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プラグインハイブリッド車の普及に必要な電力量とそのCO2削減効果

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

電池技術の進展により、ハイブリッド自動車の電池容量を大型化させ家庭用電源から充電可能としたプラグ インハイブリッド車(PHEV : Plug-in Hybrid Electric Vehicle)* 1(図 1)の実用化の可能性が出てきた。こ

の PHEV の充電に夜間電力等を有効利用することで、省エネルギー・ CO2削減・脱石油・大気環境負荷低減 等の効果が期待できる。PHEV の普及は輸送部門の電力化を意味しており、電気事業にとっても PHEV の低環 境負荷自動車としてのポテンシャルを把握すると共に、日本に普及した際の電力需要に与える影響を評価する 事は重要である。

目 的

PHEV の性能ならびに開発現状を取りまとめると共に、PHEV の電力需要・ CO2排出削減効果に関する予測 手法を構築し、日本への普及を考えた場合における PHEV の有する CO2削減効果とそれに必要となる電力量 を明らかにする。

主な成果

PHEV の性能と自動車走行パターンから、PHEV の充電に必要な電力量、ガソリン消費削減量、CO2排出削

減量、将来の電力需要などを予測する手法を構築した。この手法を近い将来のわが国の PHEV 導入予測に適 用し、以下の結果を得た。 1.PHEV が日本の全登録車両(約 8000 万台)に普及した場合、その充電に必要となる電力は 96km 電気走 行可能な PHEV(PHEV96)で年間 793 億 kWh、32km 電気走行可能な PHEV(PHEV32)で年間 412 億 kWh となる(表 1)。 2.PHEV が日本の全登録車両に普及した場合の負荷曲線への影響を評価するために時刻に関する日本の自 動車走行パターンを作成した。さらに、日本全体を仮想的に一系統とみなし PHEV は深夜充電を行うと 仮定した場合、PHEV96 の導入による負荷平準化に対する潜在能力は日本全体で約 3000 万 kW となる (図 2)。 3.PHEV が 2010 年に導入され、ハイブリッド自動車と同じ普及スピードを仮定すると、2030 年で頭打ちに なると予測されている電力需要は、PHEV96 または PHEV32 の導入により 2030 年以降もそれぞれ年間約 1 %、約 0.5 %伸びる(図 3)。 4.PHEV96 が日本の全登録車両に普及した場合、ガソリン消費量を年間 4240 万 kL 削減する。また、PHEV 充電電力を CO2が出ない原子力や自然エネルギー、もしくは LNG 火力で供給すると CO2排出削減量は、 それぞれ、年間 0.98 億トン(2003 年度輸送部門の 38 %)と 0.64 億トン(2003 年度輸送部門の 25 %)とな り、PHEV 普及は輸送部門における CO2排出削減へ大きく貢献する。 なお本研究の一部は東京大学との共同研究として実施しました。

今後の展開

本報告で適用した PHEV 性能は、米国の走行サイクルで検討されたものであるため、日本の走行サイクル を用いた PHEV 性能を検討し、本手法の精度向上を目指す。 主担当者 原子力技術研究所 新型炉領域 主任研究員 日渡 良爾 原子力技術研究所 新型炉領域 上席研究員 岡野 邦彦 関連報告書 「プラグインハイブリッド車導入が日本の電力需要へ及ぼす影響」電力中央研究所報告: L05008(2006 年 7 月) 68

プラグインハイブリッド車の普及に必要な電力量と

そのCO

2

削減効果

* 1 :PHEV は、充電容量を大型化した搭載電池に系統電源から充電することで、通勤などの日常走行(数十 km)は 電気自動車として走行可能であり、走行距離が数十 km 以上となり電池充電率が低下するとガソリンハイブリッ ド車として走行する車。

(2)

3.需要家エネルギーサービス/省エネ・快適環境設計

69 図2 PHEV96の充電による負荷平準化効果 エンジン ガソリンタンク バッテリー モーター 発電機

ハイブリッド車(HEV)

エンジン ガソリンタンク バッテリー モーター 発電機

ハイブリッド車(HEV)

エンジン ガソリンタンク バッテリー モーター 発電機

プラグイン

ハイブリッド車(PHEV)

エンジン ガソリンタンク バッテリー モーター 発電機

プラグイン

ハイブリッド車(PHEV)

バッテリー モーター 発電機

電気自動車(EV)

バッテリー モーター 発電機

電気自動車(EV)

図1 ハイブリッド車(パラレル方式の場合)、プラグインハイブリッド車、電気自動車の比較 図3 PHEV導入を考慮に入れた電力需要将来予測 プラグインハイブリッド車は、ハイブリッド車のバッテリーとモータを大型化し、コンセントプラグをつけ 家庭用電源から充電できるようにした車。 2001年7月24日の負荷曲線(日本の10電力会社合成 値)を基準とし、深夜にPHEV充電を行った場合。 2030年までの電力需要予測は経済産業省「2030年のエ ネルギー需給展望」より。2030年以降の電力需要予測 は増加率0%を仮定。PHEVは2010年導入を仮定。 用語説明

PHEV:プラグインハイブリッド車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle) PHEV32:32km電気走行可能なプラグインハイブリッド車 PHEV96:96km電気走行可能なプラグインハイブリッド車 車種 PHEV32 PHEV96 エンジン最大出力(kW) 61 中型セダン 3000cc相当 モーター定格出力(kW) 51 電池容量(kWh) 5.9 車両重量(kg) 1664 ガソリンハイブリッド走行時 18.5 車 両 性 能 燃費(km/L) 電気走行時(ガソリン換算値) 49.8 充電に必要となる年間電力量(億kWh) 412 CO2削減効果(億トン) 0.51 天然ガス火力で充電電力供給する際のCO2排出量(億トン) 0.18 38 75 17.9 1782 19.3 48.4 793 0.98 0.34 表1 PHEVの車両性能パラメータ* と日本の全登録車両がPHEVになった場合に充電に必要となる年間電力 量・CO2削減効果、充電電力を天然ガス火力発電で供給する際のCO2排出量 *

PHEVの性能パラメータは“Comparing the Benefits and Impacts of Hybrid Electric Vehicle Options”, EPRI, Palo Alto, CA:2001, 1000349の評価結果を適用

参照

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