーク (公共職業安定所) 職業安定法に基づいて設置されている国の行政機関。職業紹介、職業指導な ど職業の安定に関する業務、雇用保険法に基づく失業給付の支給や雇用安 定事業などの業務を行っている。 指導監査 福祉事務所における生活保護法施行事務の適否を関係法令等に照らして個 別かつ 具体的に検討し、必要な是正改善の措置を講ずるとともに、生活保護 行政が適正かつ効率的に運営できるよう、厚生労働省が指導・援助するもの。

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用語 内容 不正受給 不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせる ことであり、生活保護法第78 条が適用されたものをいう。 63 条返還金 資力があるにもかかわらず被保護者が保護を受けたときは、市町村に対して 速やかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において市町村の 定める額を返還しなければならない(生活保護法第63 条)。これが生活保護 法第63 条に基づく返還金(63 条返還金)である。 78 条徴収金 被保護者が不実の申請その他不正な手段により保護を受けたときは、市町村 の長は、その費用の全部又は一部を徴収することができるとされている(生活 保護法第78 条)。これが生活保護法第 78 条に基づく徴収金(78 条徴収金) である。 生活保護手帳 2014 中央法規出版㈱HP より 「「保護の基準」「保護の実施要領」「医療扶助運営要領」「介護扶助運営要 領」等の生活保護に係る重要な法令規範をわかりやすく編集。 本年度版では、「保護の基準」の年度改定、同年 4 月 25 日付けで発出 された局長通知・課長通知等の改正 (7 月 1 日適用分 ) を反映。」 生活保護手帳 別冊問答集 2014 中央法規出版㈱HP より 「本書は、厚生労働省から発出された「生活保護問答集について」(平成21 年3月31日付け厚生労働省事務連絡)を、実務で使いやすいよう再編集。 他法・他施策の参照条文や他の問への参照ページも適宜挿入した、生活 保護行政職員必携の一冊。」 ケース診断会議 被(要)保護者に関する生活保護の要件、生活実態、自立に対する取組み 等、保護の決定実施の上で問題、処遇困難となる事例について、方向性、対 応策等を検討する会議。 被保護者調査 生活保護法に基づく保護を受けている世帯及び保護を受けていた世帯の保 護の受給状況を把握し、生活保護制度及び厚生労働行政の企画運営に必要 な基礎資料を得ることを目的として、厚生労働省が行っている調査。平成 24 年度より、福祉行政報告例のうち生活保護関係について、被保護者全国一斉 調査と統合を行い、新たに被保護者調査に名称を変更している。 基礎調査、個別調査、月別概要に分類される。基礎調査及び個別調査の調 査時期は、毎年7月31日現在とされており、月別概要の調査時期は、調査月 1 か月間とされている。 次官通知 「生活保護法による保護の実施要領について」(厚生労働省事務次官通知) 局長通知 「生活保護法による保護の実施要領について」(厚生労働省援護局長通知) 課長通知 「生活保護法による保護の実施要領の取り扱いについて」(厚生労働省社会・ 援護局保護課長通知) 相模原市決算書 相模原市一般会計歳入歳出決算書

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目 次 第1 外部監査の概要 ... 1 1.外部監査の種類 ... 1 2.選定した特定の事件 ... 1 3.外部監査対象期間 ... 1 4.事件を選定した理由 ... 1 5.外部監査の実施期間 ... 1 6.監査対象部署 ... 1 7.監査従事者 ... 2 8.利害関係 ... 2 第2 外部監査の視点 ... 3 1.監査の基本的な視点とその検討結果 ... 3 2.実施した監査手続 ... 4 第3 外部監査の対象の概要 ... 5 1.生活保護制度の概要 ... 5 2.相模原市の生活保護行政の概要 ... 20 3.相模原市の生活保護費の決算状況と監査範囲に含めた事業 ... 26 第4 監査の結果及び意見 ... 27 Ⅰ.生活保護行政の現状分析 ... 27 1.生活保護費等の状況 ... 27 2.被保護世帯数等の状況 ... 35 3.相模原市の生活保護行政の概要 ... 46 4.保護率の他市比較 ... 49 5.扶助費の増加が相模原市の財政に与える影響 ... 52 Ⅱ.生活保護の開始に関する手続 ... 56 1.生活保護の相談・申請 ... 56 2.実施責任・要保護者の発見・把握(関係機関等との連絡・連携) ... 61 3.資産の活用と資産調査 ... 63 4.扶養義務の取扱いと扶養義務調査 ... 72 5.他法他施策の活用 ... 75 6.保護の決定 ... 78 7.保護の取下・却下 ... 82 Ⅲ.生活保護費の支給手続 ... 84 1.情報管理 (南生活支援課、緑生活支援課) ... 84 2.生活保護費の支給・現金管理 ... 89

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3.援助方針 ... 93 4.保護受給開始後の調査及び指導指示等 ... 94 5.扶助額 ... 101 6.生活保護の停止・廃止 ... 113 7.63 条返還金・78 条徴収金 ... 118 8.不正受給防止のための取組み ... 120 9.自立支援プログラム ... 123 Ⅳ.その他 ... 128 1.不服申立て ... 128 2.生活保護法施行事務監査 ... 130 3.国庫支出金・県支出金 ... 132

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第 1 外部監査の概要

1.外部監査の種類 地方自治法第252 条の 37 第 1 項に基づく包括外部監査 2.選定した特定の事件 生活保護等に関する事務の執行について 3.外部監査対象期間 原則として平成25 年度(平成 25 年 4 月 1 日から平成 26 年 3 月 31 日まで) ただし、必要に応じて平成24 年度以前及び平成 26 年度の執行分を含む 4.事件を選定した理由 相模原市の平成 25 年 7 月時点の保護率(人口 100 人あたりの生活保護受給者数の比率)は 1.85%で、平成 15 年度の保護率(0.81%)と比較すると大きく上昇しており、この 10 年で生活保護 受給者数は大きく増加している。 生活保護受給者数の増加に伴い、相模原市が支出する生活保護費も増加している。相模原市の 平成25 年度の生活保護費(当初予算額)は 220 億円で、10 年前の平成 15 年度決算額(85 億円) より135億円増加している。また、平成15年度決算では、一般会計の歳出総額(1,624億円)に占め る生活保護費の割合は5.2%であったが、平成25年度当初予算では、一般会計の歳出総額(2,445 億円)に占める生活保護費の割合は9.0%で、歳出総額に占める割合も増加している。 生活保護制度は、生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を 行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした制度で あるが、近年では不正受給や、働くよりも生活保護を受けている方が収入が増える場合があるなど、 制度に対して様々な問題や課題が指摘されている。 このように、生活保護制度は、相模原市の財政に与える影響も大きく、また、制度の信頼性や問題 点に対する市民の関心も高いと思われる。 これらの状況を踏まえ、相模原市の行う生活保護等に関する事務の執行が法令規則に準拠して適 正に行われているかどうか、また、効果的・効率的に行われているかどうかを検証する必要があると認 められるため、生活保護等に関する事務の執行を、平成26 年度の包括外部監査の特定の事件(テー マ)として選定した。 5.外部監査の実施期間 平成26 年 7 月 2 日から平成 27 年 1 月 28 日まで 6.監査対象部署 健康福祉局福祉部

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7.監査従事者 包括外部監査人 公認会計士 中元 文德 監査補助者 公認会計士 宮本 和之 コンサルタント 石村 英雄 公認会計士 加藤 聡 公認会計士 神戸 政之 公認会計士 栁原 匠巳 弁護士 山口 準子 公認会計士 吉川 晃史 8.利害関係 外部監査の対象とした事件につき、包括外部監査人及び監査補助者は地方自治法第252 条の 29 の規定により記載すべき利害関係はない。

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第2 外部監査の視点

1.監査の基本的な視点とその検討結果 生活保護制度の目的は、資産、能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する者に対し、困窮 の程度に応じた保護を実施すること(最低生活の保障)と自立の助長である。 この目的を果たすため、相模原市は生活保護行政に関して次の業務を実施している。 ≪表≫生活保護行政の業務の流れ ○ 生活の困窮を訴える者の相談を受け、申請意思を確認し申請を受ける。 ○ 申請を受理した後に調査を開始し、保護の要否、種類、程度及び方法を決定する。 ○ 保護が必要とされた者について生活保護を適用する。 ○ 生活保護開始となった者について、生活保護からの早期脱却を主眼に、訪問による面接等によ る調査を行い、各々が抱える課題を把握し、課題解決(=自立)に資する支援策を講じる。 ○ 課題解決のために必要とされる事項については、面接等を通してケースワーカーにより被保護 者に対し助言及び指導を行っている。 以上の流れを踏まえ、次の事項を監査の基本的な視点とした。 (1)合規性に問題はないか 包括外部監査の実施にあたり第一に留意すべき点は、事業に係る財務事務の執行や手続等が、 関連する法律・条例・規則に準拠しているかという「合規性」の観点である。このことは、生活保護等 に関する事務の執行についても同様であり、相模原市が行っている生活保護等に関する事務の執 行について、合規性に問題がないかを監査の基本的な視点とした。 (2)経済性、効率性及び有効性に問題はないか 地方公共団体が行う事業に係る財務事務の執行には人員や時間に限りがあり、このことは生活 保護行政も同様である。人員や時間に限りがある状況の中では、合規性が遵守されていても、経済 性、効率性及び有効性に大きな問題が生じていることは許されるものではなく、市民の要望に反す ると考えられる。 無駄を排除し、より成果の上がるよう、相模原市は生活保護行政に関して効率的に事務を行う必 要があり、包括外部監査においては「経済性、効率性及び有効性」の観点も重要であり、これを監 査の基本的な視点とした。 (3)生活に困窮する市民に対し、最低限度の生活を保障するものとなっているか 生活保護制度は、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保 護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。 生活保護は申請に基づき開始することを原則としており、保護の相談に当たっては、相談者の申 請権を侵害しないことはもとより、申請権を侵害していると疑われるような行為も厳に慎むこととされ ている(次官通知)。 相模原市の生活保護行政において、相談者の申請権を侵害しないことはもとより、申請権を侵害 していると疑われるような行為がなされていないかを監査の基本的な視点とした。

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2.実施した監査手続 生活保護行政の流れ及び監査の基本的な視点を踏まえ、次の監査手続を実施した。 (1)監査対象事業の把握 相模原市の生活保護行政について事業の説明資料を閲覧した。また、これらの資料について、 事業を所管する部署から意見聴取を行い、事業の概要を確認した。 (2)他の政令指定都市等との比較分析 生活保護行政の状況を概括的に把握するため、また市の生活保護行政に関する強み・弱みを 認識し今後の課題の検討に資するため、他の政令指定都市等の生活保護行政に関するデータと 相模原市のものを比較分析した。 (3)関連資料の閲覧と所管部署に対する質問 生活保護行政についての予算の執行に関連する資料及び生活保護行政の経営に関する資料 を閲覧し、法規準拠性及び効率性・経済性・公平性の点から検討した。 これらの内容については、必要に応じて所管部署に対し質問を実施している。 (4)現地視察 必要に応じて福祉事務所に赴き、事業の実施状況を視察した。また、現場担当者に事業の概況 について意見を聴取した。 視察対象施設の名称 視察対象施設の場所 中央福祉事務所 中央区富士見6-1-20 あじさい会館 5 階 緑福祉事務所 緑区西橋本5-3-21 緑区合同庁舎 3 階 緑区中野633 津久井総合事務所本館 3 階 南福祉事務所 南区相模大野6-22-1 南保健福祉センター3 階 (5)監査報告書の作成 以上の結果を取りまとめて、『平成26 年度包括外部監査の結果報告書』を作成した。

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第3 外部監査の対象の概要

1.生活保護制度の概要 (1)生活保護制度の目的 ① 日本の社会保障制度と生活保護制度 生活保護制度は生活保護法にその定めがある。同法第1条は、生活保護制度を、国が生活に困 窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を 保障するとともにその自立を助長することと定義している。 生活保護法は昭和25 年 5 月に制定施行されているが、同法に基づく生活保護制度は、現在に おいても日本の公的扶助の中核をなしている。ここで公的扶助とは、公的機関が主体となって一般 租税を財源とし、最低限の生活を保障するために行う経済的援助のことで、公的扶助は、日本の社 会保障制度の一翼を担うものである。 社会保障制度とは、個人の力だけでは備えることに限界がある生活上のリスクに対して、幾世代 にもわたる社会全体で助け合い、支えようとする仕組みをいう。日本の社会保障制度は、日本国憲 法第 25 条の生存権の保障を具体化するもので、社会保障審議会の 1950 年勧告の定義によれ ば、公的扶助のほかに、社会保険、社会福祉、公衆衛生から構成されている。 社会保険は、医療保険、年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険など、給付を受けるために 事前に保険料を拠出しておく必要があるもので、保険料を拠出していない場合は、実際にリスクに 見舞われても原則として給付を受けることができないものである。これに対して社会福祉や公的扶 助、公衆衛生は、税金を主な財源として給付を行うもので、給付を受ける者が直接その財源を負担 しているかどうかは原則として問われず、国や地方公共団体の施策として、金銭やサービスが提供 されるものである。 ≪表≫日本の社会保障制度 社会保険 社会福祉 公的扶助 公衆衛生 社会保障給付費 に占める割合 88% 8% 3% 1% 主な制度 医療保険・年金保険 雇用保険・労災保険 介護保険 児童福祉 身体障害者福祉 高齢者福祉 生活保護 感染症予防 予防接種 制度の趣旨 人生おいて遭遇する 様々なリスク(病気、労働 災害、失業)などに備え て、人々があらかじめ保 険料を出し合い、保険事 故にあった人にお金や サービスを支給する。 子どもへの保育や 障害者などへの福 祉サービスなどを 提供し、生活の安 定や自己実現を支 援する。 資産、能力など すべてを活用 してもなお生活 に困窮する方 に対し、必要な 保護を行うとと もに自立を助 長する。 国民が健康的な 生活を送れるよう にするため、病 気の予防や積極 的な健康作りを 公的に行う。 主な財源 保険料(本人・事業主) 公費(租税) 公費(租税) 公費(租税) 公費(租税) (社会保障の教育推進に関する検討会報告書(平成26年7月厚生労働省政策統括官)より)

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② 生活保護制度成立の流れ 公的制度としての貧困対策には、公的年金制度などの事前的な防貧対策と、事後的に貧困者を救 済する制度があり、事後的な救済制度は救貧制度と総称される。 明治7 年に定められた「恤救規則」が日本における近代的な救貧制度の始まりといわれている。恤 救規則は明治政府が府県に対して出した通達で、窮民に対する国による救済策を示したものである。 その後、昭和4 年 3 月に制定された救護法によって、法制度としての救貧制度が確立した。救護法 は、第1次世界大戦後の不況、関東大震災、それに続く昭和2年の金融恐慌等が相次いだ結果、数多 くの生活困窮者が発生し、恤救規則に代わる新たな統一的救済制度の早期実現が求められるようにな り、成立に至ったものである。(救護法の施行に伴い恤救規則は廃止) 救護法は、当時の要請に基づいて成立したものではあるが、救護における国家責任については明 確に規定しておらず、失業による困窮は救護の対象とはしないなど、差別的、制限的であったため、 要保護者の救済に十分な対応ができない面もあった。 第2次世界大戦終結後の昭和21年9月に旧生活保護法が制定され、同年10月から施行されてい る。同法は、要保護者に対する生活保護が国家責任を原則とすることが初めて明文化されている。そ の後、当時の社会情勢から生活保護制度の拡充強化の必要性が生じたため、昭和25 年 5 月に旧生 活保護法が全文改正され、現在の生活保護法が制定施行された。 新生活保護法に基づく生活保護制度は、現在までわが国の公的扶助の中核をなしている。ただし、 近年は、生活保護受給者数が増加傾向にあり、また、不正受給事案がクローズアップされる機会も 多々みられる。そこで、就労による経済的自立が容易でない生活保護受給者への就労・自立支援をよ り一層強化するとともに、不正受給事案に厳正に対応するため、平成25年12月に生活保護法が改正 されている。また、非正規労働者や年収200 万円以下の給与所得者等、生活に困窮するリスクの高い 層も増加傾向にあり、生活保護受給に至る前の段階から生活困窮者の就労・自立を促進すべく、平成 25 年12 月に生活困窮者自立支援法が公布され、平成27 年4 月から施行される。 ③ 生活保護制度の目的 日本国憲法は第25条で、「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定め ている。これは国民の生存権を定めたもので、生存権は基本的人権の一つに位置づけられている。 そして、生存権を保障すること、すなわち、国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障することは 国の義務とされており、その義務を実現するための制度の一つが生活保護法に基づく生活保護制 度となっている。このことは生活保護法第1 条に明確化されており、同条において生活保護制度は、 保護を国民の権利として認め、健康で文化的な最低限度の生活を保障すると定めている。 生活保護法第 1 条 この法律は、日本国憲法第 25 条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民 に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、 その自立を助長することを目的とする。 ただし、生活保護法第 1 条は、生活に困窮している国民に対して、最低限度の生活を保障する だけではなく、それらの人々の自立の助長を図ることを定めている。この自立の助長は、最低限度 の生活の保障とともに生活保護制度の大原則となっている。

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(2)生活保護の原理 生活保護制度には、「国家責任による最低生活保障の原理(生活保護法第1 条)」、「保護請求権 無差別平等の原理(生活保護法第2 条)」、「健康で文化的な最低生活保障の原理(生活保護法第 3 条)」及び「保護の補足性の原理(生活保護法第 4 条)」の 4 つの基本原理が定められている。 このうち、「国家責任による最低生活保障の原理」、「保護請求権無差別平等の原理」、「健康で 文化的な最低生活保障の原理」の3 つは国の守るべきことを定めたもので、「保護の補足性の原理」 は、保護を受ける側の守るべきことを定めたものとなっている。 ① 国家責任による最低生活保障の原理(生活保護法第 1 条) 「(1)③生活保護制度の目的」に記載したとおりで、生活保護法の目的を規定した最も根本的な 原理である。 生活に困窮する国民の保護を国がその直接の責任において実施すべきことを規定したものであ り、また、生活保護は、保護を受ける者の将来における自立の助長を図ることを目的としていること も規定している。 ② 保護請求権無差別平等の原理(生活保護法第2条) すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受け ることができる。 かつての救護法や旧生活保護法などは、素行著しく不良な者あるいは勤労を怠る者については、 救護や保護は行わないと定めていた。それに対して現在の生活保護法は、生活困窮に陥った原 因はいっさい問わず、もっぱら生活に困窮しているかという経済状態だけに着目して保護を行うこと としている。 ③ 健康で文化的な最低生活保障の原理(生活保護法第3条) この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができる ものでなければならないとして、生活保護制度によって保障される最低限度の生活水準の性格を 規定したものである。 生活保護制度は、憲法第25 条に規定する生存権の保障を実現するためのものであるから、この 制度によって保障される生活水準は、憲法上の権利として保障されている生存を可能にするもので なくてはならない。 ④ 保護の補足性の原理(生活保護法第4条) 保護を受けるために守るべき次の要件を規定した原理である。 1) 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限 度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。 2) 民法 に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護 に優先して行われるものとする。 3) 前 2 項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。

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保護の補足性の原理は、保護に要する経費は国民の税金で賄われていることなどから、保護を 受けるためには、各自が最善の努力をすることが先決であり、そのような努力をしても最低限度の 生活が営めない場合にはじめて保護が行われることを規定した原理である。 保護の補足性の原理は、「資産、能力その他あらゆるものの活用」、「扶養義務者の扶養」、「他の 法律による給付」に大別され、それぞれの具体的な内容は次のとおりである。 1)資産、能力その他あらゆるものの活用 「資産、能力その他あらゆるものの活用」は、「資産の活用」、「能力の活用」及び「その他あらゆ るものの活用」に大別される。それぞれの概要は次表のとおりである。 ≪表≫資産、能力その他あらゆるものの活用 項目 内容 資産の活用 保護を受けようとする者は、自らが保有している資産を最低生活維持のために 活用しなければならない。 活用については、まず、売却してその代金を生活費に充てることが考えられる が、保有資産について、売却しなければ保護を受けられないのか、そのまま保 有していても保護が受けられるのかどうかについては、次のような原則的な考 え方がある。 ① 現実に、最低生活の維持のために活用されており、かつ、処分するより も保有している方が生活維持および自立助長に実効があがっていると 認められるものは処分しなくてもよいこと。 ② 現在は活用されていないが、将来活用されることがほぼ確実で、かつ、 いま処分するよりも保有している方が生活維持に実効があると認められ るものも処分しなくてよいこと。 これは、あくまでも原則的な考え方を示したもので、実際の取扱いは、個々の 事案の状況やその地域の実情等に応じて決められるべきとされている。 また、機械的な取扱いはできるだけ避け、その世帯の自立の芽をつんでしまう ことのないように配慮して取り扱うことが基本的な考え方とされている。 能力の活用 保護を受けようとする者は、自らの能力も最低生活維持のために活用しなけれ ばならない。そのため、現実に稼働能力があり、就労が可能と思われる適当な 職場があるにも関わらず働く意思がない者は、補足性の要件を欠くとして保護 を受けることはできない。ただし、働く意思と能力があり、求職活動を行ってい ても現実に働く職場がない場合は、保護を受けることができる。 その他あらゆる ものの活用 補足性の原則は、資産、能力以外のあらゆるものにも適用される。例えば、他 の公的貸付制度などを利用すれば、現在だけではなく、将来にわたっても安 定した生活を営んでいくことができると見込まれる場合には、まず、当該貸付制 度を利用する必要がある。 2)扶養義務者の扶養 生活保護制度では、民法に定められている扶養義務の履行を保護に優先させ、その援助を受 けても生活に困る場合に保護が行われることとなっている。ただし、扶養義務者による扶養は、保

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護の前提条件とはされていない。 「資産、能力その他あらゆるものの活用」について定めている生活保護法第4条第1項は、「保護 は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活 の維持のために活用することを要件として行われる」として、「要件として」という文言を使用している。 これに対して、「扶養義務者の義務」について定めている生活保護法第4 条第 2 項は、「民法に定 める扶養義務者の扶養は保護に優先して行われるものとする」としており、「要件として」という文言 を使っていない。すなわち、扶養義務者による扶養は、保護の要件として定められてはいない。 生活保護法第4 条第 2 項の 「扶養が保護に優先する」とは、扶養義務者から保護受給者に対し て金銭の援助が行われた場合は、その援助の金額の分だけ保護費を減額すると解されている。 なお、生活保護法における扶養義務の範囲は、民法の定める扶養義務の範囲とされており、次 表のとおりである。 ≪表≫民法に定める扶養義務の範囲 1) 夫婦間及び親の未成熟の子(中学 3 年以下の子に対する関係) 2) 直系血族及び兄弟姉妹 3) 3 親等内の親族(叔父、叔母、甥、姪など)のうち特別な事情がある者 (過去にこの要保護者またはその世帯に属する人から扶養を受けるなど) 民法は、夫婦間や親による未成年子の扶助と、その他3 親等以内の親族間の扶養とが区別され ており、前者は法的拘束力が強い生活保持義務、後者は、自らの生活を維持した余力の範囲で扶 養を求める生活扶助義務とよばれており、強い扶養義務を負うのは夫婦間と未成熟の子に対する 親だけとされている。 3)他の法律による給付 生活保護制度は、最終の救済制度とされており、他の法律による給付を受けることができるときは、 その給付を受ける必要がある。たとえば、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、介 護保険法などによる措置や給付を受けることができるのであれば、これらの給付が優先される。 (3)生活保護の原則 生活保護制度には、制度運営にあたって、「申請保護の原則(生活保護法第7 条)」、「基準及び 程度の原則(生活保護法第8条)」、「必要即応の原則(生活保護法第9条)」及び「世帯単位の原則 (生活保護法第10 条)」の 4 つの原則が定められている。 ① 申請保護の原則(生活保護法第 7 条) 保護は、要保護者、その扶養義務者またはその他の同居の親族の申請に基づいて開始するも のとする。ただし、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行 うことができる。 生活に困窮する国民には、保護を請求する権利が保障されているが、権利を実現するためには 申請行為が必要となる。ただし、保護者が窮迫した状況にあるときは、保護の申請がなくとも必要な 保護を行うこと(職権保護)が可能となっている。

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② 基準及び程度の原則(生活保護法第 8 条) 保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者 の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。厚生労働大臣 の定める基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて 必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これをこえ ないものでなければならない。 保護を行うにあたっては、どのような対象者にどの程度の保護が必要なのか、具体的な考え方が あらかじめ示されている必要がある。生活保護法第 8 条はそのことを定めたものである。保護の実 施は、1)厚生労働大臣の定める基準により測定した、2)要保護者の需要を基とし、そのうち 3)その 者の金銭または物品で満たすことのできない、4)不足分を補う程度において行うものと規定してい る。この規定を踏まえ、「生活保護法による保護の基準」(以下「生活保護基準」という。)が定められ ている。 ③ 必要即応の原則(生活保護法第 9 条) 保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮 して、有効かつ適切に行うものとする。 生活保護制度は、機械的に運用するのではなく、個々の要保護者の実情に即して、有効適切に 行うことを求めている規定である。 ④ 世帯単位の原則(生活保護法第 10 条) 保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。ただし、これによりがたいとき は、個人を単位として定めることができる。 生活困窮は個人だけの現象ではなく、生計を同一にしている世帯全体を観察してはじめて把握 される現象であるという考え方を踏まえた規定である。 保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとされているが、その世帯は、高齢者 世帯、母子世帯、障害者世帯、傷病者世帯、その他の世帯の5 つに区分されている。 ≪表≫世帯の種類 種類 説明 高齢者世帯 男女とも65 歳以上の者のみで構成されている世帯か、これらに 18 歳未満の者 が加わった世帯 母子世帯 死別、離別、生死不明及び未婚等により、現に配偶者がいない 65 歳未満の女 子と18 歳未満のその子(養子を含む。)のみで構成されている世帯 障害者世帯 高齢者世帯、母子世帯、傷病者世帯以外で世帯主が障害者加算を受けている か、障害・知的障害等の心身上の障害のため働けない者である世帯 傷病者世帯 高齢者世帯、母子世帯、障害者世帯以外で世帯主が入院しているか、在宅患者 加算を受けている世帯、もしくは世帯主が傷病のため働けない者である世帯 その他の世帯 上記のいずれにも該当しない世帯

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(4)生活保護制度の概要 ① 生活保護の手続きの流れ 生活保護の手続きの流れについて、厚生労働省のホームページでは次のように示されている。 生活保護の手続きの流れ(厚生労働省ホームページより) 1.事前の相談 生活保護制度の利用を希望される方は、お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当 までお越し下さい。生活保護制度の説明をさせていただくとともに、生活福祉資金、各種社会保障 施策等の活用について検討します。 2.保護の申請 生活保護の申請をされた方については、保護の決定のために以下のような調査を実施します。 ● 生活状況等を把握するための実地調査(家庭訪問等) ● 預貯金、保険、不動産等の資産調査 ● 扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査 ● 年金等の社会保障給付、就労収入等の調査 ● 就労の可能性の調査 3.保護費の支給 ● 厚生労働大臣が定める基準に基づく最低生活費から収入(年金や就労収入等)を引いた額を 保護費として毎月支給します。 ● 生活保護の受給中は、収入の状況を毎月申告していただきます。 ● 世帯の実態に応じて、福祉事務所のケースワーカーが年数回の訪問調査を行います。 ● 就労の可能性のある方については、就労に向けた助言や指導を行います。 ② 生活保護の要否 生活保護制度は、厚生労働大臣の定める生活保護基準によって最低生活費を計算し、これとそ の世帯の収入とを比較して、その収入だけでは最低生活費に満たない場合に保護が行われる。 1)保護が受けられる場合 収入が最低生活費を下回るため、不足分が生活保護費として支給される。 最低生活費(最低生活保障水準) 収入(世帯) 生活保護費 2)保護が受けられない場合 収入が最低生活費を上回るため、生活保護は受けられない。 最低生活費(最低生活保障水準) 収入(世帯) 保護は、原則として世帯を単位としてその要否及び程度を定めるもので、生活保護が必要かどう かは、その世帯の最低生活費と収入合計との対比で判定される。 この場合の収入とは、稼働収入、各種の年金、手当・親族からの仕送り、その他預貯金、保険金、 財産を処分して得た収入などである。

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③ 生活保護の要否判定までの流れ 生活保護の要否判定までの流れは次のとおりである。 ≪図≫申請による保護の開始手続の概要 ○ 対応者 ・査察指導員、ケースワーカー 相談 ○ 相談に至った経緯について確認 ・現在の生活状況 ・収入の有無 ・病状 ・就労状況 ・資産、負債の有無 ・家族、親せき関係 ○ 活用できる他法他施策や新たなセーフティネット施策(住宅支援給付 や生活福祉資金等)について、紹介や活用の助言を行う。 保護の申請 受理 ○ 担当者 ・査察指導員、ケースワーカー 審査 ○ 居住先への訪問調査 ・ 生活状況の把握等 期間は原則 2 週間 ○ 資産調査 ・ 銀行に対して預金口座の有無、残高、生命保険会社に加入の有無、 解約返戻金等について照会 ○ 収入状況調査 ・ 就労している場合は、本人に給与明細等の提出を求め、必要に応じ 雇用先に調査 ○ 稼働能力の調査 ・ 健康上の問題があると認められる場合、本人に対し検診命令を実 施。検診結果をもとに稼働能力の有無等を把握 ○ 他法関係の資格調査 ・ 年金の受給権の有無、受給額等を年金事務所に照会 ・ 児童扶養手当等の受給の可否を関係部局に照会 ○ 扶養義務者への照会 ・ 配偶者や三親等内の親族等の扶養義務者に対し、経済的支援等の 可否を文書で照会 保護否 保護要 申請却下 保護開始 他法他施策等の活用により最低生活が 維持される場合は保護は要しない

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④ 最低生活費の体系 生活保護制度は、保護を国民の権利として認め、健康で文化的な最低限度の生活を保障するも のである。 健康で文化的な生活を営むために最低限度必要とされる生活費を最低生活費という。最低生活 費は生活保護基準によって計算され、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出 産扶助、生業扶助及び葬祭扶助の8 種類の扶助別に定められている。 ≪図≫最低生活費の体系 ※ 上記のうち、医療扶助及び介護扶助は、医療機関等に委託して行う現物給付を原則とし、医 療扶助及び介護扶助以外は金銭給付が原則となっている。 + 生活扶助 住宅扶助 教育扶助 一般基準 + 学校給食費 + 通学交通費 + 教材代 + 学習支援費 介護扶助 医療扶助 出産扶助 生業扶助 葬祭扶助 勤労控除 家賃・地代 家屋補修費 生業費・技能習得費(高等学校就学費)・就職支度費 障害者加算 介護施設入所者加算 最 低 生 活 費 各種加算 在宅患者加算 放射線障害者加算 児童養育加算 期末一時扶助 介護保険料加算 一時扶助 母子加算 妊産婦加算 第1類 第2類 地区別冬季加算 入院患者日用品費 介護施設入所者基本生活費

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⑤ 生活保護における扶助の種類 生活保護法は、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出産扶助、生業扶助及び 葬祭扶助の8 種類の扶助を定めており、これらの具体的な扶助額を生活保護基準で定めている。 ≪表≫生活保護の種類 種類 説明 生活扶助 日常生活に必要な費用を扶助するもの。基準額は、次の1)と 2)を合算して算出する。 1)食費等の個人的費用(年齢別に算定) 2)光熱水費等の世帯共通的費用(世帯人員別に算定) 特定の世帯には加算がある(障害者加算等)。 教育扶助 義務教育を受けるために必要な学用品費を扶助するもの。定められた基準額を支給する。 住宅扶助 アパート等の家賃を扶助するもの。定められた範囲内で実費を支給する。 医療扶助 医療サービスの費用を扶助するもの。費用は直接医療機関へ支払われるため本人負担はない。 介護扶助 介護サービスの費用を扶助するもの。費用は直接介護事業者へ支払われるため本人負担はない。 出産扶助 出産費用を扶助するもの。定められた範囲内で実費を支給する。 生業扶助 就労に必要な技能の修得等にかかる費用を扶助するもの。定められた範囲内で実費を支給する。 葬祭扶助 葬祭費用を扶助するもの。定められた範囲内で実費を支給する。 ⑥ 生活保護基準について 生活保護基準は、最低生活費を計算する尺度となるもので、保護の要否を決める判断基準とな るものであるが、それと同時に、生活保護費の支給額を決定するための基準でもある。 生活保護は、その者の収入だけでは最低生活が営めない場合に、その不足額を支給するもの であるが、生活保護基準は、保護を受けようとする者について、最低生活費とその者の収入とを対 比して、保護を受けることができるかどうかを決定する基準としての役割を有する。また、保護を受 けることができると決定されたケースに対して、現実に生活保護費として支給する額を決めるため の尺度となる基準でもある。 ⑦ 生活保護基準における級地の設定 生活保護基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応 じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これをこ えないものでなければならない(生活保護法第8 条第 2 項)とされている。 この規定を受けて、生活保護基準は、所在地域別に定められており、生活様式、物価の違いな どによる生活水準の差に対応して、全国の市町村を1 級地−1、1 級地−2、2 級地−1、2 級地−2、 3 級地−1、3 級地−2 の 6 区分に分類して基準額を設定している。 個々の市町村がどの級地に属するかは厚生労働大臣が決定している。おおむね、1 級地は大 都市及びその周辺市町、2 級地は県庁所在地をはじめとする中都市、3 級地はその他の市町村と なっており、相模原市は1 級地−2 とされている。 次表は、神奈川県の市町村の級地(平成26 年 4 月 1 日現在)を示したものである。

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≪表≫神奈川県の市町村の級地(平成 26 年 4 月 1 日現在) 級地 1 級地−1 1 級地−2 2 級地−1 2 級地−2 3 級地−1 3 級地−2 市町村 横浜市 相模原市 伊勢原市 中井町 川崎市 横須賀市 海老名市 山北町 鎌倉市 平塚市 南足柄市 愛川町 藤沢市 小田原市 綾瀬市 清川村 逗子市 茅ヶ崎市 寒川町 大和市 三浦市 大磯町 葉山町 秦野市 二宮町 厚木市 大井町 座間市 松田町 開成町 箱根町 真鶴町 湯河原町 ⑧ 生活扶助額の例 平成25 年 8 月時点における生活扶助額の例は次表のとおりである。 ≪表≫生活扶助額の例(平成 25 年 8 月∼) 項目 東京都区部等 地方郡部等 3 人世帯(33 歳、29 歳、4 歳) 166,810 円 133,120 円 高齢者単身世帯(68 歳) 80,140 円 62,960 円 高齢者夫婦世帯(68 歳、65 歳) 120,440 円 94,620 円 母子世帯(30 歳、4 歳、2 歳) 190,410 円 156,820 円 (「生活保護制度の概要等について」厚生労働省より) ⑨ 保護の実施機関と費用負担 生活保護行政は、都道府県、市及び福祉事務所を設置している町村が実施する。 生活保護費については、国が3/4、地方公共団体が 1/4 を負担する。 なお、福祉事務所について、厚生労働省のホームページでは次のように説明されている。 福祉事務所とは(厚生労働省ホームページより) 福祉事務所とは、社会福祉法第14条に規定されている「福祉に関する事務所」をいい、福祉六 法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的 障害者福祉法)に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を司る第一線の社会福祉行 政機関です。都道府県及び市(特別区を含む。)は設置が義務付けられており、町村は任意で設 置することができます。 1993 年(平成 5 年)4月には、老人及び身体障害者福祉分野で、2003 年(平成 15 年)4月には、 知的障害者福祉分野で、それぞれ施設入所措置事務等が都道府県から町村へ移譲されたこと から、都道府県福祉事務所では、従来の福祉六法から福祉三法(生活保護法、児童福祉法、母 子及び寡婦福祉法)を所管することとなりました。

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(5)生活保護制度の見直し ① 生活保護制度の見直しに係る近年の動き 次表は、生活保護制度の見直しに係る近年の動きを示したものである。 ≪表≫生活保護制度の見直しに係る近年の動き 年月 制度見直しの検討 その他 備考 平 成 22年 10 月 指定都市市長会「社会保障制度全 般のあり方を含めた生活保護制度 の抜本的改革の提案」 自治体から抜本改正の 提案 平 成 23年 4 月 社会保障審議会「生活 保護基準部会」設置 基準見直しの議論 スタート 5 月 社会保障審議会「生活保護制度に 関する国と地方の協議」を開催 国と地方の議論 スタート 12 月 「生活保護制度に関する国と地方 の協議」中間とりまとめ 生活保護受給者数が過 去最高を更新 ①運用改善(速やかに 実施) ②制度見直し(引き続き 検討)に分けて整理 平 成 24年 4 月 社会保障審議会「生活困窮者の生 活支援の在り方に関する特別部 会」設置 制度見直しの審議会議 論スタート 8 月 社会保障制度改革推進 法案成立 生活保護制度の見直し を早急に実施すべき旨 を規定 平 成 25年 1 月 生活困窮者の生活支援の在り方に 関する特別とりまとめ 生活保護基準部会報告 書とりまとめ ほぼ同時期にとりまとめ 5 月 生活保護法の一部を改正する法律 案及び生活困窮者自立支援法を 第183 回通常国会に提出 衆議院では可決、参議 院では審議未了により 廃案 10 月 2 法案を第 185 回臨時国会に 再提出 12 月 2 法案成立 (厚生労働省「改正生活保護法について」より) ② 生活保護制度の見直しと新たな生活困窮者対策の全体像 平成25 年度には、生活保護法の改正(平成 26 年 7 月 1 日(一部は平成 26 年 1 月 1 日)から 施行)、生活困窮者自立支援法(平成27 年 4 月 1 日施行)の成立、生活保護基準の見直しが行わ れている。

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≪表≫生活保護制度の見直し 1.生活保護法の改正 〈ポイント〉 支援が必要な人に確実に保護を実施するという考え方は維持しつつ、以下の見直しを実施 ①生活保護受給者の就労・自立の促進(就労自立給付金(※)の創設等) ※ 保護受給中の就労収入額の範囲で一定額を仮想的に積み立て、安定した職業に就いたこと で保護廃止に至った場合に限り支給 ②不正・不適正受給対策の強化(地方自治体の調査権限強化、罰則の引上げ等) ③医療扶助の適正化(指定医療機関制度の見直し等) ・後発医薬品の使用促進 2.生活困窮者の就労・自立支援のための新法の制定 〈ポイント〉 生活保護にいたる前の自立支援策の強化を図るため、以下を主な内容とする生活困窮者対策を 実施 ①利用者の状況に応じて最適な支援策を早期・包括的に提供する相談支援事業の創設 ②離職により住まいを失った人等に対して家賃相当を有期で支給 ③生活訓練や社会訓練等を含む就労支援策の創設 ④生活困窮家庭の子どもへの学習支援等の実施等 3.生活保護基準の見直し 〈ポイント〉 以下の考え方により生活保護基準の見直しを実施(平成25 年度予算に反映) ①年齢・世帯人員・地域差による影響の調整 ②前回(平成20年)の見直し以降の物価の動向の勘案 ③必要な激変緩和措置の実施 (「生活保護制度の概要等について」平成25 年 10 月 4 日厚生労働省社会・援護局保護課より) ③ 生活保護法の一部改正 必要な人には確実に保護を実施するという基本的な考え方を維持しつつ、今後とも生活保護制 度が国民の信頼に応えられるよう、就労による自立の促進、不正受給対策の強化、医療扶助の適 正化等を行うための所要の措置を講ずるとして、生活保護法の一部が改正され、平成26 年 7 月 1 日(一部は平成26 年 1 月 1 日)から施行されている。 生活保護法の主な改正内容は次のとおりである。 ≪表≫生活保護法の主な改正内容 項目 内容 1 就労による自立の 促進 ○ 安定した職業に就くことにより保護からの脱却を促すための給付 金を創設する。 2 健康・生活面等に 着目した支援 ○ 受給者それぞれの状況に応じた自立に向けての基礎となる、自 ら、健康の保持及び増進に努め、また、収入、支出その他生計の 状況を適切に把握することを受給者の責務として位置づける。

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項目 内容 3 不正・不適正受給 対策の強化等 ○ 福祉事務所の調査権限を拡大する(就労活動等に関する事項を 調査可能とするとともに、官公署の回答義務を創設する。)。 ○ 罰則の引上げ及び不正受給に係る返還金の上乗せをする。 ○ 不正受給に係る返還金について、本人の事前申出を前提に保護 費と相殺する。 ○ 福祉事務所が必要と認めた場合には、その必要な限度で、扶養 義務者に対して報告するよう求めることとする。 4 医療扶助の適正化 ○ 指定医療機関制度について、指定(取消)に係る要件を明確化す るとともに、指定の更新制を導入する。 ○ 医師が後発医薬品の使用を認めている場合には、受給者に対し 後発医薬品の使用を促すこととする。 ○ 国(地方厚生局)による医療機関への直接の指導を可能とする。 ④ 生活保護基準の見直し 以下の考え方により生活保護基準の見直しが実施されている。 1)年齢・世帯人員・地域差による影響の調整 2)前回(平成 20 年)の見直し以降の物価の動向の勘案 3)必要な激変緩和措置の実施 生活保護基準の見直しは、社会保障審議会生活保護基準部会における検証結果を踏まえ、年 齢・世帯人員・地域差による影響を調整したものとなっている。平成 20 年以降の物価動向を勘案 したものとなっているが、激変緩和措置として、平成 24 年度の基準額からの改定幅が 10%が限 度となるよう調整しており、平成 25 年 8 月から3年間かけて段階的に実施されている。具体的に は、平成 27 年度の生活扶助基準を決定し、3 年間かけて均等に改定を行うため、「現行の基準 (平成 24 年度の基準)」と、「見直し後の基準(平成27 年度の基準)」の差の 1/3 ずつを各年に おいて改定する手法を用いている。 ⑤ 生活保護基準に関する主な意見 近年、政府系の審議会等では、生活保護基準について、次のような考え方が示されている。 ≪表≫生活保護基準に関する主な意見 ○ (中略)さらに本部会の議論においては、国際的な動向も踏まえた新たな最低基準について の探索的な研究成果の報告もあり、将来の基準の検証手法を開発していくことが求められる。 (以下略) ○ 加算制度及び他の扶助制度についても、統計データの収集方法、検証手法の開発等につい て本部会において速やかに検討を行うべきである。その際は他の社会保障制度のこれまでの 見直しなどを踏まえながら、今日におけるその本質的な意義等を考慮することが必要である。 なお、生活扶助の年齢区分や級地区分の在り方についても検討すべきとの意見があった。 生活保護基準部会報告書(平成25 年 1 月 18 日)

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④生活保護 生活保護については、平成25 年度予算編成過程において、生活扶助基準や医療扶助につい て、一定の適正化が図られた。一方、厚生労働省社会保障審議会生活保護基準部会報告書に も、その趣旨が記載されているとおり、(ア)生活扶助以外の扶助制度、(イ)生活扶助等に対する 各種加算制度の根本的なあり方、などの検討は今後の課題となっている。生活保護の一層の適 正化に向けて、これらの点について、社会保障審議会生活保護基準部会においてさらなる検討 が行われることが期待される。 (生活保護・生活困窮者支援) ・ 支援の在り方(加算制度や各種扶助の給付水準)を速やかに検討し、見直す。不適正・非効率 な給付を是正する。 ・ 働くことの可能な被保護者には、本人の就労へのインセンティブを強化するとともに、被保護者 を取り巻く支援環境を整える。 ・ 生活困窮者に対する早期支援と貧困の連鎖の防止対策を強化する。 厚生労働省においては(中略)住宅扶助のあり方について、社会保障審議会生活保護基準部会 等の場において検討を開始する必要がある。 また、その際には、被保護者等を劣悪な施設に集めて住まわせ、その意に反して利用料を搾取 する、いわゆる「貧困ビジネス」に対する規制の要否・あり方についても検討が求められる。 (「生活保護制度の概要等について」平成25 年 10 月 4 日厚生労働省社会・援護局保護課より) 財政健全化に向けた基本的考え方(財政制度等審議会平成25 年 5 月 27 日) 経済財政運営と改革の基本方針(平成25 年 6 月 14 日閣議決定) 平成25 年度予算執行調査結果(財務省平成 25 年 7 月 26 日)

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2.相模原市の生活保護行政の概要 (1)相模原市の生活保護行政の運営体制 生活保護行政は、都道府県、市及び福祉事務所を設置している町村が実施し、都道府県と市は、 福祉事務所を設置し、被保護世帯に対して担当のケースワーカーを設定する必要がある。 ① 健康福祉局福祉部の組織図 市で、健康福祉局福祉部(以下「福祉部」という。)が生活保護行政を所掌しており、緑福祉事務 所、中央福祉事務所及び南福祉事務所の3 つの福祉事務所を設置している。 ≪図≫福祉部の組織図(平成 26 年 4 月 1 日現在) 地域福祉課 (保護援護班) ○ 福祉事務所(生活保護)の統括 ○ 生活保護法に規定する医療機関、介 護機関、施術機関の指定及び指導 ○ 生活困窮者援護施策、生活保護施策 の調査研究 ○ 中国残留邦人等の支援給付 緑生活支援課 (緑福祉事務所) 給付班 保護第1班∼第3班(自立支援の推進) 所管区域:緑区の区域 ※ 第 3 班は旧津久井・相模湖・藤野地 域区を担当 中央第1 生活支援課 中央第2 生活支援課 (中央福祉事務所) 給付班 保護第1 班∼第 4 班 保護第1 班∼第 4 班 所管区域:中央区の区域 (自立支援の推進) 南生活支援課 (南福祉事務所) 給付班 保護班として5 グループ (自立支援推進班を1 含む) 所管区域:南区の区域 給付班の事務 経理、医療扶助、介護扶助、統計事務 保護班の事務 相談、保護の決定・実施、自立支援や適正実施の推進 ≪表≫福祉事務所(生活保護)の職員配置数(平成 26 年 4 月 1 日現在) (単位:人) 職種 緑 中央 南 合計 第1 第2 小計 課長 1 1 1 2 1 4 査察指導員 3 4 4 8 5 16 ケースワーカー 22 29 29 58 38 118 経理・給付 4 5 − 5 4 13 福祉部

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(2)相模原市の概要 ① 相模原市の概況 相模原市は、昭和29 年に、神奈川県内10 番目の市としてスタートし、平成12 年に保健所設置 市、平成15 年に中核市に移行している。 平成18 年 3 月に津久井町及び相模湖町と、平成 19 年 3 月に城山町及び藤野町と合併し、平 成22 年 4 月に全国 19 番目の政令指定都市となっている。 相模原市全域図 ② 福祉事務所の所管区域の状況 相模原市の福祉事務所の所管区域の状況は次表のとおりである。 相模原市全体の保護率は1.87%であるが、中央福祉事務所の所管区域は 2.56%で、緑福祉事 務所の所管区域(1.44%)及び南福祉事務所の所管区域(1.49%)よりも高くなっている。 ≪表≫福祉事務所の所管区域の状況(平成 26 年 4 月 1 日現在) 項目 相模原市 緑福祉事務所 中央福祉事務所 南福祉事務所 世帯数 314,209 世帯 73,025 世帯 116,346 世帯 124,838 世帯 人口 721,178 人 175,867 人 268,492 人 276,819 人 被保護世帯数 9,324 世帯 1,703 世帯 4,603 世帯 3,018 世帯 被保護人員 13,518 人 2,527 人 6,860 人 4,131 人 保護率 1.87% 1.44% 2.56% 1.49% 旧藤野町 旧城山町 旧津久井町 旧相模湖町

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(3)相模原市の生活保護行政に関連性のある機関・施設等 ① 医療機関(病院、診療所) ケースワーカーは、日頃のケースワークの中で、病状調査等の情報収集、相互連絡など、対象 被保護者が通院または入院する医療機関(病院、診療所)と関わることは頻繁にある。生活保護法 上の「指定医療機関」は、生活保護受給者の傷病診療に携わるとともに、福祉事務所と連携し、被 保護者の治療と生活環境整備に協力しなければならない。 ② 介護保険施設 介護保険施設の種類(主なもの)は次表のとおりである。 ≪表≫介護保険施設の種類(主なもの) 施設 項目 内容 介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) 対象 寝たきりや痴呆等で常時介護を必要とし、在宅での生活が 困難なお年寄りが生活する施設。要介護度1以上であれ ば、介護保険の利用ができる。 内容 日常生活上の介護や機能訓練等を受ける。医療機関では ないため、入院治療が必要な人は利用できない。 利用費用 ○本人負担1割分は介護扶助で支給する。 ○基準生活費は介護施設基準と介護施設入所者加算を支給 (障害者加算や母子加算が支給されている場合には介護入 所者加算は支給されない。) ○自己負担する居住費は0円(多床室)、その他アメニティ代 など 介護老人保健施設 対象 特別養護老人ホームと病院の中間的な施設として、病状が安 定期にある人を対象とする。 内容 居宅復帰を目指して、リハビリ、看護・介護サービスを中心と した医療と日常生活サービスを提供する。 利用費用 特別養護老人ホームと同じ 介護療養型医療施設 (療養型病床) 対象 医療施設で、長期の療養と治療が受けられる体制が整い、高 齢者を対象とする。 内容 療養上の管理、看護、介護、リハビリなどのサービスを受ける。 利用費用 特別養護老人ホームと同じ 認知症対応型共同生活 介護(グループホーム) 対象 認知症のため介護を必要とする要介護度1以上の要介護者 内容 家庭的な雰囲気の中、介護職員の援助を受けながら、5∼ 9人の少人数で共同生活を送り、日常生活上の介護やリハ ビリを行う。個室が原則。介護保険では「在宅サービス」に 分類される。 利用費用 ○本人負担1割分は介護扶助で支給する。 ○基準生活費は居宅扱いとし、施設に支払う費用は、各施設 に確認する必要がある。

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③ 生活ホーム、グループホーム 生活ホーム、グループホームの概要は次のとおりである。 ≪表≫生活ホーム・グループホーム 施設 項目 内容 生活ホーム 対象 知的障害者 内容 障害者の自立や地域生活を促進するため、利用者が世話人等 から健康管理や金銭管理の援助、余暇活動の助言等日常生活 に必要な援助を受けて共同生活をする。 利用費用 基準生活費は居宅扱いとし、施設に支払う費用は、各施設に確 認する必要がある。 グループホーム 対象 知的障害者、精神障害者 内容 障害者の自立や地域生活を促進するため、利用者が世話人等 から健康管理や金銭管理の援助、余暇活動の助言等日常生活 に必要な援助を受けて共同生活をする。 利用費用 基準生活費は居宅扱いとし、施設に支払う費用は、各施設に確 認する必要がある。 ④ 関係機関等 1)相模原市社会福祉協議会 相模原市社会福祉協議会(相模原社協)は、相模原市の地域福祉発展のため、住民、ボランテ ィア、市民団体などとともに活動する民間の福祉団体(社会福祉法人)である。 活動、事業内容は、≪福祉啓発・福祉教育の推進≫、≪地区社会福祉協議会の支援≫、≪ボ ランティア育成事業≫の他、≪在宅福祉事業の推進≫として「ふれあいサービス(有料家事援助 サービス)」、「あじさい号の運行(車いすでも利用できるバス)」、障害者・高齢者の日常的な金銭 管理等を支援する「相模原あんしんセンター」の運営などである。 また、低所得者世帯で一時的な生活費や教育費の資金を貸付する「生活福祉資金貸付事業」 「生活資金一時貸付事業(生活保護受給者は貸付対象外)」がある。 ※ 「相模原あんしんセンター」 日常的な金銭管理、公共料金等の支払い代行、福祉サービスの代行申請等の他、日常的な生 活支援サービスと権利擁護に関する相談を行う。 預金通帳や印鑑、年金証書などを預かり、保管することにより、認知症や精神・知的障害で生活 費の管理ができない人の金銭管理を代行している。利用の申請と審査は、年に3回と限られてい るため、その時期について確認する必要がある。 2)高齢者支援センター 保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャー等の専門職を配置し、高齢者や介護家族からの 様々な相談を電話や訪問等を受けるほか、在宅福祉サービスや介護保険の申請代行、歩行器・ 車椅子などの紹介、介護予防に関する教室の開催等を行っている。 市が社会福祉法人等に委託をして市内26 箇所に設置している。

参照

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